JP2713139B2

JP2713139B2 - 鋼材組立体を梁型枠とする床工法

Info

Publication number: JP2713139B2
Application number: JP367094A
Authority: JP
Inventors: 耕喜前田
Original assignee: Kajima Corp
Current assignee: Kajima Corp
Priority date: 1994-01-18
Filing date: 1994-01-18
Publication date: 1998-02-16
Anticipated expiration: 2013-02-16
Also published as: JPH07207799A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、梁型枠および床型枠と
して埋設型枠のみを使用し、転用型枠を使用せず、省資
源を図るとともに型枠の施工を簡素化した床工法に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】鉄筋コンクリート造建造物の床の施工に
当たっては、床部位については、プレキャスト鉄筋コン
クリート部材や鉄板捨て型枠を使用して、転用型枠の使
用を減らし省資源を図るとともに型枠の施工を簡素化す
る工法が普及しているが、梁部位については、依然とし
て、転用型枠を使用して型枠の組み立て、解体、撤去の
工程を経る工法が主流であり、プレキャスト鉄筋コンク
リート部材の使用もさほど進んでいないのが実情であ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の工法では、転用
型枠（合板型枠）やそれを補強する材木は数回は転用さ
れるが、その後は産業廃棄物として処理せざるを得ず、
省資源の面からも好ましいことではない。また、型枠の
組み立て、サポートの設置、解体、撤去の施工には大き
な手間を要する。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、梁部位の施工
において、転用型枠に代えて埋設型枠を使用することに
よって廃棄物を絶無とするとともに型枠の施工を簡素化
するものである。

【０００５】即ち、本発明は、平鋼板の内側に溝型鋼板
を溶接した板状体を両側の側型枠および底型枠とし、底
型枠と側型枠との接合部は外側よりのＬ型鋼材の溶接に
より一体化し、側型枠の上縁外側にＬ型鋼材を溶接した
鋼材組立体を梁型枠とし、該梁型枠と埋設床型枠とで型
枠を形成し、所定の配筋および梁側型枠上縁相互の間歇
的な連結を行った後、コンクリートを打設することより
なる床工法にかかるものである。

【０００６】本発明の要点は、比較的軽量で、床荷重、
梁荷重に十分耐えられる鋼材組立体を埋設梁型枠として
使用する点である。

【０００７】鋼材組立体は側型枠となる２枚の板状体と
底型枠となる１枚の板状体とから構成され、何れの板状
体も平鋼板の内側に溝型鋼板を溶接したものである。こ
の３枚の板状体を底型枠と側型枠との接合部には外側よ
りＬ型鋼材を溶接して接合し、２枚の側型枠の上縁外側
にはＬ型鋼材を溶接して鋼材組立体とする。

【０００８】板状体は２枚の鋼板を溶接したものであり
比較的軽量ではあるが、床荷重、梁荷重に十分耐えられ
る。この板状体は後から打設される鉄筋コンクリート部
材とともに躯体の一部を構成し荷重を負担する。板状体
の耐力を増すため重量は増加するが、溶接した２枚の鋼
板の間の空洞部をセメントミルクやモルタルで充填して
おくことが好ましい。

【０００９】本発明においては、床型枠にも埋設型枠が
使用され、転用型枠は使用されない。かかる埋設型枠と
しては通常の鉄筋組み込み鉄板や鉄板捨て型枠が使用さ
れる。

【００１０】

【実施例】以下図面を参照しながら本発明を説明する。

【００１１】図１は本発明の施工に際しての柱、大梁、
小梁の配置・連結を示すのもので、（ａ）は平面図、
（ｂ）は（ａ）のＡ矢視図である。

【００１２】図２は小梁または小梁の架からない大梁を
示し、（ａ）は縦断面図、（ｂ）は（ａ）のＡ断面図で
ある。（ｃ）、（ｄ）は鋼材組立体と梁補強筋とを予め
一体とした場合であり、（ｃ）は縦断面図、（ｄ）は
（ｃ）のＡ断面図である。

【００１３】図３は小梁が架かる大梁の両者の接合部を
示し、（ａ）は小梁の縦断面図、（ｂ）は（ａ）のＡ矢
視図、（ｃ）は（ａ）のＢ矢視図である。

【００１４】図１、図２、図３を参照しながら本発明の
施工手順の一例を説明する。

【００１５】（１）柱１の型枠を設置する。

【００１６】（２）平鋼板６に溝型鋼板７を溶接した予
め製作してある板状体を所定の大きさに切断して、２枚
の側型枠２Ａと１枚の底型枠９Ａをつくる。この３枚の
型枠を組立て下部には２本の下部Ｌ型鋼材５Ｂを外側よ
り溶接し、２枚の側型枠２Ａの上縁には外側に上部Ｌ型
鋼材５Ａを溶接して鋼材組立体を組み上げる。大梁用鋼
材組立体を柱型枠に架け渡す。梁が大梁のみで小梁がな
い場合は梁型枠の設置は以上で終了する。

【００１７】（３）大梁間に小梁を架け渡す場合には、
大梁の場合と同様に、２枚の側型枠２Ｂと１枚の底型枠
９Ｂとに下部Ｌ型鋼材５Ｂおよび上部Ｌ型鋼材５Ａを溶
接した小梁用鋼材組立体を大梁型枠に架け渡す。この
際、大梁型枠と小梁型枠の接合部は図３に示すように、
大梁側型枠２Ａには中央に開口１６が設けられ、その開
口１６の左右に沿って開口補強Ｌ型鋼材１７が溶接さ
れ、下縁に沿って小梁受けＬ型鋼材１８が溶接されてい
る。これらのＬ型鋼材は接合部のコンクリート漏れを防
止する役目も兼ねている。

【００１８】（４）床型枠３を梁型枠に架け渡す。

【００１９】（５）梁筋１２Ａ、１２Ｂおよびスターラ
ップ１３Ａ、１３Ｂを設置する。

【００２０】（６）大梁側型枠２Ａ、２Ａおよび小梁側
型枠２Ｂ、２Ｂの上面の長手方向の数箇所を適当な間隔
（１〜２ｍ）で幅の狭い連結鋼板８を溶接して連結す
る。

【００２１】（７）スラブ筋（図示せず）を配筋する。

【００２２】（８）コンクリート１１を打設する。

【００２３】以上により梁および床面が完成する。

【００２４】上記施工手順では、大梁型枠、小梁型枠を
逐次組立て、その後、梁筋、スターラップを配筋する例
を説明したが、鋼材組立体と梁補強筋とを予め一体とし
てしておきそれを架け渡すことにより、コンクリート打
設時の荷重の一部を負担させることもできるし、現場で
の配筋作業を少なくすることもできる。

【００２５】この方式について図２（ｃ）、（ｄ）を参
照しながら説明する。

【００２６】上記（２）（３）の操作で鋼材組立体を組
み上げる。準備された上部有孔鋼板１０Ａおよび下部有
孔鋼板１０Ｂをそれぞれ上端筋および下端筋にはめなが
ら鋼材組立体内に配筋する。上部有孔鋼板１０Ａを上端
筋および上部Ｌ型鋼材５Ａに溶接する。上部Ｌ型鋼材５
Ａに溶接する際には中間に側型枠２Ａまたは２Ｂが介在
するが、側型枠２Ａまたは２Ｂを溶融しながら一体とし
て溶接を行う。同様にして下部有孔鋼板１０Ｂを下端筋
および下部Ｌ型鋼材５Ｂに溶接する。上部有孔鋼板１０
Ａおよび下部有孔鋼板１０Ｂの設置間隔は１〜２ｍ程度
である。この方式による場合は梁配筋操作（上記
（５））が省略される他、連結鋼板８による連結操作
（上記（６））も省略される。

【００２７】なお、コンクリートの打設前には小梁型枠
端部、大梁型枠の小梁型枠との接合部には図１に示すよ
うにサポート４を設置することが好ましい。

【００２８】

【発明の効果】梁型枠および床型枠として埋設型枠のみ
を使用し、転用型枠を使用していないので、省資源とな
るとともに型枠の施工が簡素化される。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の施工に際しての柱、大梁、小梁
の配置・連結を示すのもので、（ａ）は平面図、（ｂ）
は（ａ）のＡ矢視図である。

【図２】小梁または小梁の架からない大梁を示し、
（ａ）は縦断面図、（ｂ）は（ａ）のＡ断面図である。
（ｃ）、（ｄ）は鋼材組立体と梁補強筋とを予め一体と
した場合であり、（ｃ）は縦断面図、（ｄ）は（ｃ）の
Ａ断面図である。

【図３】小梁が架かる大梁の両者の接合部を示し、
（ａ）は小梁の縦断面図、（ｂ）は（ａ）のＡ矢視図、
（ｃ）は（ａ）のＢ矢視図である。

【符号の説明】

１・・柱、２Ａ・・大梁側型枠、２Ｂ・・小梁側型枠、
３・・埋設床型枠、４・・サポート、５Ａ・・上部Ｌ型
鋼材、５Ｂ・・下部Ｌ型鋼材、６・・平鋼板、７・・溝
型鋼板、８・・連結鋼板、、９Ａ・・大梁底型枠、９Ｂ
・・小梁底型枠、１０Ａ・・上部有孔鋼板、１０Ｂ・・
下部有孔鋼板、１１・・コンクリート、１２Ａ・・大梁
筋、１２Ｂ・・小梁筋、１３Ａ・・大梁スターラップ、
１３Ｂ・・小梁スターラップ、１６・・開口、１７・・
開口補強Ｌ型鋼材、１８・・小梁受けＬ型鋼材。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】平鋼板の内側に溝型鋼板を溶接した板状
体を両側の側型枠および底型枠とし、底型枠と側型枠と
の接合部は外側よりのＬ型鋼材の溶接により一体化し、
側型枠の上縁外側にＬ型鋼材を溶接した鋼材組立体を梁
型枠とし、該梁型枠と埋設床型枠とで型枠を形成し、所
定の配筋および梁側型枠上縁相互の間歇的な連結を行っ
た後、コンクリートを打設することよりなる床工法。
【請求項２】板状体中央部に小梁部との交差用の開口
を設け、開口の左右および下縁に沿って外側にＬ型鋼材
を溶接した板状体を大梁側型枠とする請求項１記載の床
工法。