JP2722897B2 - 車両用パワーステアリング装置 - Google Patents

車両用パワーステアリング装置

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JP2722897B2
JP2722897B2 JP3275653A JP27565391A JP2722897B2 JP 2722897 B2 JP2722897 B2 JP 2722897B2 JP 3275653 A JP3275653 A JP 3275653A JP 27565391 A JP27565391 A JP 27565391A JP 2722897 B2 JP2722897 B2 JP 2722897B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば自動車の前輪
を操舵するのに用いられる車両用パワーステアリング装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車(車両)では、軽い操作で操舵を
するために油圧式のパワーステアリング装置を装備する
ことが行われている。
【0003】こうしたパワーステアリング装置には、ト
ーションバーの一端部に出力軸を設け、他端部に入力軸
を設け、この入力軸にハンドルをつなげ、出力軸に前輪
(操舵輪)をつなげて構成されるステアリング機構を設
け、このステアリング機構に油圧のアシスト系を設ける
ことが行われている。
【0004】従来、このアシスト系には、ステアリング
機構の入力軸と出力軸との間にトーションバーの捩じれ
にしたがって相対変位するロータリバルブを設け、この
ロータリバルブにエンジン駆動式のオイルポンプ(油圧
発生部)、前輪を操舵方向に駆動するパワーシリンダ
(シリンダー機構)を流路を介し接続して、ハンドルの
回転で相対変位するロータリバルブにより得られる油圧
をパワーシリンダへ供給して、アシスト力を発生させる
ことが行なわれている。
【0005】ここで、このアシスト力の発生について詳
しく説明すれば、ハンドルを回転させると、入力軸およ
びトーションバーを伝達して出力軸を回転させる。この
とき、出力軸は路面抵抗によって回転が妨げられ、その
路面抵抗分だけ、トーションバーが捩じられる。このこ
とは、入力軸はトーションバーの捩じれ角度分だけ、余
分に捩じられる。
【0006】これによって、入力軸と出力軸との間にあ
るロータリバルブは回転差(相対変位)が生じ(ハンド
ルの操作より変化する)、この回転差で発生する油圧が
パワーシリンダの右側の室、左側の室に供給されて、前
輪をハンドルで操舵した方向へ駆動し、操舵力を軽くす
るようにしてある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のパワ
ーステアリング装置は、ハンドルの回転に伴うトーショ
ンバーの捩じれ具合で、ロータリバルブの作動角と、ロ
ータリバルブからの圧力との関係が一義的に決定され
る。このため、ロータリバルブの変位だけでは、適切に
操舵力をコントロールできない問題がある。
【0008】また、従来のパワーステアリング装置で
は、アシスト系に反力を発生させる反力機構とこの反力
機構を制御するコントロールバルブを設けてハンドルの
手応えを油圧により可変可能とすることも行われている
が、この構造でも、人間のハンドル操作に対して、ロー
タリバルブの作動角と圧力との関係は一義的に決定され
るために、操舵力の可変幅が狭いという問題がある。
【0009】特に、近年、自動車の運転状況を見ると、
長距離、高速走行、さらには運転者の高齢化が目立ち、
それに伴い運転者に対するステアリング操作の負担が増
えている。また四輪駆動車、四輪操舵車など、付加機能
が装備される自動車は、その機能の付加にしたがってス
テアリング操作の負担が大きくなる傾向にあり、これの
改善には、据え切りから高速走行、スポーツ走行など、
いかなる操舵条件でも、その操舵条件に合った操舵が少
ない運転者の負担ですむことが要求されるが、操舵力の
可変幅が小さいと、これに対応できない。
【0010】この発明は、このような事情に着目してな
されたもので、その目的とするところは、操舵力の可変
幅を格段に広くすることができる車両用パワーステアリ
ング装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の車両用パワーステアリング装置は、
ハンドルに連結された入力軸、操舵輪につながる出力
軸、両軸間に配設され一端が上記入力軸に他端が上記出
力軸に連結されたトーションバーを備え、上記ハンドル
の操作に従って操舵輪を操舵するステアリング機構と、
同ステアリング機構に配設されるとともに上記トーショ
ンバーの捩れに従い相対変位して油圧アシスト力を出力
するロータリーバルブ、同ロータリーバルブにより調圧
された油圧で上記操舵輪を操舵方向に駆動するシリンダ
ー機構を備え、上記ハンドル操舵力をアシストするため
のアシスト機構と、上記ステアリング機構に設けられ、
上記トーションバーに対して独立して捩りモーメントを
発生可能な副アシスト機構と、同副アシスト機構を制御
する制御手段とを備えた車両用パワーステアリング装置
において、上記副アシスト機構は、上記入力軸又は出力
軸の一方に配設された被押圧部と、上記被押圧部を挟む
一方側に設けられ一方向へ回動可能とする第1押圧子
と、上記被押圧部を挟んで対向する他方側に設けられ他
方向へ回動可能とする第2押圧子と、上記第1押圧子の
作動を制御する第1押圧子制御手段と、上記第1押圧子
制御手段とは互いに独立して上記第2押圧子の作動を制
する第2押圧子制御手段と、上記車両の運転状態を検
出する運転状態検出手段とからなり、上記制御手段は、
上記車両の運転状態に応じて少なくとも上記第1押圧子
制御手段又は第2押圧子制御手段の一方を作動させ、上
記トーションバーの捩れ方向と同一方向又は逆方向に上
記被押圧部を回動させることにある。請求項2に記載の
車両用パワーステアリング装置は、請求項1に記載の車
両用パワーステアリング装置において、上記運転状態検
出手段は、上記ハンドルの操舵トルクを検出する操舵ト
ルク検出手段を有し、上記制御手段は、予め設定された
目標トルクと上記操舵トルク検出手段により検出された
検出値とに基づいて設定された設定値から、上記第1押
圧子制御手段又は第2押圧子制御手段の一方を作動させ
ることにある。請求項3に記載の車両用パワーステアリ
ング装置は、請求項1に記載の車両用パワーステアリン
グ装置において、上記運転状態検出手段は、上記ハンド
ルの操舵状態が保持か否かを判定する操舵状態判定手段
を有し、上記制御手段は、上記操舵状態判定手段により
保持状態であると判定されたとき、上記第1押圧子制御
手段及び第2押圧子制御手段の両方を作動可能とするこ
とにある。
【0012】
【作用】この発明の車両用パワーステアリング装置によ
ると、ハンドル操舵に応じて駆動されるロータリーバル
ブからの吐出圧により操舵力がアシストされるが、副ア
シスト機構で操舵操作よりも早くロータリーバルブを駆
動してその作動角を増加させることができる。
【0013】また副アシスト機構によりステアリング機
構に反力が付与されるようにロータリーバルブの作動角
を減少させることもできる。
【0014】このとき得られる操舵力は、トーションバ
ーの捩れに従い相対変位させられるロータリーバルブか
らの吐出圧によるアシスト力と、被押圧子をトーション
バーの捩れ方向と同一方向に回動させることで得られる
軽いアシスト力(ハンドル操作による操舵よりもロータ
リーバルブの作動角が大きくなり、早く油圧が立ち上が
ることによる)と、被押圧子をトーションバーの捩れ方
向と逆方向に回動させることで得られる重いアシスト力
(ハンドル操作による操舵よりもロータリーバルブの作
動角が小さくなり、油圧の立ち上がりが遅れることによ
る)との間で変化することとなる。
【0015】つまり副アシスト機構によって、ロータリ
ーバルブの吐出油圧そのものを制御できるため、従来の
パワーステアリング装置に比べ、操舵力の可変幅を格段
に広くすることができる。これにより、据え切りから高
速走行、スポーツ走行等、いかなる操舵条件でも最適な
ハンドル操作とすることができる
【0016】それ故、長距離、高速走行、運転者の高齢
化の環境条件に対応できる上、さらには四輪駆動車、四
輪操舵車など、付加機能が装備される自動車において
も、ステアリング操作の負担を軽減することができ、高
性能のパワーステアリング装置を提供できることとな
る。
【0017】
【実施例】以下、この発明を図1ないし図14に示す第
1の実施例にもとづいて説明する。
【0018】図2は自動車の左右前輪(操舵輪)を操舵
するパワーステアリング装置の構成を示し、2はステア
リング機構1を構成する例えばラック&ピニオン式のス
テアリングギヤである。
【0019】このステアリングギヤ2は、図2に示され
るように例えばケーシング3にラック4,ピニオン5を
内蔵した構造となっている。このラック4の一方の端部
がステアリングロッド6、タイロッド6a、ナックル6
bを介して、自動車の左右前輪8,8の一方の前輪に連
結されている。また他方の端部は、図1に示されるよう
にステアリングロッド6、パワーシリンダ装置7(シリ
ンダ機構)、タイロッド6a、ナックル6bを介して、
自動車の他方の前輪8に連結されている。
【0020】ステアリングギヤ2のピニオン5には、ア
ウトプットシャフト5a(出力軸)を介してトーション
バー9の下端部が連結されている。このトーションバー
9の上端部は、ステアリングギヤ2の上部に設けたバル
ブユニット10を貫通して、インプットシャフト11
(入力軸)に連結されている。またインプットシャフト
11の端部は、図1に示されるようにステアリングシャ
フト12を介して、ハンドル13に連結されていて、ハ
ンドル13から回転変位を入力すると、ステアリングシ
ャフト12、トーションバー9、ピニオン5、ラック
4、ステアリングロッド6を介して、左右前輪8,8が
操舵されるようになっている。
【0021】バルブユニット10には、ステアリングギ
ヤ2の上部にトーションバー9を囲むようにハウジング
14を据付け、このステアリングギヤ2の上部からハウ
ジング14内にかけての部分に、副アシスト機構として
バルブ駆動アクチェータ15、ロータリバルブ16を
下側から順に設けた構造が用いられている。
【0022】ロータリバルブ16は、周知のようにハウ
ジング14の内面に筒状のアウターバルブ17を回転可
能に設け、インプットシャフト11にアウターバルブ1
7と組み合う筒状のインナーバルブ18を一体に設けて
なる。つまり、ロータリバルブ16は、ハンドル13か
らの回転操作によって、トーションバー9が捩じれる
と、アウターバルブ17とインナーバルブ18との間で
相対的な変位が発生する構成となる。
【0023】このアウターバルブ17に形成されている
流入ポート17aがハウジング3に設けた流入口体19
に連通し、インナーバルブ18に形成されている流出ポ
ート18aがハウジング3に設けた流出口体20に連通
している。またアウターバルブ17に形成されている出
力ポート(図示しない)は、ハウジング3に設けた一対
の出力ポート部21,22に連通している。この出力ポ
ート部21,22が上記パワーシリンダ装置7に接続さ
れている。
【0024】ここで、パワーシリンダ装置7は、図1に
示されるようにシリンダ23を貫通するようにピストン
ロッド24を摺動自在に設け、このピストンロッド24
の一部にシリンダ23を長手方向両側(左右)に仕切る
ようにピストン25を設けて構成される。このピストン
25で仕切られた左右の室25a,25bと連通する一
対の入力ポート26,27が、流路28,29を介して
上記出力ポート部21,22に接続してある。
【0025】そして、流入口体19が、流路30および
分流ユニット31(1つの入口部31aと2つの出口部
31b,31bとをオリフィス付の流路31c,31c
で接続してなる)を介して、自動車の走行用エンジン3
2で駆動されるリリーフバルブ付のオイルポンプ33
(油圧発生部に相当)に接続されている。また流出口体
20は流路34を介してオイルリザーバ35に接続され
ていて、パワーシリンダ装置7に対する油圧回路を構成
している。
【0026】この油圧回路により、ロータリバルブ16
のアウターバルブ17とインナバルブ18とにおける相
対的な変位にしたがい、ロータリバルブ16から操舵力
および操舵方向に応じた油圧をパワーシリンダ装置7の
室25a,25bに供給できるようにしている。つま
り、油圧でアシストしながら、前輪8、8を操舵できる
ようにしてある。なお、オイルポンプ33にはポンプ回
転数に応じてロータリバルブ16への吐出流量が変化す
る特性のポンプを用いている。
【0027】一方、バルブ駆動アクチェータ15につい
て説明すれば、37はインプットシャフト11の下端部
(インナーバルブ18の直下の軸部分)に形成された、
同下端部分をトーションバー9の軸心方向に沿って下方
へ延長してなる延長部分である。この延長部分37の周
囲のケーシング3は大径部分となっていて、同部分内に
円形の室47を形成してある。この室47の内部には、
アウトプットシャフト5aと一体に連結された中空の円
形な大径部38が回転自在に収容されている。また大径
部38は、ピン36による結合より、上記ロータリバル
ブ16のアウターバルブ17と連結してある。この大径
部38の外周面の全体にはインナースリーブ39が嵌め
込んである。またこのインナースリーブ39と対向する
室41の内周面には、アウタースリーブ40が回転自在
に嵌め込まれている。
【0028】大径部38の内部には、図3および図4に
示されるように大径部38の貫通孔38aにおける円周
方向の180度隔たった対称の2か所の地点から、それ
ぞれ半径方向の外側に延びる偏平な凹部状の室41,4
1が形成されている。
【0029】大径部38で覆われた延長部分37には、
図3および図4に示されるように円周方向の180度隔
たった対称の2か所の地点から、それぞれ半径方向の外
側に張出した板状の張出し部42,42(被押圧部に相
当)がそれぞれ形成されている。張出し部42,42
は、いずれも室41の長さおよび幅寸法よりも小さな外
形に形成されている。これら張出し部42,42が室4
1,41内に同心的に遊嵌されている。また板状の張り
出し部42と偏平な室41との隙間は、ロータリバルブ
16の作動角を補償するに必要な領域が設定できる寸法
に定められていて、トーションバー9をインプットシャ
フト11に対して所定角度の範囲で捩じることができる
ようにしてある。
【0030】また大径部38の室41,41を挟む両側
の部分には、張出し部42,42を挟んで対向するよう
に、孔部、例えば4つの円形の孔部43,43が対称に
形成されている。そして、これら各孔部43には、対称
をなして、それぞれ第1押圧子、第2押圧子としてのプ
ランジャ44a,44bが軸方向に摺動自在に嵌挿され
ている。各プランジャ44a,44bの先端中央には
張出し部42,42を挟んで対向するように突起42a
が形成されていて、張り出し部42の板面部分を押圧で
きるようにしてある。また各プラジャ44a,44bの
全長は、孔部43の長さ寸法よりも短く設定されてい
て、プランジャ44a,44bの後端面とインナースリ
ーブ39とで囲まれた孔部分に、それぞれ油圧室45,
46を形成している。なお、本実施例では、これら対称
な4つの油圧室のうち、室41に対して時計方向後側の
2つのものを第1油圧室45、室41に対して時計方向
前側の2つのものを第2油圧室46と呼ぶことにする。
【0031】図2に示されるようにインナースリーブ3
9の外周面の上部には第1環状油路48が設けられ、下
部には第2環状油路49が設けられている。そして、第
1環状油路48は、図3に示されるように各第1油圧室
45の位置と対応するインナスリーブ部分にそれぞれ設
けた第1孔路50aを介して、2つの第1油圧室45,
45に連通している。また第2環状油路49は、図4に
示されるように各第2油圧室46の位置と対応するイン
ナスリーブ部分に設けた第2孔路50bを介して、2つ
の第2油圧室46に連通している。
【0032】図2に示されるようにアウタースリーブ4
0の外周面の上部には第1環状油路51が設けられ、下
部には第2環状油路52が設けられている。なお、53
は第1環状油路51の上段、第1環状油路51と第2環
状油路52との間、第2環状油路52の下段にそれぞれ
設けた油路シール用のOリングである。
【0033】このアウタースリーブ40の第1環状油路
51は、図3に示されるようにケーシング3に形成した
第1入出口体54に連通され、アウタースリーブ40の
第2環状油路52はケーシング3に形成した第2入出口
体55に連通されている。
【0034】これら入出口体54,55は、それぞれ流
路56,57、圧力調整弁で構成される互いに独立して
作動する第1押圧制御手段、第2押圧制御手段としての
第1,第2の制御弁58,59および分流ユニット60
(1つの入口部60aと2つの出口部60b,60bと
をオリフィス付の流路60c,60cで接続してなる)
を介して、上記分流ユニット31のもう一方の出口部3
1bに接続されていて、互いに独立して作動する第1,
第2の制御弁58,59により、分流ユニット31,6
0で分けたオイルポンプ33からの油圧を入出口体54
あるいは入出口体55に供給できるようにしてある。な
お、各制御弁58,59の戻り部は、オイルリザーバ3
5につながる流路34に接続してある。
【0035】またインナースリーブ39の第1環状油路
48とアウタースリーブ40の第1環状油路51とは、
アウタースリーブ部分に設けた第1連通孔61,61を
介して連通している。さらにインナースリーブ39の第
2環状油路49とアウタースリーブ40の第2環状油路
52とは、アウタースリーブ部分に設けた第2連通孔6
2,62を介して連通している。
【0036】このようにして構成される油圧回路64
、第1および第2の制御弁58,59が作動しないと
きは、第1油圧室45,45および第2油圧室46,4
6には油圧が作用しない。
【0037】また第1の制御弁58のみが作動するとき
は、オイルポンプ33からの圧油を第1油圧室45、4
5に供給して、図6の(b)で示されるようにプランジ
ャ44aで張出し部42を押圧して、トーションバー9
に例えばロータリバルブ16の正転方向(右方向)の捩
じりモーメントを発生させるようにしてある。
【0038】また第2の制御弁59のみが作動するとき
は、オイルポンプ33からの圧油を第2油圧室46、4
6に供給して、図6の(a)で示されるようにプランジ
44bで張出し部42を押圧して、トーションバー9
に上記とは逆方向の捩じりモーメントを発生させるよう
にしてある。
【0039】なお、第1の制御弁58、第2の制御弁5
9は、いずれも図11に示されるマップのように制御電
流が増加するにしたがって、第1,第2流入口体54,
55に供給される圧力が高くなる制御弁を用いている。
【0040】一方、第1および第2の制御弁58,59
のソレノイド部58a,59aには、マイクロコンピュ
ータおよびその周辺回路から構成される制御手段として
コントロールユニット(ECU)70が接続されてい
る。このコントロールユニット70には、車両の運転状
態を検出する運転状態検出手段としての自動車の走行速
度を検出する車速センサ71、同じくハンドル13の操
舵角を検出するハンドル角センサ72、操舵トルク検出
手段としてのハンドル18に作用するトルクを検出する
トルクセンサ73が接続されている。
【0041】この制御系により、トーションバー9の捩
じれ方向と同じ方向にロータリバルブ16を回転させる
ことで得られるアシスト力と、トーションバー9の捩じ
れ方向と逆の方向にロータリバルブ16を回転させるこ
とで得られるアシスト力とによって目標のアシスト力の
範囲を設定し、このアシスト力になるべく、プランジャ
44a,44bを駆動して、トーションバー9に必要な
捩じりモーメントを発生させるようにしている。コント
ロールユニット70には、このために、つぎのような機
能を有している。
【0042】すなわち、コントロールユニット70に内
蔵の記憶手段には、図9に示されるような車速に応じた
KTV値(車速感応ハンドル角トルク係数)を求めるた
めのKTVマップ、図10に示されるような車速に応じ
たThov値(車速感応ヒステリシス設定トルク)を求
めるためのThovマップが設定されている。
【0043】コントロールユニット70には、ハンドル
角センサ72の出力から現在、ハンドル13が正転
(右)か逆転(左)に操作されているかを判断する機
能、このときのハンドル13の操作に必要な目標トルク
を、上記マップを使い所定の与式にしたがって求める機
能が設定されている。これによって、目標のアシスト力
の範囲、すなわちハンドル13の操舵によって捩じられ
るトーションバー9で得られるアシスト力に、トーショ
ンバー9の捩じれ方向と同じ方向にロータリバルブ16
を回転させることで得られるアシスト力と、トーション
バー9の捩じれ方向と逆の方向にロータリバルブ16を
回転させることで得られるアシスト力とを組合わせたア
シスト力領域を設定するようにしてある。
【0044】またコントロールユニット70には、トル
クセンサ73の出力からハンドル13の操舵力をコント
ロールするモードにするかハンドル13の中立を保つセ
ンタリングモードにするか否かを判断する機能、さらに
は操舵力コントロールモードに適したソレノイド部58
a,59aの制御電流値iを、演算結果を使い所定の与
式にしたがって演算する機能が設定されている。
【0045】さらにコントロールユニット70には、現
在のハンドル13のハンドル角の変動を正負によって判
断する機能、操舵力コントロールモードでかつ正側(増
加側)と判断されたとき第1の制御弁58を上記演算結
果にしたがって作動(ロータリバルブ16の相対変位の
方向と同じ方向にトーションバー9に捩じりモーメント
を発生)させる機能、同じく負側(減少側)と判断され
たとき第2の制御弁59を上記演算結果にしたがって作
動(ロータリバルブ16の相対変位の方向と逆の方向に
トーションバー9に捩じりモーメントを発生)させる機
能が設定されている。これにより、目標のアシスト力に
なるべく、プランジャ44a,44bの駆動して、必要
な捩じりモーメントをトーションバー9に発生させるよ
うにしている。
【0046】またコントロールユニット70には、セン
タリングモードに適したソレノイド部58a,59aの
制御電流値iを所定の与式にしたがって演算する機能が
設定され、センタリングモードと判断されたとき上記演
算結果にしたがい第1の制御弁58,第2の制御弁59
を駆動して、インプットシャフト11とアウトプットシ
ャフト5aとを定位置に位置決めする機能が設定されて
いる。これにより、ハンドル13が中立付近にあるとき
は、トーションバー9の等価剛性を大きくするようにし
てある。図5のフローチャートは、こうしたコントロー
ルユニット70内での制御動作を示している。つぎに、
このコントロールユニット70内の制御動作をフローチ
ャートにしたがって説明する。コントロールユニット7
0は、自動車のイグニッションキースイッチのオン信号
により起動する。
【0047】すると、まずステップS1において初期設
定がなされ、車速感応ハンドル角トルク係数KTV、車
速感応ヒステリシス設定トルクThov、操舵トルクミ
ニマム設定値TSO、比例ゲインKp、微分ゲインK
D、センタリングモード舵角比例ゲインKRP、センタ
リングモード舵角速度ゲインKRDが所定の値に設定さ
れる。
【0048】その後、ステップS2ないしステップS4
において、車速センサ71から検出される車速V、ハン
ドル角センサ72から検出されるハンドル角θH、トル
クセンサ73から検出されるハンドルトルクTSが読み
込まれる。
【0049】ステップS5に進むと、図9に示される
「車速ーKTV」のマップから現在の車速に応じたKT
V値が読み込まれるとともに、図10に示される「車速
ーThov」のマップから現在の車速に応じたThov
値が読み込まれる。
【0050】ステップS6に進むと、ハンドル角θH
らハンドル角速度ドットθHを求め、このハンドル角速
度ドットθHが「0」より大きいか否かが判別される。
これによって、現在の自動車のハンドル操作が正転
(右)方向の操舵なのか逆転(左)方向の操舵なのかが
判別される。ついで、つぎのステップS7、ステップS
8において、現在の操舵に適した目標トルクを与式にし
たがって求める。
【0051】したがって、例えば自動車のハンドル13
を正転(右)方向に操舵する場合は、ステップS6およ
びステップS8を経て、演算式「TM=KTV・θH+
Thov」により、そのときの目標トルクTMが求めら
れる。なお、ハンドル13を逆転(左)方向に操舵する
場合は、演算式「TM=KTV・θHーThov」によ
り、そのときの目標トルクTMが求められる。
【0052】つぎに、ハンドル13の操舵状態が保持か
否かを判定する操舵状態判定手段としてのステップS9
に進むと、ハンドルトルクTSが操舵トルクミニマム設
定値TSOより大きいか否かが判別される。これによっ
て、現在の自動車のハンドル操作が中立状態なのか操舵
状態なのかが判別される。
【0053】上記のようにハンドル13を正転(右)方
向に操舵する場合は、ステップS10に進み、操舵力コ
ントロールモードに入って、ソレノイド部58a,59
aの制御電流値iを与式にしたがって求める。
【0054】すなわち、制御電流値iは、演算式「i=
(TSーTM)・KP」によって算出される。この制御
電流値iは、現在のハンドルトルクTSと目標トルクT
Mと差が大きくなる程、大きくなる。したがって、現在
のハンドルトルクと目標トルクと差を補償するに必要な
ソレノイド部58a,59aの駆動電流が設定される。
【0055】ステップS11に進むと、制御電流値iが
「0」より大きいか否かを判定する
【0056】右切りの場合において、目標トルクTMと
現在のハンドルトルクTSとの差分により制御電流値i
が正のときステップS12に進み、第2の制御弁59の
ソレノイド部59aを「OFF」し、第1の制御弁58
のソレノイド部58aを上記演算した制御電流iの絶対
値に従って「ON」する。ここで、ソレノイド部58a
は、図11に示されるように制御電流値iが大きくなる
従い、高い圧力が出力されるように設定されている。
【0057】こうした処理によって、ハンドル13の
方向の操作で捩られようとするトーションバー9は、プ
ランジャ44a,44aにてハンドル13の操作方向と
同じ方向に捩られ(同位相)、目標トルクTMに近づけ
る方向に操舵力を軽くする
【0058】この点について、さらに説明すれば、ハン
ドル右操舵時、オイルポンプ33からの圧油が第1油圧
室45,45に供給される。すると、図6の(b)およ
び図7の(b)で示されるようにプランジャ44a,4
4aは前方へ押し出され、張出し部42、42を右方向
に回転させる。これにより、インプットシャフト11と
アウトプットシャフト5aとの間で相対変位が生じ、ハ
ンドル操作にて捩じれ(路面抵抗による)ようとするト
ーションバー9に、右方向の捩じりモーメントを発生さ
せていく。むろん、捩じりモーメントは、制御電流値i
の設定により、ハンドルトルクTSと目標トルクTMと
差を補償するに必要なモーメントが発生するものであ
る。
【0059】これによって、ロータリバルブ16は、右
操作のときに生じる方向と同じ方向に相対変位してい
き、図8に示されるようにロータリバルブ16のバルブ
作動角を微少に増加させていく。
【0060】すると、ハンドル13による右操舵よりも
早く、ロータリバルブ16からパワーシリンダ装置7
へ、アシストのための圧油が供給される。つまり、プラ
ンジャ44a,44aでトーションバー9を同位相方向
に捩じることで、ロータリバルブ16の作動角を補償す
ることになる。
【0061】その後、これに続き、ハンドル13の右操
舵により捩じられるトーションバー9(路面抵抗との差
による)にて、ロータリバルブ16が相対変位を生じ
て、パワーシリンダ装置7へ圧油が供給される。したが
って、ハンドル操作よりも早く、ロータリバルブ16か
らの圧力が立ち上がる分、軽い操舵力で操舵ができるこ
とになる。
【0062】一方、右切り操舵で制御電流iが「負」の
ときステップS13に進み、第1の制御弁58のソレノ
イド部58aを「OFF」し、第2の制御弁59のソレ
ノイド部59aを上記演算した制御電流iの絶対値に従
って「ON」する。ここでソレノイド部59aは図11
に示されるように制御電流iが大きくなるに従い高い圧
力が出力されるように設定されている。
【0063】こうした処理によって、ハンドル13の
方向の操作で捩られようとするトーションバー9は、今
度はプランジャ44b,44bにてハンドル13の操作
方向とは逆方向に捩られ(逆位相)、目標トルクTMに
近づける方向に操舵力を重たくする右切り操舵で制御
電流iが「負」のときステップS13に進み、第1の制
御弁58のソレノイド部58aを「OFF」し、第2の
制御弁59のソレノイド部59aを上記演算した制御電
流iの絶対値に従って「ON」する。ここでソレノイド
部59aは図11に示されるように制御電流iが大きく
なるに従い高い圧力が出力されるように設定されてい
る。
【0064】この点について、さらに説明すれば、第2
の制御弁59の「ON」によって、オイルポンプ33か
らの圧油が第2油圧室46,46に供給されると、図6
の(a)および図7の(a)で示されるようにプランジ
44b,44bは前方へ押し出され、張出し部42、
42を左方向に回転させる。すると、インプットシャフ
ト11とアウトプット5aとの間で相対変位が生じ、ハ
ンドル操作にて捩じれ(路面抵抗による)ようとするト
ーションバー9に逆方向の捩りモーメントを発生させて
いく。むろん、捩りモーメントは制御電流iの設定によ
りハンドルトルクTSと目標トルクTMとの差を補償す
るに必要なモーメントが発生するものである。
【0065】これにより、ロータリバルブ16のバルブ
作動角は減少することになる。そして、このトーション
バー9の逆位相方向の捩じれに続いて、ハンドル13の
戻しによってトーションバー9が捩じられ(路面抵抗と
の差による)、ロータリバルブ16を相対変位させてい
く。このことは、逆位相の捩り分の操舵力を重くするこ
ととなる。
【0066】以上は、中立位置から右切り操舵時におい
てより一層右側に操舵しようとする、所謂切り込み操舵
の場合であるが、右切り操舵時において、ある程度元に
戻そうとする、所謂戻し操舵の場合でも、上記ステップ
S11からの判定によりステップS12、又はステップ
S13の処理が同様に行われる。 次に左切りの場合を説
明する。左切りの場合、目標トルクTMと現在のハンド
ルトルクTSとの差分により制御電流値iが負のときス
テップS13に進み、第1の制御弁58のソレノイド部
58aを「OFF」し、第2の制御弁59のソレノイド
部59aを上記演算した制御電流iの絶対値に従って
「ON」する。 ここで、ソレノイド部59aは、図11
に示されるように制御電流iが大きくなるに従い高い圧
力が出力されるように設定されている。 こうした処理に
よって、ハンドル13の左方向の操作で捩られようとす
るトーションバー9は、プランジャ44b,44bにて
ハンドル13の操作方向と同じ方向に捩られ(同位
相)、目標トルクTMに近づける方向に操舵力を軽くす
る。 この点について、さらに説明すれば、ハンドル左操
舵時にオイルポンプ33からの圧油が第2油圧室46,
46に供給される。すると図6の(a)及び図7の
(a)で示されるように、プランジャ44b,44bは
前方へ押し出され張出し部42,42を左方向に回転さ
せる。 これによりインプットシャフト11とアウトプッ
トシャフト5aとの間で相対変位が生じ、ハンドル操作
にて捩れ(路面抵抗による)ようとするトーションバー
9に、左方向の捩じりモーメントを発生させていく。む
ろん捩じりモーメントは、制御電流iの設定により、ハ
ンドルトルクTSと目標トルクTMとの差を補償するに
必要なモーメントが発生するものである。 これによって
ロータリーバルブ16は、左操作のときに生じる方向と
同じ方向に相対変位していき、図8に示されるようにロ
ータリーバルブ16のバルブ作動角を微少に増加させて
いく。 するとハンドル13による左操舵よりも早くロー
タリーバルブ16からパワーシリンダ装置7へアシスト
のための圧油が供給される。つまり、プランジャ44
b,44bでトーションバー9を同位相方向に捩ること
でロータリーバルブ16の作動角を補償することにな
る。 その後、これに続き、ハンドル13の左操舵により
捩られるトーションバー9(路面抵抗との差による)に
てロータリーバルブ16が相対変位を生じてパワーシリ
ンダ装置7へ圧油が供給される。従ってハンドル操作よ
りも早くロータリーバルブ16からの圧力が立ち上がる
分、軽い操舵力で操舵ができることになる。 一方、左切
り操舵で制御電流iが「正」のときステップS13に進
み、第2の制御弁59のソレノイド部59aを「OF
F」し、第1の制御弁58のソレノイド部58aを上記
演算した制御電流iの絶対値に従って「ON」する。こ
こでソレノイド部58aは図11に示されるように制御
電流iが大きくなるに従い高い圧力が出力されるように
設定されている。 こうした処理によって、ハンドル13
の左方向の操作で捩られようとするトーションバー9
は、今度はプランジャ44a,44aにてハンドル13
の操作方向と逆方向に捩られ(逆位相)、目標トルクT
Mに近づける方向に操舵力を重たくする。 この点につい
てさらに説明すれば、第1の制御弁58の「ON」によ
って、オイルポンプ33からの圧油が第1油圧室45,
45に供給されると、図6の(b)及び図7の(b)で
示されるようにプランジャ44a,44aは前方へ押し
出され、張出し部42、42を左方向に回転させる。す
ると、インプットシャフト11とアウトプットシャフト
5aとの間で相対変位が生じ、ハンドル操作にて捩れ
(路面抵抗による)ようとするトーションバー9に逆方
向の捩りモーメントを発生させていく。むろん、捩りモ
ーメントは制御電流iの設定によりハンドルトルクTS
と目標トルクTMとの差を補償するに必要なモーメント
が発生するものである。 これにより、ロータリーバルブ
16のバルブ作動角は減少することになる。そして、こ
のトーションバー9の逆位相方向の捩れに続いてハンド
ル13の操作によるトーションバー9が捩られ(路面抵
抗との差による)、ロータリーバルブ16を相対変位さ
せる。 このことは逆位相の捩り分の操舵力を重くするこ
ととなる。 以上は、中立位置からの左切り操舵時におい
てより一層左側に操舵しようとする、所謂切り込み操舵
の場合であるが、左切り操舵時において、ある程度元に
戻そうとする、所謂戻し操舵の場合でも、上記ステップ
S11からの判定によりステップS12、又はステップ
S13の処理が同様に行われる。
【0067】なお、ハンドルトルクTSの値と目標トル
クTMの値が同じときは、プランジャ44a,44bに
よる同位相/逆位相のトーションバー9の補償制御は行
われず、人間のハンドル操作によって捩じられるトーシ
ョンバー9の作動角領域におけるロータリバルブ16の
出力で得られる操舵力となる。
【0068】ここで、こうしたステップS2〜ステップ
S12,ステップS2〜ステップS13の繰り返しで得
られるロータリバルブ16の発生油圧の特性としては、
図12の線図に示されるようにプランジャ44a,44
bによる制御が無いときを基準に、プランジャ44a,
44aによる同位相制御による油圧域と、プランジャ4
4b,44bによる逆位相制御による油圧域とを上下限
に加えたような広範囲な油圧領域となる。
【0069】したがって、操舵力は、人間のハンドル操
作によって捩じられるトーションバー9の作動角の領域
での操舵力と、プランジャ44a,44aによってロー
タリバルブ16がトーションバーの捩じれ方向と同じ方
向(同位相)に回転されることによる軽い操舵力と、プ
ランジャ44b,44bによってロータリバルブ16が
トーションバー9の捩じれ方向と逆の方向(逆位相)に
回転されることによる重い操舵力とを組み合わせた広範
囲の領域で可変することになる。
【0070】それ故、ステップS2〜ステップS12、
ステップS2〜ステップS13の処理のように制御弁5
8,59で、ロータリバルブ16の作動角に対してロー
タリバルブ16の出力(圧力)そのものを制御したこと
により、従来のパワーステアリング装置に比べ、操舵力
の可変幅を格段に広くすることができることになる。
【0071】他方、上記ステップS9でハンドル13が
中立状態と判別されると、ステップS14に進み、セン
タリングモードに移っていく。そして、中立状態を維持
するのに適した制御電流値iを与式にしたがって求め
る。すなわち、制御電流値iは、演算式「i=KRP・
θHー(絶対値θH)・KRD」によって算出される。
【0072】ステップS15に進むと、ハンドル角θH
が「0」より大きいか否かにより、ハンドル13が正側
に微少変位している状態であるか負側に微少変位してい
る状態あるかが判別される。
【0073】ハンドル13が正側に微少変位している状
態であると判別されると、上記ステップS13へ進み、
第2の制御弁59の「ON」からインプットシャフト1
1を戻し側(負側)の方向に微少変位させて、中立状態
を維持しようとする。
【0074】またハンドル13が負側に微少変位してい
る状態であると判別されると、上記ステップS12へ進
み、第1の制御弁58の「ON」からインプットシャフ
ト11を切込み側(正側)の方向に微少変位させて、中
立状態を維持しようとする。このセンタリングモードに
よって、図6の(c)および図7の(c)に示されるよ
うに中立付近にあるインプットシャフト11はプランジ
ャ44a,44bにて中立状態が継続するように制御さ
れる。つまり、ハンドル13の中立状態時は、トーショ
ンバー9の等価剛性が高められる。これにより、ハンド
ル13の中立付近時における手応え感と安定感とは向上
する。こうした制御により、据え切りから高速走行、ス
ポーツ走行など、いかなる操舵条件でも、負担の少ない
ハンドル操作を実現することができる。
【0075】例えば据え切り操舵の場合、従来のパワー
ステアリング装置は図13の(a)に示されるように操
舵の切り始めが重く、操舵角の全域に渡ってかなり大き
な操舵力を必要とするが、この発明の制御を適用すると
図13の(b)に示されるように操舵の切り始めを軽
く、しかも操舵角に応じて操舵力が変化する特性が得ら
れる。さらにスラローム走行の操舵の場合、図14の
(a)に示されるようにヒステリシスが大きく、中立付
近の手応え感に欠けるが、この発明の制御を適用すると
図14の(b)に示されるようにヒステリシスを小さ
く、中立付近の手応え感がある特性が得られる。
【0076】よって、長距離、高速走行、運転者の高齢
化の環境条件に対応できる上、さらには四輪駆動車、四
輪操舵車など、付加機能が装備される自動車において
も、ステアリング操作の負担を軽減することができる。
【0077】なお、第1の実施例では、2つの制御弁5
8,59を用いて、プランジャ44a,44bを駆動し
たが、これに限らず、図15に示されるように例えば4
ポート3位置切換えの電磁切換弁75を用いて、第1の
実施例と同様にプランジャ44a,44bを駆動するよ
うにしても、同様の効果を奏する。
【0078】また上述した実施例では、いずれも張出し
部をインプットシャフトに設け、プランジャをアウトプ
ットシャフトに設けたが、これに限らず、インプットシ
ャフトにプランジャを設け、アウトプットシャフトに張
出し部を設けて、トーションバーを捩じりモーメントを
発生させるようにしてもよい。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように請求項1〜請求項3
に記載の発明によれば、副アシスト機構で操舵操作より
も早くロータリーバルブを駆動してその作動角を増加さ
せたり、副アシスト機構によりステアリング機構に反力
が付与されるようにロータリーバルブの作動角を減少さ
せることができる。つまり、副アシスト機構によって、
ロータリーバルブの吐出油圧そのものを制御できる。
の結果、操舵力の可変幅を格段に広くすることができ、
据え切りから高速走行、スポーツ走行、いかなる操舵
条件でも最適なハンドル操作とすることができる
【0080】したがって、長距離、高速走行、運転者の
高齢化の環境条件に対応できる上、さらには四輪駆動
車、四輪操舵車など、付加機能が装備される自動車にお
いても、ステアリング操作の負担を軽減することがで
き、高性能のパワーステアリング装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例のパワーステアリング
装置の構成を示す図。
【図2】図1のパワーステアリング装置のステアリング
機構の構成を示す断面図。
【図3】図2中、A−A線に沿うバルブ駆動アクチェー
タの断面図。
【図4】図2中、B−B線に沿うバルブ駆動アクチェー
タの断面図。
【図5】パワーステアリング装置の操舵力を可変する内
容を示すフローチャート。
【図6】(a)は、操舵力コントロールモードの逆位相
のときのプランジャの状態を示す断面図。 (b)は、操舵力コントロールモードの同位相のときの
プランジャの状態を示す断面図。 (c)は、センタリングモードのときのプランジャの状
態を示す断面図。
【図7】(a),(b),(c)は、図6の状態を概略
的に示す図。
【図8】ロータリバルブの作動角が同位相制御によって
進み側に変位したときの状態を示す断面図。
【図9】車速に応じた車速感応ハンドル角トルク係数の
マップを示す図。
【図10】車速に応じた車速感応ヒステリシス設定トル
クのマップを示す図。
【図11】圧力調整弁の制御電流に応じた吐出圧力の特
性を示す図。
【図12】作動角が同位相制御、逆位相制御によって変
化したロータリバルブの入出圧力を示す図。
【図13】(a)および(b)は、据切り操舵時の操舵
力を、従来のパワーステアリング装置とこの発明のパワ
ーステアリング装置とで対比して示す図。
【図14】(a)および(b)は、スラローム走行の操
舵時の操舵力を、従来のパワーステアリング装置とこの
発明のパワーステアリング装置とで対比して示す図。
【図15】この発明の第2の実施例のパワーステアリン
グ装置の構成を示す図。
【符号の説明】
1…ステアリング機構、5a…アウトプットシャフト、
7…パワーシリンダ装置、8…前輪、9…トーションバ
ー、11…インプットシャフト、15…バルブ駆動アク
チェータ、16…ロータリバルブ、33…オイルポン
プ、42…張出し部、44a,44b…プランジャ、
4…油圧回路、70…コントロールユニット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 百瀬 信夫 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 田中 忠夫 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 竹尾 剛 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (56)参考文献 実開 平3−38277(JP,U) 実開 昭62−151181(JP,U)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンドルに連結された入力軸、操舵輪に
    つながる出力軸、両軸間に配設され一端が上記入力軸に
    他端が上記出力軸に連結されたトーションバーを備え、
    上記ハンドルの操作に従って操舵輪を操舵するステアリ
    ング機構と、 同ステアリング機構に配設されるとともに上記トーショ
    ンバーの捩れに従い相対変位して油圧アシスト力を出力
    するロータリーバルブ、同ロータリーバルブにより調圧
    された油圧で上記操舵輪を操舵方向に駆動するシリンダ
    ー機構を備え、上記ハンドル操舵力をアシストするため
    のアシスト機構と、 上記ステアリング機構に設けられ、上記トーションバー
    に対して独立して捩りモーメントを発生可能な副アシス
    ト機構と、 同副アシスト機構を制御する制御手段とを備えた車両用
    パワーステアリング装置において、 上記副アシスト機構は、 上記入力軸又は出力軸の一方に配設された被押圧部と、 上記被押圧部を挟む一方側に設けられ一方向へ回動可能
    とする第1押圧子と、 上記被押圧部を挟んで対向する他方側に設けられ他方向
    へ回動可能とする第2押圧子と、 上記第1押圧子の作動を制御する第1押圧子制御手段
    と、上記第1押圧子制御手段とは互いに独立して 上記第2押
    圧子の作動を制御する第2押圧子制御手段と、 上記車両の運転状態を検出する運転状態検出手段とから
    なり、 上記制御手段は、上記車両の運転状態に応じて少なくと
    も上記第1押圧子制御手段又は第2押圧子制御手段の一
    方を作動させ、上記トーションバーの捩れ方向と同一方
    向又は逆方向に上記被押圧部を回動させることを特徴と
    する車両用パワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両用パワーステアリ
    ング装置において、 上記運転状態検出手段は、上記ハンドルの操舵トルクを
    検出する操舵トルク検出手段を有し、 上記制御手段は、予め設定された目標トルクと上記操舵
    トルク検出手段により 検出された検出値とに基づいて設
    定された設定値から、上記第1押圧子制御手段又は第2
    押圧子制御手段の一方を作動させることを特徴とする車
    両用パワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の車両用パワーステアリ
    ング装置において、 上記運転状態検出手段は、上記ハンドルの操舵状態が保
    持か否かを判定する操舵状態判定手段を有し、 上記制御手段は、上記操舵状態判定手段により保持状態
    であると判定されたとき、上記第1押圧子制御手段及び
    第2押圧子制御手段の両方を作動可能とすることを特徴
    とする車両用パワーステアリング装置。
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