JP2684635B2 - 食品の保存方法 - Google Patents

食品の保存方法

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JP2684635B2 JP63052698A JP5269888A JP2684635B2 JP 2684635 B2 JP2684635 B2 JP 2684635B2 JP 63052698 A JP63052698 A JP 63052698A JP 5269888 A JP5269888 A JP 5269888A JP 2684635 B2 JP2684635 B2 JP 2684635B2
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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Cereal-Derived Products (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は食品の保存方法に関し、詳しくは特定の分子
量のキトサン酸分解物を添加して食品の保存性を向上さ
せる方法に関する。
[従来の技術及び発明が解決しようとする課題] 本発明において米飯類とは、米を主材とし、水のみで
炊飯した白飯や、鶏肉・牛肉等蓄肉、まぐろ,えび等の
魚介類、にんじん,ごぼう,たけのこ等野菜を単独もし
くは適宜組合せ、醤油,砂糖等の調味料を米と一緒に炊
飯もしくは白飯に混ぜ込んだ五目飯,味付飯のほか炒め
た焼飯、酢に塩,砂糖等を溶解したいわゆる合わせ酢を
白飯に混合したすし飯、さらにはモチや赤飯を意味す
る。
また、小麦加工品とは、うどんやそばなど生麺もしく
はこれらをゆでたゆで麺やゆでたスパゲッティなどを含
む麺類、ぎょうがやシューマイ,ワンタン,春巻き等の
皮,パンを意味する。食肉加工品とは、豚肉や牛肉,馬
肉,羊肉,家きん肉,兎肉等畜肉を主原料として作られ
るハム,ソーセージ,ベーコン,ハンバーグステーキ等
を意味する。さらに、あん類とは、原料の雑豆を煮熟,
磨砕,篩別,水晒し,脱水した生あん,生あんや煮熟豆
に砂糖その他糖類を加えて加熱しながら練った練りあん
等を意味する。また、調味料類とは、醤油及び醤油にだ
し汁やグルタミン酸ソーダ,リポタイドのような化学調
味料,砂糖,ミリン,食塩,香辛料などを加えた麺つゆ
類や焼肉のタレのようなタレ類に加工された醤油加工
品;味噌及び即席味噌汁やタレ類のように味噌を調味加
工した味噌加工品;各種ソース類;発酵によって得られ
た香味液に糖類,その他必要に応じて呈味剤香料などを
加えたミリン風調味料(甘味系);発酵調味料(塩ミリ
ン系)などを意味する。
これら食品は、微生物が繁殖しやすい為、パンや食肉
製品,あん類,醤油,味噌には合成保存料の使用が認め
られている。しかし、これら合成保存料の安全性に対す
る消費者の不信感が近年強まっており、その使用が忌避
される傾向が強まっている。
また、醤油や味噌のように、食塩の多量添加により製
造工程中および製品の微生物による腐敗防止を図ってい
るものもある。しかし、最近の減塩志向により食塩添加
量を下げた製品も市販されるようになり、ますます安全
且つ簡便な方法で微生物による腐敗を防止し、保存性を
向上させることが切望されている。
[課題を解決するための手段] そこで本発明者らは、上記欠点を解消すべく鋭意研究
を重ねた結果、特定の分子量を有するキトサン酸分解物
を米飯類又は小麦加工品や食肉加工品,あん類,調味料
類の製造工程中に添加すれば保存性が向上することを見
出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は分子量が10000〜50000であるキト
サン酸分解物を添加することを特徴とする米飯類又は小
麦加工品,食肉加工品,あん類,調味料類の製造法を提
供するものである。
本発明で用いるキトサンは、甲殻類,昆虫類,貝類な
どの下等動物の外皮骨格組織の成分および菌類の細胞壁
成分として知られているキチンを原料とし、これをアル
カリ処理などの常法により、脱アセチル化して得られる
ものである。
本発明で使用するキトサン酸分解物としては特願昭62
−284192号明細書に記載された食品用保存剤等が主成分
として使用される。
本発明ではこのキトサンを酸加水分解して得られる分
解物で、分子量が10000〜50000のものを有効成分とする
が、キトサンの酸分解に使用する酸としては有機酸ある
いは無機酸のいずれでもよい。ただし、食品に添加する
ことを考慮し、酢酸,乳酸,クエン酸,リンゴ酸あるい
は塩酸など、通常食用に供される酸を用いることが望ま
しい。酢酸を含有する食品としては食酢が良く知られて
おり、香味の面からも食酢は好ましい。
キトサンの酸分解条件は、酢酸を用いる場合はキトサ
ン2重量%に対し、酢酸濃度0.5〜20%(W/V)、好まし
くは1.5〜5%(W/V)で100〜121℃、5〜180分間加水
分解処理すればよく、大略100℃の場合には60〜180分
間、121℃の場合には5〜60分間加水分解処理すれば十
分である。その他、乳酸,クエン酸,リンゴ酸などの有
機酸を用いる場合も、酢酸濃度と同じ酸濃度にすれば上
記の条件が適用である。また、塩酸を使用する場合は塩
酸濃度0.05〜2.0N、好ましくは0.1〜0.5Nで100〜121
℃、3〜180分間加水分解処理すればよく、大略100℃の
場合には60〜180分間、121℃の場合には3〜60分間加水
分解処理すれば十分である。キトサンの酸加水分解条件
が厳しい場合、有効成分である分子量10000〜50000の画
分が更に分解低分子化してしまい抗菌活性が低下する。
また、酸加水分解条件がゆるやかな場合、分子量50000
以上の高分子画分が多くなり、有効成分である分子量画
分の収量が減少する上に、渋味を呈するようになる。従
って、キトサンの酸分解条件は上記設定範囲で正しく行
なわれなければならない。なお、本発明において分子量
の測定は透析法あるいはゲル濾過法により行なった。
このようにして得られたキトサン酸分解物は水酸化ナ
トリウム等により中和した後、米飯類又は小麦加工品,
食肉加工品,あん類,調味料類に添加する。なお、上記
の酸の代りにキトサン分解酵素を使用したキトサン酵素
分解物も利用可能である。
また、キトサン酸分解物に酢酸含有液を混合して米飯
類又は小麦加工品,食肉加工品,あん類,調味料類に添
加することも可能であり、この場合、酢酸含有液単独で
添加する場合に比べ酢酸含有液の添加量が少なくてよい
ため、酸味を呈することもなく、保存性を向上出来る。
キトサン酸分解物に混合する酢酸含有液としては、香味
の面から食酢が特に好ましい。なお、キトサン酸分解物
に酢酸含有液を混合する場合、特許第959222号等に記載
した食酢溶液の製法のごとく酢酸の重量1に対して卵
殻,重炭酸ソーダおよびカセイソーダの中の1種もしく
は2種以上の物質を0.29〜1.10の割合で食酢に加えて酢
酸の重量パーセントよりも酢酸塩の重量パーセントの方
が高くなるように調整した食酢溶液(ただし、卵殻また
は重炭酸ソーダを単独で加える場合は0.60〜1.10、カセ
イソーダを単独で加える場合は0.29〜0.53の割合で食酢
に加えて調整した食酢溶液)を混合して添加することに
より、食味が良好なうえ、保存性に優れた米飯類又は小
麦加工品,食肉加工品,あん類,調味料類を製造するこ
とができる。
キトサン酸分解物の添加量は、米飯類の製造の場合、
生米に対しキトサン固型分として0.01〜1%(W/W)、
小麦加工品の場合、小麦粉に対しキトサン固型分として
0.006〜0.6%(W/W)が望ましい。
食肉加工品の場合、出来上がり製品重量に対しキトサ
ン固型分として0.005〜0.5%(W/W)が望ましい。
あん類の場合、出来上がり製品重量に対しキトサン固
型分として0.005〜0.5%(W/W)が望ましい。また、調
味料類の場合、出来上がり製品重量に対しキトサン固型
分として0.005〜0.5%(W/W)が望ましい。
キトサン酸分解物の添加量が少なすぎると、防腐効果
が期待できず、添加量が多過ぎると、キトサン特有の渋
味が発現し、食味に悪影響を及ぼす。また、添加する時
期については制限がなく、加熱工程,調合工程,漬け込
み工程,熟成工程,混合練成工程,充填工程等の適宜の
時期の添加出来る。
米飯類では炊飯前あるいは炊飯後のいずれでもよく、
また炊飯前と炊飯後の両方に分けて添加してもよい。ま
た、炊飯時に五目飯のように醤油,砂糖など調味料を添
加する際に合わせて添加しても良い。小麦加工品の場
合、キトサン酸分解物の添加はその製造工程中であれば
任意であるが、混捏過程において添加するのが好まし
い。
しかし、ゆでうどんやゆでそばのような生うどんや生
そばをゆでる工程がある製品では、ゆでる工程において
添加し生うどんや生そばにキトサン酸分解物の必要添加
量を吸収、吸着させることも可能である。
一方、食肉加工品の場合、原料肉の塩漬工程やソーセ
ージやハンバーグステーキ等では原料肉と粘着補強剤や
調味料等を練り合わせる工程で添加することが出来る。
あん類の場合、煮熟工程で添加することが好ましい。
調味料類の場合は、原料調合工程で添加することが好ま
しい。但し、醤油や味噌では製造工程の微生物汚染を防
止するには、添加量を十分考慮し、原料調合工程で添加
すればよい。また、製品の保存性向上の為には、熟成工
程あるいは充填工程で添加すればよい。
[実施例] 次に、本発明を実施例により説明する。
実施例1 キトサン(東京化成工業株式会社製)2重量%を3%
(W/V)の酢酸溶液に溶解しキトサン溶液とし、121℃で
60分加圧加熱処理して加水分解を行なった。次いで、水
酸化ナトリウムを用いて中和し、キトサン酸分解物
(A)を得た。
精白米1500gを水洗したのち、第1表に示した量のキ
トサン酸分解物(A)に水を加え2250mlとした試験液を
加えて市販電気炊飯器を用い炊飯した。炊飯終了した白
飯は食味試験及び冷却後トレイパックに入れ、30℃で保
存試験を行った。この結果を第1表に示す。なお、表中
の−は腐敗せず,+は腐敗したを示し、食味評価は20人
のパネラーの総合評価で示した。
第1表より明らかなように、キトサン酸分解物(A)
の添加量は、キトサン固型分として生米に対し0.01〜1
%(W/W)が保存性,食味の面から良好であると判断さ
れた。
実施例2 精白米1500gを水洗し、そこに2cm角程度に切った鶏肉
300g,繊切りしたニンジン100g,水につけ戻しておいた干
しいたけ10枚を繊切りにしたもの及び醤油100mlと実施
例1で得られたキトサン酸分解物(A)50ml,食酢(酸
度10%のもの)10mlに水を加えて2250mlとしたものすべ
てを加えよく混合撹拌し、通常通り炊飯して炊き込み飯
(A)を作った。上記のうちキトサン酸分解物(A)及
び食酢を炊に代替したこと以外は同様に炊飯した炊き込
み飯(対照)を作った。また、上記のうちキトサン酸分
解物(A)は無添加とし、食酢30mlに水を加えて2250ml
としたこと以外は同様に炊飯した炊き込み飯(B)を作
った。これら製品について実施例1と同様に保存試験及
び食味評価を行った。その結果を第2表に示す。
第2表より明らかなように、製品A,Bは微生物の繁殖
を制御し腐敗を遅延させる効果は同じであるものの食味
評価より製品Aが優れていることがわかる。
実施例3 キトサン(東京化成工業株式会社製)2重量%を0.2N
塩酸に混合溶解しキトサン溶液とし、100℃で120分間加
熱処理して加水分解を行なった。次いで、水酸化ナトリ
ウムで中和し、キトサン酸分解物(B)を得た。
(1)配合割合 イ)中 種 小麦粉(強力粉) 70 kg イースト 3 〃 イーストフード 0.1〃 脱脂粉乳 2 〃 水 42 〃 ロ)本生地 小麦粉 30 kg 砂 糖 5 〃 食 塩 2 〃 マーガリン 6 〃 *水 18 〃 **試験サンプル + *試験サンプルに含まれている水分量を考慮して水量を
選定する。
(2)製造法 上記組成の中種をミキシングし(低速、2分),第1
発酵室(温度26℃)にて2時間発酵させる。次いで、こ
れに上記組成の本生地を加え、ミキサーにて混合(低
速、2分,高速、5分)する。
フロアータイムとして15分放置後、分割,丸目し、生
地の回復時間としてベンチタイムとして15分置く。しか
る後、ホイロ室(温度35〜38℃)にて30〜40分第2発酵
を行なう。発酵終了後、焙焼炉にて温度220〜230℃で焼
き上げる。
焼き上げ3時間後にスライスした食パン4枚宛をポリ
エチレンフィルムにて包装した。各製品100パックを試
料として温度30℃,湿度70〜90%の室に保存し、所定時
間毎にカビ類の発生の有無を測定した。得られた結果を
第3表に示す。
次に、経験豊かな5名のパネルにより、各製品の外観
および内相審査を行なった結果を第4表に示す。
上記結果より明らかなように、本発明の方法によって
得られるパン類は、120時間保存後においても殆んどカ
ビ類の発生が認められなかった。さらに、本発明の方法
によって得られる製品は外観および内相において無添加
のものと比較して何ら遜色がない。すなわち、一般に保
存料を添加したパンは外観的に体積と皮質が劣り、内相
に関しては香り,味,さらにはすだちや触感も劣ること
が知られているが、本発明の製品はこのような欠点がな
い。
実施例4 キトサン(東京化成工業株式会社製)5重量%を0.5N
塩酸に混合溶解しキトサン溶液とし、100℃で180分加熱
処理して加水分解を行なった。次いで、水酸化ナトリウ
ムで中和し、キトサン酸分解物(C)を得た。
牛肉をひき肉にしたもの600gに細断したタマネギ300
g,小麦粉100g,鶏の全卵液60g,塩10g,香辛料適量に対し
キトサン酸分解物(C)を第5表に示した所定量に水を
加えて最終150mlとしたものすべてをよく混合した。次
いで、適当な大きさに整形後、常法通り焼いてハンバー
グステーキ(1200g)を作った。このハンバーグステー
キについて食味試験及びトレイパックに入れ30℃で保存
試験を行った。これらの結果を第5表に示す。なお、表
中の−は腐敗せず、+は腐敗したを示し、食味評価は20
人のパネラーの総合評価で示した。
第5表より明らかなように、キトサン酸分解物(C)
の添加量は、キトサン固形分としてハンバーグステーキ
出来上がり重量に対して0.005〜0.5%(W/W)が保存
性,食味の面から良好であると判断された。
実施例5 あずき1kgを水に浸漬膨潤後、実施例1で得られたキ
トサン酸分解物(A)を第6表に示した所定量に水を加
えて最終2とした液と共に煮熟し、豆をつぶし種皮を
除いて生あん2kgを作った。この生あんについて食味試
験及び小袋に詰め密封後、30℃で保存試験を行った。こ
れら結果を第6表に示す。なお、表中の−はガス発生な
し、+はガス発生ありを示し、食味評価は20人のパネラ
ーの総合評価で示した。
第6表より明らかなように、キトサン酸分解物(A)
の添加量はキトサン固型分としてあん出来上がり重量に
対して0.005〜0.5%(W/W)が保存性,食味の面から良
好であると判断された。
実施例6 糖類50%(W/W),呈味剤フレーバー香味液20%(W/
W)に実施例3で得られたキトサン酸分解物(B)を第
7表に示した所定量加え、さらに水を加えて最終出来上
がり100%(W/W)とし、みりん風調味料を作った。この
みりん風調味料について食味試験及び小袋に詰め密封
後、30℃で保存試験を行った。これらの結果を第7表に
示す。なお、表中の−はガス発生なし、+はガス発生あ
りを示し、食味評価は20人のパネラーの総合評価で示し
た。
第7表より明らかなように、キトサン酸分解物(B)
の添加量は、キトサン固型分としてみりん風調味料製品
重量に対して0.005〜0.5%(W/W)が保存性,食味の面
から良好であると判断された。
実施例7 生醤油(食塩17.0%,アルコール分0.5%,全窒素1.5
%)1000mlに対し実施例1で得られたキトサン酸分解
物(A)20ml添加したもの(製品1)、95%アルコー
ルを20ml添加したもの(製品2)、水20ml添加したも
の(対照)それぞれをビン詰めし、30℃で保存し産膜酵
母の発生日数及び実施例1と同様に食味評価を行った。
その結果を第8表に示す。
表8より明らかなように、本発明品は同じ天然保存料
であるアルコールより保存性,食味で優れていることが
わかる。
実施例8 小麦粉4kgに対し食塩150g,試験液として実施例3で得
られたキトサン酸分解物(B)200ml,醸造酢(酢酸酸度
10%のもの)1に水酸化ナトリウム33.3gを加えて混
合して得た液50ml及び水1250ml加え、よく混ねつ、めん
打ちを行いうどんを作った。対照として試験液を添加し
ないで水1500ml加え上記と同様にうどん(対照)を作っ
た。
本発明により得られたうどんは歯ごたえもよく、しか
もネト菌やカビの発生のない保存性に優れたうどんを製
造することが出来た。
実施例9 実施例8で得られたうどん(対照)1kgを沸騰水中で
ゆで、水冷後、実施例3で得たキトサン酸分解物(B)
10%(V/V)を含む水槽に1分間浸漬後、包装してゆで
うどんを製造したところ、本発明の処理を行わないもの
に比べ歯ごたえが良く保存性に優れたゆでうどんが得ら
れた。
実施例10 小麦粉10kgに対し食塩100g,実施例3で得たキトサン
酸分解物(B)400mlを温湯5に溶かし、小麦粉に加
えよくこね、30分間生地をねかした後、うすくのばし直
径8cmの円形に切断し、ぎょうざの皮を作ったところ、
保存性に優れたぎょうざの皮を得ることが出来た。
実施例11 豚のもも肉1kgに塩20g,硝酸カリウム2g,亜硝酸ナトリ
ウム0.2gの混合塩を肉によくすり込み、3℃で2日放置
し血絞りを行った。次いで、0.1%(W/V)の硝酸カリウ
ム,0.05%(W/V)の亜硝酸ナトリウム,1.5%(W/V)の
砂糖及び試験液を18%の食塩水に溶かし、この中に前記
血絞り処理を行った肉を3℃,10日間の浸漬(塩漬け)
を行った。
塩漬終了後、水洗し塩出しを行った。次いで、常法に
従い燻煙処理を施し生ハムを製造し、15℃での保存試験
及び実施例1と同様に食味試験を実施した。結果を第9
表に示す。
上記表より明らかなように本発明により製造した生ハ
ムは保存生,食味に優れていることがわかった。
実施例12 豚の可食部分をひき肉にしたもの300kgにデンプン15k
g,塩3kg,すりおろしニンニク5kg,化学調味料及び香辛料
を適量加え、さらに実施例3で得られたキトサン酸分解
物(B)8と醸造酢(酢酸酸度10%のもの)1に卵
殻30.0g,重炭酸ナトリウム14.0gおよび水酸化ナトリウ
ム6.67gを加えて混合した液4をすべて加えてよく混
合し、常法に従いケーシング充填後、加熱、冷却してソ
ーセージを製造したところ、食味の良い保存性に優れた
ソーセージを製造することが出来た。
実施例13 あずき1kgを水に浸漬膨潤後、水2を加え煮熟した
のち、豆をつぶし豆の種皮を除いて生あん2kgを作っ
た。次いで出来上がった生あんに砂糖1kgと、実施例
3で得たキトサン酸分解物(B)100mlを加えたもの
(製品1)、実施例3で得たキトサン酸分解物(B)
70mlに酢酸酸度10%の醸造酢1に卵殻30g,重炭酸ナト
リウム14gおよび水酸化ナトリウム6.67gを加えて混合し
た液30mlを加えたもの(製品2)、ソルビン酸カリウ
ム3gを水100mlを溶解したもの(製品3)、水100mlを
加えたもの(対照)を各々加え、加熱しよく練り上げた
後、冷却して生こしあんを作った。これら製品を各々小
袋に密封し30℃で保存し、酵母による発泡の有無を調べ
た。その結果を第10表に示す。
表より明らかなように、本発明品は合成保存料と同等
以上の保存効果が認められた。
実施例14 糖類50%(W/W),呈味剤フレーバー香味液20%(W/
W)に試験液を加え水で加水し100%としたみりん風調味
料を作った。
これら製品を小袋に密封し30℃で保存し、酵母による
発泡の有無を調べた。また、食味評価を実施例1と同様
に実施した。これらの結果を第11表に示す。
表11より明らかなように製品Aが保存性,食味がより
良いことがわかった。
実施例15 米及び種麹を用いて常法に従って得られた米麹50kgに
食塩7.5kgを混合して塩切り麹としたものに、常法によ
り蒸煮し冷却した大豆25kgを混合し仕込みを行い発酵,
熟成させた。出来上った味噌1kg当り実施例1で得られ
たキトサン酸分解物(A)20mlと醸造酢(酢酸酸度10%
のもの)1に重炭酸ナトリウム70gを加えて混合した
液(酢酸酸度5%)10mlを添加しよく混合後、常法通り
袋詰包装して味噌を製造したところ、食味のよい保存性
に優れた味噌を製造することが出来た。
実施例16 醤油18,かつおのだし汁45,ミリン5,砂糖10
kg,化学調味料1kgに実施例3で得られたキトサン酸分解
物(B)3と醸造酢(酢酸酸度5%のもの)0.5を
加え、水を加えて100としビン詰工程を経てめんつゆ
を製造したところ、美味しく保存性に優れためんつゆが
製造出来た。
実施例17 濃口醤油350,白味噌100kg,醸造酢(酢酸酸度10%
のもの)50,砂糖300kg,ミリン50,食塩15kg,化学
調味料30kg,おろしニンニク20kg,オニオンパウダー15k
g,おろし生姜5kgに実施例3で得られたキトサン酸分解
物(B)30を加え、さらに水を加えて最終1000と
し、よく混合し撹拌して焼肉のタレを製造したところ、
味の良い保存性に優れた焼肉のタレを製造することが出
来た。
[発明の効果] 本発明によれば、食味が良好で且つ安全に保存性を高
めた食品が得られる。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子量が10000〜50000であるキトサン酸分
    解物を添加することを特徴とする米飯類又は小麦加工品
    の製造法。
  2. 【請求項2】分子量が10000〜50000であるキトサン酸分
    解物を添加することを特徴とする食肉加工品の製造法。
  3. 【請求項3】分子量が10000〜50000であるキトサン酸分
    解物を添加することを特徴とするあん類の製造法。
  4. 【請求項4】分子量が10000〜50000であるキトサン酸分
    解物を添加することを特徴とする調味料類の製造法。
  5. 【請求項5】キトサン酸分解物が該キトサン酸分解物に
    酢酸含有液を混合したものである請求項1,2,3,4のいず
    れかに記載の製造法。
  6. 【請求項6】酢酸含有液が食酢である請求項5記載の製
    造法。
  7. 【請求項7】キトサン酸分解物が該キトサン酸分解物
    に、食酢中の酢酸の重量1に対して卵殻,重炭酸ソーダ
    およびカセイソーダの中の1種もしくは2種以上の物質
    を0.29〜1.10の割合で食酢に加えて、酢酸の重量パーセ
    ントよりも酢酸塩の重量パーセントの方が高くなるよう
    に調整した食酢溶液(ただし、卵殻または重炭酸ソーダ
    を単独で加える場合は0.60〜1.10、カセイソーダを単独
    で加える場合は0.29〜0.53の割合で食酢に加えて調整し
    た食酢溶液)を混合したものを添加する請求項1,2,3,4
    のいずれかに記載の製造法。
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