JPH04317728A - 複合濾過膜 - Google Patents

複合濾過膜

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JPH04317728A
JPH04317728A JP8693391A JP8693391A JPH04317728A JP H04317728 A JPH04317728 A JP H04317728A JP 8693391 A JP8693391 A JP 8693391A JP 8693391 A JP8693391 A JP 8693391A JP H04317728 A JPH04317728 A JP H04317728A
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JP
Japan
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membrane
filtration
filtration membrane
filter
pore diameter
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JP8693391A
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Inventor
Yuko Kozono
小園 祐子
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、精密濾過膜に関するも
のであり、特に大きい膜透過流束を維持するために懸濁
物質の捕捉性が高く逆洗洗浄性のよい複合膜に関するも
のである。本発明の複合濾過膜は、種々の高分子、微生
物、酵母、微粒子を含有あるいは懸濁する流体の分離、
精製、回収、濃縮などに適用され、特に濾過を必要とす
る微細な微粒子を含有する流体からその微粒子を分離す
る必要のあるあらゆる場合に適用することができ、例え
ば微粒子を含有する各種の懸濁液、発酵液あるいは培養
液などの他、顔料の懸濁液などから微粒子を分離する、
原子力発電の復水からクラッドを分離除去する場合にも
適用される。ところで近年バイオテクノロジーの急速な
発展にともない、培養、発酵、酵素反応等による生化学
物質の生産は、医薬品・食品・化学製品など多くの分野
で盛んに行われるようになってきた。これらの生産物質
は精製することによって付加価値が高まるが、この精製
操作に多くのコストがかけられるのが現状である。本発
明のデッドエンド型濾過方法はこれらの分野で特に有効
であり、例えば培養液中から反応阻害物質を連続的に除
去することにより高密度培養を行う、菌体外酵素生産菌
を用いた時に酵素を連続回収する、菌体内酵素生産菌を
破砕した溶液から酵素を回収する、バッチ式で得られた
培養液から生体触媒を除去する、など多岐にわたって適
用される。
【0002】
【従来の技術】従来、膜を用いて懸濁物質を含有する原
流体から懸濁物質を分離する技術としては、例えば圧力
を駆動力とする逆浸透法、限外濾過法、精密濾過法、電
位差を駆動力とする電気透析法、濃度差を駆動力とする
拡散透析法等がある。これらの方法は、連続操作が可能
であり、分離操作中に温度やpHの条件を大きく変化さ
せることなく分離、精製あるいは濃縮ができ、粒子、分
子、イオン等の広範囲にわたって分離が可能であり、小
型プラント処理能力を大きく保つことができるので経済
的であり、分離操作に要するエネルギーが小さく、かつ
他の分離方法では難しい低濃度原流体の処理が可能であ
るなどの理由により広範囲に実施されている。そしてこ
れらの分離技術に用いられる膜としては、酢酸セルロー
ス、硝酸セルロース、再生セルロース、ポリスルホン、
ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリイミド等の有
機高分子等を主体とした高分子膜や耐熱性、耐薬品性な
どの耐久性に優れている多孔質セラミック膜などがあり
、主としてコロイドの濾過を対象とする場合は限外濾過
膜が使用され、微細な粒子の濾過を対象とする精密濾過
ではそれに適した微孔を有する精密濾過膜が使用されて
いる。前述したようにバイオテクノロジーの進歩に伴い
、高純度化、高性能化、高精密化が要求されるようにな
り、従来から行われている遠心分離やけい藻土濾過に代
わって連続操作が可能で大量処理できる、濾過助剤や凝
集剤の添加が必要ない、分離の効率は菌体と懸濁液の比
重差に無関係であり培養液の物性や菌体の種類に関係な
く清澄な濾液が得られる、高濃度培養ができ生産効率が
向上する、完全密閉系が可能で菌の漏れがない、濃縮後
菌体の洗浄が可能である、スケールアップが容易で経済
性が高い等の理由で、精密濾過あるいは限外濾過技術の
応用分野が拡大しつつある。しかしながら、濾過膜の利
点が多いにもかかわらず精密濾過あるいは限外濾過膜を
用いて微粒子を分離する場合に、濃度分極の影響により
ケーク層が生じて透過流体の流れに抵抗が生じ、また濾
過膜の目詰まりによる抵抗が大きくなって膜透過流束が
急激にかつ著しく低下してしまうという問題があり、こ
れが精密濾過あるいは限外濾過の実用化を妨げる最大の
原因であった。またそれに用いられる膜は汚染されやす
く、その防止対策が必要である。
【0003】濾過方法としては、濾過されるべき全ての
流体が濾材(濾布や膜など)とケーク層を通過して流体
中に含まれている微粒子を分離するいわゆるデッドエン
ド型濾過方式がある。この従来のデッドエンド型濾過方
式では流体が通過して懸濁物質が濾過膜の内部に捕捉さ
れて分離される段階では高い透過流束が得られるが、濾
過膜の表面で捕捉される段階になるとケーク層が形成さ
れ、大量の原流体を処理する場合や形成されるケーク層
の比抵抗が極端に高い場合は大きな濾過抵抗となり、こ
のようなデッドエンド濾過を行うと膜透過流束が小さく
なる。このため、クロスフロー型濾過方式が考えられた
。このクロスフロー型濾過方式は、濾過膜の膜表面に平
行に濾過すべき原流体を流し、流体は濾過膜を通って反
対側へ透過し、この原流体と透過流体の流れが直交して
いるためにこのように称されている。このクロスフロー
型濾過方法は、濾過膜に平行な原流体の流れによって膜
面上に形成されたケーク層がはぎ取られるので従来のデ
ッドエンド型濾過方式に比べて膜透過流束が大きく、大
量の原流体を直接連続的に分離、精製、濃縮が可能であ
る。しかし懸濁物質の濾過比抵抗が極端に高い、すなわ
ち培養液、発酵液から菌体や高分子生成物を除くために
純水透過流束の大きいすなわち分画分子量の大きい限外
濾過膜や精密濾過膜を用いた場合は急激に膜透過流束が
低下して濾過開始初期の高い膜透過流束を保つことは困
難であり、結果としてデッドエンド型濾過方式と総透過
液量を比較すると効果は小さく経済的な透過流束を得る
には不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、クロス
フロー型濾過方式は原理的には高度な分離技術であるが
、最大の問題である膜透過流束は、従来のデッドエンド
型濾過方式に僅かに大きい程度で、精密濾過方法として
このクロスフロー方式を採用しても十分高い膜透過流束
が得られないという問題があった。また従来から行われ
ている懸濁物質と流体との分離の具体的な例を見ても、
例えば発酵液から菌体を分離する場合には、従来から行
われている遠心分離法、珪藻土濾過法などに代わってク
ロスフロー濾過方式を用いても膜面上に形成されたケー
ク層や目詰まりによって濾過時間の経過と共に膜透過流
束が低下するばかりでなく、原流体を循環する際の剪断
力によって菌体の活性が失われるという問題があった。
【0005】透過流束を高める方法としては従来より濾
過膜への原流体の流入を断続的に停止したり、濾過膜の
透過流体側の弁を閉止することにより、濾過膜の膜面に
垂直にかかる圧力を断続的になくすあるいは減少させた
り、また濾過膜の透過液側から圧力を加え透過液側から
原流体側へ流体を流すことによって、濾過膜の原流体側
の膜面上に堆積しているケーク層や付着層を断続的に取
り除く「逆洗」と称する試みがなされているが、懸濁物
質の濾過比抵抗が小さい場合は逆洗により濾過膜に堆積
した懸濁物質は容易に脱着できるが、懸濁物質の濾過比
抵抗が高く濾過膜との付着力の強い高分子成分や菌体の
場合は、逆洗を行っても濾過膜から十分取り除くことが
できず膜透過流速が十分回復しないなどの問題点があっ
た。またこれら逆洗を行った際に濾過膜から脱着した懸
濁物質を濾過系内に残しておくと原流体中の懸濁物の濃
度が徐々に増加し、場合によっては原流体の粘度も上昇
するため膜透過流束は徐々に低下して逆洗を行っても透
過流束が十分回復しない等の問題があった。一方菌体の
活性を低下させない方法として、クロスフロー濾過の場
合は循環流速を低下させ剪断力を小さくすることが行わ
れているが、剪断力を小さくするとクロスフロー濾過方
式の効果が小さくなるため、実際に菌体活性を低下させ
ない方策をとると膜透過流束が低下する問題があった。 またポンプでの菌体の破砕を少なくするためダイヤフラ
ムポンプなどの剪断力の小さいポンプを用いるとポンプ
の脈動が大きくクロスフロー濾過方式の効果が小さくな
る等の問題もあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した従来
技術にあった問題点を解決するために為されたものであ
って、実用性のある高い膜透過流束を持ち菌体などの活
性低下を減少させる新規な濾過膜を提供することを目的
とするものである。  すなわち本発明は、精密濾過膜
を用いて、懸濁物質を含む流体からなる原流体を供給し
濾過することにより流体と懸濁物質とを分離し濾過膜の
透過流体側の圧力を原流体側の圧力より大きくして周期
的に逆洗を行い、逆洗液と共に濾過膜から脱着した懸濁
物質を濾過系外へ排出するデッドエンド型濾過方式にお
いて、濾過膜が精密濾過膜と多孔質セラミック、焼結金
属体または濾紙との複合濾過膜であることにより達成さ
れる。以下、本発明を詳細に説明する。本発明のデッド
エンド型濾過方法に用いる複合濾過膜は、種々の高分子
、微生物、酵母、微粒子を含有あるいは懸濁する流体の
分離、精製、回収、濃縮など、濾過を必要とする微細な
微粒子を含有する流体からその微粒子を分離する必要の
あるあらゆる場合に適用することができるが、特に発酵
液、培養液からの酵素、微生物、細胞の分離、濃縮、回
収など懸濁物質の濾過比抵抗が極端に大きい場合に効果
がある。
【0007】本発明の濾過方式で使用される濾過膜は懸
濁物質が阻止できる孔径を持つものが必要であり、精密
濾過膜では通常0.05〜10μmの孔径を有するもの
が使用される。これら精密濾過膜を0.5分から3分の
短い時間で濾過した場合の総濾過量は、濾過膜の構造に
著しく影響を受ける。濾過膜の種類として、その内部に
存在する微孔の孔径が実質的に変化せず、膜の両表面の
孔径が実質的に変わらない所謂等方性膜と、膜厚方向に
孔径が連続的または不連続的に変化し、膜の一方の表面
の孔径と他方の表面の孔径とが異なっている所謂異方性
膜と呼ばれる構造を有するものとに分類される。これら
のうち等方性膜は、特開昭58−98015号に記載さ
れているが、濾過にあたって膜全体が流体の流れに対し
て大きな抵抗を示し、小さな流速しか得られない(即ち
、単位面積当り、単位時間当り、単位差圧当り小さな流
量しか得られない)上、目詰まりがしやすく濾過寿命が
短い、耐ブロッキング性がない等の欠点があった。一方
異方性膜は特公昭55−6406、特開昭56−154
051号、特開昭63−139930に記載されている
如く緻密層と呼ばれている孔径の小さな層を膜の片方の
表面、または膜の内部に持ち、比較的大きな孔をあるい
は極端に大きなボイドを膜の内部からもう一方の表面に
かけて持ったものである。懸濁物質は等方性膜を用いる
かまたは異方性膜の孔径の小さい側に原流体を供給する
場合は濾過膜表面で捕捉され、一方異方性膜の孔径の大
きい側に原流体を供給する場合は懸濁物質は濾過膜の内
部で捕捉される。すなわち懸濁物質を濾過膜の表面で阻
止する場合は阻止された懸濁物質が非常に大きな濾過抵
抗となって透過流束が急激に低下し結果として総濾過量
は低くなるが、濾過膜が膜厚方向に孔径が連続的または
不連続的に変化し濾過膜の一方の表面の孔径と他方の表
面の孔径とが異なる構造を有するいわゆる異方性膜を表
面孔径の大きい側を原流体側に向けて使用することによ
り、濾過膜内部で懸濁物質が阻止できるため大きな総濾
過量を得ることが可能となる。
【0008】本発明の複合濾過膜は、精密濾過膜と多孔
質セラミック、焼結金属体または濾紙を一体化した複合
構造であり、セラミック等側を原液側にすることにより
、さらに懸濁物質の捕捉性および逆洗による洗浄性が高
まる。この効果は、セラミック等の平均孔径を精密濾過
膜の表面孔径の1倍以上10倍以下にする(好ましくは
2倍以上7倍以下)ことによりさらに高くなる。特に、
懸濁物質の粒径分布が広い場合は大きい懸濁物質はセラ
ミック等内部に、小さい懸濁物質は多孔質濾過膜内部に
捕捉されるため効果は大きい。これら多孔質セラミック
、焼結金属体または濾紙は、空隙率、厚み、平均孔径に
よって懸濁物質の阻止性能が異なる。厚みが厚くなるほ
ど多量の懸濁物質を阻止できる。多孔質セラミック、焼
結金属体または濾紙の空隙率は極端に低くすると濾過抵
抗が大きくなり、逆に高すぎると懸濁物質を阻止しなく
なる。またセラミック、焼結金属体または濾紙の厚みが
薄いと懸濁物質の捕捉効果は低下し、濾過膜の厚みの1
/2以上であることが好ましい。すなわち、本発明で用
いる多孔質セラミックは平均孔径0.1μm以上60μ
m以下、空隙率30%以上80%以下、焼結金属は平均
孔径0.1μm以上60μm以下、空隙率10%以上7
0%以下、濾紙はJIS  P−3801で定義される
1種から6種であることが好ましい。また、周期的に逆
洗を行う場合は、逆洗時に濾過膜に対して大きな負荷が
かかり濾過膜強度が弱いときは濾過膜に亀裂が生じるな
どの問題がおこったが、濾過膜をセラミックまたは焼結
金属と一体化することにより濾過膜強度を極端に上昇さ
せることが可能となる。濾過膜と濾紙とを一体化する方
法は、点状または線状に接着剤で行うかヒートシールで
溶融接着を行ってもよいが、特公昭45−13931の
ごとく濾過膜を製膜する際に製膜原液を直接多孔質セラ
ミック、焼結金属体または濾紙にキャスティングして濾
過膜が多孔質セラミック、焼結金属体または濾紙に一部
侵入した状態で多孔質構造を形成してもよい。
【0009】本発明のデッドエンド濾過で行う逆洗はガ
スよりも液体で行う方が効果が大きく、系外からの異物
混入を避ける場合は逆洗液として透過液を用いることが
できる。また透過液を逆流させた分だけ透過量が減少す
ることを避ける場合は、濾過系外より洗浄液を供給して
必要に応じた逆洗液量で逆洗を行うことが好ましい。濾
過系外より供給する洗浄液は濾過膜の特性を低下させた
り原流体の特性を変化させなければ基本的には何でも良
いが、原流体が水溶液である場合には一般的には滅菌水
を用いることが好ましい。また、逆洗終了後逆洗液を濾
過系内に残したくない場合はガスによる脱水を行うこと
が好ましい。逆洗は膜透過流束が極端に低くなってから
行うと逆洗後の膜透過流束の回復性は悪くなる。これは
懸濁物質が濾過膜の内部に深く侵入したり堆積した懸濁
物質が圧密化したり、また長時間濾過を行うと懸濁物質
が濾過膜に強く結合するため、逆洗時に堆積した懸濁物
質を完全に取り除くことができなくなるためである。こ
のため定圧濾過を行う場合は濾過初期の透過流速の1/
100に達する前に逆洗を行うことが好ましく、さらに
高い透過流速を得るためには1/10に達する前に逆洗
を行うことが好ましい。また、定速濾過を行う場合は濾
過膜間差圧が極端に高くなってから逆洗を行うと逆洗後
の濾過膜間差圧の回復性すなわち濾過膜の洗浄性が悪く
なるため、濾過初期の濾過膜間差圧の100倍に達する
前に逆洗を行うことが好ましく、さらに好ましくは10
倍に達する前に逆洗を行う。従って濾過開始から逆洗に
至るまでの時間は短く、懸濁物質の比抵抗が大きい場合
は濾過を0.5分以上3分以内行った後に逆洗を行うこ
とが好ましい。また、逆洗液は高い透過流速で多量に濾
過膜内を通過させる方が洗浄性は高くなるが、逆洗液の
透過流束を高めて長時間逆洗を行うことは逆洗液量が膨
大となるばかりでなく、濾過時間に対する逆洗時間の比
率が高まり事実上平均透過流束は低くなるため、十分透
過流束が回復できる範囲で透過流速は1×10−4m3
 /m2 /sec以上であり、時間は1秒以上30秒
以内であることが好ましい。
【0010】次に本発明のデッドエンド型濾過方式を図
面に基づいて説明する。図1は従来のデッドエンド型濾
過を行った際に濾過膜に堆積する懸濁物の様子を示して
おり、経時とともに堆積する懸濁物質量は増加し、最終
的には透過流束はゼロに近づく。  図2はクロスフロ
ー濾過を行った際に濾過膜に堆積する懸濁物質の様子を
示しており、濾過開始初期においては懸濁物質が徐々に
増加するが原流体の剪断力によって堆積する懸濁物質量
は一定値をとり透過流束も最終的には一定値に近づく。 図3は本発明のデッドエンド型濾過方式のフローを示し
ている。濾過を一定時間行った後透過流体側から原流体
側に滅菌水を流して濾過膜から脱着した懸濁物質と共に
排出する。その後ガスにより濾過系内に残留している滅
菌水を排出し、再び濾過を行う。このサイクルを繰り返
すことによって原流体の懸濁物質濃度も上昇せずに高い
透過流束を維持することが可能となる。図4は異方性の
孔径の小さい側を原液側にした場合の濾過膜断面を示し
ている図5は異方性の孔径の大きい側を原液側にした場
合の濾過膜断面を示している図6は本発明の複合膜(こ
こでは多孔質セラミックの場合)を示している。本発明
の複合膜構造では多孔質セラミック、焼結金属体または
濾紙の内部と濾過膜内部で懸濁物質が阻止されるため、
著しく大きな濾過抵抗とはならず結果として高い濾過量
が得られる。
【0011】
【実施例】以下に具体例をあげて本発明をさらに詳しく
説明するが、発明の主旨を越えない限り本発明は実施例
に限定されるものではない。 実施例1 市販のビールにタンニン酸20ppmを溶かして、タン
パク質を凝集させたものを懸濁液として用いて、本発明
の逆洗を周期的に行うデッドエンド型濾過を行った。異
方性膜はポリスルホン(アモコ社製  P3500)1
5部、ポリビニルピロリドン15部、水3部を、N−メ
チルピロリドン70部に溶解した製膜原液を、平均孔径
10μmの多孔質セラミック、平均孔径10μmの焼結
金属体、JIS  P−3801で定義される5種Aの
濾紙に液膜厚さ180μmでキャスティングコーターを
通して流延し、その液膜表面に25℃相対湿度45%に
調節した空気を2m/secで5秒間当て、その後直ち
に水を満たした凝固液槽へ浸漬して作成した。得られた
濾過膜は平均孔径1.5μmの内部緻密層を持つ異方性
の精密濾過膜であり、多孔質セラミック等に接する側の
平均孔径が5μmとなり、多孔質セラミック等側を原液
側として周期的逆洗を行う濾過を行った。使用した濾過
器は有効膜面積100cm2 で、実験条件は圧力差0
.5×105Pa、液温度2℃であり、濾過時間60秒
、逆洗流束5×10−3m3/m2 /sec、逆洗時
間4秒で行い逆洗液には滅菌水を用いた。図7に本発明
の複合膜を用いた場合と多孔質セラミック等を使用せず
に上記方法で作成した異方性膜を孔径の大きい方を原液
側にした場合と孔径の小さい側を原液側にした場合の、
総濾過量の経時変化を示した。本発明の複合膜を用いた
逆洗を周期的に行うデッドエンド型濾過では高い濾過量
を示した。
【0012】実施例2 実施例1の懸濁液を濾過原液として用い、実施例1の方
法で平均孔径2.5、5.0、10.0、25.0、5
0.0、60.0μmの多孔質セラミックに緻密層平均
孔径1.5μmの異方性の精密濾過膜を形成させた複合
膜を用いて逆洗を周期的に行うデッドエンド型濾過を行
った。使用した濾過器は有効膜面積100cm2 で、
実験条件は圧力差0.5×105 Pa、液温度2℃で
あり、濾過時間60秒、逆洗流束5×10−3m3 /
m2 /sec、逆洗時間4秒で行い逆洗液には滅菌水
を用いた。図8にそれぞれの平均孔径を持つ多孔質セラ
ミックを用いた場合の濾過運転8時間後の総濾過量の結
果を表面孔径比(多孔質セラミックの平均孔径を精密濾
過膜のセラミックに接する側の表面孔径で割った値)に
対して示した。この結果、表面孔径比2倍から7倍の時
、高い濾過量を示した。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、複合膜を用いた逆洗を
周期的に行うデッドエンド型濾過方式において高い膜透
過流束が得られ、それによって種々の懸濁物質を含有す
る液体から各懸濁成分の分離、回収、精製、濃縮などが
きわめて効率的しかも経済的に行われる。そしてさらに
プロセスの連続化及び装置の小型化が可能であり、膜の
選択性を利用して目的物のみを連続的に選択的に分離す
ることができ、酵母や菌体などのバイオリアクターへの
応用ができ、従来技術に比べて運転管理が容易であるな
ど諸々の効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のデッドエンド型濾過における懸濁物質の
堆積状態を示している。
【図2】従来のクロスフロー濾過における懸濁物質の堆
積状態を示している。
【図3】本発明の逆洗を周期的に行うデッドエンド型濾
過方式のフローを示している。
【図4】異方性膜を孔径の小さい側から懸濁物質を阻止
した時の膜断面状態を示している。
【図5】異方性膜を孔径の大きい側から懸濁物質を阻止
した時の膜断面状態を示している。
【図6】本発明の複合膜の多孔質セラミック側から懸濁
物質を阻止した場合の膜断面状態を示している。
【図7】タンパク凝集ビールを用いて多孔質セラミック
、焼結金属体、濾紙と精密濾過膜との複合膜で逆洗を周
期的に行うデッドエンド型濾過を行った際の総濾過量を
示している。
【図8】タンパク凝集ビールを用いて多孔質セラミック
の平均孔径の違う複合膜で逆洗を周期的に行うデッドエ
ンド型濾過を行った際の総濾過量を示している。
【符号の説明】
1  デッドエンド濾過の原流体の流れ2  デッドエ
ンド濾過の透過液の流れ3  デッドエンド濾過の懸濁
物質の移動方向4  濾過膜上に堆積している懸濁物質
5  濾過膜 6  クロスフロー濾過の原流体の流れ7  クロスフ
ロー濾過の透過液の流れ8  クロスフロー濾過の懸濁
物質の移動方向9  濾過膜上に堆積している懸濁物質
10  濾過膜 11  原流体入口 12  透過液出口 13  逆洗液入口 14  排液出口 15  濾過器 16  濾過膜 17  ガス入口 18  圧力計 19  ポンプ 20  滅菌フィルター 21  電磁弁 22  濾過膜断面 23  懸濁物質 24  濾過膜断面 25  懸濁物質 26  濾過膜断面 27  多孔質セラミック断面 28  懸濁物質

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  精密濾過膜を用いて、懸濁物質を含む
    流体からなる原流体を供給し濾過することにより流体と
    懸濁物質とを分離する濾過方式において、濾過膜が精密
    濾過膜と多孔質セラミック、焼結金属体または濾紙との
    積層複合膜であることを特徴とする複合濾過膜。
  2. 【請求項2】  該精密濾過膜は、膜厚方向に孔径が連
    続または不連続に変化し、一方の表面孔径と他方の表面
    孔径とが異なる異方性構造を持つ膜で、表面孔径の大き
    い側に多孔質セラミック、焼結金属体または濾紙が存在
    する事を特徴とする請求項第1項記載の複合濾過膜。
  3. 【請求項3】  該多孔質セラミック、焼結金属体また
    は濾紙において、水銀圧入法によって測定した平均孔径
    が、セラミック等側に接する精密濾過膜の表面の平均孔
    径の1倍以上10倍以下であることを特徴とする請求項
    第1項記載の複合濾過膜。
  4. 【請求項4】  該複合濾過膜を、多孔質セラミック、
    焼結金属体または濾紙側を原液側として用いる事を特徴
    とする請求項第1項記載の複合濾過膜。
  5. 【請求項5】  該複合濾過膜を、濾過膜の透過流体側
    の圧力より大きくして周期的に逆洗を行い、逆洗液と共
    に濾過膜から脱着した懸濁物質を濾過系側へ排出するデ
    ッドエンド型濾過方式に使用することを特徴とする請求
    項第1項記載の複合濾過膜。
JP8693391A 1991-04-18 1991-04-18 複合濾過膜 Pending JPH04317728A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20100036155A1 (en) * 2006-12-29 2010-02-11 Hyosung Corporation Method and apparatus for the purification of high-purity 2,6-naphthalene dicarboxylic acid
WO2021244477A1 (zh) * 2020-06-01 2021-12-09 南京鼎卫空气净化有限公司 铜涂覆的抗微生物过滤材料

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