JP2722003B2 - 研削用磁気軸受スピンドルの制御方式 - Google Patents

研削用磁気軸受スピンドルの制御方式

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は研削用磁気軸受スピンドルの制御方式に関
し、特に、深孔内面研削用の長クイルが装着された研削
用磁気軸受スピンドルを制御するような制御方式に関す
る。
[従来の技術] 磁気軸受スピンドルは制御回路のゲインあるいは位相
特性を可変することによって、剛性値をコントロールす
ることができる。これは、通常の接触型の軸支持構造を
持つスピンドルにおいては非常に困難であり、磁気軸受
スピンドルの持つ優れた特徴の1つといえる。
一方、研削加工においては、可能な限り加工能率の向
上を図り、生産性を高めるということと、製品の加工品
質、特に寸法精度や形状精度の向上を図らなければなら
ないという相反する2つの要求がある。
そこで、磁気軸受スピンドルを研削加工に適用し、粗
研削と精研削において、磁気軸受剛性値をコントロール
することにより、上述の2つの要求を満足せしめようす
る方式が特開昭59−89820号公報において提案されてい
る。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、長クイルをスピンドルの先端に装着
し、深孔内面研削を行なう場合においては、系全体のコ
ンプライアンスがクイルのコンプライアンスによって支
配されるため、大きな効果は望めない。そこで、主軸支
持位置の目標値を変化させるという磁気軸受のもう1つ
の特徴を生かし、研削面形状に応じて主軸をスイベルさ
せることが考えられる。これによって、加工後の形状が
加工前の形状に倣うことなく、エッジ部でのダレも生じ
ない研削が可能である。しかしながら、研削前に予め工
作物の形状を測定しておかなければならず、工程の律速
段階となりかねず、加工性能向上の点で矛盾するという
欠点があった。
それえゆえに、この発明の主たる目的は、磁気軸受ス
ピンドルを深孔内面研削に適用する場合において、外乱
(研削力)に応じて剛性を可変し、かつ必要に応じて軸
をスイベルさせるような研削用磁気軸受スピンドルの制
御方式を提供することである。
[課題を解決するための手段] この発明は深孔内面研削用の長クイルが装着され、軸
位置センサによって軸位置が検出されて電磁石のコイル
が制御される研削用磁気軸受スピンドルの制御方式であ
って、軸位置センサの信号とコイルに流れる電流値とに
よって研削力を推定し、その推定値によって軸受剛性を
可変するように構成したものである。
より好ましくは、推定値に基づいて軸支持位置の目標
値を変化させ、軸位置をスイベルさせるように構成され
る。
[作用] この発明にかかる研削用磁気軸受スピンドルの制御方
式は、軸位置検出センサの信号と電磁石に流れるコイル
の電流値とから外乱を推定することができ、研削部に適
用した場合には、研削抵抗の背分力をモニタすることが
できる。
[発明の実施例] 第1図はこの発明の一実施例の概略ブロック図であ
る。第1図を参照して、磁気軸受機械系4は回転軸の位
置を検出するための軸位置センサと、回転軸を磁気軸受
するための電磁石を含む。軸位置センサから出力された
センサ信号は演算器8を介して系を安定に制御するため
のPID制御回路1に与えられるとともに、外乱推定器5
に与えられる。外乱推定器5には磁気軸受機構系4から
電磁石のコイルに流れる電流値を表わす信号が与えられ
る。外乱推定器5はセンサ信号と電流値信号とに基づい
て研削力を推定し、推定信号を帯域除去フィルタ6とロ
ーパスフィルタ7とからなる補償回路を介して加算器2
に与える。加算器2はPID制御回路1の出力信号と推定
信号とを加算してパワーアンプ3に与える。パワーアン
プ3は磁気軸受機器系4の電磁石を駆動する。
上述のごとく構成することによって、センサ信号とコ
イルの電流値とによって研削力を推定することができ、
研削抵抗に応じて磁気軸受剛性を可変することができ
る。それによって、研削面の凸部においては研削力を強
め、凹部においては研削力をと弱めることがでできる。
第2図はこの図の発明の他の実施例を示す概略ブロッ
ク図である。この第2図に示した実施例は、研削力推定
値によって目標値を変化させ、主軸をスイベルさせるも
のであり、粗研削時において、研削面凸部をできるだけ
効率良く研削することを目標とするものである。外乱推
定器5は磁気軸受機械系4から与えらえるセンサ信号と
電流値信号とに基づいて研削力を推定する。推定信号
は、帯域除去フィルタ6を介してリミッタ9に入力さ
れ、切込量が制限される。制限された推定信号がハイパ
スフィルタ10を介して演算器8に与えられ、指令信号か
らハイパスフィルタ10の出力とセンサ信号とが減算され
てPID制御回路1に与えられる。
この実施例では、そもそも異なった物理量(研削力−
軸位置)の変換であるためゲインを大きくすれば当然に
切込量が多くなりすぎて加工品質を劣化させてしまう危
険性がある。そこで、リミッタ9によって目標値の変化
量に制限を入れ、かつ切込による定常外乱(直流乱)に
よって制御回路の積分器が飽和しないように、ワーク回
転数以下の成分をカットするためのハイパスフィルタ10
を設けたことによって過剰な切込を防止できる。
なお、粗研削時から精研削時に移る場合のスイベルの
停止判断は、推定外乱の振幅あるいはフィードレイトと
リミッタ値によって決定される。
[発明の効果] 以上のように、この発明によれば、軸位置センサ信号
とコイル電流値とによって研削力を推定し、その推定値
によって軸受剛性を可変させるようにしたので、粗研削
時においては研削力に応じて軸をスイベルさせ、精研削
時においては研削力に応じて軸受剛性を可変にすること
により、加工能率と加工品質とを向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例の概略ブロック図である。
第2図はこの発明の他の実施例の概略ブロック図であ
る。 図において、1はPID制御回路、2は加算器、3はパワ
ーアンプ、4は磁気軸受機械系、5は外乱推定器、6は
帯域除去フィルタ、7はローパスフィルタ、8は演算
器、9はリミッタ、10はハイパスフィルタを示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】深孔内面研削用の長クイルが装着され、軸
    位置センサによって軸位置が検出されて電磁石のコイル
    が制御される研削用磁気軸受スピンドルの制御方式であ
    って、 前記軸位置センサの信号と前記コイルに流れる電流値と
    によって研削力を推定し、その推定値によって軸受剛性
    を可変するようにしたことを特徴とする、研削用磁気軸
    受スピンドルの制御方式。
  2. 【請求項2】前記推定値に基づいて軸支持位置の目標値
    を変化させ、軸をスイベルさせることを特徴とする、請
    求項1項記載の研削用磁気軸受スピンドルの制御方式。
JP27472689A 1989-10-20 1989-10-20 研削用磁気軸受スピンドルの制御方式 Expired - Fee Related JP2722003B2 (ja)

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