JP2744281B2 - 樹脂組成物および多層構造体 - Google Patents

樹脂組成物および多層構造体

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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、加熱延伸、特に加熱高速延伸操作時ピンホ
ール、クラツク、局所的偏肉などがなく、しかも透明性
およびガスバリアー性に優れた、エチレン−ビニルアル
コール共重合体(以下EVOHと記す)樹脂組成物、および
それを用いた多層構造体、とくに加熱延伸、さらには加
熱高速延伸多層構造体に関する。
B.従来の技術 EVOHは、今日、食品等の包装用フイルム、特に酸素、
臭気、フレイバー等に対するバリアー性が必要な食品、
保香性を必要とする他の製品などに対する使用を目的と
する分野において、有効性が認められている。そして、
EVOHは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の熱
可塑性樹脂層と、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル
共重合体などで代表される各種接着性樹脂層を積層して
なる多層構造体の形で用いられる。
ところで、各種方法で製造した多層構造体(フイル
ム、シート、パリソンなど)を容器などに二次加工する
場合、特にEVOHの融点以下で延伸成形を行う場合、EVOH
層に小さなボイド、クラツク、局所的偏肉などが多発
し、その結果、成形容器の酸素バリアー性が大巾に悪化
する。また、とくに、最近外見、透明性が重要視される
傾向にあり、食品等の容器として使用に耐えない状況に
あつた。
そこで従来から、加熱延伸時に発生するEVOH層のピン
ホール、クラツクなどを防止する目的で、EVOH層に各種
可塑剤の添加(特開昭53−88067、特開昭59−20345)、
ポリアミド系樹脂のブレンド(特開昭52−141785、特開
昭58−36412)等が検討されてはいるが、いずれの場合
も、下記の点で十分満足すべきものではない事が判明し
た。すなわち、各種可塑剤の添加系においては、加熱延
伸特性を充分改善する為には、可塑剤をEVOH100重量部
に対して、10〜20重量部添加する必要があり、ガスバリ
アー性の大巾な低下、EVOH層との層間接着強度の低下な
どの多くの問題があり使用に耐えない。
一方、ポリアミド系樹脂の添加系においては、EVOHと
の化学反応性が大きい為か、成形物に多数のゲル状物の
存在、顕著な着色などの為、使用に耐えない。また、ゲ
ル着色が比較的少ないポリアミド系樹脂の添加系におい
ては、EVOHとポリアミドとの相溶性が十分でない為か、
見掛け上、良好な容器が得られるが、特に、加熱高速延
伸成形時微少なピンホールが存在するためか、ガスバリ
アー性の測定値のバラツキが大きく、ガスバリアー性容
器としての信頼性がなく、使用に耐えなかつた。しかし
ながら、最近EVOHに非晶質のガスバリアー性ナイロンた
とえば、ヘキサメチレンジアミン−イソ/テレフタール
アミドなどをブレンドし加熱延伸時に発生するEVOH層の
ピンホール、クラツクなどを防止する試みも行われては
いるが、微少なピンホールが存在するためか、透明性お
よびガスバリアー性容器としての信頼性がなく、使用に
耐えない。
それゆえ、透明性、高ガスバリアー性、及びガスバリ
アー性容器としての信頼性(バラツキ)が良好である。
すなわち、加熱高速延伸成形時、EVOH層に微少なピンホ
ール、クラツク、偏肉などが生じない。EVOHの開発が重
要な課題の一つである。
C.発明が解決しようとする課題 本発明は、EVOHの優れたガスバリアー性をそこなうこ
となく、かつEVOH多層構造体を容器などに二次加工する
場合に生じるEVOH層のクラツク、ピンホール、局所的偏
肉などの発生を防止し、透明性、高ガスバリアー性、及
び信頼性の高いガスバリアー性を有するEVOH樹脂組成
物、およびそれを用いた多層構造体、とくに加熱延伸多
層構造体を提供するものである。
D.課題を解決するための手段 前記課題は、エチレン含有量20〜60モル%、ビニルシ
ラン系化合物含有量0.0001〜0.5モル%、のEVOH(A)6
0〜95重量%および非晶性ポリアミド(B)40〜5重量
%からなる、EVOH樹脂組成物を用いる事によつて解決さ
れる。
本発明者らは、種々の可塑剤、ポリマー等をEVOHにブ
レンドし、接着性樹脂、熱可塑性樹脂を配してなる各種
多層シートを作製し、再加熱、延伸操作によて、カツ
プ、ボトルを得、該容器の外観及びガスバリアー性の測
定を行つた。その結果、EVOH(A)60〜95重量%に、非
晶性ポリアミド(B)(ヘキサメチレンジアミン−イソ
フタール酸/テレフタール酸重縮合体など)40〜5重量
%をブレンドした樹脂組成物を用いた多層シートを加熱
高速延伸した場合、一見、EVOH層のクラツク、ピンホー
ル、局所的偏肉などの発生の無い良好な成形物が得られ
るように見受けられた。しかしながら、とくに低温度熱
成形(120〜130℃)容器の透明性が悪く、かつ局部的な
白化、濁りが目立つこと、さらにはガスバリアー性の測
定値のバラツキが大きく、使用上問題であつた。そこ
で、本発明者らは鋭意検討した結果、驚くべき事にEVOH
として、エチレン含有量20〜60モル%、ビニルシラン系
化合物含有量0.0001〜0.5モル%のEVOH(A)を用いた
場合、成形性が良好なだけでなく、透明性、ガスバリア
ー性は悪化もほとんどなく、さらに、ガスバリアー測定
値のバラツキが少なく信頼性の高い、高ガスバリアー性
容器が得られる事を見出した。
本発明において、EVOH(A)とは、エチレン−酢酸ビ
ニル−ビニルシラン化合物共重合体のけん化物であり、
エチレン含有量20〜60モル%、好適には25〜50モル%、
ビニルシラン系化合物の含有量が0.0001〜0.5モル%、
好適には0.001〜0.2モル%、さらに酢酸ビニル成分のけ
ん化度が90%以上、好適には95%以上の物が使用でき
る。エチレン含有量20モル%未満では溶融成形性が悪
く、一方60モル%以上では、ガスバリアー性が不足す
る。また、けん化度が90%未満では、ガスバリアー性お
よび熱安定性が悪くなる。さらに、ビニルシラン系化合
物の含有量が0.0001モル%未満の場合熱成形性、容器の
透明性、ガスバリアー性の信頼性などの改善効果が十分
でない、またビニルシラン系化合物の含有量が0.5モル
%を越えると、ゲル、ブツなどが多発し熱成形容器の外
観が悪化するだけでなく、ガスバリアー性の信頼性も低
下する。ところで、ビニルシラン系化合物としては、下
記(I),(II)および(III)で示される化合物が好
適である。
[ただし、ここでnは0〜1、mは0〜2、R1は低級ア
ルキル基、アリル(aryl)基、またはアリル基を有する
低級アルキル基、R2は炭素数1〜40のアルコキシル基で
あり、そのアルコキシル基は酸素を含有する置換基を有
していてもよい。R3は水素またはメチル基、R4は水素原
子または低級アルキル基、R5はアルキル基または連鎖炭
素原子が酸素もしくは窒素にとつて相互に結合された2
価の有機残基、R6は水素、ハロゲン、低級アルキル基、
アリル基、またはアリル基を有する低級アルキル基、R7
はアルコキシル基またはアシロキシル基(ここでアルコ
キシル基またはアシロキシル基は酸素もしくは窒素を含
有する置換基を有していてもよい。)、R8は水素、ハロ
ゲン、低級アルキル基、アリル基、またはアリル基を有
する低級アルキル基、R9は低級アルキル基である。]さ
らに詳しく述べれば、R1は炭素数1〜5の低級アルキル
基、炭素数6〜18のアリル基、または炭素数6〜18のア
リル基を有する炭素数1〜5の低級アリル基、R4は水素
原子または炭素数1〜5の低級アルキル基を示し、R5
炭素数1〜5のアルキル基または連鎖炭素原子が酸素も
しくは窒素にとつて相互に結合された2価の有機残基を
示し、R6は水素、ハロゲン、炭素数1〜5の低級アルキ
ル基、炭素数6〜18のアリル基、または炭素数6〜18の
アリル基を有する炭素数1〜5の低級アルキル基を示
し、R7はアルコキシル基またはアシロキシル基(ここで
アルコキシル基またはアシロキシル基は酸素もしくは窒
素を含有する置換基を有していてもよい。)、R8は水
素、ハロゲン、炭素数1〜5の低級アルキル基、炭素数
6〜18のアリル基、または炭素数6〜18のアリル基を有
する炭素数1〜5の低級アルキル基を示し、R9は炭素数
1〜5の低級アルキル基を示す。ビニルシラン化合物
(I)、(II)、(III)の具体的な化合物名として
は、たとえばビニルメトキシシラン、ビニルメトキシシ
ラン、ビニルトリ(β−メトキシ、エトキシ)シラン、
γ−メタクリルオキシプロピルメトキシシランが挙げら
れる。なかでも、ビニルメトキシシラン、ビニルエトキ
シシランが好適に用いられる。
また、該EVOH(A)には本発明の目的が阻害されない
範囲で、他の共単量体[例えば、プロピレン、ブチレ
ン、不飽和カルボン酸又はそのエステル{(メタ)アク
リル酸、(メタ)アクリル酸エステル(メチル、エチ
ル)など}、ビニルピロリドン(N−ビニルピロリドン
など)]を共重合体することも出来る。
本発明において、非晶質ポリアミドとは、DSC測定に
おいて、実質上吸熱結晶融解ピークを有さないもので、
主として、脂肪族ジアミンおよび芳香族ジカルボン酸の
重縮合体である。脂肪族ジアミンとしては、たとえばヘ
キサメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチ
レンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジア
ミン、2−メチルペンタンメチレンジアミン、ビス−
(4−アミノヘキシル)−メタン、2,2−ビス−(4−
アミノヘキシル)−イソプロピリジン、1,4−(1,3)−
ジアミノシクロヘキサン、1,5−ジアミノペンタン、1,4
−ジアミノブタン、1,3−ジアミノプロパン、および2
−エチルジアミノブタンなどが挙げられる。これらのジ
アミンは、一種またはそれ以上を同時に用いることがで
きる。なかでも、ヘキサメチレンジアミン、2−メチル
ペンタンメチレンジアミン、1,5−ジアミノペンタン、
1,4−ジアミノブタン、および1,3−ジアミノプロパンが
好適に用いられる。
芳香族ジカルボン酸としては、たとえばイソフタール
酸、テレフタール酸、アルキル置換イソフタール酸、ア
ルキル置換テレフタール酸、ナフタレンジカルボン酸、
ジフエニルエーテルジカルボン酸などが挙げられる。こ
れらのジカルボン酸は、一種またはそれ以上を同時に用
いることができる。なかでも、イソフタール酸、テレフ
タール酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフエニルエーテ
ルジカルボン酸などが熱成形性、透明性、およびガスバ
リアー性などの面で好適である。
そして、非晶質ポリアミドの例としては、ヘキサメチ
レンジアミン−イソフタール酸の重縮合体、ヘキサメチ
レンジアミン−イソフタール酸/テレフタール酸の重縮
合体、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンおよ
び2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン−テレフ
タール酸の重縮合体などが挙げられる。なかでもイソフ
タール酸/テレフタール酸のモル比が60/40〜95/5、さ
らには、65/35〜90/10の範囲にあるヘキサメチレンジア
ミン−イソフタール酸/テレフタル酸の重縮合体が好適
である。
EVOH(A)への該非晶性ポリアミド(B)の添加量に
関しては、(A)または(A′)と(B)の合計量に対
して、5〜40重量%、好適には7〜35重量%である。添
加量が5重量%未満では成形性の改善効果が十分でな
く、クラツク、ムラが発生しやすい。一方、40重量%こ
えるとガスバリアー性が大巾に低下し、高ガスバリアー
容器としては使用に耐えない。
EVOH(A)の190℃、2160g荷重下における溶融粘性指
数[MI(A)]は0.1〜50g/10min、好適には、0.3〜30g
/10min.である。また、該非晶性ポリアミド(B)の溶
融粘性指数[MI(B)]は0.01〜50g/10min.好適には、
0.05〜20g/10min.である。そして、MI(A)/MI(B)
の比が0.1以上、さらには1以上が好適である。0.1未満
の場合、熱成形時透明性の低下、あるいはガスバリアー
性のバラツキが大きくなり使用に耐えない場合がある。
そして、EVOH(A)と非晶性ポリアミド(B)とのブレ
ンド組成物の溶融粘性指数(MI)に関しては、0.1〜50g
/10min.好適には、0.2〜25g/10min.である。組成物の溶
融粘性指数が0.1g/10min.未満、あるいは50g/10min.以
上の場合、多層構成体製造時EVOH組成物層の厚みムラの
ためか、外観良好な成形物が得られない場合がある。な
お、上記溶融粘性指数[MI(A)、MI(B)]は、融点
が190℃付近あるいは190℃を越えるものは2160g荷重
下、融点以上の複数の温度で測定し、片対数グラフで絶
対温度の逆数を横軸、溶融粘性指数を縦軸(対数)とし
てプロットし、190℃に外挿した値である。
EVOHと該非晶性ポリアミドとをブレンドする方法に関
しては、特に限定されるものではないが、EVOHと該非晶
性ポリアミドとをドライブレンドしてそのまま使用す
る、あるいはより好適にはバンバリーミキサー、単軸ま
たは二軸スクリユー押出し機などでペレツト化、乾燥す
る方法等がある。ブレンドが不均一であつたり、またブ
レンドペレツト化操作時にゲル、ブツの発生、混入があ
ると加熱延伸成形時EVOH組成物層の破れ、クラツク、ム
ラが発生する可能性が大きい。従つて、ブレンドペレツ
ト化操作時混練度の高い押出機を使用し、ホツパー口を
窒素シールし、低温で押出しする事が望ましい。また、
ブレンド、ペレツト化する際、他の添加剤(可塑剤、熱
安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フイラ
ー、他の樹脂など)を本発明の目的が阻害されない範囲
で使用する事は自由である。特に、ゲル発生防止対策と
して、ハイドロタルサイト系化合物、ヒンダードフエノ
ール系、ヒンダードアミン系熱安定剤、高級脂肪族カル
ボン酸の金属塩(たとえば、ステアリン酸カルシユウム
など)の一種または二種以上を0.01〜1重量%添加する
事は好適である。
次に、本発明のEVOH組成物を、多層構造体、とくに加
熱延伸多層構造体に使用する場合について説明する。本
発明のEVOH組成物からなる層の少なくとも片面に積層す
る熱可塑性樹脂とは、下記の温度で延伸成形可能な樹脂
であれば良く、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系
樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、熱可
塑性ポリエステル系樹脂などが好適なものとして挙げら
れる。
X−10℃≧Y≧X−110℃ 但し、XはEVOHの融点{DSC(スキャニングスピード1
0℃/min.)で測定した最大吸熱ピーク温度}を、またY
は加熱延伸温度℃を示す。Yが(X−10)℃より高い場
合は、加熱延伸成形時EVOHが軟化、融解する為添加剤を
加え無くても成形が可能である。一方、Yが(X−11
0)℃より低い場合、熱可塑性樹脂のガラス転移温度(T
g)が室温以下となる為、成形物の形状、寸法安定性が
悪く使用に耐えない。
本発明においてEVOH組成物と該熱可塑性樹脂とを多層
化するために、使用される接着性樹脂としては、EVOH組
成物層と該熱可塑性樹脂層とを強固に接着するものであ
れば、特に限定されるものではないが、不飽和カルボン
酸又はその無水物(無水マレイン酸など)をオレフイン
系重合体または共重合体[ポリエチレン{低密度ポリエ
チレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDP
E)、超低密度ポリエチレン(SLDPE)}、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エス
テル(メチルエステル、またはエチルエステル)共重合
体]にグラフトしたものが、好適にもちいられる。
本発明のEVOH組成物は、周知の溶融成形法、圧縮成形
法によりフイルム、シート、ボトル、などの任意の成形
品に成形する事が出来るが、前述したとおり、該成形物
を多層構造体の一層として使用するとき、顕著な特徴が
発揮されるので、以下この点について説明を加える。
まず、多層構造体を得る方法としては、該EVOH組成物
と熱可塑性樹脂とをしばしば接着性樹脂を介して押出ラ
ミネート法、ドライラミネート法、共押出ラミネート
法、共押出シート成形法、共押出パイプ成形法、共射出
成形法、溶液コート法などにより積層体を得、次いで、
該積層体を真空圧空深絞り成形、二軸延伸ブロー成形な
どにより、EVOHの融点以下の範囲で再加熱し延伸操作を
行う方法、あるいは、該積層体(フイルム又はシート)
を二軸延伸機に供し、加熱延伸する方法、さらにはEVOH
組成物と熱可塑性樹脂とを共射出二軸延伸ブローする方
法などがあげられる。
さらに、多層構造体の厚み構成に関しても、特に限定
されるものではないが、成形性およびコスト等を考慮し
た場合、全厚みに対するEVOH組成物層の厚み比率は2〜
20%程度が好適である。また、多層構造体の構成として
は、EVOH組成物層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層、熱
可塑性樹脂層/接着性樹脂層/EVOH組成物層、熱可塑性
樹脂層/接着性樹脂層/EVOH組成物層/接着性樹脂層/
熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/EVOH
組成物層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層/接着性樹脂
層/EVOH組成物層が代表的なものとしてあげられる。両
外層に熱可塑性樹脂層を設ける場合は、該樹脂が異なつ
ていてもよいし、また同じものでもよい。また成形時発
生するトリムなどのスクラツプを熱可塑性樹脂層にブレ
ンドしたり、別途回収層をもうけて再使用される場合も
ある。
本発明において、加熱延伸多層構造体とは前記したと
おり、加熱延伸する事により得られるカツプ、ボトルな
どの容器あるいはシート、フイルム状物であり、また加
熱とは該多層構造体を加熱延伸に必要な温度に所定の時
間放置し、該多層構造体が熱的にほぼ均一になる様に操
作する方法であればよく、操業性を考慮して、種々のヒ
ーターで加熱、均一化する方法が好ましい。
加熱操作は、延伸と同時におこなってもよいし、また
延伸前に行っても良い。また、延伸操作とは熱的に均一
に加熱された多層構造体をチヤツク、プラグ、真空力、
圧空力などにより容器、カツプ、ボトル、フイルム状に
均一に成形する操作を意味し、一軸延伸、二軸延伸(同
時または逐次)のいずれでも採用できる。また、延伸倍
率、延伸速度は目的に応じて適宜選択されるが、本発明
において高速延伸とは、延伸速度が5×105%/min.以上
の高速で均一に延伸する方法を意味し、必ずしも成形品
が配向している必要はない。
また、本発明において、EVOHの含水率については、特
に限定するものではないが、0.001〜10重量%以内であ
る事が好適である。一般的には、EVOHと非晶性ポリアミ
ドとの組成物を作る工程、あるいは組成物を多層構造体
に成形する工程においては、EVOHの含水率は0.001〜1
重量%と可能な限り低いほうが望ましい。一方多層構造
体の熱成形においては、EVOH層の含水率は0.01〜10重量
%と、EVOH層発泡が発生しない範囲で含水率が高いほう
が好適である。
このようにして得られた本発明の加熱延伸多層構造体
は、EVOH組成物層にピンホール、クラツク、偏肉がみら
れないので、ガスバリアー性がきわめて良く、バラツキ
のほとんどない非常に良好な食品包装用容器、あるいは
保香性を要求される容器などに有効である。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、これ
によりなんら限定されるものではない。
E.実施例 実施例1 エチレン含有量32モル%、トリメトキシビニルシラン
含有量0.015モル%、けん化度99,4%、メルトインデツ
クス(MI 190℃、2160g荷重)1.3g/10min.のEVOH
(A)80重量部、非晶質ポリアミド(B)(イソフター
ル酸/テレフタール酸のモル比が75/25である、ヘキサ
メチレンジアミン−イソフタール酸/テレフタール酸重
縮合体)20重量部を二軸スクリユータイプ、ベント式40
φ押出機に入れ、窒素の存在下、200℃で押出しペレツ
ト化を行つた。この時、ペレツトのMI(190℃、2160g荷
重下)は2.7g/10min.であつた。
該ペレツトを用いて3種5層共押出装置にかけ、多層
シート(ポリスチレン樹脂層/接着性樹脂層/EVOH組成
物層/接着性樹脂層/ポリスチレン樹脂層)を作成し
た。シートの構成は、両最外層のポリスチレン樹脂層
(旭ダウ スタイロン 691)が800μ、また接着性樹脂
層(東ソー「メルセンM−5420]、マレイン酸変性エチ
レン−酢酸ビニル共重合体)が各50μ、さらに中間層
(EVOH組成物層)が50μである。得られたシートを真空
圧空熱成形機にかけ(延伸速度9×105%/min.)、130
℃で成形をおこなつた。
得られた成形物は、クラツク、ムラ、偏肉もなく、外
観および透明性も良好であつた。この容器を20℃−65%
RHに調湿し、ガスバリアー性を測定したところ(モコン
社製10/50型)、0.5cc.20μ/m2・24hr・atmと非常に良
好なガスバリアー性を示すだけでなく、20サンプル測定
した時の測定値のバラツキ(R=最大値−最小値)が0.
3と非常に小さく、信頼性の高い高ガスバリアー性容器
であつた。
実施例2 表1に示す以外は、実施例1と同様の条件で容器を得
た。その結果を表1に示す。
実施例3〜4および比較例1〜7 表1に示す以外は、実施例1と同様の条件で容器を得
た。その結果を表1に示す。なお、比較例5において
は、実施例1のポリアミド(B)20重量部の代わりに、
エチレン含有量48モル%のEVOH(融点ん155℃;DSCによ
るピーク温度)20重量部を使用し、他は実施例1と同様
の条件で行った。
F.発明の効果 本発明は、加熱延伸、特に加熱高速延伸操業時ピンホ
ール、クラツク、ムラ、局所的偏肉などがなく、しかも
透明性、ガスバリアー性およびその信頼性に優れた、EV
OH樹脂組成物、およびそれを用いた加熱延伸多層構造体
を提供することにある。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン含有量20〜60モル%、ビニルシラ
    ン系化合物含有量0.0001〜0.5モル%のエチレン−ビニ
    ルアルコール共重合体(A)60〜95重量%および非晶性
    ポリアミド(B)40〜5重量%からなる樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の樹脂組成物からなる層の少
    なくとも片面に熱可塑性樹脂層を有する多層構造体。
  3. 【請求項3】多層構造体が、共押出多層シートの加熱延
    伸多層構造体である請求項2記載の多層構造体。
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