JP2684190B2

JP2684190B2 - ゲル組成物

Info

Publication number: JP2684190B2
Application number: JP63154622A
Authority: JP
Inventors: 芳之小楠; 美和曽山; 淳高橋; 亨岡本; 正昭石渡; 幹清中野
Original assignee: Shiseido Co Ltd
Current assignee: Shiseido Co Ltd
Priority date: 1988-06-24
Filing date: 1988-06-24
Publication date: 1997-12-03
Anticipated expiration: 2012-12-03
Also published as: AU3841989A; AU625319B2; JPH0256239A; EP0379590B1; CA1329366C; EP0379590A4; EP0379590A1; WO1989012500A1

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明のゲル組成物は、そのまま美爪料や塗料等とし
て、あるいはその他の成分を加えて美爪料や塗料等とし
て利用できるものである。

［従来の技術］従来から、美爪料や塗料等を製造する方法として、有
機変性粘土鉱物と溶剤とを含有するゲル組成物を製造
し、このゲル組成物を美爪料や塗料等に配合してきた。
すなわち、粘土鉱物に由来する良好なチキソトロピー性
を利用し、顔料やパール剤等の粉末の沈降を防止するた
めに、有機変性粘土鉱物を配合し、この有機変性粘土鉱
物を、トルエン等の芳香族炭化水素溶剤や非芳香族炭化
水素溶剤で膨潤させ、ゲル組成物を製造し、美爪料や塗
料等に利用してきた。これら有機変性粘土鉱物は、ゲル
組成物中で十分に一次粒子化されていないと、美爪料や
塗料等に利用した場合良好なチキソトロピー性を示さな
いばかりか、ブツが出て塗布しにくいという問題や良好
な光沢を示さないという問題を引き起こす。従来は、有
機変性粘土鉱物を一次粒子化するために、例えば高温に
おいて２段ロール処理を数十回繰り返してチップ化し、
溶剤に溶解分散させるという工程をとってきた。

このように従来は、ゲル組成物を得るためにかなり強
力な機械的せん断力を必要とし、工程上非常に繁雑な方
法がとられ、また条件設定が難しく均一な品質のものが
得られにくかった。また、このような繁雑な工程により
得られたゲル組成物を、美爪料や塗料等に利用した場
合、経時安定性、特に長期における安定性という点で未
だ十分に満足できるものではなかった。

［発明が解決しようとしている課題］本発明者らは、このような事情に鑑み、経時安定性に
優れるゲル組成物を開発すべく、鋭意検討を重ねた結
果、特定のカチオン界面活性剤と、有機変性粘土鉱物
と、溶剤（更に粉末または、粉末とアニオン界面活性剤
とを加えたもの）とを利用することにより、これらの欠
点を解決することができ、しかも驚くべきことに従来、
必須であった強力な機械的せん断力を用いなくても容易
に製造できることをも見出し、本発明を完成するに至っ
た。

［課題を解決するための手段］すなわち、請求項１記載の発明は、プロピレンオキサ
イド鎖（以下PO鎖と略記する）及び／又はエチレンオキ
サイド鎖（以下EO鎖と略記する）を有するカチオン界面
活性剤の一種又は二種以上と、有機変性粘土鉱物と、溶
剤とを含有することを特徴とするゲル組成物である。

請求項２の発明は、請求項１記載のゲル組成物に、更
に粉末が含有されていることを特徴とするゲル組成物で
ある。

請求項３の発明は、請求項１記載のゲル組成物に、更
に粉末と、アニオン性界面活性剤とが含有されているこ
とを特徴とするゲル組成物である。

以下に本発明の構成について述べる。

本発明で用いられるPO鎖又はEO鎖を有するカチオン界
面活性剤は下記のものを例示することができる。

（式中、Ｘは窒素又は燐、Ｙは硫黄、Ｍ^-は塩素イオ
ン、臭素イオン、ヨウ素イオン、亜硝酸イオン、ヒドロ
キシルイオン、酢酸イオン、メチル硫酸イオン又はこれ
らの組合せであり、Ｒ₁は置換基を有し、又は有しない
炭素数１〜30個の炭化水素基、Ｒ₂、Ｒ₃、Ｒ₄は少なく
とも１個がPO鎖及び／又はEO鎖を有し、未端に水素又は
置換基を有し、又は有しない炭素数１〜30個の炭化水素
基をもち、残りのＲは同一又は異なって、置換基を有
し、又は有しない炭素数１〜30個の炭化水素基であ
る）。尚、PO鎖及び／又はEO鎖の付加モル数は１〜50が
好ましく、さらに好ましくは５〜40である。

本発明に用いられるPO鎖及び／又はEO鎖を有するカチ
オン界面活性剤の含有量は、請求項１記載のゲル組成物
全量中では、0.01〜40重量％が好ましく、さらに好まし
くは0.05〜15重量％である。0.01重量％未満では粘土鉱
物の分散性が悪く、良好なチキソトロピー性が得られ
ず、40重量％を越えると長期経時で粘土鉱物が凝集し易
くなる。

本発明に用いられるPO鎖及び／又はEO鎖を有するカチ
オン界面活性剤の含有量は、請求項２又は３記載のゲル
組成物が美爪料の場合、美爪料全量中では0.01〜10重量
％が好ましく、さらに好ましくは0.05〜５重量％であ
る。0.01重量％未満では、粘土鉱物の分散性が悪く、良
好なチキソトロピー性が得られず、10重量％を越える
と、長期経時で粘土鉱物が凝集し易くなる。

本発明に用いられるPO鎖及び／又はEO鎖を有するカチ
オン界面活性剤の含有量は、請求項２又は３記載のゲル
組成物が塗料の場合、塗料全量中では、0.01〜10重量％
が好ましく、さらに好ましくは0.02〜３重量％である。
0.01重量％未満では、粘土鉱物の分散性が悪く、良好な
チキソトロピー性が得られず、10重量％を越えると、長
期経時で粘土鉱物が凝集し易くなる。

本発明で用いられる有機変性粘土鉱物の粘土鉱物とし
ては、三層構造を有するコロイド性含水ケイ酸アルミニ
ウムの一種である水膨潤性粘土鉱物、例えばモンモリロ
ナイト、サポナイト及びヘクトライト等の天然又は合成
のスメクタイト族等の粘土鉱物である。本発明に用いら
れる有機変性粘土鉱物は、これらの粘土鉱物の結晶層間
に介在する交換性カチオンを有機極性化合物や有機カチ
オンで置換したものである。有機カチオンとしては第４
級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤等が挙げられ
る。第４級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤として
は下記一般式（式中、Ｒ₁は炭素数10〜22のアルキル基又はベンジ
ル基、Ｒ₂はメチル基又は炭素数10〜22のアルキル基、
Ｒ₃とＲ₄は炭素数１〜３のアルキル基又はヒドロキシア
ルキル基、Ｍはハロゲン原子又はメチルサルフェート残
基等を表す。）で表されるもので、例えばドデシルトリ
メチルアンモニウムクロリド、テトラデシルトリメチル
アンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモ
ニウムクロリド、オクタデシルトリメチルアンモニウム
クロリド、アラキルトリメチルアンモニウムクロリド、
テトラデシルジメチルエチルアンモニウムクロリド、ヘ
キサデシルジメチルエチルアンモニウムクロリド、オク
タデシルジメチルエチルアンモニウムクロリド、アラキ
ルジメチルエチルアンモニウムクロリド、ジテトラデシ
ルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルジメ
チルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルア
ンモニウムクロリド、テトラデシルジメチルベンジルア
ンモニウムクロリド、ヘキサデシルジメチルベンジルア
ンモニウムクロリド、オクタデシルジメチルベンジルア
ンモニウムクロリド及び相当するブロミド等、更にジヘ
キサデシルプロピルエチルアンモニウムメチルサルフェ
ート等が挙げられる。これらの有機カチオンは必要に応
じて、任意の一種又は二種以上が選択される。有機変性
粘土鉱物の製法としては、例えばイオン交換水に上記の
カチオン界面活性剤を溶解させ、その水溶液に粘土鉱物
を加え分散後、濾過及び乾燥を行なって得られる。これ
らの中でも、ジオクタデシルジメチルアンモニウム塩変
性モンモリロナイト、オクタデシルジメチルベンジルア
ンモニウム塩変性モンモリロナイト、ジヘキサデシルジ
メチルアンモニウム塩変性モンモリロナイトが好まし
い。市販品では、ベントン27、38（ナショナルレッド
社製）等が挙げられる。これら有機変性粘土鉱物は必要
に応じて任意の一種または二種以上を選択することがで
きる。

本発明で用いられる有機変性粘土鉱物の含有量は、請
求項１記載のゲル組成物全量中では、１〜20重量％が好
ましく、さらに好ましくは４〜15重量％である。１重量
％未満では良好なチキソトロピー性が得られず、20重量
％を越えるとゲル組成物製造時のホモディスパー撹拌が
難しくなる。

本発明に用いられる有機変性粘土鉱物の含有量は、請
求項２又は３記載のゲル組成物が美爪料の場合、美爪料
全量中では、0.05〜10重量％が好ましく、さらに好まし
くは0.1〜５重量％である。0.05重量％未満では、良好
なチキソトロピー性が得られず、10重量％を越えると、
光沢や経時のもち（ハガレ）が悪くなる。

本発明に用いられる有機変性粘土鉱物の含有量は、請
求項２又は３記載のゲル組成物が塗料の場合、塗料全量
中では、0.05〜10重量％が好ましく、さらに好ましくは
0.1〜３重量％である。0.05重量％未満では、良好なチ
キソトロピー性が得られず、10重量％を越えると、光沢
や経時のもち（ハガレ）が悪くなる。

本発明で用いられる溶剤としては、トルエン、キシレ
ン、ベンゼン又は酢酸ｎ−ブチル、酢酸イソブチル、酢
酸エチル等の酢酸エステル類、メチルエチルケトン、ア
セトン等のケトン類、ｎブタノール、イソプロピルアル
コール、エチルアルコール等のアルコール類、メチルセ
ロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、ベ
ンジルセロソルブ等のセロソルブ類、メチルカルビトー
ル、ブチルカルビトール等のカルビトール類等が挙げら
れる。これら溶剤は、必要に応じて、任意の一種又は二
種以上が選択される。

本発明に用いられる溶剤の含有量は、請求項１記載の
ゲル組成物全量中では、30〜99重量％が好ましく、さら
に好ましくは60〜96重量％である。30重量％未満ではゲ
ル組成物中の固形分濃度が大きすぎ分散不良になるた
め、良好なゲル組成物ができない。

本発明に用いられる溶剤の含有量は、請求項２又は３
記載のゲル組成物が美爪料の場合、美爪料全量中では、
50〜90重量％が好ましく、さらに好ましくは60〜80重量
％である。50重量％未満では、使用性が悪く、90重量％
を越えると、光沢や経時のもち（ハガレ）が悪くなる。

本発明に用いられる溶剤の含有量は、請求項２又は３
記載のゲル組成物が塗料の場合、塗料全量中では、30〜
70重量％が好ましく、さらに好ましくは40〜65重量％で
ある。30重量％未満では、使用性が悪く、70重量％を越
えると、光沢や経時のもち（ハガレ）が悪くなる。

本発明の請求項２又は３記載のゲル組成物に用いられ
る粉末としては、通常美爪料や塗料に配合されるものな
ら何でも良く、具体的には、タルク、カオリン、絹雲
母、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチ
ア雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カ
ルシウム、珪ソウ土、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カル
シウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、硫酸バ
リウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属
塩、シリカ、ヒドロキシアパタイト、ゼオライト、窒化
ホウ素、セラミックスパウダー等の無機粉末、ナイロン
パウダー、ポリエチレンパウダー、ベンゾグアナミンパ
ウダー、四弗化エチレンパウダー、スチレンジビニルベ
ンゼンコポリマーパウダー、ジスチレンベンゼンピンホ
ールポリマーパウダー、微結晶セルロース等の有機粉
体、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機白色顔料、酸化鉄
（ベンガラ）、チタン酸鉄等の無機赤色顔料、γ−酸化
鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系
顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色系顔
料、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等の無
機紫色系顔料、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コ
バルト等の無機緑色系顔料、群青、紺青等の無機青色系
顔料、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、オキ
シ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、魚鱗
箔、着色酸化チタンコーテッド雲母等のパール顔料、ベ
ントン等の粘土鉱物、アルミニウムパウダー、カッパー
パウダー等の金属粉末顔料、赤色201号、赤色202号、赤
色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228
号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄
色401号及び青色404号等の有機顔料、赤色３号、赤色10
4号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、
赤色505号、橙色205号、黄色４号、黄色５号、黄色202
号、黄色203号、緑色３号及び青色１号のジルコニウ
ム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料、ク
ロロフィル、β−カロチン等の天然色素、酸化マグネシ
ウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カ
ルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シ
リカ、水酸化鉄、二酸化チタン、低次酸化チタン、酸化
ジルコニウム、酸化クロム、水酸化クロム、酸化マンガ
ン、酸化コバルト、酸化ニッケル、チタン酸鉄、チタン
酸コバルト、アルミン酸コバルトなどが挙げられ、一種
又は二種以上が選択される。含有量としては、ゲル組成
物の用途によっても異なるが、通常ゲル組成物全量中、
0.001〜30重量％である。

本発明の請求項２記載のゲル組成物に更に、アニオン
性界面活性剤を加えると、経時での安定性が飛躍的に向
上する。これらアニオン性界面活性剤としては、有機溶
剤に溶解又は分散可能な物質である限り、広い範囲の物
質から選択できる。代表的なアニオン性界面活性剤とし
ては、リン酸エステル類、カルボン酸類、スルホン酸
類、硫酸エステル類等が挙げられる。

リン酸エステル類としては以下の（３）〜（５）で表
わされるものが挙げられる。

（式中、Ｒ₁、Ｒ₂、Ｒ₃は同一又は異なって置換基を
有し又は有しない炭素数１〜30個の炭化水素基、又は同
一又は異なって少なくとも１個がPO鎖及び／又はEO鎖を
有し末端に水素又は置換基を有し又は有しない炭素数１
〜30個の炭化水素基をもつ。）尚、PO鎖又はEO鎖を有する場合の付加モル数は１〜50
が好ましく、更に好ましくは１〜20である。

カルボン酸類としては以下のものが挙げられる。ポリ
オキシエチレンミリスチルエーテルカルボン酸、ポリオ
キシエチレンセチルエーテルカルボン酸等のエーテルカ
ルボン酸類、ラウロイルサルコシン酸、パルミトイルサ
ルコシン酸等のＮ−アシルサルコシン酸類等である。

スルホン酸類としては以下のものが挙げられる。ジオ
クチルスルホコハク酸、ジ−２−エチルヘキシルスルホ
コハク酸、ジ−ｎ−ヘキシルスルホコハク酸等のジアル
キルスルホコハク酸類、ラウリルベンゼンスルホン酸、
ミリスチルベンゼンスルホン酸等のアルキルアリルスル
ホン酸類等である。

硫酸エステル類としては以下のものが挙げられる。ミ
リスチル硫酸エステル、セチル硫酸エステル等のアルキ
ル硫酸エステル類、POEセチルエーテル硫酸エステル、P
OEノニルフェニルエーテル硫酸エステル等が挙げられ、
いずれも酸又は塩の形でありうる。その塩は、アルカリ
金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニア又は有機アミ
ン塩から選択される。これら塩としては、例えば水素、
リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カル
シウム、バリウム、アンモニア並びに有機アミン例えば
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン等又はこれらの組合せとの塩である。本発明で
用いられるアニオン性界面活性剤は上記に挙げたものの
中から一種又は二種以上が適宜選択され用いられる。

本発明に用いられるアニオン性界面活性剤の含有量
は、請求項３記載のゲル組成物が美爪料の場合、美爪料
全量中では、0.01〜５重量％が好ましく、さらに好まし
くは0.03〜３重量％である。0.01重量％未満では、長期
経時安定性を良好にできない傾向にあり、５重量％を越
えると、経時におけるもち（ハガレ）が悪くなる。

本発明に用いられるアニオン性界面活性剤の含有量
は、請求項３記載のゲル組成物が塗料の場合、塗料全量
中では、0.01〜５重量％が好ましく、さらに好ましくは
0.01〜２重量％である。0.01重量％未満では、長期経時
安定性を良好にできない傾向にあり、５重量％を越える
と、経時におけるもち（ハガレ）が悪くなる。

本発明のゲル組成物は、そのまま美爪料や塗料等とし
て、あるいはその他の成分を加えて美爪料や塗料等とし
て利用することができる。その他の成分としては、ニト
ロセルローズ1/2秒、ニトロセルローズ1/4秒、ニトロセ
ルローズ1/8秒、ニトロセルローズ1/16秒等の皮膜形成
剤、アルキッド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル
系樹脂、シュークローズ樹脂、スルホンアミド系樹脂、
ロジン系樹脂、フェノール系樹脂、アミノ系樹脂、エポ
キシ系樹脂等の樹脂、ジブチルフタレート、ジオクチル
フタレート、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルト
リブチル、クエン酸アセチルトリエチル、カンファー等
の可塑剤、その他の溶剤、紫外線吸収剤、保湿剤、薬
剤、香料、水溶性成分等が挙げられる。もちろんこれら
は本発明の目的を損なわない質的、量的条件下で使用さ
れなければならない。

本発明の請求項１記載のゲル組成物は、従来、必須で
あった強力な機械的せん断力を用いなくても均一な品質
のものが得られる利点がある。すなわち、PO鎖及び／又
はEO鎖を有するカチオン界面活性剤と、有機変性粘土鉱
物と、溶剤とを特定量配合し、撹拌混合することにより
容易に得られる。一例を挙げると、有機溶剤に予めPO鎖
及び／又はEO鎖を有するカチオン界面活性剤を溶解させ
た後、有機変性粘土鉱物を添加し、十分にホモディスパ
ー処理を行なって得られる。

本発明の請求項２記載のゲル組成物は、経時安定性に
優れているという利点がある。この場合、請求項１と同
様に強力な機械的せん断力を用いなくても安定性の良好
なものが得られる。すなわち、請求項１と同様な方法に
より得られたゲル組成物に粉末、または粉末とその他の
成分とを加え、混合撹拌して得られる美爪料や塗料等の
ゲル組成物は、経時安定性に優れるものである。また、
従来のように強力な機械的せん断力を用いて製造したも
のにおいても、経時安定性の効果に優れたものが得られ
る。例えば、有機変性粘土鉱物、硝化綿及び可塑剤から
なる混合物を２段加熱式ロールにかけて得られたチップ
を溶剤中に浸漬して膨潤させ、十分に分散させた後、PO
鎖及び／又はEO鎖を有するカチオン界面活性剤を特定量
配合し、ゲル組成物を製造し、該組成物に粉末、または
粉末と他の成分とを混合撹拌する方法や、有機変性粘土
鉱物及び硝化綿及び可塑剤からなる混合物を２段加熱式
ロールにかけて得られたチップを溶剤中に浸漬して膨潤
させ、十分に分散させてゲル組成物を製造し、該組成物
にPO鎖及び／又はEO鎖を有するカチオン界面活性剤と粉
末、またはこれらと他の成分とを混合撹拌する方法等が
挙げられる。

本発明の請求項３記載のゲル組成物は、請求項２のも
のよりもさらに経時安定性に優れているという利点があ
る。製造方法としては、請求項２記載のものと同様な方
法が挙げられる。

［発明の効果］本発明の請求項１記載のゲル組成物は、そのまま美爪
料や塗料等として、あるいはその他の成分を加えて美爪
料や塗料等として利用することができ、従来、必須であ
った強力な機械的せん断力を用いなくても均一な品質の
ものが得られる利点がある。

本発明の請求項２記載のゲル組成物は、そまま美爪料
や塗料等として、あるいはその他の成分を加えて美爪料
や塗料等として利用することができ、経時安定性に優れ
たものが得られる利点がある。この場合、請求項１と同
様に強力な機械的せん断力を用いなくても安定性の良好
なものが得られるばかりでなく、従来のように強力な機
械的せん断力を用いて製造したものにおいても、経時安
定性の効果に優れる。

本発明の請求項３記載のゲル組成物は、そのまま美爪
料や塗料等として、あるいはその他の成分を加えて美爪
料や塗料等として利用することができ、請求項２のもの
よりもさらに経時安定性に優れたものが得られる利点が
ある。この場合、請求項１と同様に強力な機械的せん断
力を用いなくても安定性の良好なものが得られるばかり
でなく、従来のように強力な機械的せん断力を用いて製
造したものにおいても、経時安定性の効果に優れる。

［実施例］以下実施例によって本発明を詳細に説明する。本発明
はこれらに限定されるものではない。配合量は重量％で
ある。

実施例に先立ち、効果試験について述べる。

チキソトロピー性又はゲル特性一般にこの種の組成物のチキソトロピー性ないしゲル
特性の良否は、粘土鉱物の層間距離をＸ線で測定し、評
価される。本試験方法もＸ線により、層間を測定した。
（第４級アンモニウム塩有機変性モンモリロナイトクレ
ーの場合、粉末状態での層間距離は９Åであり、ゲル組
成物で30Å以上の場合は良好とされる。）経時安定性美爪料又は塗料を容器に充填し経時の沈澱、及び分離
を肉眼で観察する。

◎ 沈澱、分離が全く認められない。

○ 沈澱、分離が僅かに認められる。

△ 沈澱、分離が非常に認められる。

塗膜の光沢美爪料又は塗料の実際の使用において、官能で評価。

◎ 非常に光沢がある。

○ やや光沢がある。

△ 光沢がない。

× 全く光沢がない。

経時のもち（ハガレ）（ｉ）美爪料の場合実際の使用（３日間）において官能で評価。

◎ 非常にもちが良い。

○ ややもちが良い。

△ もちが悪い。

× 非常にもちが悪い。

（ii）塗料の場合実際の使用（６ヵ月）において官能で評価。

◎ 非常にもちが良い。

○ ややもちが良い。

△ もちが悪い。

× 非常にもちが悪い。

実施例１〜８第１表に示す組成で請求項１のゲル組成物を製造し、
粘土鉱物の層間距離を求めた。なお、製法はそれぞれの
成分を混合し、ホモディスパーで撹拌しゲル組成物を得
た。

本発明の請求項１のゲル組成物は、製造工程として
は、極めて短時間で簡便であるにもかかわらず、第１表
に示すように該クレーの層間距離が40〜46Åであり、チ
キソトロピー性ないしゲル特性が良好であることを示し
ている。

実施例９〜24 第２表に示す組成で請求項１のゲル組成物を製造し
た。なお、製法は〜の成分を混合し、ホモディスパ
ーで撹拌しゲル組成物を得た。

実施例25〜38 実施例９〜24のゲル組成物を用いて請求項２又は３の
ゲル組成物（美爪料）を製造した。製造方法は常法によ
った。処方及び得られたゲル組成物（美爪料）の効果デ
ータを第３表に示す。

第３表から明らかなように本発明の請求項２又は３の
ゲル組成物（美爪料）は、顔料やパール剤の沈降が無
く、経時安定性に優れ、しかも塗膜物性及び使用性が良
好であった。特にアニオン界面活性剤を配合した請求項
３のゲル組成物は更に長期経時安定性に優れていた。

実施例39〜46 実施例９〜24のゲル組成物を用いて請求項２又は３の
ゲル組成物（塗料）を製造した。製造方法は常法によっ
た。処方及び得られたゲル組成物（塗料）の効果データ
を第４表に示す。

第４表から明らかなように本発明の請求項２又は３の
ゲル組成物（塗料）は、顔料やパール剤の沈降が無く、
経時安定性に優れ、しかも塗膜物性が良好であった。特
にアニオン界面活性剤を配合した請求項３のゲル組成物
は更に長期経時安定性に優れていた。

実施例47,48、比較例1,2 第５表に本発明に係る請求項２又は３のゲル組成物
（美爪料）の実施例及び比較例を示す。なお、表中のゲ
ル組成物No.は第６表に表す組成及び製造法で得られた
ゲル組成物である。

製法〜からなる混合物を２段加熱ロールにかけて得ら
れたチップを中に浸漬して膨潤させ、十分に分散させ
てゲル組成物を製造した。

尚、ゲル組成物製造No.3は、更にを添加して分散させ
た。

第５表から明らかなように本発明の請求項２又は３の
ゲル組成物（美爪料）は、顔料等の沈降が無く、経時安
定性に優れ、しかも塗膜物性が良好であった。特にアニ
オン界面活性剤を配合した請求項３のゲル組成物は更に
長期経時安定性に優れていた。

実施例49、比較例３第７表に本発明に係る請求項３のゲル組成物（塗料）
の実施例及び比較例を示す。なお、表中のゲル組成物N
o.は第６表に表す組成及び製造法で得られたゲル組成物
である。

第７表から明らかなように本発明の請求項３のゲル組
成物（塗料）は、顔料等の沈降が無く、経時安定性に優
れ、しかも塗膜物性が良好であった。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者石渡正昭神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地株式会社資生堂研究所内 (72)発明者中野幹清神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地株式会社資生堂研究所内審査官野田直人 (56)参考文献特開昭54−126739（ＪＰ，Ａ)

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】プロピレンオキサイド鎖及び／又はエチレ
ンオキサイド鎖を有するカチオン界面活性剤の一種又は
二種以上と、有機変性粘土鉱物と、溶剤とを含有するこ
とを特徴とするゲル組成物。
【請求項２】請求項１記載のゲル組成物に、更に粉末が
含有されていることを特徴とするゲル組成物。
【請求項３】請求項１記載のゲル組成物に、更に粉末
と、アニオン性界面活性剤とが含有されていることを特
徴とするゲル組成物。