JP2719702B2 - インドールおよびスカトール分解能を有する微生物並びにインドールおよびスカトールの微生物的分解法 - Google Patents
インドールおよびスカトール分解能を有する微生物並びにインドールおよびスカトールの微生物的分解法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規な微生物と、その微生物を使用した脱
臭方法に関する。さらに詳しくは、インドールおよびス
カトール分解能を有する微生物並びにインドールおよび
スカトールの微生物的分解法に関する。
臭方法に関する。さらに詳しくは、インドールおよびス
カトール分解能を有する微生物並びにインドールおよび
スカトールの微生物的分解法に関する。
[従来の技術] インドールおよびスカトールは特有の強い糞臭および
不快な臭気があり、悪臭の原因物質の一つである。
不快な臭気があり、悪臭の原因物質の一つである。
従来、インドールおよびスカトールの脱臭方法は、た
とえば、バチルス・エス・ピー(Bacillus・sp.)の微
生物を使用した脱臭方法として人糞脱臭法(特開昭52−
86273号)および脱臭剤(特開昭62−298363号)などが
知られている。
とえば、バチルス・エス・ピー(Bacillus・sp.)の微
生物を使用した脱臭方法として人糞脱臭法(特開昭52−
86273号)および脱臭剤(特開昭62−298363号)などが
知られている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記した特開昭52−86273号にはバチ
ルス属(Bacillus)に属する微生物名が9つ記載されて
いるが、菌株が特定されておらず、また、菌も寄託され
ていない。
ルス属(Bacillus)に属する微生物名が9つ記載されて
いるが、菌株が特定されておらず、また、菌も寄託され
ていない。
さらにまた、上記した特開昭62−298363号にはバチル
ス・メガテリウム(Bacillus・megaterium)に属する菌
が記載されているが、この菌株が、インドールおよびス
カトールを分解するとの記載はない。
ス・メガテリウム(Bacillus・megaterium)に属する菌
が記載されているが、この菌株が、インドールおよびス
カトールを分解するとの記載はない。
前述の如く、微生物を使用する脱臭方法はいくつか知
られており、経済性、効果などの点で優れた方法である
が、概してインドールおよびスカトールの脱臭に関して
は、十分な効果を発揮しているとは言えないのが現状で
ある。
られており、経済性、効果などの点で優れた方法である
が、概してインドールおよびスカトールの脱臭に関して
は、十分な効果を発揮しているとは言えないのが現状で
ある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、微生物を用いてインドールおよびスカ
トールを分解する方法に関して、鋭意研究を重ねた結
果、バチルス・エス・ピー(Bacillus・sp.)ID264がイ
ンドールおよびスカトールを効率よく分解し、インドー
ルおよびスカトールの脱臭に有用であることを見出し、
本発明を完成した。
トールを分解する方法に関して、鋭意研究を重ねた結
果、バチルス・エス・ピー(Bacillus・sp.)ID264がイ
ンドールおよびスカトールを効率よく分解し、インドー
ルおよびスカトールの脱臭に有用であることを見出し、
本発明を完成した。
本発明の目的は、新規な微生物と、その微生物を使用
した優れた脱臭方法を提供することにある。
した優れた脱臭方法を提供することにある。
本発明のバチルス・エス・ピー(Bacillus・sp.)ID2
64の菌学的性質を表−1に示す。
64の菌学的性質を表−1に示す。
以上の諸性状をバージーズ・マニュアル・オブ・ディ
タミネイティブ・バクテリオロジー(Bergey's Manual
of Determinative Bacteriology)第8版(1974年)に
照して検討したところ、本菌株の性状がバチルス属(Ba
cillus)の性状に酷似することから、本菌株は、バチル
ス属(Bacillus)に属する菌であるとして同定し、本菌
株をバチルス・エス・ピー(Bacillus・sp.)ID264(微
工研菌寄第10091号)と命名した。
タミネイティブ・バクテリオロジー(Bergey's Manual
of Determinative Bacteriology)第8版(1974年)に
照して検討したところ、本菌株の性状がバチルス属(Ba
cillus)の性状に酷似することから、本菌株は、バチル
ス属(Bacillus)に属する菌であるとして同定し、本菌
株をバチルス・エス・ピー(Bacillus・sp.)ID264(微
工研菌寄第10091号)と命名した。
なお、本菌株は、動植物に対する病原性はない。
本発明において、前記菌株のほかその自然変異菌株お
よび人工変異菌株でインドールおよびスカトール分解能
を有する菌株ならすべて使用することができる。
よび人工変異菌株でインドールおよびスカトール分解能
を有する菌株ならすべて使用することができる。
つぎに、本発明の新規なバチルス・エス・ピー(Baci
llus・sp.)ID264の培養法を説明する。
llus・sp.)ID264の培養法を説明する。
本菌株は、通常知られている微生物の公知の培養法、
たとえば、有機栄養源および無機栄養源を含有する水性
栄養培地中で好気性条件下に培養することができる。
たとえば、有機栄養源および無機栄養源を含有する水性
栄養培地中で好気性条件下に培養することができる。
そのような培地は、醗酵技術において通常使用される
多数の栄養培地のいずれであってもよく、たとえば、肉
汁、酵母エキス、ペプトン、牛脳および心臓抽出物など
の有機栄養源;ナトリウム、カリウム、マグネシウム、
カルシウム、マンガン、亜鉛、鉄、塩素、炭酸、硫酸、
硝酸、リン酸などのイオンを生成しうる可溶性塩からな
る無機栄養厳などを適宜含有する培地が好ましい。更に
必要に応じて微生物の生育に必要な各種の有機栄養源、
無機栄養源などを培地に添加することができる。
多数の栄養培地のいずれであってもよく、たとえば、肉
汁、酵母エキス、ペプトン、牛脳および心臓抽出物など
の有機栄養源;ナトリウム、カリウム、マグネシウム、
カルシウム、マンガン、亜鉛、鉄、塩素、炭酸、硫酸、
硝酸、リン酸などのイオンを生成しうる可溶性塩からな
る無機栄養厳などを適宜含有する培地が好ましい。更に
必要に応じて微生物の生育に必要な各種の有機栄養源、
無機栄養源などを培地に添加することができる。
本菌株は、前記のような液体培地に直接菌体を接種し
て培養すればよい。
て培養すればよい。
培養温度は、微生物が発育しうる範囲内で適宜設定さ
れるが、通常20〜45℃、好ましくは25〜40℃である。
れるが、通常20〜45℃、好ましくは25〜40℃である。
また、培地のpHは、通常pH5〜8、好ましくはpH6〜7.
5で調整される。
5で調整される。
培養期間は、使用する培地の種類により異なるが、通
常1〜2日程度である。
常1〜2日程度である。
本発明のバチルス・エス・ピー(Bacillus・sp.)ID2
64は、たとえば、インドールおよびスカトールを、予め
培地に添加接触させ場合、または培養途中でインドール
およびスカトールを、培地に添加接触させた場合、いず
れの場合でも、インドールおよびスカトールを効果的に
分解させる。
64は、たとえば、インドールおよびスカトールを、予め
培地に添加接触させ場合、または培養途中でインドール
およびスカトールを、培地に添加接触させた場合、いず
れの場合でも、インドールおよびスカトールを効果的に
分解させる。
このように、本発明は、たとえば、インドールおよび
スカトール分解能を有するバチルス・エス・ピー(Baci
llus・sp.)ID264の培養液または該培養液より遠心過
などの通常の分離方法で採集した菌体または固定化菌体
を、糞便を含有する廃液あるいはインドールおよびスカ
トールを含有する大気などに接触させることにより、イ
ンドールおよびスカトールを効果的に分解させることも
できる。
スカトール分解能を有するバチルス・エス・ピー(Baci
llus・sp.)ID264の培養液または該培養液より遠心過
などの通常の分離方法で採集した菌体または固定化菌体
を、糞便を含有する廃液あるいはインドールおよびスカ
トールを含有する大気などに接触させることにより、イ
ンドールおよびスカトールを効果的に分解させることも
できる。
[発明の効果] 本発明のバチルス・エス・ピー(Bacillus・sp.)に
属する菌体またはそれらの固定化菌体は、たとえば、産
業用または家庭用の脱臭剤として利用することができ
る。
属する菌体またはそれらの固定化菌体は、たとえば、産
業用または家庭用の脱臭剤として利用することができ
る。
[実施例] つぎに実施例によって本発明を具体的に説明する。
なお、実施例中、パーセントはすべて重量パーセント
である。
である。
実施例1 0.1%酵母エキス、0.3%リン酸水素ニカリウム、0.1
%リン酸水素アンモニウム、0.1%塩化ナトリウム、0.0
2%硫酸マグネシウム・7水塩、0.0005%塩化カルシウ
ム・2水塩、0.007%硫酸マンガン・4〜6水塩、0.001
%硫酸亜鉛・7水塩および0.001%硫酸鉄・7水塩から
なる液体培地10mlにインドールを終濃度50μg/mlとなる
ように加え、ついでバチルス・エス・ピー(Bacillus・
sp.)ID264を接種し、27℃、pH7.2で一夜静置し、培養
した。こうして得られた本培養液1.5mlにファン・ウル
ク(Van Urk)試薬1.5mlを加え、、10分後に565nmで比
色定量した結果、インドールは検出されず、無臭であっ
た。
%リン酸水素アンモニウム、0.1%塩化ナトリウム、0.0
2%硫酸マグネシウム・7水塩、0.0005%塩化カルシウ
ム・2水塩、0.007%硫酸マンガン・4〜6水塩、0.001
%硫酸亜鉛・7水塩および0.001%硫酸鉄・7水塩から
なる液体培地10mlにインドールを終濃度50μg/mlとなる
ように加え、ついでバチルス・エス・ピー(Bacillus・
sp.)ID264を接種し、27℃、pH7.2で一夜静置し、培養
した。こうして得られた本培養液1.5mlにファン・ウル
ク(Van Urk)試薬1.5mlを加え、、10分後に565nmで比
色定量した結果、インドールは検出されず、無臭であっ
た。
実施例2 0.1%酵母エキス、0.3%リン酸水素ニカリウム、0.1
%リン酸水素アンモニウム、0.1%塩化ナトリウム、0.0
2%硫酸マグネシウム・7水塩、0.0005%塩化カルシウ
ム・2水塩、0.007%硫酸マンガン・4〜6水塩、0.001
%硫酸亜鉛・7水塩および0.001%硫酸鉄・7水塩から
なる液状培地10mlにスカトールを終濃度50μg/mlとなる
ように加え、ついでバチルス・エス・ピー(Bacillus・
sp.)ID264を接種し、27℃、pH7.2で一夜静置し、培養
した。こうして得られた本培養液1.5mlにファン・ウル
ク(Van Urk)試薬1.5mlを加え、、10分後に578nmで比
色定量した結果、スカトールは検出されず、無臭であっ
た。
%リン酸水素アンモニウム、0.1%塩化ナトリウム、0.0
2%硫酸マグネシウム・7水塩、0.0005%塩化カルシウ
ム・2水塩、0.007%硫酸マンガン・4〜6水塩、0.001
%硫酸亜鉛・7水塩および0.001%硫酸鉄・7水塩から
なる液状培地10mlにスカトールを終濃度50μg/mlとなる
ように加え、ついでバチルス・エス・ピー(Bacillus・
sp.)ID264を接種し、27℃、pH7.2で一夜静置し、培養
した。こうして得られた本培養液1.5mlにファン・ウル
ク(Van Urk)試薬1.5mlを加え、、10分後に578nmで比
色定量した結果、スカトールは検出されず、無臭であっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:07)
Claims (2)
- 【請求項1】インドールおよびスカトール分解能を有
し、微工研菌寄第10091号として寄託されたバチルス・
エス・ピー(Bacillus・sp.)ID264またはその変異菌
株。 - 【請求項2】インドールおよびスカトール分解能を有
し、微工研菌寄第10091号として寄託されたバチルス・
エス・ピー(Bacillus・sp.)ID264またはその変異菌株
と、インドールおよび/またはスカトールを接触させる
ことを特徴とするインドールおよび/またはスカトール
の分解法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63202859A JP2719702B2 (ja) | 1988-08-15 | 1988-08-15 | インドールおよびスカトール分解能を有する微生物並びにインドールおよびスカトールの微生物的分解法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63202859A JP2719702B2 (ja) | 1988-08-15 | 1988-08-15 | インドールおよびスカトール分解能を有する微生物並びにインドールおよびスカトールの微生物的分解法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0253481A JPH0253481A (ja) | 1990-02-22 |
JP2719702B2 true JP2719702B2 (ja) | 1998-02-25 |
Family
ID=16464377
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63202859A Expired - Lifetime JP2719702B2 (ja) | 1988-08-15 | 1988-08-15 | インドールおよびスカトール分解能を有する微生物並びにインドールおよびスカトールの微生物的分解法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2719702B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2810308B2 (ja) * | 1993-12-13 | 1998-10-15 | 旭化成工業株式会社 | 微生物及びその菌体を含有する脱臭剤 |
-
1988
- 1988-08-15 JP JP63202859A patent/JP2719702B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0253481A (ja) | 1990-02-22 |
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