JP2737113B2 - 差動増幅器のオフセット低減回路 - Google Patents

差動増幅器のオフセット低減回路

Info

Publication number
JP2737113B2
JP2737113B2 JP6188947A JP18894794A JP2737113B2 JP 2737113 B2 JP2737113 B2 JP 2737113B2 JP 6188947 A JP6188947 A JP 6188947A JP 18894794 A JP18894794 A JP 18894794A JP 2737113 B2 JP2737113 B2 JP 2737113B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transistor
current
collector
constant current
base
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6188947A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0750530A (ja
Inventor
成嘉 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rohm Co Ltd
Original Assignee
Rohm Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rohm Co Ltd filed Critical Rohm Co Ltd
Priority to JP6188947A priority Critical patent/JP2737113B2/ja
Publication of JPH0750530A publication Critical patent/JPH0750530A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2737113B2 publication Critical patent/JP2737113B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Amplifiers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、CDドライバー等、
各種駆動回路に用いられる差動増幅器のオフセット低減
回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、CDドライバー等、各種駆動回路
には、例えば図8に示すように、簡易な演算増幅器が用
いられる。この演算増幅器には前段部に差動増幅器2が
設置されており、この場合、差動増幅器2には一対のト
ランジスタ21、22のエミッタ間を抵抗23によって
結合した一つの差動対24が設置され、各トランジスタ
21、22のエミッタ側には個別に定電流源25、26
が接続されている。即ち、この差動増幅器2では定電流
源25、26に定電流Iを引き込むことで、各トランジ
スタ21、22に動作電流が供給される。そして、トラ
ンジスタ21、22のコレクタ側には差動対24の能動
負荷としてカレントミラー回路27が設置されている。
即ち、トランジスタ21のコレクタ側と電源との間には
ベース・コレクタを共通、即ち、ダイオード化されたト
ランジスタ28が接続されているとともに、トランジス
タ22のコレクタ側と電源との間にはトランジスタ29
が接続されている。
【0003】この差動増幅器2では、差動対24の出力
がトランジスタ29のコレクタ側から取り出され、その
出力取出し手段とともにその出力をトランジスタ22の
ベースに帰還する帰還ループ4を構成するトランジスタ
6が設置されている。トランジスタ6は電源とトランジ
スタ22のベースとの間に接続され、トランジスタ6の
ベースがトランジスタ22のコレクタに接続されてい
る。そして、トランジスタ22のベースと基準電位点
(接地点)との間には定電流源8が接続され、トランジ
スタ6から定電流が定電流源8に引き込まれる。
【0004】そこで、このような演算増幅器では、入力
端子10を通して入力信号が加えられると、その入力信
号が差動増幅器2で増幅され、その出力がカレントミラ
ー回路27のトランジスタ29を通してトランジスタ6
のベースに加えられ、定電流源8に引き込まれる定電流
との関係によりトランジスタ6を介して出力端子12か
ら取り出されるとともに、その出力電流の一部がトラン
ジスタ22のベースに帰還されるのである。このように
エミッタ間を抵抗23で結合した差動対24を用いた差
動増幅器2は、定電流値を上げてスルーレートを上昇さ
せながら増幅利得を取る必要がない場合等に多用されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
差動増幅器2では、ICの製造上、定電流源25、26
を構成するトランジスタの不揃いによって定電流Iにば
らつきが生じたとき、そのばらつきによるオフセットが
発生することが知られている。このオフセットが発生す
るメカニズムを説明する。説明を簡略化するため、図9
の(A)に示すように、帰還ループ4を簡略化するとと
もに、各トランジスタ21、22、28、29を理想的
なトランジスタとする。トランジスタ28は、図面上ダ
イオードとして表記しているが、ベース・コレクタを共
通化したトランジスタであり、図8に示した差動増幅器
2と同様のカレントミラー回路27を構成するものであ
る。そこで、この差動増幅器2において、トランジスタ
21のコレクタ電流はカレントミラー回路27で反転さ
れてトランジスタ22のコレクタ側に流れるものとすれ
ば、その電流バランスを取るため、各トランジスタ2
1、22、28、29に流れる電流は等しくなければな
らない。トランジスタ21、22のコレクタ電流をIc
1 、Ic2 とすれば、Ic1 =Ic2 となる。例えば、
定電流源25側の定電流IがΔIだけ増加したとする。
トランジスタ21、22のエミッタ電流をIe1 、Ie
2 とすれば、Ic1 =Ic2 からIe1 =Ie2 とな
る。このため、トランジスタ21、22の各エミッタ電
流Ie1 、Ie2 は、Ie1 =Ie2 =I+ΔI/2と
なる。したがって、抵抗23に流れる電流は、ΔI/2
となり、抵抗23の抵抗値をRとすると、抵抗23には
抵抗値と流れる電流との積による電圧降下により、抵抗
23の端子間、即ち、エミッタ間には電圧(R×ΔI/
2)が発生する。そして、Ic1 =Ic2 、Ie1 =I
2 を満足するため、トランジスタ21、22のエミッ
タ間に発生した電圧(R×ΔI/2)と同じ電圧値がト
ランジスタ22のベースとトランジスタ21のベースと
の間にオフセット電圧ΔV(=R×ΔI/2)として発
生することになる。
【0006】ところで、この差動増幅器2において、図
9の(B)に示すように、帰還ループ4を切断するとと
もに、各トランジスタ21、22のベースを接地して回
路を見ると、トランジスタ21、22に流れる電流はそ
れぞれエミッタ測定電流値であり、抵抗23に流れる電
流は、トランジスタ21、22で指数圧縮されてダイオ
ード電圧差で流れる電流であるから、定電流Iにおける
ばらつき電流ΔIが小さければ無視できる程度のもので
ある。
【0007】ところが、図9の(A)に示すように、帰
還ループ4を以てトランジスタ22のベース側にトラン
ジスタ29からばらつき電流ΔIによる電流が帰還され
るため、ΔI=0の帰還動作によって、Ic1 =Ic2
が成立し、定電流I+ΔI、Iが各トランジスタ21、
22に電流I+ΔI/2に均等に配分される結果、オフ
セットが発生することになる。
【0008】そこで、この発明は、このような差動対に
流すべき定電流のばらつきによる差動増幅器の入力間に
発生するオフセットを低減した差動増幅器のオフセット
低減回路を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の差動増幅器の
オフセット低減回路は、図3及び図5に例示するよう
に、エミッタ間を抵抗(23)によって結合した第1及
び第2のトランジスタ(21、22)からなる差動対
(24)と、前記第1のトランジスタのエミッタ側に接
続され、前記差動対に定電流を流す第1の定電流源(2
5)と、前記第2のトランジスタのエミッタ側に接続さ
れ、前記差動対に定電流を流す第2の定電流源(26)
とを備えた差動増幅器(2)のオフセット低減回路であ
って、前記第1のトランジスタのコレクタと電源側との
間に第3のトランジスタ(28)を接続するとともに、
前記第2のトランジスタのコレクタと電源側との間に第
4のトランジスタ(29)を接続し、前記第3のトラン
ジスタのベース・コレクタと前記第4のトランジスタの
ベースとを接続して前記第1のトランジスタに流れる電
流に対応する電流を前記第2のトランジスタに流すカレ
ントミラー回路(27)と、前記第1のトランジスタの
ベースに第5のトランジスタ(144)のベースを接続
し、前記第2のトランジスタのベースに第6のトランジ
スタ(145)のベースを接続し、これら第5及び第6
のトランジスタのエミッタを共通化し、このエミッタに
第3の定電流源(146)を共通に接続した差動対を構
成し、前記第1のトランジスタのエミッタに前記第5の
トランジスタのコレクタを接続し、かつ、前記第2のト
ランジスタのエミッタに前記第6のトランジスタのコレ
クタを接続し、前記第1及び第2のトランジスタのベー
スと共通のベース入力を受け、このベース入力に応じて
前記第1のトランジスタのエミッタ側に直流電流を前記
第5のトランジスタによって供給するとともに、前記第
2のトランジスタのコレクタ側に直流電流を前記第6の
トランジスタによって供給する電流相殺回路(14)と
を備えて、前記差動増幅器の前記第1及び第2のトラン
ジスタの前記エミッタ間に生じる電圧差を前記直流電流
の供給によって相殺することを特徴とする。
【0010】また、この発明の差動増幅器のオフセット
低減回路は、図4及び図6に例示するように、エミッタ
間を抵抗(23)によって結合した第1及び第2のトラ
ンジスタ(21、22)からなる差動対(24)と、前
記第1のトランジスタのエミッタ側に接続され、前記差
動対に定電流を流す第1の定電流源(25)と、前記第
2のトランジスタのエミッタ側に接続され、前記差動対
に定電流を流す第2の定電流源(26)とを備えた差動
増幅器(2)のオフセット低減回路であって、前記第1
のトランジスタのコレクタと電源側との間に第3のトラ
ンジスタ(28)を接続するとともに、前記第2のトラ
ンジスタのコレクタと電源側との間に第4のトランジス
タ(29)を接続し、前記第3のトランジスタのベース
・コレクタと前記第4のトランジスタのベースとを接続
して前記第1のトランジスタに流れる電流に対応する電
流を前記第2のトランジスタに流すカレントミラー回路
(27)と、前記第1のトランジスタのエミッタに第5
のトランジスタ(147)のベースを接続し、前記第2
のトランジスタのエミッタに第6のトランジスタ(14
8)のベースを接続し、これら第5及び第6のトランジ
スタのエミッタを共通化し、このエミッタに第3の定電
流源(149)を共通に接続した差動対を構成し、前記
第1のトランジスタのコレクタに前記第5のトランジス
タのコレクタを接続し、かつ、前記第2のトランジスタ
のコレクタに前記第6のトランジスタのコレクタを接続
し、前記第1のトランジスタのコレクタ側から直流電流
を前記第5のトランジスタに引き込むとともに、前記第
2のトランジスタのコレクタ側から直流電流を前記第6
のトランジスタに引き込む電流相殺回路(14)とを備
えて、前記差動増幅器の前記第1及び第2のトランジス
タの前記エミッタ間に生じる電圧差を前記直流電流の引
込みによって相殺することを特徴とする。
【0011】
【作用】差動対を構成する第1及び第2のトランジスタ
に個別に接続された各定電流源の定電流にばらつきがあ
ると、第1及び第2のトランジスタの電極間にそのばら
つき電流に応じた電圧差が生じ、この電圧差は、ベース
間又はエミッタ間で検出することができる。
【0012】そこで、電流相殺回路は、一対のトランジ
スタからなる差動対を備え、この差動対を成すトランジ
スタの各ベースを差動増幅器の第1及び第2のトランジ
スタのベース又はエミッタに接続するとともに、そのコ
レクタを差動増幅器のトランジスタのエミッタ又はコレ
クタ側に接続したことにより、第1及び第2のトランジ
スタのベース間又はエミッタ間に発生した電圧差に応じ
た電流を得ることができ、その電流を差動対に供給し、
差動増幅器に発生するオフセットが低減される。
【0013】
【実施例】以下、本発明を図面に示した実施例を参照し
て詳細に説明する。
【0014】図1は、この発明の差動増幅器のオフセッ
ト低減回路の原理図を示し、図2はその動作を説明する
ための回路図である。
【0015】差動増幅器2には、一対のトランジスタと
して第1及び第2のトランジスタ21、22が設置さ
れ、各トランジスタ21、22は、エミッタ間が抵抗2
3で結合されて1つの差動対24を構成している。抵抗
23は差動増幅器2の増幅利得を設定する手段であり、
その抵抗値によって所望の増幅利得が得られる。
【0016】トランジスタ21のエミッタ側と基準電位
点(接地点)との間には第1の定電流源25が接続され
ており、トランジスタ22のエミッタ側と基準電位点と
の間には第2の定電流源26が接続されており、各トラ
ンジスタ21、22の動作電流が各定電流源25、26
の定電流によって与えられるようになっている。また、
トランジスタ21、22のコレクタ側には、差動対24
の能動負荷としてカレントミラー回路27が接続されて
いる。このカレントミラー回路27は、ベース・コレク
タを共通にしてダイオードを構成する第3のトランジス
タ28と、このトランジスタ28のベース・コレクタに
ベースを共通に接続した第4のトランジスタ29とから
構成されている。したがって、この差動増幅器2は、ト
ランジスタ21、22のベース側の入力端子10、11
に対する入力信号を増幅し、その出力をトランジスタ2
9のコレクタ側から取り出すことができるものである。
【0017】そして、この差動増幅器2には、定電流源
25、26の定電流のばらつきによってトランジスタ2
1、22の電極間に発生する電圧差、この第1実施例で
は、エミッタ間、即ち、抵抗23に発生する電圧差で生
じるオフセットを低減する手段としてオフセットの原因
となる電流を帰還して相殺させる電流相殺回路14が設
置されている。この電流相殺回路14には制御増幅器1
40が用いられており、その正相入力端子にトランジス
タ21のベース、その逆相入力端子にトランジスタ22
のベースが接続され、トランジスタ21、22のベース
間に発生する電圧差が制御増幅器140に検出される。
この制御増幅器140では、その検出した電圧差に応じ
た制御電流を発生し、電圧差の検出とは逆相関係を以
て、その正相出力をトランジスタ22のコレクタ側、そ
の逆相出力をトランジスタ21のコレクタ側に供給し、
電圧差の原因となる電流を相殺するようにしている。
【0018】このように電流相殺回路14が付加された
図1に示した差動増幅器2の動作を図2に示す差動増幅
器2を参照して説明すると、図2に示す差動増幅器2で
は、トランジスタ21のベースを接地し、また、トラン
ジスタ22のベース・コレクタ間に帰還ループ4を形成
するとともに、トランジスタ22のベースに出力端子1
2を形成する。制御増幅器140には差動入力、差動電
流出力型の増幅器を使用し、その正相入力、逆相入力を
Vi(+)、Vi(−)とすると、その出力電流である
正相出力電流Io(+)、逆相出力電流Io(−)は、 Io(+)=k{Vi(+)−Vi(−)} ・・・(1) Io(−)=−k{Vi(+)−Vi(−)} ・・・・(2) となる。ただし、kは、制御増幅器140の差動入力電
圧差を出力電流に変換する変換利得係数である。
【0019】ここで、定電流源25、26の定電流をI
+ΔI、Iとすれば、制御増幅器140を付加する前の
差動増幅器2において、抵抗23に発生する電圧は、R
・ΔI/2となる。したがって、制御増幅器140を接
続し、この制御増幅器140には、 Io(+)=k(−R・ΔI/2)=−k・R・ΔI/2 ・・・(3) Io(−)=−k(−R・ΔI/2)=k・R・ΔI/2 ・・・(4) が出力されることになり、正相出力電流Io(+)に逆
相電流−k・R・ΔI/2、逆相出力電流Io(−)に
正相電流k・R・ΔI/2が出力される。これらの出力
電流を差動対24に帰還させると、 トランジスタ29からの流出電流・・・I+ΔI/2−k・R・ΔI/2 トランジスタ22からの流出電流・・・I+ΔI/2+k・R・ΔI/2 となり、この電流が帰還ループ4によって帰還されて、
差動増幅器2における電流の入出力は相殺されるため、 トランジスタ29からの流出電流・・・I+ΔI/2 トランジスタ22からの流出電流・・・I+ΔI/2 に平衡する。
【0020】このとき、トランジスタ21、22の各コ
レクタ電流をIc1 、Ic2 とすると、 Ic1 =I+ΔI/2+k・R・ΔI/2 ・・・(5) Ic2 =I+ΔI/2−k・R・ΔI/2 ・・・(6) となる。ここで、トランジスタ21、22を理想的なト
ランジスタとすれば、各トランジスタ21、22の各エ
ミッタ電流をIe1 、Ie2 とすると、Ic1 =I
1 、Ic2 =Ie2 となる。各トランジスタ21、2
2のエミッタ側の各定電流I+ΔI、Iがエミッタ電流
Ie1 、Ie2 に配分されることを考え、トランジスタ
21、22のエミッタ間電流をΔIrとすると、 ΔIr=ΔI/2−k・R・ΔI/2=ΔI/2(1−k・R) ・・・(7) となる。したがって、抵抗23の端子間に発生する電圧
ΔVrは、 ΔVr=R・ΔIr=R・ΔI/2(1−k・R) ・・・(8) となり、制御増幅器140の接続前より明らかに減少す
ることが分かる。特に、式(8)において、1−k・R
=0、即ち、1=k・R、k=1/Rとなるように定数
を設定したときには、電圧ΔVr=0となり、オフセッ
トを皆無にすることができる。
【0021】以上の説明は制御増幅器140を単純な差
動増幅器とした場合にも成立し、その場合、制御増幅器
140の動作を示す式(1)、(2)は、 Io(+)=k{Vi(+)−Vi(−)}+Iq ・・・(9) Io(−)=−k{Vi(+)−Vi(−)}+Iq ・・・(10) に変形されるのみで、同様の電圧差を相殺する動作が行
われる。なお、式(9)及び(10)において、kは制
御増幅器140を構成する差動増幅器の電流変換ゲイ
ン、Iqは、オフセットが無い場合、各トランジスタ2
1、22に流れる定電流である。
【0022】次に、図3はこの発明の差動増幅器のオフ
セット低減回路の第1の実施例の等価回路を示す回路
図、図4この発明の差動増幅器のオフセット低減回路の
第2の実施例の等価回路を示している。図1の回路で
は、制御増幅器140の出力をトランジスタトランジス
タ21、22のコレクタ側に供給したが、図3に示すよ
うに、トランジスタ21、22のエミッタ側に供給する
ようにしても、同様にオフセットを相殺させることがで
きる。また、図1の回路では、抵抗23に発生する電圧
差をトランジスタ21、22のベース間で検出したが、
図4に示すように、トランジスタ21、22の対応する
電極間、即ち、エミッタ間から直接検出するようにして
もよい。即ち、電流相殺回路14の制御増幅器140の
正相入力側をトランジスタ21のエミッタ、その逆相入
力側をトランジスタ22のエミッタに接続して電圧差を
検出し、その電圧差に応じた電流、即ち、正相出力電流
をトランジスタ22のコレクタ側、逆相出力電流をトラ
ンジスタ21のコレクタ側に供給することにより、前記
実施例と同様に電圧差を生じさせる電流を相殺してオフ
セットを低減させることができる。
【0023】次に、図5は、この発明の差動増幅器のオ
フセット低減回路の第1の実施例を示している。制御増
幅器140はエミッタを共通にしたPNP型のトランジ
スタ144、145からなる差動対と電源との間に定電
流源146を接続した差動増幅器で構成されている。即
ち、トランジスタ144のベースはトランジスタ21の
ベース、トランジスタ145のベースはトランジスタ2
2のベースに接続することにより、トランジスタ14
4、145でトランジスタ21、22のベース間に発生
する電圧差を検出し、その電圧差に応じた電流を電源側
の定電流源146からトランジスタ144、145を通
じてトランジスタ21、22のエミッタ側に供給するこ
とにより、抵抗23に生じる電圧差の原因である定電流
源25、26における定電流のばらつき電流を相殺して
オフセットの低減を図っている。
【0024】次に、図6は、この発明の差動増幅器のオ
フセット低減回路の第2の実施例を示している。制御増
幅器140はエミッタを共通にしたトランジスタ14
7、148からなる差動対に定電流源149を接続した
差動増幅器で構成されている。即ち、トランジスタ14
7のベースはトランジスタ21のエミッタ、トランジス
タ148のベースはトランジスタ22のエミッタに接続
することにより、トランジスタ147、148でトラン
ジスタ21、22のエミッタ間に発生する電圧差を検出
し、その電圧差に応じた電流をトランジスタ21、22
のコレクタ側からトランジスタ147、148を通して
定電流源149に引き込み、抵抗23に生じる電圧差の
原因である定電流源25、26における定電流のばらつ
き電流を相殺してオフセットの低減を図っている。
【0025】この差動増幅器のオフセット低減回路につ
いて、その動作を図7を参照して説明する。
【0026】定電流源25、26に特性の不揃いがあ
り、定電流源25に流れる電流を(I+ΔI)、定電流
源26側に流れる電流をI、このとき、抵抗23に流れ
る電流をIとする。電流相殺回路14が無い場合、電
流Iは、I=ΔI/2となり、この電流ΔI/2と
抵抗23の値との積で与える電圧降下が発生するので、
これがオフセットとして現れる。このオフセットの大き
さは、電流Iの大きさに依存している。
【0027】そして、電流相殺回路14が有る場合、定
電流源149に流れる定電流をIeXとし、このとき、カ
レントミラー回路27のトランジスタ28流れる電流を
(I+αIeX)とすると、カレントミラー効果より、
トランジスタ29には同等の電流(I+αIeX)が流
れる。αは、定電流源149に流れる定電流IeXが制御
増幅器140の差動対を形成するトランジスタ147、
148にそれぞれ流れる電流配分を示す。ただし、オフ
セット電圧は、抵抗23の定電流源26側の端子が高い
としているので、0<α<0.5となっている。
【0028】トランジスタ28に流れる電流(I+α
eX)からトランジスタ147側に流れ込む電流はαI
eX、トランジスタ29に流れる電流(I+αIeX)か
らトランジスタ148側に流れる込む電流は(1−α)
eXであるから、トランジスタ21には電流Iが流れ
る。また、トランジスタ22に流れる電流をIとする
と、この電流Iは、 =I+αIeX−(1−α)IeX =I+(2α−1)IeX ・・・(11) となる。
【0029】ここで、電流I、Iの合成電流値は、 +I=2I+(2α−1)IeX =2I+ΔI=一定 ・・・(12) の関係がある。
【0030】また、トランジスタ21、22のベース電
流を無視した場合、定電流源25、26に流れる電流と
抵抗23に流れる電流との関係から、抵抗23に流れる
電流Iを求めると I+ΔI=I+I I =I+αIeX−(1−α)IeX−I −) =I+(2α−1)IeX−I ΔI=I+I−{I+(2α−1)IeX−I =(1−2α)IeX+2I ・・・(13) となり、電流Iは、 = ΔI/2−(1−2α)IeX/2 ・・・(14) となる。式(14)において、トランジスタ147、1
48からなる差動増幅器はα<0.5であるから、(1
−2α)は正となる。その結果、抵抗23に流れる電流
が減少することになり、制御増幅器140に流れる電流
に応じて抵抗23における電圧降下が抑制され、オフセ
ットの低減が得られる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、差動増幅器に第1及び第2の定電流源による定電流
のばらつきによって生じるオフセットは、差動対を構成
する第1及び第2のトランジスタの電極間の電圧差を検
出し、その電圧差に応じた電流を差動対に帰還すること
によって低減でき、その結果、入出力特性の信頼性を向
上させることができ、差動増幅器の増幅利得の制御性を
高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の差動増幅器のオフセット低減回路の
原理図である。
【図2】図1に示した差動増幅器のオフセット低減回路
の動作を説明するための回路図である。
【図3】この発明の差動増幅器のオフセット低減回路の
第1の実施例の等価回路を示す回路図である。
【図4】この発明の差動増幅器のオフセット低減回路の
第2の実施例の等価回路を示す回路図である。
【図5】この発明の差動増幅器のオフセット低減回路の
第1の実施例を示す回路図である。
【図6】この発明の差動増幅器のオフセット低減回路の
第2の実施例を示す回路図である。
【図7】図6に示す差動増幅器のオフセット低減回路の
動作を説明するための回路図である。
【図8】従来の差動増幅器を用いた演算増幅器を示す回
路図である。
【図9】図9に示した差動増幅器に発生するオフセット
を説明するための回路図である。
【符号の説明】
2 差動増幅器 14 電流相殺回路 21 第1のトランジスタ 22 第2のトランジスタ 23 抵抗 24 差動対 25 第1の定電流源 26 第2の定電流源 27 カレントミラー回路 28 第3のトランジスタ 29 第4のトランジスタ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エミッタ間を抵抗によって結合した第1
    及び第2のトランジスタからなる差動対と、 前記第1のトランジスタのエミッタ側に接続され、前記
    差動対に定電流を流す第1の定電流源と、 前記第2のトランジスタのエミッタ側に接続され、前記
    差動対に定電流を流す第2の定電流源と、 を備えた差動増幅器のオフセット低減回路であって、 前記第1のトランジスタのコレクタと電源側との間に第
    3のトランジスタを接続するとともに、前記第2のトラ
    ンジスタのコレクタと電源側との間に第4のトランジス
    タを接続し、前記第3のトランジスタのベース・コレク
    タと前記第4のトランジスタのベースとを接続して前記
    第1のトランジスタに流れる電流に対応する電流を前記
    第2のトランジスタに流すカレントミラー回路と、 前記第1のトランジスタのベースに第5のトランジスタ
    のベースを接続し、前記第2のトランジスタのベースに
    第6のトランジスタのベースを接続し、これら第5及び
    第6のトランジスタのエミッタを共通化し、このエミッ
    タに第3の定電流源を共通に接続した差動対を構成し、
    前記第1のトランジスタのエミッタに前記第5のトラン
    ジスタのコレクタを接続し、かつ、前記第2のトランジ
    スタのエミッタに前記第6のトランジスタのコレクタを
    接続し、前記第1及び第2のトランジスタのベースと共
    通のベース入力を受け、このベース入力に応じて前記第
    1のトランジスタのエミッタ側に直流電流を前記第5の
    トランジスタによって供給するとともに、前記第2のト
    ランジスタのコレクタ側に直流電流を前記第6のトラン
    ジスタによって供給する電流相殺回路と、 を備えて、前記差動増幅器の前記第1及び第2のトラン
    ジスタの前記エミッタ間に生じる電圧差を前記直流電流
    の供給によって相殺することを特徴とする差動増幅器の
    オフセット低減回路。
  2. 【請求項2】 エミッタ間を抵抗によって結合した第1
    及び第2のトランジスタからなる差動対と、 前記第1のトランジスタのエミッタ側に接続され、前記
    差動対に定電流を流す第1の定電流源と、 前記第2のトランジスタのエミッタ側に接続され、前記
    差動対に定電流を流す第2の定電流源と、 を備えた差動増幅器のオフセット低減回路であって、 前記第1のトランジスタのコレクタと電源側との間に第
    3のトランジスタを接続するとともに、前記第2のトラ
    ンジスタのコレクタと電源側との間に第4のトランジス
    タを接続し、前記第3のトランジスタのベース・コレク
    タと前記第4のトランジスタのベースとを接続して前記
    第1のトランジスタに流れる電流に対応する電流を前記
    第2のトランジスタに流すカレントミラー回路と、 前記第1のトランジスタのエミッタに第5のトランジス
    タのベースを接続し、前記第2のトランジスタのエミー
    タに第6のトランジスタのベースを接続し、これら第5
    及び第6のトランジスタのエミッタを共通化し、このエ
    ミッタに第3の定電流源を共通に接続した差動対を構成
    し、前記第1のトランジスタのコレクタに前記第5のト
    ランジスタのコレクタを接続し、かつ、前記第2のトラ
    ンジスタのコレクタに前記第6のトランジスタのコレク
    タを接続し、前記第1のトランジスタのコレクタ側から
    直流電流を前記第5のトランジスタに引き込むととも
    に、前記第2のトランジスタのコレクタ側から直流電流
    を前記第6のトランジスタに引き込む電流相殺回路と、 を備えて、前記差動増幅器の前記第1及び第2のトラン
    ジスタの前記エミッタ間に生じる電圧差を前記直流電流
    の引込みによって相殺することを特徴とする差動増幅器
    のオフセット低減回路。
JP6188947A 1994-07-18 1994-07-18 差動増幅器のオフセット低減回路 Expired - Fee Related JP2737113B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6188947A JP2737113B2 (ja) 1994-07-18 1994-07-18 差動増幅器のオフセット低減回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6188947A JP2737113B2 (ja) 1994-07-18 1994-07-18 差動増幅器のオフセット低減回路

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3055796A Division JP2615269B2 (ja) 1991-02-27 1991-02-27 差動増幅器のオフセット低減回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0750530A JPH0750530A (ja) 1995-02-21
JP2737113B2 true JP2737113B2 (ja) 1998-04-08

Family

ID=16232705

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6188947A Expired - Fee Related JP2737113B2 (ja) 1994-07-18 1994-07-18 差動増幅器のオフセット低減回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2737113B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3028504B2 (ja) 1993-04-02 2000-04-04 ローム株式会社 差動増幅回路

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4835488A (en) * 1988-01-13 1989-05-30 Tektronix, Inc. Wideband linearized emitter feedback amplifier

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3028504B2 (ja) 1993-04-02 2000-04-04 ローム株式会社 差動増幅回路

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0750530A (ja) 1995-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2001097374A1 (fr) Circuit amplificateur
JPS6340366B2 (ja)
JP3697679B2 (ja) 安定化電源回路
JP2615269B2 (ja) 差動増幅器のオフセット低減回路
JPH05291834A (ja) 電力増幅器
JPH0476524B2 (ja)
US5162751A (en) Amplifier arrangement
US6194886B1 (en) Early voltage and beta compensation circuit for a current mirror
JP2737113B2 (ja) 差動増幅器のオフセット低減回路
JP2748017B2 (ja) リニア広帯域差動増幅器
JPH0626287B2 (ja) 増幅装置
JP3028504B2 (ja) 差動増幅回路
US20030052737A1 (en) Operational amplifier in which the idle current of its output push-pull transistors is substantially zero
JPH07202592A (ja) 差動増幅器のオフセット低減回路
JP2000249728A (ja) ピークホールド回路またはボトムホールド回路
JPH0851324A (ja) バッファアンプ
JPH06276037A (ja) オーディオ用パワーアンプ
JPH08330859A (ja) 精密電流ミラー回路
JP2566941B2 (ja) 集積回路の直流オフセツト電圧補償回路
JPH10209759A (ja) 2重平衡ミクサー回路
JPS6333726B2 (ja)
JP2007019850A (ja) Dcオフセットキャンセル回路およびこれを用いた表示装置
JP3688478B2 (ja) 光受信回路
WO2003067755A1 (en) Semiconductor circuit
JP3326294B2 (ja) 乗算器

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080116

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090116

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100116

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees