JP2748061B2 - ベンゾ〔c〕フェナンスリジニューム誘導体を有効成分とする抗腫瘍剤 - Google Patents

ベンゾ〔c〕フェナンスリジニューム誘導体を有効成分とする抗腫瘍剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗腫瘍活性を有し、医
薬品として期待される一般式(A′)で示されるベンゾ
[c]フェナンスリジニューム誘導体を有効成分とする
抗腫瘍剤に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、癌患者に対する化学療法にはアル
キル化剤、核酸代謝拮抗剤、抗生物質、及び植物アルカ
ロイド等が用いられている。又、血栓症は血小板の粘着
及び凝集によっておこり、脳梗塞、循環器障害、癌性D
IC等の他、癌の転移にも関与することが知られてい
る。2,3−(メチレンジオキシ)−5−メチル−7−
ヒドロキシ−8−メトキシ−ベンゾ[c]フェナンスリ
ジニュム−クロリド又はヨ−ジドは文献Chem, Pharm,
Bull.,33,1763 に記載された公知化合物であり血小板凝
集阻害作用及び抗腫瘍活性作用があることが開示されて
いる(特開平2−243628、特開平3−18491
6)。又、その製造法は、文献、Chem. Pharm. Bull.,
33, 1763 (1985)に記載されており、ベルベリンを出発
原料とし、十数工程の多段階反応で上記化合物を製造す
る方法である。また、5−メチル−7−ヒドロキシ−8
−メトキシ−ベンゾ[c]フェナンスリジニュ−ムクロ
リド又はヒドロキシド(式(A)でいえば、M及びNが
水素原子、X- がCI- 又はOH- である化合物)は、文献
J.Org. Chem., 53,1708-1713(1988)に記載された公知化
合物である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】悪性腫瘍の性質は千差
万別であり、また、上記抗腫瘍剤の使用により、それに
対する耐性も出てくるため、新規な抗腫瘍剤の開発が望
まれる。又、一般式(A)で示されるベンゾ[c]フェ
ナンスリジニュム誘導体の簡便で収量の良い製造法の
開発も望まれる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは一般式(A) で表されるベンゾ[c]フェナンスリジニュ−ム誘導体
の製造法を種々検討の結果、公知方法とは全く別の化合
物を出発原料とする短工程で収量の良い又、大量合成の
出来る実用的な製造法を開発した。また、本製造法によ
り得た新規ベンゾ[c]フェナンスリジニュム誘導体
が抗腫瘍活性、及び血小板凝集阻害作用を有することを
見いだした。かつ、本発明化合物の塩の形を水素塩とす
ることで、安定性が増し、製剤を作成する上で有利であ
ることが明らかとなった。製造方法としては一般式
(C)
【0005】
【化3】 〔式中、M及びNは、それぞれ水酸基、又は低級アルコ
キシ基、或いはMとNが両方とも水素原子又は接続しメ
チレンジオキシ基を示す。Yはハロゲン原子を示す。W
は保護基を示す。〕
【0006】で表わされる化合物に有機スズ水素化物を
用いる閉環反応を行い、さらに酸化により芳香化を行
い、一般式(D)
【0007】
【化4】 〔式中、M及びNは、それぞれ水酸基、又は低級アルコ
キシ基、或いはMとNが両方とも水素原子又は接続しメ
チレンジオキシ基を示す。Wは保護基を示す。〕
【0008】で示される化合物を得、次いで、この式
(D)で示される化合物にN−アルキル化剤を反応さ
せ、N−アルキル化した後、脱保護し酸により塩とする
ことを特徴とする一般式(A)
【0009】
【化5】 〔式中、M及びNは、それぞれ水酸基、又は低級アルコ
キシ基を示す。或いは、MとNが両方とも水素原子か又
は接続しメチレンジオキシ基を示す。X- は酸残基又は
水素酸残基を示す。Rは低級アルキル基を示す。〕
【0010】で表わされるベンゾ[c]フェナンスリジ
ニュム誘導体の製造法を開発した本発明はこの製造
方法より得られる一般式(A′)
【0011】
【化6】 〔式中、M及びNは、それぞれ水酸基、又は低級アルコ
キシ基を示す。或いは、MとNが両方とも水素原子又は
接続しメチレンジオキシ基を示す。Xは酸残基又は水
素酸残基を示す。Rは低級アルキル基を示す。ただし、
が酸残基を示す場合、Rはメチル基を除く低級アル
キル基を示す。〕
【0012】で示される新規ベンゾ[c]フェナンスリ
ジニュ−ム誘導体を有効成分とする抗腫瘍剤に関する。
さらに本発明化合物の水素塩は安定性優れ、製剤を作成
する上に於いて有利であり、これらの点に関する。
【0013】本発明における低級アルコキシ基とは例え
ばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキ
シ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、t−ブトキシ、ペン
トキシ等のC1 〜C5 のアルコキシ基が挙げられるが、
好ましくはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−
プロポキシのC1 〜C3 のアルコキシ基が好ましい。
又、低級アルキル基としては例えばメチル、エチル、n
−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、
t−ブチル、ペンチル等のC1 〜C5 アルキル基が挙げ
られ、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、i−
プロピルのC1 〜C3 のアルキル基が好ましい。
【0014】さらに本発明において、X- の酸残基と
は、正塩をつくるアニオン残基、例えば塩素イオンC
l- 、臭素イオンBr- 、沃素イオンI- 、フッ素イオン
- などのハロゲンイオンや、硫酸イオンSO4 2- 、硝酸
イオン NO3 - 、p−トルエンスルホン酸イオンTsO -
を意味し、又X- の水素酸残基とは水素塩を作る水素が
イオン結合したアニオン残基であり1又は2個の水素原
子をもち、例えば、硫酸水素イオンHSO4 - 、燐酸二水素
イオンH2PO4 - 、などがあげられる。本発明化合物の安
定性を増大させる為にはX- は水素塩をつくる HnXa -
(nは1または2、Xa - は SO4 - または PO4 - を示
す)で示される水素酸残基、例えば、硫酸水素イオン、
燐酸二水素イオン等が好ましい。
【0015】一般式(C)で示される化合物は以下の方
法により得ることが出来る。公知化合物、2,3−ジヒ
ドロキシ−5−ニトロナフタレン(Collection Czec-ho
slovak Chem, Commun., 53, 3184(1988))を原料に用
い、式(F)
【0016】
【化7】 〔式中、M及びNは、それぞれ水酸基又は低級アルコキ
シ基、或いはMとNが接続しメチレンジオキシ基を示
す。〕
【0017】で表わされるニトロナフタレン化合物を合
成し、これを還元することにより式(B)
【0018】
【化8】 〔式中、M及びNは、それぞれ水酸基、又は低級アルコ
キシ基、或いはMとNが両方とも水素原子又は接続しメ
チレンジオキシ基を示す。〕
【0019】で示される化合物を得る。但し、5−アミ
ノナフタレン(式Bで示す化合物)は公知であり、(Me
rk Index 10, 6250) このものを用いた。この式(B)
で表わされるナフチルアミン化合物と2−(保護ヒドロ
キシ)−3−メトキシ−6−ハロゲノベンズアルデヒド
を脱水縮合し、さらに縮合生成物のシッフ塩基を選択的
に還元して一般式(C)で示される化合物を得る。以下
に上述の製造法を詳述する。
【0020】1.一般式(F)で示される化合物の合成 M,Nがメチレンジオキシ基の付いた化合物合成は2,
3−ジヒドロキシ−5−ニトロナフタレンをジメチルホ
ルムアミド等の非水素極性溶媒に溶かし、ふっ酸塩(望
ましくはふっ化セシウムまたはふっ化カリウム)の触媒
下ジハロゲン化メタン(望ましくはジクロロメタンまた
はジブロモメタン)と60°〜110℃加熱反応させ、
2,3−(メチレンジオキシ)−5−ニトロナフタレン
(化合物(1))を得る。
【0021】M,Nがそれぞれ水酸基又は低級アルコシ
基の化合物を合成する場合は次の様である。2,3−ジ
ヒドロキシ−5−ニトロナフタレンをジメチルホルムア
ミド等の非水系極性溶媒に溶かし、Li 2 CO 3又はK2CO3
のアルカリ触媒下、アルキルハライド(メチルヨ−ジ
ド、エチルヨ−ジド、イソプロピルブロミド等)を50
°〜100℃、10〜20hr反応させアルキル化する。
ここで、2,3−ジヒドロキシ−5−ニトロナフタレン
に対し、1モルのアルキルハライドを反応した場合、2
種のモノアルコキシ体が得られる。ジアルコキシ体を得
るには2モル以上のアルキルハライドを使用すればよ
い。MとNがそれぞれ異った低級アルコキシ置換体を得
るには、分割して得たモノアルコキシ体をさらにアルキ
ルハライドを反応させ得る。
【0022】2.一般式(B)で示される化合物の合成 一般式(F)で示される化合物のニトロ基をアミノ基に
還元して式(B)で示される化合物を得る。この際、還
元剤は、ニトロ基をアミノ基に還元するのに通常用いら
れるものならどれでも良いが、エタノ−ル中、5%また
は10%のパラジウム炭素触媒存在下、ヒドラジン水和
物と共に加熱還流する方法が容易である。尚、2,3−
メチレンジオキシ−5−アミノナフタレン(化合物
(2))は文献、J. Org. Chem.,53, 1708,(1988) 記載
の方法でも入手できるが、公知の方法は工程が長く収率
も低い。
【0023】3.一般式(C)で示される化合物の合成 一般式(B)で示すナフチルアミン化合物と、例えば、
文献 J. C.S. PerkinI, 1221,(1976)及びJ.Org.Chem.,5
3,1708,(1988)記載の方法で入手できる2−(保護オキ
シ)−3−メトキシ−6−ハロゲノベンズアルデヒドを
トルエンまたはベンゼン中80℃から110℃に1時間
から3時間加熱後濃縮し、アミノ基とアルデヒド基の縮
合により副生する水を、トルエン又はベンゼンとの共沸
により効果的に系外に除く。望ましくは、濃縮残留物に
新たにトルエンまたはベンゼンを加えて、加熱後濃縮と
いう上記操作を2から4回繰り返し、脱水縮合生成物
(シッフの塩基)をほぼ定量的に得る。脱水縮合生成物
の縮合部位二重結合を還元して、一般式(C)で示され
る化合物を得る。還元剤はCN二重結合を還元するもの
ならどれでも良いが、特に水素化ほう素シアノナトリウ
ム又はジメチルアミンボランを使い、反応温度を−10
℃から40℃の低温にするのが望ましい。次いで、本発
明の詳細な製造法について説明する。
【0024】A.一般式(D)で示される化合物の合成 一般式(C)で示される化合物を有機溶媒中で有機スズ
水素化物例えばトリ炭化水素(C 1 〜C 10 )スズ水素化
合物、好ましくはトリ炭化水素(C1 〜C6 )スズ水素
化物、例えばトリフェニル錫ヒドリド、トリ−n−ブチ
ル錫ヒドリド、トリエチル錫ヒドリド、トリメチル錫ヒ
ドリド、又はジ−炭化水素(C1 〜C6)スズ水素化
物、例えばジフェニルスズヒドリド又はn−ブチルスズ
ヒドリドを用い閉環(ハロゲン化水素の脱離反応による
縮合反応)を行う。この中で通常用いられる好ましい有
機スズ水素化物はトリ−n−ブチル錫ヒドリドである。
この反応を行うには一般式(C)で示される化合物と、
1当量から6当量、好ましくは2当量から3当量の有機
スズ水素化物を有機溶媒、好ましくはC6 〜C10の炭化
水素溶媒例えばトルエン、キシレンまたはベンゼンに溶
解し、好ましくはラジカル反応開始剤(例えば、2,
2′−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2′−ア
ゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾ
ビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、または過酸
化ベンゾイルなど)を加えて60℃から150℃好まし
くは80から130℃で、2分〜4時間好ましくは5分
〜1時間加熱し、閉環を完結する。
【0025】その後、好ましくは反応混合液から縮合物
質を分離することなしに、酸化剤による閉環部の酸化的
芳香化を0〜100℃好ましくは10〜40℃の範囲の
温度で、1〜120分好ましくは5〜50分間行い一般
式(D)で示される化合物を得る。この反応には種々の
酸化剤を使うことが出来、例えば二酸化マンガン、四酢
酸鉛、酢酸水銀又はジクロロジシアノベンゾキノン(DD
Q)、好ましくは活性二酸化マンガンが使用される。
【0026】以上でベンゾ[c]フェナンスリジン骨格
の構築が完成する。一般式(C)におけるハロゲン原子
としては一般的にブロム原子が使用される。また一般式
(C)及び(D)における保護基Wとしてはヒドロキシ
基の保護基であれば特に制限はないが、例えば、アセチ
ル、ベンゾイルのようなアシル(C2 〜C8 )基、C1
〜C6 のアルキルカルボニル又枝分れしたアルキル(C
3 〜C6 )基のようなC3 〜C10炭化水素基又は置換、
無置換のベンジル基が挙げられる。この中で好ましくは
置換又は無置換ベンジル基のようなベンジル系保護基、
又は枝分れしたアルキル(C3 〜C5 )基が好ましい。
【0027】B.一般式(A)で示される化合物の合成 一般式(D)で示されるベンゾ[c]フェナンスリジン
化合物をN−アルキル化反応後、保護基をはずし、酸処
理して下記一般式(A)で示されるベンゾ[c]フェナ
ンスリジニュ−ム誘導体を得る。N−アルキル化は、前
記一般式(D)の化合物とアルキル化剤とを無溶媒又は
6 〜C10の炭化水素溶媒例えば乾燥トルエン、乾燥ベ
ンゼン、乾燥キシレン等の有機溶媒に溶かし、これを無
触媒又はアルカリ金属ハロゲン又は炭酸塩好ましくは臭
化カリウム無水炭酸カリウム、無水炭酸ナトリウム等の
塩基性塩の共存下、加熱し行なわれる。反応温度は通常
50℃〜180℃好ましくは100〜150℃で、通常
1〜24時間好ましくは2〜10時間かけて行われる。
【0028】アルキル化剤は、通常ピリジン環のN−ア
ルキル化に用いられるものならどれでもよいが、例えば
低級アルキル置換ベンゼンスルフォネ−ト(例えば、低
級アルキルp−トルエンスルフォネ−ト又は低級アルキ
ル2,4−ジニトロ−ベンゼン−スルフォネ−ト、低級
アルキル2−ニトロベンゼンスルフォネ−トのようなよ
り反応性の高い試薬)のようなアルキル化に用いる低級
(C1 〜C4 )アルキルスルフォネ−ト又は低級アルキ
ルトリハロノメタンスルフォネ−トが望ましい。アル
キル化剤としては例えばメチル−p−トルエンスルフォ
ネ−ト、メチル−2−ニトロベンゼンスルフォネ−ト、
エチル−2,4−ジニトロベンゼンスルフォネ−ト、n
−プロピル−2−ニトロベンゼンスルフォネ−ト及びメ
チルトリフルオロメタンスルフォネ−トが挙げられる。
【0029】脱保護は各々の保護基に合った方法で成さ
れるが、例えばベンジル系保護基又は保護基又はイソプ
ロポキシ基の脱離には、濃塩酸等の酸性下60°〜15
0℃好ましくは80〜120℃に加熱して行われる。反
応時間は通常0.1〜10時間好ましくは0.5〜3時
間である。酸処理は少量のメタノ−ル等の極性溶媒に保
護基をはずして得られる化合物を溶かし、これに酸、例
えば塩酸、p−トルエンスルホン酸等を水で希釈して加
える。溶液のpHは4以下にしなくてはならず,酸の量
は通常、化合物1モルに対し約1〜3モルである。更
に、この反応溶液にアセトン等の水と良く混和する有機
溶媒を加え、析出する塩を沈殿、乾燥し、一般式(A)
で表わされる化合物を黄色粉末として得る。尚、X-
2価以上の酸イオン、例えば硫酸イオン等の場合では、
添加する硫酸量を減少させることが必要である。1.0
〜2.5倍モル過剰の硫酸処理で硫酸水素塩(水素酸残
基X- は、HSO4 - ) が生成し、1/2量の硫酸を使用し
た場合は正塩型の硫酸塩(酸残基X- は、1/2(SO4
2- ))が生成する。
【0030】本発明化合物は、以下に示す化学的特徴を
有する。一般式(A)で示されるベンゾ[c]フェナン
スリジニュ−ム誘導体は、塩基処理により容易に分子内
から酸1当量を放出し、下記一般式(E)の極限構造式
で表される分子内対イオン(Zwitter Ion)構造とするこ
とが可能である。
【0031】
【化9】 〔式中、M及びNは、それぞれ水酸基、又は低級アルコ
キシ基を示す。或いは、MとNが両方とも水素原子か又
は接続しメチレンジオキシ基を示す。Rは低級アルキル
基を示す。ただし、M及びNが両方とも水素原子、又は
メチレンジオキシ基の場合、Rはメチル基を除く低級ア
ルキル基を示す。〕
【0032】或いは、逆に、この一般式(E)型の化合
物を酸処理することにより、容易に一般式(A)型の化
合物とすることが可能である。pH(水素イオン濃度)
がおよそ4以下では一般式(A)で示される四級塩構造
をとり、pHがおよそ4以上では一般式(E)で示され
る分子内塩構造をとる。それ故、一般式(A)の化合物
はpH4以下の溶液から沈殿化した時に得ることが出来
る。その為、本化合物の塩はプロトンを含まない正塩型
よりも、プロトン(水素原子)を残した酸性塩(または
水素塩と呼ばれる。X- は水素酸残基を示す。)型の方
が、塩を形成後に残るプロトン(水素原子)分だけ、外
来の塩基に対して余分に抵抗を示すことに着目し、これ
が安定性の向上に寄与することを見い出した。
【0033】例えば比較的性状が良い(安定性)とされ
る2,3−(メチレンジオキシ)−5−メチル−7−ヒ
ドロキシ−8−メトキシ−ベンゾ[c]フェナンスリジ
ニュ−ム クロリドは、室温で長期間保存する際、徐々
に分解するという問題点がある。具体的には、およそ一
箇月室温下に放置する。合成直後に黄色粉末状のもの
が、徐々に着色して褐色に変化する。更に合成後3カ月
経過後は、暗黒褐色になり、初期の性状とは違って、水
に難溶性の分解生成物が生じる。よって真に、医薬品と
して有用ならしめるには、今だ、充分の性状を有するも
のではない。
【0034】本発明化合物の、2,3−(メチレンジオ
キシ)−5−メチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシ−
ベンゾ[c]フェナンスリジニュ−ム硫酸水素塩(化合
物A−0)(水素酸残基X- は、硫酸水素イオンHS
O4 - )は、黄色粉末として得られる。これを室温に一箇
月放置しても、前述のクロリド(酸残基X- は塩素イオ
ンCl- ) の様な、着色は起こらず、更に合成後3カ月保
存後も着色と分解は起こらず、黄色粉末状態に変化は認
められない。また、2,3−(メチレンジオキシ)−5
−メチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシ−ベンゾ
[c]フェナンスリジニュ−ム クロリド(酸残基X-
は塩素イオンCl- )を0.5μM 水溶液とすると、pH
が4.3となるのに対し、本発明化合物2,3−(メチ
レンジオキシ)−5−メチル−7−ヒドロキシ−8−メ
トキシ−ベンゾ[c]フェナンスリジニュ−ム硫酸水素
塩(水素酸残基X- は、硫酸水素イオンHSO4 - )を0.
5μM 水溶液とすると、pHは3.9となる。従って、
pHの低くなる硫酸水素塩の方が、実際にも外来の塩基
に対する抵抗性が向上し、安定性を増すこと認められて
いる。硫酸水素塩等の水素塩とすることによる薬理活性
上の不利益はない。むしろ安定性の向上により医薬品と
しての実用の面から有用性が高い。次に、一般式(A)
で示される[c]フェナンスリジニュ−ム誘導体の代表
化合物を表1に示すが、これによって本発明化合物が限
定されるものではない。
【0035】 表1 ──────────────────────────────────── 化合物番号 化合物名 ──────────────────────────────────── A−0 2,3−(メチレンジオキシ)−5−メチル−7−ヒドロキシ− 8−メトキシ−ベンゾ〔c〕フェナンスリジニュ−ムの塩 A−1 2,3−(メチレンジオキシ)−5−エチル−7−ヒドロキシ− 8−メトキシ−ベンゾ〔c〕フェナンスリジニュ−ムの塩 A−2 2,3−(メチレンジオキシ)−5−(n−プロピル)−7−ヒ ドロキシ−8−メトキシ−ベンゾ〔c〕フェナンスリジニュ−ム の塩 A−3 2,8−ジメトキシ−3,7−ジヒドロキシ−5−メチル−ベン ゾ[c]フェナンスリジニュ−ムの塩 A−4 2,7−ジヒドロキシ−3,8−ジメトキシ−5−メチル−ベン ゾ[c]フェナンスリジニュ−ムの塩 A−5 2−イソプロポキシ−3,8−ジメトキシ−5−メチル−7−ヒ ドロキシ−ベンゾ[c]フェナンスリジニュ−ムの塩 A−6 2,3,7−トリヒドロキシ−5−メチル−8−メトキシ−ベン ゾ[c]フェナンスリジニュ−ムの塩 A−7 5−エチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシ−ベンゾ〔c〕フェ ナンスリジニュ−ムの塩 A−8 5−メチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシ−ベンゾ[c]フェ ナンスリジュ−ムの塩 ──────────────────────────────────── 次に、一般式(D)で示される中間体の代表化合物を表
2に示す。
【0036】 表2 ──────────────────────────────────── 化合物番号 化合物名 ──────────────────────────────────── D−1 2,3−(メチレンジオキシ)−7−ベンジルオキシ−8−メト キシ−ベンゾ〔c〕フェナンスリジン D−2 2,3−(メチレンジオキシ)−7−イソプロポキシ−8−メト キシ−ベンゾ〔c〕フェナンスリジン D−3 2,8−ジメトキシ−3−イソプロポロキシ−7−ベンジルオキ シ−ベンゾ〔c〕フェナンスリジン D−4 2−イソプロポキシ−3,8−ジメトキシ−7−ベンジルオキシ −ベンゾ〔c〕フェナンスリジン D−6 2,3−ジイソプロポキシ−7−ベンジルオキシ−8−メトキシ −ベンゾ〔c〕フェナンスリジン D−7 7−ベンジルオキシ−8−メトキシ−ベンゾ〔c〕フェナンスリ ジン ──────────────────────────────────── 次に、一般式(C)で示される中間体の代表化合物を表
3に示す。
【0037】 表3 ──────────────────────────────────── 化合物番号 化合物名 ──────────────────────────────────── C−1 N−((2′−ベンジルオキシ)−3′−メトキシ−6′−ブロ モベンジル)−6,7−(メチレンジオキシ)−1−ナフチルア ミン C−3 N−((2′−ベンジルオキシ)−3′−メトキシ−6′−ブロ モベンジル)−6−メトキシ−7−イソプロポキシ−1−ナフチ ルアミン C−4 N−((2′−ベンジルオキシ)−3′−メトキシ−6′−ブロ モベンジル)−6−イソプロポキシ−7−メトキシ−1−ナフチ ルアミン C−6 N−((2′−ベンジルオキシ)−3′−メトキシ−6′−ブロ モベンジル)−6,7−ジイソプロポキシ−1−ナフチルアミン C−7 N−((2′−ベンジルオキシ)−3′−メトキシ−6′−ブロ モベンジル)−1−ナフチルアミン ────────────────────────────────────
【0038】
【作用】以下に薬理試験例を示す。本発明の一般式
(A)で示されるベンゾ〔c〕フェナンスリジニュ
誘導体は、後記の如く各種の培養された腫瘍細胞に対し
て増殖抑制作用を示す。また、血小板活性化因子による
血小板凝集を抑制する。 1.癌細胞に対する増殖抑制作用 各種の腫瘍細胞を24時間、37℃、5%炭酸ガス下で
培養した後、被験薬を2から4日間作用させる。その
後、0.05%メチレンブル−で細胞を染色し、染色さ
れた細胞から色素を抽出し、660nm吸光度から細胞の
増殖阻害度を求め、50%増殖阻害濃度(IC50値)を算
出する。結果を表4に示す。
【0039】 表4 IC50(μg/ml) ──────────────────────────────────── 化合物番号: A−0 A−1 A−2 A−3 (X -= HSO4 - ) (X - =HSO4 - ) (X - =HSO4 - ) (X - =Cl - ) ──────────────────────────────────── HeLa S3 : 0.15 0.177 n.t. 3.0 MMI : 0.12 0.165 0.273 n.t. SHIN-3 : 0.192 0.170 0.414 n.t. N-231 : 0.036 0.040 0.085 n.t. Lu-130 : 0.055 0.250 0.108 n.t. NaKajima : n.t. 0.426 0.777 n.t. ──────────────────────────────────── 表4のつづき IC50(μg/ml) ─────────────────────────────────── 化合物番号: A−4 A−6 A−7 A−8 (X- = Cl- ) (X- = OTs - ) (X -= HSO4 - ) (X -= HSO4 - ) ─────────────────────────────────── HeLa S3 : 0.201 2.1 0.69 0.26 MMI : 0.996 n.t. n.t. 0.262 SHIN-3 : 1.06 n.t. n.t. 0.155 N-231 : 0.199 n.t. n.t. 0.062 Lu-130 : 0.291 n.t. n.t. 0.051 NaKajima : 1.87 n.t. 0.98 n.t. ─────────────────────────────────── 〔表中、HeLa S3 は子宮頸癌、MMI は卵巣癌、SHIN-3は
卵巣癌、N-231 は肺小細胞癌、Lu-130は肺小細胞癌、Na
Kajimaは胃癌の各腫瘍細胞を示す。n.t.は未試験部
分〕。試験はHeLa S3 以外は同時比較試験により行っ
た。
【0040】2.血小板に対する凝集抑制作用 日本白色種ウサギ(体重3から4kg)より多血小板血漿
(PRP)を得る。血小板凝集惹起物質は、血小板活性
化因子(PAF)を最終濃度10-7M で使用する。PRP
に被験薬を加えて一定時間インキュベ−トした後、PA
Fを加え血小板凝集反応を起こさせる。EDTAで反応
を止め、遠心して上清を除く。血小板沈渣に蒸留水を加
え、血小板内に残存するセロトニン量をオルトフタルア
ルデヒド試薬と反応させ、セロトニン−オルトフタルア
ルデヒド縮合物とし、励起波長360nm、測定波長 4
75nmで測定する。被験薬の抗PAF作用以下の式より
求める。 セロトニン放出阻害率= (被験薬+PAF)のセロトニン値−PAF 添加のセロトニン値 ──────────────────────────────×100 ブランクのセロトニン値−PAF 添加のセロトニン値 代表化合物の試験結果を表5に示す。
【0041】 表5 ──────────────────────────────────── 被験薬 濃 度 阻害率 (化合物番号) (μg/ml) (%) ──────────────────────────────────── A−1(X- =HSO4 - ) 100 96.5 50 74.1 25 49.6 12.5 25.2 ──────────────────────────────────── A−8(X- =HSO4 - ) 100 46.4 50 26.5 25 10.9 ──────────────────────────────────── 生理食塩水 ─── 0.0 ──────────────────────────────────── 表から明らかなように、被験薬は血小板凝集抑制作用を
示した。
【0042】3.急性毒性試験 本発明化合物を6週令雌性CDF1 マウスに静脈内注射
することで急性毒性試験を行ったが、本発明化合物10
0mg/kg 投与でマウスはいずれも致死毒性を示さず生存
した。本発明の一般式(A)で示されるベンゾ[c]フ
ェナンスリジニュ−ム誘導体を医薬品として使用する場
合の製剤化及び投与方法は、従来公知の種々の方法が適
用できる。即ち、投与方法は注射、経口、直腸投与等が
可能である。製剤形態としては注射剤、粉末剤、顆粒
剤、錠剤、座剤等の形態がとりえる。製剤化に際しては
主薬に悪影響を与えないかぎり、医薬品に用いられる種
々の補助剤、即ち、担体やその他の助剤、例えば安定化
剤、防腐剤、無痛化剤、乳化剤等が必要に応じて使用さ
れうる。
【0043】製剤において一般式(A)で示されるベン
ゾ[c]フェナンスリジニュ−ム誘導体の含量は製剤形
態により広範囲に変えることが可能であり、一般には
0.01から100%(重量)、好ましくは0.1から
50%(重量)含有し、残りは通常の医薬用に使用され
る担体やその他の補助剤からなる。一般式(A)で示さ
れるベンゾ[c]フェナンスリジニュ−ム誘導体の投与
量は症状等により異なるが成人一人一日当たり50から
500mg程度である。
【0044】
【発明の効果】以上の結果から、本発明の一般式(A)
で示されるベンゾ[c]フェナンスリジニュ−ム誘導体
は、種々の腫瘍細胞に対して抗腫瘍性を有し、更に癌の
転移抑制に関わるとされる血小板凝集抑制作用をも有す
ることが明らかになり、癌の治療剤として期待される。
又、その塩の形は、製剤上の安定性を増大する理由か
ら、水素塩が有利である。
【0045】
【実施例】一般式(A)で示される[c]フェナンスリ
ジニュ−ム誘導体の代表化合物の製造を、実施例によっ
て具体的に説明するが、本発明化合物がこれらの実施例
のみに限定されるものではない。 実施例1. 2,3−(メチレンジオキシ)−5−ニトロナフタレ
ン、化合物(1)の合成原料である2,3−(ジヒドロ
キシ)−5−ニトロナフタレン、19.3g (0.094mol) と
ふっ化セシウム71.5g(0.47mol)を乾燥ジメチルホルムア
ミド290ml に加え、かき混ぜて完全に溶解する。これに
ジクロロメタン6.63ml(0.103mol)を加えて110℃に加
熱する。その後1時間ごとに同量のジクロロメタンを4
回追加し、さらに2時間加熱して反応を終了する。放冷
後、水を加えて希釈し、ジエチルエ−テル抽出する。抽
出液を無水硫酸ナトリウムで脱水後、ろ過、濃縮する。
残留物を酢酸エチルから再結晶し、一次晶10.73g、二次
晶1.82g 、さらに母液を濃縮し、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィ−(展開液は、石油エ−テル:酢酸エチル
=9:1)で精製し、結晶物 2.00gを得る。以上の結晶
物を合わせて、化合物(1)の全収量は14.55g(収率71
%)となる。
【0046】 化合物(1):黄色粉末 1H-NMR(200MH2),DMSO-d6.ppm :6.26(s,2H),7.52(t, J=8.0Hz,1H),7.58(s,1H),7.74(s,1H), 8.55(br d, J= 8.0Hz,2H)
【0047】実施例2. 2,3−(メチレンジオキシ)−5−ナフチルアミン、
化合物(2)の合成化合物(1)、4.687g(0.216mol)を
エタノ−ル 200mlに溶解し、抱水ヒドラジン10mlと5%
パラジウム炭素1gを加えて、1時間20分加熱還流す
る。放冷後、パラジウム炭素触媒をろ別し、濃縮して生
成する粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−
(展開液、石油エ−テル:酢酸エチル=1:2)で精製
し、化合物(2)、3.566g(収率88%)を得る。
【0048】 化合物(2):淡黄褐色粉末 1H-NMR (200MHz ,DMSO-d6.ppm :6.07(s,2H),5.44(br s,2H),6.54(dd,J=7.2 & 1.5Hz,1H), 6.92(br d, J=8.0Hz,1H), 7.02(dd, J=8.0 & 7.2Hz, 1H), 7.12(s,1H),7.47(s,1H)
【0049】実施例3. 化合物(C−1)、N−((2′−ベンジルオキシ)−
3′−メトキシ−6′−ブロモベンジル)−6,7−
(メチレンジオキシ)−1−ナフチルアミンの合成 化合物(2)、3.548g(18.95mmol) と、2−(ベンジル
オキシ)−3−メトキシ−6−ブロモベンズアルデヒ
ド、6.304g(19.63mmol) を、トルエン100mlに溶解し
110℃に1時間加熱後、ロ−タリ−エバポレ−タ−で
減圧濃縮する。残留物にトルエン80mlを新たに加えて1
時間加熱後、同様に減圧濃縮する。残留物に再度トルエ
ン80mlを加えて110℃に1時間加熱後、同様に減圧濃
縮する。残留物(シッフの塩基)を乾燥トルエン50mlに
溶解し、氷水浴で冷却後、かき混ぜながら、水素化ほう
素シアノナトリウム1.31g(20.85mmol)をメタノ−ル50ml
に溶かした溶液を、45分で滴下する。1時間後、反応
液に水を加えたのちクロロホルムで抽出する。有機層を
無水硫酸ナトリウムで脱水後、ろ過、濃縮する。残留物
を少量のクロロホルムに溶解し、同量の石油エ−テルを
少量ずつ振り混ぜながら加えた後、析出する結晶をろ
別、乾燥して、化合物(C−1)を5.674g得る。母液を
濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(展開液
は、石油エ−テル:クロロホルム:酢酸エチル=16:
4:1)で精製し、化合物(C−1)の結晶物1.415gを
得る。化合物(C−1)の全収量は7.089g(収率76%)
となる。
【0050】 化合物(C−1) 白色粉末 1H-NMR(200MHz), CDCl3, (ppm) :3.90(s,3H), 4.37(br, 1H), 4.48(s,2H), 5.04(s,2H), 5.99(s,2H), 6.74(dd, J=7.4 & 1.2Hz, 1H), 6.82(d, J=8.8Hz,1H), 7.05(s,1H), 7.07(s,1H), 7.11(br d, J=8.0Hz,1H), 7.33(d, J=8.8Hz,1H), 7.18-7.37(m.6H) IR(KBr), (cm -1) :3396, 3096, 3064, 3038, 2998, 2944, 2906, 2845, 1621, 1603, 1573, 1538(s), 1501, 1464(vs), 1435, 1400, 1393, 1371,1316, 1285(s), 1271(s), 1251(s), 1218, 1202, 1194, 1173, 1144, 1131, 1099, 1072, 1040(s),993, 960, 948, 916, 907, 862, 831, 795, 778, 757, 739, 687
【0051】実施例4. 化合物(C−3)、N−((2′−ベンジルオキシ)−
3′−メトキシ−6′−ブロモベンジル)−6−メトキ
シ−7−イソプロポキシ−1−ナフチルアミンの合成 2−メトキシ−3−イソプロポキシ−5−ナフチルアミ
ン、463mg 及び2−(ベンジルオキシ)−3−メトキシ
−6−ブロモベンズアルデヒド、707mg を用い実施例3
と同様に反応、処理し化合物(C−3)、970mg を得る
(収率90%)。
【0052】 化合物(C−3)白色粉末 1H-NMR(200MHz), CDCl3, (ppm) :1.36(d, J=6.0Hz, 6H), 3.88(s,3H), 3.94(s,3H), 4.53(s,2H), 4.57(septet, J=6.0Hz, 1H), 4.58(br,1H), 5.03(s,2H), 6.75(dd, J=7.5 & 1.0Hz, 1H), 6.80(d, J=9.0Hz, 1H), 7.08(s, 1H), 7.09(s,1H), 7.13(br d, J=7.5Hz, 1H), 7.22(t, J=7.5Hz, 1H), 7.24-7.31(m,3H), 7.32(d, J=9.0Hz, 1H), 7.34-7.41(m, 2H)
【0053】実施例5. 化合物(C−4)、N−((2′−ベンジルオキシ)
3′−メトキシ−6′−ブロモベンジル)−6−イソプ
ロポキシ−7−メトキシ−1−ナフチルアミンの合成 2−イソプロポキシ−7−メトキシ−5−ナフチルアミ
ン、463mg 及び2−(ベンジルオキシ)−3−メトキシ
−6−ブロモベンズアルデヒド、481mg を用い実施例3
と同様に反応、処理し化合物(C−4)800mg を得る
(収率99%)。
【0054】 化合物(C−4)白色粉末 1H-NMR(200MHz), CDCl3, (ppm) :1.43(d, J=6.0Hz, 6H), 3.84(s,3H), 3.89(s,3H), 4.54(s,2H), 4.60(br. 1H), 4.69(septet, J=6.0Hz,1H), 5.04(s,2H), 6.76(dd, J=7.5 & 1.0Hz, 1H), 6.81(d, J=9.0Hz, 1H), 6.97(s, 1H), 7.105(s,1H), 7.113(br d, J=7.5Hz, 1H), 7.22(t, J=7.5Hz, 1H), 7.24-7.30(m.3H), 7.33(d, J=9.0Hz, 1H), 7.32-7.41(m, 2H)
【0055】実施例6. 化合物(C−6)、N−((2′−ベンジルオキシ)−
3′−メトキシ−6′−ブロモベンジル)−6,7−ジ
イソプロポキシ−1−ナフチルアミンの合成 2,3−ジイソプロポキシ−5−ナフチルアミン、406m
g 及び2−(ベンジルオキシ)−3−メトキシ−6−ブ
ロモベンズアルデヒド、707mg を用い実施例3と同様に
反応、処理し化合物(C−6)756mg を得る(収率89
%)。
【0056】 化合物(C−6)白色粉末 1H-NMR(200MHz), CDCl3, (ppm) :1.32(d,J=6,1Hz,6H), 1.39(d, J=6.1Hz, 6H), 3.88(s,3H), 4.49(septet,J=6.1Hz,1H), 4.51(s,2H), 4.55(br,1H),4.61(septet,J=6.1Hz,1H),5.03(s,2H), 6.72(dd, J=7.5 & 1.1Hz, 1H), 6.80(d,J=8.8Hz,1H), 7.08-7.40(m.10H) IR(KBr), (cm -1) :3420, 2978, 2936, 1626, 1595, 1581, 1522, 1468(s), 1437, 1383, 1334, 1277 1253(s), 1215, 1182, 1159, 1139, 1112, 1079, 1012, 982, 954, 925, 860, 840, 800, 773, 735, 695
【0057】実施例7. 化合物(C−7)、N−((2′−ベンジルオキシ)−
3′−メトキシ−6′−ブロモベンジル)−1−ナフチ
ルアミンの合成 5−ナフチルアミン、1.718g及び2−(ベンジルオキ
シ)−3−メトキシ−6−ブロモベンズアルデヒド 4.2
39g を用い実施例3と同様に反応、処理し化合物(C−
7)3.71g を得る(収率 62.7 %)。
【0058】 化合物(C−7)白色粉末 1H-NMR(200MHz), CDCl3, (ppm) :3.90(s, 3H), 4.52(s, 2H), 4.80(br, 1H),5.06(s,2H), 6.80-6.85(m, 2H), 7.22-7.47(m, 10H), 7.68-7.81(m, 2H) IR(KBr), (cm -1) :3999(s), 3070, 2944, 2856, 1626, 1581(s), 1531, 1481,1467(s), 1432, 1410, 1372, 1355, 1336, 1296, 1272(s), 1227, 1215, 1200, 1178, 1144, 1109, 1088, 1073(s), 983, 959, 911, 865, 795, 783, 764(s), 741, 690
【0059】実施例8. 化合物(D−1)、2,3−(メチレンジオキシ)−7
−ベンジルオキシ−8−メトキシ−ベンゾ[c]フェナ
ンスリジンの合成 化合物(C−1)、1.968g(4mmol) とトリブチル錫ヒ
ドリド2.91g(10mmol)をトルエン100ml に溶解し、11
0℃に加熱する。この溶液に2,2′−アゾビス(イソ
ブチロニトリル)0.8 gを、加える。30分後、反応液
を室温まで冷却し、活性二酸化マンガン2gを加えて2
0分かき混ぜる。次に、マンガンをろ別して減圧濃縮
後、残留物をシリカゲルカラム(展開液は、クロロホル
ム:石油エ−テル=3:2)に通す。主要画分を集めて
濃縮し、粗結晶を得る。粗結晶に酢酸エチル25mlを加え
て振り混ぜながら加温し、これにヘキサン200ml を徐々
に加え、生成する結晶をろ取し、ヘキサンで洗浄後乾燥
して、化合物(D−1)を1.018g得る。更にろ液を濃縮
後シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(展開液は、石
油エ−テル:クロロホルム:酢酸エ−テル16:4:
1)で精製し、化合物(D−1)の結晶 0.183g を得
る。化合物(D−1)の全収量は1.201g(収率73%)と
なる。
【0060】 化合物(D−1) 淡黄白色粉末 1H-NMR(200MHz), CDCl3, (ppm) :4.07(s, 3H), 5.32(s, 2H), 6.13(s, 2H),7.26(s,1H), 7.34-7.46(m, 3H), 7.58(dd, J=8.0 & 1.6Hz,2H), 7.61(d, J=9.0Hz, 1H), 7.84 (d,J=9.0Hz,1H), 8.34(d, J=9.0Hz, 1H), 8.36 (d,J=9.0Hz,1H), 8.69(s,1H), 9.75(s,1H) 13C-NMR(50MHz), CDCl3, (ppm) :50.03(q), 76.21(t), 101.62(t), 102.46(d),104.68(d), 118.57(d), 118.69(d), 119.20(d), 120.27(s), 122.48(s), 127.40(d), 128.43(s), 128.67(d), 128.87(d)×2, 128.96(d)×2, 129.51(s), 13011(s), 137.59(s), 140.37(s), 144.38(s), 147.22(d), 148.71(s), 148.89(s), 149.91(s) IR(KBr), (cm -1) :3032,3004, 2964, 2944, 2910, 2875, 2840,1640,1616, 1595, 1578, 1533,1495, 1460(vs),1440(s),1394,1378, 1358, 1324, 1284(s), 1277(s), 1251(s), 1223, 1202(s),1169, 1136, 1112, 1081(s), 1040(s),991, 968, 958, 949, 920, 904, 875, 850, 845, 830, 795, 759, 750, 697, 686, 667
【0061】実施例9. 化合物(D−3)、2,8−ジメトキシ−3−イソプロ
ポキシ−7−ベンジルオキシ−ベンゾ[c]フェナンス
リジンの合成 化合物(C−3)、886mg を用い実施例8と同様に反
応、処理を行い化合物(D−3)512mg を得る(収率 6
8 %)。
【0062】 化合物(D−3)淡黄白色粉末 1H-NMR(200MHz), CDCl3, (ppm) :1.54(d, J=6.1Hz,6H), 4.04(s, 3H), 4.06(s, 3H), 5.05(septet,J=6.1Hz,1H), 5.31(s,2H), 7.28(s,1H), 7.34-7.47(m, 3H),7.55-7.61(m,2H), 7.59(d,J=9.0Hz, 1H), 7.86(d, J=9.0Hz,1H), 8.33(d, J=9.0Hz,1H), 8.35(d,J=9.0Hz, 1H), 8.77(s,1H),9.77(s,1H) IR(KBr), (cm -1) :2976, 2938, 2838, 1618, 1576, 1525, 1509, 1479, 1461, 1434, 1411, 1389, 1372, 1351, 1324, 1282, 1265(s), 1218, 1203, 1168, 1143,1115, 1080,1068, 1026, 981, 953, 929, 915, 880, 856, 842, 830, 797, 759, 747, 698, 685
【0063】実施例10. 化合物(D−4)、2−イソプロポキシ−3,8−ジメ
トキシ−7−ベンジルオキシ−ベンゾ[c]フェナンス
リジンの合成 化合物(C−4)、720mg を用い実施例8と同様に反
応、処理を行い化合物(D−4)320mg を得る(収率53
%)。
【0064】 化合物(D−4)淡黄白色粉末 1H-NMR(200MHz), CDCl3, (ppm) :1.51(d, J=6.0Hz,6H), 4.07(s, 3H), 4.17(s, 3H), 4.80(septet,J=6.0Hz,1H), 5.32(s,2H), 7.32(s,1H), 7.34-7.47(m, 3H),7.55-7.62(m,2H), 7.62(d,J=9.0Hz, 1H), 7.86(d, J=9.0Hz,1H), 8.36(d, J=9.0Hz,1H), 8.39(d,J=9.0Hz, 1H), 8.72(s,1H), 9.79(s,1H) IR(KBr), (cm -1) :2976, 2938, 2840, 1618, 1578, 1527, 1509, 1478, 1456, 1435, 1409, 1389, 1375, 1355, 1325, 1267(s), 1220, 1191, 1177, 1163, 1140, 1112, 1083, 1067, 1021, 995, 973, 942, 911, 872, 849, 830, 804, 772, 759, 749, 698
【0065】実施例11. 化合物(D−6)、2,3−ジイソプロポキシ−7−ベ
ンジルオキシ−8−メトキシ−ベンゾ[c]フェナンス
リジンの合成 化合物(C−6)、692mg を用い実施例8と同様に反
応、処理を行い、化合物(D−6)379mg を得る(収率
64 %)。
【0066】 化合物(D−6)淡黄白色粉末 1H-NMR(200MHz), CDCl3, (ppm) :1.45(d, J=6.1Hz,6H), 1.49(d,J=6.1Hz,6H),4.04(s,3H), 4.69(septet,J=6.1Hz,1H), 4.92(septet,J=6.0Hz,1H), 5.31(s,2H), 7.34-7.46(m,3H), 7.36(s,1H), 7.55-7.62(m,2H), 7.58(d, J=9.0Hz,1H), 7.83(d,J=9.0Hz, 1H), 8.31(d, J=9.0Hz, 1H), 8.34(d,J=9.0Hz,1H), 8.78(s,1H), 9.77(s,1H) IR(KBr), (cm -1) :2976, 2932, 1617, 1576, 1527, 1507, 1463, 1439, 1413, 1385, 1373, 1355, 1323, 1265(s), 1216, 1180, 1166, 1139, 1113, 1086, 1066, 998, 952, 932, 910, 876, 856, 831, 800, 743, 697
【0067】実施例12. 化合物(D−7)、7−ベンジルオキシ−8−メトキシ
−ベンゾ[c]フェナンスリジンの合成 化合物(C−7)3.71g を用い実施例8と同様に反応、
処理を行い化合物(D−7)を1.387g得る(収率 46
%)。
【0068】 化合物(D−7)淡黄白色粉末 1H-NMR(200MHz), CDCl3, (ppm) :4.08(s,3H), 5.34(s,2H), 7.34-7.47(m,3H), 7.55-7.61(m, 2H), 7.64(d,J=9.0Hz,1H), 7.61-7.71(m, 1H), 7.71-7.81(m,1H), 7.97(dd,J=8.0 & 1.3Hz,1H), 8.00(d,J=9.0Hz,1H), 8.41(d, J=9.0Hz, 1H), 8.48(s,J=9.0Hz, 1H), 9.36(dd, J=8.0 & 1.0Hz,1H), 9.84(s, 1H) IR(KBr), (cm -1) :3025, 2985, 2925, 2870, 2830, 1617, 1574, 1525, 1464, 1442, 1425, 1355, 1332, 1291(s), 1281(s), 1261, 1236, 1204, 1171, 1154, 1138, 1079(s), 1024, 986, 958, 934, 901, 868, 843, 834, 809(s), 816, 744, 721, 695
【0069】次に一般式(A)で示される化合物の合成
例を記すが、この場合一般式(E)で示される変移型が
存在し、物性値を測定した場合は併せて示す。
【0070】実施例13. 化合物(A−0),2,3−(メチレンジオキシ)−5
−メチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシ−ベンゾ
[c]フェナンスリジニュ−ム・硫酸水素塩の合成 化合物(D−1)1.00g (2.44mmol) 、p−トルエンス
ルホン酸メチル4.55g(24.4mmol)及びKBr 2.91g(24.5mmo
l)を、マグネチックスタ−ラ−で良く混合する。その
後、130℃で5時間30分加熱する。水を加えて希釈
した後、CH2Cl2で抽出し、無水Na2SO4で脱水後、ろ過、
濃縮する。濃縮残留物に再び、TsOMe 4.55g と粉砕した
KBr 2.91g を加えて、同様にマグネチックスタ−ラ−で
混合後、130 ℃で3時間加熱する。次に、酢酸5ml、濃
塩酸2.5ml を加え、100℃で2時間加熱する。終了
後、反応物を水で希釈し、炭酸水素ナトリウムを少量ず
つ加えて中和する。これをCH2Cl2で抽出し、無水Na2SO4
で脱水後、ろ過、濃縮する。これをシリカゲルカラムク
ロマトグラフィ−(展開液;CH2Cl2=MeOH=9:1)に
付し、純粋の(E−0)を含む分画をあつめて濃縮す
る。0.5M硫酸水5ml、水25ml、水を入れた希硫酸水中
に、上記(E−0)濃縮物を徐々に加える。次にこれを
濃縮乾固した後、新たに水5mlを加えて大部分を溶解す
る。その後、アセトン200ml を徐々に加えて生じる黄色
沈殿をろ別して取り出す。この黄色沈殿を真空乾燥して
化合物(A−0)750mg (収率 71.2 %)を得る。
【0071】 化合物(E−0)濃紫色固形物 1H-NMR(200MHz), DMSO-d6 (ppm) :3.76(s,3H), 4.41(s,3H), 6.25(s, 2H), 7.04(d,J=8.0Hz,1H),7.20(d, J=8.0Hz,1H),7.55(s,1H), 7.90(d,J=9.0Hz,1H),7.98(s,1H),8.27(d, J=9.0Hz,1H), 9.02(s,1H) 13C-NMR(50MHz), DMSO-d6 (ppm) :48.65(q), 55.59(q),100.04(d),102.29(t),103.22(d), 105.52(d),118.54(s),119.13(d),119.36(s),120.64(s), 125.41(s),127.04(d),128.30(d),131.48(s),131.63(s), 147.90(s),148.09(s),151.06(d),151.21(s),168.30(s), IR(KBr), (cm -1) :3050,2964, 2910, 2834, 1625(s), 1584,1559,1538(s), 1511(s),1501(s),1474(s),1459,1471,1372(s),1336, 1287, 1256(vs), 1245(vs):1207,1180,1145,1122,1114, 1098, 1042(s), 968, 940, 922, 891, 872, 864, 855, 828, 804, 790, 764, 745, 710, 680, 660
【0072】 化合物(A−0)黄色粉末(X - =HSO4 - ) 1H-NMR(200MHz), D2O (ppm) :3.62(s,3H), 3.94(br, 3H), 5.59(dr s,2H),6.39(s,1H), 6.78(s,1H),6.86(d,J=9.0Hz,1H), 6.94(d,J=9.0Hz,1H), 7.02(d,J=9.0Hz,1H),7.06(d,J=9.0Hz,1H),8.56(s,1H), 13C-NMR(50MHz), D2O, (ppm) :54.93(q), 58.96(q),105.51(d),106.16(t),108.33(d), 115.55(d)&(s),119.54(d),121.05(s),125.69(s), 125.81(d),127.67(s),131.13(s),133.47(d),133.90(s), 146.94(s),147.97(s),150.79(s),151.54(d)&(s) IR(KBr), (cm -1) :3476,3040, 3010, 2950, 1628, 1603,1585,1549, 1493(s),1478(s),1466,1447,1415,1373,1353,1338, 1297(s),1279(s),1260(s),1218(s),1191(s),1156, 1112, 1096, 1053, 1038(s),967,919,865,847,830,778, 764, 751, 709
【0073】実施例14. 化合物(A−1)、2,3−(メチレンジオキシ)−5
−エチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシ−ベンゾ
[c]フェナンスリジニュ−ム硫酸水素塩の合成。 化合物(D−1)、2,3−(メチレンジオキシ)−7
−ベンジルオキシ−8−メトキシ−ベンゾ[c]フェナ
ンスリジン1.433g(3.5mmol) にトリフルオロメタンスル
ホン酸エチル0.906ml(3.7mmol)と乾燥トルエン10mlを加
えて100℃で4時間30分加熱する。その後、これ
に、酢酸10mlと濃塩酸5mlを加えて100℃で1時間加
熱する。終了後、反応混合物を氷水に徐々に加えて希釈
する。これに炭酸水素ナトリウムを少量ずつ加えて中和
後、クロロホルムで抽出する。クロロホルム抽出層を無
水硫酸ナトリウムで脱水後、ろ過し、これを減圧濃縮し
て残留物をシリカゲルクロマトグラフィ−(展開液は、
クロロホルム:メタノ−ル=9:1)で精製する。主要
分画を集めて濃縮し、濃い紫色の固形物を得る。これ
は、一般式(E)で表される構造をとった、化合物(E
−1)である。次に、化合物(E−1)を少量のメタノ
−ルに溶解し、1.0 から2.0 倍モルの希硫酸水溶液に徐
々に加えて酸性化する。溶液は黄色ないし橙色になる。
続いて、これを減圧下濃縮し、濃厚水溶液に振り混ぜな
がらアセトンを少量ずつ加える。この時析出する沈澱物
をろ過後、乾燥して目的とする化合物(A−1)を黄色
粉末として得る。ただし、この場合X - =HSO4 - として
得る。収量1.171g(収率 75.1 %)。
【0074】 化合物(E−1)濃紫色固形物 1H-NMR(200MHz), CDCl3+CD3OD(1:1), (ppm) :1.65(t,J=7.2Hz,3H), 3.95(s,3H),4.83(q,J=7.2Hz,2H), 6.19(s,2H), 7.30(s,1H),7.30(d,J=8.2Hz,1H), 7.44(d,J=8.2Hz,1H),7.56(s,1H),7.81(d,J=8.9Hz,1H), 8.18(d,J=8.9Hz,1H),9.36(s,1H) 13C-NMR(50MHz), CDCl3,+CD3OD(1:1) (ppm) :16.65(q), 54.90(t), 56.36(q),102.71(d),103.14(t), 103.54(d),106.56(d),119.61(d),119.77(s),120.94(d), 121.47(s),127.20(s),128.10(s),129.37(d),131.33(s), 132.58(s),149.29(s),149.71(s),150.84(d),152.12(s), 168.45(s) IR(KBr), (cm -1) :2970,2918, 1623(s), 1582,1558,1534(s),1502(s), 1475(s),1460(s),1376(s),1345,1300,1285,1250(vs), 1189, 1142,1115, 1099,1036(s),941,864,794,761 736, 707, 673, 664
【0075】 化合物(A−1)黄色粉末(X - =HSO4 - ) 1H-NMR(200MHz), D2O, (ppm) :1.64(br t,J=6.3Hz,3H), 3.63(s,3H),4.27(br m,2H), 6.02(br s,2H), 6.45(s,1H), 6.55(br s,1H), 6.81(d,J=9.0Hz,1H),6.95(br, s,2H), 7.05(d, J=9.0Hz,1H),8.79(s,1H) 13C-NMR(50MHz), D2O, (ppm) :19.32(q), 58.78(q), 59.43(t),104.40(d),105.92(t), 108.03(d),115.24(d),115.63(s),119.17(d),120.05(s), 125.49(s)& (d),127.39(s),130.66(s),132.96(d), 133.33(s),146.54(s),147.55(s),150.25(d),150.59(s), 151.46(s) IR(KBr), (cm -1 ) :3364,3040, 2970, 2930, 2888, 1622,1602,,1550, 1491(s),1474(s),1453,1412,1383,1348,1334,1300, 1279(s),1260(s),1223(s),1217(s),1158,1128,1115, 1103, 1080, 1042(s), 942,925,884,825,771
【0076】実施例15. 化合物(A−2)、2,3−(メチレンジオキシ)−5
−(n−プロピル)−7−ヒドロキシ−8−メトキシ−
ベンゾ[c]フェナンスリジニュ−ム硫酸水素塩の合成 化合物(D−1)と2−ニトロベンゼンスルホン酸−n
−プロピルを用いた実施例14と同様に反応及び処理し
化合物(E−2)を得、さらにこれをメタノ−ル下希硫
酸処理し化合物(A−2)を得る。(ただしX - =HSO4
- )
【0077】 化合物(A−2)黄色粉末(X - =HSO4 - ) 1H-NMR(200MHz), D2O, (ppm) :0.97(br t,J=7.1Hz,3H), 1.95(br m,2H),3.79(s,3H), 4.22(br m,2H), 6.12(br s,2H), 6.55(br s,1H), 6.65(s.1H),7.10(d, J=9.0Hz,1H),7.16(d,J=9.0Hz,1H), 7.26(d, J=9.0Hz,1H),7.30(d, J=9.0Hz,1H),8.97(s,1H) 13C-NMR(50MHz), D2O, (ppm) :12.40(q), 27.92(t),59.22(q),65.30(t),104.49(d), 106.31(t),108.62(d),116.05(d),116.30(s),120.09(d), 120.79(s),126.27(d),126.40(s),128.26(s),131.31(s), 133.53(d),134.08(s),147.41(s),148.36(s),151.10(d), 151.27(s),152.02(s) IR(KBr), (cm -1 ) :3394,3064, 2982, 1647, 1620, 1602,1581,1550, 1493(s),1472(s),1417,1387,1375,1355,1302(s), 1277(s),1257(s),1215(s),1172(s),1155,1139,1117, 1105, 1082, 1062, 1039(s),1001,971,934,926,886, 885(s),829,811,790,759,707
【0078】実施例16. 化合物(A−3)、2,8−ジメトキシ3,7−ジヒド
ロキシ−5−メチル−ベンゾ[c]フェナンスリジニュ
−ムクロライドの合成。 化合物(D−3)、2,8−ジメトキシ−3−イソプロ
ポキシ−7−ベンジルオキシ−ベンゾ[c]フェナンス
リジン227mg(0.5mmol)にp−トルエンスルホン酸メチル
932mg(5mmol)と無水炭酸カリウム35mg(0.25mmol)を加え
て140℃で3時間30分加熱する。その後、これに、
酢酸6mlと濃塩酸3mlを加えて100℃で3時間加熱す
る。終了後、反応混合物を氷水に徐々に加えて希釈す
る。これに炭酸水素ナトリウムを少量ずつ加えて中和
後、クロロホルムと少量のメタノ−ルで抽出する。抽出
液を無水硫酸ナトリウムで脱水後、ろ過し、これを減圧
下濃縮して残留物をシリカゲルクロマトグラフィ−(展
開液は、クロロホルム:メタノ−ル=4:1)で精製す
る。主要分画を集めて濃縮し、濃い紫色の固形物を得
る。これは、一般式(E)で表される構造をとった、化
合物(E−3)である。次に、化合物(E−3)を少量
のメタノ−ルに溶解し、1.5 から3.0 倍モル希塩酸水溶
液を徐々に加えて酸性化する。溶液は黄色ないし橙色に
なる。続いて、これを減圧下濃縮して、溶媒および過剰
の塩酸を留去する。残留物は、目的とする化合物(A−
3)である。ただし、X - =Cl - として得る。収量98mg
(収率52.7%)
【0079】 化合物(A−3)黄色粉末 (X- =Cl- ) 1H-NMR(200MHz), CD2OD(+DCl),(ppm) :4.09(s,3H),4.11(z,3H), 4.95(s,3H),7.62(s,1H), 8.08(d, J=9.0Hz,1H),8.16(s,1H),8.20(d,J=9.0Hz,1H), 8.39(d, J=9.0Hz,1H),8.55(d,J=9.0Hz,1H),9.94(s,1H), IR(KBr), (cm -1 ) :3428,3082, 1621, 1591, 1578, 1554,1504,1448,1415, 1384,1374,1352,1339,1289(s),1276(s),1220,1193, 1167,1157,1114,1061,1025,1008,966,921,865,854, 818,718,748
【0080】実施例17. 化合物(A−4)、2,7−ジヒドロキシ3,8−ジメ
トキシ−5−メチル−ベンゾ[c]フェナンスリジニュ
−ムクロライドの合成 化合物(D−4)、2−イソプロポキシ−3,8−ジメ
トキシ−7−ベンジルオキシ−ベンゾ[c]フェナンス
リジンとp−トルエンスルホン酸メチルを用い実施例1
6と同様に反応及び処理し、化合物(E−4)を得、さ
らにこれをメタノ−ル下希塩酸処理し化合物(A−4)
を得る。(ただし X- =CI-
【0081】 化合物(A−4)黄色粉末 (X- =Cl- ) 1H-NMR(200MHz), CD2OD(+DCl),(ppm) :4.11(s,3H),4.17(s,3H), 5.03(s,3H),7.49(s,1H), 8.08(d, J=9.1Hz,1H),8.09(s,1H),8.12(d,J=9.1Hz,1H), 8.39(d, J=9.1Hz,1H),8.57(d,J=9.1Hz,1H),9.98(s,1H), 13C-NMR(50MHz), CD2OD(+DCl),(ppm) :52.74(q), 57.05(q),57.75(q),108.55(d),113.59(d), 115.20(d),117.09(s),119.49(d),120.14(s),125.88(d), 126.98(s),129.99(s), 132.13(d),133.20(s),133.46(s), 147.62(s),150.80(s),151.11(s)×2, 151.63(d) IR(KBr), (cm -1 ) :3384,3214, 1619, 1589, 1576, 1556,1504,1457,1445, 1421,1414,1378,1350, 1338,1301(s),1279(s),1262(s), 1217, 1168,1155,1115,1058,1022,1006,976,935,866, 828,818,808,785,747,723
【0082】実施例18. 化合物(A−6)、2,3,7−トリヒドロキシ−5−
メチル−8−メトキシ−ベンゾ[c]フェナンスリジニ
ュ−ム・トシレ−トの合成 化合物(D−6)、2,3−ジイソプロポキシ−7−ベ
ンジルオキシ−8−メトキシ−ベンゾ[c]フェナンス
リジンとp−トルエンスルホン酸メチルを用い実施例1
6と同様に反応及び処理し化合物(E−6)を得、さら
にこれをメタノ−ル下p−トルエンスルホン酸処理し化
合物(A−6)を得る。(ただし X- =OTs - )
【0083】 化合物(A−6)黄色粉末 (X- = OTs- ) 1H-NMR(200MHz), CD2OD+D2O(+DCl), (ppm) :4.00(s,3H),4.67(z,3H), 7.17(s,1H),7.73-7.80(m,3H), 7.92(br d,J=9.0Hz,1H),8.35(br d,J=9.0Hz,1H), 9.44(s,1H) (以下は、 OTs- 部分。Ts=p-Toluenesulufonyl) 2.38(s,3H),7.31(br d, J=8.0Hz,2H), 7.67(br d,J=8.0Hz,2H) IR(KBr), (cm -1 ) :3390,3200-3050,1622,1562,1495,1459,1454,1445,1407, 1384,1352,1339,1295,(s),1274(s),1217,1189,1148, 1118(s),1056,1033,1009,978,927,871,815,784,744, 717,681,671
【0084】実施例19. 化合物(A−7)、5−エチル−7−ヒドロキシ−8−
メトキシ−ベンゾ[c]フェナンスリジニュ−ム硫酸水
素塩の合成。 化合物(D−7)、7−ベンジルオキシ−8−メトキシ
−ベンゾ[c]フェナンスリジン183mg(0.5mmol)にトリ
フルオロメタンスルホン酸エチル0.13ml(1.0mmol) と乾
燥トルエン0.9ml を加えて100 ℃で5時間加熱する。そ
の後、これに、酢酸4mlと濃塩酸1mlを加えて100 ℃で
1時間加熱する。終了後、反応混合物を氷水に徐々に加
えて希釈する。これに炭酸水素ナトリウムを少量ずつ加
えて中和後、クロロホルムで抽出する。クロロホルム抽
出層を無水硫酸ナトリウムで脱水後、ろ過し、これを減
圧下濃縮して残留物をシリカゲルクロマトグラフィ−
(展開液は、クロロホルム:メタノ−ル=9:1)で精
製する。主要分画を集めて濃縮し、濃い紫色の固形物を
得る。これは、一般式(E)で表される構造型をとっ
た、化合物(E−7)である。次に、化合物(E−7)
を少量のメタノ−ルに溶解し、1.0 から2.0 倍モルの希
硫酸水溶液を徐々に加えて酸性化する。溶液は黄色ない
し橙色になる。続いて、これを減圧下濃縮し、濃厚水溶
液に振り混ぜながらアセトンを少量ずつ加える。この時
析出する沈澱物をろ過後、乾燥して目的とする化合物
(A−7)を黄色粉末として得る(X - =HSO4 - とし
て)。収量160mg (収率 79.7 %)。
【0085】 化合物(E−7)濃紫色固形物 1H-NMR(200MHz), DMSO-d6, (ppm) :1.45(t,J=7.1Hz,3H),3.78(s,3H),4.82(q,J=7.1Hz,2H), 7.10(d,J=8.0Hz,1H),7.21(d,J=8.0Hz,1H), 7.63-7.76(m,2H),8.03(d,J=8.8Hz,1H), 8.08-8.14(m,1H),8.32-8.41(m,1H),8.40(d,J=8.8Hz,1H), 9.11(s,1H) 13C-NMR(50MHz), DMSO-d6, (ppm) :15.96(q), 53.13(t),55.23(q), 99.29(d),117.77(d), 118.88(s),120.57(d),123.89(s),124.56(d),126.38(s), 126.54(s),126.61(d),126.68(d),128.08(d),128.86(d), 130.38(s),133.47(s),148.66(d),151.53(s),169.42(s) IR(KBr), (cm -1 ) :3039,2986, 2938, 2832, 1628(s),1614(s),1557(s), 1530(s),1510(s),1495,1474,1456,1423,1386,1337(s), 1354,1345,1335,1317,1287,1266(s),1245(s),1239(s), 1194,1155,1139,1101(s),1075,1061,1046,977,945,923, 907,871,823,798,792,774(s),752,691,675
【0086】 化合物(A−7) 黄色粉末(X - =HSO 4 - ) 1H-NMR(200MHz), D2O, (ppm) :1.72(t,J=7.0Hz,3H),3.56(s,3H),4.52(q,J=7.0Hz,2H), 6.95 &,7.05(AB,JAB=9.2Hz,each 1H),7.21(br s,2H), 7.32-7.50(m,2H),7.38(br d,J=7.9Hz,1H), 7.59(br d,J=7.9Hz,1H),8.96(s,1H) 13C-NMR(50MHz), D2O, (ppm) :19.21(q), 58.82(q),59.83(t),115.65(d),116.24(s), 120.59(d),124.28(s),125.66(d),127.01(s)&(d), 127.52(s),131.05(d),131.38(s)&(d),132.25(d), 134.28(d),135.72(s),146.64(s),147.90(s),150.21(d) IR(KBr), (cm -1 ) :3419,3052, 1614, 1583, 1540,1497,1468,1446,1431, 1384,1361,1341,1302(s),1277(s),1261(s),1164,1150, 1143,1130,1086,1059,985,921,854,821,767,695
【0087】実施例20. 化合物(A−8)、5−メチル−7−ヒドロキシ−8−
メトキシ−ベンゾ[c]フェナンスリジニュ−ム硫酸水
素塩の合成 文献 J. Org・Chem.,58, 1708-1713(1988) 記載の方法
で合成した化合物(E−8)を原料に用い、実施例14
の変移型化合物(E−1)を硫酸水素塩に導いたと同様
な方法で反応及び処理を行い化合物(A−8)を収率9
9.0%で得た。
【0088】 化合物(A−8)黄色粉末(X - =HSO 4 - ) 1H-NMR(200MHz), D2O, (ppm) :3.42(s,3H),4.08(s,3H), 6.79 &,6.85(AB,JAB=9.1Hz,each 1H),7.03(br s,2H), 7.16-7.24(n,1H),7.24-7.34(m,2H),7.63-7.73(m,1H), 8.61(s,1H) 13C-NMR(50MHz), D2O, (ppm) :54.98(q), 58.81(q),115.64(d),115.87(s),120.58(d), 124.93(s),125.69(d),126.44(s),127.36(s),127.98(d), 131.01(d),131.60(d)&(s),132,41(d),134.66(d), 136.01(s),146.82(s),148.09(s),151.29(s) IR(KBr), (cm -1 ) :3480,3000, 2950, 1624, 1617,1583,1537,1488,1463, 1450,1430,1381,1359,1339,1318,1295(s),1278(s), 1263,1241,1228(s),1196,1182,1167,1143,1112(s), 1085,1066,982,922,914,875,853,823(s),783,766,751, 702,692,670
【0089】実施例21.(製剤例) 化合物(A−0)、2,3−(メチレンジオキシ)−5
−メチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシ−ベンゾ
[c]フェナンスリジニュ−ム硫酸水素酸(X - =HSO4
- ) を1g 、ポリソルベ−トを1g 、マクロゴ−ル400
を1g 、それぞれ計量後、注射用蒸留水100gに分散溶解
し、メンプランフィルタ−でろ過して後、アンプルに分
注し、常法により凍結乾燥して1アンプル当たり50mgの
化合物(A−0)を含有する注射用製剤を得た。
【0090】実施例22.(製剤例) 化合物(A−1)、2,3−(メチレンジオキシ)−5
−エチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシ−ベンゾ
[c]フェナンスリジニュ−ム硫酸水素酸(X - =HSO4
- )を1g 、ポリソルベ−トを1g 、マクロゴ−ル400
を1g 、それぞれ計量後、注射用蒸留水100gを分散溶解
し、メンブランフィルタ−でろ過した後、アンプルに分
注し、常法により凍結乾燥して1アンプル当たり50mgの
化合物(A−1)を含有する注射用製剤を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 合議体 審判長 加藤 孔一 審判官 宮本 和子 審判官 穴吹 智子 (56)参考文献 特開 平3−184916(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(A′) 【化1】 〔式中、M及びNは、それぞれ、水酸基、又は低級アル
    コキシ基を示す。或いは、MとNが両方とも水素原子か
    又は接続しメチレンジオキシ基を示す。Xは酸残基又
    は水素酸残基を示す。Rは低級アルキル基を示す。ただ
    し、Xが酸残基を示す場合、Rはメチル基を除く低級
    アルキル基を示す。〕で示されるベンゾ[c]フェナン
    スリジニューム誘導体を有効成分とする抗腫瘍剤。
  2. 【請求項2】2,3−(メチレンジオキシ)−5−メチ
    ル−7−ヒドロキシ−8−メトキシ−ベンゾ[c]フェ
    ナンスリジニューム・水素塩を有効成分とする抗腫瘍
    剤。
  3. 【請求項3】2,3−(メチレンジオキシ)−5−メチ
    ル−7−ヒドロキシ−8−メトキシ−ベンゾ[c]フェ
    ナンスリジニューム・硫酸水素塩を有効成分とする抗腫
    瘍剤。
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