JP2758363B2 - 耐蝕性鉄系部材およびその製造方法 - Google Patents

耐蝕性鉄系部材およびその製造方法

Info

Publication number
JP2758363B2
JP2758363B2 JP6166346A JP16634694A JP2758363B2 JP 2758363 B2 JP2758363 B2 JP 2758363B2 JP 6166346 A JP6166346 A JP 6166346A JP 16634694 A JP16634694 A JP 16634694A JP 2758363 B2 JP2758363 B2 JP 2758363B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
iron
resin
rod
hard chromium
plating layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP6166346A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0770787A (ja
Inventor
篤夫 末廣
典夫 小柏
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kowa Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Kowa Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kowa Kogyo Co Ltd filed Critical Kowa Kogyo Co Ltd
Priority to JP6166346A priority Critical patent/JP2758363B2/ja
Publication of JPH0770787A publication Critical patent/JPH0770787A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2758363B2 publication Critical patent/JP2758363B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐蝕性鉄系部材および
その製造方法に関する。特に、建設機械、産業機械、産
業車両などに使用されるシリンダーロッドなどの鉄系基
材に、高い耐蝕性を付与できる耐蝕性部材の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、パワーシャベルなどの建設機械の
油圧機などには、ピストンロッドなどのシリンダーロッ
ドが使用されている。シリンダーに対して摺動する前記
ロッドには、硬度、耐摩耗性が高いこと、表面精度を含
めた寸法精度が高いことなどの特性が要求される。そこ
で、シリンダー用ロッドは、通常、鉄系材料からなるロ
ッドに硬質クロムメッキを施すことにより製造されてい
る。
【0003】しかし、硬質クロムメッキにより形成され
たメッキ層には、他の電気メッキ層と異なり、メッキ層
の厚みが100μm程度であっても、クラック、ピンホ
ールやピットなどの多数の欠陥部が生成する。従って、
硬質クロムメッキを施したロッドは、種々の優れた特性
を有するにも拘らず、腐蝕し、錆が発生し易い。特に、
塩化ナトリウムなどの塩化物、酸の存在下や高温多湿環
境下では、前記数多くの欠陥部に起因して、ロッドが著
しく腐蝕する。ロッドが腐蝕すると、シリンダーとの摺
動により傷が発生し、油洩れなどの原因となる。
【0004】なお、硬質クロムメッキ物の腐蝕を防止す
るため、防錆剤を塗布し、クラックなどの欠陥部に浸透
させることが行なわれているが、根本的な解決法とは言
い難い。また、硬質クロムメッキ物の腐蝕を防止するた
め、厚み0.05〜0.1mm程度のメッキ層を形成す
ることが行なわれている。しかし、メッキ層の厚みを大
きくすると、生産性が低下する。
【0005】特公平3−14913号公報には、高品質
の鏡面クロムメッキを施す方法に関し、マイクロクラッ
クタイプのクロムメッキ浴を用いて、鉄製基材の表面
に、仕上りメッキ層の約2倍の厚さのメッキ層を形成
し、苛酷な条件(使用標準温度の上限値よりも40〜6
0℃高い温度で40〜50時間)でベーキングした後、
メッキ層の40〜50%を研磨などにより除去し、温和
な条件(使用標準温度の上限値よりも10〜20℃高い
温度で20〜30時間)でベーキングし、仕上げ研磨す
る方法が開示されている。
【0006】しかし、この方法では、厚みの大きなメッ
キ層を形成し、しかも40〜50%のメッキ層を除去す
る必要があるので、経済的でないばかりか、メッキ処
理、メッキ層の除去に長時間を要する。しかも、2度に
亘るベーキングに長時間を必要とする。そのため、ドラ
ムやロールなどの生産性が著しく低下する。さらに、前
記先行文献には、耐蝕性に関して何ら記載されていな
い。
【0007】特開昭60−33369号公報には、金属
をクロムメッキし、120±10℃で15〜30分間加
熱してメッキにより生成した水素ガスを除去し、不飽和
ポリエステル20〜80重量%およびジアリルフタレー
ト80〜20重量%の混合物で構成された防蝕組成物を
塗着する防蝕方法が開示されている。しかし、得られた
金属部材は、後述する比較例で示されるように、耐蝕性
が十分でない。
【0008】本出願人は、シリンダーロッドの耐蝕性を
向上させるため、特開平4−160197号公報におい
て、シリンダーロッドを硬質クロムメッキし、ベーキン
グ処理することを提案した。本発明は、硬質クロムメッ
キが施されたシリンダーロッドなどの鉄系基材の耐蝕性
をさらに向上させるためになされたものでる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明の目
的は、硬質クロムメッキ層の厚みが小さくても、極めて
高い耐蝕性を有する耐蝕性鉄系部材とその製造方法を提
供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、腐蝕性を有する鉄系
基材であっても、ステンレススチールと同等又はそれ以
上の耐蝕性を有する耐蝕性鉄系部材とその製造方法を提
供することにある。
【0011】本発明のさらに他の目的は、前記の如き優
れた特性を有するシリンダーロッドを製造する上で有用
な耐蝕性鉄系部材の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため、鋭意検討の結果、硬質クロムメッキを
施した後、特定の温度で加熱処理し、熱硬化性アクリル
樹脂を含浸させて硬化させると、耐蝕性が顕著に向上す
ることを見いだし、本発明を完成した。
【0013】すなわち、本発明の方法では、鉄系基材を
硬質クロムメッキし、150℃以上の温度で加熱した
後、熱硬化性アクリル樹脂又は封止剤による含浸工程、
硬化工程及びバフ仕上げ工程に供することにより、耐蝕
性部材を製造する。
【0014】このような方法において、クロムメッキに
より形成される硬質クロムメッキ層の厚みは、例えば、
10〜100μm程度であってもよく、加熱温度は、例
えば、170〜600℃程度であってもよい。また、樹
脂および封止剤は、減圧下で含浸させることができる。
【0015】本発明の方法では、極めて高い耐蝕性を付
与でき、例えば、JIS H 8502に規定するキャ
ス試験を96時間行なったとき、レイティングナンバー
が9.0〜10.0程度の耐蝕性鉄系部材、JIS H
8502に規定する塩水噴霧試験を1200時間行な
ったとき、レイティングナンバーが9.8〜10.0程
度の耐蝕性鉄系部材を得ることもできる。そのため、耐
蝕性鉄系部材は、苛酷な条件下でも高い耐蝕性が要求さ
れる部材、例えば、ピストンロッドなどのシリンダーロ
ッドとして適している。
【0016】前記鉄系基材は、種々の鉄系材料、例え
ば、低炭素鋼、高炭素鋼、焼入れ鋼、高速度鋼、クロム
鋼、ニッケル鋼、ニッケル・クロム鋼、ニッケル・クロ
ム・モリブデン鋼、タングステン鋼などで形成できる。
本発明の方法によれば腐蝕性部材に顕著に改善された耐
蝕性を付与できるので、本発明は腐蝕性鉄系基材に好適
に適用される。
【0017】前記鉄系基材の形状は、特に制限されず、
平板状、湾曲板状、断面多角形状、円筒状、中空状など
であってもよい。高い耐蝕性が要求される鉄系基材に
は、円筒状ロッドなどのロッド状基材(例えば、ピスト
ンロッドなどのシリンダーロッドなど)などが含まれ
る。
【0018】なお、クロムメッキに先立って、前記鉄系
基材は、通常、前処理工程に供される。この前処理工程
において、前記鉄系ロッドは、通常、有機溶剤、アルカ
リ浸漬、アルカリ電解脱脂などによる脱脂処理、必要に
応じて、塩酸、硫酸などの酸による酸洗処理を行なって
もよい。
【0019】また、必要に応じて、クロムメッキに先立
って、前記鉄系基材を研磨工程に供してもよい。鉄系基
材の研磨は、慣用の方法、例えば、研磨力の大きな円筒
研磨(リングバフ)、バーチカル研磨など;エメリーバ
フ研磨、ベルト研磨、フラップホイール研磨などの粗研
磨;綿バフ、サイザルバフ、これらを組合せた中研磨や
仕上げ研磨などを単独で、または組合せて行なうことが
できる。なお、中研磨、仕上げ研磨は、クローズドフェ
ース、オープンフェース、ユニットフェースタイプのい
ずれであってもよい。
【0020】クロムメッキに先立って、鉄系基材は、メ
ッキ下地調整のため、陽極酸化によるエッチング処理に
供してもよい。陽極酸化によるエッチング処理は、例え
ば、鉄系基材を陽極として、温度30〜60℃程度、電
流密度10〜50A/dm2程度、時間10〜600秒
程度の条件で電解処理することにより行なうことができ
る。なお、陽極酸化によるエッチング処理に代えて、ま
たは陽極酸化によるエッチング処理と共に、塩酸、硫酸
などに浸漬する酸浸漬処理を行なってもよい。
【0021】前記鉄系基材は、硬質クロムメッキ処理に
供される。クロムメッキ浴の組成は特に制限されず、慣
用のメッキ浴が使用できる。メッキ浴としては、例え
ば、無水クロム酸CrO3 、硫酸を含むサージェント
浴;無水クロム酸CrO3 、硫酸に加えて、ケイフッ化
ナトリウムやケイフッ化カリウムなどを含むケイフッ化
浴などであってもよい。また、クロムメッキ浴は、ケイ
フッ酸、フッ化アンモニウム、硫酸ストロンチウム、ク
エン酸、酒石酸、シュウ酸、ギ酸などの少なくとも1つ
の成分を含んでいてもよい。メッキ浴は、通常、三価ク
ロムを0.1〜3g/L程度含む場合が多い。
【0022】メッキ浴、例えば、サージェント浴におけ
る無水クロム酸と硫酸との割合は、通常、無水クロム
酸:硫酸=100:0.8〜1.5(g/L)程度であ
る。耐蝕性を高めるためには、無水クロム酸100g/
Lに対する硫酸量は、0.9〜〜1.3g/L、好まし
くは1.0〜1.25g/L程度である。硫酸量が少な
くなるにつれて、被覆力が向上するが、耐蝕性が低下し
易く、硫酸量が多くなるにつれて、耐蝕性が向上する
が、密着性、メッキ層の均一性が低下し易くなる。
【0023】なお、メッキ浴は、高濃度浴、標準浴、低
濃度浴のいずれであってもよく、無水クロム酸濃度は、
通常100〜400g/L、好ましくは150〜350
g/L、さらに好ましくは200〜300g/L程度で
ある。
【0024】硬質クロムメッキに際しては、陽極とし
て、鉛合金、鉄などを、適宜配置して使用できると共
に、メッキ部を均一化するため、補助陰極、遮蔽板など
を使用できる。
【0025】メッキ条件は、浴の組成などに応じて選択
でき、通常、メッキ温度20〜70℃、好ましくは40
〜65℃程度、電流密度10〜100A/dm2 、好ま
しくは30〜60A/dm2 程度である。また、メッキ
時間は、浴の温度、電流効率、所望するメッキ膜厚など
に応じて選択できる。
【0026】メッキによる硬質クロムメッキ層の厚み
は、耐蝕性を損わない範囲で選択でき、例えば、10〜
200μm、好ましくは10〜150μm、さらに好ま
しくは10〜100μm程度である。特に好ましい硬質
クロムメッキ層の厚みは、15〜75μm(例えば、2
5〜75μm程度)、なかでも15〜60μm程度であ
る。硬質クロムメッキ層の厚みが小さい場合には、耐蝕
性が低下し易く、厚過ぎる場合には、経済的でないばか
りか、メッキに長時間を要し、生産性が低下する。な
お、前記のような厚みのメッキ層は、例えば、1〜2時
間程度で形成できる。
【0027】顕微鏡観察によると、硬質クロムメッキ層
には、腐蝕の原因となる多数のクラックやピンホールな
どが存在する。また、前記先行文献にも記載されている
ように、硬質クロムメッキ層を加熱処理すると、一般に
クラックが成長する。
【0028】しかし、硬質クロムメッキ処理した鉄系基
材を加熱処理し、樹脂を含浸することにより、硬質クロ
ムメッキ層の膜厚が薄くても、高い耐蝕性を鉄系基材に
付与できる。さらに、前記先行文献のように、厚みの大
きな硬質クロムメッキ層を形成し、二度に亘る研磨及び
ベーキングを行なうことなく、苛酷な条件で使用される
建設機械などのシリンダーピストンロッドなどとして使
用しても、耐蝕性が著しく高い。
【0029】本発明の特色は、(1)硬質クロムメッキ
処理した後、加熱処理し、樹脂含浸工程、硬化工程に供
することにより、鉄系基材の耐蝕性を高める点にある。
このような方法では、硬質クロムメッキ層の厚みが小さ
くても、耐蝕性が著しく改善される。
【0030】加熱処理は、例えば、ベーキング、誘導加
熱(例えば高周波加熱など)の種々の加熱方法が採用で
き、その種類は特に制限されない。好ましい加熱処理に
は、ベーキング処理及び高周波加熱処理が含まれる。
【0031】加熱温度は、耐蝕性を向上できる範囲、例
えば、150℃以上(例えば、150〜800℃)、好
ましくは170〜600℃、特に180〜300℃程度
の範囲から適当に選択できる。加熱温度が150℃未満
では、耐蝕性を高めるのに長時間を要し、800℃を越
えると過度な温度となり作業性が低下し易くなる。
【0032】加熱温度は、加熱方法に応じて選択するこ
ともできる。例えば、ベーキング処理の場合には、伝熱
効率が小さく高温で加熱すると熱エネルギーの損失が大
きくなり易い。そのため、ベーキング温度は、通常、1
50〜400℃、好ましくは170〜350℃、さらに
好ましくは180〜300℃(例えば、200〜300
℃)程度の範囲内で選択するのが好ましい。特に好まし
いベーキング温度は220〜300℃である。ベーキン
グ時間は、ベーキング温度に応じて、例えば、30分〜
12時間、好ましくは1〜10時間、さらに好ましくは
2〜8時間程度の範囲で選択できる。
【0033】ベーキングは、赤外線加熱炉、熱風炉、電
気炉などの種々の加熱炉を用いて行なうことができる。
【0034】一方、誘導加熱による場合には、短時間内
に効率よくシリンダーロッドなどの鉄系基材を加熱処理
できるので、耐蝕性鉄系部材の生産性を著しく向上させ
ることができる。特に高周波加熱は、加熱処理効率が高
い。高周波加熱の場合、加熱温度は、150〜800
℃、好ましくは170〜600℃、さらに好ましくは2
10〜600℃、特に220〜600℃程度の範囲内で
適当に選択できる。なお、高周波加熱の場合には、加熱
温度を直接測定するのが困難であるが、鉄系基材の表面
温度を加熱温度とすることができる。
【0035】高周波加熱による加熱の程度は、例えば、
コイルの内径、コイルの幅、高周波発生機の出力、周波
数、鉄系基材とコイルとの相対的送り速度などを調整す
ることにより、任意に制御できる。なお、これらのファ
クターは相互に関連しているので、熱処理に際して、1
つのファクターのみを独立して決定できるものではな
い。
【0036】以下、鉄系基材として外径30〜100m
mφのロッドを用いる場合、高周波加熱条件の一例を、
より具体的に説明する。コイルとシリンダーロッドとの
距離が大きくなるにつれて、誘導電流が小さくなり、表
面温度の上昇が抑制されるので、コイルとシリンダーロ
ッドとの距離は、熱処理の程度に応じて、例えば、10
〜50mm、好ましくは15〜30mm程度の範囲で選
択できる。
【0037】また、コイルの幅は、熱処理時間、および
シリンダーロッドとコイルとの相対的送り速度に関連す
る。コイルの長さが小さい場合や送り速度が大きい場合
には、発熱の程度が小さくなる。そのため、コイルの長
さは、送り速度との関係で適当に選択できるが、通常1
0〜50mm程度で十分である。なお、シリンダーロッ
ドとコイルとの相対的送り速度は、例えば、0.1〜5
m/分、好ましくは0.5〜5m/分程度とすることが
できる。高周波加熱によると、ベーキング処理に比べて
送り速度を大きくできるので、耐蝕性に優れたシリンダ
ーロッドを連続的に効率よくかつ短時間内に製造でき
る。
【0038】高周波発生機の出力は、誘導電流のエネル
ギーに比例するので、出力が大きい程、シリンダーロッ
ドの表面温度が高くなる。高周波発生機の出力は、例え
ば、30〜150kw程度の範囲内で選択できる。周波
数が小さくなると、シリンダーロッドの深部にまで誘導
電流が流れ、局部的な温度上昇が抑制されるようであ
る。周波数は、例えば、3kHz〜1MHz、好ましく
は4〜100kHz、さらに好ましくは4〜10kHz
程度の範囲で選択できる。
【0039】なお、誘導加熱により熱処理する場合、シ
リンダーロッドなどの鉄系基材の大きさ、所望する熱処
理の程度などに応じて、前記条件は適宜選択できる。
【0040】鉄系基材が焼入れ鋼である場合、前記加熱
処理は、鉄系素地の焼戻し温度を越えない温度で行なう
のが好ましい。加熱処理後、通常、メッキ物は徐冷され
る。
【0041】本発明における前記加熱時間は、前記先行
技術文献に記載のベーキング時間よりも著しく短い。し
かも、本発明においては、1回の加熱処理により耐蝕性
が著しく向上する。さらに、硬質クロムメッキ層を熱処
理(ベーキング)する熱処理工程と、樹脂含浸工程とを
組合せると、鉄系基材にステンレススチールと何ら遜色
のない耐蝕性を長期間に亘り付与でき、耐蝕性が格段に
向上させることができる。
【0042】樹脂含浸工程において、熱硬化性アクリル
樹脂又は封止剤を含浸させると、硬質クロムメッキ層の
多数のクラックやピンホールなどが埋設されるためか、
鉄系基材の耐蝕性が顕著に向上する。なお、熱硬化性樹
脂又は封止剤は、樹脂の種類に応じて、硬化剤や架橋剤
を含んでいてもよい。
【0043】好ましい熱硬化性アクリル樹脂又は封止剤
は、アクリル又はメタクリル系のオリゴマー及び/又は
アクリル又はメタクリル系のモノマーで構成できる。
(メタ)アクリル系オリゴマー及びモノマーには、例え
ば、2以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能性
オリゴマー(例えば、エポキシアクリレート、オリゴエ
ステルアクリレート、ウレタンアクリレートおよびこれ
らに対応するメタクリレートなど)、2以上の(メタ)
アクリロイル基を有する多官能性モノマー(例えば、エ
チレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコー
ルジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレ
ート、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロピ
レングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコー
ルジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリ
レート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、テ
トラメチレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオ
ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリ
レート、2,2−ビス(4−アクリロイルオキシエトキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロイ
ルオキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラアクリレートおよびこれらに対応するメタクリレー
トなど)、単官能性(メタ)アクリレート(例えば、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリ
レート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレー
ト、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレートおよ
びこれらに対応するメタクリレートなど)が含まれる。
これらの化合物は単独で又は二種以上組合せて使用でき
る。
【0044】硬質クロムメッキ層への含浸効率を高める
ため、液状の樹脂又は封止剤、特に不揮発性液状樹脂又
は封止剤が好ましい。前記樹脂及び封止剤は、溶液又は
分散液、特に水溶液又は有機溶媒溶液として使用しても
よい。溶媒としては、前記樹脂の種類に応じて、例え
ば、水、脂肪族又は脂環族炭化水素類、芳香族炭化水素
類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、エステル
類、ケトン類、エーテル類などの有機溶媒やこれらの混
合溶媒が使用できる。含浸剤中の不揮発性樹脂又は封止
剤の含有量は、例えば、0.1〜100重量%、好まし
くは10〜100重量%、さらに好ましくは50〜10
0重量%程度である。含浸剤としての樹脂又は封止剤の
粘度は、含浸性に悪影響を及ぼさない範囲で選択でき、
例えば、25℃において約1〜50cps、好ましくは
1〜30cps、さらに好ましくは1〜15cps程度
である。
【0045】なお、前記樹脂は、必要に応じて、安定化
剤、老化防止剤、着色剤などの添加剤を含んでいてもよ
い。
【0046】樹脂含浸は、慣用の方法、例えば、常圧下
での浸漬法などによって行なってもよいが、樹脂を効率
よく含浸させるため、減圧又は加圧下で含浸するのが好
ましい。含浸は、通常、少なくとも減圧下で行なわれ
る。また、含浸処理に先だって、鉄系基材を減圧脱気処
理し、含浸処理に供するのも好ましい。これらの樹脂含
浸法は、組合せて行なうことができる。
【0047】減圧下での樹脂の含浸は、(1)クロムメ
ッキ処理した鉄系基材と樹脂又は封止剤(好ましくは液
状樹脂又は封止剤)を収容する所定の容器内を減圧する
真空含浸法;(2)クロムメッキ処理した鉄系基材を収
容した容器内を減圧して脱気し、容器内に樹脂又は封止
剤を送液して樹脂を含浸させる真空浸漬含浸法;(3)
クロムメッキ処理した鉄系基材を収容した容器内を減圧
して脱気し、容器内に樹脂又は封止剤を送液して樹脂を
減圧下で含浸させるとともに、さらに容器内を加圧し樹
脂又は封止剤を含浸させる方法などにより行なうことが
できる。含浸時の減圧度は、適当に選択でき、例えば、
0.1〜100Torr、好ましくは1〜50Torr、さらに
好ましくは1〜20Torr程度である。また、含浸時間
は、通常、30秒〜1時間、好ましくは1〜30分程度
である。含浸に先立って、樹脂又は封止剤を、樹脂含浸
工程での減圧度と同等又はそれ以下の減圧下で脱気し、
気泡の生成を防止するのが好ましい。
【0048】加圧下での樹脂の含浸は、クロムメッキ層
の厚みやクロムメッキ条件などに応じて、例えば、圧力
1〜20kg/cm2 、好ましくは2〜10kg/cm
2 程度で行なうことができ、含浸時間は、前記と同様で
ある。
【0049】なお、樹脂の含浸は、室温下で行なっても
よく、例えば、30〜70℃程度の加熱下で行なっても
よい。熱硬化性樹脂又は封止剤を用いる場合、含浸温度
は、熱硬化性樹脂又は封止剤の硬化温度未満である場合
が多い。
【0050】前記樹脂又は封止剤は、少なくとも1回含
浸すればよいが、複数回に亘り含浸してもよい。好まし
い樹脂の含浸回数は、1〜3回程度である。なお、上記
含浸回数は、一連の含浸工程を1回とした回数である。
すなわち、真空含浸と加圧含浸とを組合せて樹脂を含浸
する場合、真空含浸および加圧含浸の含浸工程を1回と
するものである。
【0051】本発明では、熱処理した硬質クロムメッキ
層に樹脂又は封止剤を含浸すると、樹脂又は封止剤の含
浸量が極めて少なくても高い耐蝕性を付与できるという
特色がある。樹脂又は封止剤の含浸量は、硬質クロムメ
ッキ層のクラック数やクラックの深さなどにより変動す
るが、通常、硬質クロムメッキ層100gに対して10
00mg以下(1重量%以下)、例えば、1〜100m
g(0.001〜0.1重量%)程度である。なお、含
浸率は、樹脂含浸に伴なう重量増加により評価できる。
【0052】前記含浸処理の後、クロムメッキが施され
た鉄系基材は、過剰な樹脂又は封止剤を除去するため液
切り工程に供してもよい。また、液切りされた鉄系基材
は、洗浄工程に供してもよい。なお、この洗浄工程にお
いて、前記樹脂又は封止剤に対して良溶媒を用いると、
硬質クロムメッキ層の欠陥部に含浸した樹脂が溶出する
ので、洗浄溶媒として、前記樹脂又は封止剤に対して貧
溶媒を用いるのが好ましい。貧溶媒としては、樹脂又は
封止剤の種類に応じて選択できるが、通常、水などが使
用できる。なお、貧溶媒による洗浄は、加温又は加熱下
で行なってもよく、バブリングやジェット流などによる
水流を利用した物理的方法により行なうことができる。
【0053】また、含浸処理の後、通常、鉄系基材は硬
化工程に供される。熱硬化性樹脂又は封止剤の硬化は、
樹脂の硬化温度に応じて、例えば、50〜200℃、好
ましくは80〜150℃程度で行なうことができる。ま
た、熱硬化性樹脂又は封止剤の硬化は、熱水中で行なう
こともできる。
【0054】前記樹脂含浸処理の後、メッキ物の硬質ク
ロムメッキ層は、バフ仕上げ工程に供するのが好まし
い。硬質クロムメッキ物をバフ仕上げ工程に供すること
により、耐蝕性をさらに高めることができる。
【0055】このバフ仕上は、前記研磨工程と同様に行
なうことができる。好ましい方法は、大きな研磨力を作
用させて研磨し、順次細かいバフ仕上げを行なう方法で
ある。特に#400〜1000程度のリングバフを行な
った後、#240〜600程度の研磨剤による綿バフや
サイザルバフを行なうのが好ましく、その後、オープン
サイザルバフを行なうのも好ましい。このような方法で
バフ仕上げを行なうと、前記リングバフにより大きな研
磨力が作用すると共に、綿バフやサイザルバフにより、
メッキ層の突起部などが切削されるだけでなく、塑性変
形し、前記メッキ層のクラックなどの開口部が閉塞さ
れ、かつ平滑化されるため、耐蝕性が向上する。
【0056】前記メッキ処理工程、加熱処理工程、含浸
工程、硬化工程および仕上げ工程で構成されるサイクル
を経て耐蝕性鉄系部材を製造する方法において、少なく
とも前記含浸工程を2回以上繰返すと、耐蝕性を高める
ことができる。このような方法では、鉄系基材が腐蝕性
であっても、1回の熱処理により、きわめて高い耐蝕性
を付与でき、鉄系部材が殆ど腐蝕することがない。
【0057】さらに、前記メッキ処理工程と、加熱処理
工程と、含浸工程と、硬化工程と、仕上げ工程とで構成
されたサイクルを少なくとも2回繰返すと、加熱処理工
程での熱処理温度が低くても、極めて高い耐蝕性を鉄系
部材に付与できる。すなわち、加熱処理工程において温
度150〜200℃程度で熱処理する場合、硬質クロム
メッキ層の厚みが薄く、前記サイクルの繰返し数が1回
であると、200〜500℃程度の熱処理に比べて、耐
蝕性が若干劣る場合がある。しかし、前記サイクルを2
回以上に亘り繰返すと、鉄系部材が殆ど腐蝕しない。な
お、200〜500℃程度で熱処理すると、1回のサイ
クルでも殆ど腐蝕しない鉄系部材が得られるが、前記サ
イクルを複数回繰返すことにより、硬質クロメッキ層の
厚みが薄くても、極めて高い耐蝕性を確実に付与でき
る。前記処理サイクルを繰返すプロセスにおいて、熱処
理温度は、例えば、150〜600℃程度の範囲から選
択できる。なお、含浸工程は、すくなくとも減圧下、又
は必要に応じて加圧下と組合せて行なう場合が多い。
【0058】前記サイクルの繰返し数は、2回以上であ
ればよいが、通常、2〜3回程度である場合が多い。複
数回に亘り硬質クロムメッキを施す場合、各メッキ処理
による硬質クロムメッキ層の厚みは、メッキ回数に応じ
て前記の範囲10〜200μmから適当に選択でき、例
えば、10〜100μm、好ましくは15〜50μm程
度である。
【0059】なお、複数回に亘り硬質クロムメッキを行
なう場合、樹脂含浸した後、硬質クロムメッキ処理する
と、通常、含浸した樹脂により均一な硬質クロムメッキ
層を形成することが困難である。しかし、前記のサイク
ルでは、樹脂含浸工程の後、バフ仕上げするので、硬質
クロムメッキ処理を複数回行なっても、通常、均一な硬
質クロムメッキ層を形成できる。
【0060】このようにして形成された硬質クロムメッ
キ層の最終的な厚みは、例えば、5〜100μm、好ま
しくは10〜80μm、さらに好ましくは15〜75μ
m程度である。最終製品における特に好ましい硬質クロ
ムメッキ層の厚みは、10〜50μm(えば、20〜5
0μm)程度である。得られたシリンダーロッドなどの
鉄系部材は、メッキ層にクラックなどが存在していて
も、苛酷な条件下、例えば、塩水噴霧試験に供しても腐
蝕しない。
【0061】例えば、JIS H 8502(198
8)に規定するキャス試験を96時間行なっても、腐蝕
面積の指標となるレイティングナンバーは9.0〜1
0.0(例えば9.3〜10.0)、好ましくは9.5
〜10.0、さらに好ましくは9.8〜10.0程度、
特に10.0程度であり、殆ど腐蝕しない。また、JI
SH 8502に規定する塩水噴霧試験を1200時間
行なったとしても、レイティングナンバーは9.5〜1
0.0、好ましくは9.8〜10.0程度、特に10.
0程度であり、殆ど腐蝕しない。
【0062】なお、本発明の方法によれば、腐蝕性鉄系
基材に高い耐蝕性を付与できる。そのため、本発明は、
種々の腐蝕性鉄系基材、例えば、腐蝕性環境下又は腐蝕
が促進される環境下で使用される鉄系部材、特に摺接な
どにより耐蝕性が低下し易い摺動部材に適用できる。な
かでも、種々のシリンダーロッド、例えば、建設機械用
シリンダーロッド、特にピストンロッドに好適に適用で
きる。
【0063】シリンダーロッドは、ロッドの進退動を制
御するため、円筒状ロッドの軸方向に位置検出用凹部、
例えば、ロッドの軸方向に散在する凹部、好ましくは所
定のピッチで周方向に延びる複数の溝が形成されていて
もよい。
【0064】このようなシリンダーロッドにおいて、周
方向に形成された複数の溝の位置は、位置検出センサ
(例えば、磁気抵抗変化により検出する電磁式位置検出
センサ、静電容量により検出するポテンシオメータなど
のセンサ)により検出できる。好ましいセンサには、溝
に対応して渦電流が流れることを利用して、溝の厚み
(深さ)や幅を磁気的手段により検出できる電磁式位置
検出センサが含まれる。そのため、ロッドをシリンダの
ピストンロッドとして使用した場合、シリンダに対する
ピストンロッドの進退動に応答して生じる渦電流の検出
信号をカウントすることにより、ピストンロッドの進退
度を検出できる。
【0065】位置検出用凹部は、ロッドの周面全体に亘
り形成した環状溝や螺旋状溝、ロッドの軸方向に沿っ
て、周方向に少なくとも部分的に延びる溝が好ましい。
特に好ましい位置検出用溝は、ロッドの軸方向に延びる
領域に、ロッドの軸方向と直交する周方向に延びてい
る。
【0066】前記溝のピッチは、溝の位置検出精度が低
下しない範囲で選択でき、例えば、0.1〜50mm、
好ましくは0.5〜25mm程度である。溝の深さも、
溝加工作業性が低下しない範囲で適当に選択できるが、
例えば、1〜200μm、好ましくは10〜150μ
m、さらに好ましくは25〜100μm程度である。
【0067】ロッドの溝は基準マーカーとなる基準溝を
含んでいてもよい。基準マーカーを含むシリンダーロッ
ドは、円筒状の鉄系ロッドの軸方向に、所定のピッチで
周方向に延びる複数の位置検出用溝と、これらの溝のピ
ッチよりも大きなピッチで周方向に形成された基準溝と
を含んでいる。
【0068】このようなロッドでは、前記基準溝を基準
マーカーとして利用し、基準溝を検出する位置検出セン
サからの検出信号を基準信号とし、この基準信号に基づ
いて、ロッドをシリンダから前進又は後退させることが
できる。
【0069】基準溝が形成されたロッドを用いると、基
準溝で生じる渦電流の検出信号を基準信号として利用で
きるので、基準点まで、ロッドをシリンダ内に一旦戻し
た後、ロッドを前進又は後退させる必要がなく、ロッド
を基準位置に戻すためのストロークを小さくできる。し
かも、前記基準信号を基準として、位置検出用溝で生じ
る渦電流の検出信号をカウントしながら、ロッドを所定
ストロークだけ前進又は後退させることができる。
【0070】なお、基準溝も、溝状に限らず前記位置検
出用凹部と同様に形成できる。好ましい基準凹部は、前
記と同様に、ロッドの軸方向に沿って、周方向に少なく
とも部分的に延びる溝である。特に好ましい基準溝は、
ロッドの軸方向に延びる領域に、ロッドの軸方向と直交
する周方向に延びている。
【0071】このようなシリンダーロッドにおいて、前
記位置検出用凹部および基準凹部は、前記硬質クロムメ
ッキ層で埋設されていると共に、前記ロッドの表面は表
面が平滑な硬質クロムメッキ層で被覆されている。
【0072】前記シリンダーロッドは、鉄系ロッドの軸
方向に複数の凹部を形成した後、前記と同様にして硬質
クロムメッキ層を形成することにより製造できる。な
お、シリンダーロッドの凹部は、スクリーン印刷法、フ
ォトレジスト法、テープマスキング法などにより、凹部
に対応する部分を余してレジストを形成し、その後、エ
ッチングすることにより形成できる。
【0073】また、硬質クロムメッキ層の形成に際して
は、前記凹部を除くロッドの領域をマスクして硬質クロ
ムメッキを施して、前記マスクを除去し、再度、硬質ク
ロムメッキを施すのが好ましい。この場合、各硬質クロ
ムメッキの後、必要に応じてバフ研磨とともに、前記樹
脂含浸と加熱処理とを適当に組合せて行なってもよく、
第2の硬質クロムメッキ処理を行なった後、最終的に、
前記樹脂含浸と、加熱処理と、必要に応じてバフ研磨と
を組合せて行なってもよい。
【0074】なお、マスクを除去した後、クロムメッキ
部と鉄系ロッドの鉄とが共存していても、効率的に鉄系
ロッドの表面をエッチングするためには、予めエッチン
グ液、好ましくは塩化第2鉄を含むエッチング液を使用
してエッチングし、下地を調整するのが好ましい。さら
に、引続いて、前記陽極酸化によるエッチング処理を行
なうことにより、クロムメッキ部の表面もエッチングさ
れ、鉄系ロッドの表面全体を清浄化及び活性化できる。
【0075】
【発明の効果】本発明の方法によれば、硬質クロムメッ
キと、加熱処理、樹脂含浸および硬化工程とを組合せて
いるので、硬質クロムメッキ層の厚みが小さくても、耐
蝕性に優れる耐蝕性鉄系部材を得ることができる。ま
た、腐蝕性を有する鉄系基材に、ステンレススチールと
同等又はそれ以上の耐蝕性を付与できる。さらに、前記
の如き優れた特性を有するシリンダーロッドを経済的か
つ生産性よく製造できる。
【0076】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明する。
【0077】実施例1 外径25mmφの低炭素鋼(S43C)製のロッドを脱
脂処理し、#320番のリングバフ、#600番のリン
グバフ、#800番のリングバフおよびサイザルバフに
よりバフ研磨し、下記のメッキ浴を用い、ロッドを陽極
として陽極酸化法により電流密度35A/dm2 、3分
間のエッチングを行なった。
【0078】メッキ浴組成 無水クロム酸:250g/L 硫酸 :2.5g/L 三価クロム :1.0g/L 次いで、前記メッキ浴の温度50℃、電流密度35A/
dm2 、メッキ時間100分の条件で、ロッドをクロム
メッキし、厚み35μmの硬質クロムメッキ層を形成し
た。
【0079】得られた硬質クロムメッキ品を、温度18
0℃で5時間ベーキングし、徐冷した後、樹脂含浸工程
に供した。この樹脂含浸工程では、熱硬化性アクリル樹
脂系含浸剤(ダイアフロック(株)製、DIAKITE
PF−1900)と硬化剤(ダイアフロック(株)
製、A−1)とを含む含浸液を用いて行なった。
【0080】すなわち、硬質クロムメッキしたロッドを
収容する真空容器内を、真空ポンプにより5Torrで10
分間脱気し、前記含浸液を容器内に送液し、5Torrで1
0分間真空浸漬含浸した後、大気圧下に開放した。次い
で、前記容器内を加圧して、圧力5kg/cm2 で10
分間加圧含浸した後、ロッドを取出して過剰な含浸液を
液切りし、乾燥炉に入れて150℃で30分間加熱して
樹脂を硬化させ、樹脂が含浸した硬質クロムメッキロッ
ドを得た。
【0081】そして、ロッドを徐冷した後、仕上げバフ
工程に供し、硬質クロムメッキが施されたピストンロッ
ドを作製した。なお、仕上げバフは、#800番のリン
グバフおよびサイザルバフの順序で行なった。バフ仕上
げにより、硬質クロムメッキ層の厚みは30μmとなっ
た。
【0082】実施例2 硬質クロムメッキ品を230℃で5時間ベーキングし、
バフ仕上げにより厚み25μmの硬質クロムメッキ層を
形成する以外、実施例1と同様にして、ピストンロッド
を得た。
【0083】実施例3 実施例1と同様の低炭素鋼製のロッドを、脱脂処理、バ
フ研磨およびエッチングにより前処理し、実施例1のメ
ッキ浴を用い、温度50℃、電流密度35A/dm2
メッキ時間60分の条件で、クロムメッキし、厚み20
μmの硬質クロムメッキ層を形成した。
【0084】得られた硬質クロムメッキ品を、180℃
で5時間のベーキング処理及び実施例1と同様の樹脂含
浸処理に供し、過剰な含浸液を液切りし、乾燥炉に入れ
て150℃で30分間加熱して樹脂を硬化させ、樹脂が
含浸した硬質クロムメッキロッドを得た。
【0085】ロッドを徐冷した後、実施例1と同様にし
て、仕上げバフ工程に供し、厚み15μmの硬質クロム
メッキ層を形成した。
【0086】次いで、硬質クロムメッキが施されたロッ
ドを、上記と同様のクロムメッキ工程に供し、前記メッ
キ層上に厚み20μmの硬質クロムメッキ層(合計厚み
35μm)を形成し、180℃で5時間のベーキング処
理工程、樹脂含浸工程および仕上げバフ工程に供し、厚
み30μmの硬質クロムメッキ層が形成されたピストン
ロッドを得た。
【0087】実施例4 2回のベーキング処理工程におけるベーキング温度をそ
れぞれ190℃とする以外、実施例3と同様にしてピス
トンロッドを得た。
【0088】比較例1 ベーキング処理を行なうことなく、実施例1と同様にし
て、厚み30μmの硬質クロムメッキ層が形成されたピ
ストンロッドを得た。
【0089】比較例2 樹脂含浸処理を行なうことなく、実施例1と同様にし
て、厚み30μmの硬質クロムメッキ層が形成されたピ
ストンロッドを得た。
【0090】比較例3 ベーキング処理及び樹脂含浸処理を行なうことなく、実
施例1と同様にして、厚み30μmの硬質クロムメッキ
層が形成されたピストンロッドを得た。
【0091】実施例5 実施例1のロッドに代えて、外径65mmφの低炭素鋼
(S43C)製のロッド(ロッド全体の長さ590m
m、シャフトの長さ120mm)を用い、実施例1と同
様にして、厚み30μmの硬質クロムメッキ層を形成し
た。
【0092】次いで、コイル(内径86mmφ、幅20
mm)の中空部に前記ロッドを配し、電圧300V、高
周波発生機の出力50kw、周波数5.0kHz、コイ
ルの送り速度2.8m/分の条件で高周波加熱処理し
た。なお、上記条件で処理したときのピストンロッドの
表面温度を測定したところ、220℃であった。
【0093】加熱処理したピストンロッドを、実施例1
と同様にして樹脂含浸工程に供し、樹脂を含浸した後、
最終バフ仕上げに供し、硬質クロムメッキ層の厚み27
μmのシリンダーロッドを作製した。
【0094】実施例6 実施例5のコイルを用い、高周波加熱条件を、電圧46
0V、高周波発生機の出力80kw、周波数6.0kH
z、コイルの送り速度3.3m/分とする以外、実施例
5と同様にして、シリンダーロッドを作製した。なお、
上記の条件で高周波加熱処理したときのピストンロッド
の表面温度を測定したところ、500℃であった。
【0095】そして、各実施例及び比較例で得られたピ
ストンロッドを、JIS H 8502(1988)に
規定するキャス試験方法に供し、噴霧時間の経過に伴な
うロッドの腐蝕欠陥(耐蝕性)の程度を、レイティング
ナンバー標準図表により評価した。なお、キャス試験に
おける試験液は、塩化ナトリウム濃度40g/Lの水溶
液に、塩化第2銅・2水和物0.268gを溶解し、酢
酸によりpH3.0に調整することにより得た。また、
キャス試験は50℃で行なった。結果を表1に示す。
【0096】なお、腐蝕試験においては、腐蝕の程度が
小さいにも拘らず、腐蝕箇所から錆が流れて見掛け上、
腐蝕の程度が過大に評価される場合がある。そのため、
表中、試験時間48時間の結果においては、試験に供し
たピストンロッドそのものについて腐蝕の程度を示すと
ともに、ロッド表面を拭いて清浄化した後の腐蝕の程度
も評価した。
【0097】レイティングナンバー標準図表は、全腐蝕
面積率(%)に対応し、全腐蝕面積とレイティングナン
バーとの関係は、以下の通り、数値が大きい程、耐蝕性
が高い。
【0098】 全腐蝕面積(%) レイティングナンバー 0 10 0〜0.02 9.8 0.02〜0.05 9.5 0.05〜0.07 9.3 0.07〜0.10 9.0 0.10〜0.25 8 0.25〜0.50 7 0.50〜1.00 6 1.00〜2.50 5 2.50〜5.00 4 5.00〜10.0 3 10.0〜25.0 2 25.0〜50.0 1
【0099】
【表1】 表1より、各実施例のピストンロッドは、加熱処理又は
樹脂含浸処理を行なわなかった比較例のロッドに比べ
て、耐蝕性が著しく高い。また、加熱処理と樹脂含浸処
理との組合せにより、ピストンロッドの耐蝕性は大きく
向上する。特に複数回に亘りメッキ処理、加熱処理およ
び樹脂含浸処理を行なうと、ピストンロッドの耐蝕性が
顕著に向上する。
【0100】比較例4 外径40mmφのステンレススチール(SUS304)
製のロッドを用い、メッキ時間を長くする以外、実施例
1と同様にしてクロムメッキし、厚み50μmの硬質ク
ロムメッキ層を形成した。
【0101】比較例5 外径40mmφの低炭素鋼(S43C)製のロッドに厚
み30μmの硬質クロムメッキ層を形成し、120℃で
30分間熱処理する以外、実施例1と同様にして、硬質
クロムメッキ層の厚み25μmのピストンロッドを得
た。
【0102】実施例7 外径40mmφの低炭素鋼(S43C)製のロッドに厚
み30μmの硬質クロムメッキ層を形成し、250℃で
4時間30分熱処理する以外、実施例1と同様にして、
硬質クロムメッキ層の厚み25μmのピストンロッドを
得た。
【0103】実施例8 250℃で6時間熱処理する以外、実施例7と同様にし
て、硬質クロムメッキ層の厚み25μmのピストンロッ
ドを得た。
【0104】実施例9 外径40mmφの低炭素鋼(S43C)製のロッドに厚
み30μmの硬質クロムメッキ層を形成し、250℃で
6時間熱処理した後、樹脂の含浸処理を2回行なう以
外、実施例1と同様にして、硬質クロムメッキ層の厚み
30μmのピストンロッドを得た。
【0105】実施例10 外径40mmφの低炭素鋼(S43C)製のロッドを、
脱脂処理、バフ研磨およびエッチングにより前処理し、
実施例1のメッキ浴を用い、温度50℃、電流密度35
A/dm2 で、クロムメッキし、厚み30μmの硬質ク
ロムメッキ層を形成した。
【0106】得られた硬質クロムメッキ品を、200℃
で4時間30分のベーキング処理及び実施例1と同様の
樹脂含浸処理に供し、過剰な含浸液を水洗および90℃
での湯洗により除去し、乾燥炉に入れて150℃で30
分間加熱して樹脂を硬化させ、樹脂が含浸した硬質クロ
ムメッキロッドを得た。
【0107】ロッドを徐冷した後、実施例1と同様にし
て、仕上げバフ工程に供し、厚み20μmの硬質クロム
メッキ層を形成した。
【0108】次いで、硬質クロムメッキが施されたロッ
ドを、上記と同様のクロムメッキ工程に供し、前記メッ
キ層上に厚み30μmの硬質クロムメッキ層(合計厚み
50μm)を形成するとともに、上記と同様のベーキン
グ処理工程(200℃で4時間30分)、樹脂含浸工程
および仕上げバフ工程に供し、厚み35μmの硬質クロ
ムメッキ層が形成されたピストンロッドを得た。
【0109】実施例11 2回のベーキング処理工程において250℃で4時間3
0分のベーキングを行なう以外、実施例10と同様にし
てピストンロッドを得た。
【0110】実施例12 各クロムメッキ工程で厚み15μmの硬質クロムメッキ
層を形成し、各ベーキング処理工程で250℃で6時間
ベーキングする以外、実施例10と同様にしてピストン
ロッドを得た。
【0111】前記比較例4,5および実施例7〜12で
得られたピストンロッドを、前記と同様のキャス試験に
供し、96時間および480時間におけるロッドの腐蝕
欠陥(耐蝕性)の程度を、レイティングナンバー標準図
表により評価した。また、JIS H 8502に規定
する中性塩水噴霧試験方法(塩化ナトリウムの調製時の
濃度40g/L、pH6.5〜7.2)に供し、塩水噴
霧時間1200時間における腐蝕欠陥(耐蝕性)の程度
を、レイティングナンバー標準図表により評価した。さ
らに、参考までに、前記比較例3と同様にして得られた
ピストンロッドについても耐蝕性を調べた。結果を表2
に示す。
【0112】
【表2】 表2より明らかなように、熱処理温度を高めたり、含浸
処理を複数回行なったり、メッキ工程、熱処理工程、含
浸工程などを複数回繰返すと、殆ど腐蝕しないピストン
ロッドが得られる。また、実施例のピストンロッドは、
いずれも高い光沢および撥水性を維持していた。特に、
実施例8〜12のピストンロッドは、比較例4のステン
レススチールと同等又はそれ以上の耐蝕性を示し、耐蝕
性が顕著に改善され、腐蝕することがなかった。なお、
比較例4のピストンロッドでは、キャス試験480時間
(20サイクル)においてクロムが腐蝕して白錆が生成
し、塩水噴霧試験では僅かに赤錆が生成していた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C25D 5/00 - 5/56 C23C 26/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 腐蝕性鉄系基材を硬質クロムメッキし、
    150℃以上の温度で熱処理した後、熱硬化性アクリル
    樹脂又は封止剤を含浸して、含浸した樹脂又は封止剤を
    硬化させ、バフ仕上げする耐蝕性部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 円筒状ロッドを硬質クロムメッキして1
    0〜100μmの硬質クロムメッキ層を形成するメッキ
    処理工程と、170〜600℃で熱処理する加熱処理工
    程と、少なくとも減圧下で樹脂又は封止剤を含浸させる
    含浸工程と、含浸した樹脂又は封止剤を硬化させる硬化
    工程と、バフ仕上げする仕上げ工程とで構成されている
    請求項1記載の耐蝕性部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 鉄系基材がシリンダーロッドである請求
    項1記載の耐蝕性部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 温度180〜300℃で30分〜12時
    間熱処理する請求項1記載の耐蝕性鉄系部材の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 アクリル又はメタクリル系のオリゴマー
    又はモノマーで構成され、25℃での粘度が1〜50c
    psの熱硬化性アクリル樹脂又は封止剤を用いる請求項
    1記載の耐蝕性部材の製造方法。
  6. 【請求項6】 含浸を0.1〜100Torrの減圧下
    で行なう請求項1記載の耐蝕性鉄系部材の製造方法。
  7. 【請求項7】 バフ仕上げにより5〜95μmの硬質ク
    ロムメッキ層を形成する請求項2記載の耐蝕性鉄系部材
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 鉄系基材を硬質クロムメッキして15〜
    60μmの硬質クロムメッキ層を形成するメッキ処理工
    程と、180〜300℃で熱処理する加熱処理工程と、
    1〜50Torrの減圧下で、25℃での粘度1〜15
    cpsの熱硬化性アクリル樹脂又は封止剤を含浸させる
    含浸工程と、含浸した樹脂又は封止剤を硬化させる硬化
    工程と、バフ仕上げする仕上げ工程とで構成された腐蝕
    性鉄系基材の製造方法。
  9. 【請求項9】 腐蝕性鉄系円筒状ロッドを硬質クロムメ
    ッキし、メッキ処理したロッドを温度150℃以上で熱
    処理し、加熱処理したロッドに熱硬化性アクリル樹脂又
    は封止剤を含浸させ、含浸した樹脂又は封止剤を硬化さ
    せたロッドをバフ仕上げすることにより得られる耐蝕性
    鉄系部材であって、JIS H 8502に規定するキ
    ャス試験を96時間行なったとき、レイティングナンバ
    ーが9.0〜10.0、JIS H 8502に規定す
    る塩水噴霧試験を1200時間行なったとき、レイティ
    ングナンバーが9.8〜10.0である耐蝕性鉄系部
    材。
JP6166346A 1993-06-29 1994-06-23 耐蝕性鉄系部材およびその製造方法 Expired - Lifetime JP2758363B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6166346A JP2758363B2 (ja) 1993-06-29 1994-06-23 耐蝕性鉄系部材およびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5-187234 1993-06-29
JP18723493 1993-06-29
JP6166346A JP2758363B2 (ja) 1993-06-29 1994-06-23 耐蝕性鉄系部材およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0770787A JPH0770787A (ja) 1995-03-14
JP2758363B2 true JP2758363B2 (ja) 1998-05-28

Family

ID=26490747

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6166346A Expired - Lifetime JP2758363B2 (ja) 1993-06-29 1994-06-23 耐蝕性鉄系部材およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2758363B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11230481A (ja) * 1998-02-16 1999-08-27 Mitsubishi Materials Corp 内面メッキ被覆銅管の製造方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3911730B2 (ja) * 1995-09-20 2007-05-09 株式会社日立プラントテクノロジー ポンプ及びその製造方法
JPH1129892A (ja) * 1997-07-09 1999-02-02 Nippon Pureetec Kk 耐摩耗性の鉄メッキアルミニウム材料
DE60000519T2 (de) 1999-02-25 2003-01-30 Ngk Spark Plug Co Glühkerze und Zündkerze, und ihr Herstellungsverfahren
US20110027576A1 (en) * 2009-07-28 2011-02-03 General Electric Company Sealing of pinholes in electroless metal coatings

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52108337A (en) * 1976-03-08 1977-09-10 Retoraza Ibaruguengoite Jiyuan Method of improving chromium plated worn surface of cylinder or sleeve of internal combustion engine
AT350869B (de) * 1977-06-28 1979-06-25 Voest Ag Verfahren zum schuetzen von verchromten ober- flaechen
JPH036393A (ja) * 1989-06-02 1991-01-11 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 硬質クロムめつきの表面処理方法
JP2784088B2 (ja) * 1990-10-23 1998-08-06 株式会社興和工業所 シリンダー用シャフトの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11230481A (ja) * 1998-02-16 1999-08-27 Mitsubishi Materials Corp 内面メッキ被覆銅管の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0770787A (ja) 1995-03-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5480536A (en) Corrosion-inhibited iron-based members and method of producing the same
JP3404286B2 (ja) 金属の表面処理方法、および該表面処理方法により得られた表面を有する金属部材
JP2758363B2 (ja) 耐蝕性鉄系部材およびその製造方法
WO1996003278A1 (en) Metal finishing process
JPH0349989B2 (ja)
JPH0971893A (ja) 耐蝕性鉄系部材およびその製造方法
KR102662673B1 (ko) 알루미늄 합금 허브 및 그 표면 코팅 방법
CN104674158B (zh) 一种popo盐浴三元共渗复合共渗处理方法
JP4363970B2 (ja) アルミニウム材の表面処理方法
US3766023A (en) Coloring stainless steels
JP3220227B2 (ja) シリンダーロッドおよびその製造方法
JPS60181282A (ja) アルミニウム合金の表面処理法
JPH04160197A (ja) シリンダー用シャフトの製造方法
US3317411A (en) Process of producing a smooth continuous surface
Dubey Experimental investigations on electrochemical honing
JPH05320947A (ja) シリンダーロッドの製造方法
JP3673180B2 (ja) アルミニウム基材又はアルミニウム合金基材の処理方法及び処理されてなるアルミニウム基材又はアルミニウム合金基材
US3112231A (en) Protective coating
CN114846160A (zh) 处理由含铁金属制成的部件的方法及由含铁金属制成的部件
JPH0297698A (ja) アルミニウム又はその合金の表面処理方法
CN111593295B (zh) 一种减震器工作缸表面处理方法
JP7492206B1 (ja) 半導体製造装置用ステンレス鋼部材およびその製造方法
JPS63112086A (ja) 鋼板圧延用ダルロ−ルの製造方法
JP4043419B2 (ja) アルミニウム材の表面処理方法
JPH03204107A (ja) 鋼板圧延用ダルロールの表面に凹凸パターンを形成する方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100313

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130313

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150313

Year of fee payment: 17

EXPY Cancellation because of completion of term