JP2671492B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、耐衝撃性、成形加工性、耐熱性、耐薬品性
および表面外観性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関する
ものである。
[従来の技術] アクリロニトリル−スチレンを主成分とするゴム強化
樹脂(ABS、AES、AAS樹脂など)は、優れた耐衝撃性、
加工性および表面外観性を有し、成形用樹脂として広く
使われている。しかし、耐薬品性や耐摩耗性が十分では
なく、苛酷な条件下では使用が制限されている。
またポリアミド樹脂は、耐薬品性、耐摩耗性に優れて
おり、エンジニアリングプラスチックとして広く使用さ
れているが、耐衝撃性に劣るという欠点がある。
ポリアミド樹脂の耐衝撃性などを改良するために、AB
S樹脂とのブレンドが提案されている(特公昭38−23476
号公報)。
また、α,β−不飽和ジカルボン酸無水物や不飽和カ
ルボンアミドを、他の重合体とともにゴム状重合体にグ
ラフト共重合してなるグラフト共重合体とポリアミド樹
脂とのブレンドも提案されている(特公昭56−112957号
公報、特開昭58−93745号公報)。
また、我々は特願昭62−12856で、α,β−不飽和カ
ルボン酸を共重合したグラフト共重合体とポリアミド樹
脂のブレンドを提案した。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、ABS樹脂とポリアミド樹脂との単なる
ブレンドでは、相溶性が悪く、機械的物性も著しく低
い。また、ポリアミド樹脂のアミド基と親和性のある官
能基を有する単量体をゴム状重合体にグラフト共重合す
れば、ポリアミド樹脂との相溶性は改善できるが耐衝撃
性は不十分であり、また溶融粘度が高く、成形加工性に
劣るものしか得られていない。
また、我々が先に提案した特願昭62−12856の組成物
の耐衝撃性は、前述の系に比べて飛躍的に向上するが、
表面外観性に劣るという欠点があった。
本発明の課題は、ABS樹脂の成形加工性を損なうこと
なく、ポリアミド樹脂の耐薬品性も合わせ持ち、かつ極
めて高い耐衝撃性および優れた表面外観性を持つ熱可塑
性樹脂組成物を抵抗することにある。
「問題点を解決するための手段] 本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行なっ
た結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は次の構成をとる。
(A)(a)ゴム質重合体5〜80重量部に、 (b)芳香族ビニル系単量体10〜90重量%、シアン化ビ
ニル系単量体および/または(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル系単量体90〜10重量%ならびにこれらと共重
合可能な他のビニル系単量体0〜40重量%からなる単量
体混合物95〜20重量部をグラフト重合してなるグラフト
共重合体(A成分およびB成分の和に対して)1〜99重
量%、 (B)ポリアミド樹脂(A成分およびB成分の和に対し
て)99〜1重量%ならびに、 (C)金属水酸化物水溶液を、下記式(I)および(I
I)を満足するように添加してなる熱可塑性樹脂組成物
およびその製造方法。
(ここで、xは金属水酸化物水溶液中の水のモル数、y
は金属水酸化物水溶液中の金属水酸化物のモル数、mは
(A)中のシアン化ビニル単量体および/または(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル系単量体残基の(A)
+(B)からなる組成物中におけるモル数を表わす。) 以下、本発明を具体的に説明する。
本発明で用いられる(A)グラフト共重合体の構成成
分である(a)ゴム質重合体としては、ガラス転移温度
が0℃以下のものが好適であり、具体的にはポリブタジ
エン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(アクリロ
ニトリル−ブタジエン)などのジエン系ゴム、ポリイソ
プレン、ポリクロロプレン、ポリアクリル酸ブチルなど
のアクリル系ゴム、およびエチレン−プロピレン−ジエ
ンモノマー三元共重合体などのゴム質重合体を使用でき
る。特にブタジエンまたはブタジエン共重合体が好まし
い。
(b)芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−
メチルスチレン、ビニルトルエン、o−エチルスチレ
ン、o−p−ジクロロスチレンなどが挙げられるが、特
にスチレンが好ましく、これらは1種または2種以上を
用いることができる。
シアン化ビニル系単量体としては、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルなどが挙
げられるが、特にアクリロニトリルが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体として
は、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、アクリル酸メチル、メタクリル酸シク
ロヘキシル、メタクリル酸クロロメチル、アクリル酸−
2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプ
ロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタク
リル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸グリシジ
ル、およびメタクリル酸グリシジルなどが挙げられる。
共重合可能な他のビニル系単量体としては、アクリル
アミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどの(メタ)アク
リルアミド類、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの
α,β−不飽和ジカルボン酸無水物類、N−メチルマレ
イミド、N−t−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシ
ルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−O−クロ
ロフェニルマレイミドなどのα,β−不飽和カルボン酸
のイミド化合物類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルな
どのカルボン酸ビニルエステル類などを挙げることがで
きる。
また、グラフト共重合体は(A)は、(a)ゴム質重
合体5〜80重量部、好ましくは7〜75重量部、より好ま
しくは10〜70重量部に、単量体混合物95〜20重量部、好
ましくは93〜25重量部、より好ましくは90〜30重量部を
公知の重合法、例えば、ゴム質重合体ラテックスの存在
下に前記した割合の単量体混合物と重合開始剤を連続的
に供給して、乳化グラフト重合する方法などによって得
ることができる。
グラフト共重合体における(a)ゴム質重合体の割合
が5重量部未満では得られる樹脂の耐衝撃性が劣り、80
重量部を超える場合はゴム質重合体が分散不良となり、
成形品の外観を損なうため実用的でない。
また、(b)単量体混合物中の芳香族ビニル系単量体
の割合が10重量%未満の場合は成形加工性が悪く、90重
量%を超える場合は得られる樹脂の耐衝撃性および耐薬
品性が低下するため好ましくない。
また、シアン化ビニル系単量体と(メタ)アクリル酸
アルキルエステル系単量体の割合は任意であり、これら
の合計割合が10重量%未満では得られる樹脂の耐衝撃性
が劣り好ましくない。また、90重量%を超える場合は共
重合体の熱安定性が著しく低下し、色調の悪い成形品と
なるため好ましくない。
また、全熱可塑性樹脂組成物中の(a)の含有量が1
〜60重量%の範囲であることが好ましく、特に3〜55重
量%、さらに5〜50重量%の範囲であることが好まし
い。さらに、樹脂組成物中のジエン系ゴムの重量が15重
量%以上、特に15〜25重量%であるならば、樹脂組成物
の耐衝撃性がグラフト共重合体組成物およびポリアミド
樹脂の各単独のそれに比較して飛躍的に向上する。
本発明に用いるポリアミド樹脂(B)としては、ε−
カプロラクタム、ω−ドデカラクタムなどのラクタム類
の開環重合によって得られるポリアミド、6−アミノカ
プロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカ
ン酸などのアミノ酸から導かれるポリアミド、エチレン
ジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジ
アミン、2,2,4−および2,4,4−トリメチルヘキサメチレ
ンジアミン、1,3−および1,4−ビス(アミノメチル)シ
クロヘキサン、ビス(4,4′−アミノシクロヘキシル)
メタン、メタおよびパラキシリレンジアミンなどの脂肪
族、脂環族、芳香族ジアミンとアジピン酸、スペリン
酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,3−および1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、ダイマー酸などの脂肪族、脂環族、芳香族ジカルボ
ン酸とから導かれるポリアミド樹脂、およびこれら共重
合ポリアミド樹脂、混合ポリアミド樹脂などが挙げられ
る。これらのうち、通常はポリカプロアミド(ナイロン
6)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデ
カンアミド(ナイロン12)、ポリヘキサメチレンアジパ
ミド(ナイロン66)、およびこれらを主成分とする共重
合ポリアミド樹脂が有用である。
上記ポリアミド樹脂は1種または2種以上併用して用
いることができる。
ポリアミド樹脂の重合方法は、通常公知の溶融重合、
固相重合およびこれらを組み合わせた方法を採用するこ
とができる。また、ポリアミド樹脂の重合度は特に制限
なく、相対粘度(ポリマー1gを98%濃度酸100gに溶解
し、25℃で測定)が2.0〜5.0の範囲にあるポリアミド樹
脂を目的に応じて任意に選択できる。
本発明で用いる(C)金属水酸化物としては、次式
(III)で表わされるものが好ましい。
M(OH)またはM(OH) (III) (ここで、Mは元素周期率表、第2〜6周期で第I〜II
族の金属を表わす。) 具体的には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ルビジウム、
水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムなどを挙げるこ
とができるが、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
が好ましい。
また、これらは単独ないし2種以上を組み合わせて使
用することができる。
上記(C)は樹脂成分中に添加するにあたっては、
(C)は樹脂成分中における分散性を考慮し、水溶液で
添加することが必要である。
また、(C)の水溶液の適性濃度は1〜45重量%であ
り、より好ましくは2〜45重量%であり、さらに好まし
くは3〜40重量%である。濃度が45重量%を超える場合
には、金属種によっては溶解発熱量がかなり大きく、し
かも溶解時間が長くなるため好ましくない。一方、濃度
が1重量%未満の場合には、樹脂組成物中に必要な金属
水酸化物の量を溶解するために必要となる水の量が多す
ぎるため好ましくない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物におけるグラフト共重合
体(A)およびポリアミド樹脂(B)の配合割合は、
(A)が1〜99重量%、好ましくは2〜94重量%、さら
に好ましくは5〜90重量%であり、(B)が1〜99重量
%、好ましくは6〜98重量%、さらに好ましくは10〜95
重量%の割合である。(A)が1重量%未満および
(B)が99重量%を超えた場合には、得られる樹脂組成
物の耐衝撃性に劣り、(A)が99重量%を超えた場合お
よび(B)が1重量%未満では、耐薬品性および金型転
写性に劣るため好ましくない。
また、樹脂組成物中における金属水酸化物水溶液の添
加量は、下記式(I)および(II)を満足する必要があ
る。
ここでx/mは水分添加量、y/mは金属水酸化物添加量を
意味する。
すなわち、(A)中のシアン化ビニル系単量体および
/または(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体
残基のモル数(m)に対して、金属水酸化物水溶液中の
水のモル数(x)が0.02〜0.5モル比であり、金属水酸
化物水溶液中の金属水酸化物のモル数(y)が1×10-4
〜0.2モル比である。
この金属水酸化物水溶液を添加することにより、樹脂
組成物中のニトリル基および/またはエステル基が加水
分解され、生じたカルボキシル基は金属水酸化物により
中和される。
ここで、添加する金属水酸化物水溶液の水分量が、シ
アン化ビニル系単量体および/または(メタ)アクリル
酸アルキルエステル系単量体残基のモル比で0.02未満の
場合には、カルボキシル基生成量が少ないため、グラフ
ト共重合体とポリアミド樹脂の相溶性が不十分である。
一方、0.5モル比を超える場合には、グラフト共重合体
成分がゲル化しやすく、表面状態の良好な成形品は得ら
れない。
また、該水溶液の金属水酸化物量がシアン化ビニル系
単量体および/または(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル系単量体残基のモル比で1×10-4未満の場合には、
カルボキシル基の中和量が少ないため、良好な表面外観
を有する組成物が得られず好ましくない。さらに、0.2
モル比を超える場合には、樹脂組成物の加工性に劣るた
め、これも好ましくない。
適量の金属水酸化物水溶液を添加することにより、高
分子相溶化剤を配合することなくアクリロニトリル−ス
チレン系樹脂とポリアミド樹脂の相溶性が向上し、耐衝
撃性などの機械物性に優れた樹脂組成物が得られる。
本発明は該2種の樹脂の新規な相溶化技術であり、無
機化合物が添加のみという点で大幅なコストダウンが達
成される。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、他の熱可塑性重合
体、例えばスチレン/アクリロニトリル共重合体、α−
メチルスチレン/アクリロニトリル共重合体、α−メチ
ルスチレン/スチレン/アクリロニトリル共重合体、ス
チレン/メタクリル酸メチル/アクリロニトリル共重合
体、スチレン/アクリルアミド共重合体、ポリメタクリ
ル酸メチルなどを混合することによって、溶融流動性、
耐熱性および耐衝撃性のバランスを一層向上させること
も可能である。
例えば、グラフト重合体(A)中のゴム質重合体濃度
の高い場合には、スチレン/アクリロニトリル/メタク
リル酸メチル共重合体などの上記共重合体の1種以上を
添加する方法などが一般的である。
また、目的に応じて顔料や染料、ガラス繊維、金属繊
維、金属フレーク、炭素繊維などの補強剤や充填剤、熱
安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、
可塑剤、帯電防止剤および難燃剤などを添加することも
できる。
[実 施 例] 以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳
しく説明する。
耐衝撃性の評価として1/2″アイゾット衝撃強さをAST
M D256−56に従って測定した。成形加工性の評価とし
て、溶融粘度を高化式フローテスターにより、樹脂温度
250〜280℃、荷重50kgの条件下で測定した。耐熱性の評
価として、ビカット軟化温度をASTM D−1525に従って
測定した。耐薬品性は、射出成形した角板をメタノール
およびガソリンに23℃で24時間浸漬して、角板表面を目
視で観察した。表面外観性は、成形品表面の光沢度を測
定した。
なお、以下の部数および%はそれぞれ重量部および重
量%を表わす。
参 考 例 次の処方により、グラフト共重合体A−1〜A−3を
製造した。
A−1:ポリブタジエンラテックス(ゴム粒子径0.25μ、
ゲル含率80%)60部(固形分換算)の存在下で、スチレ
ン70%、アクリロニトリル30%からなる単量体混合物40
部を乳化重合した。
得られたグラフト共重合体は硫酸で凝固し、苛性ソー
ダで中和、洗浄、過、乾燥してパウダー状のグラフト
共重合体(A−1)を調製した。
A−2:A−1で使用したポリブタジエンラテックス40部
(固形分換算)の存在下で、メタクリル酸メチル15%、
スチレン65%、アクリロニトリル20%からなる単量体混
合物60部を乳化重合した後、A−1と同様にしてパウダ
ー状のグラフト共重合体(A−2)を調製した。
A−3:ポリブタジエンゴム(“ジエン"NF35A、旭化成
(株)製)20部をスチレン70部とアクリロニトリル10部
に溶解した後、塊状重合してグラフト共重合体(A−
3)を調製した。
実施例1〜9、比較例1〜5 参考例で製造したA−1〜A−3に金属水酸化物水溶
液を表−1の比率に従って添加し、ヘンシェルミキサー
で混合後、ベント付40mmφ押出機を用いてシリンダ温度
220℃にて押出し、ペレット化した。
得られたペレットを80℃で8時間以上熱風乾燥した
後、表−1の配合割合でポリアミド樹脂(CM1010、東レ
(株)製、ナイロン6)と混合した。この混合物をベン
ト付40mmφ押出機によりシリンダ温度250℃で押出し、
それぞれペレット化した後、各ペレットについて成形温
度250℃、金型温度60℃の条件で射出成形に供し、各試
験片を作製した。それについて物性の評価を行ない、結
果を表−1に合わせて示した。
実施例10〜18、比較例6〜10 ポリアミド樹脂としてCM3001N(東レ(株)製、ナイ
ロン66)を用いて、押出温度を280℃、成形温度を280
℃、金型温度を80℃とした以外は実施例1〜9と同様の
条件で行なった。配合組成および物性の測定結果を表−
2に示す。
実施例および比較例より次のことが明らかである。
すなわち、本発明により得られたものは、いずれも耐
衝撃性、成形加工性、耐熱性、耐薬品性および表面外観
性に優れている。それに対して、金属水酸化物の添加量
が少ないもの(比較例1、6)は、表面外観が劣るため
好ましくない。また、水分の添加量が多いもの(比較例
2、7)では溶融粘度が高く、成形加工性に劣り、かつ
表面外観も悪い。さらに、金属水酸化物のみ添加したも
の(比較例3、8)および金属水酸化物水溶液を添加し
ないもの(比較例4、9)では、耐衝撃性に劣るため好
ましくない。ポリアミド樹脂を含まないもの(比較例
5、10)は耐熱性に劣り、かつ耐薬品性も劣り好ましく
ない。
[発明の効果] 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、グラフト共重合体
(A)、ポリアミド樹脂(B)および金属水酸化物水溶
液(C)を特定の割合で配合しており、特に適切な濃度
の金属水酸化物水溶液の適量の存在により、(A)およ
び(B)の相溶性が極めて良好となる。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ゴム強化アク
リロニトリル−スチレン系樹脂と同等の成形加工性、耐
衝撃性とポリアミド樹脂の耐熱性、耐薬品性を合わせ持
つため、それらの性質を活かした種々の成形品に用いる
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 77:00) (C08L 55/02 77:00) (C08L 77/00 51:04) (C08L 77/00 55:02) (56)参考文献 特開 平2−173142(JP,A) 特開 平2−127457(JP,A) 特開 平1−315462(JP,A) 特開 昭64−56750(JP,A) 特開 昭60−53550(JP,A) 特開 昭52−121660(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(a)ゴム質重合体5〜80重量部に (b)芳香族ビニル系単量体10〜90重量%、 シアン化ビニル系単量体および/または(メタ)アクリ
    ル酸アルキルエステル系単量体90〜10重量%ならびに これらと共重合可能な他のビニル系単量体0〜40重量%
    からなる単量体混合物95〜20重量部を グラフト重合してなるグラフト共重合体(A成分および
    B成分の和に対して)1〜99重量%、 (B)ポリアミド樹脂(A成分およびB成分の和に対し
    て)99〜1重量%ならびに (C)金属水酸化物水溶液が下記式(I)および(II)
    を満足するように添加されたことを特徴とする熱可塑性
    樹脂組成物。 (ここで、xは金属水酸化物水溶液中の水のモル数、y
    は金属水酸化物水溶液中の金属水酸化物のモル数,mは
    (A)中のシアン化ビニル単量体および/または(メ
    タ)アクリル酸アルキルエステル系単量体残基の(A)
    +(B)からなる組成物中におけるモル数を表す。)
  2. 【請求項2】(A)(a)ゴム質重合体5〜80重量部に (b)芳香族ビニル系単量体10〜90重量%、 シアン化ビニル系単量体および/または(メタ)アクリ
    ル酸アルキルエステル系単量体90〜10重量%ならびに これらと共重合可能な他のビニル系単量体0〜40重量%
    からなる単量体混合物95〜20重量部を グラフト重合してなるグラフト共重合体(A成分および
    B成分の和に対して)1〜99重量%、 (B)ポリアミド樹脂(A成分およびB成分の和に対し
    て)99〜1重量%ならびに (C)金属水酸化物水溶液を下記式(I)および(II)
    を満足するような比率で添加して混合することを特徴と
    する熱可塑性樹脂組成物の製造方法。 (ここで、xは金属水酸化物水溶液中の水のモル数、y
    は金属水酸化物水溶液中の金属水酸化物のモル数,mは
    (A)中のシアン化ビニル単量体および/または(メ
    タ)アクリル酸アルキルエステル系単量体残基の(A)
    +(B)からなる組成物中におけるモル数を表わす。)
  3. 【請求項3】金属水酸化物水溶液の濃度が1〜45重量%
    であることを特徴とする特許請求の範囲2記載の熱可塑
    性樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】金属水酸化物が元素周期律表第2〜6周期
    で、第I〜II族の金属の水酸化物であることを特徴とす
    る特許請求の範囲2または3記載の熱可塑性樹脂組成物
    の製造方法。
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