JP2600033C - - Google Patents

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JP2600033C
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epoxy resin
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copper
laser
oxalate
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、電気電子部品の絶縁被覆に用いられ、炭酸ガスレーザー(以下、C
2レーザーという)の照射によりその絶縁被覆表面に鮮明な印字を施すことの
できるCO2レーザー印字に適したエポキシ樹脂組成物に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 従来、エポキシ樹脂組成物により絶縁被覆された電気電子部品に特性や型番を
明示するため印字をする際、熱硬化性のインクや紫外線硬化性のインクが用いら
れているが、工程の合理化を目的としてより短時間で印字できる方法が要求され
ている。 【0003】 この対応方法の1つのとして、レーザーの照射による印字システムが注目され
ている。このレーザー印字システムは、文字やパターン状にレーザーを照射され
た部分が熱エネルギーにより変色する、あるいは照射された部分が昇華し表面粗
化され、光の散乱によって文字やパターンが識別できるものであり、この方法の
印字時間は0.01秒以下であり、従来の熱あるいは紫外線硬化性のインクが硬化に
数分〜数10分を必要とするのに比べ、大幅に短縮されものである。 【0004】 しかし、従来のエポキシ樹脂組成物の絶縁被覆にレーザーを照射した場合、単
に被覆表面を粗化するのみで、変色がおこらず、鮮明な文字やパターンを印字す
ることができなかった。 【0005】 最近、従来のエポキシ樹脂組成物に黄色の水酸化第二鉄を含有させるとレーザ
ー照射によって黄色から褐色に変色することが見出された(特開昭62-50360号公
報)。 【0006】 水酸化第二鉄は黄色であるため、黄、橙色のような色相にしか用いることがで
きないが、塩基性炭酸銅や塩基性炭酸鉛等を用いることによって青や緑色の下地
、特に淡色系の下地に黒色のレーザー印字を施すことが可能になった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】 本発明は、より低エネルギーのCO2レーザー光で変色する樹脂組成物を得ん
として鋭意検討した結果、レーザー発色材として一次粒子の平均粒径が5μm以
下である微粒子のシュウ酸銅(II)を含有させると、従来、変色度の少なかった
低エネルギーのCO2レーザー光でも明瞭に変色させられることを見出し、更に
この知見に基づき種々研究を進めて本発明を完成するに至ったものである。 【0008】 本発明の目的とするところは電気的特性及び他の諸特性を低下させることなく
、低エネルギーのCO2レーザー光でも照射により樹脂表面に鮮明な印字を施す
ことのできる硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】 本発明は、レーザー発色材として一次粒子の平均粒径が5μm以下である微粒
子のシュウ酸銅(II)を含有することを特徴とするCO2レーザー印字に適した
エポキシ樹脂組成物に関するものである。 【0010】 本発明のエポキシ樹脂組成物において、一次粒子の平均粒子径が5μm以下で ある微粒子のシュウ酸銅(II)を用いる理由を以下に述べる 。シュウ酸銅(II)
は淡青色の粉末であり、加熱すると200〜300℃で脱炭酸し酸化銅(II)に変化し
、黒色となる。 【0011】 従って、シュウ酸銅(II)を含有したエポキシ樹脂組成物に対し文字やパター
ン状にレーザーを照射すると、樹脂表面がレーザーの熱エネルギーにより加熱さ
れ、樹脂中に含有されたシュウ酸銅(II)が上記化学反応を生じ黒色となる。こ
の時、シュウ酸銅(II)が一次粒子の平均粒径5μm以下の微粒子として含有さ
れている場合、その分散性が向上するため、樹脂組成物中に均一にシュウ酸銅(
II)を分散させることができる。すなわち低エネルギーのCO2レーザー光でも
文字やパターンを鮮明に印字することができる。 【0012】 本発明に用いられるシュウ酸銅(II)の粒度は、一次粒子の平均粒径が5μm
以下であるが、好ましくは1μmである。その理由はエポキシ樹脂組成物にシュ
ウ酸銅(II)を混合分散させた際、一次粒子が5μm以上の平均粒径では電子電
気部品に被覆させた際表面に斑点状となり、部品の商品価値を低下させるばかり
でなく、分散が不充分となりやすくレーザーが照射された際、シュウ酸銅(II)
が存在しない部分では変色がおこらず、文字やパターンがとぎれ鮮明な印字がで
きなくなる場合がある。 なお、この平均粒径の測定法は特に限定されないが、電子顕微鏡などにより容
易に測定することができる。 【0013】 シュウ酸銅(II)の含有量は 0.5〜20重量%が好ましい。この理由は、含有量
が 0.5重量%以下では、レーザーが照射されても変色する度合が小さく鮮明な印
字となりにくい。一方、20重量%を越えると、樹脂組成物の電気絶縁性が低下し
、電子電気部品用絶縁材料としての本来の性能を満足しにくくなるためである。 【0014】 本発明に用いられるエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のジグリシジルエーテル型エポキシ 樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ
樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリ
シジルアミン型エポキシ樹脂、線状脂肪族型エポキシ樹脂、被素環型エポキシ樹
脂、ハロゲン化エポキシ樹脂等があげられるが、これらに限定されるものではな
い。 【0015】 本発明に用いられる硬化剤及び硬化促進剤としては、酸無水物、ポリアミン、
ノボラック型フェノール樹脂、第3級アミン、イミダゾール化合物等があるが、
いずれを用いてもよい。 【0016】 無機充填剤としては、例えばジルコン粉末、タルク粉末、結晶シリカ粉末、溶
融シリカ粉末、炭酸カルシウム粉末、マグネシア粉末、ケイ酸カルシウム粉末、
水和アルミナ粉末、アルミナ粉末等が挙げられる。かかる無機充填剤は平均粒径
が10μm以下のものがシュウ酸銅(II)の分散を良好にし鮮明な発色のために好
ましい。 【0017】 本発明により得られる樹脂組成物はシュウ酸銅(II)の色調により通常淡青色
を呈するが、赤、青、緑、黒、白色等の顔料を併用してもよい。 本発明の樹脂組成物は注型材料等の液状、粉体塗料等の粉状、成型材料等の顆
粒状、塊状等いずれの状態でもよい。 【0018】 本発明のエポキシ樹脂組成物を製造する方法として、例えば粉体塗料の場合を
あげると、所定の割合で秤量した原料成分をミキサーによって充分混合したのち
、エクストルーダー、コニーダーあるいはロール等で溶融混練し、次いで粉砕機
にて粉砕する方法等がある。上記方法により得られる粉体塗料により電子電気部
品の絶緑被覆を行う方法としては、流動浸漬法、静電流動浸漬法、ころがし法、
ふりかけ法、ホットスプレー法、静電スプレー法等、一般の粉体塗装方法が用い
られる。 【0019】 又、注型材料、成型材料の場合についても公知の技術で製造でき、絶縁材料と
して使用できる。 【0020】 【実施例】 次に本発明を実施例により更に詳しく説明する。 【0021】 実施例1 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量950) 50重量部 シュウ酸銅(II) (一次粒子の平均粒径0.8μm、平均粒径15μm) 5重量部 炭酸カルシウム粉末(平均粒径7μm) 50重量部 2−メチルイミダゾール 1重量部 上記組成物を配合し、ヘンシェルミキサーでブレンドし、コニーダーにて溶融
混練した後、粉砕機で粉砕することにより平均粒径60〜70μmのエポキシ樹脂組
成物の粉体塗料を得た。 【0022】 実施例2 実施例1において、発色材として一次粒子の平均粒径3μm、平均粒径15μm
のシュウ酸銅(II)を使用し、他は同様の方法にて平均粒径60〜70μmのエポキ
シ樹脂組成物の粉体塗料を得た。 【0023】 比較例1 実施例1において、発色材として一次粒子の平均粒径10μmのシュウ酸銅(II
)を使用し、他は同様の方法にて平均粒径60〜70μmのエポキシ樹脂組成物の粉
体塗料を得た。 【0024】 比較例2 実施例1において、発色材として一次粒子の平均粒径20μmのシュウ酸銅(II
)を使用し、他は同様の方法にて平均粒径60〜70μmのエポキシ樹脂組成物の粉
体 塗料を得た。 【0025】 実施例1、2及び比較例1、2の樹脂組成物について100℃で2時間硬化させ
た。この試料に炭酸ガスレーザー(ウシオ電機(株)製400型レーザーマーク、
エネルギー密度4Joule/cm2及び6Joule/cm2)を用いて、100万分の1秒間所定
のマスクを通してレーザーを照射して、硬化物の表面にマーキングを施した。 また、上記硬化物の絶縁被覆電圧をJIS K 6911により測定した。結果を表1に
示す。 【0026】 【表1】 【0027】 【発明の効果】 本発明のレーザー印字に適したエポキシ樹脂組成物を絶緑被覆材として用いた
場合、電気的特性及び他の特性を低下させることなく、低エネルギーのレーザー
の照射により樹脂表面に鮮明な印字を施すことのできる被覆を与えることができ
る。従って、従来より非常に短時間で印字できるため、電気電子部品の生産工程
の合理化をはかることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 エポキシ樹脂、硬化剤、充填剤などからなるエポキシ樹脂組成
    物において、レーザー発色材としてシュウ酸銅(II)を有し、該シュウ酸銅(II
    の一次粒子径の平均粒径が5μm以下であることを特徴とするエポキシ樹脂組
    成物。 【請求項2】 シュウ酸銅(II)を組成物に対して0.5〜20重量部含有す
    ることを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。

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