JP2698650B2 - 磁気エンコーダ - Google Patents

磁気エンコーダ

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JP2698650B2
JP2698650B2 JP1056303A JP5630389A JP2698650B2 JP 2698650 B2 JP2698650 B2 JP 2698650B2 JP 1056303 A JP1056303 A JP 1056303A JP 5630389 A JP5630389 A JP 5630389A JP 2698650 B2 JP2698650 B2 JP 2698650B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、物体の位置・速度を検出する磁気エンコー
ダに係り、強磁性体の磁気抵抗効果素子と磁気記録媒体
とを有して構成される磁気エンコーダに関する。
[従来の技術] 従来から磁気エンコーダとして、強磁性体の磁気抵抗
効果素子(以下、「MR素子」と称す。)と磁気記録媒体
とを有して構成されたものがあるが、主流はパルス出力
形である。このパルス出力形は、MR素子の正弦波状の出
力信号をパルス波に波形成形する回路を内蔵しているの
が一般的である。MR素子の出力信号は、温度特性を持
ち、温度変化により出力信号の振幅が変化すると、パル
スのデューティが変化し、位置・速度検出誤差を生ず
る。また、正弦波出力形磁気エンコーダにおいても、MR
素子の出力信号をそのまま増幅しているため、やはり位
置・速度検出誤差を生ずる。
従来の磁気エンコーダは、特開昭60-192214号公報に
記載のように、前記問題点を解決するため、増幅器の増
幅率を温度に対して可変とすることにより、温度に対し
て安定な出力を得ている。同公報の第4図,第5図によ
ると、波形整形成形回路は温度上昇に従って増幅率を上
げる動作を行なっている。同公報の第3図の波形成形回
路では、この動作を行なうために、抵抗R1に並列接続
された感熱素子として、温度に対して負の抵抗−温度特
性を持つサーミスタ等を採用することで実現している。
なお、MR素子と磁気記録媒体からなる角度検出器とし
て、特開昭54-115257号公報等が挙げられるが、温度変
化による位置・速度検出誤差が発生する点について配慮
されていない。
[発明が解決しようとする課題] 前記従来技術は、 (1) 負の温度特性を持つ感熱素子に限定されている
こと、 (2) 感熱素子の位置が示されておらず、磁気センサ
付近の正確な温度の検出について配慮されていないこ
と、 (3) 温度に対して負の特性を持つ既知の感熱素子と
して、サーミスタが考えられるが、サーミスタの抵抗と
温度の特性はリニアではなく、対数的に変化するため、
エンコーダの出力信号の温度補償精度が悪いこと、また
温度補償精度を高めるためにサーミスタの温度特性が近
似的にリニアの範囲でしか使用できず、エンコーダの出
力信号補償温度範囲が狭くなること、 (4) 感熱素子の温度係数の選定について配慮されて
いないこと、 等の問題があった。
本発明の目的は、温度変化を有する環境下で使用して
も、高精度に位置・速度検出を行ない得る磁気エンコー
ダを提供することにある。
本発明の他の目的は、MR素子蒸着基板とその支持構造
物との接着,接合時の位置決めを容易に、かつ高精度に
行ない得る磁気エンコーダを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 前記の目的を達成するため、磁気抵抗効果素子蒸着基
板とその支持構造物とを、磁気抵抗効果素子の温度係数
を線形にすべく、磁気抵抗効果素子蒸着基板と支持構造
物との接合部に発生する熱応力を抑制し得る材料で形成
すると共に、前記磁気抵抗効果素子蒸着基板とその支持
構造物とを、互いの接合部の熱応力を吸収可能な軟質性
接着剤により接着し、磁気抵抗効果素子の出力電圧の温
度特性をα,速度検出部付近に設けたリニア温度センサ
の温度係数をβ,温度変化量をΔTとするとき、(1+
ΔT・α/100)(1+ΔT・β/100)≒1の条件を満足
するように選定した温度係数βのリニア温度センサと増
幅回路とにより、温度補償を行うように構成したことを
特徴とする。
また、前記磁気抵抗効果素子と磁気記録媒体の位置・
速度検出付近と同じ温度となる位置に、前記リニア温度
センサを設けたことを特徴とする。
さらに、前記磁気抵抗効果素子蒸着基板の支持構造物
における磁気抵抗効果素子蒸着基板との接触面に、接着
剤流入用の溝を設けたことを特徴とする。
[作用] 本発明では、前述の如く、磁気抵抗効果素子蒸着基板
とその支持構造物とを、磁気抵抗効果素子の温度係数を
線形にすべく、磁気抵抗効果素子蒸着基板と支持構造物
との接合部に発生する熱応力を抑制し得る材料で形成し
ている。これにより、MR素子に加わる熱応力によって起
きる磁歪特性によるMR素子の出力信号の非線形化を防ぐ
ことができ、MR素子の抵抗変化率特性の線形性を保つこ
とができる。その結果、温度変化を有する環境下で使用
した場合でも、MR素子の出力信号の高精度な温度補償を
行なうことが可能となる。
しかも、磁気抵抗効果素子蒸着基板とその支持構造物
とを、互いの接合部の熱応力を吸収可能な軟質性接着剤
により接着しているので、これにより、MR素子の素子蒸
着基板とその支持構造物間に発生する熱応力を吸収で
き、両部材の熱応力によって起こるMR素子の磁歪を防止
できるため、MR素子の抵抗変化率温度特性の線形性を良
好に保つことが可能となる。
また、本発明ではMR素子の出力電圧の温度係数をβ,
温度変化量をΔTとするとき、リニア温度センサに、
(1+ΔT・α/100)(1+ΔT・β/100)≒1の条件
を満足するように選定した温度係数βのものを用いてい
る。これにより、磁気エンコーダの出力電圧を温度に対
して安定化させることができる。
さらに、本発明では前記条件を満足するように選定し
た温度係数βのリニア温度センサにより、MR素子と磁気
記録媒体の位置・速度検出部付近の温度を検出し、その
検出温度を増幅回路で増幅し、温度補償することによ
り、出力信号の振幅変化が小さい正弦波状の出力、また
はデューティ変化が小さいパルス出力が得られる。これ
により、高精度な位置・速度検出が可能となる。
以上のような作用が相俟って、温度変化を有する環境
下においても、物体の位置・速度を高精度で検出するこ
とができる。
一般に、MR素子蒸着基板とその支持構造物の接着,接
合は、支持構造物の高精度に加工された位置合わせ面
に、MR素子蒸着基板の側面を押し当てて位置決めし、支
持構造物におけるMR素子蒸着基板の接触面に塗布された
接着剤で接着して行なう。
そこで、本発明では前記支持構造物におけるMR素子蒸
着基板の接触面に、接着剤注入用の溝を設けている。こ
の溝を設けたことにより、余分な接着剤は溝に流れ込む
ため、MR素子蒸着基板とその支持構造物とを容易に、か
つ高精度に位置決めすることが可能となり、物体の位置
・速度検出精度を高めることができる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面により説明する。
第1図〜第17図は本発明の一実施例を示すもので、第
1図は磁気エンコーダ全体の縦断側面図、第2図は第1
図をII−II線側から見た正面図、第3図は第1図のIII
−III線断面図、第4図および第5図はMR素子の抵抗変
化率温度特性図、第6図はMR素子蒸着基板とその支持構
造物の接合モデル図、第7図は温度補償回路図、第8図
は磁気エンコーダの相対出力電圧と温度変化量との関係
を示す図、第9図はMR素子蒸着基板の拡大平面図、第10
図は第9図の側面図、第11図はMR素子蒸着基板の支持構
造物の平面図、第12図は第11図のXII−XII線側から見た
図、第13図は第11図の側面図、第14図はMR素子とその支
持構造物との結合状態を示す拡大平面図、第15図は第14
図の側面図、第16図は磁気記録媒体の支持構造物である
エンドブラケットを磁気記録媒体取り付け側から見た
図、第17図は第16図のXVII−XVII線断面図である。そし
て、第18図および第19図はMR素子とその支持構造物とを
互いに線膨張係数の異なる材料で形成したときの、MR素
子の抵抗変化率温度特性図である。
これら第1図〜第17図に示す実施例の磁気エンコーダ
では、第1図に示すように、エンドブラケット1と、ケ
ース2と、信号コネクタ4と、シャフト6と、磁気記録
媒体12と、マグネット13と、回転シールド板14および固
定シールド板15と、MR素子蒸着基板18と、これの支持構
造物16と、増幅回路プリント板24と、リニア温度センサ
27と、半導体磁気抵抗素子28とを備え、さらに第7図に
示す温度補償回路を有している。
前記ケース2は、第1図に示すように、エンドブラケ
ット1にOリング3を介して取り付けられており、エン
ドブラケット1等に装着された色々な部材を覆ってい
る。
前記信号コネクタ4は、第1図に示すように、Oリン
グ5を介して前記ケース2に取り付けられており、この
信号コネクタ4から磁気記録媒体12の位置・速度検出信
号を外部へ取り出すようになっている。
前記シャフト6は、第1図に示すように、エンドブラ
ケット1にベアリング7を介して回転可能に支持されて
おり、またACサーボモータ(図示せず)に連結されてい
る。前記ベアリング7は、第1図,第2図に示すよう
に、エンドブラケット1にスラストリング8およびナッ
ト9と、ベアリング押さえ10およびねじ11とにより脱出
しないように取り付けられている。
前記磁気記録媒体12は、第1図に示すように、ドラム
型に形成されている。この磁気記録媒体12の外周面に
は、等間隔をおいてN,S極が多数記録されている。ま
た、この磁気記録媒体12は第1図から分かるように、シ
ャフト6にこれと一体に回転し得るように取り付けられ
ている。
前記マグネット13は、第1図に示すように、回転シー
ルド板14を挟んで前記磁気記録媒体12に取り付けられて
いる。
前記回転シールド板14は、第1図に示すように、磁気
記録媒体12に取り付けられており、前記固定シールド15
は同第1図に示すように、エンドブラケット1に固定さ
れている。そして、前記回転シールド板14と固定シール
ド板15とは、マグネト13の磁界の漏洩を防ぎ、漏洩磁界
によるMR素子群19の誤動作を防ぐようになっている。
前記MR素子蒸着基板18の支持構造物16は、エンドブラ
ケット1に高精度に位置決めされ、かつ第1図,第2図
に示すように、ねじ17によりエンドブラケット1に固定
されているが、この支持構造物16とエンドブラケット1
の位置決めについては後に詳述する。この支持構造物16
には、第1図に示すように、磁気記録媒体12の外周面と
の間に所定のスペーシング(ギャップ)Sをおいて、MR
素子蒸着基板18が接着により接合されているが、前記支
持構造物16とMR素子蒸着基板18との接触面の形状,接合
については、後に詳述する。
前記MR素子蒸着基板18には、第9図および第14図に示
すように、磁気記録媒体12の位置・速度検出用のMR素子
群19が蒸着されている。このMR素子群19は、第7図に示
すように、2つのMR素子20,21で構成されている。ま
た、前記MR素子蒸着基板18には、第1図,第9図および
第14図に示すように、位置・速度検出信号取り出し用の
ケーブル22が接続されている。このケーブル22は、コネ
クタ23に接続されている。
前記増幅回路プリント板24は、第1図に示すように、
エンドブラケット1に固定シールド板15およびスペーサ
25を挟んで、ねじ26により固定されている。この増幅回
路プリント板24には、増幅回路(図示せず)と、マグネ
ット13と、前記MR素子蒸着基板18に接続されたケーブル
22のコネクタ23と、リニア温度センサ27と、半導体磁気
抵抗素子28とが設けられている。
前記増幅回路は、第7図に示す増幅器31を有し、MR素
子群19により検出されかつ第7図に示す抵抗器29により
電圧信号に変換された磁気記録媒体12の位置・速度検出
信号を増幅するようになっている。
前記マグネット13と半導体磁気抵抗素子28とは、ACサ
ーボモータのロータの磁極位置を検出するもので、この
位置情報を基に、ACサーボモータのステータ巻線に電流
を流すことにより、ACサーボモータを回転させるように
なっている。
前記リニア温度センサ27は、MR素子20,21と磁気記録
媒体12の位置・速度検出部付近に配置され、第1図に示
すように、増幅回路プリント板24に取り付けられてい
る。このリニア温度センサ27と、増幅回路プリント板24
に設けられた増幅回路とにより、温度補償を行なうよう
になっている。
前記温度補償回路は、第7図に示すように、MR素子2
0,21に接続された抵抗器29と、他の抵抗器30と、これら
の抵抗器29,30を接続している増幅器31と、この増幅器3
1と並列接続しているリニア温度センサ27とを有してい
る。そして、この温度補償回路では、磁気記録媒体12の
回転に伴い、MR素子20,21に信号磁界の磁束φ1,φ2
加わると、電気抵抗値が変化し、その電圧信号がei
なり、抵抗器29とリニア温度センサ27の抵抗比で、増幅
器31を用いて電圧信号e0に増幅し、磁気記録媒体12の
位置・速度を検出するようになっている。
ところで、前記MR素子蒸着基板18とその支持構造物16
の材料として、線膨脹係数差が大きい材料の組み合わ
せ、例えばMR素子蒸着基板18の材料に、ほうけい酸ガラ
ス(線膨張係数=4.5×10-6/deg)、支持構造物16の材
料に、アルミニウム(線膨張係数=24×10-6/deg)を選
ぶと、第18図および第19図に示すように、MR素子の抵抗
変化率温度特性は非線形となる。これは、MR素子蒸着基
板18に加わった熱応力によってMR素子に歪が生じたため
である。そこで、MR素子蒸着基板18の支持構造物16の材
料をオーステナイト系ステンレス鋼(線膨張係数=16×
10-6/deg)に変更すると、第4図、第5図に示すよう
に、MR素子の抵抗変化率温度特性は線形となる。これ
は、抵抗変化率の線形温度特性を保ち得る熱応力に抑え
られているためである。
ちなみに、MR素子蒸着基板とその支持構造物のモデル
として、第6図に示す構成について考察する。この第6
図に示すモデルでは、MR素子蒸着基板のモデル33(断面
積=8.4×10-3mm2)に、ほうけい酸ガラス(ヤング率=
7000kg/mm2)、支持構造物のモデル34(断面積=84×10
-3mm2)に、アルミニウム(ヤング率=7200kg/mm2)の
組み合わせで、両モデル33,34の接合面35を接着剤によ
り完全に接着し、固定した場合、+20℃→−20℃の温度
変化において熱応力は5.0kg/mm2発生する。支持構造物
のモデル34に、オーステナイト系ステンレス鋼(ヤング
率=20400kg/mm2)を選ぶと、熱応力は3.1kg/mm2発生す
る。
そこで、本発明ではMR素子蒸着基板18とその支持構造
物16とを、両部材の接合部に発生する熱応力を抑制可能
な材料で構成している。つまり、例えばMR素子蒸着基板
18の材料にほうけい酸ガラスを用いた場合には、その支
持構造物16の材料にオースナイト系ステンレス鋼を用い
る。
なお、第18図および第19図において、周囲温度が高温
時に抵抗変化率温度特性が線形性を示すのは、MR素子蒸
着基板18とその支持構造物16の接合に用いる接着剤が軟
化し、熱応力を吸収したためである。
そこで、本発明ではMR素子蒸着基板18とその支持構造
物16との接合部を、熱応力を吸収可能な接着剤、例えば
シリコン系等のような軟性の接着剤で接着している。
また、第18図および第19図において、磁界が強くなる
と熱応力に対して線形性を示すのは、強い磁界の場合
は、MR素子20,21が磁気的に飽和状態に達しているた
め、磁区のスピンの方向が、外部からの応力によって変
化することができないからである。これに対して、弱い
磁界の場合、MR素子20,21に応力が加わると、磁区のス
ピンの方向の変化による磁歪と応力による伸びと一致す
るようにスピンの方向が変化するため、抵抗変化率が非
線形となる。
以上のように、MR素子20,21における抵抗変化率温度
特性の線形性を保つことにより、MR素子20,21の出力信
号の高精度な温度補償を行なうことが可能となる。
そして、第7図において、MR素子20,21の抵抗変化率
温度特性および磁気記録媒体12の信号磁界温度特性によ
り、MR素子20,21の出力電圧eiは温度特性を持つ。その
温度係数をα(%/℃),温度変化量をΔT(℃),Δ
T=0のときのMR素子20,21の出力電圧eiをe′iとす
ると、 ei=e′i(1+ΔT・α/100) [V]…(1) で表される。
また、温度変化を電気抵抗の変化に変換するリニア温
度センサ27の温度係数をβ(%/℃),ΔT=0のとき
の抵抗値をR′2とすると、リニア温度センサ27の抵抗
値R2は、 R2=R′2(1+ΔT・β/100) …(2) で表される。
したがって、第7図に示す温度補償回路の抵抗器29の
抵抗値をR1とすると、MR素子20,21の出力電圧eiと磁
気エンコーダの出力電圧eoの関係は、 で表される。この(3)式によると、 (1+ΔT・α/100)(1+ΔT・β/100)=1 …(4) の条件を満たせば、磁気エンコーダの出力電圧eoは温
度に対して安定していることが分かる。
第8図に、α=−0.4%/℃と仮定し、ΔT=0のと
きの磁気エンコーダの出力電圧eoを100%として、相対
出力eo,ΔT,βの関係を示すβ=0の特性は、温度補
償なしの磁気エンコーダの出力電圧であり、ΔT=50℃
の場合、相対出力変化が20%にもなる。また、β=+0.
4%/℃に選ぶと、式(4)の左辺は、 1+ΔT2・α・β/10000 となり、ΔTが小さい場合は、 ΔT2・α・β/10000≒0 と省略できるが、ΔTが大きい場合は、ΔT2により省
略できないため、ΔT=50℃における相対出力変化が4
%になる。
したがって、リニア温度センサ27の温度係数βは磁気
エンコーダの使用温度範囲によって決まり、その使用温
度範囲内で最小相対出力変化となるように温度係数βを
選定するのがよいことが分かる。例えば、ΔT=50℃で
使用する場合は、第8図に示すように、β=0.5%/℃
に選定することで相対出力変化を1.25%に抑えることが
できる。
そこで、本発明では (1+ΔT・α/100)(1+ΔT・β/100)≒1 の条件を満足するように選定した温度係数βのリニア温
度センサ27を用い、このリニア温度センサ27と増幅回路
とにより、温度補償を行なうようにしている。
次に、MR素子蒸着基板とその支持構造物との接触面、
および両部材の接合について説明する。
MR素子蒸着基板18の支持構造物16には、第11図〜第13
図に示すように、位置合わせ面36と、溝38と、MR素子蒸
着基板18の接触面39とが設けられている。前記溝38は、
第11図に示すように、位置合わせ面36に沿って 型に形成されている。前記接触面39には、第11図に斜線
を施して示すように、接着剤40が塗布されている。
一方、MR素子蒸着基板18には第9図に示すように、位
置合わせ面37が設けられている。
前記位置合わせ面36,37は、MR素子群19と平行もしく
は直角に、高精度に加工されている。
そして、前記支持構造物16の接触面39に接着剤40を塗
布したうえで、支持構造物16に設けられた位置合わせ面
36に、MR素子蒸着基板18に設けられた位置合わせ面37を
当接させて接着し、第14図および第15図に示すように、
支持構造物16にMR素子蒸着基板18を一体に接着,接合す
るようになっている。
この接着時に、前記接触面39に塗布された余分の接着
剤40が前記溝38に流れ込み、位置合わせ面36,37に付着
しないため、支持構造物16とMR素子蒸着基板18とを容易
にかつ高精度に位置決めすることができる。
また、前記溝38を設けることにより、特に支持構造物
16の位置合わせ面36の隅角部の加工を容易に行なうこと
ができる。
ついで、MR素子蒸着基板の支持構造物と、磁気記録媒
体の支持構造物であるエンドブラケットとの結合構造に
ついて説明する。
エンドブラケット1には、第16図,第17図に示すよう
に、MR素子蒸着基板18の支持構造物16との接触面41と、
溝43と、ねじ孔45とが設けられている。前記接触面41
は、溝43を隔ててその両側に形成され、高精度に加工さ
れている。前記ねじ穴45は、所定の間隔をおいて2個設
けられている。
MR素子蒸着基板18の支持構造物16には、第12図に示す
ように、エンドブラケット1との接触面42と、溝44と、
ねじ通し穴46とが設けられている。前記接触面42は、エ
ンドブラケット1に設けられた接触面41に高精度で密着
するように、加工されている。前記溝44は、支持構造物
16に設けられた接触面42を4個に分割するように設けら
れている。前記ねじ通し穴46は、エンドブラケット1に
設けられたねじ穴45に位置を合わせて2個設けられてい
る。
そして、磁気記録媒体12の支持構造物であるエンドブ
ラケット1に設けられた接触面41に、MR素子蒸着基板18
の支持構造物16に設けられた接触面42を当接させ、ねじ
通し穴46に第1図に示すねじ17を通し、このねじ17をね
じ穴45にねじ込み、エンドブラケット1にMR素子蒸着基
板18の支持構造物16をねじ止めしている。
ところで、エンドブラケット1と支持構造物16の接触
面に溝を設けないでねじ止めすると、両接触面が広い面
積で接触するため、両接触面の凹凸部による影響が現わ
れる。例えば、エンドブラケット1と支持構造物16とね
じ17の材料の線膨張係数が異なる場合、使用中に温度変
化があると熱応力が発生し、接触面の凸部の頂点を支点
として支持構造物16が傾くため、MR素子蒸着基板18と磁
気記録媒体12の位置が相対的に変化する。ねじ締め付け
作業においても、締め付け途中の応力変動によって接触
面の凸部の頂点を支点としてMR素子蒸着基板18と磁気記
録媒体12の位置が相対的に変化する。これにより、磁気
エンコーダの出力信号の振幅,振幅の脈動,波形歪が変
化する。したがって、磁気エンコーダの性能は、MR素子
蒸着基板18と磁気記録媒体12の位置決めの良否によって
大きく左右される。
そこで、本発明のこの実施例では、第16図および第17
図に示すように、エンドブラケット1の接触面41間には
溝43を設け、第12図に示すように、MR素子蒸着基板18の
支持構造物16の接触面42には溝44を設け、エンドブラケ
ット1の接触面41に対してMR素子蒸着基板18の支持構造
物16の接触面44を分割された4個所で接触するようにし
ているため、接触面41,42の熱応力が変化しても、接触
面41,42の凹凸部の影響が少なく、MR素子蒸着基板18と
磁気記録媒体12の位置の変化を小さく抑えることができ
る。また、ねじ締め作業途中で応力変動があっても、接
触面41,42の凹凸部の影響によるMR素子蒸着基板18と磁
気記録媒体12の位置の変化を小さく抑えることができ
る。これにより、安定した磁気エンコーダの出力信号を
得ることができる。
しかも前記接触面41,42に溝43,44を設けることによ
り、接触面の面積を少なくでき、その分加工が容易とな
る。
次に、本発明の他の色々な実施例について説明する。
MR素子蒸着基板18の支持構造物16を、黄銅(線膨張係
数=19×10-6/deg,ヤング率=11000kg/mm2)、またはセ
ラミック(線膨張係数=9.4×10-6/deg,ヤング率=6700
kg/mm2)により形成しても、第4図,第5図に示すよう
な線形抵抗変化率特性を得ることができ、第6図に示す
組み合わせモデルで熱応力を算出すると、黄銅で形成し
た場合は3.2kg/mm2、セラミックで形成した場合は、1.2
kg/mm2となる。
また、MR素子蒸着基板18と、その支持構造物16との間
に、熱応力を吸収可能な軟質材を挟んだサンドイッチ構
造とし、かつ接着剤で接着することにより、第4図およ
び第5図に示すような線形抵抗変化率特性を得ることが
できる。
さらに、本発明ではMR素子蒸着基板18の支持構造物16
と、磁気記録媒体12の支持構造物であるエンドブラケッ
ト1とを、互いに間隔をおいた3個所以上の部分的な接
触面で接触させ、ねじ止めすることにより、接触面の凹
凸部の影響を少なく抑えることができる。
ついで、第20図は本発明の他の実施例を示すもので、
内部機構を簡略化して示した一部破断斜視図である。
この第20図に示す実施例では、リニア温度センサ27が
MR素子蒸着基板18と磁気記録媒体12の位置・速度検出部
付近と同じ温度を示す位置に配置され、MR素子蒸着基板
18に取り付けられている。これにより、磁気エンコーダ
から温度補償された出力信号を得ることができる。
この第20図に示す実施例の他の構成については、前記
第1図〜第3図に示す実施例と同様であり、同じ部材に
は同じ符号を付けて示している。
続いて、第21図は本発明の別の実施例を示すもので、
磁気エンコーダ回路である。
この第21図に示す磁気エンコーダ回路では、前記第7
図に示す温度補償回路に、波形整形回路32が接続されて
いる。この実施例では、前記温度補償回路で処理した正
弦波形の磁気エンコーダの出力信号eoを波形整形回路3
2で波形整形することにより、温度変化によるデューテ
ィ変化を抑えたパルス波出力が得られる。
この第21図に示す磁気エンコーダ回路の他の構成につ
いては、前記第7図に示す実施例と同様であり、同じ部
材には同じ符号を付けて示している。
なお、図面に示す実施例では磁気記録媒体12を多極の
マグネットで構成したものについて説明したが、基準位
置検出などの一対極のマグネットで構成したものについ
ても、本発明を適用することができる。
本実施例では、磁気ロータリエンコーダについて説明
したが、磁気リニアエンコーダにおいても同様な効果が
ある。
本実施例では、磁気記録媒体の円周端面にマグネット
を持つドラム型について説明したが、磁気記録媒体の円
盤面にマグネットを持つディスク型エンコーダについて
も、同様な効果が得られる。
[発明の効果] 本発明によれば、MR素子蒸着基板とその支持構造物と
を、両部材の接合部に発生する熱応力を抑制し得る材料
で構成しているので、MR素子の抵抗変化率特性の線形性
を保つことができる結果、温度変化を有する環境下で使
用した場合でも、MR素子の出力信号の高精度な温度補償
を行なうことができる。しかも、MR素子蒸着基板とその
支持構造物とを、熱応力を吸収可能な軟質性接着剤によ
り接着しているので、MR素子蒸着基板とその支持構造物
間に発生する熱応力を吸収でき、両部材の熱応力によっ
て起こるMR素子の磁歪を防止できるため、MR素子の抵抗
変化率温度特性の線形性を良好に保ち得る。また、MR素
子の出力電圧の温度特性をα,リニア温度センサの温度
係数をβ,温度変化量をΔTとするとき、リニア温度セ
ンサに、(1+ΔT・α/100)(1+ΔT・β/100)≒
1の条件を満足するように選定した温度係数βのものを
用いているので、磁気エンコーダの出力電圧を温度に対
して安定化させることができ、さらに前記条件を満足す
るように選定した温度係数βのリニア温度センサによ
り、MR素子と磁気記録媒体の位置・速度検出付近の温度
を検出し、その検出温度を増幅回路で増幅し、温度補償
するようにしているので、高精度な位置・速度検出が可
能となる。これらの作用が相俟って、温度変化を有する
環境下においても、物体の位置・速度を高精度で検出し
得る効果がある。
また、本発明によれば、前記リニア温度センサをMR素
子と磁気記録媒体の位置・速度検出部付近と同じ温度と
なる位置に設けており、この発明によっても、温度変化
を有する環境下で使用した場合の物体の位置・速度を高
精度で検出し得る効果がある。
さらに、本発明によれば、MR素子蒸着基板の支持構造
物におけるMR素子蒸着基板の接着面に、接着剤流入用の
溝を設けており、余分な接着剤は溝に流れ込むため、MR
素子蒸着基板とその支持構造物とを容易に、かつ高精度
に位置決めすることが可能となり、物体の位置・速度検
出精度の向上を図り得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第17図は本発明の一実施例を示すもので、第1
図は磁気エンコーダ全体の縦断側面図、第2図は第1図
をII−II線側から見た正面図、第3図は第1図のIII−I
II線断面図、第4図および第5図はMR素子の抵抗変化率
温度特性図、第6図はMR素子蒸着基板とその支持構造物
の接合モデル図、第7図は温度補償回路図、第8図は磁
気エンコーダの相対出力電圧と温度変化量との関係を示
す図、第9図はMR素子蒸着基板の拡大平面図、第10図は
第9図の側面図、第11図はMR素子蒸着基板の支持構造物
の平面図、第12図は第11図のXII−XII線側から見た図、
第13図は第11図の側面図、第14図はMR素子とその支持構
造物との結合状態を示す拡大平面図、第15図は第14図の
側面図、第16図は磁気記録媒体の支持構造物であるエン
ドブラケットを磁気記録媒体取り付け側から見た図、第
17図は第16図のXVII−XVII線断面図である。 第18図および第19図はMR素子とその支持構造物とを互い
に線膨張係数の異なる材料で形成したときの、MR素子の
抵抗変化率温度特性図である。 第20図は本発明の他の実施例を示すもので、内部機構を
簡略化して示した一部破断斜視図、第21図は本発明の別
の実施例を示すもので、磁気エンコーダ回路である。 1……エンドブラケット、2……ケース、6……シャフ
ト、12……磁気記録媒体、13……マグネット、14,15…
…回転,固定シールド板、16……MR素子蒸着基板の支持
構造物、17……ねじ、18……MR素子蒸着基板、19……MR
素子群、20,21……MR素子、24……増幅回路プリント基
板、27……リニア温度センサ、29,30……温度補償回路
の抵抗器、31……増幅器、32……波形整形回路、φ1
φ2……信号磁界の磁束、36,37……位置合わせ面、38…
…溝、39……接触面、40……接着剤、41,42……接触
面、43,44……溝。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気抵抗効果素子蒸着基板とその支持構造
    物とを、磁気抵抗効果素子の温度係数を線形にすべく、
    磁気抵抗効果素子蒸着基板と支持構造物との接合部に発
    生する熱応力を抑制し得る材料で形成すると共に、前記
    磁気抵抗効果素子蒸着基板とその支持構造物とを、互い
    の接合部の熱応力を吸収可能な軟質性接着剤により接着
    し、磁気抵抗効果素子の出力電圧の温度特性をα,速度
    検出部付近に設けたリニア温度センサの温度係数をβ,
    温度変化量をΔTとするとき、(1+ΔT・α/100)
    (1+ΔT・β/100)≒1の条件を満足するように選定
    した温度係数βのリニア温度センサと増幅回路とによ
    り、温度補償を行うように構成したことを特徴とする磁
    気エンコーダ。
  2. 【請求項2】前記磁気抵抗効果素子と磁気記録媒体の位
    置・速度検出部付近と同じ温度となる位置に、前記リニ
    ア温度センサを設けたことを特徴とする請求項1記載の
    磁気エンコーダ。
  3. 【請求項3】前記磁気抵抗効果素子蒸着基板の支持構造
    物における磁気抵抗効果素子蒸着基板との接触面に、接
    着剤流入用の溝を設けたことを特徴とする請求項1また
    は2記載の磁気エンコーダ。
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