JP2748009B2 - 表面弾性波共振子フィルタ - Google Patents

表面弾性波共振子フィルタ

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JP2748009B2
JP2748009B2 JP1023601A JP2360189A JP2748009B2 JP 2748009 B2 JP2748009 B2 JP 2748009B2 JP 1023601 A JP1023601 A JP 1023601A JP 2360189 A JP2360189 A JP 2360189A JP 2748009 B2 JP2748009 B2 JP 2748009B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、圧電基板上にインタディジタル電極とグレ
ーティング反射器を形成してなる表面弾性波共振子を利
用した帯域通過フィルタに関するものである。
[従来の技術] 近年、VHF帯およびUHF帯を使用した無線通信用フロン
トエンドフィルタとして表面弾性波デバイスを利用し、
無線機を小型、軽量化することが提案されている。フロ
ントエンド用フィルタとして必要な電気特性は、挿入損
失が小さいこと、帯域内リップルが小さいこと、帯域外
スプリアスレベルが低いこと、帯域外減衰量が大きいこ
と、通信システムに要求されるチャンネル数を確保する
ために適当な帯域幅を持つことであり、これらの条件を
すべて満足することが要求される。
従来の表面弾性波フィルタは、主に2種類に分類され
る。1つは比帯域幅は広いが、挿入損失も大きいトラン
スバーサル型デバイスであり、もう1つは比帯域幅が0.
05%程度と狭いが、挿入損失は小さい共振子型デバイス
である。したがって、従来の表面弾性波デバイスをフロ
ントエンドフィルタとして用いるには、各々特性の改善
が必要で両方の性質の長所を合わせ持つものが望まれて
いた。
一方、表面弾性波デバイスをUHF帯で使用するために
は、終端インピーダンスは通常は50Ωが選択されてい
る。このような低インピーダンスで挿入損失の小さな表
面弾性波フィルタを得るための方法として、LiTaO3およ
び水晶基板を使用し、1個の入力用インタディジタル電
極ともう1個の出力用インタディジタル電極を用いて表
面弾性波共振子を形成し、エネルギー閉じ込めモードの
対称的な1次モードおよび反対称な2次モードの2つの
モードを利用した縦型2重モード帯域通過フィルタを構
成する提案がなされている(特開昭61−285814号)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、この縦型2重モード帯域通過フィルタ
においては、圧電基板として水晶を用いた場合、規格化
電極膜厚を4%と大きくしても比帯域幅は0.3%までし
か達成出来ず、帯域内リップルも大きいという問題点が
ある。また、圧電基板としてリチウムタンタレート(Li
TaO3)を用いた場合に、規格化電極膜厚を4%と大きく
したとしても比帯域幅0.47%までしか達成出来ず、ま
た、帯域内リップルも大きいことが知られている。
したがって従来の表面弾性波デバイスは、比帯域幅が
0.3%以上で帯域内リップルが小さく、帯域外スプリア
スレベルが低く大きな帯域外減衰量が要求されるフロン
トエンド用フィルタとして実用に供することはできなか
った。
本発明は上記問題点を解決すべくなされたもので、そ
の目的とするところは帯域幅が広く、挿入損失が小さ
く、帯域内リップルが小さくかつ入力インピーダンスが
低い表面弾性波共振子フィルタを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、この発明は圧電基板上の表
面弾性波伝搬方向に沿って、3個以上のインタディジタ
ル電極を近接配置し該インタディジタル電極のうち少な
くとも1個を入力端子に接続し、残りのインタディジタ
ル電極を出力端子に接続すると共に、前記インタディジ
タル電極の両外側に少なくとも1組の反射器を配置して
なる表面弾性波共振子フィルタにおいて、インタディジ
タル電極の総対数N1+N2を40対以上150対以下とし、か
つ入力用インタディジタル電極の総対数N2と出力用イン
タディジタル電極の総対数N1との比N1/N2を、1.4以上2.
4以下とするとともに、インタディジタル電極の電極指
の最大交差幅Wと通過中心周波数の表面波波長λとの比
W/λを50以上180以下の範囲に設定するようにした。な
お、入力用または出力用インタディジタル電極を複数個
設けた場合、その対数N2,N1は入力用または出力用のイ
ンタディジタル電極の総和の対数を示している。
すなわち、本発明者らは表面弾性波共振子フィルタを
無線通信用フロントエンドフィルタに使用する場合に要
求される条件を一つ一つ詳しく検討した結果、上記のよ
うな数値範囲が妥当であるとの結論に到った。そこで、
その検討の過程について説明する。
表面弾性波共振子フィルタをフロントエンドフィルタ
に使用するには前述したように従来よりも多くの電気的
特性を満足させなくてはならない。そこで、インタディ
ジタル電極の個数を増やすことで先ず設計の自由度を高
めることとした。
次に、表面弾性波共振子フィルタの入力インピーダン
スを低くすることを考えた。終端インピーダンスは、周
波数に対して一定値であるが、表面弾性波共振子フィル
タの影像インピーダンスは、複雑で帯域内で変動してお
り完全に整合をとることはできない。近似として、この
振動のピーク(山と谷)の中点を結ぶ折線が終端インピ
ーダンス(50Ω)に一致していれば整合がとれたと考え
られる。従って、入力インピーダンスを低くするには、
上記折線を傾きが零の直線に近づけ、かつその値を低く
すればよい。このための手法として一般的なのは、電極
指の交差幅を長くすることである。こうすると表面弾性
波共振子フィルタの撮像インピーダンスは低下する。し
かし、交差幅を大きくしすぎると電極指自体の抵抗が増
え挿入損失が大きくなる。また、チップサイズが大きく
なり表面弾性波素子の特徴の1つである小型化を達成出
来なくなる。一方、入力用インタディジタル電極対数を
増加させても表面弾性波共振子フィルタの撮影インピー
ダンスは低下する。しかし、ある値を越すとインタディ
ジタル電極自身での表面弾性波の反射が大きくなり、反
射器までエネルギーが到達せず多対インタディジタル型
表面弾性波素子と同一性能となる。この場合、狭帯域な
フィルタとなり十分な帯域幅が得られないとともに素子
が大型となるため好ましくない。
さらに、終端インピーダンスとして実用的な値を想定
した場合、撮影インピーダンスが小さすぎても整合が取
れないので、交差幅と入力インタディジタル電極対数に
は、上限のみならず下限も存在する。
次に帯域内リップルを小さくする方法について検討し
た。帯域内リップルは議論されない場合が多いけれども
実用上は非常に重要な特性である。
帯域内特性の設計法として有効なのは、バルク波を用
いた水晶モノリシックフィルタの設計法を転用すること
である。バルク波を利用した高結合圧電板を用いた多電
極対モノリシックフィルタの最も新しい設計法は、先ず
フィルタ中央の対称面に関して対称な閉じ込めモードの
インピーダンスZaが直列腕に、また、反対称な閉じ込め
モードのインピーダンスZbが格子腕に接続された対称格
子形回路に変換する。このときフィルタの映像インピー
ダンスZimは、 で与えられる。次に、対称モードの数をp、反対称モー
ドの数をqとおくとともに、対称モードのi番目の共振
周波数および***振周波数をfaRi,faAiとし、また反対
称モードのj番目の共振周波数および***振周波数をfb
Rj,fbAjとするとZa,Zbは次式で近似することができる。
式(2),(3)において faAi=fbRi (i=1,2,‥‥p) ……(4) faRj+1=fbAj (j=1,2,‥‥q−1)……(5) の周波数合わせを行なうというものである。この場合に
は帯域幅は(fbRq−faR1)または、(faRp−faR1)とな
る。この方法を表面弾性波デバイスの設計に適用する。
3個以上のインタディジタル電極を近接配置し、この内
の数個を入力端子に接続し、残りのインタディジタル電
極を出力端子に接続する。この表面弾性波共振子を、接
続面に対して対称的に多段に縦続接続した時に通過帯域
近傍の電気的特性は対称格子形回路で表わせる。その対
称線で切られる弾性表面波共振子の出力端子を短絡した
ときの入力インピーダンスZaと、開放したときの入力イ
ンピーダンスZbのそれぞれの共振周波数および***振周
波数を求める。この共振周波数および***振周波数が式
(4),(5)を満たせばよいが、完全に満足するよう
に設定することは必ずしもできない。したがって、撮像
インピーダンスと終端インピーダンスの差によって複雑
な帯域内リップルが生じる。現実問題として、帯域内リ
ップルが許容値に収まるように共振周波数および***振
周波数を設定することが重要である。
このための手段として最も有効なのが、入出力用イン
タディジタル電極の対数比とインタディジタル電極の総
対数である。ところで、比帯域幅はインタディジタル電
極の総対数NT(N1+N2)および入出力用インタディジタ
ル電極の対数比N1/N2が大きいほど狭くなる。したがっ
てこれらの値に上限が存在する。一方、これらの値が小
さいと、帯域内リップルは大きくなる。従って帯域内リ
ップルの許容値を満足させるには、これらの値に下限が
存在するはずである。
本発明者らは上記のような考察に基づいて、インタデ
ィジタル電極の総対数、入力用と出力用のインタディジ
タル電極の各対数の比および電極指の最大交差幅と波長
の比W/λ(以下、これを規格化交差幅と称する)の上限
と下限を知るため、実験を行ない、前述のような数値範
囲を決定した。
[作用] 前記手段によれば、インタディジタル電極を3個以上
設けてフィルタを構成しているため、設計の自由度が増
大し、所望のフィルタ特性を得るため設計が容易になる
とともに、インタディジタル電極の総対数と対数比を所
定の範囲内で選択するようにしたため帯域内リップルを
低減させることができ、また、インタディジタル電極の
最大交差幅と入力インタディジタル電極の対数を所定の
範囲内で選択するようにしたため、入力インピーダンス
を下げ挿入損失を減少させることができるとともに、撮
影インピーダンスと終端インピーダンスとの整合がとり
やすくなり、フィルタの帯域幅を広くすることが可能と
なる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面を参照しながら詳細に説
明する。
第1図は、本発明に係る表面弾性波共振子フィルタの
一構成例を示す概念図であって、圧電基板1の表面に入
力用インタディジタル電極2aを形成し、その両外側に励
起された表面弾性波の伝搬方向に沿って出力用インタデ
ィジタル電極3a,3a′を相隣接して配設するとともに、
さらに出力用インタディジタル電極3a,3a′の両側にグ
レーティング反射器4a,4a′を配置したものである。ま
た、上記インタディジタル電極2a,3a,3a′および反射器
4a,4a′と並んで同一構成の電極2b,3b,3b′と反射器4b,
4b′を形成して2段構造とし、電極3aと3bおよび3a′と
3b′を縦続接続している。さらに、上段のインタディジ
タル電極2aを構成する一対のくし形電極を各々入力端子
INと接地点に、また各インタディジタル電極3a,3a′の
一方の電極を接地点に接続するとともに、下段のインタ
ディジタル電極2bを構成する一対のくし形電極を各々出
力端子OUTと接地点に、また各インタディジタル電極3b,
3b′の一方の電極を接地点に接続してある。
そして、入出力用端子間にはそれぞれ終端インピーダ
ンス5,5′を接続してある。なお、終端インピーダンス
5,5′はUHF帯で多く使用されている50Ωの抵抗である。
また圧電基板1としては、リチウムテトラボレート(Li
2B4O7)45゜回転X板Z伝搬基板を用いた。この場合の
表面波音速は3440m/秒である。上記基板1の表面上を表
面弾性波がZ軸方向に伝搬するように入出力用インタデ
ィジタル電極2,3,3′および反射器4,4′を配置した。電
極はアルミニウム層とした。ただし、Li2B4O7基板がAl
のエッチング液に対して溶解するため電極の形成はリフ
トオフ法により行なった。反射器4,4′の反射体はアル
ミニウム層からなる金属ストリップとした。前記グレー
ティング反射器の反射体本数は、Alストリップ1本当た
りの表面弾性波反射率を考慮し、表面弾性波を十分に反
射できる本数として100本とした。また最大交差幅は、
後でフィルタの撮影インピーダンスが50Ωに整合するよ
うに決定するが、最初は予備的な検討により規格化交差
幅W/λを150とする。横モード抑圧のための重み付け
は、一般的なコサインアポダイズで行なっている。
上記構成の表面弾性波共振子において、規格化Al膜厚
H/λを0.01とした場合に、入出力用インタディジタル電
極の対数比N1/N2を2に固定し、インタディジタル電極
総対数NTを40対から160対まで変化させて1段目と2段
目の表面弾性波共振子を接続面で切り離し、1段目の表
面弾性波共振子の出力端を短絡した時の入力インピーダ
ンスZaと、出力端を開放にした時の入力インピーダンス
Zbのそれぞれの共振周波数と***振周波数を求めた。そ
の結果を第2図に示す。ここでの周波数は、グレーティ
ング反射器の中心周波数により規格化した規格化周波数
で示した。またインタディジタル電極の総対数を100対
とし、入出力用インタディジタル電極の対数比N1/N2
2の場合の周波数応答を第3図に示す。これらの図から
ZaとZbのそれぞれの共振周波数frと***振周波数faの間
隔が大きいところでリップルが大きくなっていることが
わかる。なお、符号r1は対数0次、r2は対称2次、a1
反対称0次、a2は反対称2次の周波数であることを示
す。
次に、インタディジタル電極の総対数NTを116対と固
定し、入出力用インタディジタル電極の対数比を0.8か
ら3.0まで変化させた時のZaとZbのそれぞれの共振周波
数frと***振周波数faを求めた。その結果を第4図に示
してある。第4図から明らかなように、入出力用インタ
ディジタル電極の対数比N1/N2を大きくすることによっ
て、入力インピーダンスZaとZbのそれぞれの共振周波数
と***振周波数の間隔が狭くなることがわかる。また、
入出力インタディジタル電極の対数比が1.5のときの周
波数応答を第5図に示す。この図より帯域内の高周波数
側のリップルが大きくなっていることがわかる。
従って、フィルタ特性を広帯域にし、かつ帯域内リッ
プルを小さくするには、インタディジタル電極の総対数
NTを少なくして、それで生じるリップルを入出力用イン
タディジタル電極の対数比N1/N2で補償するようにする
ことが望ましい。しかし、インタディジタル電極の対数
比で補償できる量には限度があり、規格化Al膜厚H/λ≒
0.01の場合には、インタディジタル電極の総対数は、入
力インピーダンスを小さくするため80以上とする必要が
ある。一方、第2図から明らかなように、比帯域幅を0.
3%以上とするには、インタディジタル電極の総対数を1
50対以下にする必要がある。この時、リップルを保証す
るために必要な、インタディジタル電極の対数比N1/N2
は、1.4〜2.4である。
規格化Al膜厚H/λ=0.04の場合には、同様の理由から
インタディジタル電極の総対数は、40以上、100以下で
あり、インタディジタル電極の対数比は1.4〜2.4とする
のがよい。
次に、最大交差幅と影像インピーダンスの関係を調べ
る。インタディジタル電極の総対数を116対とし、入出
力用インタディジタル電極の対数比N1/N2を2.0とした時
に最大交差幅の変化に対する帯域内での影像インピーダ
ンスの変動を第6図に示す。第6図から明らかなよう
に、規格化Al膜厚H/λ≒0.01の場合、比交差幅W/λを80
から180の範囲に設定すれば、影像インピーダンスは20
〜100Ωの値を取り、終端インピーダンス50Ωに対し
て、ほぼ整合がとれていることになる。規格化Al膜厚H/
λ=0.04の場合は、規格化交差幅W/λを50から90の範囲
に設定すれば、帯域内の影像インピーダンスは20〜100
Ωの値をとる。
上記設定範囲が有効であることを実験的に確認するた
めに、次のような条件の2種類のデバイスを作成した。
すなわち第1のデバイスはインタディジタル電極2a,2b
の対数を50.5対、インタディジタル電極3a,3a′,3b,3
b′の対数を41.5対とし、出力用インタディジタル電極
を入力用インタディジタル電極の両側に2.25μmの距離
で近接配置した。さらに、出力用インタディジタル電極
の両外側に80本の金属ストリップからなるグレーティン
グ反射器を2.25μm離してそれぞれ配置した。最大交差
幅を1320μmとし、インタディジタル電極に対する重み
付けは、コサインアポダイズとした。インタディジタル
電極およびグレーティング反射器のAl膜厚は、電極指抵
抗と、製造時の中心周波数バラツキを考慮して1000Åと
した。各電極の入出力端子への接続の仕方は第1図と同
じである。第7図は、この素子の周波数応答を示す。電
気的特性として中心周波数380MHz、比帯域幅0.53%、挿
入損失2dB、帯域内リップル1dB、帯域外減衰量60dB、低
周波側帯域外スプリアス−50dBの特性が得られ、実用上
十分な特性を有している。
第2のデバイスは、インタディジタル電極2a,2bの対
数を38.5対、インタディジタル電極3a,3a′,3b,3b′の
対数を40.5対とした。
さらに、インタディジタル電極の最大交差幅を2300μ
mとし、直線アポタイズで重み付けを行ない、インタデ
ィジタル電極とストリップの厚みを1540Åとした。
第8図に、第2のデバイスの周波数特性を示す。第8
図より、電気的特性として中心周波数254.5MHz、比帯域
幅0.6%、挿入損失1.5dB、帯域内リップル1dB、帯域外
スプリアス−35dBの特性が得られ、実用上十分な特性を
有することが分かった。
ところで、上記実施例においては圧電基板として45度
回転X板Z伝搬Li2B4O7を用いたので規格化Al膜厚H/λ
を0.01と0.04にしたがこれはグレーティング反射器のAl
ストリップ1本当たりの表面弾性波反射率で考えると0.
01から0.1に対応する。したがって、他の基板材料を使
用する場合には、グレーティング反射器のAlストリップ
1本当たりの表面弾性波反射率が0.01から0.1に対応す
るように規格化Al膜厚を設定してやればよい。
また、実験では中心周波数380MHzの素子と254.5MHzの
素子を作成したが、表面弾性波デバイスの特徴としてイ
ンタディジタル電極およびグレーティング反射器の線幅
および周期を変えることにより中心周波数は自由に変更
することができる。したがって、本発明は表面弾性波デ
バイスの中心周波数によって制約されるものではない。
なお、第1のデバイスも第2のデバイスも反射器側の
グレーティングの周期を、表面弾性波の波長に合わせ
た。
さらに、横モード抑圧のために上記実施例において
は、コサインアポダイズまたは直線アポダイズで重み付
けを行なうようにしたが、その他の横モード抑圧法とし
て、コサイン2乗アポダイズ、変形コサインアポダイズ
があり、これらの重み付け法を用いた場合、インタディ
ジタル電極対数の数本の増減で、コサインアポタイズを
用いた場合と同じ結果が得られることを確かめた。
また、所要のパラメータを上述した如き範囲に設定す
る本発明の表面弾性波デバイスを実際に製造する場合に
は、例えば、入出力インタディジタル電極間に適当な幅
を有するシールド電極を設け、これを接地すること、あ
るいは入出力インタディジタル電極の端の電極指を接地
することによって入出力インタディジタル電極間の直達
波を阻止するよう構成することが望ましいのはいうまで
もない。
一方、圧電基板の材料としては、温度特性、電気機械
結合係数等、特性バラツキの少ないリチウムテトラボレ
ートが現状では最適である。しかしながら、本発明の原
理は、すべての圧電材料またはガラス等に圧電物質を付
着した複合基板等にも適用できることは言うまでもな
い。
また、以上の説明においては、表面弾性波を用いるこ
とについてのみ説明してきたが必ずしもこれに限定する
必要はなく、例えば、基板表面直下を伝搬するすべり
波、ラブ波、SSBW,SH波、リーキー波あるいはブルース
タイン・クーリエ・清水波等に関しても全く同様に適用
可能である。即ち、インタディジタル電極を有する共振
子は、上記各波をも励起することが既に立証されてお
り、電極下の振動エネルギーを閉じ込めることができる
とともに、多重モードの振動を発生する条件が存在する
からである。
なお、入出力端子への電極の接続の仕方は上記実施例
に限定されず、例えばインタディジタル電極2aと3b,3
b′を入力端子対とし、インタディジタル電極2bと3a,3
a′を出力端子対としてもよい。ただし、入力側電極と
出力側電極の組合せが対称である接続の仕方を採用した
方が帯域内リップルを小さくすることができる。
[発明の効果] 以上説明したようにこの発明は圧電基板上の表面弾性
波伝搬方向に沿って、3個以上のインタディジタル電極
を近接配置し該インタディジタル電極のうち少なくとも
1個を入力端子に接続し、残りのインタディジタル電極
を出力端子に接続すると共に、前記インタディジタル電
極の両外側に少なくとも1組の反射器を配置してなる表
面弾性波共振子フィルタにおいて、インタディジタル電
極の総対数N1+N2を40対以上150対以下とし、かつ入力
用インタディジタル電極の総対数N2と出力用インタディ
ジタル電極の総対数N1との比を、1.4以上2.4以下とする
とともに、インタディジタル電極の電極指の最大交差幅
Wと通過中心周波数の表面波波長λとの比W/λを50以上
180以下の範囲に設定するようにしたので、インタディ
ジタル電極を3個以上設けてフィルタを構成しているた
め、設計の自由度が増大し、所望のフィルタ特性を得る
ため設計が容易になるとともに、インタディジタル電極
の総対数と対数比を所定の範囲内で選択するようにした
ため帯域内リップルを低減させることができ、また、イ
ンタディジタル電極の最大交差幅と入力インタディジタ
ル電極の対数を所定の範囲内で選択するようにしたた
め、入力インピーダンスを下げ挿入損失を減少させるこ
とができるとともに、影像インピーダンスと終端インピ
ーダンスとの整合がとりやすくなり、フィルタの帯域幅
を広くすることが可能となるという効果がある。また、
上記構成のフィルタは帯域外スプリアスレベルが低く帯
域外減衰量が大きいという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る表面弾性共振子フィルタの構成例
を示す説明図、 第2図は表面弾性共振子において出力端を短絡したとき
の入力インピーダンスZaと、出力端を開放にしたときの
入力インピーダンスZbのそれぞれの共振周波数および反
共振周波数と総対数との関係を示す図、 第3図はインタディジタル電極の総対数を100対、終端
インピーダンスを50Ωとしたときの周波数応答を表わす
図、 第4図はインタディジタル電極の総対数を固定し、イン
タディジタル電極の対数比を変えたときの入力インピー
ダンスZa,Zbのそれぞれの共振周波数と***振周波数を
示す図、 第5図は同じくインタディジタル電極の対数比を2.0と
した場合の周波数応答を表わす図、 第6図はインタディジタル電極の総対数とインタディジ
タル電極の対数比を固定して最大交差幅を変化させたと
きの影像インピーダンスの変化を表わす図、 第7図および第8図は本発明で提案した範囲内で各パラ
メータを具体的に設定して得られたデバイスの周波数応
答を示す図である。 1……圧電基板、2a,2b,3a,3b……インタディジタル電
極、4a,4b……反射器。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転X板Z伝搬リチウムテトラボレート基
    板上の表面弾性波伝搬方向に沿って、厚みhのアルミニ
    ウム膜からなる3個のインタディジタル電極を近接配置
    するとともに、その両外側に1組の反射器を配置した電
    極構造を上記表面弾性波伝搬方向と直交する方向に2個
    形成し、このうち第1の電極構造の中央のインタディジ
    タル電極を入力端子に、また第2の電極構造の中央のイ
    ンタディジタル電極を出力端子にそれぞれ接続し、第1
    の電極構造の両側のインタディジタル電極と第2の電極
    構造の両側のインタディジタル電極をその接続面に対し
    て対称となるように接続して、その電気的等価回路が対
    称格子回路で表せ、上記接続面で切断された場合の上記
    両側のインタディジタル電極の切断端同士を短絡したと
    きの入力端子における入力インピーダンスZaと開放した
    ときの入力インピーダンスZbのそれぞれ共振周波数及び
    ***振周波数を利用して通過帯域を形成するエネルギー
    閉じ込め型表面弾性波共振子フィルタにおいて、 上記第1及び第2電極構造におけるそれぞれの中央イン
    タディジタル電極の対数をN2、両側のインタディジタル
    電極の対数の和をN1とおいたとき、インタディジタル電
    極の総対数N1+N2を40対以上150対以下とし、かつ上記
    対数N1とN2との比N1/N2を1.4以上2.4以下とするととも
    に、上記インタディジタル電極の電極指の最大交差幅W
    と通過中心周波数の表面波波長λとの比W/λを50以上18
    0以下とし、上記アルミニウム膜の厚みhと通過中心周
    波数の表面波波長λとの比h/λを0.01から0.04の範囲に
    設定して、比帯域幅0.3%以上の通過帯域を形成するよ
    うにしたことを特徴とする表面弾性波共振子フィルタ。
  2. 【請求項2】45度回転X板Z伝搬リチウムテトラボレー
    ト基板を用いることを特徴とする請求項1記載の表面弾
    性波共振子フィルタ。
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