JP2733291B2

JP2733291B2 - 厨芥収納庫

Info

Publication number: JP2733291B2
Application number: JP1070930A
Authority: JP
Inventors: 正敏稲谷
Original assignee: Matsushita Refrigeration Co
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1989-03-23
Filing date: 1989-03-23
Publication date: 1998-03-30
Anticipated expiration: 2013-03-30
Also published as: JPH02249802A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野本発明は、生ゴミ等厨芥物のいやな臭いを除却する、
オゾンを利用した脱臭機能付の厨芥収納庫に関する。

従来の技術一般に、食生活から出る生ゴミ等の厨芥物を収納庫に
入れ、２〜３日放置しておくと、腐敗し悪臭を放つ様に
なる。その悪臭は台所に充満し不快感を感じさせ、ま
た、その様な厨芥収納庫を外に設置したとしても蓋を開
けた際には、嫌悪感を覚えるなど、快適な生活を著しく
阻害する原因を作る。これらの悪臭を除去する脱臭方法
としては、活性炭等の吸着剤による方法や、香料等の芳
香剤によっていやな臭いをマスキングする方法、また高
温で燃焼させる方法等が考えられている。しかし、活性
炭等の吸着剤による方法は、初期の脱臭効果は優れてい
るものの持続性が無く、頻繁に新しいものと交換する必
要があり、ランニングコストが高くなる課題を有してい
た。又香料等の芳香剤によるマスキング法は、別の臭い
で悪臭をまぎらわすものであり、個人によってはその臭
いを悪臭と感じる場合もあり、根本的な原因の解消とは
なっていなかった。また、高温により燃焼させる方法
は、大量の燃料が必要でランニングコストが非常に高く
なると共に、高温での処理のため空気中のチッ素まで酸
化させ、有害なチッ素酸化物を生成する等の問題点や課
題があった。上記課題を解決するために、最近では実公
昭60−24351号公報の様に、高電圧を印加してオゾナイ
ザーによりオゾンを発生させ、悪臭をオゾンで酸化分解
させ脱臭する方法が考案されている。

発明が解決しようとする課題しかしながら上記実公昭60−24351号公報では、厨芥
収納庫内部の条件が室温で多湿雰囲気となるため、高濃
度の悪臭成分が発生すると共に、多湿条件ではオゾナイ
ザーからのオゾンの発生が少量となるため、充分な脱臭
効果は得られない。又、初期には、オゾン分解剤として
使用している活性炭が脱臭効果を持つため、臭いは低減
するが短期間の寿命でしかない。

本発明は上記課題に鑑み、効果的に、かつ長時間生ゴ
ミの脱臭を行うことができる脱臭装置付の厨芥収納庫を
提供するものである。

課題を解決するための手段上記課題を解決するために本発明の脱臭機能付厨芥収
納庫は、厨芥物を収納する上面を開口した収納部と、収
納部の開口よりも小さな開口を有する投入口と、収納部
外側面と前記投入口とを連通するダクトと、投入口を開
閉する開閉蓋と、前記厨芥物に直接外気を送風する吸気
ファンと、さらに、前記収納部内から、ダクト，高電圧
を印加してオゾンを発生させるオゾナイザー部、脱臭と
オゾン分解とを兼ねた触媒への順に空気を流す排気ファ
ンとをもつものである。

作用本発明は上記した構成によって、厨芥物の表面が、吸
気ファンで送り込まれる乾いた外気と接するため、臭い
の発生を封じる酸化膜及び乾燥膜を生成するので悪臭の
発生を抑え、さらに、外気との強制撹拌により悪臭が薄
まるため、オゾナイザーと、脱臭とオゾン分解を兼ねた
触媒とで充分な脱臭効果を得ると共に、触媒が一時的に
悪臭成分を吸着しても、その悪臭がオゾンにより再生さ
れるため長期間に渡って脱臭効果を維持することができ
る。尚、収納庫内の悪臭成分の濃度が薄まる事により、
又、排気ファンにより収納庫内が負圧となると共に、収
納部外側面と投入口とを連通するダクトを悪臭成分が集
中的に流れるため、蓋開放時にはいやなにおいが収納庫
外に洩れる事を極力避ける事ができる。

実施例以下本発明の一実施例の脱臭機能付収納庫について第
１図から第３図を参考にしながら説明する。

１は投入口２を開閉する開閉蓋３と、外箱４とトップ
フランジ５とで構成された脱臭機能付収納庫である。

この厨芥収納庫１の庫内６には市販のポリエチレン袋
７をクランプリング８で止め挿入された収納部９と、誘
電体10としてアルミナを使用し、放電電極11側にZrB₂材
を、誘導電極12はヒーターを兼ねたルテニア材を使用し
たオゾナイザー13と、TiO₂,MnO₂を主成分とした脱臭を
兼ねたオゾン分解触媒14と、排気ファン15とで構成され
ている。

尚、オゾナイザー13は高電圧発生機16と電気的に結線
されており、放電電極11と誘導電極12との間に約6KV,10
Hzの交流電圧が加わる様になっており、誘導電極12側は
アース側とし、別回路で約100Vの電圧を加えることによ
りヒーターとしても使用できる様にしてある。この時の
ヒーターの抵抗値は約8KΩとし、表面温度が約40℃にな
る様設定した。

また、17は内箱収納部９の重量を検知する圧力センサ
ーであり、収納部９内に厨芥物を入れ所定以上の重さに
なった時、スイッチが入り、全体の電源回路が働くよう
になっている。またオゾナイザー13の組み込まれたオゾ
ン発生機部18への吸気口19にはゴミの進入を防止するス
クリーン20が設けられている。さらに開閉蓋３の中央部
には、小型の吸気ファン21が取り付けられてあり、外気
を吸入口22より吸入し、収納部９のポリエチレン袋７の
底部に入れられた厨芥物に外気を送風する様にしてあ
る。又、トップフランジ５は、収納部９の開口よりも小
さな開口を有する投入口２を形成する事により、収納部
９内の臭いを投入口２と収納部外側面23とを連通するダ
クト24を通して、吸気口19に導く様になっている。

以上の様に構成された脱臭機能付収納庫１について、
以下その動作を同様に第１図から第３図を用いて説明す
る。

まず、収納部９に市販のポリエチレン製の袋７を挿入
し、クランプリング８で止め、脱臭機能付収納庫１の庫
内の定位置にセットする。そしてトップフランジ５をた
おし、開閉蓋３を閉じる。この時、電源コード25をコン
セントにさし込んでも、吸気ファン21と排気ファン15と
オゾナイザー13は稼動せず、オゾンの生成は見られな
い。脱臭機能付収納庫1,収納部６、すなわち収納部９に
厨芥物を入れ、収納部９の外側底部に位置してある圧力
センサー21が厨芥物の重量増加分を検知してはじめて吸
気ファン21と排気ファン15とオゾナイザー13が稼動する
様にしている。これは、空の状態でオゾナイザー13が稼
動した場合、比較的湿度が低く、臭い成分が小であるの
で、オゾン発生量が大となり、必要以上のオゾン濃度と
なる、そこで安全面及び無駄な電気代を節約すると共
に、オゾナイザー13及び排気ファン15,吸気ファン21,触
媒14の寿命を少しでも長くするためのものである。通
常、高電圧を印加してオゾンを発生させるオゾナイザー
の場合、その湿度によって発生量、及び触媒表面での分
解スピードが変化する。そこで少しでも厨芥物が入れら
れると、収納部６の湿度は80〜100％の相対湿度となる
ので、本発明の実施例では、その時の湿度に合わせて、
高電圧発生機16の電圧及び周波数によりオゾン発生濃度
を約1ppmに設定した。

そこで、収納部９内へ厨芥物を入れると、圧力センサ
ー21が感知し、吸気ファン21と排気ファン15とオゾナイ
ザー13が作動しはじめる。この時、吸気ファン21で外気
が吸入口22より吸引され、収納部９のポリエチレン袋７
の底部に入れられた厨芥物に送風される。厨芥物は通
常、酸化や細菌で腐敗や発酵が進み、悪臭を生成する。
この腐敗や発酵に欠かせないのが水分であり、多湿条件
は悪臭の発生を促進させることとなる。しかし、前述の
様に、吸気ファン21により、比較的乾燥した外気を収納
部６に吸引し、厨芥物表面に送風させる事は、収納部６
の湿度を下げるばかりか、厨芥物表面が乾燥し、乾燥膜
を形成する事となり、厨芥物の内部から出る悪臭を抑え
る効果を持つことになる。

厨芥物表面に送風された外気は臭気と共に、収納部９
側壁に沿って開口縁を昇り、フランジ縁23内側と、ダク
ト24を通って、吸気口19よりオゾン発生機部19へ入る。
オゾン発生機部19内では、高電圧発生機16で、高電圧を
かけたオゾナイザー13から発生するオゾンと混合気体を
生成する。オゾンと臭気は混合気体中でも反応し、臭気
が酸化され、臭いの少ないものへと変化するが、一般
に、混合気体中での反応は遅い。オゾンの脱臭効果はオ
ゾンが酸素と酸素ラジカルに分解され、その酸素ラジカ
ルが悪臭成分と反応することにより発揮する。よって、
大部分の脱臭は、オゾン分解触媒14の表面で行なわれ
る。又、過剰の臭気は、触媒14に吸着され脱臭されるた
め、排気ファン15によって排気される気体中には、悪臭
成分は残らないことになる。尚、触媒中に吸着した悪臭
は、厨芥物を挿入した初期時、すなわち悪臭が少ない折
に、過剰のオゾンによって分解されるため、比較的悪臭
成分の蓄積を少くて済ませる事ができ、長い寿命をもた
せる事ができる。

また、多湿雰囲気中ではオゾナイザー13の放電が不安
定となり易いため、別途回路で誘電極11がヒーターとす
る電圧を加えることにより、オゾナイザー13表面を加熱
しておく必要がある。これにより、電極表面での結露を
さけ多湿雰囲気中でのオゾンの生成を安定化している。
本実施例では、ヒーターの抵抗を8KΩとし、100Vの商用
電源を印加し表面温度として40℃を得た。その時の外気
温度は20℃であった。

次に、開閉蓋３を開放すると、吸気ファン21が停止す
る。これは、乾燥され、低濃度となったとは言え、収納
部６の悪臭を撹拌し、投入口２より飛散させることを避
けるためである。しかし、排気ファン15は運転を続ける
ため、収納部６は減圧となり、開口部２より外気が導入
され、収納部６の悪臭の大部分と共に、収納部９の開口
より狭いトップフランジ５のフランジ縁23の内側を通っ
てダクト24から吸気口19に入る。そのため投入口２より
悪臭を飛散させることは極力避ける事ができる。本実施
例においては排気量は約30／分とした。

発明の効果以上の様に本発明は、厨芥物を収納する上面を開口し
た収納部と、収納部の開口よりも小さな開口を有する投
入口と、収納部外側面と前記投入口とを連通するダクト
と、投入口を開閉する開閉蓋と、前記厨芥物に直接外気
を送風する吸気ファンと、さらに、前記収納部内から、
ダクト，高電圧を印加してオゾンを発生させるオゾナイ
ザー部、脱臭とオゾン分解とを兼ねた触媒への順に空気
を流す排気ファンとで構成された厨芥収納庫であり、吸
気ファンにより外気が厨芥物に送風されるため、庫内の
悪臭濃度が低下すると共に、厨芥物表面に、乾燥膜を形
成するため悪臭の発生を抑え、さらに、オゾンと脱臭を
兼ねたオゾン分解触媒との働きにより、排気するガスの
悪臭を完全に取り除くと共に、開閉蓋の開放時において
も排気ファンにより収納庫内が負圧となると共に、収納
部9,外側面23と投入口２とを連通するダクトを悪臭成分
が集中的に流れるため、収納庫外への悪臭の飛散を極力
少なくしたもので、脱臭効果が良好で、又、脱臭寿命の
長い脱臭機能付厨芥収納庫を提供するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における厨芥収納庫の開閉蓋
閉鎖時の横断面図、第２図は同じく開閉蓋開放時の横断
面図、第３図は同じく厨芥収納庫の斜視図である。１……厨芥収納庫、２……投入口、３……開閉蓋、４…
…外箱、９……収納部、13……オゾナイザー、14……触
媒、15……排気ファン、21……吸気ファン、23……収納
部外側面、24……ダクト。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】厨芥物を収納する上面を開口した収納部
と、収納部の開口よりも小さな開口を有する投入口と、
収納部外側面と前記投入口とを連通するダクトと、投入
口を開閉する開閉蓋と、前記厨芥物に直接外気を送風す
る吸気ファンと、さらに、前記収納部内から、ダクト，
高電圧を印加してオゾンを発生させるオゾナイザー部、
脱臭とオゾン分解とを兼ねた触媒への順に空気を流す排
気ファンとで構成された厨芥収納庫。