JP2697721B2 - 水なし平版印刷版の現像装置 - Google Patents

水なし平版印刷版の現像装置

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JP2697721B2
JP2697721B2 JP8053279A JP5327996A JP2697721B2 JP 2697721 B2 JP2697721 B2 JP 2697721B2 JP 8053279 A JP8053279 A JP 8053279A JP 5327996 A JP5327996 A JP 5327996A JP 2697721 B2 JP2697721 B2 JP 2697721B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、水なし平版印刷版
の現像装置に関し、詳しくは、基体に裏打ちされたシリ
コーンゴム層を最上層とする水なし平版印刷版の現像装
置の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】基体に裏打ちされたシリコーンゴム層を
最上層とする水なし平版印刷版としては、例えば特公昭
46−16044号公報、特開昭50−50102号公
報、特開昭55−59466号公報などに提案されてい
る。 【0003】これらの水なし平版印刷版は、公知の方法
により画像露光処理が施され現像されるが、自動現像機
を用いて現像処理を行なう場合、板状の印刷原版をロー
ルで搬送しながら、1〜4本のブラシロールの接触部に
おいて、印刷原版をその進行方向と同じ方向にこするよ
うにブラシロールを回転させ、画線部のシリコーンゴム
層を除去するという現像装置を採るのが一般的である。 【0004】このように、水なし平版印刷版の現像にブ
ラシロールを用いるのは、表面のシリコーンゴム層が一
般に不溶解性であるため、機械的な力でこすりとる必要
があるためであり、加えてこの目的を満たすための実用
上最も効率的な手段であることによる。またブラシロー
ルを印刷原版の進行方向と同じ向きにこれをこするよう
に回転させるのは、印刷原版の先端をブラシロールでは
ねあげないための配慮からである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】このような現像装置と
した場合、現像される網点の形状がブラシロールのこす
り方向に依存し、均質な形状の網点が得られないという
問題が生ずることが多い。 【0006】すなわち、網点内でブラシロールのこすり
方向の下流側はシリコーンゴム層がほぼ完全に除去され
るのに対し、上流側の特に網点の縁部にはシリコーンゴ
ム層が残りやすいためである。その結果、印刷時にも調
子再現性が低下したり、色調のズレが起こるなど、重大
な欠陥が生じる。 【0007】そこで、その欠点を改良するための装置と
して、特開昭60−59351号公報に記載の装置が提
案されている。 【0008】この装置は、印刷原版をこすって現像する
際に、2本以上のブラシロールを用い、その内の少なく
とも1本のブラシロールを他のブラシロールと反対方向
に回転させてこすることによって、網点の縁部のシリコ
ーンゴム層を除去するようにしたものである。 【0009】しかしながら、この装置の場合、印刷原版
の搬送方向と反対方向に回転させるブラシロールを強い
こすり力のものにすると印刷原版がはねあげられるた
め、ブラシロールのこすり力を弱くしなければならず、
その結果、特にシリコーンゴム層の厚い印刷版の場合、
網点の縁部のシリコーンゴム層が均一に除去されずに残
るという問題がある。さらに、ブラシ素材の不均一性に
由来する網点の形状不良が解消できないこと、高速度の
現像によってもシリコーンゴム層が均一に除去されず残
るという問題もある。 【0010】本発明は、かかる従来技術の欠点に鑑み、
ロール軸方向の網点縁部に残存するシリコーンゴム層の
除去が促進でき、確実に方向性のない均質な網点が得ら
れる高速現像が可能な自動現像装置を提供せんとするも
のである。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
、本発明は、基体に裏打ちされたシリコーンゴム層を
最上層とする水なし平版印刷版を搬送しながら、上記シ
リコーンゴム層を少なくとも2本のブラシロールで擦っ
て現像する水なし平版印刷版の現像装置において、 (A)上記水なし平版印刷版の搬送方向に、上記搬送方
向と同一方向に回転するブラシロールと上記搬送方向と
は反対方向に回転するブラシロールとを少なくとも1本
ずつ設け、かつ、 (B)上記少なくとも2本のブラシロールのうちの少な
くとも1本のブラシールをロール軸方向に5〜100m
mの範囲の揺動幅で往復運動させる往復運動機構を設け
ることにより、 (C)画線部におけるシリコーンゴム層を物理的に除去
することを特徴とする水なし平版印刷版の現像装置であ
る。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、添付図面によってこの発明
の好ましい実施の形態を詳細に説明する。 【0013】図1は、この発明の水なし平版印刷版の現
像装置の一実施形態を概略的に示す図である。 【0014】本発明に用いる水なし平版印刷版は、基体
に裏打ちされたシリコーンゴム層を最上層とするもので
あり、基体、感光層、シリコーンゴム層をこの順に積層
してなるもの、基体、感光性を付与したシリコーンゴム
層をこの順に積層したものなどが挙げられ、シリコーン
ゴム層上にカバーフィルムがあってもよい。 【0015】基体としては、厚さが約10ミクロン〜2
mm、好ましくは約50ミクロン〜500ミクロンの
紙、プラスチックフィルムもしくはシート、ゴム等の弾
性体シート、アルミ等の金属板、あるいは紙とプラスチ
ックフィルム、金属板とゴムシート等の貼り合わせ複合
材、更にはこれらにメッキ、コーティング等の表面処理
をしたものなどが用いられる。 【0016】感光層は、活性な光線を照射することによ
り光硬化または光可溶化する性質を有する層である。こ
の層は基体に均一に塗布されており、基体に密着してい
るならばその厚さは任意であるが、好ましくは約100
ミクロン以下であり、さらに好ましくは約1〜10ミク
ロンのものがさらに有用である。もし必要があれば、感
光層と基体との間の接着性向上あるいは、ハレーション
防止のために基体と感光層との間にアンカーコートを設
けることも有用である。感光性物質としては、公知のも
の例えば光重合性モノマあるいはオリゴマを含む組成物
や光硬化性ジアゾ化合物あるいはアジド化合物、キノン
ジアジド基を含む化合物などが使用できる。 【0017】シリコーンゴム層としては、厚さが0.5
〜100ミクロン、好ましくは約1〜10ミクロンで、
公知の室温硬化型あるいは低温硬化型といわれるシリコ
ーンゴムが好適である。これらのシリコーンゴムは線状
有機ポリシロキサンを主成分とするもので、通常架橋剤
および触媒などが添加されるのが一般的である。また本
発明におけるシリコーンゴム層は、感光性を有するもの
であってもよく、これは有機ポリシロキサン化合物と公
知の感光性を有する化合物とを化学反応させるか、また
は混合することによって得ることができる。 【0018】本発明に用いるブラシロールとしては、直
径20〜500ミクロンのプラスチック糸状物あるいは
動物の毛等のブラシ素材を、プラスチックあるいは金属
等の芯に放射状に植込んだものが一般的だが、上記ブラ
シ素材をシート、フィルムあるいは布等の基材に植込ん
だものを芯に巻いてもよく、更には、上記ブラシ素材を
プラスチックあるいは金属の溝型材に植込んだものを芯
に取り付けたものなどいずれであってもよい。 【0019】上記構成要素より成る印刷版の本発明によ
る現像装置を図面に基づき詳しく説明する。 【0020】図において、画像露光処理が施された 印
刷原版1は搬入台2より現像機本体3内に挿入され、現
像処理を受けた後に搬出台4に排出される。現像機内で
印刷原版上にポンプ6によって送られた現像液がスプレ
ーノズル7より散布される。現像液はシリコーンゴム層
を膨潤させる、あるいは画線部のシリコーンゴム層とそ
の下層との接着力を弱める等の作用により、画線部のシ
リコーンゴム層を除去しやすくすると同時に、除去され
たシリコーンゴム片を印刷原版上より洗い流す機能を有
するのが一般的である。次いで印刷原版は、これに均一
に接するように配置された互いに反対方向に回転し、か
つそれぞれ軸方向に揺動可能に構成されたブラシロール
8、9によってこすられ、画線部のシリコーンゴム層が
除かれる。10は印刷原版がブラシロールから逃げない
ようにブラシロールと相対する位置に設けられた印刷原
版の支持機構である。この支持機構10は円筒状物が考
えられるが、図に示すような板状物を用いる。自動現像
機としては上記基本機構のみでなく、前処理機、後処理
機あるいは水洗、乾燥機等があってもよく、またブラシ
ロールも前処理機、後処理機あるいは水洗機などに分散
配置されていてもよい。 本発明に用いるブラシロール
は、印刷原版の搬送方向と同一方向に回転するものが少
なくとも1本と、反対方向に回転するものが少なくとも
1本必要であるが、第1番目のブラシロールは搬送方向
と同一方向にこれを回転させ、第2番目以降のブラシロ
ールは反対方向に回転させる。また、これらのブラシロ
ールのうち、少なくとも1本のブラシロールを揺動させ
ることが必要である。さらに好ましくは、ブラシロール
8、9の2本共揺動させるのが良い。 【0021】ブラシロールの機能を網点部分のシリコー
ンゴム層を粗く除去する機能と、次に網点縁部分にわず
かに残ったシリコーンゴム層を仕上げ除去する機能に分
けると、前者の機能には腰の強いブラシ素材を用いたブ
ラシロールを早く回転させたほうがよいが、これを印刷
原版の搬送方向と逆方向にこれを回転させると印刷原版
の先端をハネ上げる危険性がある。これに対し後者の機
能には腰の弱いブラシ素材を用いたブラシロールをゆっ
くり回転させれば満たされるところから、上記危険性を
事実上問題ない程度まで低減することができる。このた
め第1番目のブラシロールとしては、たとえばナイロン
6・10の直径200〜400ミクロン単糸径のものを
毛足長さ10〜20mmに植込んだ外径100〜200
mmのブラシロールを用い、これを印刷原版の搬送方向
と同一方向にこれをこする方向で毎分200〜500回
転で回転させてシリコーンゴム層の粗除去を行ない、網
点縁部分にわずかに残ったシリコーンゴム層を仕上げ除
去するブラシは、たとえばナイロン6・10の直径50
〜250ミクロン単糸径のものを毛足長さ15〜30m
mに植込んだ外径50〜100mmのブラシロールを用
い、これを印刷原版の搬送方向と逆方向にこれをこする
方向で毎分50〜500回転で回転させるのが有効であ
る。 【0022】ブラシロールの揺動は、ブラシロールを印
刷原版の搬送方向に対して垂直方向、即ちロール軸方向
に5〜100mmの揺動幅で毎分50〜400回の往復
運動をさせる。揺動幅は、上記範囲が印刷原板上の網点
に対するこすり方向の依存性の解消、すなわち網点上流
側の縁部に存在するシリコーンゴム層を除去するのに効
果がある範囲であり、この範囲が5mm未満であるとブ
ラシ先の網点縁部へのこすり力が十分伝わらず、逆に1
00mmを越えると網点に対するこすり力が過大となっ
て網点の損傷が生じ、調子再現性に欠けることになる。
揺動の方法としては、印刷機のインキつけローラを揺動
させるカムやリンク、シャフトなどを利用する方法、ま
たロール内部にネジ溝をきるなどが一般的である。な
お、ブラシロールの仕様と回転、揺動条件はシリコーン
ゴム層のとれやすさ、シリコーンゴム層の傷つきやす
さ、および印刷原版の腰の強さなどから決められるもの
で、上記使用例に限定されるものではない。 【0023】 【実施例および比較例】次に、実施例および比較例によ
り本発明をさらに具体的に説明する。 【0024】実施例1 市販のポジ型東レ水なし平版印刷原版(長さ1030m
m、幅980mm)に、公知の方法で網点露光処理を行
ない、ポリエステルフィルムを剥離したのち、2本のブ
ラシロールを有する自動現像機を用いて40cm/分の
搬送速度で現像を行なった。現像液は脂肪族飽和炭化水
素系溶剤を主成分とし、これに染料、界面活性剤などを
添加したものを用いた。ブラシロールは、ナイロン6・
10製、直径200ミクロンの単糸を毛足長さ15mm
になるように植込んで長さ1160mm、外径130m
mにしたものを第1番目のブラシロールとし、これを印
刷原版の搬送方向と同一方向にこれをこする方向で毎分
300回転させるとともに毎分120往復で揺動幅30
mmの揺動をさせた。第2番目のブラシロールとして
は、ナイロン6・10製、直径160ミクロンの単糸を
毛足長さ26mmになるように植込んで長さ1160m
m、外径100mmにしたものを印刷原版の搬送方向と
逆方向にこれをこする方向で毎分180回転させた。こ
の結果、縁部のシリコーンゴム層も除去された均質な網
点を得ることができ、印刷に際しても高品質の印刷物を
得ることができた。 【0025】実施例2 実施例1において第2番目のブラシロールを毎分120
往復で揺動幅30mmの揺動をさせてさらに高速の60
cm/分の搬送速度で現像を行なった。この結果、縁部
のシリコーンゴム層も除去された均質な網点を得ること
ができ、印刷に際しても高品質の印刷物を得ることがで
きた。 【0026】比較例1 実施例1と同じ水なし平版印刷原版に、同じ方法で露光
処理を行ない、同じ現像液、同じ自動現像機を用いて実
施例1と同一搬送速度で現像処理を行なった。この際、
ブラシロールは実施例1と同一形状のものを同一回転数
で用いたが、回転方向は2本共印刷原版の進行方向と同
一方向に回転させ、揺動はしなかった。この結果、ブラ
シロールによるこすり方向の上流側縁部にシリコーンゴ
ム層の残った網点しか得られなかった。印刷においても
高品質の印刷物を得ることができず、加えて印刷中に印
刷版に付着したゴミを布で拭きとったところ、その部分
の網点に縁に残っていたシリコーンゴム層も同時に除去
されてしまい、以降の印刷においてはその部分だけ色調
の異なった印刷物しか得られなかった。 【0027】比較例2 実施例1と同じ水なし平版印刷原版に、同じ方法で露光
処理を行ない、同じ現像液、同じ自動現像機を用いて4
0cm/分の搬送速度で現像処理を行なった。第1ブラ
シロールは印刷原版の進行方向と同一方向に、第2ブラ
シロールは逆方向に回転するようにしたが揺動はしなか
った。この際、ブラシロールは実施例1と同一形状のも
のを同一回転数で用いた。 【0028】この結果、第2ブラシロールの良く当る部
分とそうでない部分で第1ブラシロールによるこすり方
向の上流側縁部にシリコーンゴム層の残りかたの不均一
な網点しか得られず筋状に残った。印刷においても筋状
の模様が顕在化し高品質の印刷物を得ることができず、
加えて印刷中に印刷版に付着したゴミを布で拭き取った
ところ、その部分の網点の縁に残っていたシリコーンゴ
ム層も同時に除去されてしまい、以降の印刷においては
その部分だけ色調の異なった印刷物しか得られなかっ
た。 【0029】実施例3 実施例1と同じ水なし平版印刷原版に、同じ方法で露光
処理を行ない、これを前処理機、現像機および後処理機
の3部分からなり、現像機および後処理機に各1本のブ
ラシロールを有する自動現像機を用いて現像処理を行な
った。即ち、ポリプロピレングリコールを印刷原版に散
布する前処理機、次いで水を印刷原版に散布しながら、
実施例1における第1番目のブラシロールと同じブラシ
ロールで印刷原版の進行方向と同一方向に毎分300回
転するとともに毎分120往復で揺動幅30mmの揺動
をして、これをこする現像機、最後に染料および界面活
性剤などの水溶液を印刷原版に散布しながら、実施例1
における第2番目のブラシロールと同じブラシロールで
印刷原版の進行方向と逆方向に毎分180回転してこれ
をこする後処理機からなる自動現像機を用いた。搬送速
度は40cm/分であった。この結果、印刷版をはねあ
げることなく、縁部にシリコーンゴム層を残すことのな
い均質な網点が得られた。印刷に際しても高品質の印刷
物が得られた。 【0030】実施例4 実施例3において後処理機のブラシロールを毎分120
往復で揺動幅30mmの揺動をさせてさらに高速の60
cm/分の搬送速度で現像を行なった。この結果、縁部
のシリコーンゴム層も除去された均質な網点を得ること
ができ、印刷に際しても高品質の印刷物を得ることがで
きた。 【0031】実施例5 実施例1と同じ水なし平版印刷原版に、同じ方法で露光
処理を行ない、これを前処理機、現像機および後処理
機、水洗機の4部分からなり、現像機および後処理機、
水洗機に各1本のブラシロールを有する自動現像機を用
いて80cm/分の搬送速度で現像処理を行なった。即
ち、ポリプロピレングリコールを印刷原版に散布する前
処理機、次いで水を印刷原版に散布しながら、実施例1
における第1番目のブラシロールと同じブラシロールで
印刷原版の進行方向と同一方向に毎分300回転すると
ともに毎分120往復で揺動幅30mmの揺動をして、
これをこする現像機、染料および界面活性剤などの水溶
液を印刷原版に散布しながら、実施例1における第2番
目のブラシロールと同じブラシロールで印刷原版の進行
方向と同一方向に毎分180回転してこれをこする後処
理機、最後に印刷原版の画像部以外に付着した染料およ
び界面活性剤を除去するため水を印刷原版に散布しなが
ら、実施例1における第2番目のブラシロールと同じブ
ラシロールで印刷原版の進行方向と逆方向に毎分180
回転するとともに毎分120往復で揺動幅30mmの揺
動をして、これをこする水洗機からなる自動現像機を用
いた。この結果、印刷版をはねあげることなく、縁部に
シリコーンゴム層を残すことのない均質な網点が得られ
た。印刷に際しても高品質の印刷物が得られた。 【0032】実施例6 市販のネガ型東レ水なし平版印刷原版に、実施例1と同
じ方法で露光処理を行ない、これを実施例5と同じ自動
現像機を用いて、前処理機の薬液をジエチレングリコー
ルを主成分とする薬液に変えた以外は実施例5と同条件
で現像処理を行なった。この結果、印刷版をはねあげる
ことなく、縁部にシリコーンゴム層を残すことのない均
質な網点が得られた。印刷に際しても高品質の印刷物が
得られた。以上の実施例1〜6および比較例1、2によ
り、縁部のシリコーンゴム層が除去された均質な網点を
得るには、ブラシロールをロール軸方向に毎分120往
復で、かつ、揺動幅30mmの揺動をさせることがよい
ことが分かったので、今度は、どの程度の往復速度と揺
動幅を採用するのがより効果的であるのかを検討したの
が、次の実施例7〜9および比較例3〜5である。 【0033】実施例7 実施例1において、第1および第2番目のブラシロール
ともにブラシ材質をPBT(ポリブチレンテレフタレー
ト)製とするとともに、第1番目のブラシロールを毎分
50往復で揺動幅5mmの揺動をさせた以外は、実施例
1と同条件で現像処理を行った。その結果、調子再現性
(網点形状)が良好で、フリンジ(網点縁部にシリコー
ンゴム層が残った状態)やスジ状のムラのない均質な印
刷版が得られた。また、印刷に際しても印刷版を再現し
た良好な印刷物が得られた。さらに、自動現像機の運転
状態は振動や騒音もなく良好であった。 【0034】実施例8 実施例7において、第1番目のブラシロールを毎分40
0往復で揺動をさせた以外は全て実施例7と同条件で現
像を行なった。その結果、第1番目のブラシロールを毎
分400往復で揺動させたにも拘わらず版を跳ね上げる
ことなく、調子再現性が良好で、フリンジやスジ状のム
ラのない均質な印刷版が得られた。また、自動現像機の
運転状態は耳を澄ませばリズミカリな音が聞こえる程度
で、振動は殆ど感じない良好なものであった。 【0035】実施例9 実施例7において、第1番目のブラシロールを揺動幅1
00mmの揺動をさせた以外は全て実施例7と同様の条
件で現像を行なった。この結果、第1番目のブラシロー
ルを揺動幅100mmで揺動させたにも拘わらず版を跳
ね上げることなく、調子再現性が良好で、フリンジやス
ジ状のムラのない均質な印刷版が得られた。また、現像
装置の運転状態は耳を澄ませばリズミカリな音が聞こえ
る程度で、振動は手を触れれば感じる程度であった。 【0036】比較例3 実施例7において、第1番目のブラシロールを毎分12
0往復で揺動幅3mmの揺動をさせた以外は全て実施例
1と同様の条件で現像を行なった。この結果、 ブラシ先
の網点縁部への擦り力が十分に伝わらず、ブラシロール
による擦り方向の上流側にフリンジが残り、調子再現性
が不良で、印刷版の搬送方向にスジ状のムラが発生した
印刷版しか得られなかった。ただし、自動現像機の運転
状態は振動や騒音もなく良好であった。 【0037】比較例4 実施例7において、第1番目のブラシロールを毎分40
0往復で揺動幅3mmの揺動をさせた以外は全て実施例
7と同条件で現像を行なった。この結果、ブラシ先の網
点縁部への擦り力が十分に伝わらず、ブラシロールによ
る擦り方向の上流側縁部にフリンジが残り、調子再現性
が不良で、印刷版の搬送方向にスジ状のムラが発生した
印刷版しか得られなかった。この場合、自動現像機の運
転状態は振動や騒音もなく良好であった。 【0038】比較例5 実施例7において、第1番目のブラシロールを毎分12
0往復で揺動幅120mmの揺動をさせた以外は全て実
施例7と同条件で現像を行なった。この結果、ブラシ先
の網点縁部や非画線部のシリコーンゴム層への擦り力が
強大となり、フリンジやスジ状のムラはなかったが、ブ
ラシロールによる揺動方向に網点縁部が損傷したり、非
画線部のシリコーンゴム層に傷が発生し、調子再現性に
欠けた印刷版しか得られなかった。また、自動現像機の
運転状態は振動や騒音が激しかった。 【0039】以上の実施例7〜9と比較例3〜5の結果
をまとめたのが次の表1である。 【0040】なお、各例の効果の評価方法は、次のとお
りとした。 【0041】A.調子再現性(網点形状): 現像後の印刷版に後述するスジやフリンジがなく、網点
縁部や非画線部のシリコーンゴム層に傷のない状態を○
とした。スジ、フリンジ、傷のうち、一つでも あれば×
とした。 【0042】B.スジ: 現像後の印刷版にスジ状のムラのない状態を○とした。
スジ状のムラを認めた場合には×とした。 【0043】C.フリンジ: 現像後の印刷版の網点縁部にシリコーンゴム層が残って
いない状態を○とした。網点縁部にシリコーンゴム層が
残っていなくて、網点縁部に傷が発生している状態を△
とした。網点縁部にシリコーンゴム層が残っている状態
を×とした。 D.振動: 運転状態の自動現像機に手を触れると振動を感じる程度
を○とし、手を触れないでも感じる程度を× とした。 【0044】E.騒音: 運転状態の自動現像機のブラシが擦る音や循環ポンプが
回転している音よりも小さい場合を○とし、これよりも
大きい場合を×とした。 【0045】表1 この表1から、縁部のシリコーンゴム層が除去された均
質な網点を得るには、ブラシロールのロール軸方向の揺
動速度として毎分50〜400回/分の範囲を、また、
揺動幅として5〜100mmの範囲を採用するのが効果
的であることが分り、また、これら揺動速度と揺動幅の
2条件のうち、本発明の作用効果を得るには揺動幅の方
が支配的であることも分かった。揺動速度による調整
は、振動や 騒音の問題があるに対し、揺動幅によるそれ
は、ブラシの埋め込み幅調整によるブラシの毛先密度の
不均一性をカバーできるので調整の自由度が高く、揺動
幅を調整することで版面を容易に均一に擦ることが可能
となり、フイルムに忠実な網点が再現でき、調子再現性
に優れた印刷版が得られる。 【0046】 【発明の効果】本発明によれば、水なし平版印刷原版の
現像装置において、印刷板の搬送方向に、搬送方向とそ
の反対方向に回転するブラシロールを少なくとも1本ず
つ設けたことに加え、これらロールのうちの少なくとも
1本のロールをロール軸方向に5〜100mmの揺動幅
で揺動させる往復運動機構を備えたので、従来装置では
不十分であったロール軸方向の網点縁部に残存するシリ
コーンゴム層の除去が促進され、確実に方向性のない均
質な網点が得られるとともに、高速現像が可能な自動現
装置が得られる。 【0047】その結果、印刷に際しても印刷物は、安定
したインキ濃度を保つことが可能となり、調子再現性に
優れた高品質の印刷物を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係わる自動現像装置この一例を示す概
略図である。 【符号の説明】 1:印刷原版 2:搬入台 3:現像機本体 4:搬出台 5:ロール 6:ポンプ 7:スプレーノズル 8,9:ブラシロール 10:支持機構
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−59351(JP,A) 米国特許4588277(US,A) 「紙パ技協誌」 第40巻第11号 (昭 和61年11月1日発行) 8−16頁 「東レ 水なし平版自動現像機 TW L−1160D.860D取扱説明書」 (昭 和55年4月1日 東レ株式会社発行)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.基体に裏打ちされたシリコーンゴム層を最上層とす
    る水なし平版印刷版を搬送しながら、上記シリコーンゴ
    ム層を少なくとも2本のブラシロールで擦って現像する
    水なし平版印刷版の現像装置において、 (A)上記水なし平版印刷版の搬送方向に、上記搬送方
    向と同一方向に回転するブラシロールと上記搬送方向と
    は反対方向に回転するブラシロールとを少なくとも1本
    ずつ設け、かつ、 (B)上記少なくとも2本のブラシロールのうちの少な
    くとも1本のブラシールをロール軸方向に5〜100m
    mの範囲の揺動幅で往復運動させる往復運動機構を設け
    ることにより、 (C)画線部におけるシリコーンゴム層を物理的に除去
    することを特徴とする水なし平版印刷版の現像装置。 2.請求項1に記載の水なし平版印刷版の現像装置にお
    いて、ブラシロールの往復運動機構にカムが用いられて
    いることを特徴とする水なし平版印刷版の現像装置。 3.請求項1または請求項2に記載の水なし平版印刷版
    の現像装置において、ブラシロールと対向する位置に、
    水なし平版印刷版の逃げを防止する支持機構が設けられ
    ていることを特徴とする水なし平版印刷版の現像装置。
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