JP2693731B2 - 海洋構造物及びその設置方法 - Google Patents

海洋構造物及びその設置方法

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JP2693731B2
JP2693731B2 JP7009651A JP965195A JP2693731B2 JP 2693731 B2 JP2693731 B2 JP 2693731B2 JP 7009651 A JP7009651 A JP 7009651A JP 965195 A JP965195 A JP 965195A JP 2693731 B2 JP2693731 B2 JP 2693731B2
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圭一 谷口
中田 清兵衛
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は海洋に着地した状態で
構築される海洋構造物とその設置方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】海洋に着
地した状態で構築される海洋構造物はプラットフォーム
形の構造物を除けば、特開平4-140322号,特開平4-1463
17号等のように構造物の底面全面が海底に着地する形で
構築,あるいは設置され、着底状態は構造物と水バラス
トの重量で浮力を打ち消すことにより確保されるが、底
面全面が海底に着地する構造物はその周辺海域の潮流を
変えるため沿岸の堆積物に影響を与える等、自然の生態
系を乱す恐れがある。
【0003】また干満の差が大きい場合の他、津波や高
潮時に潮位が上昇したときには構造物に作用する浮力が
増大するため、それに備えた浮き上がり防止策が必要に
なるが、特開平4-140322号,特開平4-146317号等のよう
に海底にアンカーや係留ワイヤ等を設置する、あるいは
特開平4-146328号のように杭を打ち込む方法では施工の
規模が拡大する。
【0004】この発明は従来の着底構造物の問題に着目
してなされたもので、生態系への影響を抑制すると共
に、潮位の上昇に対しても格別な定着手段を要しない海
洋構造物とその設置方法を提案するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では海洋構造物
を、海中に構築される複数本の柱と、柱上に構築され、
一部が海中に没する構造物から構成し、構造物を海底か
ら浮かせることにより構造物下の潮流を阻害せず、生態
系への影響を抑制する。
【0006】構造物は柱上に載る底版と、海上に露出
し、底版の外周を周回する側壁からなり、構造物の全重
量はその海中部分に働く浮力より大きく、底版は構造物
の全重量と浮力の差を柱の本数と、柱との接触面積で割
った大きさの圧力で柱に接した状態で載る。
【0007】海洋構造物は柱の部分でのみ海底に着地
し、構造物は海底から浮いた状態を維持するためその底
版下では自然な潮流が維持される。
【0008】構造物の側壁の一部には開口部が形成さ
れ、開口部の下端のレベルは最も上昇したときの潮位よ
り下に位置する。
【0009】開口部の下端のレベルが、最も上昇したと
きの潮位より下に位置することで、海洋構造物の完成後
に潮位が上昇したときには側壁の開口部から海水が自動
的に構造物内部に取り込まれ、取り込まれた海水が構造
物に作用する浮力の、潮位の上昇に伴う増大分を打ち消
すバラストとして作用するため、アンカーや係留ワイ
ヤ,または杭に依らずに、簡易な手段で柱上の構造物が
浮力で浮き上がる事態が回避される。
【0010】
【実施例】この発明の海洋構造物1は図1,図2に示す
ように海中に構築される複数本の柱2と、柱2上に構築
され、一部が海中に没する構造物3から構成され、構造
物3の底面下の潮流を維持しながら、潮位の上昇時の浮
き上がりに対して安定するものである。
【0011】構造物3は基本的に柱2上に載る底版31
と、海上に露出し、底版31の外周を周回する側壁32から
なり、構造物3の全重量Wはその海中部分に働く浮力γ
V(γ:海水の単位体積重量、V:構造物3が海中に漬
かる部分の体積)より大きく、底版31と柱2とは、構造
物3の全重量と浮力の差(W−γV)を柱2の本数n
と、柱2との接触面積Aの積で割った大きさ(W−γ
V)/nAの圧力で接する(図3)。
【0012】柱2は図4に示すように海底上に打設され
る捨てコンクリート6上に構築されるが、必要により転
倒や滑動防止のために海底下の岩盤に定着されるアース
アンカー7によって海底に固定される。柱2は例えばそ
の外郭部分に、型枠を兼ねる筒状のプレキャストコンク
リート版8を用い、プレキャストコンクリート版8を捨
てコンクリート6上に設置した後に配筋し、コンクリー
トを打設する等により構築されるが、構築方法は問われ
ない。
【0013】プレキャストコンクリート版8を用いる場
合、柱2の部分にプレキャストコンクリート版8が使用
され、その上部に海水を排除するための、鋼製その他の
筒状の仮設の型枠9を載置し、プレキャストコンクリー
ト版8と型枠9に跨って鉄筋10を配筋し、コンクリート
11を打設して鉄筋10を安定させた状態で、プレキャスト
コンクリート版8と型枠9内部の海水をベントナイトに
置換した後、アースアンカー7を岩盤中に打ち込み、プ
レキャストコンクリート版8と型枠9内部にコンクリー
ト11を打設する、という要領で行われる。
【0014】構造物3の底版31は柱2の天端上に波力で
移動しない程度の圧力を及ぼし合って載置されればよい
が、圧力が波力に対して不足する場合には柱2中に配筋
される鉄筋10によって底版31と柱2が接続される。ある
いは柱2に突起を形成する一方、底版31に突起が嵌合す
る溝を形成する等により、柱2と底版31間で力の伝達が
行えるよう水平方向に互いに係合させられる。
【0015】底版31上の構造物3の内部には、後述する
ように構造物3の一部,または全体を構築し、柱2の位
置まで曳航した後に海水を取り込み、柱2上に沈下させ
るためのバラストタンク33が形成され、側壁32には潮位
が上昇したときに構造物3の内部に海水を取り込むため
の開口部321 が形成される。開口部321 の下端のレベル
は海洋構造物1が完成した状態で、最も上昇したときに
想定される潮位より下に位置する。
【0016】図8は潮位が上昇したときに、側壁32の一
部に形成された開口部321 から海水を構造物3内部に取
り込み、その取り込んだ海水を浮力に抵抗するバラスト
として利用したときの様子を示す。
【0017】潮位の上昇に伴い、構造物3に働く浮力が
増大するため構造物3は柱2から浮上しようとするが、
開口部321 があることで、潮位が開口部321 の下端のレ
ベルを超えたときに開口部321 から構造物3内に海水が
自動的に取り込まれ、取り込まれた海水が潮位の上昇に
伴う浮力の増大分を打ち消すバラストになるため構造物
3の浮き上がりは回避される。図8では海水をバラスト
タンク33の上の層に取り込んでいるが、海洋構造物1の
完成状態ではバラストタンク33内が空洞であるためバラ
ストタンク33内に取り込むこともできる。
【0018】構造物3は一部,あるいは全体が設置場所
以外の場所で予め構築された後に、柱2上まで曳航さ
れ、海水をバラストとして底版31中に形成されたバラス
トタンク33の内部に取り込むことにより沈下させられ
る。図7は図5に示す底版31と側壁32の一部からなる、
構造物3の一部である下部構造4を予め構築し、下部構
造4を沈下させ、柱2上に載置した後にその上に上部構
造5を構築して構造物3を完成させる場合を示す。下部
構造4上に上部構造5を構築する場合は構築と共にその
重量に見合う量の海水を抜き取りながら施工され、最終
的にバラストタンク33内の海水は排除される。
【0019】構造物3の底版31は平面上、側壁32の部分
で柱2上に載り、複数個の下部構造4が連結されて構造
物3を完成させる場合には、図6に示すように柱2上で
連結される。柱2の頂部に載る部分の底版31には欠損部
分34が形成され、底版31はその欠損部分34,34で互いに
連結され、柱2に支持される。同時に下部構造4,4は
突き合わせ部分においても同様に連結される。欠損部分
34,34や突き合わせ部分は海水を排除して清掃した後に
鉄筋を配筋してコンクリート11を打設することにより互
いに連結、あるいは一体化される。
【0020】下部構造4,4の突き合わせ部分の連結構
造は底版31,31間で曲げモーメントの伝達を行うか否か
により決まり、伝達する場合は一体化され、伝達しない
場合は単純に連結される。また柱2,2間距離が大きい
場合、構造物3,3はエキスパンションジョイントで接
続されるが、下部構造4,4間は海水の浸入防止のため
に止水ゴム等を介して塞がれる。底版31を柱2に接続す
る場合には欠損部分34から鉄筋を柱2中に挿入してコン
クリート11を打設し、底版31を柱2に定着させる。
【0021】下部構造4を柱2に支持させ、あるいは接
続した後、図7に示すように下部構造4上に上部構造5
を構築し、海洋構造物1が完成する。
【0022】
【発明の効果】海中に構築される複数本の柱と、柱上に
構築され、一部が海中に没する構造物から海洋構造物を
構成し、構造物を海底から浮かせた状態を維持するため
構造物下の潮流を阻害することはなく、生態系への影響
を抑えることができる。
【0023】また構造物の側壁の一部に開口部を形成
し、開口部の下端のレベルを最も上昇したときの潮位よ
り下に位置させているため、潮位が上昇したときに、側
壁の開口部から海水を自動的に構造物内部に取り込むこ
とができ、取り込んだ海水を構造物に作用する浮力の、
潮位の上昇に伴う増大分を打ち消すバラストとして利用
できるため、アンカーや係留ワイヤ,杭のような格別な
定着手段を要せずに、簡易な手段で柱上の構造物が浮力
で浮き上がる事態を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】海洋構造物の概要を示した斜視図である。
【図2】海洋構造物を示した断面図である。
【図3】構造物の重量と浮力及び圧力の関係を示した概
要図である。
【図4】柱の構築の要領を示した立面図である。
【図5】下部構造を示した斜視図である。
【図6】隣接する構造物の連結部分を示した平面図であ
る。
【図7】柱と構造物の関係を示した立面図である。
【図8】潮位が上昇したときの様子を示した概要図であ
る。
【符号の説明】
1……海洋構造物、2……柱、3……構造物、31……底
版、32……側壁、321……開口部、33……バラストタン
ク、34……欠損部分、4……下部構造、5……上部構
造、6……捨てコンクリート、7……アンカー、8……
プレキャストコンクリート版、9……型枠、10……鉄
筋、11……コンクリート。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海中に構築される複数本の柱と、柱上に
    構築され、一部が海中に没する構造物からなる海洋構造
    物であり、構造物は柱上に載る底版と、海上に露出し、
    底版の外周を周回する側壁からなり、構造物の全重量は
    その海中部分に働く浮力より大きく、底版は構造物の全
    重量と浮力の差を、柱の本数と柱との接触面積で割った
    大きさの圧力で柱に接しており、前記側壁の一部には開
    口部が形成され、その開口部の下端のレベルは最も上昇
    したときの潮位より下に位置していることを特徴とする
    海洋構造物。
  2. 【請求項2】 複数本の柱を海中に構築する一方、予め
    構築された構造物の一部,または全体を所定の柱上まで
    曳航した後、構造物の内部に海水を取り込んで沈下さ
    せ、底版を柱上に載置して請求項1記載の海洋構造物を
    完成させる海洋構造物の設置方法。
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