JPH05329336A - 濾過方法 - Google Patents

濾過方法

Info

Publication number
JPH05329336A
JPH05329336A JP13671192A JP13671192A JPH05329336A JP H05329336 A JPH05329336 A JP H05329336A JP 13671192 A JP13671192 A JP 13671192A JP 13671192 A JP13671192 A JP 13671192A JP H05329336 A JPH05329336 A JP H05329336A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filtration
membrane
backwash
pressure
backwashing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13671192A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Shimoda
一弘 下田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP13671192A priority Critical patent/JPH05329336A/ja
Publication of JPH05329336A publication Critical patent/JPH05329336A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】醗酵液をはじめとする各種の懸濁液から微粒子
を効率よく濾過除去し、実用性のある高い透過流束を保
ちつつ周期逆洗濾過を長期に渡って安定に維持できる濾
過方法を提供する。 【構成】懸濁物を多量に含む液体を異方性孔構造を有す
る精密濾過膜を用いて濾過し、濾圧上昇を検出してある
いは一定時間毎に濾過膜の透過液側の圧力を原液側の圧
力よりも大きくして周期的に逆洗を行い、逆洗液と共に
濾過膜から脱着した懸濁物を濾過系外に排出する全濾過
周期逆洗システムにおいて、1周期の操作手順が主とし
て、原液充填操作、原液濾過操作、加圧脱液操作、逆水
洗操作、加圧脱液操作からなる全濾過周期逆洗システム
において、原液充填操作時と原液濾過操作時とでモジュ
ールへの原液送液流量を変化させることを特徴とする全
濾過周期逆洗濾過方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、全濾過周期逆洗システ
ムに関するものであり、特に高い膜透過流束を維持する
ために逆洗を周期的に行う精密濾過膜カートリッジフィ
ルターを用いた全濾過周期逆洗システムに関するもので
ある。本発明の全濾過周期逆洗システムは、種々の高分
子、微生物、酵母、微粒子を含有あるいは懸濁する液体
の分離、精製、回収、濃縮などに適用され、特に濾過を
必要とする微細な微粒子を含有する液体からその微粒子
を分離する必要のあるあらゆる場合に適用することがで
き、例えば微粒子を含有する各種の懸濁液、発酵液ある
いは培養液などの他、顔料の懸濁液などから微粒子を分
離する場合にも適用される。
【0002】
【従来の技術】従来、膜を用いて懸濁物質を含有する液
体から懸濁物質を分離する技術としては、例えば圧力を
駆動力とする逆浸透法、限外濾過法、精密濾過法、電位
差を駆動力とする電気透析法、濃度差を駆動力とする拡
散透析法等がある。これらの方法は、連続操作が可能で
あり、分離操作中に温度やpHの条件を大きく変化させ
ることなく分離、精製あるいは濃縮ができ、粒子、分
子、イオン等の広範囲にわたって分離が可能であり、小
型プラントでも処理能力を大きく保つことができるので
経済的であり、分離操作に要するエネルギーが小さく、
かつ他の分離方法では難しい低濃度液体の処理が可能で
あるなどの理由により広範囲に実施されている。そして
これらの分離技術に用いられる膜としては、酢酸セルロ
ース、硝酸セルロース、再生セルロース、ポリスルホ
ン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリイミド等
の有機高分子等を主体とした高分子膜や耐熱性、耐薬品
性などの耐久性に優れている多孔質セラミック膜などが
あり、主としてコロイドの濾過を対象とする場合は限外
濾過膜が使用され、0.05から10μmの微細な粒子
の濾過を対象とする精密濾過ではそれに適した微孔を有
する精密濾過膜が使用されている。ところで近年、バイ
オテクノロジーの進歩に伴い、高純度化、高性能化、高
精密化が要求されるようになり、精密濾過あるいは限外
濾過技術の応用分野が拡大しつつある。しかしながら、
精密濾過あるいは限外濾過においては膜を用いて微粒子
を分離する場合に、濃度分極の影響により膜面にケーク
層が生じて透過流体の流れに抵抗が生じ、また膜の目詰
まりによる抵抗が大きくなって膜透過流束が急激にかつ
著しく低下してしまうという問題があり、これが精密濾
過あるいは限外濾過の実用化を妨げる最大の原因であっ
た。またそれに用いられる膜は汚染されやすく、その防
止対策が必要である。
【0003】濾過方法としては、濾過されるべき全ての
液体が濾材(濾布や膜など)とケーク層を通過して液体
中に含まれている微粒子を分離するいわゆる全濾過方法
がある。この従来の全濾過方法では液体が通過して懸濁
物質が濾過膜の内部に捕捉されて分離される段階では高
い透過流束が得られるが、濾過膜の表面で捕捉される段
階になるとケーク層が形成され、大量の液体を処理する
場合や形成されるケーク層の比抵抗が極端に高い場合は
大きな濾過抵抗となり、このような全濾過を行うと膜透
過流束が小さくなる。一方排水処理や造水・プール水の
濾過などの分野においては、目詰まりしたフィルターの
濾過流束回復のために逆洗を行うことが知られている。
しかしこの全濾過と逆洗を組み合わせた方法はケーク層
の比抵抗が比較的小さな排水処理の分野で開発された技
術であるため、醗酵液の菌体分離の如き微細で比抵抗の
大きな粒子の濾過にはこのままでは効果がなかった。こ
のため、クロスフロー型濾過方式をすることが考えられ
た。このクロスフロー型濾過方式は、濾過膜の膜表面に
平行に濾過すべき原液体を流し、液体は濾過膜を通って
反対側へ透過し、この原液体と透過液体の流れが直交し
ているためにこのように称されている。このクロスフロ
ー型濾過方法は、膜に平行な原液体の流れによって膜面
上に形成されたケーク層がはぎ取られるので従来の全濾
過方法に比べて膜透過流束が大きく、大量の原液体を直
接連続的に分離、精製、濃縮が可能であるが、純水透過
流束の大きいすなわち0.05から10μmの粒子を除
去する精密濾過領域の膜を用いた場合は急激に膜透過流
束が低下して濾過開始初期の高い膜透過流束を保つこと
は困難であり、結果として全濾過方法と総透過液量を比
較するとその改善効果は小さく経済的な透過流束を得る
には不十分であった。
【0004】透過流束を高める方法としてはクロスフロ
ー濾過方式と併用して濾過膜への原液体の流入を断続的
に停止したり、濾過膜の透過液側の弁を閉止することに
より、濾過膜の膜面に垂直にかかる圧力を断続的になく
すあるいは減少させたり、また濾過膜の透過液側から圧
力を加え透過液側から原液側へ液を流すことによって、
濾過膜の原液側の膜面上に堆積しているケーク層や付着
層を断続的に取り除く「逆洗」と称する試みがなされて
いるが、これら逆洗が行われた際も濾過膜から脱着した
懸濁物質を濾過系内に残しておくと原液中の懸濁物の濃
度が徐々に増加し、場合によっては原液の粘度も上昇す
るため膜透過流束は徐々に低下して逆洗を行っても透過
流束が十分回復しない等の問題があった。また、透過液
を用いて逆洗を行うと実質上逆洗した量だけ膜透過量は
減少するため、膜透過流束を十分回復するだけの逆洗液
を確保できないという問題があった。一方菌体の活性を
低下させない方法として、クロスフロー循環流速を低下
させ剪断力を小さくすることが行われているが、剪断力
を小さくするとクロスフロー濾過方式の効果が小さくな
るため、実際に菌体活性を低下させない方策をとると膜
透過流束が低下する問題があった。またポンプでの菌体
の破砕を少なくするためダイヤフラムポンプなどの剪断
力の小さいポンプを用いるとポンプの脈動が大きくクロ
スフロー濾過方式の効果が小さくなる等の問題もあっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】全濾過方式において、
膜透過流束の低下が著しくなる前に、あるいは濾圧上昇
が著しくなる前に、透過側の圧力を原液側の圧力よりも
高くして逆洗し膜表面および膜内部に捕捉された微粒子
を系外に排出することにより、膜透過流束を初期の高い
水準に復帰しあるいは濾圧を初期の低い水準に復帰させ
る。これを繰り返すことにより平均透過流束を実用性の
ある高い水準にする全濾過周期逆洗濾過方法がある。こ
の全濾過周期逆洗を長期に渡って安定に維持するために
は、捕捉した微粒子が圧密化して膜面に不可逆に付着し
て逆洗性が低下するのを防ぐため、濾過時の膜間差圧あ
るいは膜透過流束をある程度以内に抑える必要がある。
これは濾過時の原液送液量を制御することで実施してい
る。しかしながら、全濾過周期逆洗システムでは濾過操
作前に原液充填操作を行って膜モジュール原液側に原液
を満たす操作が必要であり、原液送液量を抑制すること
は原液充填操作に時間がかかり、1周期に要する時間が
長くなり、懸濁物濃度が高く逆洗周期の短い系ほど平均
濾過流束が低下することになる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した先行技
術にあった問題点を解決するためになされたものであっ
て、実用性のある高い平均膜透過流束を保ちつつ、周期
逆洗濾過を長期に渡って安定に維持できる、新規な全濾
過周期逆洗システムを提供することを目的とするもので
ある。すなわち、本発明は、懸濁物を多量に含む液体を
精密濾過膜を用いて濾過し、濾圧上昇を検出してあるい
は一定時間毎に濾過膜の透過液側の圧力を原液側の圧力
よりも大きくして周期的に逆洗を行い、逆洗液と共に濾
過膜から脱着した懸濁物を濾過系外に排出する、1周期
の操作手順が主として、原液充填操作、原液濾過操作、
加圧脱液操作、逆水洗操作、加圧脱液操作からなる全濾
過周期逆洗システムにおいて、原液充填操作時と原液濾
過操作時とでモジュールへの原液送液流量を変化させる
ことを特徴とする全濾過周期逆洗濾過方法、または、懸
濁物を多量に含む液体を精密濾過膜を用いて濾過し、濾
圧上昇を検出してあるいは一定時間毎に濾過膜の透過液
側の圧力を原液側の圧力よりも大きくして周期的に逆洗
を行い、逆洗液と共に濾過膜から脱着した懸濁物を濾過
系外に排出する全濾過周期逆洗システムにおいて、
(1)膜の厚さ方向に孔径の異方性を有しており、
(2)濾過一次側の膜表面の平均孔径が除去すべき原液
中懸濁粒子の平均径に対して2倍から30倍であり、
(3)膜の内部あるいは濾過の二次側膜表面に存在する
最緻密層の平均孔径が除去すべき原液中懸濁粒子の平均
径に対して0.8倍以下である、ことを特徴とする精密
濾過膜を用いる全濾過周期逆洗濾過方法によって達成さ
れた。以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明の全濾過周期逆洗方法は、種々の高
分子、微生物、酵母、微粒子を含有あるいは懸濁する液
体の分離、精製、回収、濃縮など、濾過を必要とする微
細な微粒子を含有する液体からその微粒子を除去する必
要のあるあらゆる場合に適用することができるが、特に
醗酵液・培養液からの酵素、微生物、細胞などの分離、
濃縮、回収など懸濁物質の濾過比抵抗が極端に大きい場
合に効果が大きい。本発明の全濾過周期逆洗方法で行う
逆洗はガスよりも液体で行う方が効果が大きく、系外か
らの異物混入を避ける場合は逆洗液として透過液を用い
ることができる。また透過液を逆流させた分だけ透過量
が減少することを避ける場合は、濾過系外より洗浄液を
供給して必要に応じた逆洗量で逆洗を行うことが好まし
い。濾過系外より供給する逆洗液は濾過膜の特性を低下
させたり原液の特性を低下させたりしなければ基本的に
は何でもよい。原液が水溶液であれば逆洗液としては水
を用いるのが一般的である。また逆洗終了後逆洗液を系
内に残したくない場合は、ガスによる脱液を行う。
【0008】定圧濾過を行う場合は従来の「全濾過逆洗
技術」のように膜透過流束が極端に低くなってから逆洗
を行うと逆洗後の膜透過流束の回復性は悪くなるため、
濾過初期の透過流束の1/50に達する前に逆洗を行
う。好ましくは濾過初期の透過流束の1/10に達する
前に逆洗を行うことにより、さらに高い透過流束が得ら
れる。また、定流束濾過を行う場合は濾過膜間差圧が極
端に高くなってから逆洗を行うと逆洗後の濾過膜間差圧
の回復性すなわち洗浄性が悪くなるため、濾過膜間差圧
が1.0kg/cm2に達する前に逆洗を行うことが好まし
い。さらに好ましくは濾過膜間差圧が0.3kg/cm2に達
する前に逆洗を行うことにより、透過流束の条件をさら
に高くすることができる。逆洗液は高い膜透過流束で多
量に濾過膜内を通過させる方が洗浄性は高くなるので、
逆洗液の透過流束は1×10-4m2/m2/sec以上であ
ることが好ましい。また逆洗液量はフィルターハウジン
グ一次側容量の2倍以上あることが、膜の濾過能力回復
に対して好ましい。しかし透過液量が少ない時は相対的
に逆洗排水量が著しく多くなるため、濾過量と排水量と
のバランスを考えると、ハウジング一次側容量の2倍前
後の逆洗量が適切であろう。
【0009】図1と図2は一般的な精密濾過膜プリーツ
型カートリッジフィルターエレメントの展開図および同
モジュール断面図である。精密濾過膜3は2枚の通液性
シート2、4によってサンドイッチされた状態でひだ折
りされ、コア孔33を多数有するコアー5の廻りに巻き
付けられている。その外側には外周ガード1があり、精
密濾過膜を保護している。円筒の両端にはエンドプレー
ト6a、6bにより、精密濾過膜がシールされている。
エンドプレートはガスケット7を介してフィルターハウ
ジング(図示なし)のシール部と接する。濾過された液
体はコアーが形成する中央通孔32を通って集液口8か
ら集められ、フィルターハウジングの二次側出入口23
から排出される。図3は精密濾過膜円盤積層型カートリ
ッジフィルターエレメントの断面図である。このエレメ
ントは、円盤状の膜支持体(38)の両面に精密濾過膜
(37)を設置してあり、このような円盤が積層されて
全体として円筒状に形成されている。膜支持体の中央部
は同心円状に打ち抜かれてドーナツ状になり、積層され
るとこの打ち抜かれた中央部は中央通孔32を形成す
る。また支持体はその内部に通液手段を有し、膜を透過
した液は膜支持体(38)の内部を伝って中央通孔32
に出る、更に二次側出入口23から排出される。
【0010】懸濁物を含む原液は図4に示す原液タンク
19から濾過ポンプ12を経てフィルターハウジング一
次側出入口22からモジュール11の中に入る。精密濾
過膜エレメント30を透過した液は二次側出入口23か
ら排出され、透過液タンク15に集められる。膜が目詰
まりをおこすと、通常は逆洗液を逆洗タンク16から逆
洗ポンプ13・二次側出入口23を経てエレメント30
に送り、膜状のケークを剥離し堆積していた懸濁物を伴
って、一次側出入口22を経て廃液口18に排出され
る。しかしこの時、モジュール11内に残存する原液や
透過液も共に排出されてしまい生産物の損失が大きくな
るので、逆洗する前にモジュールの一次側ガス入口25
および二次側ガス入口24から加圧ガスを導入し、モジ
ュール内に残存する液を原液タンク19および透過液タ
ンク15に押し出す。更に洗浄液タンク14から洗浄液
をポンプ12・一次側出入口22を経てモジュール11
に送り、モジュール内特に膜カートリッジ中に残存する
液を洗い出し、透過液タンク15に回収するこの操作を
正洗浄と称しているが、正洗浄を十分に行うことによ
り、逆洗して排出される生産物を著しく減少できる。濾
過ポンプ12から原液タンク19へモジュール11をバ
イパスする配管39を設ける。このバイパス39の開閉
によってモジュール11への原液供給量をポンプ流量を
一定にしたまま制御できる。
【0011】本発明で使用することのできる精密濾過膜
には、ポリ弗化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポ
リ塩化ビニルの如きビニルポリマー、ポリスルホン、ポ
リエーテルスルホン、脂肪族ポリアミド、セルローズエ
ステル類等の公知の高分子を単独または混合して原料と
することができる。精密濾過膜の製造は、上記ポリマー
を良溶媒、良溶媒と非溶媒の混合溶媒又はポリマーに対
する溶解性の程度が異なる複数種の溶媒の混合したもの
に溶解して製膜原液を作製し、これを支持体上に、又は
直接凝固液中に流延し、洗浄乾燥して行う。この場合
に、ポリマーを溶解する溶媒の一例としては、ジクロロ
メタン、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド、ジメチルスルホキシド、2−ピロリドン、
N−メチル−2−ピロリドン、スルホラン等を挙げるこ
とができる。上記溶媒に添加する非溶媒の例としては、
セロソルブ類、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ールの如きアルコール類、アセトン、メチルエチルケト
ンの如きケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンの
如きエーテル類、ポリエチレングリコール、グリセリ
ン、エチルグリコールの如きポリオール類等が挙げられ
る。非溶媒の良溶媒に対する割合は、混合液が均一状態
を保てる範囲ならばいかなる範囲でも良いが、5〜50
重量%が好ましい。
【0012】又、多孔構造を制御するものとして膨潤剤
と称される無機電解質、有機電解質、高分子電解質等を
加えることもできる。本発明で使用できる電解質として
は、食塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸ナトリ
ウム、塩化亜鉛、臭化マグネシウム等の無機酸の金属
塩、酢酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、酪酸カリウム等
の有機酸塩類、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポ
リビニルピロリドン、ポリビニルベンジルトリメチルア
ンモニウムクロライド等の高分子電解質、ジオクチルス
ルホコハク酸ナトリウム、アルキルメチルタウリン酸ナ
トリウム等のイオン系界面活性剤等が用いられる。これ
らの電解質は単独でポリマー溶液に加えてもある程度の
効果を示すものもあるが、これら電解質を水溶液として
添加する場合には、特に顕著な効果を示すことがある。
電解質水溶液の添加量は添加によって溶液の均一性が失
われることがない限り特に制限はないが、通常溶媒に対
して0.5容量%から10容量%である。また電解質水
溶液の濃度についても特に制限はなく、濃度の大きい方
が効果は大きいが、通常用いられる濃度としては1重量
%から60重量%である。製膜原液とてのポリマー濃度
は5から35重量%、好ましくは10から30重量%で
ある。35重量%を越える時は得られる微孔性膜の透水
性が実用的な意味を持たない程小さくなり、5重量%よ
りも小さい時は充分な分離能力を持った精密濾過膜は得
られない。
【0013】上記のようにして調製した製膜原液を支持
体の上に流延し、流延直後あるいは一定時間をおいて凝
固液中に支持体ごとポリマー溶液膜を浸漬する。凝固液
としては水が最も一般的に用いられるが、ポリマーを溶
解しない有機溶媒を用いても良く、またこれら非溶媒を
2種以上混合して用いてもよい。支持体としては、通常
精密濾過膜を製造する場合に支持体として使用できるも
のの中から任意に選択することができるが、特に不織布
を使用した場合には支持体を剥がす必要がないので好ま
しい。本発明で使用できる不織布はポリプロピレン、ポ
リエステル等からなる一般的なものであり、材質の制限
を受けるものではない。凝固浴中でポリマーが析出した
流延膜はこの後水洗、温水洗浄、溶剤洗浄等を行い、乾
燥する。この様にしてつくられた精密濾過膜3は公知の
方法でひだ折り加工される。保護シート2、4としては
不織布、濾紙およびまたは網状体等が用いられる。逆洗
効果を高めるために、不織布はめつけ量が18g/m2
ら200g/m2、好ましくは30g/m2から100g/
m2で、厚さが0.1mmから1mmの、ポリエステル、ポリ
プロピレンあるいはナイロンの如き合成繊維でできたも
のがしばしば用いられる。網状体とはポリエステル、ポ
リプロピレンあるいはナイロンの如き合成ポリマーのモ
ノフィラメントを格子状に交互に編みあげた網状シート
を指し、編み目の大きさは12メッシュから500メッ
シュのものが適している。特に好ましくは25メッシュ
から250メッシュのものがよい。
【0014】ひだ折り加工された濾材は両端部を揃える
ためにカッターナイフ等で両端部の不揃い部分を切り落
とし、円筒状に丸めてその合わせ目のひだ部を、ヒート
シールあるいは接着剤を用いて液密にシールする。エン
ドシール工程はエンドプレート材質によって方法がいく
つかあるが、いずれも従来知られた公知技術によって行
われる。エンドプレートに熱硬化性のエポキシ樹脂を使
用する時は、ポッティング型中に調合したエポキシ樹脂
接着剤の液体を流し込み、予備硬化させて接着剤の粘度
が適度に高くなってから、円筒状濾材の片端面をこのエ
ポキシ接着剤中に挿入する。その後加熱して完全に硬化
させる。エンドプレートの材質がポリプロピレンやポリ
エステルの如き熱可塑性樹脂の時は、熱溶融した樹脂を
型に流し込んだ直後に円筒状濾材の片端面を樹脂の中に
挿入する方法が行われる。一方、既に成型されたエンド
プレートのシール表面のみを赤外線ヒーターで溶融し、
円筒状濾材の片端面を溶着する方法も行われる。
【0015】本全濾過周期逆洗方法による高懸濁物濃度
液の濾過に対しては、特開昭62−27006号、特公
昭55−6406号や特公平1−43619号で開示さ
れている如き膜の厚さ方向に孔径の異方性を有する膜を
用いると、液中の生産物回収率の向上に更に効果があ
る。これは、このような異方性膜の孔径の大きな面から
孔径の小さな面へ原液を濾過すると、懸濁物が膜表面だ
けで捕捉されるのではなく、膜内部にも入り込んで分散
して捕捉されるため、懸濁物による密なケークの形成が
遅れるためである。このため厚さ方向で孔径の均一な等
方性膜を用いるよりも異方性膜を用いる方が、濾過開始
から逆洗を行うまでの間の原液の濾過量は2倍以上に増
加する。1回の逆洗で排出される生産物量は濾過量に関
係なく同等なので、結果としては異方性膜を用いた方が
生産物回収率が高くなり、生産物損失率は等方性膜の半
分以下になる。用いる異方性膜の最大孔径層の平均孔径
が除去したい懸濁物粒子径(桿菌の場合はその円筒直
径)の2倍から30倍である時は特に生産物回収率が高
くなって好ましい。最も好ましい最大孔径層の平均孔径
の範囲は、懸濁物粒子径の4倍から16倍の範囲であ
る。異方性膜はその膜の一方の表面に最大孔径層を有
し、その反対表面あるいは膜内部に最緻密層を有する構
造をしている。最緻密層において原液中の懸濁物粒子は
完全に除去できなければならない。従って最緻密層の平
均孔径は除去すべき懸濁物粒子の平均粒子径よりも小さ
い必要があり、好ましくは懸濁物粒子平均径の0.8倍
以下である。
【0016】
【実施例】以下に濾過の具体例を挙げて本発明をさらに
詳しく説明するが、発明の主旨を越えない限り本発明は
実施例に限定されるものではない。 実施例1 緻密層の平均孔径0.4μm、最大孔径層の平均孔径
3.8μmのポリスルホン製異方性膜約3400平方セ
ンチメートルが組み込まれたプリーツ型カートリッジモ
ジュールを用いて下記実験を行った。濾過原液には体積
濃度で14%のパン酵母を有する模擬醗酵液を用いた。
濾過ポンプにて初期流量毎分2リットルでプリーツ型カ
ートリッジモジュールに原液を送液した。原液供給操作
に0.3分を要した。原液供給操作終了後、バイパスバ
ルブを開き、プリーツ型カートリッジモジュールへの原
液送液量0.5リットルにして4分間濾過し、その後膜
の一次側と二次側両側に0.5kg/cm2の空気圧力をかけ
て、一次側に残留している液は原液タンクに、二次側に
残留している液は透過液にそれぞれ回収する加圧脱液操
作を0.2分行った。次いで逆洗ポンプで洗浄水1リッ
トルを膜ホルダーに送り膜の目詰まりを洗浄し回復する
逆洗操作を0.5分行い、逆洗洗浄水は廃液タンクに収
容した。再び膜の両側に空気圧をかけて膜ホルダー中に
残留している逆洗水を排出廃却する加圧脱液操作を行っ
た。最初の濾過から最後の排水までを1周期とし、合計
5.2分で終了した。周期逆洗を繰り返し行ったが経時
的な濾圧上昇も認められず安定した濾過が実現できた。
また1周期の所用時間を短縮できた。濾過データを図7
に示す。
【0017】
【表1】
【0018】比較例1 濾過ポンプの初期濾過流量2リットルで原液充填操作と
原液濾過操作を行い、以下の操作を実施例1と同じで周
期逆洗を行った。1周期の所用時間は短いが経時的な濾
圧上昇が起こり、周期逆洗を継続できなかった。濾過デ
ータを図5に示す。
【0019】比較例2 濾過ポンプの初期濾過流量0.5リットルで原液充填操
作と原液濾過操作を行い、以下の操作を実施例1と同じ
で周期逆洗を行った。経時的な濾圧上昇は認められず安
定した周期逆洗を行うことができたが、1周期の所用時
間は6.1分も要し、平均濾過流速が低くなった。濾過
データを図6に示す。
【0020】
【発明の効果】懸濁物を多量に含む液体を精密濾過膜を
用いて濾過し、濾圧上昇を検出してあるいは一定時間毎
に濾過膜の透過液側の圧力を原液側の圧力よりも大きく
して周期的に逆洗を行い、逆洗液と共に濾過膜から脱着
した懸濁物を濾過系外に排出する全濾過周期逆洗システ
ムにおいて、1周期の操作手順が主として、原液充填操
作、原液濾過操作、加圧脱液操作、逆水洗操作、加圧脱
液操作からなる全濾過周期逆洗システムにおいて、原液
充填操作時と原液濾過操作時とでモジュールへの原液送
液流量を変化させることにより、1周期の所用時間を短
縮して高い平均濾過流束が維持できると同時に濾圧上昇
を抑えて周期逆洗濾過を長期に渡って安定に維持でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なプリーツ型カートリッジフィルターの
構造を表す図面である。
【図2】本発明に用いるプリーツ型カートリッジフィル
ターモジュール全体図。
【図3】本発明に用いる円盤積層型カートリッジフィル
ターモジュール全体図。
【図4】本発明に用いる濾過フロー図。
【図5】比較例1の周期逆洗濾過実験データ
【図6】比較例1の周期逆洗濾過実験データ
【図7】実施例1の周期逆洗濾過実験データ
【符号の説明】
1 外周ガード 2 保護シート 3 濾過膜 4 保護シート 5 コア 6 エンドプレート 7 ガスケット 8 集液口 11 フィルターハウジング 12 濾過ポンプ 13 逆洗ポンプ 14 洗浄液タンク 15 透過液タンク 16 逆洗水タンク 17 加圧ガス源 18 廃液口 19 原液タンク 22 一次側出入口 23 二次側出入口 24 二次側加圧ガス入口 25 一次側加圧ガス入口 26 パッキン 27 ハウジングヘッド 28 ハウジングボール 30 フィルターエレメント 31 プリーツ部 32 中央通孔 33 コア孔 35 膜支持体外周突起 36 膜支持体外周突起 37 精密濾過膜 38 膜支持体 39 バイパス配管

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 懸濁物を多量に含む液体を精密濾過膜を
    用いて濾過し、濾圧上昇を検出してあるいは一定時間毎
    に濾過膜の透過液側の圧力を原液側の圧力よりも大きく
    して周期的に逆洗を行い、逆洗液と共に濾過膜から脱着
    した懸濁物を濾過系外に排出する、1周期の操作手順が
    主として、原液充填操作、原液濾過操作、加圧脱液操
    作、逆水洗操作、加圧脱液操作からなる全濾過周期逆洗
    システムにおいて、原液充填操作時と原液濾過操作時と
    でモジュールへの原液送液流量を変化させることを特徴
    とする全濾過周期逆洗濾過方法。
  2. 【請求項2】 懸濁物を多量に含む液体を精密濾過膜を
    用いて濾過し、濾圧上昇を検出してあるいは一定時間毎
    に濾過膜の透過液側の圧力を原液側の圧力よりも大きく
    して周期的に逆洗を行い、逆洗液と共に濾過膜から脱着
    した懸濁物を濾過系外に排出する全濾過周期逆洗システ
    ムにおいて、(1)膜の厚さ方向に孔径の異方性を有し
    ており、(2)濾過一次側の膜表面の平均孔径が除去す
    べき原液中懸濁粒子の平均径に対して2倍から30倍で
    あり、(3)膜の内部あるいは濾過の二次側膜表面に存
    在する最緻密層の平均孔径が除去すべき原液中懸濁粒子
    の平均径に対して0.8倍以下である、ことを特徴とす
    る精密濾過膜を用いる全濾過周期逆洗濾過方法。
JP13671192A 1992-05-28 1992-05-28 濾過方法 Pending JPH05329336A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13671192A JPH05329336A (ja) 1992-05-28 1992-05-28 濾過方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13671192A JPH05329336A (ja) 1992-05-28 1992-05-28 濾過方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05329336A true JPH05329336A (ja) 1993-12-14

Family

ID=15181702

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13671192A Pending JPH05329336A (ja) 1992-05-28 1992-05-28 濾過方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05329336A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007330916A (ja) * 2006-06-16 2007-12-27 Fuji Electric Holdings Co Ltd 中空糸膜の水処理方法及び水処理装置
CN115382292A (zh) * 2022-08-18 2022-11-25 杭州科百特过滤器材有限公司 一种过滤膜包

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007330916A (ja) * 2006-06-16 2007-12-27 Fuji Electric Holdings Co Ltd 中空糸膜の水処理方法及び水処理装置
CN115382292A (zh) * 2022-08-18 2022-11-25 杭州科百特过滤器材有限公司 一种过滤膜包

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3924926B2 (ja) 中空糸膜型ろ過膜モジュール
JP2961629B2 (ja) 精密濾過膜の製法
JP4583671B2 (ja) スパイラル型膜エレメントおよびスパイラル型膜モジュールの運転方法および洗浄方法
JPH0679147A (ja) ろ過方法
JPH05329336A (ja) 濾過方法
JP4820612B2 (ja) 精密ろ過膜カートリッジフィルター
JPH0679146A (ja) ろ過方法
JPH04271817A (ja) ろ過方法
JP2717458B2 (ja) 濾過方法
JPH0623239A (ja) ろ過方法
JPH05228343A (ja) ろ過方法
JP2000070685A (ja) 固液分離膜の洗浄方法
JPH04271815A (ja) ろ過方法
JPH04317708A (ja) 濾過助剤を用いる新規な濾過方法
JPH04267931A (ja) ろ過方法
JP2001321645A (ja) ろ過膜エレメントおよび透過水の製造方法
JP3358300B2 (ja) ろ過方法およびろ過装置
JPH05329339A (ja) 濾過システム
JPH0211263B2 (ja)
JPH0557149A (ja) 濾過システム
JPH0549877A (ja) 複合濾過膜の製法
JPH04190834A (ja) クロスフロー型濾過器
JP3589379B2 (ja) 精密ろ過膜カートリッジフィルター
JPH04317730A (ja) 複合濾過膜
JPH1147561A (ja) カートリッジフィルター