JP2681784B2 - トナー用結着樹脂 - Google Patents

トナー用結着樹脂

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JP2681784B2 JP63044356A JP4435688A JP2681784B2 JP 2681784 B2 JP2681784 B2 JP 2681784B2 JP 63044356 A JP63044356 A JP 63044356A JP 4435688 A JP4435688 A JP 4435688A JP 2681784 B2 JP2681784 B2 JP 2681784B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電子写真式、静電記録、静電印刷などにおけ
る静電荷像を現像するためのトナーのトナー用結着樹脂
に関する。
[従来の技術] 従来、電子写真法としては米国特許第2,297,691号明
細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公
報等に記載されている如く、多数の方法が知られている
が、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により
感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナー
を用いて現像し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画
像を転写した後、加熱、圧力、或いは溶剤蒸気などによ
り定着し複写物を得るものである。
またトナー画像を転写する工程を有する場合には、通
常残余のトナーを除去するための工程が設けられてい
る。
電気的潜像をトナーを用いて可視化する現像方法は例
えば、米国特許第2,874,063号明細書に記載されている
磁気ブラシ法、同2,618,552号明細書に記載されている
カスケード現像法及び同2,221,776号明細書に記載され
ている粉末雲法、米国特許第3,909,258号明細書に記載
されている導電性の磁性トナーを用いる方法などが知ら
れている。
これらの現像法に適用するトナーとしては、従来、天
然あるいは合成樹脂中に染料・顔料を分散させた微粉末
が使用されている。例えば、ポリスチレンなどの結着樹
脂中に着色剤を分散させたものを1〜30μ程度に微粉砕
した粒子がトナーとして用いられている。磁性トナーと
してはマグネタイト等の磁性体粒子を含有せしめたもの
が用いられている。一方、いわゆる二成分現像剤を用い
る方式の場合に、トナーが通常ガラスビーズ、鉄粉など
のキヤリアー粒子と混合されて用いられている。
今日、このような記録方法は、一般的な複写機だけで
なくコンピユーターの出力や、マイクロフィルムの焼付
けなどに広く利用されてきている。そのため、要求され
る性能もより高度になり、より小型化、より軽量化、よ
り低エネルギー化、より高速化、よりメンテナンスフリ
ー、よりパーソナルというようなさまざまの性能を同時
に要求されるようになってきた。これらを満足するため
に、トナーに対する要求も種々の面でより厳しくなって
きている。例えば、より小型化すると定着器、露光ラン
プなどの熱源が狭い所に押し込められるため、機内の温
度は高くなりやすい。そのためトナーのブロッキング性
はより向上しなければならない。また軽量化するために
は、定着ローラはより肉薄で、細く設計され、定着ロー
ラのクリーニング機構や、感光体のクリーニング機構
は、シンプルで軽いものになる方向に行くため、当然、
定着器にオフセット防止用オイルなどの塗布装置はつけ
ない方向である。そのためトナーの定着性、耐オフセッ
ト性、感光体の耐クリーニング性を向上しなければなら
ない。また、より低エネルギー化、より高速化するため
には、トナーの定着性は当然向上させねばならず、より
パーソナル化するためには、信頼性を向上させる必要が
あり、ジャムなど起さないことが重要となってくる。ジ
ャムは一般に定着器のローラにコピー紙が巻付く時起る
ことが多く、トナーの定着ローラ巻付き性向上が必要と
なってくる。しかしながら、トナーの製造に要求される
特性及びトナーそのものの諸特性は相反するものが多
い。
以上のような例をとって見ても、トナーに対する要求
はきびしいが、これらを同時に向上させなければ要望を
みたすことはできない。しかしながらこれらを実現する
ために、例えば画質やトナーの耐久性などの現像特性さ
らにトナーの生産効率を低下させては意味がない。
特に、今日の複写装置は、低エネルギーでより高速化
が強く望まれ、装置の耐久性も向上してきているため、
強い機械的負荷の中に長くさらされる。そのため、トナ
ーは従来にない高耐久性が要求され、しかも、長期にわ
たって、高品位、高解像を維持しなければならない。
これらの性能はトナーの均質性による所が大きい。特
に着色剤や定着補助剤として用いるポリオレフィン、ま
た、磁性トナーの場合、トナー中に30〜60重量%も含有
させる磁性体など、これらのトナー中での分散が高耐久
性のポイントとなる。
これらは主にトナーの結着樹脂の性能による所が大で
ある。離型剤や、可塑剤、その他の添加剤によってこれ
らを改善しようという提案も多いが、これらは補助的で
ある。このため、結着樹脂の改善について種々の方法が
提案されている。
例えば特公昭51−23354号公報に結着樹脂として架橋
された重合体を用いたトナーが提案されている。その方
法に従えば耐オフセット性、耐巻付き性の改良には著し
いものがあるが反面架橋度を増すと定着点が上昇してし
まい、充分定着温度が低くて、耐オフセット性、耐巻付
き性が良好な十分な定着特性のものは得られていない。
一般的に定着性を向上させるためには、バインダー樹脂
を低分子量化して軟化点を低下させねばならず、耐オフ
セット性の改善処置とは相反することになり、また低軟
化点とするために必然的に樹脂のガラス転移点が低下し
保存中のトナーがブロッキングするという好ましくない
現象もおこる。そこで特開昭59−88948号公報のごとく
低温定着と耐オフセット性を満足させるべく低分子量化
した重合体とゲル70%以上に架橋した重合体とをブレン
ドしたトナーが提案されたが架橋した重合体は他の重合
体と相溶性が悪く良好な定着性及び現像性を満足するト
ナーは得られていない。さらに架橋された重合体におい
ては、トナー中に添加する成分である顔料、荷電制御
剤、離型剤などが分散しにくいという問題があり、トナ
ーとして良好な現像特性を得ることが難しいという問題
点がある。
また、粉砕性と定着性向上のために、特公昭60−2041
1号公報のごとく数平均分子量が100,000〜500,000の高
重合体と、他のモノマー成分を混合後、重合させて均一
の重合体を得、バインダー樹脂とすることが提案された
が、この方法では樹脂成分中に耐オフセット性、定着ロ
ーラーへの非巻付き性を満足させるほどの高架橋成分を
含有させることはできず、また一部できた場合でも重合
体同志の相溶性が悪いために均一に含有させることがで
きず、トナーバインダーとして用いた場合には、添加剤
の分散性が悪く、現像特性定着性を満足するトナーが得
られていないのが現状である。
またさらに、特開昭56−158340号公報に、低分子量重
合体と高分子量重合体とよりなるトナーが提案されてい
るが、このバインダー樹脂は、実際には架橋成分を含有
させることが難しいため、より高性能に耐オフセット性
を向上させるためには、高分子量重合体の分子量を大き
くするか、比率を増す必要がある。この方向は粉砕性を
著しく低下させる方向であり、実用上満足するものは得
られにくい。さらに低分子量重合体と架橋した重合体と
をブレンドしたトナーに関し、特開昭58−86558号公報
に、低分子量重合体と不溶不融性高分子量重合体を主要
樹脂成分とするトナーが提案されている。その方法に従
えば、定着性、粉砕性の改良は行われると思われるが、
低分子量重合体の重量平均分子量/数平均分子量(Mw/M
n)が3.5以下と小さいこと、及び不溶不融性高分子量重
合体が40〜90重量%と大きいことにより、耐オフセット
性と粉砕性を共に高性能で満足することが難しく、実際
上はオフセット防止用液体の供給装置をもつ定着器でな
ければ、定着性、耐オフセット性、粉砕性を充分満足す
るトナーを生成することは極めて困難である。さらに不
溶不融性高分子量重合体が、多くなるトナー作成時の熱
混練で、溶融粘度が非常に高くなるため、通常よりはる
かに高温で熱混練するか、あるいは高いシェアで熱混練
しなければならず、その結果、前者は他の添加剤の熱分
解によるトナー特性の低下、後者はバインダー樹脂の分
子の過度の切断が起り、当初の耐オフセット性能が出に
くいという問題を有している。
またこのように高架橋成分と低分子量成分の混合され
ている状態に磁性体や、定着補助剤、例えばポリオレフ
ィン類などを分散するのは容易ではなく、従来の複写装
置では、問題ないかも知れないが、より高耐久性を考慮
したとき、かなり厳しいと言える。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、種々の項目ですぐれた性能を同時に
満足するトナー用結着樹脂を提供することにある。
また、本発明の目的は、定着性がすぐれ、同時にオフ
セット性、巻付き性、ブロッキング性のすぐれたトナー
用結着樹脂を提供することである。
また本発明の目的は、粉砕性が良くトナーの生産効率
の良いトナー用結着樹脂を提供することである。
また、本発明の目的は、粉砕時の装置内への耐融着性
または感光体などの耐融着性のすぐれたトナー用結着樹
脂を提供することである。
また、本発明の目的は、着色剤、離型剤、特に磁性体
などの分散性の良いトナー用結着樹脂を提供することで
ある。
また、本発明の目的は、現像性、特に画質、耐久性など
において優れたトナー用結着樹脂を提供することであ
る。
[課題を解決するための手段及び作用] すなわち、本発明は、第1のビニル系重合体をビニル
系モノマー成分に溶解または混合させてモノマー組成物
を調製し、該モノマー組成物を架橋剤の存在下で重合す
ることによって得られたゲル成分及びテトラヒドロフラ
ン可溶成分を含有しているトナー用結着樹脂であって、 該トナー用結着樹脂は、実質的に球形もしくは球形
粒子の集合体である平均粒径が0.1〜0.7mmのビニル系樹
脂粒子であり、かつ、ゲル成分を0.1〜60重量%含有
し、テトラヒドロフラン可溶成分のGPCによるクロマト
グラムにおいて、分子量1000〜25000の領域にメインピ
ーク値を有し、かつ分子量3000〜150000の領域であり、
かつ該メインピーク値よりも高分子量側に少なくとも1
つのサブピークまたはサブショルダーを有しており、分
子量50万以上の成分を0〜20重量%、分子量3万超〜50
万未満の成分を10〜60重量%及び分子量3万以下の成分
を20〜90重量%、それぞれテトラヒドロフラン可溶成分
の重量基準で含有していることを特徴とするトナー用結
着樹脂に関する。
本発明の構成について説明する。
前記のような目的を同時に達成するため、種々のバイ
ンダー樹脂を用い、その構成と性能について、さまざま
の角度から鋭意検討した結果、バインダー樹脂のゲル成
分の割合と、THF可溶分の分子量分布の特定の構成のと
きに達成できることを見出した。
特にゲル成分においては、主に耐オフセット、粉砕
性、巻付き性さらに添加剤の分散性、定着性に影響を与
え、一方THF可溶分の分子量分布におけるメインピーク
及びサブピークあるいはサブショルダーの位置が主に粉
砕性、分散性、耐ブロッキング性、定着性に影響してい
ることがわかった。
従ってトナー用樹脂に要求される成分としては、溶媒
不溶成分であるゲル成分を含む高分子量領域と、溶媒可
溶成分である低分子量領域の両成分が必要であり、それ
が均一に混在していることが重要である。
本発明における樹脂組成物においては、架橋域成分を
含む高分子重合体から低分子重合体まで、均一に混合さ
れていることが必要である。架橋域成分を含む高分子量
重合体は、溶媒に不溶であるため、この高分子量重合体
と低分子量重合体を重合体同士で溶液状の混合状態にす
るのは困難であり、見かけ上混合していても、真に均一
混合しているわけではない。さらにこの高分子重合体
を、低分子量重合体と熱溶融して機械的に混合する方法
では、これもまた真に均一に混合しているとは言えな
い。そこで、低温定着、添加剤の分散性に有効な低分子
量成分と、オフセット、巻付きに有効な架橋域成分とを
均一に混合した状態にするためには、低分子量成分と架
橋域成分とをつなぐ架橋していない中、高分子量域成分
の存在が有効となる。さらに中,高分子量域成分は、分
子量とその割合がつなぎの役目のみならず、低温定着、
オフセット、トナーの粉砕性、などの点に大きく効果の
あることが判明した。そこで架橋域成分をもつ高分子量
重合体と、低分子量重合体を均一に混合した樹脂組成物
を得るためには、低分子量重合体をあらかじめ架橋剤と
共に、中,高分子量重合体を与えるモノマー成分に溶解
または混合させて、再び重合させ、2段目の重合によっ
て、架橋域成分をもたせた高分子量重合体を得る方法が
用いられる。
従って、本発明においては、第1のビニル系重合体を
ビニル系モノマー成分に溶解または混合させてモノマー
組成物を調製し、該モノマー組成物を架橋剤の存在下で
重合することによってゲル成分及びテトラヒドロフラン
可溶成分を含有しているトナー用結着樹脂を得る方法が
用いられる。
本発明の樹脂組成物中の低分子量重合体は、塊状重合
法、溶液重合法などの通常用いられる重合法で得ること
ができる。
塊状重合法では、高温で重合させて停止反応速度をは
やめることで、低分子量の重合体を得ることができる
が、反応をコントロールしにくい問題点がある。その
点、溶液重合法では溶媒によるラジカルの連鎖移動の差
を利用して、また開始剤量や反応温度を調節することで
低分子量重合体を温和な条件で容易に得ることができ、
本発明で用いる樹脂組成物中の低分子量体を得るには好
ましい。尚、溶液重合法のみでゲル成分を必要量含有し
ている樹脂を合成することは難しい。この低分子量重合
体は、前述の架橋剤及び架橋域成分を含む中,高分子量
重合体を与えるモノマーと共に、再び重合するわけでは
ないが、溶媒に不溶成分となるまでの架橋域のゲル成分
を得る重合法としては、乳化重合法や懸濁重合法があげ
られ、特に懸濁重合法が好ましい。
懸濁重合法によれば、懸濁状態となった低分子量重合
体を含んだモノマーが、架橋剤と共に重合することによ
って、樹脂組成物は、パール状に形状が整い、低分子量
重合体から架橋域成分を含む中,高分子量重合体まで
が、均一に混合された好ましい状態で得ることができ
る。
本発明の樹脂粒子は、実質的に球形もしくは球形粒子
の集合体である。これは、分散媒及び分散質を用いた重
合法において、ある程度自然に生成されるものである。
このため樹脂粉は、流動性が良く取り扱いやすいという
長所をもち、また、溶液重合法や、塊状重合法と異なり
塊を粉砕し細かくする工程が不必要なため、生産効率が
良いが、トナー用の材料として若干問題となる場合があ
る。すなわち、樹脂粉と他材料、例えば、顔料,離型
剤,磁性体などと流動性(比重)が極端に異なるため、
熱混練の前段階の粉体混合時に充分混ざらないという問
題が生じる。従来知られる結着樹脂では、次の熱混練の
工程でこれを補い通常の使用に耐えるトナーを作ること
ができる。本発明の構成の樹脂では、通常の使用は良い
が高耐久性ということを考慮すると、従来の考え方では
不充分ということを見出した。すなわち、結着樹脂に、
架橋成分を含む高分子量成分と低分子量成分とが均一に
含有される場合、架橋の網目の中に存在する低分子量部
分にも充分に他の材料が入り込み分散する必要があると
考えられ、そのためには、熱混練の前工程の粉体混合時
に充分均一化しておくことが必要と考えられる。
検討の結果、その平均粒子径が0.10mmより小さいと嵩
が大きくなり分散しにくくなる上、粒子径を小さくする
ために分散剤であるポリビニルアルコールやリン酸カル
シウムなどを多く含有させることになり、トナーの静電
的性質、特に環境特性を悪化させる傾向にある。また平
均粒径が0.7mmより大きいと、粉体混合時に、磁性体な
どとの分散が悪く、長期耐久性が問題となる。好ましく
は、平均粒径が0.15〜0.4mmである。
ここでいう平均粒子径はふるいにより求めた分布の累
積50重量%値であり、(以下D50%と表わす)、さらに
好ましい態様としては、累積10%値(以下D10%と表わ
す)が0.09〜0.4mm、好ましくは0.1〜0.2mm、以下同様
に表現すると、D20%が0.12〜0.5mm、好ましくは0.13〜
0.25mm、D30%〜D50%が0.15〜0.7mm、好ましくは0.15
〜0.4mmであり、D60%〜D80%が0.15〜0.8mm、好ましく
は0.25〜0.7mmであり、D90%〜D100%が0.2〜0.8mm、好
ましくは0.5〜0.8mmであり、20メッシュの上の割合が10
重量%以下、好ましくは5重量%以下である。
この粒子分布の測定方法は、以下に示す。
ロータップ式振動ふるい機に、JIS標準フルイの20,4
2,60,80,100,200メッシュを取り付け、振動数290rpm、
振動時間330秒、サンプル33gで行った。
さらに、前記GPCの分子量分布において、分子量が3
万と50万を境界としてクロマトグラムを三分割し、高分
子量側より、それぞれA成分(50万以上の領域)、B成
分(3万超〜50万未満の領域)、C成分(3万以下の領
域)とし、クロマトグラム全体に対するそれぞれの構成
割合を、クロマトグラムの積分値あるいは、クロマトグ
ラムを切りぬいて三分割し、それぞれの重量により割合
を算出するという重量法で求めたとき、その構成割合が
A成分0〜20%、好ましくは0〜15%、さらに好ましく
は0〜10%;B成分10〜60%、好ましくは15〜55%、さら
に好ましくは20〜50%;C成分20〜90%、好ましくは35〜
80%、さらに好ましくは40〜70%であることが好まし
い。
これらの理由は、具体的に樹脂組成物中のゲル成分
が、60%を超えると、架橋成分の溶融特性のために、ト
ナーに用いた場合、定着温度の上昇を招き、さらに添加
剤の分散が悪くなる。さらに樹脂混練時に高架橋域成分
の切断が起こりやすく、トナーの設計に支障をきたす原
因となる。ゲル成分が0.1%未満では、オフセット、ロ
ーラーへの巻き付きが起こりやすく、さらにゲル成分が
0.1%未満かつ高分子量域が多い場合には、粉砕性が著
しく悪化する。
溶媒可溶成分の分子量が1000〜25000にメインピーク
値がなく、メインピーク値が25000を超えると作成した
トナーの定着温度が上昇し、定着温度域がせまくなり、
粉砕性も悪化して生産効率の低下を招く。メインピーク
値の分子量が1000未満であると、作成したトナーは、耐
オフセット性、ローラーへの巻付きが著しく悪くなり、
またブロッキングに問題が生じることがある。サブピー
クまたはサブショルダー値の分子量が3000〜150000にな
く、その値が150000を超える場合には、トナー作成時に
添加剤の分散性が悪く、定着温度も著しく上昇し、さら
に粉砕性も著しく悪化する。サブピークまたはサブショ
ルダー値の分子量が3000未満では、作成したトナーは耐
オフセット性、ローラーへの巻付きが悪くなり、ブロッ
キングに問題を生じることがある。本発明の樹脂組成物
及びそれを用いたトナーにおいては、上記問題は著しく
改善され、耐オフセット、耐ローラー巻付きに優れ、定
着温度域が広く、しかも現像特性が優れた粉砕性の良好
なトナーが得られる。
この原因は、架橋域を含む高分子量重合体成分から低
分子量重合体成分まで均一に混合されている樹脂組成物
では、架橋領域の中に高分子量及び低分子量のセグメン
トが混然一体化していると考えられ、架橋を含む高分子
量成分が、熱溶融時に、マトリックスとして凝集力の低
下及び過度の流動性を防ぎ、一方では低分子量成分が熱
溶融性を示す結果、低温度で熱溶融されるが、高温度で
も凝集力の低下、過度の流動がおさえられるというすぐ
れた熱溶融特性を示すものと考えられる。本発明で言う
低分子量成分から高架橋成分まで均一に混合されている
重合体とは、それを用いてトナーを作成した場合、不均
一に混合された重合体の場合に生じる繰り返しの使用に
よる画像濃度の低下、カブリが実際上発生しないものを
意味する。
また粉砕性に関しては、架橋領域以外の高分子量域成
分が組成物に強靱性を与える一方で架橋領域成分がもろ
さを与え、低分子量域成分がさらに粉砕され易さを付与
することで、全体的に優れた生産効率を良くするために
必要な粉砕特性が生じるものと考えられる。
本発明でのゲル成分とは、樹脂組成物中の架橋されて
溶媒に対して不溶性となったポリマー成分の重量割合を
示し、高架橋成分を含む樹脂組成物の架橋の程度を示す
パラメータとして、使うことができる。ゲル成分とは、
以下のように測定された値をもって定義する。
すなわち樹脂試料として、0.5〜1.0gの一定量樹脂を
秤量し(w1g)、円筒濾紙(東洋濾紙製No.86R)に入れ
てソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてクロロホルム
あるいはTHF100〜200mlを用いて6時間抽出し、溶媒に
よって抽出された可溶成分をエバポレートした後、100
℃で数時間真空乾燥し可溶樹脂成分量を秤量し(w
2g)、以下の式に従って計算する。なお、抽出溶媒とす
るクロロホルム、あるいはTHFは、樹脂試料に対する溶
解性あるいは膨潤性がほとんどかわらないので、どちら
かにきめて使用することができる。
ゲル成分含有率=(w1−w2)/W1×100(%) 以上の操作で得られた溶媒可溶成分の蒸発乾固物はTH
F(テトラヒドロフラン)に溶解させ、サンプル処理フ
ィルターを通過させた後、GPCの試料とする。
本発明において、GPCによるクロマトグラムのピーク
または/およびショルダーの分子量は次の条件で測定さ
れる。
すなわち、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定
化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを
毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.1重量%
に調整した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測
定する。試料の分子量測定にあっては、試料の有する分
子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により
作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算
出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料として
は、例えば、Pressure Chemical Co(ブレス ウレ ケ
ミカル).製或いは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×
102,2.1×103,4×103,1.75×104,5.1×104,1.1×105,3.
9×105,8.6×105,2×106,4.48×106のものを用い、少な
くとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適
当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用い
る。
なお、カラムとしては103〜4×106の分子量領域を適
格に測定するために、市販のポリスチレンレンゲルカラ
ムを複数組合せるのが良く、例えば、waters社製のμ−
Styragel(スティラゲル)500,103,104,105の組合せ
や、昭和電工社製のShodex(ショウデックス)KF−80M
や、KF−802,803,804,805の組合せ、KA−802,803,804,8
05の組合せ、あるいは東洋曹達製のTSK gelG1000H,G200
0H,G2500H,G3000H,G4000H,G5000H,G6000H,G7000H,GMHの
中のの任意の組合せが望ましい。
本発明における樹脂組成物は、架橋成分を含む高分子
量重合体成分と低分子量重合体成分を含有し、そのどち
らも、スチレン類、アクリル酸類、メタクリル酸類及び
その誘導体から選ばれる1種以上のビニル系モノマーを
重合して得られたビニル系樹脂であり、このビニル系樹
脂は、現像特性及び帯電特性等が好ましい。本発明に用
いられるビニル系モノマーの例としては、スチレン類と
してスチレン,α−メチルスチレン,ビニルトルエン,
クロルスチレンなどがあげられ、アクリル酸類,メタク
リル酸類及びその誘導体としては、アクリル酸,アクリ
ル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸プロピル,
アルリル酸ブチル,アクリル酸オクチル,アクリル酸2
−エチルヘキシル,アクリル酸n−テトラデシル,アク
リル酸n−ヘキサデシル,アクリル酸ラウリル,アクリ
ル酸シクロヘキシル,アクリル酸ジエチルアミノエチ
ル,アクリル酸ジメチルアミノエチルなどのアクリル酸
エステル類があげられ、同様にメタクリル酸,メタクリ
ル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸プロピ
ル,メタクリル酸ブチル,メタクリル酸アミル,メタク
リル酸ヘキシル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,メ
タクリル酸オクチル,メタクリル酸デシル,メタクリル
酸ドデシル,メタクリル酸ラウリル,メタクリル酸シク
ロヘキシル,メタクリル酸フェニル,メタクリル酸2−
ヒドロキシエチル,メタクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ル,メタクリル酸ジメチルアミノエチル,メタクリル酸
グリシジル,メタクリル酸ステアリルなどのメタクリル
酸エステル類があげられる。さらに本発明の樹脂成分に
おける架橋域を含む高分子量重合体成分と、低分子量重
合体成分には、前述のビニル系モノマー以外に、本発明
の目的を達成しうる範囲で少量の他のビニル系モノマ
ー、例えばアクリロニトリル,2−ビニルピリジン,4−ビ
ニルピリジン,ビニルカルバゾール,ビニルメチルエー
テル,ブタジエン,イソブレン,無水マレイン,マレイ
ン酸,マレイン酸モノエステル類,マレイン酸ジエステ
ル類,酢酸ビニルなどが用いられても良い。
本発明の樹脂製造時における架橋成分を形成するため
に用いられる架橋剤としては、2官能の架橋剤として、
ジビニルベンゼン,ビス(4アクリロキシポリエトキシ
フェニル)プロパン,エチレングリコールジアクリレー
ト,1,3−ブリレングリコールジアクリレート,1,4−ブタ
ンジオールジアクリレート,1,5−ペンタンジオールジア
クリレート,1,6−ヘキサングリコールジアクリレート,
ネオペンチルグリコールジアクリレート,ジエチレング
リコールジアクリレート,トリエチレングリコールジア
クリレート,テトラエチレングリコールジアクリレー
ト,ポリエチレングリコール#200,#400,#600の各ジ
アクリレート,ジブロピレングリコールジアクリレー
ト,ポリプロピレングリコールジアクリレート,ポリエ
ステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬)、及び以上
のアクリレートをメタクリレートにかえたもの全て、多
官能の架橋剤としてペンタエリスリトールトリアクリレ
ート,トリメチロールエタントリアクリレート,トリメ
チロールプロパントリアクリレート,テトラメチロール
メタンテトラアクリレート,オリゴエステルアクリレー
ト及びそのメタクリレート,2,2−ビス(4−メタクリロ
キシ,ポリエキシフェニル)プロパン,ジアリルフタレ
ート,トリアリルシアヌレート,トリアリルイソシアヌ
レート,トリアリルトリメリテート,ジアリールクロレ
ンデート等があげられる。
本発明の樹脂を製造する時の開始剤、溶剤の種類及び
反応条件の選択は本発明の目的とする樹脂を得る為に重
要な要素である。開始剤としては例えばベンゾイルパー
オキシド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(t
−ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキシ
ド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロ
ピル)ベンゼン、t−ブチルパーオキシクメン、ジ−t
−ブチルパーオキシド等の有機過酸化物、アゾビスイソ
ブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン等のアゾおよび
アゾ化合物などが利用出来る。以下は具体的に本発明に
係わる、溶液重合及び懸濁重合に関して述べる。
溶液重合で用いる溶媒としては、キシレン、トルエ
ン、クメン、酸酸セロソルブ、イソプロピルアルコー
ル、ベンゼン等が用いられる。スチレンモノマーの場合
はキシレン、トルエンまたはクメンが好ましい。重合生
成するポリマーによって適宜選択される。また開始剤
は、ジ−tertブチルパーオキサイド、tert−ブチルパー
オキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)等がモノマー100重量
部に対して0.1重量部以上(好ましくは0.4〜15重量部)
の濃度で用いられる。反応温度としては、使用する溶
媒、開始剤、重合するポリマーによって異なるが、70℃
〜180℃でおこなうのが良い。溶液重合においては溶媒1
00重量部に対してモノマー30重量部〜400重量部で行う
のが好ましい。
懸濁重合においては、水系溶媒100重量部に対してモ
ノマー100重量部以下(好ましくは10〜90重量部)で行
なうのが良い。使用可能な分散剤としては、ポリビニル
アルコール、ポリビニルアルコール部分ケン化物、リン
酸カルシウム等が用いられ、水系溶媒に対するモノマー
量等で適当量があるが、一般に水系溶媒100重量部に対
し0.01〜1重量部で用いられる。重合温度は50〜95℃が
適当であるが使用する開始剤、目的とするポリマーによ
って適宜選択すべきである。また開始剤種類としては、
水に不溶あるいは難溶のもであれば、用いることが可能
であるが、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、tert−
ブチルパーオキシヘキサノエート等が、モノマー100重
量部に対し0.5〜10重量部で用いられる。
本発明の樹脂を用いたトナー中には上記結着樹脂成分
の他に、本発明の効果に悪影響を与えない範囲で、該結
着樹脂成分の含有量より少ない割合で以下の化合物を含
有させてもよい。
例えば、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラー
ル、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹
脂、低分子量ポリエチレンまたは低分子量ポリプロピレ
ンの如き脂肪族または脂肪族炭水化水素樹脂、芳香族系
石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなど
である。
本発明の結着樹脂を使用して磁性トナーを調製すると
きには、トナー中に磁性微粒子を含有させる。磁性微粒
子としては磁性を示すか磁化可能な材料であればよく、
例えば鉄、マンガン、ニッケル、コバルト、クロムなど
の金属、マグネタイト、ヘマタイト、各種フェライト、
マクガン合金、その他の強磁性合金などがあり、これら
を平均粒径約0.05〜5μ(より好ましくは0.1〜1μ)
の微粉末としたものが使用できる。磁性トナー中に含有
させる磁性微粒子の量は、トナー総重量の15〜80重量%
が良い。
また本発明に係わるトナーには着色・荷電制御等の目
的で種々の物質を添加することができる。例えば、カー
ボンブラック、鉄黒、グラファイト、ニグロシン、モノ
アゾ染料の金属錯体、群青、フタロシアニンブルー、ハ
イザイエロー、ベンジジンイエロー、キナクリドン、各
種レーキ顔料などである。
上述した結着樹脂、磁性微粒子、着色剤、荷電制御剤
等から作製したトナーは、現像器内でうける負荷に対し
て強い耐性を有し、耐久試験において破砕されて劣化す
ることはなかった。
定着補助剤として、エチレン径オレフィン重合体を結
着樹脂とともに用いても良い。
ここでエチレン系オレフィン単重合体もしくはエチレ
ン系オレフィン共重合体として適用するものには、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチ
ルアクリレート共重合体、ポリエチレン骨格を有するア
イオノマーなどがあり、上記共重合体においてはオレフ
ィンモノマーを50モル%以上(より好ましくは60モル%
以上)含んでいるものが好ましい。
本発明に係る樹脂を用いてトナーを作成する方法は、
トナー材料を粉体で混合する工程、熱混練する工程、粉
砕する工程からなり、必要に応じて分級される工程が加
えられる。
次に、本発明に係る樹脂を用いた現像剤を適用する電
子写真法について説明する。
電気的潜像をトナーを用いて現像する工程には、前述
の磁気ブラシ法、カスケード現像法、粉末雲法、米国特
許第3,909,258号明細書に記載されている導電性の磁性
トナーを用いる方法、特開昭53−31136号公報に記載さ
れている高抵抗の磁性トナーを用いる方法などがある。
本発明に係る樹脂を用いた現像剤は、磁性微粒子を含有
させた、いわゆる一成分系現像剤を用いる現像方法にも
適している。現像画像を被転写部材に転写する工程に
は、コロナ転写方式、バイアス転写方式などの静電転写
方式などが用いられる。
さらに本発明の結着樹脂を使用したトナーにおいて、
感光層もしくは絶縁層上の残余のトナーを除去する工程
には、ブレードクリーニング方式、ファーブラシクリー
ニング方式などが適用されるが、特にブレードクリーニ
ング方式に適している。
また被転写部材上の粉像は該部材上に定着される必要
があるが、そのための方法としては、加熱定着方法、溶
剤定着方式、フラッシュ定着方式、ラミネート定着方式
などを用いうるが、特に加熱ローラ定着方式に適してい
る。
[実施例] 以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、こ
れは本発明を何ら限定するものではない。
尚、実施例中の部は重量部を示す。
合成例−1 沸点下にあるトルエン200部中に、スチレン85部、n
−ブチルアクリレート10部、α−メチルスチレン5部、
ジ−tert−ブチルパーオキサイド8部の混合液を5時間
かけて滴下し、その後、さらに3時間、沸点下に保って
重合させ、減圧下でトルエンをのぞき低分子量重合体−
1を得た。次に低分子重合体−150部、スチレン75部、
n−ブチルアクリレート24部、ジビニルベンゼン0.4
部、ベンゾイルパーオキシド1.0部の均一混合液を重合
度2000のポリビニルアルコール部分ケン化物0.8部を溶
解させた水400部中に攪拌スピード200r.p.m.で特定の攪
拌羽根を用いて懸濁分散させ、重合温度80℃にて15時間
重合させ、ゲル成分を含む高分子量重合体から低分子量
重合体まで均一に混合されたパール状の樹脂組成物を
得、減圧乾燥して、樹脂組成物−1とした。得られた樹
脂組成物は球状粒子及びとその集合体であり、その粒度
は累積50%値で0.12mmであった。また20メッシュ上の樹
脂粉は、全体の2.5重量%であった。
樹脂組成物−1を、約0.5g精秤し、円筒濾紙(東洋濾
紙製N0.86R)に入れて、溶媒としてクロロホルム180ml
を用いて6時間ソックスレー抽出し、抽出された可溶成
分中の溶媒をのぞくためにエバポレートした後、100℃
で12時間真空乾燥し、可溶樹脂成分量を秤量した。試料
重量及びこの値から前述の式にしたがってゲル成分重量
(架橋度)を求めた。さらにこの可溶樹脂成分をTHFに
溶解させ、濃度0.1重量%の試料として、非水系用のサ
ンプル前処理フィルターを通し、GPCの試料とした。GPC
測定用カラムのサンプルとしてShodex(ショウデック
ス)KF−80M2連カラムを用い、GPC測定装置(ウォータ
ーズ社製150C ALC/GPC)の40℃のヒートチャンバーに組
み込みTHF流速1ml/min、検出器はRIの条件下、試料を20
0μl注入することでGPCを測定した。分子量測定の検量
線としては分子量0.5×103,2.35×103,10.2×103,35×1
03,110×103,200×103,470×103,1200×103,2700×103,
8420×103の10点の単分散ポリスチレン基準物質(ウォ
ーターズ社製)のTHF溶液を用いた。
樹脂組成物−1のゲル成分重量は38重量%、溶出成分
の分子量メインピーク値は5,900、サブピーク値53,00で
あった。GPCによるクロマトグラムを第1図に示す。
合成例−2 低分子量重合体の合成において、モノマーとして2エ
チルヘキシルアクリレート5部、スチレン95部を用いる
以外は低分子量重合体−1の合成と同様にして低分子量
重合体−2を得た。次いで低分子量重合体−2を50部を
用いること以外は合成例−1と同様に配合し、それを重
合度2000のポリビニルアルコール部分ケン化物0.7部を
溶解させた水400部中に、攪拌スピード190r.p.mである
種の攪拌羽根を用いて懸濁分散させて、合成例−1と同
様に重合させ、樹脂組成物−2を得た。該樹脂組成物
は、球状粒子及びその集合体であり、その粒度は累積50
%値で0.3mmであった。また20メッシュ上の樹脂粉は全
体の2.9重量%であった。さらに該樹脂組成物−2のゲ
ル成分量は37重量%、溶出成分の分子量メインピーク値
5200、サブピーク値48,000であった。
合成例−3 懸濁重合において低分子量重合体−130部、ジビニル
ベンゼン0.7部、開始剤としてベンゾイルパーオキシド
1.3部を用いること以外は、全て合成例−1と同様にし
てパール状樹脂組成物−3を得た。該樹脂組成物は球状
粒子及びその集合体であり、この粒度は累積50%で0.15
mmであった。また20メッシュ上の樹脂粉は全体の2.7重
量%であった。この樹脂組成物−3のゲル成分量は58重
量%、溶出成分の分子量メインピーク値は5,900、サブ
ショルダー値は39,000であった。
合成例−4 懸濁重合において架橋剤としてジビニルベンゼンのか
わりにトリエチレングリコール−ジ−アクリレート0.5
部を用いる以外は全て合成例−1と同様にして配合し、
それを重合度2,000のポリビニルアルコール部分ケン化
物0.3部を溶解させた水400部中に攪拌スピード/70r.p.m
で特定の攪拌羽根を用いて懸濁分散させ合成例−1と同
様に重合させ、樹脂組成物−4を得た。
該樹脂組成物は球状粒子及びその集合体であり、その
粒度は累積50%値で0.65mmであった。また20メッシュ以
上の樹脂粉は、全体の4.8重量%であった。該樹脂組成
物−4のゲル成分重量は40重量%、溶出成分の分子量メ
インピーク値は5,900サブピーク値は55,000であった。
合成例−5 合成例−1の重合度2,000のポリビニルアルコール部
分ケン化物の量を1.2部とし、攪拌スピード及びある種
の攪拌羽根を選択することで懸濁分散を調整した以外は
合成例−1と同様に樹脂組成物を作成し、D50% 0.07m
m,20メッシュ上残分1重量%の樹脂組成物−5を得た。
該樹脂組成物−5のゲル成分重量、THF可溶成分の分子
量ピーク値及びサブピーク値は、合成例−1のそれとほ
ぼ同等であった。
合成例−6 合成例−4のポリビニルアルコール部分ケン化物量0.
15重量部とし、攪拌スピード及び特定の攪拌羽根を選択
する以外は合成例−2と同様に樹脂組成物−6を作成し
た。該樹脂組成物−6は、D50%が0.79mm,20メッシュ上
残11重量%であった。またこの樹脂組成物のゲル成分重
量、THF可溶分の分子量ピーク値及びショルダー値は、
合成例−4のそれとほぼ同等であった。
各合成例で得られた樹脂組成物のA成分、B成分、C
成分の割合を下記表−1に示す。
実施例1 上記の配合で粉体混合を行った。
粉体混合は、容量10lのヘンシェルミキサーを用い、
総重量1650gとなるように秤量し、約3000rpmで30秒間混
合した。得られた粉体混合物は、見かけ上均一で、磁性
体や離型剤などの凝集体はみあたらなかった。
これをエクストルーダーにより、混練したが、混練物
の表面はなめらかで均質であり、充分均一混合してい
た。これを粗粉砕、微粉砕、さらに分級し、粒径約11μ
のトナーを製造した。
このトナー原料の粉砕性はひじょうに良く、処理量は
14.0kg/hrであった。また粉砕機内の融着はなかった。
このトナー100重量部に疎水性シリカ0.4重量部を混合
した現像剤をキヤノン製複写機NP−400REに入れ定着
性、画像性を評価した。表−2に示すごとく100,000枚
耐久を行ったが安定に高濃度の高画像を維持した。さら
に定着性も非常に良く、オフセット性巻付き性も良好
で、さらに感光体へにフィルミング、融着もなかった。
実施例2 樹脂組成物−2100重量部を用いること以外は全て実施
例1と同様に行なったところ、表−2に示すごとくほぼ
全ての項目について実施例1と同様の結果を得た。
実施例3 上記の配合で粉体混合する以外は、全て実施例1と同
様の方法で粒径約11μmのトナーを製造した。このトナ
ーの粉砕性は良好で処理量は11.0kg/hrであった。また
粉砕機内の融着はなかった。このトナー100重量部に疎
水性正荷電性シリカ0.5重量部を混合した現像剤を、キ
ヤノン製複写機NP−3525に入れ定着性、画像性を評価し
た。表−2に示すごとく100,000枚耐久を行ったが安定
に、高濃度画像を維持した。さらに定着性も良く、オフ
セット性巻付き性も良好で、感光体へのフィルミング、
融着もなかった。
実施例4 樹脂組成物−4100重量部を用いること以外は全て実施
例3と同様に行ったところ、全ての項目において表−2
に示すごとくほぼ製造例3と同等、あるいはそれ以上の
良好な結果を得た。
比較例1 樹脂組成物−5100重量部を用いること以外は、全て実
施例1と同様に材料を粉体混合した。粉体混合性、粉砕
性などの性能はほぼ実施例1と同等であったが、画像評
価において、やや画質の安定性を欠き、耐久8万枚〜10
万枚の間でその差がみとめられた。
比較例2 樹脂組成物−6100重量部を用いる以外は、実施例2と
同様にトナーを作成した。
粉体混合において磁性体がヘンシェルミキサーの内壁
に選択的に付着し、また、離型剤も、分散の良くないこ
とが認められた。
次のエクストルーダーの熱混練工程において、混練物
の表面は、ややなめらかさにかけるが、熱混練工程でか
なり補われている感触を得た。
後は、実施例2と同様の工程をへて、ほぼ同等のトナ
ーを得た。トナー性能はほぼ同等であったが、同様の長
期耐久テストにおいて、7万枚以降、徐々に画像濃度、
画質が劣化、10万枚では実用上は使用に耐えるがやや問
題となるレベルとなる。
合成例7 スチレン75部、n−ブチルアクリレート24部、ジビニ
ルベンゼン0.4部、ベンゾイルパーオキシド1.0部の均一
混合液を、重合度2000のポリビニルアルコール部分ケン
化物0.8部を溶解させた水400部中に撹拌スピード200r.
p.mで特定の撹拌羽根を用いて懸濁分散させ、重合温度8
0℃にて15時間重合させ、ゲル成分を含むパール状の樹
脂組成物を得、減圧乾燥して、樹脂組成物−7とした。
得られた樹脂組成物は球形粒子及びその集合体であり、
その粒度は累積50%値で0.10mmであった。また、20メッ
シュ以上の樹脂粉は、全体の2.3重量%であった。
さらに該樹脂組成物−7のゲル成分量は41重量%、溶
出成分の分子量メインピーク値49000であり、サブピー
ク及びショルダーは見られなかった。
比較例3 実施例1で用いた樹脂組成物−1 100重量に代え
て、低分子量重合体−1を0.1〜0.7mmに粉砕したもの33
重量部、及び樹脂組成物−7 67重量部を用いる以外は
実施例1と同様にトナーを作製した。
粉体混合において磁性体がヘンシェルミキサーの内壁
に選択的に付着し、また、離型剤も、分散の良くないこ
とが認められた。
次のエクストルーダーの熱混練工程において、混練物
は樹脂組成物−7の一部が溶解せずに粒子状態で存在
し、かつ、磁性体の分散も充分とはいえない状況であっ
た。
粉砕工程において、磁性体を含有していないか、また
は含有量が極端に少ないと思われる微粉砕物が多数観察
されたので、分級工程で可能なかぎり除いた。
後は実施例1と同様にトナーとして画像評価を行った
ところ、初期から画像濃度が低く、画質も劣るものであ
った。
評価方法 トナー原料の粉砕性は、ジェット気流を用いた微粉砕
機で、5.5kg/cm2のエアー圧での、単位時間での処理量
を目安とした。同時に、微粉砕機の内壁を観察し、融着
の有無を調べた。
定着性と、オフセット性、巻付き性及び画像性、耐久
性については、キヤノン製複写機、NP−7550及びNP−55
40を用いて調べた。
特にオフセット性は、定着器の設定温度を5℃下げ、
定着ローラのクリーニング機構を取りはずし、画像が汚
れるか、あるいはローラが汚れるかということを評価し
た。
定着性は、画像をシルボンC紙で往復10回約100g加重
でこすり画像のはがれを反射濃度の低下率(%)で表わ
した。評価画像は連続200枚とった時の200枚目を見た。
巻付き性は、全面黒画像を3枚出し、その時画像上に
つく定着ローラのはく離用のツメの跡の様子で、ツメに
どのくらい頼っているかで判断した。
[発明の効果] 本発明の結着樹脂を用いたトナーはオフセットローラ
への巻付きブロッキングを起こさず、高画質の画像を長
期にわたって得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例中の合成例−1のクロマトグラ
ムを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−86558(JP,A) 特開 昭57−97546(JP,A) 特開 昭56−16144(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1のビニル系重合体をビニル系モノマー
    成分に溶解または混合させてモノマー組成物を調製し、
    該モノマー組成物を架橋剤の存在下で重合することによ
    って得られたゲル成分及びテトラヒドロフラン可溶成分
    を含有しているトナー用結着樹脂であって、 該トナー用結着樹脂は、実質的に球形もしくは球形粒
    子の集合体である平均粒径が0.1〜0.7mmのビニル径樹脂
    粒子であり、かつ、ゲル成分を0.1〜60重量%含有
    し、テトラヒドロフラン可溶成分のGPCによるクロマト
    グラムにおいて、分子量1000〜25000の領域にメインピ
    ーク値を有し、かつ分子量3000〜150000の領域であり、
    かつ該メインピーク値よりも高分子量側に少なくとも1
    つのサブピークまたはサブショルダーを有しており、分
    子量50万以上の成分を0〜20重量%、分子量3万超〜50
    万未満の成分を10〜60重量%及び分子量3万以下の成分
    を20〜90重量%、それぞれテトラヒドロフラン可溶成分
    の重量基準で含有していることを特徴とするトナー用結
    着樹脂。
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