JP2709634B2 - α―オレフィン重合用触媒成分 - Google Patents

α―オレフィン重合用触媒成分

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JP2709634B2
JP2709634B2 JP1211442A JP21144289A JP2709634B2 JP 2709634 B2 JP2709634 B2 JP 2709634B2 JP 1211442 A JP1211442 A JP 1211442A JP 21144289 A JP21144289 A JP 21144289A JP 2709634 B2 JP2709634 B2 JP 2709634B2
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倫子 岡野
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、α−オレフィン重合用触媒成分に関する。
従来の技術 金属酸化物、マグネシウム、チタン、ハロゲン及び電
子供与性化合物を含有するα−オレフィン重合用触媒成
分は知られている。この金属酸化物担持型触媒は、高活
性及び高立体規則性といった良好な重合性能と共に、得
られるポリマーが狭い粒度分布と球形等の揃った粒形を
もつ等の優れた粒子特性を兼ね備えている。
触媒成分の粒子強度が低いと、重合により生成するポ
リマーは破壊され、微粉化する。これを防ぐ典型的な手
法として、触媒成分を予めオレフィンと接触させ、そこ
で生成するポリマーを触媒成分内に取り込ませて、触媒
成分粒子の強度を高める、いわゆる予備重合がある。こ
の予備重合時に、シラン化合物等の電子供与性化合物を
添加することにより、粒子強度の向上と共に、最終ポリ
α−オレフィンの立体規則性をも高めようとする試みが
なされている。
しかし、通常予備重合時の電子供与性化合物の添加
は、触媒活性の低下、或いは触媒の保存中の性能劣化を
引き起す等の影響をもたらす。又、予備重合時に用いら
れるシラン化合物としては、その性能の点から、芳香族
基を持つ化合物が多く用いられているが、ポリマーの使
用目的によっては芳香族基を有するシラン化合物が有害
になることがある。
発明が解決しようとする課題 本発明は、触媒成分強度の増大、得られるポリマーの
立体規則性の向上、触媒高活性の維持、触媒の保存中の
性能劣化等を計ることを目的とする。
課題を解決するための手段 本発明者らは鋭意研究を行った結果、予備重合時に添
加するシラン化合物として230〜350Åの体積を持ち、
かつメトキシ基の酸素の電子密度が0.690〜0.740A.U.の
ジメトキシ基含有シラン化合物を用いれば、芳香族基を
有する有機珪素化合物と同等又はそれ以上の性能でα−
オレフィンが得られ、かつ本発明の目的が達成できるこ
とを見出して本発明を完成した。
発明の要旨 すなわち、本発明の要旨は、 (A)(1)金属酸化物、 (2)マグネシウム化合物及び (3)アルコキシ基含有化合物を 接触させて得られる固体を (4)ハロゲン含有アルコールと接触させ、さら
に (5)電子供与性化合物及び (6)一般式TiXn(OR)4-n〔但し、Xはハロゲ
ン原子、Rは炭化水素基を示し、0<n≦4である。〕
で表されるチタン化合物 接触させることにより得られる固体成分を、 (B)トリアルキルアルミニウム及び (C)一般式R1R2Si(OCH3〔但し、R1及びR2は夫々
同一又は異なる炭素数4〜6個の脂肪族炭化水素基で、
かつR1とR2の炭素数の合計が9〜12個である。〕で表わ
され、量子化学計算で算出した体積が30〜350Å、同
じくメトキシ基の酸素原子の電子密度が0.690〜0.740A.
U.(アトミックユニット)のジメトキシ基含有シラン化
合物の存在下、 (D)オレフィン と接触させてなるα−オレフィン重合用触媒成分にあ
る。
固体成分 本発明で用いられる固体成分(以下、成分Aという)
は、金属酸化物、マグネシウム化合物、アルコキシ基含
有化合物、ハロゲン含有アルコール、チタン化合物及び
電子供与性化合物を、それぞれ接触することにより調製
される。
(1)金属酸化物 本発明で用いられる金属酸化物は、元素の周期表第II
族〜第IV族の元素の群から選ばれる元素の酸化物であ
り、それらを例示すると、B2O3、MgO、Al2O3、SiO2、Ca
O、TiO2、ZnO、ZrO2、SnO2、BaO、ThO2等が挙げられ
る。これらの中でもB2O3、MgO、Al2O3、SiO2、TiO2、Zr
O2が望ましく、特にSiO2が望ましい。更に、これら金属
酸化物を含む複号酸化物、例えばSiO2−MgO、SiO2−Al2
O3、SiO2−TiO2、SiO2−V2O5、SiO2−Cr2O3、SiO2−TiO
2−MgO等も使用し得る。
これら金属酸化物の形状は通常粉末状のものが用いら
れる。粉末の大きさ及び形状等の形体は、得られるオレ
フィン重合体の形体に影響を及ぼすことが多いので、適
宜調節することが望ましい。金属酸化物は、使用に当っ
て被毒物質を除去する目的から、可能な限り高温で焼成
し、更に大気と直接接触しないように取り扱うのが望ま
しい。
(2)マグネシウム化合物 マグネシウム化合物は、一般式MgR1R2で表わされる。
式において、R1及びR2は同一か異なる炭化水素基、より
詳細には、R1及びR2の炭化水素基としては、炭素数1〜
20個のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ア
ルアルキル基である。
それら化合物の具体例を下記に示すが、化学式におい
て、Me:メチル、Et:エチル、Pr:プロピル、Pu:ブチル、
He:ヘキシル、Oct:オクチルPh:フェニル、cyHe:シクロ
ヘキシルをそれぞれ示す。
MgMe2、MgEt2、Mgi−Pr2、MgBu2、MgHe2、MgOct2、Mg
EtBu、MgPh2、MgcyHe2
更に、前記マグネシウム化合物は、周期表第II族又は
第III a族金属(M)の有機化合物との錯体も使用する
ことができる。該錯体は一般式MgR1R2・n(MR3 m)で表
わされる。該金属としては、アルミニウム、亜鉛、カル
シウム等であり、R3は炭素数1〜12個のアルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基、アルアルキル基である。
又は、mは金属Mの原子価を、nは0.1〜10の数を示
す。MR3 mで表わされる化合物の具体例としては、AlM
e3、AlEt3、Ali−Bu3、AlPh3、ZnMe2、ZnEt2、ZnBu2、Z
nPh2、CaEt2、CaPh2等が挙げられる。
(3)一般式XnM(OR)m-nのアルコキシ基含有化合物
〔式において、Xは水素原子は炭素数1〜20の炭化水素
基、Mは硼素、炭素、アルミニウム、珪素又は燐原子、
Rは炭素数1〜20個の炭化水素基、mはMの原子価、m
>n≧0を示す。〕を接触させる方法が挙げられる。該
アルコキシ基含有化合物の一般式のX及びRの炭化水素
としては、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(P
r)、i−プロピル(i−Pr)、ブチル(Bu)、i−ブ
チル(i−Bu)、ヘキシル(He)、オクチル(Oct)等
のアルキル基、シクロヘキシル(cyHe)、メチルシクロ
ヘキシル等のシクロアルキル基、アリル、プロペニル、
ブテニル等のアルケニル基、フェニル(Ph)、トリル、
キシリル等のアリール基、フェネチル、3−フェニルプ
ロピル等のアルアルキル基が挙げられる。これらの中で
も、特に炭素数1〜10個のアルキル基が望ましい。以
下、アルコキシ基含有化合物の具体例を挙げる。
Mが炭素の場合の化合物 式C(OR)に含まれるC(OMe)、C(OEt)
C(OPr)、C(OBu)、C(Oi−Bu)、C(OH
e)、C(OOot)4:式XC(OR)に含まれるHC(OMe)
、HC(OEt)、HC(OPr)、HC(OBu)、HC(OP
h)、HC(OPh)3:MeC(OMe)、MeC(OEt)、EtC
(OMe)、EtC(OEt)、cyHeC(OEt)、PhC(OM
e)、PhC(OEt)3:式X2C(OR)に含まれるMeCH(OM
e)、CH3CH(OEt)、CH2(OMe)、CH2(OE
t)、PhCH(OEt)
Mが珪素の場合の化合物 式Si(OR)に含まれるSi(OMe)、Si(OEt)
Si(OBu)、Si(Oi−Bu)、Si(OHe)、Si(OOc
t)、Si(OPh)4:式XSi(OR)に含まれるHSi(OE
t)、HSi(OBu)、HSi(OHe)、HSi(OPh)3:MeS
i(OMe)、MeSi(OEt)、MeSi(OBu)、EtSi(OE
t)、PhSi(OEt)、EtSi(OPh)3:式X2Si(OR)
に含まれるMe2Si(OMe)、Me2Si(OEt)、Et2Si(O
Et)2:X3SiORに含まれるMe3SiOMe、Me3SiOEt、Me3SiOB
u、Me3SiOPh、Et3SiOEt、Ph3SiOEt。
Mが硼素の場合の化合物 式B(OR)に含まれるB(OEt)、B(OBu)
B(OHe)、B(OPh)
Mがアルミニウムの場合の化合物 式Al(OR)に含まれるAl(OMe)、Al(OEt)
Al(OPr)、Al(Oi−Pr)、Al(OBu)、Al(Ot−
Bu)、Al(OHe)、Al(OPh)
Mが燐の場合の化合物 式P(OR)に含まれるP(OMe)、P(OEt)
P(OBu)、P(OHe)、P(OPh)
(4)ハロゲン含有アルコール ハロゲン含有アルコールとしては、一分子中に一個又
は二個以上の水酸基を有するモノ又は多価アルコール中
の、水酸基以外の任意の一個又は二個以上の水素原子が
ハロゲン原子で置換された化合物を意味する。ハロゲン
原子としては、塩素、臭素、ヨウ素、弗素原子が挙げら
れるが、塩素原子が望ましい。
それら化合物を例示すると、2−クロルエタノール、
1−クロル−2−プロパノール、3−クロル−1−プロ
パノール、1−クロル−2−メチル−2−プロパノー
ル、4−クロル−1−ブタノール、5−クロル−1−ペ
ンタノール、6−クロル−1−ヘキサノール、3−クロ
ル−1,2−プロパンジオール、2−クロルシクロヘキサ
ノール、4−クロルベンズヒドロール、(m,o,p)−ク
ロルベンジルアルコール、4−クロルカテコール、4−
クロル−(m,o)−クレゾール、6−クロル−(m,o)−
クレゾール、4−クロル−3,5−ジメチルフェノール、
クロルハイドロキノン、2−ベンジル−4−クロルフェ
ノール、4−クロル−1−ナフトール、(m,o,p)−ク
ロルフェノール、p−クロル−α−メチルベンジルアル
コール、2−クロル−4−フェニルフェノール、6−ク
ロルチモール、4−クロルレンゾルシン、2−ブロムエ
タノール、3−ブロム−1−プロパノール、1−ブロム
−2−プロパノール、1−ブロム−2−ブタノール、2
−ブロム−p−クレゾール、1−ブロム−2−ナフトー
ル、6−ブロム−2−ナフトール、(m,o,p)−ブロム
フェノール、4−ブロムレゾルシン、(m,o,p)−フロ
ロフェノール、p−イオドフェノール:2,2−ジクロルエ
タノール、2,3−ジクロル−1−プロパノール、1,3−ジ
クロル−2−プロパノール、3−クロル−1−(α−ク
ロルメチル)−1−プロパノール、2,3−ジブロム−1
−ブロパノール、1,3−ジブロム−2−プロパノール、
2,4−ジブロムフェノール、2,4−ジブロム−1−ナフト
ール:2,2,2−トリクロルエタナール、1,1,1−トリクロ
ル−2−プロパノール、β,β,β−トリクロル−tert
−ブタノール、2,3,4−トリクロルフェノール、2,4,5−
トリクロルフェノール、2,4,6−トリクロルフェノー
ル、2,4,6−トリブロムフェノール、2,3,5−トリブロム
−2−トビロキシトルエン、2,3,5−トリブロム−4−
トビロキシトルエン、2,2,2−トリフルオロエタノー
ル、α,α,α−トリフルオロ−m−クレゾール、2,4,
6−トリイオドフェノール:2,3,4,6−テトラクロルフェ
ノール、テトラクロルハイドロキノン、テトラクロルビ
スフェノールA、テトラブロムビスフェノールA、2,2,
3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、2,3,5,6−テ
トラフルオロフェノール、テトラフルオロレゾルシン等
が挙げられる。
(5)電子供与性化合物 電子供与性化合物としては、カルボン酸類、カルボン
酸無水物、カルボン酸エステル類、カルボン酸ハロゲン
化物、アルコール類、エーテル類から選ばれる。
カルボン酸の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、ビバリン
酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の脂肪族
モノカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪
族カルボン酸、酒石酸等の脂肪族オキシカルボン酸、シ
クロヘキサンモノカルボン酸、シクロヘキセンモノカル
ボン酸、シス−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、シ
ス−4−メチルシクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸等
の脂環式カルボン酸、安息香酸、トルイル酸、アニス
酸、p−第三級ブチル安息香酸、ナフトエ酸、ケイ皮酸
等の芳香族モノカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸、ナフタル酸、トリメリト酸、ヘミメリト
酸、トリメシン酸、ピロメリト酸、メリト酸等の芳香族
多価カルボン酸等が挙げられる。
カルボン酸無水物としては、上記のカルボン酸類の酸
無水物が使用し得る。
カルボン酸エステルとしては、上記のカルボン酸類の
モノ又は多価エステルが使用することができ、その具体
例として、ギ酸ブチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、イソ
硫酸イソブチル、ピバリン酸プロピル、ピバリン酸イソ
ブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、マロン酸ジ
エチル、マロン酸ジイソブチル、コハク酸ジエチル、コ
ハク酸ジブチル、コハク酸ジイソブチル、グルタル酸ジ
エチル、グルタル酸ジブチル、グルタル酸ジイソブチ
ル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジブチル、マ
レイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジ
イソブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸ジエチル、
フマル酸ジイソブチル、酒石酸ジエチル、酒石酸ジイソ
ブチル、シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メ
チル、安息香酸エチル、p−トリイル酸メチル、p−第
三級ブチル安息香酸エチル、p−アニス酸エチル、α−
ナフトエ酸エチル、α−ナフトエ酸イソブチル、ケイ皮
酸エチル、フタル酸モノメチル、フタル酸モノブチル、
フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ
ヘキシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジ2−エチル
ヘキシル、フタル酸ジアリル、フタル酸ジフェニル、イ
ソフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジイソブチル、テレ
フタル酸ジエチル、テレフタル酸ジブチル、ナフタル酸
ジエチル、ナフタル酸ジブチル、トリメリト酸トリエチ
ル、トリメリト酸トリブチル、ピロメリト酸テトラメチ
ル、ピロメリト酸テトラエチル、ピロメリト酸テトラブ
チル等が挙げられる。
カルボン酸ハロゲン化物としては、上記のカルボン酸
類の酸ハロゲン化物が使用することができ、その具体例
として、酢酸クロリド、酢酸ブロミト、酢酸アイオダイ
ド、プロピオン酸クロリド、酪酸クロリド、酪酸ブロミ
ド、酪酸アイオダイド、ピバリン酸クロリド、ピバリン
酸ブロミド、アクリル酸クロリド、アクリル酸ブロミ
ド、アクリル酸アイオダイド、メタクリル酸クロリド、
メタクリル酸ブロミド、メタクリル酸アイオダイド、ク
ロトン酸クロリド、マロン酸クロリド、マロン酸ブロミ
ド、コハク酸クロリド、コハク酸ブロミド、グルタル酸
クロリド、グルタル酸ブロミド、アジピン酸クロリド、
アジピン酸ブロミド、セバシン酸クロリド、セバシン酸
ブロミド、マレイン酸クロリド、マレイン酸ブロミド、
フマル酸クロリド、フマル酸ブロミド、酒石酸クロリ
ド、酒石酸ブロミド、シクロヘキサンカルボン酸クロリ
ド、シクロヘキサンカルボン酸ブロミド、1−シクロヘ
キセンカルボン酸クロリド、シス−4−メチルシクロヘ
キセンカルボン酸クロリド、シス−4−メチルシクロヘ
キセンカルボン酸ブロミド、塩化ベンゾイル、臭化ベン
ゾイル、p−トルイル酸クロリド、p−トルイル酸ブロ
ミド、p−アニス酸クロリド、p−アニス酸ブロミド、
α−ナフトエ酸クロリド、ケイ皮酸クロリド、ケイ皮酸
ブロミド、フタル酸ジクロリド、フタル酸ジブロミド、
イソフタル酸ジクロリド、イソフタル酸ジブロミド、テ
レフタル酸ジクロリド、イソフタル酸ジブロミド、テレ
フタル酸ジクロリド、ナフタル酸ジクロリドが挙げられ
る。又、アジピン酸モノメチルクロリド、マレイン酸モ
ノエチルクロリド、マレイン酸モノメチルクロリド、フ
タル酸ブチルクロリドのようなカルボン酸のモノアルキ
ルハロゲン化物も使用し得る。
アルコール類は、一般式ROHで表わされる。式におい
てRは炭素数1〜12個のアルキル、アルケニル、シクロ
アルキル、アリール、アルアルキルである。その具体例
としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタ
ノール、ヘキサノール、オクタノール、2−エチルヘキ
サノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、
アリルアルコール、フェノール、クレゾール、キシレノ
ール、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、p
−ターシャリーブチルフェノール、n−オクチルフェノ
ール等である。エーテル類は、一般式ROR1で表わされ
る。式において、R、R1は炭素数1〜12個のアルキル、
アルケニル、シクロアルキル、アリール、アルアルキル
であり、R、R1は同じでも異ってもよい。その具体例と
しては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、
ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジイソアミ
ルエーテル、ジ−2−エチルヘキシルエーテル、ジアリ
ルエーテル、エチルアリルエーテル、ブチルアリルエー
テル、ジフェニルエーテル、アニソール、エチルフェニ
ルエーテル等である。
(6)チタン化合物 チタン化合物は、一般式TiXn(OR)4-nで表される。
この式において、Xは塩素、臭素のハロゲン原子を示
し、Rは炭素数1〜8個のアルキル基、アリール基を示
し、nは0<n≦4の範囲の任意の数である。それらを
例示すると、四塩化チタン、四臭化チタン、トリクロル
エトキシチタン、トルクロルブトキシチタン、ジクロル
エトキシチタン、ジクロルジブトキシチタン、ジクロル
ジフェノキシチタン、クロルトリエトキシチタン、クロ
ルトリブトキシチタン等を挙げることができる。これら
の中でも、四塩化チタン、トリクロルエトキシチタン、
ジクロルジブトシチタン、ジクロルジフェニルキシチタ
ンが望ましく、特に四塩化チタンが望ましい。
成分(1)〜(6)との接触は、不活性媒体の存在
下、又は不存在下、混合撹拌するか、機械的に共粉砕す
ることによりなされる。触媒は40〜150℃の加熱下で行
うことができる。
不活性媒体としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン
等の飽和脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキ
サン等の飽和脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素が使用し得る。
本発明における成分Aの調整法の具体例としては、特
開昭62−7706号公報に開示されているような金属酸化
物、マグネシウム化合物及びアルコキシ基含有化合物を
接触させることによって得られる固体を、ハロゲン含有
アルコールと接触させ、更に電子供与性化合物及びチタ
ン化合物と接触させる方法である。
上記のようにして成分Aは調整されるが、成分Aは必
要に応じて前記の不活性媒体で洗浄してもよく、更に乾
燥してもよい。
トリアルキルアルミニウム トリアルキルアルミニウム(以下、成分Bという。)
は、一般式AlR3〔但し、Rは炭素数1〜12個のアルキル
基を示す。〕で表わされる。その具体例としては、トリ
メチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプ
ロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、
トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ム、トリヘキシルアルミニウム等が挙げられる。
ジメトキシ基含有シラン化合物 本発明で用いられるジメトキシ基含有シラン化合物
(以下、成分Cという。)は、一般式R1R2Si(OCH3
で表わされ、量子化学計算で算出した分子の体積が230
〜350Å、メトキシ基の酸素原子の電子密度が0.690〜
0.740A.U.(アトミックユニット)のものである。
量子化学計算は、以下の方法による。分子の体積は、
分子軌道法プログラムであるMOPAC〔アメリカ、インデ
ィアナ大学内にある化学用の各種プログラムの普及を目
的とする非営利機関であるQCPE(量子化学プログラム交
換機構)から購入〕のMNDO法(半経験的分子軌道法式の
一種〔J.Am.Chem.Soc.,ジャーナル オブ アメリカン
ケミカル ソサエティ)99巻、4899頁、4907頁(1977
年);同100巻、3607頁、(1978年)〕及びVan der W
aals 半径〔J.Phys.Chem.,(ジャーナル オブ フィ
ジカル ケミストヰー)68巻、441〜452頁(1964年)〕
から求めたものであり、メトキシ基の酸素原子の電子密
度は、上記MOPACのMNDO法により算出したものである。
なお、計算にはDEC社(DIGITAL EQUIPMENT CORPORATI
ON)製のVAX11/785を用いた。
成分Cの前記一般式におけるR1とR2は、炭素数4〜6
個の分岐脂肪族炭化水素基、すなわちアルキル基及びア
ルケニル基であるが、望ましくはアルキル基である。
成分Cは230〜350Åの体積で0.690〜0.740A.U.の酸
素原子の電子密度である。
上記のような体積と電子密度を満たす成分Cとして
は、R1とR2の炭素数の合計が9〜12個のものである。
以下、成分Cの具体例を化学式にて列挙する。式にお
いて、Me:CH3、Et:C2H5、Pr:C3H7、Bu:C4H9、Pt:C
5H11、He:C6H13を示す。
(t−Bu)(t−Pt)Si(OMe)、(t−Bu)
〔(n−Pr)・Me・CH〕Si−(OMe)、(t−Pt)2Si
(OMe)、〔(n−Pr)・Me・CH〕2Si(OMe)
(t−Bu・CH22Si(OMe)、〔(Et)(Me)2C・C
H22Si(OMe)、(n−He)2Si(OMe)、(t−Bu
・C2H42Si(OMe)、〔(Et)(Me)2C・CH22Si
(OMe)、〔(n−Pr)(Me)2C〕2Si(OMe)等が
挙げられる。
予備重合 固体成分(成分A)の予備重合は、トリアルキルアル
ミニウム化合物(成分B)及びジメトキシ基含有シラン
化合物(成分C)の存在下、オレフィンと接触させるこ
とによりなされる。
オレフィンとしては、エチレンの他、プロピレン、1
−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等
のα−オレフィンが使用し得る。
予備重合は、前記の不活性媒体の存在下で行うのが望
ましい。予備重合は、通常100℃以下の温度、望ましく
は−30℃〜+30℃、更に望ましくは−20℃〜+15℃の温
度で行われる。重合方式としては、バッチ式、連続式の
いずれでもよく、又二段以上の多段で行ってもよい。多
段で行う場合、重合条件をそれぞれ変え得ることは当然
である。
成分Bは、予備重合系での濃度が50〜500ミリモル/
l、望ましくは80〜200ミリモル/lになるように用いら
れ、又成分A中のチタン1グラム原子当り、4〜50,000
モル、望ましくは6〜1,000モルとなるように用いられ
る。
成分Cは、予備重合系での濃度が1〜100ミリモル/
l、望ましくは5〜50ミリモル/lとなるように用いられ
る。
予備重合により成分A中にオレフィンポリマーが取り
込まれるが、そのポリマー量を成分A1g当たり0.1〜200g
特に0.5〜50gとするのが望ましい。
上記のようにして調製された本発明の触媒成分は、前
記の不活性媒体で希釈或いは洗浄することができるが、
触媒成分の保存劣化を防止する観点からは、特に洗浄す
るのが望ましい。洗浄後、必要に応じて乾燥してもよ
い。又、触媒成分を保存する場合は、出来る丈低温で保
存するのが望ましく、−50℃〜+30℃、特に−20℃〜+
5℃の温度範囲が推奨される。
α−オレフィンの重合 上記のようにして得られた本発明の触媒成分は、有機
金属化合物、更には必要に応じて電子供与性化合物と組
み合せて炭素数3〜10個のα−オレフィンの単独重合又
は他のモノオレフィン若しくは炭素数3〜10個のジオレ
フィンとの共重合の触媒として有用であるが、特に炭素
数3ないし6個のα−オレフィン、例えばプロピレン、
1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン
等の単独重合又は上記のα−オレフィン相互及び/又は
エチレンとのランダム及びブロック共重合の触媒として
極めて優れた性能を示す。
用い得る有機金属化合物は、周期表第I族ないし第II
I族金属の有機化合物である。該化合物としては、リチ
ウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛及びアルミニウ
ムの有機化合物が使用し得る。これらの中でも特に、有
機アルミニウム化合物が好適である。用い得る有機アル
ミニウム化合物としては、一般式RnAlX3-n(但し、Rは
アルキル基又はアリール基、Xはハロゲン原子、アルコ
キシ基又は水素原子を示し、nは1≦n≦3の範囲の任
意の数である。)で示されるものであり、例えばトリア
ルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムモノハラ
イド、モノアルキルアルミニウムジハライド、アルキル
アルミニウムセスキハライド、ジアルキルアルミニウム
モノアルコキシド及びジアルキルアルミニウムモノハイ
ドライドなどの炭素数1ないし18個、好ましくは炭素数
2ないし6個のアルキルアルミニウム化合物又はその混
合物もしくは錯化合物が特に好ましい。具体的には、ト
リメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ
プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、
トリヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニ
ウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミ
ニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジエ
チルアルミニウムアイオダイド、ジイソブチルアルミニ
ウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムモノハライ
ド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウ
ムジクロリド、メチルアルミニウムジブロミド、エチル
アルミニウムジブロミド、エチルアルミニウムジアイオ
ダイド、イソブチルアルミニウムジクロリドなどのモノ
アルキルアルミニウムジハライド、エチルアルミニウム
セスキクロリドなどのアルキルアルミニウムセスキハラ
イド、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアル
ミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシ
ド、ジプロピルアルミニウムエトキシド、ジイソブチル
アルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムフ
ェノキシドなどのジアルキルアルミニウムアクコキシ
ド、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアル
ミニウムハイドライド、ジプロピルアルミニウムハイド
ライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどの
ジアルキルアルミニウムハイドライドが挙げられる。こ
れらに中でも、トリアルキルアルミニウムが、特にトリ
エチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが望
ましい。又、これらトリアルキルアルミニウムは、その
他の有機アルミニウム化合物、例えば、工業的に入手し
易いジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウ
ムジクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、ジ
エチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウム
ハイドライド又はこれらの混合物若しくは錯化合物等と
併用することができる。
又、酸素原子や窒素原子を介して2個以上のアルミニ
ウムが結合して有機アルミニウム化合物も使用可能であ
る。そのような化合物としては、例えば、 等を例示できる。
アルミニウム金属以外の金属の有機化合物としては、
ジエチルマグネシウム、エチルマグネシウムクロリド、
ジエチル亜鉛等の他、LiAl(C2H5、LiAl(C7H15
等の化合物が挙げられる。
本発明の触媒成分及び有機金属化合物と必要に応じて
組み合せることができる電子供与性化合物としては、前
記成分Aを調製する際に用いられる化合物及び前記予備
重合の際に用いられるシラン化合物(成分C)の中から
適宜選ばれる他、前記シラン化合物以外の有機珪素化合
物からなる電子供与性化合物や、窒素、イオウ、酸素、
リン等のヘテロ原子を含む電子供与性化合物も使用可能
である。
有機珪素化合物の具体例としては、テトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、
テトライソブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、
テトラ(p−メチルフェノキシ)シラン、テトラベンジ
ルオキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルト
リエトキシシラン、メチルトリプトキシシラン、メチル
トリフェノキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エ
チルトリイソブトキシシラン、エチルトリフェフェノキ
シシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエト
キシシラン、ブチルトリブトキシシラン、ブチルトリフ
ェノキシシラン、イソブチルトリイソブトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラ
ン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジブト
キシシラン、ジメチルヘキシルオキシシラン、ジメチル
ジフェノキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエ
チルジイソブトキシシラン、ジエチルジフェノキシシラ
ン、ジブチルジイソプロポキシシラン、ジブチルジブト
キシシラン、ジブチルジフェノキシシラン、ジイソブチ
ルジエトキシシラン、ジイソブチルジイソブトキシシラ
ン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン、ジフェニルジブトキシシラン、ジベンジルジ
エトキシシラン、ジビニルジフェノキシシラン、ジアリ
ルジプロポキシシラン、ジフェニルジアリルオキシシラ
ン、メチルフェニルジメトキシシラン、クロロフェニル
ジエトキシシラン等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む電子供与性化合物の具体例として
は、窒素原子を含む化合物として、2,2,6,6,−テトラメ
チルピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、2,6−ジエ
チルピペリジン、2,6−ジイソプロピルピペリジン、2,6
−ジイソブチル−4−メチルピペリジン、1,2,2,6,6−
ペンタメチルピペリジン、2,2,5,5−テトラメチルピロ
リジン、2,5−ジメチルピロリジン、2,5−ジエチルピロ
リジン、2,5−ジイソプロピルピロリジン、1,2,2,5,5−
ペンタメチルピロリジン、2,5,5−トリメチルピロリジ
ン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、2,6−
ジイソプロピルピリジン、2,6−ジイソブチルピリジ
ン、1,2,4−トリメチルピペリジン、2,5−ジメチルピペ
リジン、ニコチン酸メチル、ニコチン酸エチル、ニコチ
ン酸アミド、安息香酸アミド、2−メチルピロール、2,
5−ジメチルピロール、イミダゾール、トルイル酸アミ
ド、ペンゾニトリル、アセトニトリル、アニリン、パラ
トルイジン、オルトトルイジン、メタトルイジン、トリ
エチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、テト
ラメチレンジアミン、トリブチルアミン等が、イオウ原
子を含む化合物として、チオフェノール、チオフェン、
2−チオフェンカルボン酸エチル、3−チオフェンカル
ボン酸エチル、2−メチルチオフェン、メチルメルカブ
タン、エチルメルカプタン、イソプロピルメルカプタ
ン、ブチルメルカプタン、ジエチルチオエーテル、ジフ
ェニルチオエーテル、ベンゼンスルフォン酸メチル、メ
チルサルファイト、エチルサルファイト等が、酸素原子
を含む化合物として、テトラヒドロフラン、2−メチル
テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、
2−メチルテトラヒドロフラン、2,2,5,5−テトラエチ
ルテトラヒドロフラン、2,2,5,5−テトラメチルテトラ
ヒドロフラン、2,2,6,6,−テトラエチルテトラヒドロピ
ラン、2,2,6,6−テトラヒドロピラン、ジオキサン、ジ
メチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテ
ル、ジイソアミルエーテル、ジフェニルエーテル、アニ
ソール、アセトフェノン、アセトン、メチルエチルケト
ン、アセチルアセトン、o−トリル−t−ブチルケト
ン、メチル−2,6−ジt−ブチルフェニルケトン、2−
フラル酸エチル、2−フラル酸イソアミン、2−フラル
酸メチル、2−フラル酸プロピル等が、リン原子を含む
化合物として、トリフェニルホスフィン、トリブチルホ
スフィン、トリフェニルホスファイト、トリベンジルホ
スファイト、ジエチルホスフェート、ジフェニルホスフ
ェート等が挙げられる。
これら電子供与性化合物は、二種以上用いてもよい。
又、これら電子供与性化合物は、有機金属化合物を触媒
成分と組合せて用いる際に用いてもよく、予め有機金属
化合物と接触させた上で用いてもよい。
本発明の触媒成分に対する有機金属化合物の使用量
は、該触媒成分中のチタン1グラム原子当り、通常1〜
2,000グラムモル、特に20〜500グラムモルが望ましい。
又、有機金属化合物と電子供与性化合物の比率は、電
子供与性化合物1モルに対して有機金属化合物がアルミ
ニウムとして0.1〜40、好ましくは1〜25グラム原子の
範囲で選ばれる。
α−オレフィンの重合反応は、気相、液相のいずれで
もよく、液相で重合させる場合は、ノルマルブタン、イ
ソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の不活性炭化水素中及び液状モノ
マー中で行うことができる。重合温度は、通常−80℃〜
−150℃、好ましくは40〜120℃の範囲である。重合圧力
は、例えば1〜60気圧でよい。又、得られる重合対の分
子量の調節は、水素若しくは他の公知の分子量調節剤を
存在せしるめることにより行なわれる。又、共重合にお
いてオレフィンに共重合させる他のオレフィンの量は、
オレフィンに対して通常30重量%、特に0.3〜15重量%
の範囲で選ばれる。重合反応は、連続又はバッチ式反応
で行ない。その条件は通常用いられる条件でよい。又、
共重合反応は一段で行ってもよく、二段以上で行っても
よい。
発明の効果 本発明は、上記の構成を採ることにより、触媒成分の
強度を向上することができると共に、該触媒成分はα−
オレフィンの(共)重合において、高活性を維持しつ
つ、高立体規則性を示し、かつ特に洗浄した触媒成分
は、触媒の保存において性能の劣化を抑制できるという
優れた効果を発揮する。
実施例 本発明を実施例及び反応例により具体的に説明する。
なお、例におけるパーセント(%)は特に断らない限り
重量による。
ポリマー中の結晶性ポリマーの割合を示すヘプタン不
溶分(以下HIと略称する。)は、改良型ソックスレー抽
出器で沸騰n−ヘプタンにょり6時間抽出した場合の残
量である。
実施例1 成分Aの調製 滴下ロート及び撹拌機を取付けた200mlのフラスコを
窒素ガスで置換した。このフラスコに、酸化ケイ素(DA
VISON社製、商品名G−952)を窒素気流中において200
℃で2時間、更に700℃で5時間焼成したものを5g及び
n−ヘプタンを40ml入れた。更にn−ブチルエチルマグ
ネシウム(以下、BEMという。)の20%n−ヘプタン溶
液(テキサスアルキルズ社製、商品名MAGALA BEM)20m
lを加え、90℃で1時間撹拌した。
上記懸濁液を0℃に冷却した後、これにテトラエトキ
シシラン11.2gを20mlのn−ヘプタンに溶解した溶液を
滴下ロートから30分掛けて滴下した。滴下終了後、2時
間掛けて50℃に昇温し、50℃で1時間撹拌を続けた。反
応終了後、デカンテーションにより上澄液を除去し、生
成した固体を60mlのn−ヘプタンにより室温で洗浄し、
更にデカンテーションにより上澄液を除去した。このn
−ヘプタンにより洗浄処理を更に4回行った。
上記の固体に、50mlのn−ヘプタンを加えて懸濁液と
し、これに2,2,2−トリクロルエタノール8.0gを10mlの
n−ヘプタンに溶解した溶液を、滴下ロートから25℃に
おいて15分間掛けて滴下した。滴下終了後25℃で30分間
撹拌を続けた。反応終了後、室温において、60mlのn−
ヘプタンにて2回、60mlのトルエンにて3回それぞれ洗
浄を行った。得られた固体(固体成分I)を分析したと
ころ、SiO236.6%、マグネシウム5.1%、塩素38.5%を
含んでいた。
上記で得られた固体成分Iに、n−ヘプタン10ml及び
四塩化チタン40mlを加え、90℃迄昇温し、n−ヘプタン
5mlに溶解したフタル酸ジn−ブチル0.6gを5分間掛け
て添加した。その後、115℃に昇温し、2時間反応させ
た。90℃に降温した後、デカンテーションにより上澄液
を除き、n−ヘプタン70mlで2回洗浄を行った。更に、
n−ヘプタン15mlと四塩化チタン40mlを加え、115℃で
2時間反応させた。反応終了後、得られた固体物質を60
mlのn−ヘキサンにて室温で8回洗浄を行った。次い
で、減圧下室温にて1時間乾燥を行い、8.3gの触媒成分
(成分A)を得た。この成分Aには、3.1%のチタンの
他酸化ケイ素、塩素及びフタヴ酸ジn−ブチルが含まれ
ていた。
予備重合 撹拌機を取付けた500mlの反応器に、窒素ガス雰囲気
下、上記で得られた成分A1.9g及びn−ヘプタン280mlを
入れ、撹拌しながら5℃に冷却した。次にトリエチルア
ルミニウム(以下TEALと略称する。)のn−ヘプタン溶
液(2.0モル/l)及びジn−ヘキシルジメトキシシラン
のn−ヘプタン溶液(1.0モル/l)を、反応系におけるT
EAL及びジn−ヘキシルジメトキシシランの濃度がそれ
ぞれ80ミリモル/l及び8ミリモル/lとなるように添加
し、5分間撹拌した。次いで、系内を40mmHgに減圧した
後、プロピレンガスを供給し、プロピレンを30分間重合
させた。重合終了後、気相のプロピレンを窒素ガスでパ
ージし、5℃のn−ヘプタンを添加し、5倍に希釈し
た。このようにして触媒成分のスラリーを調製した。ス
ラリーの一部を取り出し、乾燥し、触媒成分中に含まれ
るマグネシウム量を測定した結果、予備重合量は成分1g
当り3.0gであった。
又、ジn−ヘキシルジメトキシシランの体積及びメト
キシ基の酸素原子の電子密度を前記に従い計算し、その
結果を第1表に示した。
実施例2〜6 実施例1の予備重合において、ジn−ヘキシルジメト
キシシランの代りに、第1表に示すシラン化合物を、又
TEALの代りに第1表に示すトリアルキルアルミニウムを
それぞれ第1表に示す濃度で用い、かつ予備重合条件を
第1表に示す通りにした以外は、実施例1と同様にして
成分Aの予備重合を行い、触媒成分を調製した。
又、各シラン化合物の体積及びメトキシ基の酸素原子
の電子密度の計算値を第1表に示した。
比較例1 実施例1の予備重合において、ジn−ヘキシルメトキ
シシランを用いず、かつ予備重合を第1表に示す通りに
した以外は、実施例1と同様にして成分Aの予備重合を
行い、触媒成分を調製した。
比較例2 実施例1の予備重合において、ジn−ヘキシルジメト
キシシランの代りに、ジメチルジメトキシシランを用
い、かつ予備重合条件を第1表に示す通りにした以外
は、実施例1と同様にして成分Aの予備重合を行い、触
媒成分を調製した。
比較例3 予備重合を行なわなかった以外は、実施例1と同様に
して触媒成分(成分A)を調製した。
応用例1 プロピレンの重合 撹拌機を設けた1.5lのステンレス製オートクレーブ
に、窒素ガス雰囲気下、TEALのn−ヘプタン溶液(0.1
モル/l)4ml及びジt−アミルジメトキシシランのn−
ヘプタン溶液(0.01モル/l)2mlを混合し5分間保持し
たものを入れた。次いで、分子量制御剤としての水素ガ
ス1l及び液体プロピレン1lを圧入した後、反応系を70℃
に昇温した。実施例1で得られた触媒成分40mgを反応系
に装入した後、1時間プロピレンの重合を行った。重合
終了後、未反応のプロピレンをパージし、HIは97.4%の
白色ポリプロピレン粉末を得た。成分Alg.1時間当りの
ポリプロピレン生成量(CE)は23.4kgであった。
又、実施例1で得られた触媒成分を、窒素ガスで置換
したガラス容器に入れ、密封し、5℃で4日間、10日間
及び20日間保存した後、プロピレンの重合に供した。プ
ロピレンの重合は上記と同様にして行った。それらの結
果を第2表に示した。第2表の記載から保存劣化は僅少
であることが判る。又、これらの重合では150μm以下
の微粉ポリマーは全く観察されなかった。
応用例2〜5 実施例1で得られた触媒成分に代えて、実施例2〜4
で得られた触媒成分を用い、かつ応用例4ではジt−ア
ミルジメトキシシランの代りに第2表に示す電子供与性
化合物を用いる以外は、応用例1と同様にしてプロピレ
ンの重合を行い、それらの結果を第2表に示した。
応用例6〜9 実施例1で得られた触媒成分に代えて、比較例1〜3
で得られた触媒成分を用い、かつ応用例8ではジt−ア
ミルジメトキシシランの代りに第2表に示す電子供与性
化合物を用いる以外は、応用例1と同様にしてプロピレ
ンの重合を行い、それらの結果を第2表に示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の触媒成分の調製工程を示すフローチ
ャート図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡野 倫子 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡1丁目3番 1号 東燃株式会社総合研究所内 (72)発明者 中野 晶 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡1丁目3番 1号 東燃株式会社総合研究所内 (72)発明者 植木 聰 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡1丁目3番 1号 東燃株式会社総合研究所内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(1)金属酸化物、 (2)マグネシウム化合物及び (3)アルコキシ基含有化合物を 接触させて得られる固体を (4)ハロゲン含有アルコールと接触させ、さらに (5)電子供与性化合物及び (6)一般式TiXn(OR)4-n〔但し、Xはハロゲン原
    子、Rは炭化水素基を示し、0<n≦4である。〕で表
    されるチタン化合物 と接触させることにより得られる固体成分を、 (B)トリアルキルアルミニウム及び (C)一般式R1R2Si(OCH3〔但し、R1及びR2は夫々
    同一又は異なる炭素数4〜6個の分岐状脂肪族炭化水素
    基で、かつR1とR2の炭素数の合計が9〜12個である。〕
    で表わされ、量子化学計算で算出した体積が30〜350Å
    、同じくメトキシ基の酸素原子の電子密度が0.690〜
    0.740A.U.(アトミックユニット)のジメトキシ基含有
    シラン化合物の存在下、 (D)オレフィン と接触させてなるα−オレフィン重合用触媒成分。
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