JP2740615B2 - レーザー印字に適したエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

レーザー印字に適したエポキシ樹脂組成物

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JP2740615B2
JP2740615B2 JP5094568A JP9456893A JP2740615B2 JP 2740615 B2 JP2740615 B2 JP 2740615B2 JP 5094568 A JP5094568 A JP 5094568A JP 9456893 A JP9456893 A JP 9456893A JP 2740615 B2 JP2740615 B2 JP 2740615B2
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epoxy resin
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tartrate
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laser
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祥二 佐々井
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住友デュレズ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気・電子部品の絶縁
被覆に用いられ、レーザーの照射によりその絶縁被覆表
面に鮮明な印字を施すことのできるレーザー印字に適し
たエポキシ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、エポキシ樹脂組成物により絶
縁被覆された電気・電子部品に特性や型番を明示するた
めの印字を施す際、熱硬化性や紫外線硬化性のインクが
用いられてきたが、工程の合理化を目的としてより短時
間で印字できる方法が要求され始めた。この対応方法の
1つとして、レーザーの照射による印字システムが注目
されている。このレーザー印字システムは、文字やパタ
ーン状にレーザーを照射した部分が熱エネルギーにより
変色する、あるいは照射された部分が昇華し表面粗化さ
れ、光の散乱によって文字やパターンが識別できるとい
うものである。この方法の印字時間は0.01秒以下で
あり、従来の熱あるいは紫外線硬化性のインクが硬化に
数分〜数10分を必要とするのに比べ、大幅に短縮され
る。しかし、従来のエポキシ樹脂組成物の絶縁被覆にレ
ーザーを照射した場合、単に被覆表面を粗化するのみで
変色がおこらず、鮮明な文字やパターンを印字すること
ができなかった。
【0003】最近、従来のエポキシ樹脂組成物に黄色の
水酸化第二鉄を含有させるとレーザー照射によって黄色
から褐色に変色することが見い出された(特開昭62−
50360号公報)。しかし、水酸化第二鉄は黄色であ
るため黄や橙色のような色相にしか用いることができ
ず、青や緑色の下地、特に淡色系の下地に黒色のレーザ
ー印字を施すことがこれからの課題とされてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来不可能で
あった青や緑の明色からレーザーにより黒色に変色する
樹脂組成物を得んとして鋭意検討した結果、酒石酸銅
(II)を含有させるとレーザーを照射した際淡青色から
黒色に変色することを見出し、更にこの知見に基づき種
々研究を進めて完成するに至ったものである。本発明の
目的とするところは電気的特性および他の諸特性を低下
させることなく、レーザーの照射により樹脂表面に鮮明
な印字を施すことのできる硬化物を与えるエポキシ樹脂
組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は酒石酸銅(II)
を含有することを特徴とするレーザー印字に適したエポ
キシ樹脂組成物に関するものである。本発明のエポキシ
樹脂組成物に酒石酸銅(II)を用いる理由を以下述べ
る。酒石酸銅(II)は淡青色の粉末であり、加熱すると
200〜300℃で分解して酸化銅(II)に変化するこ
とによって黒色となる。従って、酒石酸銅(II)を含有
したエポキシ樹脂組成物に対し文字やパターン状にレー
ザーを照射すると、樹脂表面がレーザーの熱エネルギー
により加熱され、樹脂中に含有された酒石酸銅(II)が
上記化学反応を生じ黒色となる。すなわち、レーザーに
照射された部分のみ黒色となり、照射されない部分は淡
青色のままのため淡青色の下地に黒色の文字やパターン
を鮮明に印字することができる。
【0006】本発明に用いられる酒石酸銅(II)の粒度
は平均粒径が100μm以下であることが好ましい。そ
の理由はエポキシ樹脂組成物に酒石酸銅(II)を混合分
散させると、100μm以上の平均粒径では電子・電気
部品に被覆させた際表面が斑点状となり、部品の商品価
値を低下させるばかりでなく分散が不十分となりやす
く、レーザーが照射されたとき酒石酸銅(II)が存在し
ない部分では変色がおこらず文字やパターンがとぎれて
鮮明な印字ができなくなる場合がある。なお、この平均
粒径はコールターカウンター(日科機製)により得られ
る粒度分布を重量平均することにより求めるのが適当で
あるが、コールターカウンター以外の測定方法により求
めてもよい。酒石酸銅(II)の含有量としては0.5〜
20重量%が好ましい。この理由は含有量が0.5重量
%以下ではレーザーが照射されても変色する度合が小さ
いため鮮明な印字とならず、逆に20重量%を超えると
樹脂組成物の電気絶縁性が低下し、電子部品用絶縁材料
としての本来の性能を満足しにくくなるためである。
【0007】本発明に用いられるエポキシ樹脂として
は、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂等のジグリシジルエーテル型エ
ポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エ
ポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリ
シジルアミン型エポキシ樹脂、鎖状脂肪族型エポキシ樹
脂、複素環型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂等
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本
発明に用いられる硬化剤および硬化促進剤としては酸無
水物、ポリアミン、ノボラック型フェノール樹脂、第3
級アミン、イミダゾール化合物等があるが、いずれを用
いてもよい。また、必要により公知の無機充填剤たとえ
ばジルコン粉末、タルク粉末、結晶シリカ粉末、溶融シ
リカ粉末、炭酸カルシウム粉末、マグネシア粉末、ケイ
酸カルシウム粉末、水和アルミナ粉末、アルミナ粉末等
を配合してもよい。
【0008】本発明により得られる樹脂組成物は酒石酸
銅(II)の色調により通常淡青色を呈するが、赤、青、
緑、黒、白色等の顔料を併用してもよい。本発明の樹脂
組成物は注型材料等の液状、粉体塗料等の粉状、成型材
料等の顆粒状、塊状等いずれの状態でもよい。本発明の
樹脂組成物を製造する方法としては例えば粉体塗料の場
合を上げると、所定の割合で秤量した原料成分をミキサ
ーによって十分混合した後、エキストルーダー、コニー
ダーあるいはロール等で溶融混練し、次いで粉砕機にて
粉砕する方法等がある。上記方法により得られた粉体塗
料により電子・電気部品の絶縁被覆を行う方法としては
流動浸漬法、静電流動浸漬法、ころがし法、ふりかけ
法、ホットスプレー法、静電スプレー法等一般の粉体塗
装方法がある。また、注型材料、成型材料の場合につい
ても公知の技術で製造でき、絶縁材料として使用でき
る。
【0009】
【実施例】次に本発明を実施例により更に詳しく説明す
る。 《実施例1》 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量950) 50重量部 酒石酸銅(II)(平均粒径5μm) 5重量部 結晶シリカ粉末 50重量部 2−メチルイミダゾール 1重量部 上記組成物を配合し、ヘンシェルミキサーでブレンド
し、コニーダーにて溶融混練した後、粉砕機で粉砕する
ことにより平均粒径60〜70μmのエポキシ樹脂組成
物の粉体塗料を得た。
【0010】《実施例2》実施例1において、酒石酸銅
(II)の添加量を20重量部に替え、他は同様にして平
均粒径60〜70μmのエポキシ樹脂組成物の粉体塗料
を得た。 《比較例1》実施例1において、酒石酸銅(II)の添加
量を0.1重量部に替え、他は同様にして平均粒径60
〜70μmのエポキシ樹脂組成物の粉体塗料を得た。 《比較例2》実施例1において、酒石酸銅(II)の添加
量を50重量部に替え、他は同様にして平均粒径60〜
70μmのエポキシ樹脂組成物の粉体塗料を得た。
【0011】実施例1、2及び比較例1、2の樹脂組成
物について硬化物を作製した。この試料に炭酸ガスレー
ザー(ウシオ電気製 400型レーザーマーク、エネルギ
ー 6Joule)を用いて、100万分の1秒間所定のマス
クを通してレーザー照射し、硬化物表面にマーキングを
施した。また、上記硬化物の絶縁破壊電圧をJIS K
6911により測定した。結果を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】
【発明の効果】本発明のレーザー印字に適したエポキシ
樹脂組成物を絶縁被覆材として用いると、電気的特性お
よび他の特性を低下させることなくレーザーの照射によ
り樹脂表面に鮮明な印字を施すことのできる被覆を与え
ることができる。従って、従来より非常に短時間で印字
できるため電気・電子部品の生産工程の合理化をはかる
ことができる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂、硬化剤、充填剤などから
    なるエポキシ樹脂組成物において、酒石酸銅(II)を含有
    することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 酒石酸銅(II)の平均粒径が100μm
    以下であることを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 酒石酸銅(II)を組成物に対して0.5
    〜20重量部含有することを特徴とする請求項1又は2
    記載のエポキシ樹脂組成物。
JP5094568A 1993-04-21 1993-04-21 レーザー印字に適したエポキシ樹脂組成物 Expired - Lifetime JP2740615B2 (ja)

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