JP2745609B2 - 情報伝送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 以下の順序で本発明を説明する。

Ａ 産業上の利用分野 Ｂ 発明の概要 Ｃ 従来の技術 Ｄ 発明が解決しようとする課題 Ｅ 課題を解決するための手段 Ｆ 作用 Ｇ 実施例 G₁ 中央制御装置の説明 G₂ 端末装置の説明 G₃ アドレス設定時の動作の説明 Ｈ 発明の効果 Ａ 産業上の利用分野 本発明は、例えば航空機、列車、バス等の乗客用座席
毎に設けた端末装置に中央制御装置から映像信号等を伝
送するものに使用して好適な情報伝送装置に関する。

Ｂ 発明の概要 本発明は、例えば航空機、列車、バス等の乗客用座席
毎に設けた端末装置に中央制御装置から情報を伝送する
情報伝送装置において、端末装置を複数のゾーンに分
け、特定ゾーン内の端末装置にだけゾーンアドレスを使
用して中央制御装置より情報を伝送できるようにした場
合、中央制御装置より特定ゾーンの端末装置に指令信号
を伝送してこのグループの端末装置だけをゾーンアドレ
ス信号の取込み可能状態となし、その後ゾーンアドレス
信号を伝送してこの端末装置でゾーンアドレス信号の取
込みを行い、ゾーンアドレスを簡単な構成で自動的に設
定できるようにしたものである。

Ｃ 従来の技術 例えば、特開昭62-168794号公報には、航空機等の乗
物の乗客用座席にビデオディスプレイを個別に設けるこ
とが示されている。即ち、乗客用座席に端末装置として
のビデオディスプレイを個別に設けると共に、これらビ
デオディスプレイに中央制御装置から複数の映像信号を
並行して伝送し、各ビデオディスプレイ側では、信号の
１つを選択して表示するものである。

Ｄ 発明が解決しようとする課題 ところで、この各座席毎のビデオディスプレイには、
座席番号に対応した個別のアドレス付けがなされてお
り、中央制御装置側からアドレスを指定して選択的に所
望のビデオディスプレイ（端末装置）にだけ必要とする
信号を伝送するようにすることが提案されている。

この場合、夫々の座席に対応した個々のビデオディス
プレイに、夫々異なるアドレスが設定されたアドレス信
号発生器を設け、このアドレス信号発生器から得られる
アドレス信号を基にアドレス付けを行うのであるが、航
空機は近年大型化する傾向にあり、例えば500席以上も
ある航空機の各座席に対応したビデオディスプレイのア
ドレス信号発生器に、アドレス設定作業を行うことは非
常に手間がかかる不都合があった。

この不都合を解決するために本出願人は先に自動的に
アドレス設定が行われるこの種の情報伝送装置を各種提
案した。例えば、中央制御装置から所定の方法で順番に
夫々の端末装置にアドレス信号を供給し、アドレス付け
がなされた端末装置から中央制御装置にアドレス設定完
了信号を返答させ、設定されたアドレスを中央制御装置
で確認するものである。

このアドレス設定方法によると、自動的にアドレス付
けがなされ便利であるが、設定されたアドレスを確認す
るために各端末装置から中央制御装置への上り回線を必
要とし、中央制御装置側から各端末装置へ映像信号等を
伝送するたけの所謂下り回線だけで接続した比較的簡単
なシステムには適用できない不都合があった。

本発明は斯かる点に鑑み、上り回線のない場合にもア
ドレス設定が自動的に行われるこの種の情報伝送装置を
提供することを目的とする。

Ｅ 課題を解決するための手段 本発明の情報伝送装置は、例えば第１図に示す如く、
情報の送出を行う中央制御装置（１）と、この中央制御
装置（１）から送出される情報を受信できるように接続
され、ゾーン分けされた複数の端末装置（6a），（6b）
‥‥と、この複数の端末装置で構成される各ゾーン毎に
設けられて、そのゾーン内の端末装置のアドレス設定制
御が行え、中央制御装置（１）からの情報を受信できる
アドレス設定手段（7a），（7b）‥‥とを備え、特定の
ゾーンの端末装置に対してゾーンアドレス設定を行うと
き、この特定のゾーンのアドレス設定手段に中央制御装
置（１）から第１の状態のアドレス設定信号を送ると共
に、上記特定のゾーン以外のアドレス設定手段に中央制
御装置（１）から第２の状態のアドレス設定信号を送っ
た上で、中央制御装置（１）から設定されるアドレスデ
ータを送出し、第１の状態のアドレス設定信号が伝送さ
れたアドレス設定手段では、自ゾーン内の端末装置をゾ
ーンアドレス取込み可能状態とし、このとき伝送される
ゾーンアドレスを各端末装置で取込ませる制御を行い、
第２の状態のアドレス設定信号が伝送されたアドレス設
定手段では、自ゾーン内の端末装置をゾーンアドレス取
込み不可能状態としたものである。

Ｆ 作用 本発明に依ると、中央制御装置（１）からアドレス設
定手段（7a），（7b）‥‥へのアドレス設定信号の供給
と、各端末装置（6a），（6b）‥‥へのゾーンアドレス
信号の供給だけで、各ゾーン毎にアドレスが設定され、
各端末装置（6a），（6b）‥‥から中央制御装置（１）
側に信号を伝送することなくゾーンアドレスが自動的に
設定され、上り回線のない伝送装置にも適用できる。

Ｇ 実施例 以下、本発明の情報伝送装置の一実施例を、添付図面
を参照して説明しよう。

本例は航空機内で映像信号、音声信号等を伝送する伝
送装置に適用したものである。

G₁ 中央制御装置の説明 まず、中央制御装置を説明する。第１図において、
（１）は乗務員室等に設けられた中央制御装置を示し、
この中央制御装置（１）は、４台のビデオテープレコー
ダ（以下VTRと称す）を備える。即ち、映画等の主とし
て娯楽番組が記録されたテープカセットが装填される第
１、第２及び第３のVTR（11），（12）及び（13）と、
救命胴衣の着方等が記録されたテープカセットが装填さ
れるオーバーライド用のVTR（14）とを備える。また、
地図、飛行場案内図等の記録された静止画記録媒体（CD
ROM等）を再生する静止画送出機（15）と、空港内での
待ち時間中等に通常のテレビジョン放送を受信したり飛
行中に放送衛星よりのテレビジョン放送を受信するテレ
ビチューナ（16）と、コックピット内に取付けられ離着
陸の様子を撮影するビデオカメラ（17）と、乗客への案
内用のマイク（18）と、各VTR（11）〜（14）の再生制
御等の各機器の制御，各端末装置に供給する文字情報作
成等を行う機内管理用のマスターコントローラ（19）
と、このマスターコントローラ（19）に接続され後述す
る各種操作を指示するキーボード（20）と、マスターコ
ントローラ（19）に接続されこのマスターコントローラ
（19）での制御状態、各VTRの送出映像等を表示するモ
ニタ受像機（21）とを備える。之等の機器（11）〜（2
1）は、この中央制御装置（１）のシステムコントロー
ラ（10）に接続してあり、キーボード（20）からの操作
指令に応じてマスターコントローラ（19）からシステム
コントローラ（10）を介して各VTR（11）〜（14）、CD
ROM駆動装置（15）、テレビチューナ（16）及びビデオ
カメラ（17）にコントロール信号を供給し、このコント
ロール信号により各VTR（11）〜（14）からは再生によ
る映像信号及び音声信号が供給され、CD ROM駆動装置
（15）からは静止画の映像信号が供給され、テレビチュ
ーナ（16）からはテレビ放送信号（映像信号及び音声信
号）が供給され、ビデオカメラ（17）からは撮影した映
像信号が供給される。さらに、マスターコントローラ
（19）からは時刻データ，文字情報等がシステムコント
ローラ（10）に供給される。

また、この中央制御装置（１）には、７個のROMカー
トリッジを装着でき、本例の場合には夫々異なるテレビ
ゲームプログラムが記憶された７個のゲームROMカート
リッジ（23a），（23b）‥‥（23g）を装着する。そし
て、之等のROMカートリッジ（23a）〜（23g）から読み
出されたコンピュータプログラムデータは、後述するデ
ータ送出機（27）に供給される。

また、（24）はマスターコントローラ（19）に接続さ
れたフロッピーディスク駆動装置を示し、このフロッピ
ーディスク駆動装置（24）に装着されたフロッピーディ
スクに記憶された食事メニュー等のデータをマスターコ
ントローラ（19）を介してシステムコントローラ（10）
に供給すると共に、キーボード（20）の操作により新た
なデータの記憶或いは記憶されているデータの修正がで
きる。この記憶操作時や修正操作時には、モニタ受像機
（21）によりデータの確認ができるようにしてある。

また、（25）及び（26）はコンパクトディスクプレー
ヤ及びテープ再生装置を夫々３台（合計６台）備えてな
る音声再生機を示し、之等の音声再生機（25）及び（2
6）はシステムコントローラ（10）からのコントロール
信号の供給により６台から同時に６組のステレオ音声信
号（即ち12チャンネルの音声信号）の再生を行い、再生
した６組のステレオ音声信号を後述するCADAエンコーダ
（28）に供給する。

また、（27）はデータ送出機を示し、システムコント
ローラ（10）からのコントロール信号の供給により、RO
Mカートリッジ（23a）〜（23g）からテレビゲームプロ
グラム等のデータを読出し、この読出したデータに所定
処理をした後、CADAエンコーダ（28）に供給する。

また、（28）は従来周知のケーブル・ディジタルオー
ディオ／データ伝送システム（CADAシステム）で使用さ
れているCADAエンコーダである。CADAシステムとは、例
えば複数のディジタルオーディオを時分割多重し、CATV
の空いているテレビ１チャンネルの帯域（6MHz）を利用
して伝送するもので、音楽等を音質を損なわずに、極め
て効率よく伝送できるシステムである。CADAエンコーダ
（28）はA/D変換器及びシフトレジスタを備えて構成さ
れ、複数の音声信号をA/D変換器でデジタル信号に変換
し、そしてシフトレジスタの所定位置に夫々並列的に入
力すると共に、このシフトレジスタより直列的に高速で
出力することにより時分割多重がなされるように構成さ
れる。尚、デジタルオーディオだけでなく、コントロー
ルデータ、コンピュータプログラム用データ等の各種伝
送データも合せて多重化する。

そして、システムコントローラ（10）に供給される上
述の音声信号と食事メニュー等の文字情報やテレビゲー
ムプログラムデータ等のデータを、このCADAエンコーダ
（28）に供給し、この音声信号とデータとを時分割で多
重化して多重信号S_CAとして出力する。

この場合、上述のマスターコントローラ（19）から供
給される各種データは多重信号S_CA中の所定のデータビ
ットを使用して伝送される。この多重信号の信号フォー
マットを以下説明すると、この信号フォーマットは、特
願昭58-210356号及び特願昭59-170925号などにより提案
されている信号フォーマットを改良したものである。

すなわち、この多重信号は、第４図Ａに示すように、
多数のスーパーフレームからなるシリアル２値信号Stで
あるが、その１スーパーフレームは256個のフレームF1
〜F256により構成され、その１フレームは、第４図Ｂに
示すように、168ビットで構成されるとともに、周期が1
/32kHzである。そして、各フレームは、８ビットの動機
コードSYNCと、４ビットのサービスビットSBと、32ビッ
ト×４のデータパケットPCTA〜PCTDと、７ビット×４の
誤り訂正ビットECCとを順に有している。

この場合、同期キードSYNCは、第４図Ａに示すよう
に、スーパーフレームの先頭のフレームF1ではスーパー
フレームシンクSSとされ、続く255個のフレームF2〜F25
6ではフレームシンクFSとされ、スーパーフレームシン
クSSと、フレームシンクSSとではビットパターンが違え
られている。

また、サービスビットSBの詳細は後述するが、77フレ
ーム分を１単位とし、コマンドや座席番号などのデータ
を有する。

さらに、データパケットPCTA〜PCTDは、それぞれが32
ビットで構成されるとともに、互いに独立して４つのパ
ケットPCTA〜PCTDを構成しているものである。そして、
このパケットPCTA〜PCTDは、第４図Ｃに示すように、そ
れぞれが８ビットずつ４つのチャンネルM₁〜M₄に分割さ
れ、この各チャンネルM₁〜M₄が、オーディオ信号（音声
信号）を周波数32kHzでサンプリングしたPCM信号とされ
る。

したがって、１フレーム中には、４つのパケットPCTA
〜PCTDがあるとともに、各パケットが４つのチャンネル
M₁〜M₄を有するので、１つの信号Stにより全体として16
チャンネルのオーディオ信号を時分割式に同時に伝送で
きることになる。

また、ROMカートリッジ（23a）〜（23g）からのテレ
ビゲームプログラム等のデータは、ビット順次の時分割
信号とされ、この信号がそのまま16チャンネルの信号の
うちの１つとされるとともに、各プログラムないしデー
タは最後のビットまで送り出されると再び先頭にビット
から送り出される。

さらに、誤り訂正コードECCは、その７ビットずつが
パケットPCTA〜PCTDのそれぞれについて誤り訂正を行う
ものである。

そして、信号Stは以上のフォーマットであるから、そ
の伝送ビットレートは、 168ビット×32kHz5.4Mbps となり、その1/2がナイキスト周波数となるので、ビデ
オ信号の帯域幅があれば、その信号Stを伝送できること
になる。

したがって、上述のように、CADAエンコーダ（28）は
それぞれ16チャンネルのオーディオ信号を時分割多重化
でき、その時分割多重信号は他のビデオ信号とともに、
周波数多重化できることになる。

また、サービスビットSBは、例えば第５図に示すフォ
ーマットで使用される。すなわち、サービスビットSBは
１フレームにつき４ビットであるが、その４ビットを順
にビットB₁〜B₄とする。そして、第５図Ａに模型的に示
すように、連続する77フレームを１組とし、その77フレ
ームをフレーム単位で縦に並べると、サービスビット
は、縦77ビット×横４ビットの大きさになる。

そこで、第５図Ｂに示すように、サービスビットSBを
縦方向に取り出し、その77ビットを１チャンネルとする
と、ビットB₁の77個により第１のチャンネルCHNAが形成
され、同様にビットB₂〜B₄の各77個により第２〜第４の
チャンネルCHNB〜CHNDが形成される。

そして、第５図Ｂに示すように、チャンネルCHNA〜CH
NDのそれぞれは、順に11ビットずつ７つのワードWRDA〜
WRDGに区切られ、第５図Ｃに示すように、各ワードにお
いて、先頭の１ビットが“0"レベルのスタートビットST
RTとされ、続く８ビットがデータビットDTBTとされると
ともに、次の１ビットがパリティビットPRTYとされ、最
後の１ビットが“0"レベルのストップビットSTOPとされ
る。

そして、データビットDTBTであるが、チャンネルCHNA
〜CHNDのそれぞれにおいて、データビットDTBTは１ワー
ドにつき１個あり、ワードは77フレームにつき７個ある
ので、データビットDTBTは77フレームにつき７個（７バ
イト）であることになり、したがって、全体としてデー
タビットDTBTは８バイト×４チャンネル分あることにな
る。

そして、このデータビットDTBTのうち、第２チャンネ
ルCHNBのデータビットDTBTは、第５図Ｄに示すように、
第１バイトが所定のビットパターン（16進値で“AA"）
のヘッダHDERとれ、第２バイトがコマンドCMDとされ、
最多で、256種類の命令の識別に使用される。さらに、
第３及び第４バイトが座席番号（末端装置のアドレス）
を示すアドレスADRSとされ、第５及び第６バイトがコマ
ンドCMDに付随するデータないしパラメータを示すステ
ータス情報STTSとされ、最終バイトがエラーチェックコ
ードECCとされる。

したがって、このチャンネルCHNBのデータビットDTBT
により、送信する端末装置を特定したり、さらに、所定
の動作の制御を行うことができる。

この場合、本例においてはこのデータビットDTBTによ
り、後述する各端末装置（6a），（6b）‥‥のアドレス
設定指定を伝送できるようにしてある。即ち、このアド
レス設定時には、データビットDTBTのコマンドCMDがア
ドレス設定命令とされ、アドレスADRSが設定するアドレ
ス番号とされる。このアドレス番号は、本例においては
客室内のゾーン毎に共通の番号を設定する。即ち、ファ
ーストクラスのゾーンと、ビジネスクラスのゾーンと、
エコノミークラスのゾーンとの３ゾーンに分け、各ゾー
ン内の端末装置（6a），（6b）‥‥に同一のアドレス番
号を設定し、ゾーンアドレス付けができるようにしてあ
る。

そして、この多重信号S_CAを変調器（29）に供給し、
所定のチャンネルの帯域の信号に変調して出力する。ま
た、システムコントローラ（10）に供給される第１〜第
３のVTR（11）〜（13）、テレビチューナ（16）及びビ
デオカメラ（17）からの映像信号を、夫々変調器（29）
に供給し、夫々別のチャンネルの帯域の信号に変調して
出力する。また、オーバーライド用VTR（14）からの映
像信号は、第１のVTR（11）からの映像信号と同じチャ
ンネルの信号に変調するようにしてあり、オーバーライ
ド用VTR（14）を再生中にはマスターコントローラ（1
9）の制御により第１のVTR（11）をポーズ状態とするよ
うにしてある。

そして、この変調器（29）が出力する夫々別のチャン
ネルの多重信号S_CA及び映像信号を、周波数多重された
伝送信号S_MFとして、ゾーン毎に張り巡らされた同軸ケ
ーブル（２）の一端に供給する。

また本例においては、マスターコントローラ（19）か
ら後述する各ゾーンの端末装置（6a），（6b）‥‥毎に
アドレス設定用２値信号を送出するようにしてあり、こ
のゾーン毎の２値信号がシステムコントローラ（10）を
介して変調器（29）に供給され、変調器（29）から同軸
ケーブル（２）と平行してゾーン毎に張り巡らされた信
号線の一端にこの２値信号を供給する。

G₂ 端末装置の説明 次に、端末側の構成について説明する。中央制御装置
（２）より各ゾーンA,B,C毎に引き出された同軸ケーブ
ル（２）は、第１図及び第２図に示す如く、夫々別の増
幅器（31a），（31b），（31c）を介して各ゾーンA,B,C
の客室の床下に達する。そして各ゾーンA,B,C内では、
分配器（32）により座席の配列状態に応じて同軸ケーブ
ル（２）を複数本に分配する。この場合、上述のアドレ
ス設定用２値信号を伝送する信号線も、増幅器（31
a），（31b），（31c）を介して分配器（32）に接続
し、増幅及び分配を行う。そして、分配された夫々の同
軸ケーブル（２）に分岐器（33a），（33b），（33c）
‥‥を直列に接続し、各分岐器（33a），（33b），（33
c）‥‥より各座席の端末装置（6a），（6b），（6c）
‥‥に伝送信号を供給する。

この場合、各乗客用の座席は例えば１組の座席ユニッ
ト（９）で３人分の座席（9a），（9b），（9c）が設け
てあり、この座席ユニット（９）が後述する如く航空機
内に所定の状態で配列してある。そして、夫々の座席ユ
ニット（９）の各座席（9a），（9b），（9c）毎に端末
装置（6a），（6b），（6c）‥‥を設ける。そして、１
組の座席ユニット（９）に設けられた３個の端末装置
（例えば（6a），（6b），（6c））は、同一の分岐器
（例えば（33a））より分岐した伝送信号を受信する。

この端末装置（6a），（6b），（6c）‥‥は、第２図
に示す如く各乗客用座席（9a），（9b），（9c）の背面
に設置され、第１図においては１個の端末装置（6a）に
ついてのみ詳細を示すが、他の端末装置（6b），（6c）
‥‥も同じ構成である。この端末装置（6a）は、分岐器
（33a）で分岐された伝送信号S_MFをTVチューナ（61）と
CADAチューナ（62）とに供給し、TVチューナ（61）では
中央制御装置（１）からリーキーケーブル（２）に送出
された複数チャンネルの信号の内、映像信号が伝送され
る所定のチャンネルを後述する選局情報に基づいて選択
して復調し、復調した映像信号をモニタ受像機（63）に
供給し、映像信号の受像を行う。また、パーソナルコン
ピュータ（65）からTVチューナ（61）に供給される信号
により、地図等の図形や文字がこのモニタ受像機（63）
に表示される。

また、CADAチューナ（62）は、中央制御装置（１）か
ら同軸ケーブル（２）に送出された複数チャンネルの信
号の内、音声信号とデータとを多重化した多重信号S_CA
が伝送されるチャンネルの信号を復調し、復調信号をCA
DAデコーダ（64）に供給する。また、復調信号に選局情
報が含まれるときには、この選局情報をTVチューナ（6
1）に供給する。そして、このCADAデコーダ（64）は、
後述する端末装置（6a）の操作キー（67）の操作に応じ
て、多重信号S_CAより所望のデータ（又は音声信号）を
取り出し、この取り出したデータをパーソナルコンピュ
ータ（65）又は端末側コントローラ（66）に供給する。
このパーソナルコンピュータ（65）には、メモリ（65
a）が接続してある。そして、操作キー（67）が端末側
コントローラ（66）に接続してあり、操作キー（67）か
らの操作指令がコントローラ（66）に供給される。ま
た、この端末側コントローラ（66）には、夫々端子（66
a）及び（66b）を介してヘッドホン（68）及びジョイス
ティック（69）が接続できるようにしてある。

また、１組の座席ユニット（９）毎に１個のIDユニッ
ト（7a），（7b）‥‥が設置してあり、各ゾーン内の各
IDユニット（7a），（7b）‥‥はアドレス設定用２値信
号を伝送する信号線により直列に接続してある。このと
きの接続順序は、例えば同軸ケーブル（２）による分岐
器（33a），（33b），（33c）‥‥の接続順序と同様と
する。この各IDユニット（7a），（7b）‥‥は後述する
方法にて設定されたゾーンアドレスを記憶し、各IDユニ
ット（7a），（7b）‥‥から対応した端末装置（6a），
（6b），（6c）‥‥のCADAデコーダ（64）にこの記憶し
たゾーンアドレス信号を供給する。例えば、IDユニット
（7a）は、端末装置（6a），（6b），（6c）にゾーンア
ドレス信号を供給する。また、各IDユニット（7a），
（7b）‥‥は接続したいずれかの端末装置（例えば端末
装置（6a），（6b），（6c）‥‥）のCADAデコーダ（6
4）から多重信号S_CA中のデータビットDTBTを使用して伝
送されるアドレス設定信号が供給される如くしてある。
そして、各IDユニット（7a），（7b）‥‥は、中央制御
装置（１）側より上述の信号線を介して供給されるアド
レス設定用２値信号が、ローレベル信号“0"であるとき
に、このCADAデコーダ（64）から供給されるアドレス設
定信号により示されるゾーンアドレスを記憶する如くし
てある。また、アドレス設定用２値信号がハイレベル信
号“1"であるときに、CADAデコーダ（64）からアドレス
設定信号が供給されても、このときに送信されるアドレ
スは記憶しないようにしてある。

そして、夫々の末端装置（6a），（6b），（6c）‥‥
のパーソナルコンピュータ（65）は、IDユニット（7
a），（7b）‥‥より供給されるゾーンアドレスデータ
をメモリ（65a）に記憶させている。

次に、端末装置（6a）のパネル面の構成例を第３図に
示すと、液晶ディスプレイを使用したモニタ受像機（6
3）が左側に配置してあり、右側には操作キー（67）が
配置してある。この操作キー（67）は、チャンネル表示
器（67a）と、チャンネルアップキー（67b）と、チャン
ネルダウンキー（67c）と、ゲーム選択キー（67d）と、
テレビ選択キー（67e）と、エンターキー（67g）と、オ
ーディオ選択キー（67h）と、音量アップキー（67i）
と、音量ダウンキー（67j）と、モニタオンキー（67k）
とを備える。この場合、チャンネル表示器（67a）は、
上位桁表示部（67a₁）と下位桁表示部（67a₂）とよりな
り、夫々の表示部（67a₁），（67a₂）は７セグメントで
数字もしくは一部のアルファベットを表示できる。

そして、例えばテレビ選択キー（67e）を押した後、
チャンネルアップキー（67b）又はチャンネルダウンキ
ー（67c）を押すことにより、モニタ受像機（63）で受
像させる映像信号のチャンネルを所望のものに順次切換
えることができる。同様にしてゲーム選択キー（67
d）、又はオーディオ選択キー（67h）を押した後、チャ
ンネルアップキー（67b）又はチャンネルダウンキー（6
7c）を押すことにより、モニタ受像機（63）で実行する
テレビゲームの選択又はヘッドホン（68）に聞くオーデ
ィオ信号の選択ができる。

G₃ アドレス設定時の動作の説明 次に、各端末装置（6a），（6b）‥‥にゾーンアドレ
スを設定する際の動作について説明する。このアドレス
設定は、この飛行機の製造時に座席を配置したとき及び
座席の交換を行ったとき等に行うものである。そして、
このアドレス設定を行うときには、まず中央制御装置
（１）のマスターコントローラ（19）に予め記憶された
アドレス設定情報に基づいて行う。このアドレス設定情
報には、飛行機の客室のゾーン分け情報（ファーストク
ラス，ビジネスクラス、エコノミークラスの区別）が含
まれ、本例においては各座席ユニット（９）毎に設けら
れたIDユニット（7a），（7b）‥‥にゾーンアドレスを
設定する。この場合、例えばエコノミークラスをゾーン
Ａ、ビジネスクラスをゾーンＢ、ファーストクラスをゾ
ーンＣとし、第１図及び第２図はゾーンＡのエコノミー
クラスの詳細を示している。

そして、例えばこのゾーンＡのエコノミークラスの客
室内のIDユニット（7a），（7b）‥‥にエコノミークラ
スであることを示すゾーン−アドレスを設定することを
考えると、中央制御装置（１）のマスターコントローラ
（19）が、ゾーンＡのアドレス設定用２値信号線にロー
レベル信号“0"を伝送するように指令を出し、他のゾー
ンB,Cのアドレス設定用２値信号線にハイレベル信号
“1"を伝送するように指令を出す。この指令により、シ
ステムコントローラ（10）から変調器（29）を介して、
所定の信号線からローレベル信号“0"が送出され、増幅
器（31a）及び分配器（32）を介してゾーンＡ内のIDユ
ニット（7a），（7b）‥‥にこのローレベル信号“0"が
供給されると共に、同様にしてゾーンB,C内のIDユニッ
ト（図示せず）にハイレベル信号“1"が供給される。こ
のとき、マスターコントローラ（19）は、システムコン
トローラ（10）を介してCADAエンコーダ（28）に、エコ
ノミークラスのアドレス設定指令を供給する。この指令
の供給により、CADAエンコーダ（28）は第５図Ｄに示し
た如きデータビットDTBTを使用してエコノミークラスの
アドレス設定信号を作成し、変調器（29）から同軸ケー
ブル（２）を介して全てのゾーンの端末装置（6a），
（6b）‥‥にこのデータビットDTBTを含む多重信号を送
出する。このときのデータビットDTBTは、コマンドCMD
がアドレス設定命令とされ、アドレスADSRがエコノミー
クラスのゾーン番号とされる。

このデータビットDTBTを含む多重信号が各端末装置
（6a），（6b）‥‥に供給されることで、夫々の端末装
置（6a），（6b）‥‥のCADAデコーダ（64）はこのアド
レス設定指令を含むデータビットDTBTを復調し、IDユニ
ット（7a），（7b）‥‥にアドレス信号を供給するよう
に設定された所定の端末装置（6a），（6d），（6g）‥
‥が復調したアドレス設定指令を、対応したIDユニット
（7a），（7b）‥‥に供給する。このとき、ゾーンＡ内
のIDユニット（7a），（7b）‥‥にだけ、アドレス設定
用２値信号としてローレベル信号“0"が供給されている
ので、このゾーンＡ内のIDユニット（7a），（7b）‥‥
だけがCADAデコーダ（64）からのアドレス設定指令で示
されるゾーンアドレス、即ち、エコノミークラスのゾー
ンアドレスを記憶する。そして、他のゾーンB,C内のID
ユニットにも同様にCADAデコーダ（64）からアドレス設
定指令が供給されるが、アドレス設定用２値信号として
ハイレベル信号“1"が供給されているので、このゾーン
B,C内のIDユニットではアドレスの記憶が行われない。

そして、ゾーンＡ内の座席ユニット（９）に設置され
たIDユニット（7a），（7b）‥‥にエコノミークラスの
ゾーンアドレスが記憶され、このゾーンＡ内の座席ユニ
ット（９）の各端末装置（6a），（6b）‥‥のパーソナ
ルコンピュータ（65）に、このエコノミークラスのゾー
ンアドレスが取込まれる。

また、他のゾーンB,CのIDユニットにゾーンアドレス
を記憶させるときも同様にして、ゾーンＢ又はゾーンＣ
に供給するアドレス設定用２値信号だけをローレベル信
号“0"にした後、該当するクラスのゾーンアドレス設定
情報を含む多重信号をCADAエンコーダ（28）から送出す
る。そして、このゾーンＢ又はゾーンＣ内のIDユニット
にビジネスクラスのゾーンアドレス又はファーストクラ
スのゾーンアドレスを記憶させ、夫々のIDユニットに接
続された端末装置（6a），（6b）‥‥のパーソナルコン
ピュータ（65）に、ビジネスクラスのゾーンアドレス又
はファーストクラスのゾーンアドレスを記憶させる。

このようにして各端末装置（6a），（6b）‥‥に設置
されたゾーンのアドレスが自動的に取込まれるため、こ
の飛行機のフライト時には、CADAエンコーダ（28）から
送出する信号のデータビットDTBTのアドレスADRSでゾー
ンアドレスを指定することで、対応したゾーン（クラ
ス）内の乗客（端末装置）だけを対象にした各種サービ
スが行える。例えば、データビットDTBTで特定の映像チ
ャンネルの受信可能情報を、ファーストクラスのゾーン
アドレスを付加して伝送すると、ファーストクラスのゾ
ーンアドレスが記憶された端末装置だけでこの特定の映
像チャンネルの選局ができるようになり、ファーストク
ラスだけの乗客を対象にしたサービスが可能になる。

このように本例の情報伝送装置によると、中央制御装
置（１）から各端末装置（6a），（6b）‥‥側への片方
向の情報信号の伝送だけで、ゾーン毎にアドレスが自動
的に設定され、上り回線のない比較的簡単なシステムで
も自動的にゾーンアドレスが設定される利益がある。

なお、上述実施例においては、旅客機を例にとって説
明したが、多数の相手にサービスを行う場合であれば、
列車、バスなどの乗物、あるいは劇場や競技場などにも
適用できる。

さらにまた、本発明は上述実施例に限らず本発明の要
旨を逸脱することなく、その他種々の構成が取り得るこ
とは勿論である。

Ｈ 発明の効果 本発明の情報伝送装置によると、端末装置から中央制
御装置への上り回線のない比較的簡単なシステムの場合
にも、ゾーン毎にアドレスを自動的に設定させることが
できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の情報伝送装置の一実施例を示す構成
図、第２図は一実施例の配置状態を示す斜視図、第３図
は一実施例の端末装置を示す正面図、第４図及び第５図
は夫々一実施例の説明に供する線図である。 （１）は中央制御装置、（２）は同軸ケーブル、（6
a），（6b），（6c）‥‥は端末装置、（7a），（7
b），（7c）はIDユニット、（10）はシステムコントロ
ーラ、（11）は第１のVTR、（12）は第２のVTR、（13）
は第３のVTR、（14）はオーバーライド用VTR、（15）は
静止画送出機、（16）はテレビチューナ、（17）はビデ
オカメラ、（18）はマイク、（19）はマスターコントロ
ーラ、（20）はキーボード、（21）はモニタ受像機、
（23a）〜（23g）はROMカートリッジ、（24）はフロッ
ピーディスク駆動装置、（25）,26）は音声再生機、（2
8）はCADAエンコーダ、（29）は変調機、（31a），（31
b），（31c）‥‥は増幅器、（32）は分配器、（33
a），（33b），（33c）‥‥は分岐器、（61）はTVチュ
ーナ、（62）はCADAチューナ、（63）はモニタ受像機、
（64）はCADAデコーダ、（65）はパーソナルコンピュー
タ、（65a）はメモリ、（66）は端末側コントローラ、
（67）は操作キー、（69）はジョイスティックである。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】情報の送出を行う中央制御装置と、 該中央制御装置から送出される情報を受信できるように
   接続され、ゾーン分けされた複数の端末装置と、 該複数の端末装置で構成される各ゾーン毎に設けられ
   て、そのゾーン内の端末装置のアドレス設定制御が行
   え、上記中央制御装置からの情報を受信できるアドレス
   設定手段とを備え、 特定のゾーンの端末装置に対してゾーンアドレス設定を
   行うとき、この特定のゾーンの上記アドレス設定手段に
   上記中央制御装置から第１の状態のアドレス設定信号を
   送ると共に、上記特定のゾーン以外の上記アドレス設定
   手段に上記中央制御装置から第２の状態のアドレス設定
   信号を送った上で、上記中央制御装置から設定させるア
   ドレスデータを送出し、 上記第１の状態のアドレス設定信号が伝送されたアドレ
   ス設定手段では、自ゾーン内の端末装置をゾーンアドレ
   ス取込み可能状態とし、このとき伝送されるゾーンアド
   レスを各端末装置で取込ませる制御を行い、 上記第２の状態のアドレス設定信号が伝送されたアドレ
   ス設定手段では、自ゾーン内の端末装置をゾーンアドレ
   ス取込み不可能状態とした 情報伝送装置。