JP2748347B2 - アスペルギルス・ソーヤ形質転換体 - Google Patents

アスペルギルス・ソーヤ形質転換体

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はアスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus soja
e)の形質転換体に関する。
〔従来の技術〕
アスペルギルス(以下、Aと略記する)・ソーヤは、
醤油等の醸造工業の他、酵素製造工業、医薬品製工業及
び食品工業等に用いられている。その使用は該微生物の
分泌能力に基づくものである。A・ソーヤは、上記工業
に、大量に、商業的規模で用いられる微生物である。A
・ソーヤに遺伝子工学技術を応用するためには、得られ
る形質転換体がさらに有用な生成物を発現し、これを大
量に分泌するように、DNAをA・ソーヤに移入する必要
がある。
多くの遺伝子が種々の原核性ベクター(例えば大腸菌
を利用しての)でクローン化され、コードされたタンパ
ク質に関して高い発現レベルを得るための努力がなされ
ている。遺伝子を、その遺伝子が本来属している種と同
じか、または非常に良く似た宿主に導入した場合、これ
らの遺伝子はより効率良く発現され、加工され易く、本
来のタンパク質にさらによく似たタンパク質を産生し易
い。
A・ソーヤは種々の工業的に重要な蛋白質、酵素、お
よび他の製品のもとを製造する微生物である。これはま
た、効率よく発現されたタンパク質を分泌することがで
きる。しかし、A・ソーヤの形質転換は非常に困難であ
ることが判明している。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、A・ソーヤに遺伝子工学的手法により所定
の選択マーカーを付与した、有用なA・ソーヤの形質転
換体を開発することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、所定の選択マーカーが欠損(「欠損」と
は、元来目的とする所定の選択マーカーを有する場合を
含む)したアスペルギルス・ソーヤ株のプロトプラスト
化した細胞を、前記所定の選択マーカーのDNA配列を含
有するDNAベクターで形質転換して得られる所定の選択
マーカーDNAを含むアスペルギルス・ソーヤ形質転換体
にある。
上記DNAベクターとしは、環状、線状のいずれも用い
られる。また、所定の選択マーカーのDNAとしてはアス
ペルギルス属由来のものが用いられ、好ましくはオルニ
チンカルバモイルトランスフェラーゼ遺伝子(arg B+
が用いられる。このオルニチンカルバモイルトランスフ
ェラーゼ遺伝子はA・ソーヤまたはA・ニドランス由来
のものが用いられる。
本発明の形質転換体は、形質転換前のA・ソーヤの細
胞には存在しない選択マーカーDNAを含有するDNAベクタ
ーを用いて、宿主A・ソーヤを形質転換することにより
調製される点に特徴がある。上記DNAベクターはA・ソ
ーヤに導入され、その選択マーカーのタンパク質の発現
を高めるものであるが、このDNAベクターには修飾する
のに必要な他の外来性DNAを含んでいてもよい。
次いで、この様にして形成された形質転換体は、組込
まれた選択マーカーに基づいて、非形質転換細胞から選
択し、単離し、通常の方法で増殖および培養することに
より得られる。
第1図は、本発明に従ったA・ソーヤ形質転換体の調
製に用いるDNAベクターpSal 43及び同pSal 23の構築図
である。
本発明において用いられる選択マーカーは、野性型A
・ソーヤと比較して、形質転換体に存在していることが
その性質に実質的に影響しない様に、A・ソーヤに天然
に存在しているものが適している。
このことから、本発明の形質転換体は、A・ソーヤの
野生株、好ましくはその突然変異株を形質転換の宿主と
して用いた形質転換体である。元来、野生株型A・ソー
ヤ株において所望の選択された遺伝子マーカーを欠損し
ている(即ち、有しない)場合は、これをそのまま形質
転換の宿主として用いることができる。しかし、この様
な場合は稀れである。従って野生型A・ソーヤ株を突変
異処理し、選択された遺伝子マーカーが欠損した突然変
異株を用いることが好ましい。該形質転換体は、選択マ
ーカーおよび組込に必要な外来性DNAを含有するベクタ
ーで形質転換され、A・ソーヤの選択マーカーのタンパ
ク質の発現が高められるものである。
野生型A・ソーヤを形質転換するためには、優性選択
マーカー、即ち、通常A・ソーヤによって代謝されない
代謝物質を代謝する能力、または化学物質または抗生物
質の有害な作用に対する耐性等の新規表現型を特性する
遺伝子を用いることができる。野生型A・ソーヤの形質
転換体は、導入された優性選択マーカーに基づいて選択
することができる。
選択マーカーの好ましい例として、酵素オルニチント
ランスカルバミラーゼをコードするarg B+遺伝子が挙げ
られる。この酵素は、野生型A・ソーヤに存在する。こ
の酵素が欠損している突然変異体(arg B-株)は、通常
の技術、例えば、紫外線照射で処理することにより調製
することができ、アルギニン含有培地上では増殖できる
が、最小培地上では増殖できないことにより選択され
る。本発明の方法に従って、A・ソーヤのarg B-株およ
びarg B+遺伝子を含有するベクターからつくられた形質
転換体は、従ってarg B+であり、標準的なプレーティン
グおよび培養技術により、形質転換されていないarg B-
株から容易に選択および単離することができる。
前記の如く、野生型A・ソーヤに天然に存在する選択
マーカーを用いるのが好ましいが、ベクターにおいて用
いる選択マーカーが実際にA・ソーヤ由来のものである
必要はない。発現の条件下で所望の遺伝子を含有する他
の類似した株からも同様に得ることができる。
本発明の形質転換体を調製するために用いるDNAベク
ター構築の好ましい態様においては、先ず、第1図にお
ける選択マーカーarg B+「イ」又は「ロ」を、A・ニド
ランス株の全DNAを適当な制限酵素で処理することによ
り得、次いでこれをA・ソーヤ(arg B-)を形質転換体
するのに適当なベクター・プラスミドpBB8又はpBB29に
連結することからなる。
本発明の好ましい具体例においては、宿主微生物のA
・ソーヤとして該A・ソーヤのプロトプラストが用いら
れる。このプロトプラストの好ましい調製法は、例え
ば、β−1,3−グルカナーゼ及び/又はキチナーゼを用
いて細胞壁を酵素で溶解することによる。A・ソーヤを
酵素で溶解しそのプロトプラストを得るのに適した酵素
の選択は、公知である。上記酵素は、複雑なポリサッカ
ライドを溶解できるものであって、広範囲にわたるA・
ソーヤの真菌のプロトプラストを調製するのに有効であ
る。
上記β−1,3−グルカナーゼとしては生化学工業社販
売ザイモリアーゼ(Zymolyase)20T、同100T及び本発明
者らが微生物バチラス・サーキュランスIAM1165及びス
トレプトマイセス0143(FERM P-7276)のそれぞれの培
養液から調製した2つの粗酵素等が挙げられる。
また上記キチナーゼとしては、キチナーゼ活性を有す
る酵素剤が用いられ、例えば米国ICN社製キチナーゼNo.
100466、米国シグマ社製キチナーゼNo.C-6137、生化学
工業社販売キチナーゼ・ファンガル(fungal)No.10029
0等が挙げられる。他の適当な方法を用いてプロトプラ
ストを形成してもよい。さらにベクターを細胞内に取り
込ませる適当な方法に関しては、プロトプラストのかわ
りにA・ソーヤの胞子、菌糸等の全細胞を用いても良
い。
本発明の形質転換体は、適当な選択したDNAベクター
(例えば、第1図においてpSal 34及びpSal 23)を用い
て行なわれる。本発明の形質転換体の調製のためのベク
ターは特性の選択マーカー(例えば、arg B+)を含有し
ていなければならず、また、形質転換体に含まれるべき
他の有用な遺伝子を含有していなければならない。DNA
ベクターは、前述の通り線状または環状DNAのいずれで
あってもよい。好ましくは、DNAベクターは、選択マー
カー等を導入し、E・コリ(E.coli)において適当な量
のベクターを産生するために、操作および複製ができる
ように、E・コリ・レプリコン(模写因子)を含有する
ものが用いられる。
次に、一具体例として、本発明は、典型的には細胞壁
を酵素(例えばβ−1,3−グルカナーゼとキチナーゼ)
で溶解し、続いて精製するこにより得られるプロトプラ
ストを、プラスミドの形態のA・ニドランスのオルニチ
ンカルバモイルトランスフェラーゼ構造遺伝子を含有す
るDNAで、ポリエチレングリコール(以下、PEGと略記す
る)4000又は同6000およびCaCl2の存在下で処理するこ
とによりA・ソーヤ・アルギニン要求株(A・ソーヤ W
20-4)からアルギニンを要求しない形質転換体A・ソー
ヤ株を調製することができる。これらの形質転換体は、
DNAのarg B+部をその染色体に組み込み、この遺伝子を
発現できる。該形質転換体は、親株(宿主株)には存在
しないpBR327由来のDNAとハイブリットを形成すること
から、形質転換体に存在する配列より明らかな如く、DN
Aベクターに存在するarg B+以外の他のDNAも取り込む。
従って、本発明に記載した形質転換を行なうために
は、レシピエント株(宿主株)、およびその一部(プロ
トプラスト)が、この株において選択可能なDNA、即
ち、選択マーカーを含有するDNAを必要とする。しか
し、DNAをレシピエントに取り込むことにより得られる
形質転換体が、容易に選択し得る表現型を有するよう
に、該受容体株(レシピエント株)および形質転換DNA
を選択しなければならない。
以下本発明を詳細に説明する。
アスペルギルス・ソーヤ(ATCC 42251)をUVで突然変
異誘発し、得られた単離物は、所定の最小培地における
増殖にシトルリンまたはアルギニンを必要とする。この
単離物の中からオルニチンカルバモイルトライスフェラ
ーゼの欠損した株を選択し、これをarg B-と称する。
上記アスペルギルス・ソーヤのプロトプラストの調製
法については、特開昭60-75281に記載されているのと同
様である。
即ち、A・ソーヤの株を試験管のスラント培地(米麹
汁寒天培地)に接種し、室温で分生胞子の着生が充分に
なるまで培養し、分生胞子を得る。
次にこの分生胞子を、1×107個/mlとなるように、0.
01%ソルビタン脂肪酸エステル溶液「ソルゲンTW-60
(第一工業製社製)」に分散懸濁する。
次に、この分生胞子の分散懸濁液1mlを、液体栄養培
地[ツアペック培地に酵母エキス0.5%及びカザミノ酸
0.2%加え、pH6.0に調製し、これを水で10倍に希釈し得
られたもの]30mlに接種し、150ml容三角フラスコ内
で、30℃で、発芽した胞子の長さがもとの胞子外径の約
10倍となるのに充分な時間、振盪培養し、発芽胞子懸濁
液を得、該懸濁液は更に遠心分離(4500g、20分)し
て、そこから発芽胞子を分離する。
次に、こうして得られた発芽胞子は充分水洗浄したの
ち、これに細胞壁溶解酵素液1mlを加え、27℃で2時
間、ゆるく振盪(毎分50〜60往復)して酵素処理し、A
・ソーヤ・arg B-株のプロトプラストを得る。
ここに用いた細胞壁溶解酵素は、バチラス・サーキュ
ランス起源の粗酵素と市販のキチナーゼ(米国ICN社
製)をそれぞれ溶液1mlに30mg及び5mgの割合で溶解し得
られたものである。
次に、こうして得たプロトプラストをG−3規格のガ
ラスフィルターにより分離し、これを高張液(0.8Mソル
ビトール溶液)で数回繰り返し洗浄し、洗浄プロトプラ
ストを得る。
〔DNAベクターの調製法〕
本発明の形質転換体の調製において用い、第1図に示
すDNAベクターpSal 43及びpSal 23の調製は、ドモチョ
ウスから(DMOCHOWSKA et al,Journal of General Micr
obiology(1986),132,1729〜1937)に記載されている
方法により得られ、また上記2つのDNAベクターの調製
に用いられるプラスミドpB29(大腸菌プラスミドpBR327
と酵母由来のDNAフラグメントを連結して調製)及びpBB
116(大腸菌プラスミドpBB8とA・ニドランス由来のarg
B+を有するフラグメントを連結して調製)の調製は、
バースら、ジーン(Berse et al,Gene),25,109〜117
(1983)に記載されている方法により得られる。
また、本発明に用いられSal I、BamH I、及びEcoR I
等の制限酵素は、宝酒造株式会社より入手し、製造者の
指示に従って用いた。
次に本発明の方法において有用な前記2種のDNAベク
ターの調製および構成を第1図に示す。
第1図に酵素BamH Iを用いて公知の技法によりA・ニ
ドランスのDNAから抽出したarg B+遺伝子を用いる方法
を示す。
A・ニドランスのフラクション(DNA遺伝子の断片
「イ」)を、まず4リガーゼ(直結酵素)を用いて公知
のE・コリ(E.coli)プラスミドpBB8と連結して、公知
のプラスミドpBB116を形成する。
次いでプラスミドpBB116を制限酵素Sal Iで処理し
て、A・ニドランス由来のarg B+遺伝子を含有するフラ
グメント「ロ」を形成する。このarg B+遺伝子を含有す
るフラグメントは、通常の方法、例えば、アガロース電
気泳動法および電気溶出法により単離、精製してもよ
い。
一方、公知のプラスミドpBB29(斜線部は酵母由来のD
NAフラグメントを意味する)を制限酵素Sal Iで切断し
て得られる、フラグメントにリガーゼを用いて、前記フ
ラグメント「ロ」を連結し、プラスミドpSal 43を得
る。尚、上記においてフラグメントの単離は省略しても
よく、連結工程は全フラグメントを用いて行い、リガー
ゼで処理したものの中から所望の配列を含有するプラス
ミドを公知の方法により選択してもよい。
pSal 43は、アスペルギルスにおける選択マーカーと
して、arg B+遺伝子を含有し、また公知の技術による形
質転換によりA・ソーヤarg B-突然変異体のプロトプラ
ストに導入することができる他のDNA配列を有する。
こうして得られた形質転換体は、arg B+の特性に基づ
いて、形質転換されていない突然変異体(arg B-)から
選択され、単離され、培養され得る。
次に、A・ソーヤ株arg B-の形質転換を行なうための
DNAベクターpSal 23の形成法について説明する。
上記で得られたDNAベクターpSal 43を制限酵素EcoR I
で切断し、2つのフラグメント、即ち斜線部分で示す酵
母由来のDNAフラグメント及びarg B+遺伝子を含むフラ
グメントを得る。
次に上記arg B+遺伝子を含むフラグメントをT4リガー
ゼを用いて、連結し、プラスミドpSal 23を得る。
こうして得たDNAベクターpSal 43及び同pSal 23は、
それぞれ長さ約9.2キロ、約5.9キロ塩基対でpBB29由来
のアンピシリン耐性(Ap R)遺伝子およびpBB116由来
(A・ニドランス由来)のarg B+遺伝子を含有する。こ
れをA・ソーヤのarg B-突然変異体のプロトプラストで
の形質転換に用いることができる。
DNAベクターpSal 43および同pSal 23の両方とも、そ
のDNA配列中に、選択マーカーarg B+およびA・ソーヤ
に組込まれるA・ソーヤに内在しない他のDNAを含有す
る。
この外来性DNAは、A・ソーヤ形質転換体に新規でか
つ有用な性質を付与する有用な遺伝子を含んでもよい。
本発明に関して、外来性DNAを含むベクターは、A・
ソーヤ宿主株の染色体DNA(ゲノム)に組込まれる。即
ち、プラスミドとしてではなく、染色体または核DNAの
一部となり、従って、外来性DNAの発現はその後永続的
になり、形質転換細胞からその配列が欠損することは殆
んどない。形質転換体の新規表現型は従って非常に安定
である。
〔発明の効果〕
本発明のA・ソーヤの形質転換体は選択マーカー以外
に天然のA・ソーヤには存在しない他のDNAを含むもの
であり、この形質転換体は蛋白質、酵素及び他の製品の
開発及び生産のために有用な微生物である。
〔実施例〕
以下、実施例を示した本発明を具体的に説明する。但
し、本発明はこの実施例により限定されるものでない。
実施例1 A・ソーヤの形質転換 A・ソーヤ(ATCC 42251)の胞子懸濁液に、常法によ
り紫外線照射処理し、該処理液を適当に滅菌水で希釈し
て、最小培地にアルギニンを添加した培地にプレートし
て30℃で3〜7日間培養した。ここで出現したコロニー
を最小培地に植え換えて、この培地で30℃で、3〜7日
間培養する。そして、前記アルギニンを添加した培地で
は生育するが、最小培地では生育できない株を、アルギ
ニン要求性変異(arg B-)株として選択、分離する。
本発明では、この株をA・ソーヤW20-4と略記する。
そして、この変異株はアスペルギルス・ソーヤW20-4は
工業技術院微生物工業技術研究所に微工研菌寄第10604
号として寄託している。
A・ソーヤW20-4(arg B-)株を試験管のスラント培
地(米麹汁寒天培地)に接種し、室温で分生胞子の着生
が充分になるまで培養し、分生胞子を得た。
次にこの分生胞子を、1×107個/mlとなるように、0.
01%ソルビタン脂肪酸エステル溶液[ソルゲンTW-60
(第一工業製薬社製)]に分散懸濁した。
次に、この分生胞子の分散懸濁液1mlを、液体栄養培
地[ツアペック培地に酵母エキス0.5%及びカザミノ酸
0.2%加え、pH6.0に調製し、これを水で10倍に希釈し得
られたもの]30mlに接種し、150ml容三角フラスコ内
で、30℃で、発芽した胞子の長さがもとの胞子外径の約
10倍となるに充分な時間、振盪培養し、発芽胞子懸濁液
を得、該懸濁液は更に遠心分離(4500g、20分)して、
そこから発芽胞子を分離した。
次に、こうして得られた発芽胞子は充分水洗浄したの
ち、これに細胞壁溶解酵素1mlを加え、27℃で2時間、
ゆるく振盪(毎分50〜60往復)して、A・ソーヤW20-4
(arg B-)株のプロトプラストを得た。
ここに用いた細胞壁溶解酵素は、バチラス・サーキュ
ランス起源の粗酵素と市販のキチナーゼ(米国ICN社
製)をそれぞれ溶液1mlに30mg及び5mgの割合で溶解し得
られたものである。
次に、こうして得たプロトプラストをG−3規格のガ
ラスフィルターにより分離し、これを高張液(0.8Mソル
ビトール溶液)で洗浄し、洗浄プロトプラストを得た。
次に、プロトプラストを0.8M KCl、10mM CaCl2、10mM
トリス/HCl、pH7.5中に最終濃度108/mlとなるように再
懸濁する。この0.2mlの懸濁液を容量1.5mlプラスチック
製試験管に入れ、前記方法で調製したDNAベクター「pSa
l 43」または同「pSal 23」のいずれかのDNA10〜100μ
g(総容量:TEバッファー10μl中)を添加し、氷温に
て30分間インキュベートする。これに25%PEG4000、50m
M、CaCl2、10mMトリス/HCl、pH7.5の溶液1mlを添加し、
静かにかつ充分に攪拌し、次いで室温にてさらに15分間
インキュベートする。以上のようにして形質転換を行
う。DNAベクターpSal 43で形質転換された本発明のアス
ペルギルス・ソーヤ形質転換体はA・ソーヤKTR-3とし
て工業技術院微生物工業技術研究所に微工研菌寄第1060
3号として寄託している。
次に、こうして形質転換されたプロトプラスト懸濁液
全量を、0.8M KCl、10mM CaCl2、10mMトリス/HCl、pH7.
5溶液6mlと混和希釈し、700gで5分間遠心分離する。更
に、分離された形質転換体のプロトプラストに同容量の
上記希釈液を加え、遠心分離して、洗浄されたものを得
る。
次に、洗浄された形質転換体のプロトプラストを1ml
の上記希釈液に懸濁し、この10μl〜100μlを、0.6M
KClを含む最小培地(2.0%寒天)にプレートする。また
その上に同培地(但し、0.5%寒天)を重層する。次い
で30℃にて3〜10日間培養する。
arg B+およびDNAベクターpSal 43および同pSal 23由
来の他のDNAをとりこんだ形質転換体は、最小培地+KCl
(塩化カリウムはプロトプラストが破裂するのを防ぐの
に必要である)上で増殖する。
未変化の細胞、未変化のプロトプラスト、形質転換
体、および復帰突然変異体を含むあらゆる生存可能な細
胞およびプロトプラストは、最小培地+アルギニイン+
KCl上で増殖する。かかる増殖培地により、生存可能な
物質の生存率を調べることができる。これらの実験にお
いて108/mlのうち、上記アルギニンを含む培地で生存可
能な物質の生育できた割合は30%以上であった。最小培
地+アルギニン上では、汚染された非プロトプラスト物
質のみが増殖する。この様な非浸透圧感受性細胞での汚
染は、本実験においては1%未満であった。
実施例2 上記で得られたA・ソーヤW20-4の形質転換体が復帰
突然変異体ではなく、真正の形質転換体であるかどうか
を調べるために、該形質転換体を完全培地中で増殖さ
せ、これからDNAを調製し、放射性標識プラスミドで検
査する。
形質転換体の培養 下記ポリペプトン・デキストリン培地400mlに、105
生子/mlとなるように接種し、30℃にて16時間増殖させ
た菌糸体を、ファルコンフィルター(ファルコン社製
造)を用いてフィルター上に回収し、蒸留水で洗浄し培
地を除去する。
[ポリペプトン・デキストリン培地] デキストリン 2% ポリペプトン 1.0% KH2PO4 0.5% NaNO3 0.1% MgSO4・7H2O 0.05% カザミノ酸 0.1% pH 5.5〜6.0 水道水で調整 次いで、上記洗浄菌糸体を0.6M KClを含む0.1Mリン酸
バッハァー(pH5.5)で再び洗浄(除培地)し、水切り
したのち、該菌体をファルコンチューブ(ファルコン社
製造)に移し、これに上記KClを含むリン酸バッファー2
0mlを加え、更に細胞壁溶解酵素、バチラスサーキュラ
ンス起源の粗酵素と市販のキチナーゼをそれぞれ溶液1m
l当り30mg及び5mgとなるように加え、27℃で2時間、ゆ
るやかに振盪(毎分50〜60往復)して酵素処理し、菌体
の消化物を得た。
この消化液を2,000r.p.m.で20分遠心分離し、沈澱物
と上澄液とに分離し、その上澄液を再度5,000r.p.m.で3
0分遠心分離し、得られた沈澱部を前記沈澱部と混ぜ
て、菌体を集めた。この集めた菌体を再度0.6M KClバッ
ファーで2回洗浄した。
プロトプラスト及び細胞の破壊と、細胞内のDNA、RNA及
び蛋白質の溶出 洗浄菌体に、滅菌後、65℃に保温した下記バッファー
A10mlを加え、65℃で1時間振盪し、プロトプラスト及
び細胞の破壊と、細胞内のDNA、RNA及び蛋白質の溶出を
行う。
[バッファーA] トリスヒドロキシアミノメタン 50mM NaCl 0.15M EDTA 100mM SDS 2% pH 7.5 次に、プロティナーゼK(ベーリンガー・マンハイム
社製)を溶解した下記TEバッファー(10mg/ml)を5ml添
加し、37℃で1夜保持し、蛋白質の分解を行う。
[TEバッファー] トリス/HCl 10mM EDTA 1mM pH 7.6 プロティナーゼ処理液に冷フェノール10mlを加え、5,
000r.p.m.で30分遠心分離し、その水相部を分取する。
この水相部にフェノール、クロロホルム1:1の混和液10m
lを加え、5,000r.p.m.で30分遠心分離し、水相部(上
部)を分取する。得られた水相部にクロホルム、イソア
ミルアルコール24:1の混和液10mlを加え、5,000r.p.m.
で30分遠心分離し、水相部を分取する。得られた水相部
にジエチルエーテル10mlを加え、氷温下で、5,000r.p.
m.で5分遠心分離し、水相部を分取する。得られた水相
部を湯せんで55〜60℃に数分保持し、該水相部の表面に
わずかに浮遊するジエチルエーテルを蒸発させて取除
き、除蛋白された高分子物質溶液を得る。
この高分子物質溶液に50%PEG、2M NaClの溶液10mlを
加え、氷温下(氷中)で2時間保持し糖類は溶液側に移
行させ、RNA及びDNA等の高分子物質は沈澱させる。その
沈澱物をとり出すために、10,000r.p.m.で30分遠心分離
し、沈澱物を回収する。
この沈澱物を冷(−20℃)95%エタノールで洗浄し、
PEGを充分に除き、次いでエタノールを吸引により蒸発
し、取り除く。
そして、得られた沈澱物をTEバッファー(10mMトリス
/HCl、1mM EDTA、pH7.6)5mlに溶解し、RNase溶液(ベ
ーリンガー・マンハイム社製)5mgを添加し、37℃で1
夜保持してRNAを分解する。
上記保持液に冷フェノール5mlを加えて、10,000r.p.
m.で20分遠心分離し、水相部を回収する。
上記処理物に、冷(−20℃)エタノールを加え、−80
℃で30分以上保持して、DNAを沈澱させ、この沈澱物を1
0,000r.p.m.で30分遠心分離して、精製されたDNAを得
る。
この精製DNAを前記TEバッファー1mlに溶解してpSal 4
3の形質転換体から得たDNAを調製した。
サザントランスファー及びハイブリッド形成 この方法は、サザーン「ジャーナル・モレキュラー・
バイオロジー〔Southern,J.Mol.Biol.,98,503(197
5)〕に記載されている方法に準じて行なわれる。
即ち、pSal 43の形質転換体(A・ソーヤKTR-3)から
得たDNAと、コントロールとして、上記と同様にして調
製された、A・ソーヤATCC 4225及び親株(宿主株)の
A・ソーヤW20-4(arg B-)から得たDNAについて、それ
ぞれ制限酵素BamH I、EcoR I、又はSal Iで切断する。
前記3株の切断DNAを平板状アガロース・ゲル電気的
に泳動する。条件は20ボルトで14時間である。
次いで、後述のハイブリッドを形成しやすくするため
に、上記泳動したゲルを0.25M HCl溶液に30分浸し、次
いでアルカリバッファー1.5M NaCl、0.5M NaOHで30分処
理し、アルカリ化(DNAを変性)する。
次いで、中和バッファー(3M NaCl、0.5MトリスHCl、
pH7.0)に30分浸す。
次いで、中和した平板ゲルの上に、ニトロセルロース
フィルターを重ね、1夜保持して泳動したDNAを移し得
る。
次いで、移し取ったニトロセルロース・フィルターを
乾燥する。
次いで、ビニール袋内で乾燥したニトロセルロース・
フィルターを放射性標識プラスミド(探針)(pBR322)
の溶液5μl及びハイブリダイゼーション・バッファー
2mlの混合液に浸し、シールして、42℃で1夜保持す
る。放射性標識プラスミドとしてpBR322を用いた理由は
以下の通りである。
即ち、本発明の形質転換体の作成に用いたDNAベクタ
ーpSal 43における大腸菌由来のプラスミドベクター
は、pBR327であり、また該pBR327は、前記pBR322の塩基
対が、0.6kbだけ欠失した誘導体である。従ってpBR327
の塩基配列はpBR322のそれと一致している。それゆえ、
pBR322を放射性標識プラスミドとして用いれば、大腸菌
由来のプラスミドベクターpBR327遺伝子の組込が判る。
次いで、NaCl及びクエン酸ソーダを含む溶液(SSC溶
液)でニトロセルロース・フィルターを洗浄する。
次いで、洗浄したニトロセルロース・フィルターをラ
ジオオートグラフィーで感光する。サザンハイブリダイ
ゼーションでは、ニトロセルロース・フィルターに少な
くともその一部が相同であるDNAがあると、そこに標識
したプラスミド・ベクターDNAが吸着され、ハイブリッ
ドが形成され、従ってそこに放射性のバンドが形成され
る。従って、一部でも塩基配列が相同する部分があれ
ば,そこにハイグリッドを形成してバンドができる。
A・ソーヤATCC 42251及びA・ソーヤW20-4(arg
B-)はハイブリッド形成したバンドを示さなかった。
これに対し、形質転換体(A・ソーヤKTR-3)は分離
したバンドを呈し、同じ座における異なる組込み、また
はゲノムの異なるサイドにおける組込みが示された。
以上は、A・ソーヤの任意の菌株、アルギニン要求性
変異株(A・ソーヤW20-4)及び形質転換体(A・ソー
ヤKTR-3)の、大腸菌由来のプラスミドベクターpBR322
に関してサザンハイブリダイゼーションの結果である。
同様にして、今度は上記放射性標識プラスミドpBR322
に代えて放射性標識プラスミドpSal 43についても調べ
た。
即ちpSal 43の形質転換体(A・ソーヤKTR-3)から得
たDNAと、コントロールとして、上記と同様に調製して
得たA・ソーヤATCC 42251及び親株のA・ソーヤW20-4
から得たDNAについて、上記と同様にサザンハイブリダ
イゼーションを行った。
即ち、これらの株のSal I消化DNAを処理し、pSal 43
をBamH Iを用いて1箇所で切断したものを放射性標識プ
ラスミドとして調べた。A・ソーヤATCC 42251はハイブ
リッドを形成したバンドを示し、arg B+遺伝子と相同な
Sal Iフラグメントを有することが判明した。洗浄状態
で、A・ソーヤW20-4はハイブリッドを形成したバンド
を示さなかった。これに対しpSal 43の形質転換体(A
・ソーヤKTR-3)は分離したバンドを呈し、同じ座にお
ける異なる組込み、またはゲノムの異なるサイドにおけ
る組込みがされたことが判明した。
一方、上記と同様にpSal 23を用いて得られた形質転
換体も放射性標識プラスミドpBR322とハイブリッドを形
成し、該pSal 23を調製する際用いたベクターpBR327遺
伝子の取込みを示す。
従ってA・ソーヤW20-4株はA・ニドランスarg B+
伝子で形質転換される。即ちこの遺伝子はA・ソーヤに
おいても発現される。ベクターpBR327もarg B+遺伝子と
ともに、これらの形質転換体に組込まれ、従って外来性
DNAをA・ソーヤに形質転換する方法が提供される。
実施例3 前記の如く調製した形質転換された株の表現型の安定
性を調べた。形質転換体を、最小培地から完全培地上に
接種し、30℃で4日培養した。培養物の胞子を取り出
し、再び完全培地に接種し上記と同様に培養した。これ
を合計30回繰り返した。この最終の分生子をコロニーか
らとり出し、適当に希釈し、最小培地+10mMアルギニン
上で30℃で平板培養する。3日後、コロニーを最小培地
および最小培地+アルギニン上でレプリカ平板培養す
る。1つの形質転換体から試験した100コロニーのう
ち、全てが原栄養体(アルギニンを要求しない)であ
り、形質転換された表現型が、ゲノムに組込まれるあら
ゆる遺伝子に関して予期される如く、この増殖期間中完
全に安定である。即ち、形質転換されたarg B+遺伝子が
もともとゲノムにあった麹菌本来の遺伝子と同じよう
に、組込まれた遺伝子も完全に安定であった。
【図面の簡単な説明】
第1図はDNAベクターpSal 43及び同pSal 23の構築法を
示す図である。図中、pBB29及びpSal 43における斜線部
は酵母由来のDNAフラグメントを意味し、(イ)及び
(ロ)はA・ニドランス由来のarg B+遺伝子を含有する
フラグメントを意味する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−162168(JP,A) Agvic.Biol.Chem.51 (9)(1987)p.2549−2555 Appl.Envinon.Micr obiol.54(6)(1988)p.1610 −1611

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の選択マーカー遺伝子が欠損したアス
    ペルギルス・ソーヤ株のプロトプラスト化した細胞を、
    前記所定の選択マーカーのDNA配列を含有する環状又は
    線状のDNAベクターで形質転換して得られる所定の選択
    マーカーDNAを含むアスペルギルス・ソーヤKTR-3。
  2. 【請求項2】所定の選択マーカー遺伝子が欠損したアス
    ペルギルス・ソーヤ株が野性型アスペルギルス・ソーヤ
    の突然変異株である請求項1記載のアスペルギルス・ソ
    ーヤKTR-3。
  3. 【請求項3】所定の選択マーカーのDNAが、野性型アス
    ペルギルス属微生物由来のものである請求項1記載のア
    スペルギルス・ソーヤKTR-3。
  4. 【請求項4】所定の選択マーカー遺伝子が、オルニチン
    カルバモイルトランスフェラーゼ遺伝子(arg B+)であ
    る請求項1又は2記載のアスペルギルス・ソーヤKTR-3
  5. 【請求項5】DNAベクターが、選択マーカーDNAとして、
    オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ遺伝子を含
    む請求項1記載のアスペルギルス・ソーヤKTR-3。
  6. 【請求項6】所定の選択マーカーのDNAが、オルニチン
    カルバモイルトランスフェラーゼ遺伝子(arg B+)を含
    む請求項1又は3記載のアスペルギルス・ソーヤKTR-
    3。
  7. 【請求項7】オルニチンカルバモイルトランスフェラー
    ゼ遺伝子が、アスペルギルス・ソーヤまたはアスペルギ
    ルス・ニドランス由来のものである請求項5記載のアス
    ペルギルス・ソーヤKRT-3。
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