JP2717458B2 - 濾過方法 - Google Patents

濾過方法

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  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、全濾過周期的逆洗シス
テムに関するものであり、特に大きい膜透過流束を維持
するために逆洗を周期的に行う精密濾過領域の全濾過周
期的逆洗システムに関するものである。本発明の全濾過
周期的逆洗システムは、種々の高分子、微生物、酵母、
微粒子を含有あるいは懸濁する流体の分離、精製、回
収、濃縮などに適用され、特に濾過を必要とする微細な
微粒子を含有する流体からその微粒子を分離する必要の
あるあらゆる場合に適用することができ、例えば微粒子
を含有する各種の懸濁液、発酵液あるいは培養液などの
他、顔料の懸濁液などから微粒子を分離する場合にも適
用される。
【0002】
【従来の技術】従来、膜を用いて懸濁物質を含有する原
流体から懸濁物質を分離する技術としては、例えば圧力
を駆動力とする逆浸透法、限外濾過法、精密濾過法、電
位差を駆動力とする電気透析法、濃度差を駆動力とする
拡散透析法等がある。これらの方法は、連続操作が可能
であり、分離操作中に温度やpHの条件を大きく変化さ
せることなく分離、精製あるいは濃縮ができ、粒子、分
子、イオン等の広範囲にわたって分離が可能であり、小
型プラントでも処理能力を大きく保つことができるので
経済的であり、分離操作に要するエネルギーが小さく、
かつ他の分離方法では難しい低濃度原流体の処理が可能
であるなどの理由により広範囲に実施されている。そし
てこれらの分離技術に用いられる膜としては、酢酸セル
ロース、硝酸セルロース、再生セルロース、ポリスルホ
ン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリイミド等
の有機高分子等を主体とした高分子膜や耐熱性、耐薬品
性などの耐久性に優れている多孔質セラミック膜などが
あり、主としてコロイドの濾過を対象とする場合は限外
濾過膜が使用され、0.05から10μm の微細な粒子
の濾過を対象とする精密濾過ではそれに適した微孔を有
する精密濾過膜が使用されている。ところで近年、バイ
オテクノロジーの進歩に伴い、高純度化、高性能化、高
精密化が要求されるようになり、精密濾過あるいは限外
濾過技術の応用分野が拡大しつつある。しかしながら、
精密濾過あるいは限外濾過においては膜を用いて微粒子
を分離する場合に、濃度分極の影響によりケーク層が生
じて透過流体の流れに抵抗が生じ、また膜の目詰まりに
よる抵抗が大きくなって膜透過流束が急激にかつ著しく
低下してしまうという問題があり、これが精密濾過ある
いは限外濾過の実用化を妨げる最大の原因であった。ま
たそれに用いられる膜は汚染されやすく、その防止対策
が必要である。
【0003】濾過方法としては、濾過されるべき全ての
流体が濾材(濾布や膜など)とケーク層を通過して流体
中に含まれている微粒子を分離するいわゆる全濾過方法
がある。この従来の全濾過方法では流体が通過して懸濁
物質が濾過膜の内部に捕捉されて分離される段階では高
い透過流束が得られるが、濾過膜の表面で捕捉される段
階になるとケーク層が形成され、大量の原流体を処理す
る場合や形成されるケーク層の比抵抗が極端に高い場合
は大きな濾過抵抗となり、このような全濾過を行うと膜
透過流束が小さくなる。一方排水処理や造水・プール水
の濾過などの分野においては、目詰まりしたフィルター
の透過流束回復のために逆洗をおこなうことが知られて
いる。しかしこの全濾過と逆洗を組み合わせた方法はケ
ーク層の比抵抗が比較的小さな排水処理の分野で開発さ
れた技術であるため、酵素、ビール、ワイン、日本酒、
醤油、抗生物質、アミノ酸、酢酸やしゅう酸の如き有機
酸等の生産を行う醗酵液からの菌体分離の如き、微細で
比抵抗の大きな粒子の濾過にはそのままでは無力であっ
た。このような液に対しては現在、珪藻土やベントナイ
ト等の濾過助剤を用いる濾過方法が最も一般的に使用さ
れている。この方法は、濾過助剤の微粒子をブロック状
に積み上げて精密濾過層を形成し、この粒子の隙間で濾
過する方法である。この方法は古くから使用されている
巧妙な濾過方法であるため、現在でも大量の懸濁液を濾
過するには非常に有効な方法であるが、人手が多くかか
ったり産業廃棄物が多く発生するなどの問題がある。こ
のため、クロスフロー型濾過方式をすることが考えられ
た。このクロスフロー型濾過方式は、濾過膜の膜表面に
平行に濾過すべき原流体を流し、流体は濾過膜を通って
反対側へ透過し、この原流体と透過流体の流れが直交し
ているためにこのように称されている。このクロスフロ
ー型濾過方法は、膜に平行な原流体の流れによって膜面
上に形成されたケーク層がはぎ取られるので従来の全濾
過方法に比べて膜透過流束が大きく、大量の原流体を直
接連続的に分離、精製、濃縮が可能であるが、純水透過
流束の大きいすなわち0.05μm 以上の粒子を除去す
る精密濾過領域の膜を用いた場合は急激に膜透過流束が
低下して濾過開始初期の高い膜透過流束を保つことは困
難であり、結果として全濾過方法と総透過液量を比較す
るとその改善効果は小さく経済的な透過流束を得るには
不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、クロス
フロー型濾過方式は原理的には高度な分離技術である
が、最大の問題である膜透過流束は、従来の全濾過方法
によりも大きいが、精密濾過方法としてこのクロスフロ
ー方式を採用しても経済的に十分高い膜透過流束が得ら
れないという問題があった。また従来から行われている
懸濁物質と流体との分離の具体的な例を見ても、例えば
発酵液から菌体を分離する場合には、従来から行われて
いる遠心分離法、珪藻土濾過法などに代わってクロスフ
ロー濾過方式を用いても膜面上に形成されたケーク層や
目詰まりによって濾過時間の経過と共に膜透過流束が低
下するばかりでなく、原流体を循環する際の剪断力によ
って菌体の活性が失われるという問題があった。
【0005】透過流束を高める方法としてはクロスフロ
ー濾過方式と併用して濾過膜への原流体の流入を断続的
に停止したり、濾過膜の透過流体側の弁を閉止すること
により、濾過膜の膜面に垂直にかかる圧力を断続的にな
くすあるいは減少させたり、また濾過膜の透過液側から
圧力を加え透過液側から原流体側へ流体を流すことによ
って、濾過膜の原流体側の膜面上に堆積しているケーク
層や付着層を断続的に取り除く「逆洗」と称する試みが
なされているが、これら逆洗が行われた際も濾過膜から
脱着した懸濁物質を濾過系内に残しておくと原流体中の
懸濁物の濃度が徐々に増加し、場合によっては原流体の
粘度も上昇するため膜透過流束は徐々に低下して逆洗を
行っても透過流束が十分回復しない等の問題があった。
また、透過液を用いて逆洗を行うと実質上逆洗した量だ
け膜透過量は減少するため、膜透過流束を十分回復する
だけの逆洗液を確保できないという問題があった。一方
菌体の活性を低下させない方法として、クロスフロー循
環流速を低下させ剪断力を小さくすることが行われてい
るが、剪断力を小さくするとクロスフロー濾過方式の効
果が小さくなるため、実際に菌体活性を低下させない方
策をとると膜透過流束が低下する問題があった。またポ
ンプでの菌体の破砕を少なくするためダイヤフラムポン
プなどの剪断力の小さいポンプを用いるとポンプの脈動
が大きくクロスフロー濾過方式の効果が小さくなる等の
問題もあった。
【0006】珪藻土やパーライト等の濾過助剤を用いる
ケーク濾過には次の問題がある。即ち、濾過するに先立
ってプレコートと呼ばれる濾過器上に濾過助剤の堆積層
を形成する操作や、ボディーフィードと呼ばれる濾過原
液に濾過助剤を添加し分散する工程、濾過終了後にケー
ク層を洗浄除去する工程などもあり、人手を多く必要と
する。更に、濾過中に濾過圧力や流量の変動があると濾
過助剤のケーク層が脱落して濾過できなくなったり、大
量の産業廃棄物が発生するという問題もある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記問題点は次の方法に
よって解決できた。即ち、濾過原液が最初に膜に接する
表面の孔径が濾過原液中の懸濁粒子の体積平均径の1か
ら10倍であり、かつ膜の最緻密層の孔径が除去したい
粒子径の0.8倍以下であることを特徴とする、膜厚さ
方向の孔径に異方性を有する精密濾過膜を用いる周期的
逆洗を伴う濾過方法である。醗酵液中の懸濁物粒子は、
細菌・酵母・菌糸類の如き菌類と、培地成分や醗酵代謝
物に由来する蛋白質や多糖類等から成る凝集物粒子より
成っている。その粒子径は小さいものは0.1μm 程度
のサブミクロン領域から、大きいものは数10μm まで
の広い範囲に渡り、醗酵液の種類によってもその平均粒
子径や分布および濃度は異なる。また生産物によって濾
過の目的が異なるので、除去すべき最小粒子径も一様で
はない。例えばビールの場合は、粒子の大きさは2〜5
μm が多く、懸濁物濃度は0.1g/リットルから1g
/リットル程度である。これを濾過して液を清澄にする
には、濾過平均孔径が1.5μm 以下の精密濾過膜が必
要である。しかし特開昭55−8887号記載の方法で
製膜されたナイロン膜のように、孔径が膜厚さ方向に均
質に分布している膜では、粒子は全て膜表面に捕捉され
てたちまちに目詰りする。一方濾過の入口側平均孔径が
5〜30μm で、膜の内部の最小孔径層の平均孔径が
0.3〜3μm である異方性構造精密濾過膜を用いて濾
過を行うと、目詰りは著しく改善された。更にこの異方
性構造膜を用いて、5分から60分間濾過をしたのち数
秒間逆洗を行い再び濾過を繰り返すといった、周期的逆
洗を伴う濾過を行うと、全く未濾過の若ビールでも実用
的な濾過が達成できることを発見した。
【0008】ビールや日本酒の如きアルコール飲料の濾
過の目的は、液の静澄化と火落ち菌等の雑菌の除去であ
る。前者の目的だけならば、異方性膜の最小孔径層の平
均孔径は1.5μm 前後の0.8〜3μm あれば充分で
ある。後者の目的も含む場合は、異方性膜の最小孔径層
の平均孔径は0.3〜0.6μm まで小さくする必要が
ある。また抗生物質の醗酵のように、糸状菌の如き絡み
合って大きな塊を形成する菌であり、またろ液中に少量
の醗酵菌が脱落してきても後の工程に支障が無い場合
は、異方性膜の最小孔径層の平均孔径は2〜10μm の
ような大きな孔径の方が有利である。一般的には異方性
膜の最小孔径層の平均孔径は、除去したい最小粒子径の
0.8倍以下である必要がある。一方濾過の入口側の孔
径は、濾過原液中の懸濁粒子の体積平均粒子径とその分
布によって最適な孔径が変わる。懸濁粒子体積平均径の
1〜10倍が目安となるが、多くの場合は2倍から6倍
の範囲に最適な孔径が存在する。
【0009】膜の厚さ方向で孔径が連続的に変化する異
方性構造の精密濾過膜は、特公昭55−6406号や特
公平1−43619号に記載されているような、膜の片
面から反対面にむかって連続的に孔径が変化しているも
の、特開昭62−27006号に記載されているよう
な、膜内部に最小孔径層が存在するものが、知られてい
る。膜材料としては、酢酸セルローズやポリスルホンが
異方性構造を形成する代表的な材料として知られている
が、塩化ビニル・ポリフッ化ビニリデン等も異方性構造
を形成する。以下異方性膜の製法を詳しく記す。精密濾
過膜の製造は、上記ポリマーを良溶媒、良溶媒と非
溶媒の混合溶媒又はポリマーに対する溶解性の程度が
異なる複数種の溶媒の混合したものに溶解して製膜原液
を作製し、これを支持体上に、又は直接凝固液中に流延
し、洗浄乾燥して行う。この場合に、ポリマーを溶解す
る溶媒の一例としては、ジクロロメタン、アセトン、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチル
スルホキシド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロ
リドン、スルホラン等を挙げることができる。上記溶媒
に添加する非溶媒の例としては、セロソルブ類、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノールの如きアルコール
類、アセトン、メチルエチルケトンの如きケトン類、テ
トラヒドロフラン、ジオキサンの如きエーテル類、ポリ
エチレングリコール、グリセリン、エチルグリコールの
如きポリオール類等が挙げられる。非溶媒の良溶媒に対
する割合は、混合液が均一状態を保てる範囲ならばいか
なる範囲でも良いが、5〜50重量%が好ましい。
【0010】又、多孔構造を制御するものとして膨潤剤
と称される無機電解質、有機電解質、高分子電解質等を
加えることもできる。本発明で使用できる電解質として
は、食塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸ナトリ
ウム、塩化亜鉛、臭化マグネシウム等の無機酸の金属
塩、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、酪酸カリウム等
の有機酸塩類、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポ
リビニルピロリドン、ポリビニルベンジルトリメチルア
ンモニウムクロライド等の高分子電解質、ジオクチルス
ルホコハク酸ナトリウム、アルキルメチルタウリン酸ナ
トリウム等のイオン系界面活性剤等が用いられる。これ
らの電解質は単独でポリマー溶液に加えてもある程度の
効果を示すものもあるが、これら電解質を水溶液として
添加する場合には、特に顕著な効果を示すことがある。
電解質水溶液の添加量は添加によって溶液の均一性が失
われることがない限り特に制限はないが、通常溶媒に対
して0.5容量%から10容量%である。また電解質水
溶液の濃度についても特に制限はなく、濃度の大きい方
が効果は大きいが、通常用いられる濃度としては1重量
%から60重量%である。製膜原液としてのポリマー濃
度は5から35重量%、好ましくは10から30重量%
である。35重量%を越える時は得られる微孔性膜の透
水性が実用的な意味を持たない程小さくなり、5重量%
よりも小さい時は充分な分離能力を持った精密濾過膜は
得られない。
【0011】上記のようにして調整した製膜原液を支持
体の上に流延し、流延直後あるいは一定時間をおいて凝
固液中に支持体ごとポリマー溶液膜を浸漬する。凝固液
としては水が最も一般的に用いられるが、ポリマーを溶
解しない有機溶媒を用いても良く、またこれら非溶媒を
2種以上混合して用いてもよい。支持体としては、通常
精密濾過膜を製造する場合に支持体として使用できるも
のの中から任意に選択することができるが、特に不織布
を使用した場合には支持体を剥がす必要がないので好ま
しい。本発明で使用できる不織布はポリプロピレン、ポ
リエステル等からなる一般的なものであり、材質の制限
を受けるものではない。凝固浴中でポリマーが析出した
流延膜はこの後水洗、温水洗浄、溶剤洗浄等を行い、乾
燥する。
【0012】このようにしてできた膜はプリーツカート
リッジ平膜積層構造カートリッジ等公知のモジュールに
組み立てて、濾過に供される。図1は周期的逆洗をしな
がら濾過をするためのライン図である。濾過原液はポン
プ12で濾過器ハウジング11に送られる。濾過された
ろ液は濾過液貯蔵タンクに送られる。一定時間濾過を行
い濾過圧力が高くなると、ポンプ12を停止し、フィル
ターの一次側にガスを導入して残留している液を二次側
へ押し出す。次いでポンプ13によって逆洗水を濾過器
ハウジングに送り、逆洗液排出口へ捕捉した粒子ケーク
共々逆洗液を押し出す。フィルター二次側からガスを導
入し、残留している逆洗液を排出口に押し出した後、再
びポンプ12によって濾過を再開する。ハウジング内に
残留している逆洗水の排除は、抗生物質やアミノ酸の如
き、このあとに更に精製工程が存在する場合には省略し
てもよい。逆洗液には通常は水が使用されるが、ろ液を
使用する場合もある。
【0013】濾過と逆洗の周期は長い方が好ましいのは
当然であり、そのためには第一に膜の異方性構造が重要
である。一方濾過条件によっても周期を長くすることは
可能である。それは単位膜面積当たりの濾過流束を小さ
くすることで達成できる。濾過圧の上昇速度は流束を減
少させていくと、流束に単純に比例するよりもさらに少
ない上昇速度になるので膜面積をあまり増加させずと
も、必要な濾過量が得られる。適切な濾過流束は醗酵液
の種類や濾過目的によって当然ことなるので特定できな
いが、例えば熟成が終了し大半の酵母が沈降したビール
においては、20L/m2 ・分以下の流束で濾過するこ
とが好ましい。
【0014】
【実施例】以下に具体例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、発明の主旨を越えない限り本発明は実施例
に限定されるものではない。 実施例1 ポリスルホン(アモコ社製P−3500)15部、Nメ
チル−2−ピロリドン70部及びポリビニルピロリドン
15部を均一に溶解して製膜原液を得た。ガラス板上に
厚さが180μm になるように流延し、25℃湿度60
%の空気に6秒間さらした後、15℃の水に浸漬して、
内部緻密層の異方性精密濾過膜を得た。この膜をAST
M−F316の方法で孔径測定をしたところ、平均孔径
は1.4μm であった。膜の断面SEM写真を撮影し、
最小孔径層の平均孔径と表面の最大孔径層の平均孔径を
比較したところ、異方性比は約1対8であった(膜Bと
呼ぶ)。同じ製膜原液を用いて流延し、25℃湿度60
%の空気に5秒間さらした後、45℃の水に浸漬して、
内部緻密層の異方性精密濾過膜を得た。この膜をAST
M−F316の方法で孔径測定をしたところ、平均孔径
は1.5μm であった。膜の断面SEM写真を撮影し、
最小孔径層の平均孔径と表面の最大孔径層の平均孔径を
比較したところ、異方性比は約1対15であった(膜C
と呼ぶ)。
【0015】実施例2 ドイツ産バイスビール(Hefeweizenbie
r, Oberdorfer)を分析した。懸濁物総量
は0.27g/L,酵母数は5×108 個/L,凝集多
糖類30mg/L、凝集蛋白質70mg/L、酵母菌の
大きさは約5μmであった。このビールを濾過原液に
し、実施例1で製膜した2種類の膜と均質構造のポール
社製NP膜(平均孔径1.4μm 、膜Aと呼ぶ)を用い
て、濾過流束50L/m2 ・分、20L/m2 ・分およ
び5L/m2 ・分の条件で濾過し、濾過圧上昇カーブを
測定した。結果を図2に示し、図中の符号の説明は表1
に示す。
【0016】
【表1】
【0017】実施例3 実施例1で製膜した膜Bを用いて実施例2と同じバイス
ビールを以下の条件で逆洗を繰り返しながら行った。濾
過流束10L/m2 ・分で8分毎に3秒間の逆洗を行い
ながら濾過した時と、濾過流束20L/m2 ・分で4分
毎に3秒間の逆洗を行いながら濾過した時の濾過圧変化
を図3に示す。この時の逆洗は水を用いて、流束200
L/m2 ・分で行った。この結果から判るように、膜孔
径の異方性比と濾過流束が濾過圧上昇速度に対する影響
が大きく、また定期的な逆洗を行うと大量の濾過が可能
であることが判る。
【0018】
【発明の効果】濾過原液が最初に膜に接する表面の孔径
が濾過原液中の懸濁粒子の体積平均径の1から10倍で
あり、かつ膜の最緻密層の孔径が除去したい粒子径の
0.8倍以下であることを特徴とする、膜厚さ方向の孔
径に異方性を有する精密濾過膜を用いる周期的逆洗を伴
う濾過方法により、醗酵液からの懸濁物の濾過が効率よ
く且つ高精度でできるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】周期的逆洗を伴う濾過フロー図。
【図2】膜の異方性と流束を変化させた時の濾過圧上昇
カーブ比較。図中の符号の説明は表1に示す。
【図3】周期的に逆洗しながら濾過した時の濾過圧上昇
カーブ。
【符号の説明】
11 フィルターハウジング 12 濾過ポンプ 13 逆洗ポンプ 14 濾過原液 15 濾過液貯蔵タンク 16 逆洗液 17 ガス供給口 18 逆洗液排出口

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 濾過原液が最初に膜に接する表面の孔径
    が濾過原液中の懸濁粒子の体積平均径の1から10倍で
    あり、かつ膜の最緻密層の孔径が除去したい粒子径の
    0.8倍以下であることを特徴とする、膜厚さ方向の孔
    径に異方性を有する精密濾過膜を用いる周期的逆洗を伴
    う濾過方法。
  2. 【請求項2】 濾過原液が最初に膜に接する表面の孔径
    が4から30μmで、且つ膜の最緻密層の孔径が0.8
    から4μm であり、濾過原液がアルコール醗酵懸濁液で
    ある、請求項1記載の周期的逆洗を伴う濾過方法。
  3. 【請求項3】 アルコール醗酵懸濁液がビールであり、
    流束20L/m2・分以下で濾過する、請求項2記載の
    周期的逆洗を伴う濾過方法。
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