JP2772241B2 - 熱転写装置 - Google Patents

熱転写装置

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JP2772241B2
JP2772241B2 JP13998794A JP13998794A JP2772241B2 JP 2772241 B2 JP2772241 B2 JP 2772241B2 JP 13998794 A JP13998794 A JP 13998794A JP 13998794 A JP13998794 A JP 13998794A JP 2772241 B2 JP2772241 B2 JP 2772241B2
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秀典 小竹
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被加飾物の被加飾面に
熱転写フィルムを押圧するとともに加熱して加飾を行う
熱転写装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特公昭60─18919号公報には、熱
転写装置が記載されている。この公報に記載された熱転
写装置は、(1) 一般面からの突出と凹陥との少なくとも
一方により形成され、被加飾物を被加飾面とは反対側の
裏面側から支持する被加飾物支持部を備えた支持型と、
(2) その支持型に支持された被加飾物の被加飾面に対向
する状態で、熱転写フィルムを保持する熱転写フィルム
保持装置と、(3) 熱転写フィルム保持装置によって保持
された熱転写フィルムを被加飾物の被加飾面に密着させ
る真空装置と、(4) 熱転写フィルムを被加飾物の被加飾
面に押圧する押圧面を有する押圧型と、(5) 押圧面を加
熱する加熱装置とを備えたものである。
【0003】この装置によれば、支持型に支持された被
加飾物の被加飾面に、熱転写フィルム保持装置によって
保持された熱転写フィルムが、真空装置によって密着さ
せられ、その後、加熱装置によって加熱された押圧型の
押圧面によって熱転写フィルムが被加飾物の被加飾面に
押圧される。その結果、被加飾物の被加飾面に熱転写フ
ィルムに設けられた被転写模様等が転写されて加飾が行
われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報に記
載された熱転写装置においては、熱転写フィルムに設け
られた被転写模様を被加飾面に良好に転写することがで
きない場合があるという問題があった。熱転写フィルム
を延ばして被加飾物の3次元形状の被加飾面に密着させ
る際に、熱転写フィルムの被加飾面に対応する部分にし
わが生じてしまうからである。熱転写装置に使用される
熱転写フィルムは、通常、ポリエチレンテレフタレート
製のフィルムである。ポリエチレンテレフタレート製の
フィルムは、耐熱性,強靱性に優れる反面、延伸性に劣
るため、しわが生じないように被加飾面に密着させるこ
とが困難である。
【0005】そこで、本願の第一発明の課題は、熱転写
フィルムを小さい伸びでもしわ無く3次元形状の被加飾
面に密着させ得る熱転写装置を得ることである。第二発
明以下の課題は、第一発明の課題に加えてさらにそれぞ
れ以下の付加的課題を解決することである。第二発明の
付加的課題は、しわとり部をできる限り容易に、したが
って安価に形成することである。第三発明の付加的課題
は、熱転写フルムを良好に被加飾面に押圧し得る押圧型
を得ることであり、第四発明の付加的課題は、第三発明
の係る押圧型の耐久性を向上させることである。第五発
明の付加的課題は、押圧型の製造や保守を容易にするこ
とであり、第六発明の付加的課題はそれらの一層の容易
化を図ることである。第七発明の付加的課題は、熱転写
フィルムの節減を図り得る熱転写装置を得ることであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】第一発明の要旨は、熱転
写装置を、(a) 一般面からの突出と凹陥との少なくとも
一方により形成され、被加飾物を被加飾面とは反対側の
裏面側から支持する被加飾物支持部と、その被加飾物支
持部の周辺部に設けられ、その周辺部の面より窪んだ凹
部と突出した凸部との少なくとも一方を含むしわとり部
とを備えた支持型と、(b) その支持型に支持された被加
飾物の被加飾面に対向する状態で、熱転写フィルムを保
持する熱転写フィルム保持装置と、(c) その熱転写フィ
ルム保持装置によって保持された熱転写フィルムと被加
飾面との間を脱気して熱転写フィルムを被加飾面としわ
とり部の少なくとも一部とに密着させる真空装置と、
(d)熱転写フィルムを被加飾物の被加飾面に押圧する押
圧面を有する押圧型と、(e)押圧面を加熱する加熱装置
とを含むものとすることにある。
【0007】支持型の被加飾物支持部の形状は、被加飾
物の形状に応じて決定される。例えば、被加飾物が概し
て凸状を成し、その凸面が被加飾面である場合には、被
加飾物支持部は一般面からの突出によって形成されるこ
とになり、逆に、凹面が被加飾面である場合には、被加
飾物支持部は、一般面からの凹陥のみ、突出のみ、ある
いは突出および凹陥の両方によって形成されることにな
る。しわとり部は、被加飾物支持部の周辺部の面から突
出した凸部であっても、窪んだ凹部であっても、これら
両方であってもよい。しわとり部が設けられる面は多く
の場合一般面であるが、例えば、突部の先端部のみが被
加飾物支持部を形成し、その突部の基端部に被加飾物に
よって覆われない比較的広い面がある場合にはその面に
形成されてもよい。
【0008】第二発明の要旨は、前記しわとり部を、一
般面より突出した凸部を含むものとし、かつ、その凸部
を、頂面が半球状の複数個のしわとり部材が支持型の本
体に固定されたものとすることにある。複数個のしわと
り部材のすべてが、形状や大きさ(頂面を形成する半球
の半径や一般面から頂面までの高さ等。以下、形状等と
略称する。)が同じものであっても、異なるものであっ
てもよい。また、しわとり部材の材質は何であってもよ
い。
【0009】第三発明の要旨は、押圧面を、被加飾物の
被加飾面の形状に対応する形状のゴム状弾性材層によっ
て形成し、押圧型を、そのゴム状弾性材層と、そのゴム
状弾性材層を押圧面とは反対側の裏面において支持する
ゴム状弾性材層支持部材とを含むものとすることにあ
り、第四発明の要旨は、このゴム状弾性材層を、それの
周縁にほぼ平行に形成された長手形状の突部を有するも
のとし、ゴム状弾性材層支持部材を、その突部と嵌合す
る溝を有するものとすることにある。
【0010】ゴム状弾性材層が有する突部は、周縁にほ
ぼ平行に形成された長手形状のものであれば、全周縁に
沿って環状に形成されたものでも、周縁の一部に沿って
形成されたものでもよい。また、突部は1個であって
も、複数個であってもよい。ゴム状弾性材層支持部材に
は、溝が、突部に対応した位置に対応した個数だけ形成
されることになる。
【0011】第五発明の要旨は、前記押圧型を、さら
に、ゴム状弾性材層支持部材をゴム状弾性層を支持する
面とは反対側から加熱する加熱部材と、それらゴム状弾
性材層支持部材と加熱部材とを着脱可能に結合する結合
装置とを備えたものとすることにある。加熱部材は、電
気ヒータ等の発熱源を備えたものでも、加熱された液体
や気体の通路を備えたものでもよい。
【0012】第六発明の要旨は、さらに、前記ゴム状弾
性材層およびゴム状弾性材層支持部材を、押圧面に沿っ
てほぼ一定の厚みを有する殻状を成すものとすることに
ある。第七発明の要旨は、当該熱転写装置を、前記熱転
写フィルムの幅より広い幅のカバーフィルムを、熱転写
フィルムを押圧型側から覆う状態で保持するカバーフィ
ルム保持装置を含むものとすることにある。カバーフィ
ルムは、熱転写フィルムと同じ材質のものであっても、
異なる材質のものであってもよい。また、厚みが同じで
あっても異なっていてもよい。
【0013】
【作用】第一発明の熱転写装置においては、被加飾物
は、支持型の被加飾物支持部において被加飾面とは反対
側の裏面側から支持され、しわとり部は、その被加飾物
支持部の周辺部に設けられている。熱転写フィルムは、
これら被加飾物としわとり部との両方を覆う状態で、す
なわち、被加飾面に対向する状態で熱転写フィルム保持
装置によって保持される。この状態で、熱転写フィルム
と被加飾面との間が真空装置によって脱気されると、熱
転写フィルムが、しわとり部の少なくとも一部と被加飾
面とに密着させられる。この状態において、加熱された
押圧面によって被加飾面に押圧されると、熱転写フィル
ムに設けられた被転写模様等が、熱と圧力とによって被
加飾面に転写される。押圧面は加熱装置によって加熱さ
れる。
【0014】上記のように、熱転写フィルム保持装置に
よって保持された熱転写フィルムが、真空装置による脱
気によって被加飾物の3次元形状の被加飾面に密着させ
られる際、しわとり部の少なくとも一部にも密着させら
れる。平面形状の熱転写フィルムを3次元形状の被加飾
面に密着させるためには、部分的な伸びと縮みとの少な
くとも一方を生じさせることが必要になるのであるが、
熱転写フィルムを面に平行な方向に圧縮して縮みを生じ
させることは事実上不可能である。したがって、殆ど伸
びのみによって3次元形状の被加飾面に密着させること
が必要であるが、前述のように熱転写フィルムは伸長性
に劣るのが普通であるため、被加飾面の形状によっては
密着させることが不可能となり、しわが生じる。
【0015】熱転写フィルムにしわが生じるのは、その
部分において熱転写フィルムが余るからである。そこ
で、第一発明においては、支持型の被加飾物支持部の周
辺部に、その周辺部の面からの突出と凹陥との少なくと
も一方によりしわとり部を設け、熱転写フィルムをしわ
とり部に沿って膨らませあるいは窪ませる(以下、3次
元的に湾曲させると称する)ことによって、余分な部分
を吸収させるのである。熱転写フィルムをしわとり部に
沿って3次元的に湾曲させれば、縮ませることと同等の
効果が得られるのであり、湾曲させられた部分の周辺に
おいて熱転写フィルムの伸びが小さくて済む。換言すれ
ば、伸長性の小さい熱転写フィルムでも3次元形状の被
加飾面に良好に密着させることが可能となるのである。
【0016】しわとり部は、それが設けられていない場
合に熱転写フィルムにしわが生じる部分に設ければ効果
があり、また、しわは被加飾面上において生じなければ
実用上差し支えないため、本来は被加飾面に設けるべき
であることになるが、実際上は被加飾面にしわとり部を
設けることはできない。したがって、支持型の被加飾物
支持部の周辺部にしわとり部を形成するのである。
【0017】第二発明の熱転写装置においては、しわと
り部が、複数個のしわとり部材によって構成される。し
わとり部材は、頂面が半球状を成したものであり、支持
型の本体に固定される。それぞれのしわとり部材の固定
位置,個数等は、被加飾物の被加飾面の形状や熱転写フ
ィルムの材質等に応じて、熱転写フィルムのしわが少な
くなるように適宜決定することができる。そのため、被
加飾面の形状や熱転写フィルムの材質等が異なっても、
固定位置や個数等を変えるだけで対応できる場合が多
い。被加飾面の形状や熱転写フィルムの材質等に応じ
て、専用のしわとり部材を製作しなくてもよい場合が多
いのである。形状等が異なるしわとり部材を複数種類、
それぞれ複数個づつ製作しておけば、被加飾面の形状や
熱転写フィルムの材質等に対応し得る範囲を広げること
ができる。また、専用のしわとり部材を使用する場合に
比較して、しわとり部材を被加飾面支持部に近づけて固
定することが容易である。
【0018】第三発明の熱転写装置においては、押圧面
が、被加飾物の被加飾面の形状に対応する形状のゴム状
弾性材層によって形成されている。押圧面が、ゴム状弾
性材層によって形成されるため、熱転写フィルムが被加
飾面に均一な面圧で押圧される。押圧面が金属によって
形成される場合より面圧が均一になるのである。
【0019】第四発明の熱転写装置においては、ゴム状
弾性材層の突部とゴム状弾性材層支持部材に形成された
溝との係合によって、ゴム状弾性材層がゴム状弾性材層
支持部材から剥がれ難くなる。例えば、押圧型が垂直方
向に移動する熱転写装置において、溝がゴム状弾性材層
支持部材のほぼ垂直な面に形成されている場合には、ゴ
ム状弾性材層に垂直方向の移動時に掛かる剪断力に対す
る抵抗力が生じる。そのため、ゴム状弾性材層が加熱さ
れた状態で使用されても、剥がれ難くなるのである。な
お、ゴム状弾性材層支持部材に溝を形成すると、ゴム状
弾性材層のその溝に対応する部分の押圧面に若干窪みが
生じる。そのため、その部分によって押圧された被加飾
面においては、被転写模様の密着が弱くなるおそれがあ
る。それを回避するため、溝はゴム状弾性材層の周縁近
傍で被転写模様のない部分に設けることが望ましい。
【0020】第五発明の熱転写装置においては、ゴム状
弾性材層支持部材と加熱部材とが、結合装置によって着
脱可能に結合される。結合された状態において、ゴム状
弾性材層支持部材は、加熱部材によって、ゴム状弾性材
層を支持する面とは反対側から加熱され、ゴム状弾性材
層は熱伝導によって押圧面とは反対側の面から加熱され
る。ゴム状弾性材層支持部材と加熱部材とが分離可能と
されるため、多品種の被加飾物に適用し得るようにする
場合に、押圧型の製作費用が低減する。例えば、多品種
の被加飾物に適用し得るようにするためには、従来の押
圧型においては、加熱部を含む押圧型全体を多種類製作
しなければならなかったが、本発明の押圧型において
は、ゴム状弾性材層支持部材のみを多種類製作すればよ
いからである。
【0021】さらに、ゴム状弾性材層の交換作業等が容
易になる。ゴム状弾性材層の損傷,劣化等により交換が
必要になった場合、従来の熱転写装置においては、押圧
型全体を取り扱わなければならなかったのに対して、本
発明の熱転写装置においては、ゴム状弾性材層とゴム状
弾性材層支持部材とを取り扱えばよく、取り扱う部材の
重量が軽くて済むからである。しかも、加熱手段を内蔵
した加熱部を一体的に備えた従来の押圧型においては、
押圧型を熱転写装置から取り外す際には押圧型から加熱
手段を取り外さなければならなかったのに対し、本発明
の押圧型においては加熱部材を取り外す必要がないた
め、加熱手段を加熱部材から取り外す必要もないのであ
る。
【0022】第六発明の熱転写装置においては、ゴム状
弾性材層支持部材が殻状を成しているため、ゴム状弾性
材層支持部材の重量が更に軽減され、取扱いが一層容易
になる。
【0023】第七発明の熱転写装置においては、熱転写
フィルムを押圧面側から覆う状態で、カバーフィルムが
カバーフィルム保持装置によって保持される。カバーフ
ィルムの幅は熱転写フィルムの幅より広い。そのため、
熱転写フィルムの幅が狭く、熱転写装置の構造上の問題
から熱転写フィルムと被加飾面との間が脱気できない場
合でも、カバーフィルムによって覆われていれば脱気が
可能となる。脱気時に、幅の広いカバーフィルムが、幅
の狭い熱転写フィルムを間に挟んで被加飾物に密着し、
結局、熱転写フィルムが3次元形状の被加飾面に密着す
ることになるからである。その結果、熱転写フィルムの
幅は被加飾模様の幅より僅かに広ければよいことにな
り、熱転写フィルムの使用量を節減し得るのである。
【0024】
【発明の効果】第一発明の熱転写装置においては、しわ
とり部材が設けられているため、熱転写フィルムを、し
わとり部がない場合に比較して少しの伸びて3次元形状
の被加飾面にしわなく密着させることができる。そのた
め、熱転写フィルムに設けられた被転写模様を被加飾物
の被加飾面に良好に転写することができる。
【0025】第二発明の熱転写装置においては、適切な
しわとり部を構成することが容易になる特有の効果が得
られる。しわとり部材の固定位置,個数等を適宜変更す
ることによって、被加飾面の形状や熱転写フィルムの材
質等に応じて、熱転写フィルムの被加飾面に対応する部
分にしわが生じないようにすることができるからであ
る。また、規格化されたしわとり部材を使用することに
よって、被加飾面の形状や熱転写フィルムの材質等に応
じた専用のしわとり部材を製作して使用する場合に比較
して、支持型の製作コストを低減し得る。さらに、しわ
とり部材を被加飾物支持部に近接して固定することが可
能であるため、支持型等を小形化することが可能とな
る。
【0026】第三発明の熱転写装置においては、押圧面
が被加飾面の形状に対応した形状を成しており、しか
も、その押圧面が、ゴム状弾性材層によって形成されて
いるため、被加飾面全体を、均一の力で押圧することが
できる。そのため、被加飾面にさらに良好に加飾を行う
ことが可能となる。
【0027】第四発明の熱転写装置においては、ゴム状
弾性材層には突部が形成され、ゴム状弾性材層支持部材
には溝が形成されているため、ゴム状弾性材層が剥がれ
ることを良好に回避し得、押圧型の寿命が長くなるとと
もに、熱転写装置の稼働率が向上する特有の効果が得ら
れる。
【0028】第五発明の熱転写装置においては、ゴム状
弾性材層支持部材と加熱部材とが着脱可能とされている
ため、多品種の被加飾物に対応し得るようにする場合に
加熱部材を共用することができ、押圧型の製作コストを
低減させることができる特有の効果が得られる。また、
ゴム状弾性材層の交換作業,修理,形状修正,状態確認
等の作業時に取り扱うべき部材の重量が軽くなるため、
その分、作業が容易となる。作業時間の短縮,安全性の
向上,保管場所の節約等を図ることが可能となるのであ
る。
【0029】第六発明の熱転写装置においては、ゴム状
弾性材層支持部材が殻状とされるため、ゴム状弾性材層
支持部材の重量を更に軽量化することが可能となり、ゴ
ム状弾性材層の交換作業等が一層容易となる。第七発明
の熱転写装置においては、高価な熱転写フィルムの幅を
狭くすることができ、コストダウンを図ることができ
る。
【0030】
【発明の望ましい態様】以下、本発明の望ましい態様を
列挙し、必要に応じてそれぞれに関連する説明を行う。 (1)前記加熱装置が、前記ゴム状弾性材層を前記押圧
面側から加熱する押圧面側加熱装置を含む請求項5ない
し7のいずれか1つに記載の熱転写装置。 (2)前記押圧面側加熱装置が、前記ゴム状弾性材層の
押圧面を放射熱によって加熱する放射型加熱装置である
態様1記載の熱転写装置。
【0031】ゴム状弾性材層は、加熱部材によって前記
裏面側からゴム状弾性材層支持部材を介して加熱される
とともに押圧面側加熱装置によって押圧面側からも加熱
される。その結果、裏面側からのみ加熱される場合に比
較して、加熱部材による加熱温度を低くすることができ
る。すなわち、裏面側からの加熱温度が低くても、押圧
面の温度を転写に必要な温度まで高めることが可能とな
るのである。その結果、ゴム状弾性材層とゴム状弾性材
層支持部材との接着面の温度、およびゴム状弾性材層自
体の平均温度を低下させることが可能となり、接着材層
およびゴム状弾性材層の熱による劣化を抑制することが
でき、押圧型の寿命を長くすることができる。また、ゴ
ム状弾性材層の熱膨張を小さくすることができるため、
熱転写フィルムを均一に被加飾面に押圧することが容易
になる。さらに、ゴム状弾性材層の押圧面を加熱する押
圧面側加熱装置を放射型である場合には、汎用の加熱装
置を利用することができるため、専用の接触式加熱装置
による場合に比較してコストの低減を図ることができ
る。
【0032】(3)前記結合装置が、前記ゴム状弾性
材層支持部材と加熱部材との一方に設けられたガイドレ
ールと、他方に設けられてそのガイドレールとガイド
レールの長手方向に相対移動可能に係合する係合部と、
前記ゴム状弾性材層支持部材と前記加熱部材との前記
ガイドレールの長手方向における相対移動を阻止する相
対移動阻止装置とを含む請求項5ないし7,態様1,2
のいずれか1つに記載の熱転写装置。ガイドレールと係
合部とによって、ゴム状弾性材層支持部材と加熱部材と
が互いに相対移動可能に結合される。係合部は必ずしも
長手方向に連続的に延びた形態で形成されていなくても
よく、ガイドレールがそのような形態で形成されていれ
ばよい。
【0033】例えば、アリ溝,T溝等長手方向に連続的
に延びたガイド溝と、そのガイド溝に対応する断面形状
を有する長手形状の突部との組合せを採用する場合に
は、前者を係合部、後者をガイドレールと考えることが
自然であり、ガイド溝に代えて、アリ溝やT溝と同じ断
面形状の切欠を備えた複数の短い部材によって係合部を
構成することも可能である。逆に、ガイド溝を長手形状
のままとし、ガイドレールに代えて、同じ断面形状を備
えた複数の短い部材を使用することも可能であって、こ
の場合には、ガイド溝を形成している部材をガイドレー
ルと考え、複数の短い部材を係合部と考える方が自然で
ある。また、上記短い部材を単純なブラケットとし、各
ブラケットの2側面にそれぞれ少なくとも1個の車輪を
取り付け、これらと長手形状のT溝あるいはT字形断面
突部とを組み合わせて採用することも可能であって、こ
の場合には、車輪を保持したブラケットを係合部、T溝
を形成している部材あるいはT字形断面突部をガイドレ
ールと考えることが自然である。
【0034】(4)前記ゴム状弾性材層支持部材に把手
が取り付けられた態様3記載の熱転写装置。把手を設け
れば、ゴム状弾性材層支持部材と加熱部材との相対移動
が容易となり、着脱が容易となる。
【0035】(5)前記熱転写フィルム保持装置が、少
なくとも前記真空装置による脱気時には、前記熱転写フ
ィルムを、前記支持型によって支持された被加飾物の頂
面より前記一般面側において保持することを特徴とする
請求項1ないし7,態様1ないし4のいずれか1つに記
載の熱転写装置。被加飾物の頂面は、被加飾物が支持型
に支持された状態において一般面から最も離れた面であ
る。熱転写フィルムが保持される位置が一般面に近い場
合には遠い場合より、真空吸着前に被加飾物を覆ってい
る熱転写フィルムの面積が広くなり、その上、熱転写フ
ィルムを被加飾面に密着させる際の3次元的な湾曲量が
少なくて済むため、被加飾面に密着させることが容易に
なる。
【0036】熱転写フィルム保持装置による保持位置が
被加飾物の頂面と同一平面上である場合には、熱転写フ
ィルムが平面状で被加飾物を覆う。それに対して、熱転
写フィルム保持装置による保持位置が被加飾物の頂面よ
り一般面側である場合には、熱転写フィルムが殆ど伸び
を伴うことなく3次元的に湾曲させられた状態で被加飾
物を覆う。平面状の熱転写フィルムの面積より3次元的
に湾曲した熱転写フィルムの面積の方が広いことは明ら
かである。そして、熱転写フィルムが真空吸着により被
加飾面に密着するために必要な湾曲量は、熱転写フィル
ム保持装置による保持位置が被加飾物の頂面より一般面
側である場合の方が、被加飾物の頂面と同一平面上であ
る場合より小さい。したがって、熱転写フィルム保持装
置による保持位置が被加飾物の頂面より一般面側である
場合には、広い面積の熱転写フィルムが少し湾曲すれば
よいこととなって、伸び率が小さくて済み、被加飾面に
密着させることが容易になるのである。
【0037】熱転写フィルム保持装置による保持位置が
被加飾物の頂面と同一平面上である場合には、真空吸着
時に熱転写フィルムの伸び足りないために熱転写フィル
ムが被加飾物支持部側へ十分に入り込むことができず、
図22に示すように、押圧面300が、熱転写フィルム
302の、被加飾物にも支持型にも密着しないで浮いて
いる部分304を押圧することになり、その部分304
において熱転写フィルム302が破損することがある。
それに対して、本態様におけるように、熱転写フィルム
保持位置を低くすれば、熱転写フィルムの伸びが少なく
て済み、熱転写フィルムが被加飾物支持部側へ十分に入
り込んで被加飾物および支持型への密着度が向上し、熱
転写フィルムの破損を殆ど無くすことができる。
【0038】
【実施例】以下、第一ないし第七発明の共通の一実施例
である熱転写装置について図面に基づいて詳細に説明す
る。図1において、10は支持型であり、12は押圧型
である。支持型10はベッド14に水平方向に移動可能
に支持されており、図示しない移動装置により、図示の
退避位置と、押圧型12の真下の作動位置とに移動させ
られる。一方、押圧型12は図示しない昇降装置に取り
付けられており、垂直方向に昇降させられる。支持型1
0が作動位置に移動させられ、押圧型12が下降させら
れれば、支持型10の支持台16に支持された被加飾物
18の3次元形状を成す被加飾面20に、加熱された押
圧型12によって熱転写フィルム22が押圧され、熱転
写フィルム22に設けられた被転写模様等が被加飾面2
0に転写され加飾が行われる。
【0039】支持型10は、概して浅い箱形を成す支持
型本体23を備え、支持型本体23の底面のほぼ中央部
にはアルミニウム製の支持台16が固定されている。支
持型本体23の底面が一般面24を成し、その一般面2
4から突部としての支持台16が上方へ突出しているの
である。支持台16の周辺には、図示しない吸引孔が複
数個形成され、真空装置26に連通させられている。真
空装置26は、被加飾面20と熱転写フィルム22との
間を脱気するものである。
【0040】支持台16は4つの角部28を備え、概し
て角錐台状を成しており、図4,5に示すように、一般
面24の、各角部28に近接した部分に、複数個のしわ
とり部材30が互いに隣接して固定されている。しわと
り部材30は、それの頂面が半球状を成したゴム製の部
材であり、本実施例においては、複数個のしわとり部材
30の形状はすべて同じである。これらしわとり部材3
0の固定位置,個数等は、熱転写フィルム22が被加飾
面20に密着させられる際に、熱転写フィルム22の被
加飾面20に対応する部分にしわが生じないように、決
定される。
【0041】本実施例においては、被加飾物18が、図
2に示すように、長さ900mm,幅300mm,高さ50
mmの合成樹脂製のものであり、被加飾面20はそれの3
次元形状の凸面である。支持台16の上端部が他の部分
より被加飾物18の厚みだけ小形にされ、被加飾物支持
部34(図5参照)とされている。被加飾物支持部34
は、被加飾物18を被加飾面20とは反対側の裏面36
において支持する。
【0042】また、図1から明らかなように、本実施例
においては、被加飾物18の頂面37より、支持型10
の側壁38の上面40の方が低くされている。押圧型1
2を囲む位置には、概して枠状を成すクランプ部材42
が設けられている。クランプ部材42は、押圧型12と
は別の昇降装置により昇降させられて、側壁38の上面
40に熱転写フィルム22の被加飾模様等が形成された
部分の周辺部を押し付けてクランプする。
【0043】頂面37は、被加飾物18が被加飾物支持
部34に支持された状態において一般面24から最も離
間した面であり、上面40は頂面37より一般面24側
に位置しているため、クランプされた状態では熱転写フ
ィルム22が殆ど伸びを伴うことなく3次元的に湾曲さ
せられた状態で被加飾物18を覆う。平面状の熱転写フ
ィルム22の面積より湾曲した熱転写フィルム22の面
積の方が広いことは明らかであり、このことの効果は後
に説明する。
【0044】押圧型12は、図6ないし8に示すよう
に、シリコンゴム層44,シリコンゴム層支持部材4
6,加熱部材48,結合装置50等を備えている。シリ
コンゴム層44は、被加飾物18の被加飾面20の形状
に対応した形状の押圧面52を有しており、そのシリコ
ンゴム層44が押圧面52とは反対側の裏面53におい
てシリコンゴム層支持部材46によって支持されてい
る。本実施例においては、シリコンゴム層44およびシ
リコンゴム層支持部材46が、被加飾物18の被加飾面
20の形状に沿ってほぼ一定の厚みを有するシェル状と
されている。
【0045】シリコンゴム層支持部材46はアルミニウ
ム合金製であり、図10に示すように鋳造により製作さ
れる。木型を使用して鋳砂による鋳造型54,55が製
作され、その鋳造型54,55を使用してシェル型のシ
リコンゴム層支持部材46の素材が鋳造され、機械加工
により仕上げられてシリコンゴム層支持部材46とされ
るのである。シリコンゴム層支持部材46の肉厚は、約
5mmであり、重量は約50kgである。それに対して、シ
リコンゴム層支持部材と加熱部材とが一体的に形成され
た従来の押圧型の重量は約500kgであった。
【0046】シリコンゴム層44は概してフランジ付き
の容器状を成しているが、それの傾斜した側壁56の2
つの外側面にそれぞれ1個ずつの突部57,58が形成
されている。また、フランジ59の裏面には突部60が
形成されている。突部57,58はそれぞれ、シリコン
ゴム層44の矩形の開口縁の2つの長辺に平行に長く延
びた直線状の突部であり、突部60は、シリコンゴム層
44の開口縁全体に平行に形成された環状の突部であ
る。これら突部57,58,60は、シリコンゴム層4
4の形成時に、シリコンゴム層支持部材46のシリコン
ゴム層44を支持する支持面62の、それら突部57,
58,60に対応する位置に形成された溝63,64,
66に、シリコンゴム材料が侵入させられることにより
形成されたものである。
【0047】突部57,58と溝63,64とは、側壁
56の面に沿った方向の剪断力による剥がれを回避する
ために、突部60と溝64とは、フランジ59の面に沿
った方向の剪断力による剥がれを回避するために設けら
れたものであり、溝63,64,66は幅4mm,深さ2
mmのものである。また、シリコンゴム層44の開口端か
ら外向きに延びたフランジ59は、シリコンゴム層44
とシリコンゴム層支持部材46との接着面積を大きくし
て接着強度を高めるために設けられたものであり、幅は
15mmである。このフランジ59は側壁56の面に沿っ
た方向の剪断力による剥がれを防止する機能も果たす。
【0048】シリコンゴム層支持部材46は、支持面6
2においてシリコンゴム層44を支持するのであるが、
シリコンゴム層支持部材46の底部の支持面62とは反
対側の結合面68の四隅には、雌ねじ穴70を有する突
部が設けられている。加熱部材48のそれに対する位置
には、貫通穴72が設けられている。貫通穴72は突部
を収容するに足る大きさの座ぐり部を備えており、貫通
穴72を経てボルト74が雌ねじ穴70に螺合され、シ
リコンゴム層支持部材46と加熱部材48とが結合され
る。雌ねじ穴70,貫通穴72,ボルト74等によって
結合装置50が構成されているのである。
【0049】加熱部材48は、直方体状の部材から上述
のゴム状弾性材層支持部材46が取り除かれた形状を有
するものであり、図7に示すように、幅方向に貫通して
複数個のヒータ穴76が、互いに平行にかつ等間隔に形
成されている。このヒータ穴76には、棒状ヒータ78
が、それぞれ、両側から挿入される。1個のヒータ穴7
6内に2個の棒状ヒータ78が配設されるのであり、棒
状ヒータ78は電気ヒータである。本加熱部材48は、
棒状ヒータ78によって構成される加熱手段を内蔵して
いるのである。棒状ヒータ78によって発生させられた
熱は、加熱部材48およびシリコンゴム層支持部材46
を経てシリコンゴム層44に伝導により伝達される。
【0050】ここで、シリコンゴム層44をシリコンゴ
ム層支持部材46に形成する作業について説明する。シ
リコンゴム層支持部材46を加熱部材48に取り付け、
支持面62に接着剤を塗布し、未硬化のシリコンゴムを
配置する。図9に示す金型81を合わせて型締めを行
う。その後、加熱部材48を加熱し、シリコンゴムを架
橋硬化させて、支持面62に焼き付け接着する。
【0051】次に、エージングと称する熱処理を行う。
熱処理は、シリコンゴム内に残っている未反応の過酸化
物を気体にして放出するために行われる。上記シリコン
ゴム層44の成形時に、未硬化のシリコンゴムが十分に
流れず、気体がシリコンゴム層44とシリコンゴム層支
持部材46との間に存在すると、使用時に気体が膨張し
て、シリコンゴム層44を剥がす恐れがある。それを回
避するために、シリコンゴム層44を上にして加熱し、
シリコンゴム層44とシリコンゴム層支持部材46との
間から少しづつ気体を放出させるのである。
【0052】上記シリコンゴム層形成作業には、従来の
押圧型においては、押圧型からシリコンゴム層支持部材
を分離することができないため、重量が500kgぐらい
の押圧型を取り扱わなければならなかった。そのため、
作業が困難であり、熱処理を十分に行うことができない
という問題もあった。それに対して、本実施例において
は、押圧型12から重量が50kg程度のシリコンゴム層
支持部材46が分離可能とされており、そのシリコンゴ
ム層支持部材46にシリコンゴム層44を形成すればよ
いため、上記一連の作業が容易になる。特に、小形,軽
量であるため、エージングを通常の電気炉等の熱処理装
置を使用して簡単に行うことができ、十分に行うことが
可能となる。また、気体が存在しているか否かの確認も
容易に行うことができる。
【0053】また、上記シリコンゴム層44の形成作業
を繰り返し行い、シリコンゴム層44が固定されたシリ
コンゴム層支持部材46を複数個製作しておけば、例え
ば、剥離,損傷,劣化等によりシリコンゴム層44を交
換する必要が生じた場合に、シリコンゴム層支持部材4
6ごと迅速に交換することが可能となる。使用中のシリ
コンゴム層支持部材46を加熱部材48から取り外し、
新しいシリコンゴム層が固定されたシリコンゴム層支持
部材46を取り付ければよいのである。本実施例におい
ては、シリコンゴム層支持部材46が軽量であるため、
治具等を利用すれば、交換作業を一人の作業者によって
行い得、しかも、作業時間を、押圧型が分離不能の場合
に比較して10分の1程度に短縮することができる。交
換したシリコンゴム層支持部材はまとめておき、使用後
のシリコンゴム層44を溶剤などで除去して、再度、新
しいシリコンゴム層44を形成し、繰り返し使用する。
【0054】熱転写フィルム22は、図3に示すよう
に、一対のローラ82,84によって保持されている。
ローラ82は供給ローラで、ローラ84は巻取ローラで
ある。熱転写フィルム22の流れ方向は、被加飾物18
の長手方向に平行である。また、熱転写フィルム22の
被加飾物18とは反対側に重ねてカバーフィルム86
が、熱転写フィルム22と同様に、供給ローラ88と巻
取ローラ90とによって保持される。これらローラ8
2,84,88,90は、図示しないローラ移動装置と
しての昇降装置を介して支持型10に取り付けられてお
り、支持型10と共に前記退避位置と作動位置とへ移動
する。また、ローラ82等は上記昇降装置によって、図
示の離間位置と、熱転写フィルム22およびカバーフィ
ルム86が側壁38の上面40に密着する被クランプ位
置との間で移動(昇降)させられる。
【0055】カバーフィルム86の幅は、熱転写フィル
ム22の幅より広い(図1参照)。熱転写フィルム22
の幅は、被加飾物18の被加飾面20およびしわとり部
材30の表面を覆うのに丁度適した幅であり、カバーフ
ィルム86の幅は、支持型本体23を多少の余裕をもっ
て覆い得る幅である。熱転写フィルム22は、側壁38
の、熱転写フィルム22の流れ方向に平行な2側壁38
とクランプ部材42とによってクランプされなくてもよ
いため、それの幅が上記2側壁38の内のり寸法より狭
くされているが、カバーフィルム86は、上記2側壁3
8においてクランプされなくてはならないため、それの
幅が、それら2側壁38の外のり寸法以上とされている
である。前述のように、本実施例のしわとり部材30
は、支持台16に近接して配設することができ、必要な
熱転写フィルム22の幅を狭くし得る。また、同じ理由
で上記2側壁38の間隔も狭くし得るため、カバーフィ
ルム86の幅も狭くし得る。
【0056】具体的な実施例においては、熱転写フィル
ム22の幅が500mm、カバーフィルム86の幅が86
0mmとされた。熱転写フィルム22は幅1000mmのロ
ール姿で供給されるものであり、カバーフィルム86を
設ける以前には、幅を860mmにカットして使用されて
おり、熱転写フィルム22の無駄が多い問題があった。
それに対して、カバーフィルム86を使用することによ
り、幅1000mmの熱転写フィルム22を幅500mmに
カットして使用することが可能となり、2倍の個数の被
加飾物18の加飾が可能となった。
【0057】本実施例においては、熱転写フィルム22
およびカバーフィルム86は、共にポリエチレンテレフ
タレート製で厚み20μのフィルムである。熱転写フィ
ルム22には、木目等の被転写模様が形成されている
が、カバーフィルム86は、無模様透明のものである。
また、熱転写フィルムを幅1000mmのまま使用した場
合には、その使用済みの熱転写フィルムをカバーフィル
ム86として再利用することも可能である。
【0058】熱転写フィルム22およびカバーフィルム
86が被クランプ位置へ下降させられれば、これらは中
央部が被加飾物18の頂面37によって押し上げられ、
殆ど伸びを伴うことなく3次元的に湾曲させられた状態
となる。この状態で、支持台10が作動位置に移動させ
られ、クランプ部材42が下降させられて、側壁38と
の間でカバーフィルム86および熱転写フィルム22を
クランプする。ただし、前述のように、熱転写フィルム
22等の流れ方向に平行な2側壁38とクランプ部材4
2との間に挟まれるのはカバーフィルム86のみであ
る。以下、このクランプ部材42による熱転写フィルム
22やカバーフィルム86のクランプを、単に、フィル
ムのクランプと略称する。
【0059】本熱転写装置は、放射型の押圧面側加熱装
置92を備えている。押圧面側加熱装置92は、支持型
10と一体的に水平方向に移動可能に設けられている。
押圧面側加熱装置92は、支持型10が退避位置にある
間、押圧面52の真下に位置し、押圧面52を放射熱で
加熱する。すなわち、本実施例においては、ゴム状弾性
材層44が、裏面53側からのみならず、押圧面52側
からも加熱されるのである。したがって、裏面53側の
みから加熱される場合に比較して、押圧面52を熱転写
に必要な温度にするための、棒状ヒータ78の設定温度
を下げることができる。
【0060】本実施例においては、熱転写時の押圧面5
2の温度を160℃にしなければならない。そのため、
押圧面側加熱装置92が設けられていない場合には、加
熱部材48の温度を220℃まで上昇させ得るように棒
状ヒータ78の温度を設定しなければならず、支持面6
2の接着剤層の温度は220℃、シリコンゴム層44の
平均温度は190℃(=(220℃+160℃)/2)
となり、熱による接着剤層やシリコンゴム層44の劣化
が著しく、シリコンゴム層44を頻繁に交換しなればな
らないという問題があった。
【0061】それに対して、押圧面52が押圧面側加熱
装置92によって加熱される場合には、棒状ヒータ78
の温度を、加熱部材48の温度を100℃まで上昇させ
得る程度に設定すればよく、結果的に、接着材層の温度
を低下させてシリコンゴム層44の剥離を防止すること
ができ、かつ、シリコンゴム層44自体の平均温度を1
30℃(=(100℃+160℃)/2)まで下げるこ
とができる。そのため、シリコンゴム層44の熱による
劣化を抑制し得、寿命を長くすることができる。シリコ
ンゴムの劣化の程度は、温度が10℃下がると1/2に
なるといわれている。そのため、シリコンゴム層44自
体の平均温度を190℃から130℃まで60℃下げる
ことができれば、シリコンゴム層44の寿命を60倍程
度に延ばすことができる。
【0062】以上のように構成された熱転写装置の作動
を説明する。支持型10が退避位置に、熱転写フィルム
22,カバーフィルム86が離間位置にある間に、被加
飾物18が被加飾物支持部34に供給される。熱転写フ
ィルム22は予め決められた量だけ巻き取られた状態に
ある。また、シリコンゴム層44の押圧面52が押圧面
側加熱装置92によって加熱される。この際、押圧面5
2が良好に加熱されるように、押圧型12が多少下降さ
せられる。
【0063】次に、図11に示すように、支持型10が
作動位置に移動させられるとともに、フィルム22,8
6が被クランプ位置に下降させられる。続いて、クラン
プ部材42が下降させられてフィルムがクランプされ、
直ちに、真空装置26によって脱気され、カバーフィル
ム86と共に熱転写フィルム22が少しの伸びを伴って
被加飾物18の被加飾面20およびしわとり部材30の
頂部表面に密着させられる。
【0064】それによって、熱転写フィルム22のしわ
とり部材30に対応する部分がしわとり部材30により
膨らまされて3次元的に湾曲し、余分なフィルムが吸収
される。熱転写フィルム22の、支持台16の角部28
と被加飾物18の角部とに対応する部分は最も伸びる必
要のある部分であり、その反面、周辺部ではフィルムが
余る。この余ったフィルムが良好に吸収されなければ、
しわが生じるのであるが、本実施例においては熱転写フ
ィルム22がしわとり部材30によって膨らまされるこ
とにより余分なフィルムが吸収され、しわの発生が少な
くなる。図14に示すように、熱転写フィルム22の被
加飾物18としわとり部材30との間の部分においては
しわ94が生じるが、被加飾面20に対応する部分96
にはしわが生じない。
【0065】その上、本実施例においては、前述のよう
に、熱転写フィルム22の、支持型10の側壁38とク
ランプ部材42とによってクランプされる位置が、一般
面24に近くされているため、熱転写フィルム22が被
加飾面20に密着するために必要な窪み量、すなわち3
次元的な湾曲量が少なくて済む。熱転写フィルム22
の、支持型10の側壁38とクランプ部材42とによっ
てクランプされる位置が被加飾物18の頂面37と同じ
である場合に比較して、3次元的な湾曲量が少なくて済
むのであり、結局、伸びが少なくて済む。しかも、前述
のように、クランプ時には熱転写フィルム22が頂面3
7により押し上げられ、殆ど伸びを伴うことなく3次元
的に湾曲させれられて面積が広くなっているため、広い
面積の熱転写フィルム22の伸びが小さくて済むことと
なり、被加飾面20に密着するために必要な熱転写フィ
ルム22の伸び率が小さくなる。
【0066】換言すれば、熱転写フィルム22と被加飾
面20との間が脱気された際に熱転写フィルム22が支
持台16側へ窪み易くなるのである。一例を挙げれば、
側壁38とクランプ部材42とによるクランプ位置が頂
面37と同一平面上である場合には、支持台16の基端
に対応する部分において熱転写フィルム22が形成する
湾曲部の半径が40mmとなるのに対し、クランプ位置を
一般面24と同一にすれば、同じ部分の半径が37mmに
減少することが実験により確認されている。
【0067】上述のように熱転写フィルム22が被加飾
面20に密着させられた後、直ちに押圧型12が下降さ
せられ、図12に示すように、熱転写フィルム22が加
熱された押圧面52によって被加飾面20に押圧され、
熱転写フィルム22に形成された被転写模様が被加飾面
20に転写される。本実施例においては、熱転写フィル
ム22が被加飾面20にしわなく密着させられるため、
被転写模様が良好に被加飾面20に転写される。
【0068】一定時間が経過して転写が終了した後、図
13に示すように、押圧型12およびクランプ部材42
が上昇させられ、支持型10が退避位置へ移動させられ
る。熱転写フィルム22,カバーフィルム86が離間位
置に上昇させられ、加飾が施された被加飾物18が外さ
れる。次の被加飾物18が供給され、熱転写フィルム2
2が一定量巻取られる。カバーフィルム86は、巻き取
られないで同じ部分が再度使用される。カバーフィルム
86は同じ部分が10回以上使用できる。また、押圧型
12の押圧面52は再び押圧面側加熱装置92によって
加熱される。本実施例においては、シリコンゴム層44
の劣化および剥離が良好に防止されるため、多数の被加
飾物18に対して連続して加飾を行うことができる。
【0069】被加飾物18を、異なる形状の被加飾面を
有する別の被加飾物に変えて熱転写を行う場合には、シ
リコンゴム層支持部材46を加熱部材48から外し、異
なる形状の押圧面を有するシリコンゴム層が形成された
ゴム状弾性材層支持部材を取り付ければよい。シリコン
ゴム層支持部材46の重量が軽いため、この交換作業が
容易である。また、支持台16を交換する。この場合、
本実施例においては支持台16がしわとり部材30およ
び支持型本体23と共に交換されるようになっている
が、支持型本体23の支持台16およびしわとり部材3
0を支持している部分を本体部とは別体とし、その別体
部分のみを交換するようにすることも可能である。
【0070】なお、本実施例においては、複数個のしわ
とり部材30すべてが同じ形状のものであったが、一部
または全部が異なる形状のものであってもよい。形状が
異なるしわとり部材を複数種類,複数個づつ製造してお
けば、それらを組み合わせて使用することができ、固定
位置や個数等を変えるだけで対応できる被加飾面の範囲
を広げることができる。
【0071】また、第一発明においては、しわとり部材
の形状等は上記実施例に限定されず、図15に示すよう
に俵型のしわとり部材130とすることもできる。この
場合にも、図16に示すように、このしわとり部材13
0によって熱転写フィルム22の被加飾面20に対する
部分にしわが生じることが良好に回避される。本実施例
のしわとり部材130は、使用済のシリコンゴム層44
から削り出したものである。その他、しわとり部材の形
状は、上記しわとり部材30,130に限らず、被加飾
面20の形状に応じて任意に選定することができ、同様
に第一発明の効果が得られる。
【0072】さらに、しわとり部は、図17,18に示
すように、一般面140に形成された窪み142であっ
てもよい。窪み142は、一般面140の、支持台14
4の角部146に近接した部分に形成されている。本実
施例においても、図19に示すように、熱転写フィルム
22の被加飾面20に対応する部分にしわが生じること
が良好に防止される。熱転写フィルム22の窪み142
内に対応する部分にはしわ148が生じるが、その部分
が窪み142内部へ膨らむことによって余分なフィルム
が吸収され、しわが小さくて済み、被加飾面20に対応
する部分149にはしわが及ばないのである。
【0073】また、第一ないし第五発明および第七発明
においては(第六発明を除いた発明においては)、押圧
型160を、図20に示すように、概して直方体状を成
したシリコンゴム層支持部材162,加熱部材164,
結合装置166を備えたものとすることができる。この
場合には、結合装置166としては、ガイドレール17
0,ガイド溝172,相対移動阻止装置174等を含む
ものが好適である。ガイドレール170は、シリコンゴ
ム層支持部材162の結合面176に設けられた幅方向
に延びた突部であり、断面形状がT字形を成し、互いに
平行に2本適当な間隔を隔てて設けられている。それに
対応する加熱部材164の被結合面178には、幅方向
に延びたガイド溝としてのT溝172が2本形成されて
いる。ガイドレール170とT溝172とは長手方向に
は相対移動可能であるが、長手方向に直角な方向には相
対移動不能であり、したがって、シリコンゴム層支持部
材162と加熱部材164とは、ガイドレール170と
ガイド溝172との長手方向にのみ相対移動可能であ
る。加熱部材164には、加熱部材48と同様に、複数
個のヒータ穴179が形成され、それぞれのヒータ穴に
棒状ヒータが挿入される。
【0074】また、加熱部材164の長手方向の両端面
には、平板状の突部180が2個づつ設けられ、その突
部180の中央部には貫通穴182がそれぞれ形成され
ている。シリコンゴム層支持部材162の両端面の、そ
の貫通穴182に対応する位置には、ピン穴184が形
成されている。シリコンゴム層支持部材162と加熱部
材164とがガイドレール170とガイド溝172とに
おいて嵌合された後、貫通穴182とピン穴184とに
ピン186が挿入されれば、両者の相対移動が阻止され
る。シリコンゴム層支持部材162の幅方向における端
面には、把手188が適当な間隔を隔てて設けられてい
る。把手188を利用すればシリコンゴム層支持部材1
62の加熱部材164に対する着脱を容易に行い得る。
【0075】シリコンゴム層支持部材162がアルミニ
ウム製のものである場合には、加熱部材164との温度
差は殆ど見られない。しかし、シリコンゴム層支持部材
162を鋼材で製作すると、分離不能の押圧型と比較し
て温度が30℃下がってしまう。そのため、棒状ヒータ
を30℃高い温度に設定する必要がある。
【0076】シリコンゴム層44の押圧面52を加熱す
る押圧面側加熱装置92は放射型でなく、接触型であっ
てもよい。また、支持型10と押圧型12との間の距離
が十分に大きくとれる場合には、支持型10の上方に押
圧面加熱装置を取り付けることもできる。さらに、図2
1に示すように、熱転写フィルム22やカバーフィルム
86を保持する保持装置を支持型10と一体的に移動可
能に設けなくても、押圧型12の下方に固定的に設ける
こともできる。
【0077】本実施例においては、熱転写フィルム22
が、位置決めセンサ190によって図示しない位置決め
マークが検出されるまで巻取られるようになっている。
熱転写フィルム22は、所望の被転写模様等が被加飾面
20に転写されるように、保持されなければならない。
そのため、熱転写フィルム22には、位置決めマークが
設けられ、その位置決めマークに基づいて保持位置が決
定されるようになっているのである。本実施例において
は、支持型10と押圧型12との間の距離が十分に大き
いため、熱転写フィルム22が押圧型12の放射熱によ
って熱せられることが回避される。そのため、巻取る際
に熱転写フィルム22が伸びることが回避され、位置決
めを精度良く行うことができる。
【0078】一方、押圧型12と支持型10との間の距
離を十分に大きくすることができない等の原因により熱
転写フィルム22を押圧型12に近接して保持しなけれ
ばならない場合がある。その場合には、押圧型12とカ
バーフィルム86との間に断熱装置を取り付ければよ
い。断熱装置192は、図示する遮断位置と、左方の退
避位置とに移動可能に図示しない移動装置に支持された
ものであり、上部に設けられた加熱部196と、中間部
に設けられた断熱層198と、下部に設けられた断熱板
200とを備えたものである。断熱装置198は、空冷
手段を備えている。
【0079】断熱装置192が、図示する原位置にある
場合に、熱転写フィルム22の巻取りおよび真空装置2
6による脱気が行われる。押圧型12の放射熱が断熱装
置192によって遮断されるとともに、加熱部196に
よる放射熱が断熱層198,断熱板200によって遮断
されるるため、熱転写フィルム22が熱せられることが
回避される。巻取り時に熱転写フィルム22が伸びるこ
とが回避され、位置決めを精度良く行うことができる。
また、断熱層198が空冷手段を備えているため、放射
熱を良好に遮断できるのである。その後、断熱装置19
2を、図の右方に移動させて、加熱部196によって熱
せられた押圧型12を下降させて熱転写を行う。
【0080】なお、上記実施例においては、断熱層19
8が空冷手段を備えていたが。水冷手段を備えていても
よい。また、厚みの厚い断熱部材だけであってもよい。
さらに、加熱部196を備えていなくてもよい。
【0081】また、シリコンゴム層44に設けられた突
部およびシリコンゴム層支持部材46に形成された溝部
の個数、形成位置等は、上記実施例に限らない。突部お
よび溝部をいずれも環状のものとしてもよく、1,2本
であっても、4本以上であってもよい。
【0082】さらに、上記実施例においては、押圧型1
2が垂直方向に昇降可能とされていたが、水平方向に移
動可能としてもよい。また、カバーフィルム86は不可
欠ではない。
【0083】さらに、ゴム状弾性材の材質,熱転写フィ
ルム22の材質,被加飾物18の形状等は、上記実施例
における場合に限らない等いちいち例示することはしな
いが、特許請求の範囲を逸脱することなく当業者の知識
に基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明を実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一発明ないし第七発明の共通の一実施例であ
る熱転写装置の要部を示す一部断面正面図である。
【図2】上記熱転写装置によって模様が転写される被加
飾物の斜視図である。
【図3】上記熱転写装置のIII-III 断面図である。
【図4】上記熱転写装置の支持型の斜視図である。
【図5】上記支持型の一部断面正面図である。
【図6】上記熱転写装置の押圧型の正面断面図である。
【図7】上記押圧型の分解斜視図である。
【図8】上記押圧型のシリコンゴム層支持部材の斜視図
である。
【図9】上記シリコンゴム層支持部材にシリコンゴム層
を固定させる場合に使用する金型の斜視図である。
【図10】上記シリコンゴム層支持部材を製作する工程
を示す図である。
【図11】上記熱転写装置の作動状態を表す正面断面図
である。
【図12】上記熱転写装置の別の作動状態を表す正面断
面図である。
【図13】上記熱転写装置のさらに別の作動状態を表す
正面断面図である。
【図14】上記熱転写装置において熱転写フィルムが被
加飾面に密着させられた状態を示す斜視図である。
【図15】第一ないし第五発明の共通の別の実施例であ
る熱転写装置の支持型を示す斜視図である。
【図16】上記熱転写装置において熱転写フィルムが被
加飾面に密着させられた状態を示す斜視図である。
【図17】第一ないし第七発明の共通のさらに別の実施
例である熱転写装置の支持型を示す斜視図である。
【図18】上記支持型の一部断面正面図である。
【図19】上記熱転写装置において熱転写フィルムが被
加飾面に密着させられた状態を示す斜視図である。
【図20】第一ないし第七発明に共通のさらに別の実施
例である熱転写装置の押圧型を示す分解斜視図である。
【図21】第一ないし第七発明に共通のさらに別の実施
例である熱転写装置の要部を示す断面図である。
【図22】従来の熱転写装置において熱転写フィルムが
被加飾面へ押圧された状態を表す正面断面図である。
【符号の説明】
10 支持型 12,160 押圧型 26 真空装置 30,130 しわとり部材 34 被加飾物支持部 42 クランプ部材 44 シリコンゴム層 46,162 シリコンゴム層支持部材 48,164 加熱部材 50,166 結合部材 56,57,60 突部 62,63,64 溝 74 ボルト 82,88 供給ローラ 84,90 巻取ローラ 142 窪み 170 ガイドレール 172 T溝 174 相対移動阻止装置
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B44C 1/17 B29C 51/30

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加飾物の3次元形状の被加飾面に熱転
    写フィルムを押圧するとともに加熱することによって加
    飾を行う熱転写装置であって、 一般面からの突出と凹陥との少なくとも一方により形成
    され、前記被加飾物を被加飾面とは反対側の裏面側から
    支持する被加飾物支持部と、その被加飾物支持部の周辺
    部に設けられ、その周辺部の面より窪んだ凹部と突出し
    た凸部との少なくとも一方を含むしわとり部とを備えた
    支持型と、 その支持型に支持された被加飾物の被加飾面に対向する
    状態で、前記熱転写フィルムを保持する熱転写フィルム
    保持装置と、 その熱転写フィルム保持装置によって保持された熱転写
    フィルムと前記被加飾面との間を脱気して熱転写フィル
    ムを被加飾面と前記しわとり部の少なくとも一部とに密
    着させる真空装置と、 前記熱転写フィルムを前記被加飾物の被加飾面に押圧す
    る押圧面を有する押圧型と、 前記押圧面を加熱する加熱装置とを含むことを特徴とす
    る熱転写装置。
  2. 【請求項2】 前記しわとり部が前記一般面より突出し
    た凸部を含み、かつ、その凸部が、頂面が半球状の複数
    個のしわとり部材が前記支持型の本体に固定されて成る
    ことを特徴とする請求項1記載の熱転写装置。
  3. 【請求項3】 前記押圧面が、前記被加飾物の被加飾面
    の形状に対応する形状のゴム状弾性材層によって形成さ
    れ、前記押圧型が、そのゴム状弾性材層と、そのゴム状
    弾性材層を押圧面とは反対側の裏面において支持するゴ
    ム状弾性材層支持部材とを含むことを特徴とする請求項
    1または2記載の熱転写装置。
  4. 【請求項4】 前記ゴム状弾性材層がそれの周縁にほぼ
    平行に形成された長手形状の突部を有し、前記ゴム状弾
    性材層支持部材が、その突部と嵌合する溝を有すること
    を特徴とする請求項3に記載の熱転写装置。
  5. 【請求項5】 前記押圧型が、さらに、前記ゴム状弾性
    材層支持部材をゴム状弾性材層を支持する面とは反対側
    から加熱する加熱部材と、それらゴム状弾性材層支持部
    材と加熱部材とを着脱可能に結合する結合装置とを備
    え、その加熱部材が前記加熱装置を構成していることを
    特徴とする請求項3または4に記載の熱転写装置。
  6. 【請求項6】 前記ゴム状弾性材層および前記ゴム状弾
    性材層支持部材が、前記押圧面に沿ってほぼ一定の厚み
    を有する殻状を成すことを特徴とする請求項3ないし5
    のいずれか1つに記載の熱転写装置。
  7. 【請求項7】 当該熱転写装置が、さらに、前記熱転写
    フィルムの幅より広い幅のカバーフィルムを、熱転写フ
    ィルムを前記押圧型側から覆う状態で保持するカバーフ
    ィルム保持装置を含むことを特徴とする請求項1ないし
    6のいずれか1つに記載の熱転写装置。
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