JP2684598B2 - 積層材の製造方法 - Google Patents

積層材の製造方法

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JP2684598B2
JP2684598B2 JP7142474A JP14247495A JP2684598B2 JP 2684598 B2 JP2684598 B2 JP 2684598B2 JP 7142474 A JP7142474 A JP 7142474A JP 14247495 A JP14247495 A JP 14247495A JP 2684598 B2 JP2684598 B2 JP 2684598B2
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勝一 矢田
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株式会社矢田工務店
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  • Veneer Processing And Manufacture Of Plywood (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はベニヤ・コンパネなどの
2×4工法,プレハブ,RC住宅屋根の下地材等に利用
される積層材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物の屋根は、耐震構造上から重い日
本瓦葺より軽いカラーコロニアル葺が好まれるようにな
ってきており、世界的にみてもこうした傾向にある。コ
ロニアル葺の下地材等に利用される積層材は、通常、ラ
ワンコンパネからなるラワン積層材で出来ている。斯る
ラワン積層材10は、五層の単板11〜15からなり
(図5)、単板11〜15は、ラワン材を原材料として
加工された薄い長方形の板である。単板12,14のそ
れぞれの表裏面の両面に接着剤17a,17b,18
a,18bを塗布した後、単板11〜15の各繊維方向
が互いに交差するように相互に重ね合わせて積層材10
を形成している。
【0003】上記積層材10は、例えば、概略図4に示
すような製造工程を経て造られている。まず、原材料の
ラワン材1を切り出し、ベニヤレース機20の主軸にラ
ワン材1が固定された後、該主軸を回転し、刃物20a
を自動的に前進させラワン材1の年輪に沿って所定厚さ
のラワン薄皮を削り取る。次に、このラワン薄皮をベニ
ヤクリッパ22へ運び、刃物22aを降下させ、それぞ
れ所定の長方形寸法に切断して単板11〜15を造る。
続いて、ヒラタキクイムシ等に薬効のある防虫剤24を
入れた貯槽25に単板11〜15を浸して防虫処理を行
なう。そして、ローラ乾燥機26に備えた上下二連のロ
ーラ26a,26b間に単板11〜15をそれぞれ挿入
し、ノズル26c、26dから熱風を送風して乾燥させ
る。こうした工程を経た後、二枚の単板12,14の表
面,裏面にスプレーガン28を使ってフェノール系樹脂
等の接着剤27を塗布する。次いで、接着剤27が塗布
された単板12の表面に単板11を、単板12の裏面に
単板13を、各繊維方向が互いに交差するように重ね合
わせる。同様に、接着剤27が塗布された単板14の表
面に単板13を単板14の裏面に単板15を各繊維方向
が互いに交差するように重ね合わせる。かくのごとくし
て、単板11〜15が五枚重ね合わせられた五層の積層
材10を形成する。
【0004】その後、ホットプレス機30へ上記積層材
10を移送セットし、可動盤30aを下降させ、積層材
10を温度110〜140°C、荷重8〜10Kg/c
2下で圧縮する。そして、ダブルサイザー32の丸鋸
32aで積層材10を所定寸法に切断する。更に、ドラ
ムサンダー35に設けられたスパイラル状に研磨布紙が
巻き付けられたドラム35a,35bを揺動,回転さ
せ、積層材10の表面を研磨する。このような一連の工
程を経て、所定厚みをもち表面仕上げがなされたラワン
積層材10が得られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来のラワ
ン積層材10は、以下のような問題があった。まず、原
材料確保が困難であり、地球環境の破壊の面からも問題
になりつつあった(第一の問題)。原材料はラワン材1
であり、ボルネオ,マレーシア,フィリピン等の特定地
域でしか採取できない。ラワン材1の再生は可能である
ものの積層材10の材料として用いるのに20〜50年
の歳月を要する。現在では、ラワン材1を伐採しすぎて
供給が需要に対応できない状況にある。その一方で、今
日までのラワン材1の伐採が、地球全体の環境バランス
に変化を及ぼしたとの指摘もある。最近では、こうした
ことから、積層材10の材料に針葉樹等も用いられるよ
うになってきているが、針葉樹とて、大木成長に永い年
月を要し、ラワン材と同じような問題を引き起こす懸念
がある。また、ラワン積層材10は、湿気に弱いという
欠点がある(第二の問題)。屋根用の下地等に用いられ
た場合、雨漏り等で直ぐに傷んだ。そうでなくても、ラ
ワン材は毛管が多いため、十数年で穴が開くといった事
態も引き起こしている。
【0006】更に、ラワン積層材10の製造に手間がか
かっていた(第三の問題)。ベニアレース機20により
ラワン材1を回転させ、刃物20aによりラワン材1の
年輪に沿ってラワン薄皮(約2mm)を削り取る作業は
大変であった。ラワン薄皮で削り取らなければならない
のは、その厚さを2mm以上にすると、割れる虞れがあ
るからである。そして、ラワン薄皮から得た単板11〜
15を用いて、積層材10の厚さを規格値(約12m
m)にすべく、五層積み重ねして且つそれらを相互に接
着結合させるのは難儀であった。加えて、ラワン材1の
製造では廃材が多くでた(第四の問題)。ラワン材1の
単板11〜15に利用される部分の歩留りは40〜60
%程度に留まっていた。
【0007】本発明は、上記問題点を解決するもので、
原材料の確保が容易で、地球環境に優しく、且つ、湿気
に強くて強度が十分にあり、しかも、原材料の利用率が
高くて加工が容易な積層材の製造方法を提供するもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本第一発明の要旨は、所
定太さの竹を繊維方向に切断手段により切断後、第一の
圧縮手段により該湾曲状の竹を圧着することで割れ目を
形成しながら押し広げ、この押し広げられてなる竹材の
表面及び裏面を切削手段により平らに切削し、しかる
後、油抜きすると共に防虫処理を施し、乾燥手段により
乾燥させた後、該竹材を平行に複数並べてそれらの両端
を固定した基材,第一被覆材,第二被覆材をそれぞれ形
成し、次に、該基材の表面及び裏面、或いは該第一被覆
材及び該第二被覆材の表面又は裏面のいずれかに接着剤
を塗布し、しかる後、該基材を真中にし且つ基材の繊維
方向と互いに交差するように第一被覆材及び第二被覆材
をサンドイッチ構造に重ね合わせて、第二の圧縮手段に
より圧着結合させてなる積層材の製造方法にある。ここ
で、「繊維方向」は、竹を割り易い縦切り方向である。
「油抜きすると共に防虫処理を施し、乾燥手段により乾
燥させた後、該竹材を平行に複数並べてそれらの両端を
固定した基材,第一被覆材,第二被覆材をそれぞれ形成
し」では、油抜き、防虫処理、乾燥操作、該竹
材を平行に複数並べてそれらの両端を固定した基材,第
一被覆材,第二被覆材をそれぞれ形成する処理に係る各
処理工程の順序を入れ替えた場合を含み、また、複数回
処理する場合も含む。
【0009】
【作用】本発明に係る積層材の製造方法によれば、積層
材の主構成要素に竹が用いられるが、竹の生育は早く
(約3年)、再生が旺盛であるので、地球環境に悪影響
を及ぼすことがない。そして、竹が水分に強い性質をも
つことから、屋根の下地材等に使用されても十分な耐久
性を保有する。また、中空パイプ状の竹を縦割り方向に
割り、その湾曲状の竹を圧着して押し広げ平らに成形す
ると、これらを数本乃至十数本並べるだけで、基材,第
一被覆材,第二被覆材程の大きさの板状体を作り上げる
ことができるので、生産性に優れる。とりわけ、半割り
竹を開き平らに成形すると、その面積を大きくかせげる
ため手間がかからず、一層効果的となる。更に、竹の内
周面側に派生する割れ目サイドを基材面側に向けてサン
ドイッチ構造の積層材を造ると、その割れ目に接着剤が
十分に付着するので、積層材の一体化に有効に作用す
る。加えて、本発明の積層材は、従来のラワン材の五層
構造と異なり、三層構造であるので、製法は単純化され
る。竹の肉厚をそのまま利用でき、しかも、三層構造で
機械的強度を存分に発揮できる強みがある。竹は、一般
的には、加工が非常に難しいとされている。古来から、
割り竹又は削ぐ工法しか使われていない。本発明の積層
材及びその製造方法では、竹を開けて使うと、大きな面
積を占有する板状体が簡単に造られ、且つ、開く際にで
きた割れ目が一層の接着結合作用を促すことに着目す
る。
【0010】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳述する。
図1〜図3は本発明に係る積層材の製造方法の一実施例
で、図1は本発明の積層材の部分拡大斜視図、図2は図
1の積層材を造るための概略製造工程図、図3は半割り
竹を第一の圧縮手段で押し広げられてなる竹材の部分拡
大斜視図を示す。
【0011】(1)積層材の構成 積層材100は、表材となる薄板状の第一被覆材101
と、裏材となる薄板状の第二被覆材102とで、接着剤
105a,105bが上下面に塗られた薄板状の基材1
03を間に挟んで、サンドイッチ構造に接合一体化を図
ったものである(図1)。積層材100は、市販のラワ
ン積層品の規格品に合わせ、910mm×1820mm
の大きさにしており、図1ではその部分カット品の斜視
図になっている。
【0012】第一被覆材101,第二被覆材102は、
共に、厚みt1 ,t3 が約2.5mmの薄い板状体で、
半割り竹31aが押し広げられ且つ切削加工で平らに成
形された帯板状の竹材31bをいくつも平行に配設して
形成されている(図1,図2)。基材103も薄い板状
体である。基材103は、半割り竹31aが押し広げら
れ且つ切削加工で平らに成形された帯板状の竹材31b
をいくつも平行に配設して形成するところを、第一被覆
材101,第二被覆材102と同じとするが、その厚み
2 は約5mmとしている。ただ、第一被覆材101,
第二被覆材102,基材103の薄板としての素材は同
一であり(すなわち、厚みは約5mm)、これら三枚を
貼り合わせた後、第一被覆材101,第二被覆材102
については、その表面,裏面を削って2.5mmに仕上
げたために、基材103の厚みと相違するにすぎない。
【0013】第一被覆材101,第二被覆材102につ
いては、半割り竹31aが押し広げられて竹材31bと
なるが、半割り竹31aの内周側に位置し割れ目Vを多
く形成した割れ目サイドが全て基材103面に向けられ
ている。斯る構成により、基材103を挟んで、サンド
イッチ構造に接合する際、割れ目Vに接着材105a,
105bを多く取り込み、第一被覆材101,第二被覆
材102,基材103が強力一体化するようになる。も
ちろん、積層材100の表面,裏面に割れ目Vが現われ
難くなり、美しい意匠面が出来上る。ここでは、半割り
竹を押し広げて竹材31bとしているが、所定太さの竹
を繊維方向に切断手段により三以上の複数に分割した湾
曲状の竹を圧着して竹材としても当然よい。しかし、割
り数が多くなるにつれ、帯板状の竹材31bの幅が小さ
くなる。故に、第一被覆材101等を形成する竹材の数
が多くなり製造に手間がかかるため、二分割の半割り竹
材若しくは三分割の竹材を平らに成形した竹材31bを
使用するのがより好ましいとされる。
【0014】第一被覆材101,第二被覆材102,基
材103の積層は、基材103の表面へその繊維方向と
互いに交差するように第一被覆材101が重ね合わさ
れ、同じように、基材103の裏面へその繊維方向と互
いに交差するように第二被覆材102が重ね合わされて
いる。繊維方向の強度が大なる竹材31bは、クロス配
置されることによって、機械的強度が全方向に対し補強
されるようになる。そして、基材103厚みが約5mm
に対し、これにクロス配置される第一被覆材101,第
二被覆材102の両方を加えた厚みが約5mmとなっ
て、板状面全域に係る機械的強度の均等化が図られてい
る。第一被覆材101,第二被覆材102は、図1のご
とく、長手方向に向って竹材31b,31b,…が平行
に並べられるようにするのが好ましい。短い竹材がいく
つも配設される基材103を、それより少ない数の竹材
で並べられる第一被覆材101,第二被覆材102が両
面に被さることで、三者が一層剥がれ難くなるからであ
る。いいかえれば、基材103は、第一被覆材101,
第二被覆材102よりも、竹材31bの長さが短く且つ
その個数が多くなるので、これらをバラバラにさせない
趣旨である。
【0015】ところで、第一被覆材101,第二被覆材
102,基材103の原料となる竹は、イネ科の多年生
常緑木本の総称で、特にその種類は限定しないが、真竹
属のハチクが好適となる。材質が堅く、更に、節と節と
の間隔が広いからである。孟宗竹は肉が厚く、節と節と
の間隔が狭いので、加工性にやや劣る。ハチクについて
は、次のような形状,特性を備える。直径が3cm〜1
0cm、節と節との間隔が10〜40cmと広く、高さ
は8〜20m程度となる。また、発生後、2〜3年で長
さ及び太さの生育が完了し、発生から3年程度以降のも
のが積層材100の原料として良好になる。ハチクは、
繊維方向の強度が大きく、大きな剛性を有する。具体的
には、曲げ強度が2000kg/cm2 ,圧縮強度が5
00〜800kg/cm2 もある。ラワン材1の曲げ強
度が910kg/cm2 ,圧縮強度が480kg/cm
2 であることから、竹材による積層材100の機械的強
度が優れているのが判る。尚、竹は世界的に豊富に存在
するものの、竹かご等の竹細工製品の需要が石油資源か
ら造られるプラスック製品に押され、その利用価値が低
下している。従って、容易且つ安価に利用できる資源と
なっている。
【0016】本実施例では、上記積層材100を形成す
る竹材31bは上記ハチク等の竹を単に平らに成形して
用いるのでなく、防虫・防腐処理及び油抜きを行なった
ものにしてから使用している。大日本木材防腐株式会社
製の防虫・防腐材を使用した。また、必要に応じて着色
を施している。油抜きするのは、接着剤の効果を高める
ためである。
【0017】上記接着剤105a,105bは、竹材か
らなる第一被覆材101,第二被覆材102,基材10
3を互いに接着結合できるものである。ここでは、接着
剤105a,105bとして、コニシ株式会社製のボン
ド(木工用CH18又は耐水用KU850)を使用し
た。これは一液ウレタン型接着剤で大気中等の水分を利
用して硬化するので好適である。
【0018】(2)積層材の製造方法 次に、本発明の積層材の製造方法を図2に基づいて説明
する。まず、所定太さの竹を約2m間隔で伐採切断し、
原材料の竹30とする。この竹30を切断手段たる自動
分割機用節取り機50にかけ、切刃50aで竹30を縦
割りに二分割切断しながら自動的に内節を取除く。もち
ろん、内節と二分割切断を個別に行なってもよい。ま
た、竹30は二分割でなく、三分割以上にしてもよい。
しかし、径の大きいものであればともかく、前述したよ
うに竹材31aの幅Wが小さくなり(図3)、第一被覆
材101等にする際、竹材31bをたくさん並べなけれ
ばならず、あまり好ましくはない。
【0019】続いて、自動分割機用節取り機50により
半割りされた竹31(湾曲状の竹)を、第一の圧縮手段
たるプレス機51で押し広げる。竹31は、可動盤50
aの圧縮操作によって、竹31の内周面側により多くの
割れ目Vを形成しながら押し広げられる。ここでは、熱
処理(竹31を温める)しながら押し開くと、割れが少
なくなり好適となる。斯る場合、図2に示すように、割
れた竹31の内面を上に向けて圧縮するのが好ましい。
竹31が熱処理で温まることによって、それだけでも竹
31が半割り状態から平らな状態へ自然と開く方向にあ
るからである。尚、熱処理しない場合は、竹31を曲面
が上になるように置くのがよい(図2の竹材31は反転
する。)。本実施例では、プレス機51による強制圧着
によったが、もちろん、ローラー等の強制圧着で竹31
を押し広げても構わない。プレス機51で開かれ、帯板
状になった竹材31aを図3に示す。竹31は、その長
さを2mに保ち、外周長さWが約100mm〜200m
m程度に広げられ、竹30の当初の肉厚tは略保たれる
ものの、縦の繊維方向のところどころに割れ目Vが走っ
た格好になっている。
【0020】上記竹材31aのままでは、表面が汚れ、
また肉厚tにもバラツキがあるので、次に、切削手段た
る自動二面鉋盤52で竹材31aのムラ取りをする。こ
の自動二面鉋盤52では、テーブルの上下に各1個の鉋
胴52a、52bを備えており、竹材31aのムラ取り
と厚さぎめ(約5mm)とを同時に行なう。竹材31a
が自動二面鉋盤52を通ると、平らに切削され且つ5m
mの厚みになった竹材31bになる。
【0021】こうして得られた竹材31bは、次に、油
抜き処理がなされる。竹材31bを油抜き湯61の中に
浸して油抜きするのである。油抜き貯槽60には、油抜
き湯61の温度を一定にする湯沸かし機能を備えてい
る。油抜きは竹に含まれる油を取除くことで、接着剤1
05a,105bの効果を高める他、カビ発生防止,腐
れ防止にきくことになる。続いて、竹材31bを防虫剤
63を入れた貯槽62に浸し、竹材31bに防虫処理を
加える。防虫剤63は、竹材31bがタケクイムシ等の
虫に食われるのを予防するもので、長期間の防虫持続性
が要求される。防虫剤63の種類は、水溶性無機化合物
としてほう酸等のホウ素化合物,フッ素化合物等があ
り、油溶性有機化合物としてはプレクトリン系がある。
尚、本実施例では、防虫剤63として大日本木材防腐株
式会社製の防虫・防腐剤を使用した。
【0022】油抜き,防虫処理した竹材31bは、しか
る後、乾燥手段である乾燥機65で乾燥する。出てきた
竹材31bが積層材100の構成品たる第一被覆材10
1,第二被覆材102,基材103になる。この竹材3
1bを平行に且つ寄せて複数敷き並べ、更に、その両サ
イドを幅10mmの粘着テープTで接着していき、約2
m×約2mの薄板をつくる(図2)。ところで、上記粘
着テープTが貼られる各竹材31bの両端部分は、粘着
テープTが貼られる前にその部分を削りとって、第一被
覆材101等になったとき、粘着テープTが表面より上
にでないようにしている。ここで、油抜き,防虫処理,
乾燥処理,薄板の形成の順で工程が流れているが、これ
らの順序は並び変えることができる。また、例えば、乾
燥処理を油抜き処理の後と、防虫処理の後とに二回行な
うことも可能である。
【0023】こうして出来た薄板は基本的にどれも同じ
で、第一被覆材101,第二被覆材102,基材103
となり得る。その後、基材103として選んだものの表
面及び裏面に接着剤を塗布する。本実施例では、長谷川
鉄工株式会社製の自動糊付け機70(形式:HGM−3
5)中へ基材103を通す。この装置通過中に、回転ロ
ーラ70a,70bが基材103の表裏の両面に接着剤
を塗布する。接着剤105a,105bには、既述のご
とく、コニシ株式会社製のボンド(木工用CH18又は
耐水用KU850)を用いている。特に、耐水性が求め
られるところに耐水用KU850タイプの接着剤が使わ
れる。上記基材103の表裏面の二ヶ所のみ接着剤を塗
布すれば、第一被覆材101,第二被覆材102には接
着剤をつけずともこれらを一体化できる。そのため、第
一被覆材101,第二被覆材102として選んだ薄板
は、自動糊付け機70を通さず、そのまま素通りさせ
る。尚、上記方法に代え、効率は悪くなるが、第一被覆
材101,第二被覆材102の表面又は裏面のいずれか
に接着剤を塗布し、基材103を塗布しないようにして
もよいし、また、第一被覆材101,基材103,第二
被覆材102に接合面に当る面の両方に全て塗布しても
よい。
【0024】次に、接着剤105a,105bが塗布さ
れた上記基材103を真中にし、且つ基材103の繊維
方向と互いに交差するように第一被覆材101及び第二
被覆材102をサンドイッチ構造にして重ね合わせる。
そして、この上にプラスチックシート38を都度介在さ
せていき、300枚の薄板(100枚分の積層材100
に相当する)を積み上げる。プラスチックシート38
は、第一被覆材101又は第二被覆材102上へ接着剤
105a,105bがしみ出し、隣接する積層材100
と接着するのを回避するためにある。ここで、第一被覆
材101,基材103,第二被覆材102のサンドイッ
チ構造に重ね合わせるにあたっては、竹の内側に属し、
割れ目Vがたくさん現われている第一被覆材101,第
二被覆材102の割れ目サイドを基材面に向けて重ね合
わせるのが好ましい。割れ目Vに余分の接着剤が補集さ
れ、割れ目Vが接着結合に有効に働くからである。ま
た、見栄えに劣る割れ目Vが内部に隠れてしまうメリッ
トもある。しかる後、第二の圧縮手段たるプレス機80
で圧着する。可動盤80aが降下し、300枚の薄板を
圧着することで、第一被覆材101,第二被覆材10
2,基材103が接着結合し、積層材の原形板100G
が出来上る。尚、圧縮過程で粘着テープTは、前述のご
とく、第一被覆材101等の表面より上に出ないように
しているので、圧縮操作を邪魔することはない。プレス
機80による圧縮力は、10kg/cm2 〜200kg
/cm2 、より好ましくは20kg/cm2 〜50kg
/cm2 である。圧縮力が10kg/cm2 未満である
と、第一被覆材101(又は第二被覆材102)と基材
103との間に隙間ができるからである。また、圧縮力
が高いほど原形板100Gが一体化するが、200kg
/cm2 を越えると、圧縮手段が大掛りになるからであ
る。ここでは、圧縮力として、25kg/cm2 を採用
した。
【0025】この原形板100Gを約12時間乾燥させ
た後、該原形板100Gを例えば菊川鉄工所株式会社製
プレーナー90にかけ、第一被覆材101,第二被覆材
102のそれぞれの表面を切削と同時に研磨する。プレ
ーナーヘッド90a,90bを通過した原形板100G
は、第一被覆材101,第二被覆材102の厚みが共に
約2.5mmとなり、且つ、その表面も平滑な綺麗な状
態に仕上がるようになる。そうして、トリプルサイザー
の丸鋸95a,95cによって、この2000mm×2
000mmの原形板100Gの両側縁部を切り落とし、
真中の丸鋸95bで二分割することで、910mm×2
000mmの二枚にし、更に、ダブルサイザー95d,
95eによって残りの両側縁部を切り落として、910
mm×1820mmの所望の積層材100を得る。
【0026】(3)実施例の効果 以上の態様からなる積層材の製造方法によれば、積層材
100の構成材料として使用する竹30が世界に分布し
資源として豊富であるばかりか、その成長が1〜3年と
早く再生力が旺盛であり、たとえ大量消費しても次々と
生育してくるので、ラワン材のごとく自然破壊につなが
ることはない。また、ラワン材と異なり、竹30は水に
強く且つ機械的強度に優れ、屋根の下地材等に使用して
も長寿命を維持する。そして、積層材の製造方法は、ラ
ワン原木から巻紙をほどくように薄板状に剥いでいく製
法と違い、竹30を開きその厚みがそのまま利用できる
ので、歩留りもよい。加えて、竹材31bの厚みが大な
ることから、三枚重ねで十分な強度が確保されるため、
五枚重ねのラワン積層材と違って、接着剤105a,1
05bをつける箇所も基材103だけで済み、製造工程
は簡略化する。更に、真中に配される基材厚みを5mm
とし、一方、両サイドの第一被覆材101,第二被覆材
102の厚みをそれぞれ2.5mmづつに仕上げること
によって、縦の繊維方向に強いとされる竹30が縦横に
等分配置されるようになるので、全面にわたって均等な
強度維持が図られる。尚、第一被覆材101,第二被覆
材102,基材103は、薄板段階ではその厚みが皆5
mmと同じで、特にそれらを別けて管理する必要もない
ので、生産効率が良い。そして、竹はラワン材のように
むさる(蒸れる)ことがないので、屋根の下地材の他、
床材等としても好適となる。上記積層材100を12c
m幅に切断し、その側面を雄,雌のジョイント加工し、
表面をシリコン加工等すれば、水に極めて強い優れたフ
ロア板になる。加えて、積層板100の端縁から5mm
だけ内側に入った箇所でくぎ打ちを行なっても、積層板
100は割れることはなかった。正目板に限らず、木板
では端縁付近にくぎ打ちをすると、割れ,欠けを生じや
すかったが、本発明の積層板100では繊維方向をクロ
スに配設した第一被覆材101,基材103,第二被覆
材102が一体化しているため、割れ,欠けといった不
具合を起こさなかった。このため、建築施工面からも優
れた積層板100となる。
【0027】また、本実施例では、半割り竹材31bを
開いて使用することで、基材103等を造るうえでその
竹材31bの数が少なくて済み、作業が円滑にすすむ。
そして、竹の内周面側に多く派生する割れ目Vを基材面
側に向けてサンドイッチ構造の積層材100とすること
によって、その割れ目Vに接着剤105a,105bが
十分に付着するので、第一被覆材101,基材103,
第二被覆材102の接着結合が強まる。
【0028】尚、本発明においては、前記実施例に示す
ものに限らず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々
変更できる。第一被覆材101,第二被覆材102,基
材103,積層材100の大きさ,厚み,形状等は実施
例に限定されず、適宜選択できる。実施例では、原形板
100Gとして、2000mm×2000mm材を用い
たが、例えば、1000mm×2000mm材を使用す
ることもできる。実施例では、三層構造した積層材10
0を示したが、これに限定されるものでなく、製造工程
は複雑化するが、多層構造の積層材としてもよい。積層
材100の製造方法に使用した機械は例示であって、そ
の操作をなし得る他の機械,工具類ももちろん使用でき
る。接着剤105a,105bや防虫処理剤もその役割
を果たす他のものに代えることも可能である。また、斯
る積層材100は、屋根の下地材に適用するにとどまら
ず、他の建築用材,建設用材等に広く利用できる。
【0029】
【発明の効果】以上のごとく、本発明に係る積層材の製
造方法は、原材料として生育が早く豊富にしてその調達
が容易な竹を使用することによって、耐久性,強度的に
優れた特性を確保するばかりか、難しいとされてきた竹
加工に関し、竹を縦割りしただけの湾曲状の竹を圧着し
て割れ目を形成しながら押し広げ、平らに切削加工する
ことによって、原材料の利用率を高め製造加工を簡便に
やり遂げた製品を生み出し、積層材の品質向上,生産性
向上,環境保全等に多大な効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である積層材を示す部分カッ
ト品の拡大斜視図である。
【図2】本発明の一実施例である積層材の製造方法を示
す系統図である。
【図3】半割り竹を押し広げた状態にある竹材の部分拡
大斜視図である。
【図4】従来の積層材を示す斜視図である。
【図5】従来の積層の製造方法を示す系統図である。
【符号の説明】
30 竹 31 半割り竹 31a 竹材 31b 竹材 50 自動分割機用節取り機(切断手段) 51 プレス機(第一の圧縮手段) 52 自動二面鉋盤(切削手段) 65 乾燥機(乾燥手段) V 割れ目

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定太さの竹を繊維方向に切断手段によ
    り切断後、第一の圧縮手段により該湾曲状の竹を圧着す
    ることで割れ目を形成しながら押し広げ、この押し広げ
    られてなる竹材の表面及び裏面を切削手段により平らに
    切削し、しかる後、油抜きすると共に防虫処理を施し、
    乾燥手段により乾燥させた後、該竹材を平行に複数並べ
    てそれらの両端を固定した基材,第一被覆材,第二被覆
    材をそれぞれ形成し、次に、該基材の表面及び裏面、或
    いは該第一被覆材及び該第二被覆材の表面又は裏面のい
    ずれかに接着剤を塗布し、しかる後、該基材を真中にし
    且つ基材の繊維方向と互いに交差するように第一被覆材
    及び第二被覆材をサンドイッチ構造に重ね合わせて、第
    二の圧縮手段により圧着結合させてなる積層材の製造方
    法。
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