JP2748625B2 - 能動型騒音制御装置 - Google Patents

能動型騒音制御装置

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JP2748625B2 JP1341901A JP34190189A JP2748625B2 JP 2748625 B2 JP2748625 B2 JP 2748625B2 JP 1341901 A JP1341901 A JP 1341901A JP 34190189 A JP34190189 A JP 34190189A JP 2748625 B2 JP2748625 B2 JP 2748625B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、能動型騒音制御装置に係り、特に騒音源
からの騒音に制御音源で発生させた制御音を干渉させる
ことにより、騒音の音質を変化させるようにしたもの
で、車両の車室や航空機の客室に好適な騒音制御装置に
関する。
〔従来の技術〕
従来、この種能動型騒音制御装置としては、例えば特
許出願公表平1−501344号公報に記載されているものが
ある。
この従来例は、第一振動音源(騒音源)によって発生
される振動を低減させるための能動的振動制御装置であ
って、前記第一振動音源の少なくとも1つの選択された
高調波を含む少なくとも1つの基準信号は、複数個の第
二振動音源(制御音源)を駆動するLMSアルゴリズムを
使用した制御手段に供給されることにより、前記第1と
第2の振動音源によって形成される振動音場を感知する
作用をするセンサ手段によって検出される振動エネルギ
を減少させるようにしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記従来の能動型騒音制御装置にあっ
ては、周期的な振動源による騒音に含まれる高調波成分
を低減することはできるが、これは予め固定された特定
の高調波成分を低減するのみであり、音場内に存在する
人間の趣向によって任意の高調波成分の振幅を増減する
ことによって騒音の音質改善を行うことはできないとい
う未解決の課題があった。
そこで、この発明は、上記従来例の未解決の課題に着
目してなされたものであり、低減させる高調波成分を任
意に選択してその振幅を変更し、騒音の音質改善を行う
ことができる能動型騒音制御装置を提供することを目的
としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、請求項(1)に係る能動
型騒音制御装置は、騒音源から伝達される騒音に制御音
源から発生させた制御音を干渉させて騒音を低減するよ
うにした能動型騒音制御装置において、前記騒音源の騒
音発生状態に関する信号を検出する騒音発生状態検出手
段と、観測位置の残留騒音を検出する残留騒音検出手段
と、前記騒音発生状態検出手段の騒音発生状態検出信号
に基づいて前記残留騒音検出手段からの残留騒音検出信
号中の所定の高調波成分の少なくとも振幅を変更する目
標信号を形成し、当該目標信号及び前記残留騒音検出信
号に基づく補正信号を出力する高調波成分補正手段と、
該高調波成分補正手段の補正信号及び前記騒音発生状態
検出手段の検出信号に基づいて所定の演算処理を行って
前記制御音を形成する駆動信号を演算し、これを前記制
御音源に出力する制御手段とを備えている。
また、請求項(2)に係る能動型騒音制御装置にあっ
ては、前記高調波成分補正手段は、制御対象となる高調
波成分の振幅を選択する振幅選択手段と、該振幅選択手
段からの選択信号と前記残留騒音検出手段の残留騒音検
出信号とを加算する加算手段とを有する構成とされてい
る。
さらに、請求項(3)に係る能動型騒音制御装置にあ
っては、前記振幅選択手段は、車両のサスペンション特
性を切換える特性切換手段と連動されている構成とされ
ている。
〔作用〕
請求項(1)に係る能動型騒音制御装置においては、
騒音源から伝達される騒音に対して制御音源から制御音
を発して干渉させ、そのときの観測点での残留騒音を残
留騒音検出手段で検出し、その残留騒音検出信号を、高
調波成分補正手段に供給する。この高調波成分補正手段
では、騒音発生状態検出手段で検出した騒音源の騒音発
生状態検出信号に基づいて残留騒音検出信号中の特定の
高調波成分の少なくとも振幅を変更する目標信号を形成
し、当該目標信号と残留騒音検出信号とに基づく補正信
号を制御手段に出力し、この制御手段で補正信号及び騒
音発生状態検出信号に基づいて駆動信号を形成し、これ
を制御音源に供給して制御音を発生することにより、残
留騒音検出信号の振幅と目標信号の振幅とを一致させ
て、観測点での特定の高調波成分の音圧を変更し、観測
点における残留騒音の音質を改善する。
また、請求項(2)に係る能動型騒音制御装置におい
ては、高調波成分補正手段が制御対象となる高調波成分
の振幅を選択する複数の振幅選択手段を有するので、観
測点での聴取者が振幅選択手段を選択することにより、
好みに応じて残留騒音の音質を調整することができる。
さらに、請求項(3)に係る能動型騒音制御装置にお
いては、振幅選択手段がサスペンション特性(例えば車
両のロールを抑制するショックアブソーバの減衰力)を
切換える特性切換手段に連動しているので、例えば高減
衰力を選択してスポーティな走行を行うときには、残留
騒音の低次高調波を強調した音質とし、低減衰力を選択
してソフトな走行を行うときには、残留騒音の低次高調
波を減衰させて穏やかな音質を自動的に選択して走行状
態に応じた残留騒音の音質を選択することができる。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図はこの発明を前置きエンジン前輪駆動車に適用
した場合の一実施例を示すブロック図である。
図中、1は車体であって、車室2の前方に騒音源とし
ての4気筒エンジン3が配置されている。車室2内に
は、前部座席4F及び後部座席4Rが配設されていると共
に、例えばダッシュボードの下部及び後部座席4Rの後方
側に制御音源としてのオーディオ信号を出力する制御音
源を兼ねるラウドスピーカ5a及び5bが配設され、さらに
天井の前方、中央及び後方部に夫々残留騒音検出手段と
してのマイクロフォン6a,6b及び6cが配設されている。
また、エンジン3には、騒音発生状態検出手段として
のクランク角センサ7が取付けられ、このクランク角セ
ンサ7からクランク軸が180度回転する毎に1つのパル
スでなる騒音発生状態検出信号が出力される。
そして、クランク角センサ7のクランク角検出信号
は、基準信号発生器8に供給され、この基準信号発生器
8でクランク軸の回転数の高調波(又は準高調波)にお
ける1以上の正弦波成分を抽出し、これを基準信号xと
して出力する。この基準信号発生器8から出力される基
準信号xは、高調波成分補正手段としての高調波成分補
正回路9に供給される。この高調波成分補正回路9は、
基準信号xが入力される目標信号発生回路10と、この目
標信号発生回路10から出力される目標信号eOLと、マイ
クロフォン6a〜6cから出力される残留騒音検出信号eL
を加算する加算器11a〜11cとを備えている。ここで、目
標信号発生回路10は、第2図に示すように、マイクロフ
ォン6a〜6cに応じた数の可変フィルタF1〜F3と、これら
可変フィルタF1〜F3のフィルタデータを記憶したフィル
タ形状メモリMとを有し、可変フィルタF1〜F3で下記
(1)式で表される目標信号eOL(n)(l=1,2,3)を
出力する。
eOL(n)=Esin j(ωt+φ) …………(1) 但し、Eは振幅、ωは基準信号xの角周波数、φは位
相である。ここで、振幅Eは、予めフィルタ形状メモリ
Mに、例えばエンジン回転数と振幅Eとの関係を示す第
3図の特性が各可変フィルタF1〜F3の出力で得られるよ
うにフィルタデータを設定しておくことにより、エンジ
ン回転数に応じて第3図に示すように変化される。
そして、前記基準信号発生器8から出力される基準信
号xと加算器11a〜11cから出力される残留騒音補正信号
eL′(n)とがプロセッサユニット15a及び15bに入力さ
れる。
プロセッサユニット15a及び15bは、第4図に示すよう
に、入力される基準信号xをA/D変換して出力するA/D変
換回路22と、このA/D変換回路22の出力信号を基準信号
xとして入力するディジタルフィルタ24及び適応ディジ
タルフィルタ26と、高調波成分補正回路9からの残留騒
音補正信号e1′〜e3′をA/D変換するA/D変換器30と、こ
のA/D変換器30による変換信号及び前記ディジタルフィ
ルタ24の出力信号を入力するマイクロプロセッサ34と、
適応ディジタルフィルタ26の処理信号をD/A変換するD/A
変換器36とを備えている。
ここで、ディジタルフィルタ24は、基準信号xを入力
し、マイクロフォン及びスピーカ間の伝達関数の組合せ
数に応じて、フィルタ処理された基準信号rLm(後述す
る第(5),(6)式参照)を生成するものであり、適
応ディジタルフィルタ26は機能的にはスピーカ5a及び5b
への出力チャンネル数に応じたフィルタを個々に有し、
基準信号xを入力し、その時点で設定されているフィル
タ係数に基づきたたみ込み処理を行ってスピーカ駆動信
号y1を出力するものである。マイクロプロセッサ34は、
残留騒音補正信号e1′、e2′及びe3′並びにフィルタ処
理された基準信号rLmを入力し、適応フィルタ26のフィ
ルタ係数をLMSアルゴリズムを用いて変更するようにな
っている。
ここで、各プロセッサユニット15a及び15bの制御原理
を一般式を用いて説明する。今、l番目のマイクロフォ
ン6a〜6cが検出した残留騒音検出信号をeL(n)、ラウ
ド・スピーカ5a及び5bからの制御音(二次音)が無いと
きのl番目のマイクロフォン5a及び5bが検出した残留騒
音検出信号をePL(n)、m番目のラウドスピーカ5a及
び5bとl番目のマイクロフォン6a〜6cとの間の伝達関数
HLmをFIR(有限インパルス応答)関数で表したときのj
番目(j=0,1,2…Ic−1)の項に対応するフィルタ係
数をCLmj、基準信号をx(n)、基準信号x(n)を入
力しm番目のラウドスピーカ5a及び5bを駆動する適応フ
ィルタのi番目(i=0,1,2…Ik−1)の係数をWmiとす
ると、 が成立する。ここで、(n)が付く項は、何れもサンプ
リング時刻nのサンプル値であり、また、Lはマイクロ
フォン6a〜6cの数(本実施例では3個)、Mはラウドス
ピーカ5a及び5bの数(本実施例では2)、IcはFIRディ
ジタルフィルタで表現されたフィルタ係数CLmのタップ
数(フィルタ次数)、Ikは適応フィルタWmのタップ数
(フィルタ次数)である。
上式(2)中、右辺の「Σ Wmi・x(n−j−
i)}」(=ym)の項は適応フィルタ26に基準信号xを
入力したときの出力を表し、「ΣCLmj・{ΣWmi・x
(n−j−i)}」の項はm番目のスピーカ5a及び5bに
入力された信号エネルギがこれらスピーカ5a及び5bから
音響エネルギとして出力され、車室3内の伝達関数CLm
を経てl番目のマイクロフォン6a〜6cに到達したときの
信号を表し、さらに、「Σ ΣCLmj・{ΣWmi・x(n
−j−i)}」の右辺全体は、l番目のマイクロフォン
6a〜6cへの到達信号を全スピーカについて足し合わせて
いるから、l番目のマイクロフォン6a〜6cに到達する二
次音の総和を表す。
次いで、評価関数(最小にすべき変数)Jeを、 とおく。
そして、評価関数Jeを最小にするフィルタ係数Wmを求
めるために、本実施例ではLMSアルゴリズムを採用す
る。つまり、評価関数Jeを各フィルタ係数Wmiについて
偏微分した値で当該フィルタ係数Wmiを更新する。
そこで、(3)式より、 となるが、(2)式より となるから、この(5)式の右辺をrLm(n−i)とお
けば、フィルタ係数の書換え式は重み係数γLも含めた
形で以下の(6)式により得られる。
ここで、αは収束係数であり、フィルタが最適に収束す
る速度や、その際の安定性に関与する。なお、収束係数
αを本実施例では一つの定数のように扱っているが、各
フィルタ係数毎に異なる収束係数(αmi)とすることも
できるし、また重み係数γLを一緒に取り込んだ係数
(αL)として演算することもできる。
このように、適応フィルタ26のフィルタ係数Wmi(n
+1)をマイクロフォン6a〜6cから出力される残留騒音
検出信号y1(n)及びy2(n)の出力とクランク角セン
サ7のクランク角検出信号に基づく基準信号x(n)に
基づいてLMS(Least Mean Square)アルゴリズムに従っ
て順次更新することにより、入力される残留騒音補正信
号e1′、(n)〜e3′(n)を最小とする駆動信号y
1(n)及びy2(n)が形成され、これがラウドスピー
カ5a及びbに供給されてこれから出力される制御音によ
って騒音の音質が改善される。
次に、上記実施例の動作を説明する。エンジン3を始
動すると、クランク角センサ7からエンジン回転数の2
倍の周波数のクランク角検出信号が出力され、これが基
準信号発生器8に入力されるので、この基準信号発生器
8から制御対象となる次数(4気筒エンジン3では偶数
次数)の高調波の正弦波成分でなる基準信号x(=sin
ωt)が出力され、これが高調波成分補正回路9及びプ
ロセッサユニット15a及び15bに供給される。
このため、高調波成分補正回路9で、目標信号発生回
路10の可変フィルタF1〜F3でエンジン回転速度をもとに
フィルタ形状メモリMに予め格納されているフィルタデ
ータを読込み、エンジン回転速度に対応したフィルタ形
状をセットする。これによって、各可変フィルタF1〜F3
から出力される第3図に示すようにエンジン回転速度に
対応した振幅Eを正弦波でなる基準信号xに乗じた前記
(2)式で表される目標信号eO1〜eO3が加算器11a〜11c
に出力される。
一方、マイクロフォン6a〜6cからは車室2内の残留騒
音検出信号e1〜e3が出力され、これらが加算器11a〜11c
に供給されるので、この加算器11a〜11cで残留騒音検出
信号e1〜e3と目標信号eO1〜eO3とを個別に加算して残留
騒音補正信号e1′〜e3′が出力され、これがプロセッサ
ユニット15a及び15bに供給される。
これらプロセッサユニット15a及び15bでは、前述した
時間領域LMSアルゴリズムに従って残留騒音補正信号
e1′〜e3′の自乗和が最小となるように駆動信号y1及び
y2が形成され、これら駆動信号y1及びy2が夫々ラウドス
ピーカ5a及び5bに出力されることにより、これらラウド
スピーカ5a及び5bから制御音が発生され、これによって
入力される残留騒音補正信号e1′〜e3′が常に零となる
ように制御が行われる。すなわち、加算器11a〜11cに入
力される残留騒音検出信号e1〜e3の振幅が目標信号eO1
〜eO3に一致するように制御されることになる。このた
め、上述したように高調波成分補正回路9の可変フィル
タF1〜F3の出力が第3図に示すように、エンジン回転度
に比例した振幅Eが得られるように設定されているもの
とすると、エンジン回転速度が低い領域では当該高調波
成分の振幅Eが小さいので、観測点における当該高調波
成分が小さくなり、エンジン回転速度が増加するに伴っ
て観測点おける当該高調波成分が多くなり、エンジン回
転速度に応じて高調波成分を制御することができる。
次に、この発明の第2実施例を第5図及び第6図につ
いて説明する。
この第2実施例は、座席4F及び4Rに着席した乗員の好
みに応じて車室2内の残留騒音の音質を選択することが
できるようにしたものである。
すなわち、第5図に示すように、基準信号発生器8か
ら偶数次(2,4,6……)の高調波成分を出力し、これら
を別個に設けた高調波補正回路9a,9b,9c……に入力する
と共に、これら高調波補正回路9a,9b,9c……から出力さ
れる残留騒音補正信号e1′〜e2′及びe3′を夫々一対の
プロセッサユニット15a,15bに供給し、これらプロセッ
サユニット15a,15bから出力される駆動信号を加算器39
で加算してラウドスピーカ5a及び5bに出力するように構
成されている。ここでは、プロセッサユニット15a,15b
を複数組備えた例を示したが、1組として切換スイッチ
により高調波補正回路9a,9b,……の出力を選択するよう
にしてもよい。
また、各高調波成分補正回路9a,9b,……のフィルタ形
状メモリMに、第6図に示すように、予めエンジン回転
次数に対する振幅Eが異なる複数の特性(直線l1〜l3
を可変フィルタF1〜F3が出力するようにフィルタデータ
を記憶しておき、これらフィルタデータが運転席或いは
各座席の近傍に設けたマニュアル切換スイッチ40で選択
可能に構成されている。
この第2実施例によると、マニュアルスイッチ40でエ
ンジン回転次数に対する高調波振幅Eの特性を選択する
ことにより、マイクロフォン6a〜6c位置での残留騒音の
音質を乗員の好みに応じて任意に変化させることがで
る。
なお、上記第2実施例においては、マニュアルスイッ
チ40で残留騒音の音質を選択する場合について説明した
が、これに限定されるものではなく、例えば減衰力可変
ショックアブソーバの減衰力を選択する減衰力切換スイ
ッチに連動するスイッチとすることもでき、この場合に
は減衰力を高めてスポーティ走行する場合は、第6図の
直線l1を選択して、各偶数次数の高調波成分の振幅を比
較的大きくして残留騒音の偶数次数高調波成分を多く
し、減衰力を低くしてソフトな走行を行うときには、第
6図の直線l3を選択して各偶数次数の高調波成分の振幅
を比較的小さくして静寂な環境をかもしだし、中減衰力
を選択したときには、第6図の直線l2を選択して両者の
中間の残留騒音を選択することができ、車両の走行状態
に応じた音場を形成することができる。
また、上記第2実施例では4気筒エンジンについて説
明したが、6気筒エンジンについては、第6図のエンジ
ン回転の3次成分及びその高調波成分に変更する必要が
ある。
さらに、上記各実施例においては、高調波の振幅を変
更する場合について説明したが、これに加えて位相も変
更するようにしてもよく、この場合には少ないパワーで
音質を変更することができる利点がある。
またさらに、上記各実施例においては、偶数次高調波
成分の振幅を任意に変更する場合について説明したが、
奇数次高調波成分についても基準信号発生器8で各奇数
次高調波を抽出し、これを高調波成分補正回路に供給す
ると共にプロセッサユニット10a,10bに供給し、且つ高
調波成分補正回路で振幅Eを零とすることにより、これ
ら奇数次高調波成分を低減させる。このように奇数次高
調波成分を低減させることにより、観測点での残留騒音
の音質がすっきりすることが本発明者の実験によって確
かめられている(SAE テクニカルペーパー シリーズ
870955 53頁〜62頁参照)。
また、制御音源としてのラウドスピーカ及び残留騒音
検出手段としてのマイクロフォンの設置数は上記実施例
に限定されるものではなく、1以上の任意数とすること
ができる。
さらに、上記各実施例においては、騒音源として4気
筒エンジン3を適用した場合について説明したが、これ
に限定されるものではなく、ロードノイズに相関のある
サスペンション振動のピックアップ信号、ドアミラー付
近における風切り音のピックアップ信号、ディファレン
シャルギヤやトランスミッションのケース振動に対する
ピックアップ信号(駆動力伝達系のケース振動に起因し
た騒音に相関のある信号)、車速計測用としてのトラン
スミッションの出力軸の回転に応じたパルス信号(トラ
ンスミッションやディファレンシャルギヤの噛み合いに
よる騒音に相関のある信号)をも取込んだ多チャンネル
であってもよいし、これらの内の任意のものの組み合わ
せであってもよい。
またさらに、上記実施例においては、この発明を車両
に適用した場合について説明したが、これに限定される
ものではなく、例えば航空機のキャビンのエンジン騒音
を低減する場合や、複数の空調用室外機の回転に起因し
た室内騒音を低減させる場合にも適用することができ
る。
なおさらに、上記実施例では、騒音源が車室という一
種の閉じられた空間の外部にある場合について説明した
が、これに限らず騒音源が閉空間内にある場合にもこの
発明を適用し得ることは言うまでもない。
また、上記各実施例においては、適応ディジタルフィ
ルタのフィルタ係数の更新アルゴリズムとしては、前述
した時間領域LMSアルゴリズムに代えて周波数領域のLMS
アルゴリズム等の他のアルゴリズムを適用することがで
きる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、請求項(1)に係る能動型騒音
制御装置によれば、残留騒音検出手段で検出した残留騒
音検出信号の振幅を、高調波成分補正手段で騒音発生状
態検出手段の騒音発生状態検出信号に基づいて形成した
残留騒音検出信号中の所定の高調波成分の少なくとも振
幅を変更する目標信号と残留騒音検出信号とに基づく補
正信号を制御手段に出力し、この制御手段で補正信号と
騒音発生状態検出信号に基づいて駆動信号を形成するよ
うにしているので、残留騒音検出信号の振幅と目標信号
の振幅とを一致させて、観測点での特定高調波成分の音
圧を変更して観測点における残留騒音の音質を改善する
ことができ、目標信号の振幅を任意に変更することによ
り、観測点での高調波成分の音圧を任意に変更して、聴
取者の好みに応じた音質の音場を形成することができ、
より快適な音響空間を得ることができるという効果が得
られる。
また、請求項(2)に係る能動型騒音制御装置によれ
ば、高調波成分補正手段に制御対象となる高調波成分の
振幅を選択するマニュアルスイッチ等の振幅選択手段を
設けたので、聴取者が振幅選択手段を選択することによ
り、好みに応じた任意の音質を選択することができる。
さらに、請求項(3)に係る能動型騒音制御装置によ
れば、振幅選択手段を車両のサスペンション特性を切換
える切換手段と連動させたので、車両の走行状態に応じ
て音質を自動的に変化させることができる効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の第1実施例を示すブロック図、第2
図は目標信号発生回路の一例を示すブロック図、第3図
はエンジン回転速度と高調波成分の振幅との関係を示す
特性線図、第4図はプロセッサユニットの一例を示すブ
ロック図、第5図はこの発明の第2実施例を示すブロッ
ク図、第6図は第2実施例におけるエンジン回転次数と
高調波成分の振幅との関係を示す特性線図である。 図中、1は車体、2は車室、3は4気筒エンジン、5a,5
bはラウドスピーカ(制御音源)、6a〜6cはマイクロフ
ォン(残留騒音検出手段)、7はクランク角センサ(騒
音発生状態検出手段)、8は基準信号発生器、9,9a,9b
……は高調波成分補正回路(高調波成分補正手段)、10
は目標信号発生回路、11a〜11cは加算器、15a,15bはプ
ロセッサユニット、24はディジタルフィルタ、26は適応
ディジタルフィルタ、34はマイクロプロセッサ、40はマ
ニュアルスイッチである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】騒音源から伝達される騒音に制御音源から
    発生させた制御音を干渉させて騒音を低減するようにし
    た能動型騒音制御装置において、前記騒音源の騒音発生
    状態に関する信号を検出する騒音発生状態検出手段と、
    観測位置の残留騒音を検出する残留騒音検出手段と、前
    記騒音発生状態検出手段の騒音発生状態検出信号に基づ
    いて前記残留騒音検出手段からの残留騒音検出信号中の
    制御対象とする特定の高調波成分の少なくとも振幅を変
    更する目標信号を形成し、当該目標信号及び前記残留騒
    音検出信号に基づく補正信号を出力する高調波成分補正
    手段と、該高調波成分補正手段の補正信号及び前記騒音
    発生状態検出手段の検出信号に基づいて所定の演算処理
    を行って前記制御音を形成する駆動信号を演算し、これ
    を前記制御音源に出力する制御手段とを備えたことを特
    徴とする能動型騒音制御装置。
  2. 【請求項2】前記高調波成分補正手段は、制御対象とな
    る高調波成分の振幅を選択する振幅選択手段と、該振幅
    選択手段で選択された振幅を残留騒音検出信号に加算す
    る加算手段とを有する請求項(1)記載の能動型騒音制
    御装置。
  3. 【請求項3】前記振幅選択手段は、車両のサスペンショ
    ン特性を切換える特性切換手段と連動されている請求項
    (2)記載の能動型騒音制御装置。
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