JP2670941B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JP2670941B2
JP2670941B2 JP20573592A JP20573592A JP2670941B2 JP 2670941 B2 JP2670941 B2 JP 2670941B2 JP 20573592 A JP20573592 A JP 20573592A JP 20573592 A JP20573592 A JP 20573592A JP 2670941 B2 JP2670941 B2 JP 2670941B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性層と非磁性支持体
からなる磁気記録媒体の製造方法に関し、更に詳しく
は、VTRのヘッド摩耗とヘッド当たりを改良し、高出
力を保ち、VTRのヘッド汚れを抑制し、走行安定性に
優れた磁性層を有する磁気記録媒体の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般にオーディオ用、ビデオ用、コンピ
ュータ用(ディスク、メモリーテープ)等の磁気記録媒
体として、強磁性微粉末を結合剤(バインダー)中に分
散させた磁性層を非磁性支持体上に設けた磁気記録媒体
が用いられている。近年、これらの磁気記録媒体は高密
度記録が要求され、強磁性微粉末の微粒子化、高充填
化、磁気記録媒体の超平滑化などにより信号/雑音の高
信号化や低雑音化が達成されている。また、同一時間で
高密度記録を行うには磁気記録媒体への書き込み速度や
呼び込み速度の短縮化が必要で磁気記録媒体の高速搬送
が要求される。この高速搬送適性のため走行性や帯電特
性、ヘッド・クリーニング特性は不可欠であり、この目
的のためカーボン・ブラックやモース硬度が8以上の研
磨材と称される非磁性粒子が用いられ、具体的にはUS
P3630910号、USP3833412号、USP
4614685号、USP4539257号、特開昭5
9−193533号等に開示されている。
【0003】このようにして製造された磁気記録媒体の
磁性層の表面には一般に粉体成分(例えば、強磁性微粉
末、研磨材等の非磁性粒子)が磁性層膜に強固に固定さ
れ、非常に平滑であると考えられる。しかしながら、本
発明者らの検討によると、磁性層の表面には微小突起や
固定不充分な粉体成分が存在していることが判明した。
これらは強磁性微粉末やヘッドクリーニング特性を高め
るために磁性塗料中に添加しているアルミナ、酸化クロ
ム等のモース硬度が8以上の硬い非磁性粒子が、微粒子
のために分散が難しく、または分散しても放置しておく
と再凝集しやすい傾向にあることに起因している。この
ような凝集しやすい磁性塗料を非磁性支持体上に塗布す
ると、表面にモース硬度の高い微小突起や固定不十分な
粉体成分が存在する磁性層が形成され、例えばビデオテ
ープでは走行時に磁気ヘッドが短時間で摩耗劣化する。
また、このような微小突起や固定不十分な粉体成分は、
走行中に脱離して磁気ヘッドに付着して磁気ヘツド目詰
まりやドロップアウトの発生原因となることがある。ま
た、走行中に脱離した微小突起や固定不十分な粉体成分
はさらに磁性層表面の強磁性微粉末の脱離を引き起こ
し、磁性層表面近傍にある強磁性微粉末の量が次第に減
少することになるので、走行を繰り返すことによって電
磁変換特性が低下(出力低下)するという問題もある。
【0004】また磁気ディスクの分野では表面平滑化の
ためにバーニッシュ処理を行うことが知られ、例えば研
磨テープを連続的にヘツドスライダ面に供給するように
した磁気ディスク基板の表面平滑化装置(特公昭58−
46768)や磁気ディスク用基板を回転させ、該基板
上をスライダ面に硬質微粒子を含む砥粒層よりなる粗面
部を形成したバーニッシュヘッドを接触状態で往復させ
ることを特徴とする磁気ディスク用基板の表面平滑化方
法(特公昭58−46767)なども知られている。
【0005】こうした目詰まりおよびドロップアウトの
発生を防止し、繰り返し走行による出力低下を軽減する
方法として、例えば、特開昭62−172532号、特
開昭63−98834号公報に開示されているように、
磁性層の表面に存在する固定不十分の粉体成分を研削す
る磁気記録媒体の製造方法が提案されている。すなわ
ち、カレンダー処理された磁性層の表面をダイヤモンド
ホィール、固定ブレードあるいは回転ブレード等の高硬
度の研削具を用いてバーニッシュすることにより、磁性
層の表面に存在する微小突起、固定不十分な粉体成分あ
るいは付着物等を除去し、目詰まり、ドロップアウトお
よび長時間走行による出力の低下を抑制するものであ
る。しかしながら上記技術をもってしてもテープの高速
搬送化に伴う走行耐久性、特にヘッド摩耗、および摩耗
が大きいことに伴うVTR互換出力差、RF出力の低下
を充分に改良することはできなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ヘッド摩
耗、特にテープ走行初期のヘッド摩耗を減少し、VTR
互換出力差が小さく、RF出力に優れた磁気記録媒体の
製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記本発明の目的は、非
磁性支持体上に強磁性粉末、結合剤、添加剤およびモー
ス硬度8以上の研磨材を含む磁性層を設けた後、研磨テ
ープによって磁性層表面をバーニッシュ処理する磁気記
録媒体の製造方法において、磁性層中に含まれる研磨材
よりモース硬度の高い研磨材を少なくとも1種以上含む
研磨テープにより磁性層表面をバーニッシュ処理するこ
とによって解決できる。
【0008】すなわち、本発明者らは非磁性支持体上に
強磁性粉末、結合剤、添加剤およびモース硬度8以上の
研磨材を含む磁性層を設けた後、研磨テープによって磁
性層表面をバーニッシュ処理する磁気記録媒体の製造方
法において、磁性層中に含まれる研磨材よりモース硬度
の高い研磨材を少なくとも1種以上含む研磨テープによ
り磁性層表面をバーニッシュ処理することによってヘッ
ド摩耗、特にテープ走行初期のヘッド摩耗が減少し、V
TR互換出力差およびRF出力に優れることを見出し、
本発明をなすに至ったものである。すなはち磁性層中に
含まれる研磨材よりモース硬度の高い研磨材を少なくと
も1種以上含む研磨テープにより磁性層表面をバーニッ
シュ処理することによって磁性層表面に出た研磨材のト
ップカットができ、さらに研磨テ−プ特有な効果である
磁性層表面の結合剤を除去することができ出力低下に顕
著な効果を発揮する。従来の研磨テープ処理では軽く磁
性層表面に付着したものは除去することができるがしっ
かり中に埋め込まれて頭を出している研磨材のトップカ
ットができなかった。そのためヘッド摩耗、特にテープ
走行初期のヘッド摩耗が減少する事ができなかったので
ある。またダイアモンドホイ−ルのような研削具は研磨
材のトップカットができるが磁性層表面の結合剤を除去
することができず出力低下を防止することができなかっ
たのである。本発明はこの様な問題を一挙に解決したも
のである。
【0009】本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体
と、この支持体上に設けられた磁性層と必要に応じて磁
性層と反対側に設けられるバック層からなる。磁性層
は、強磁性微粉末と必要に応じてカーボンブラック、研
磨材、粉末状潤滑剤などの粉状成分と、この粉状成分が
分散している結合剤からなる。結合剤は樹脂成分とさら
に必要に応じて配合される硬化剤とにより構成されてい
る。
【0010】本発明に使用される非磁性支持体として
は、テ−プとして使用する場合には支持体の厚み2.5
〜100ミクロン程度、好ましくは3〜70ミクロン程
度が良い。ディスクもしくはカード状の場合は厚みが
0.03〜10mm程度であり、ドラムの場合は円筒状
で用いる事も出来る。素材としてはポリエチレンテレフ
タレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル
類、ポリプロピレン等ポリオレフイン類、セルロ−スト
リアセテ−ト、セルロ−スダイアセテ−ト等のセルロ−
ス誘導体,ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂類、ポリカ
−ボネ−ト、ポリイミド、ポリアミド,ポリスルホン等
のプラスチックのほかにアルミニウム、銅等の金属、ガ
ラス等のセラミックス等も使用出来る。これらの支持体
は塗布に先立って,コロナ放電処理,プラズマ処理、下
塗処理、熱処理、除塵埃処理、金属烝着処理、アルカリ
処理をおこなってもよい。これら支持体に関しては例え
ば、***特許3338854A,特開昭59−1169
26号、特開昭61−129731号、米国特許438
8368号;三石幸夫著,『繊維と工業』31巻 p5
0〜55,1975年などに記載されている。ビデオテ
ープ等の場合これら支持体の中心線平均表面粗さは0.
001〜0.5ミクロン(カットオフ値0.25mm)
が好ましい。またこれら支持体のヤング率(F5値)は
目的に応じて、巾方向、長手方向とも2〜30Kg/m
2を選択することが出来る。
【0011】本発明に使用される強磁性微粉末として
は、γ−Fe2 O3 、Co含有(被着、変成、ド−プ)
のγ−Fe2O3、Fe3O4、Co含有(被着、変成、ド
−プ)のFe3O4、γ−FeOX 、Co含有(被着、変
成、ド−プ)のγ−FeOX(X=1.33〜1.5
0)、CrO2、Fe−Co合金、Co−Ni−P合
金、Co−Ni−Fe−B合金、Fe−Ni−Zn合
金、Ni−Co合金、Co−Ni−Fe合金など公知の
強磁性微粉末が使用でき、具体的には特公昭44−14
090号、特公昭45−18372号、特公昭47−2
2062号、特公昭47−22513号、特公昭46−
28466号、特公昭46−38755号、特公昭47
−4286号、特公昭47−12422号、特公昭47
−17284号、特公昭47−18509号、特公昭4
7−18573号、特公昭39−10307号、特公昭
48−29280、特公昭48−39639号、特公昭
58−29605、特公昭60−44254、特開昭5
9−126605、米国特許3026215号、同30
31341号、同3100194号、同3242005
号、同3389014号などに記載されている。これら
強磁性微粉末の粒子サイズは約0.005〜1ミクロン
の長さで,軸長/軸幅の比は1/1〜50/1程度であ
る。また、これらの強磁性体微粉末の比表面積は1〜8
0m2/gより好ましくは20〜70m2/g、抗磁力
(Hc)は250〜3000Oe、含水率は0.1〜
2.0重量%、PHは3〜11(5g磁性体/100g
水)である。これらの強磁性微粉末の表面に、後に述べ
る表面処理剤、分散剤、潤滑剤、帯電防止剤等をそれぞ
れの目的の為に分散に先だって、溶剤中で含浸させて吸
着させてもよい。本発明の磁気記録媒体はこれら強磁性
微粉末が結合剤中に分散された磁性層を非磁性支持体上
に設けたものである。このほか10000ppm以下の
量で記載以外の元素(Sr、Pb、Mn、Cd、Al、
Si、Na、Ca、K、Ti、Cu、Zn、S等)を磁
気特性向上のためあるいは不純物として含む。特に金属
強磁性微粉末は焼結防止剤としてAl、Si化合物を粒
子表面に含みその量は金属成分の1〜10重量%であ
る。
【0012】また本発明に使用される強磁性微粉末とし
ては,板状六方晶のバリウムフェライト、変性バリウム
フェライトおよび変性ストロンチウムフェライトなども
使用できる。バリウムフェライトの粒子サイズは約0.
001〜1ミクロンの直径で厚みが直径の1/2〜1/
20である。バリウムフェライトの比重は4〜6g/c
cで、比表面積は1m2/g〜70m2/gである。これ
らバリウムフェライトは必要に応じて希土類元素を10
重量%以下の量で含み、その他のアルカリ金属、アルカ
リ土類金属を磁気特性向上のためあるいは不純物として
含む。これらの強磁性微粉末の表面には後に述べる分散
剤、潤滑剤、帯電防止剤等をそれぞれの目的の為に分散
に先立って溶剤中で含浸させて、吸着させてもよい。
【0013】本発明は、特に鉄、コバルトあるいはニッ
ケルを含む強磁性合金粉末を用いるとその効果が顕著で
あって、その比表面積が40m2/g以上、抗磁力が8
00〜3000Oe、より好ましくは1300〜180
0Oe以上の強磁性合金粉末を強磁性粉末として使用す
ることが好ましい。この強磁性合金粉末の詳細な例とし
ては、強磁性合金粉末中の金属分が60重量%以上であ
り、そして金属分の70重量%以上が少なくとも1種類
の強磁性金属あるいは合金(例:Fe、Co、Ni、F
e−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Ni−F
e)であり,該金属分の40重量%以下、より好ましく
は20重量%の範囲内で他の成分(例,Al、Si、
S、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Y、M
o、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、T
a、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、
Pr、Nd、B、P)を含むことのある合金や,窒化鉄
や炭化鉄等を挙げることができる。また,上記強磁性金
属が少量の水,水酸化物または酸化物、アルカリ金属元
素(Na、K、等)、アルカリ土類金属元素(Mg、C
a、Sr)を含むものなどであっってもよい。これらの
強磁性金属粉末の製造方法は既に公知であり、本発明で
用いる強磁性粉末の代表例である強磁性合金粉末につい
てもこれら公知の方法に従って製造することができる。
【0014】すなわち、強磁性合金微粉末の製造方法の
例としては、下記の方法を挙げることができる。 (a)複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)を水素など
の還元性気体で還元する方法、(b)酸化鉄を水素など
の還元性気体で還元してFeあるいはFe−Co粒子な
どを得る方法、(c)金属カルボニル化合物を熱分解す
る方法、(d)強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナト
リウム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元剤
を添加して還元する方法、(e)水銀陰極を用い強磁性
金属粉末を電解祈出させたのち水銀と分離する方法、
(f)金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を
得る方法
【0015】強磁性微粉末を使用する場合に、その形状
にとくに制限はないが通常は針状、粒状、サイコロ状、
米粒状および板状のものなどが使用される。この強磁性
合金粉末の比表面積(S−bet)は40m2/g以上
であることが好ましく、さらに45m2/g以上のもの
を使用することが特に好ましい。またこれら強磁性体の
σsは100〜200emu/gが好ましい。結晶子サ
イズは150〜300Aが好ましい。これらの強磁性合
金微粉末の例示は特開昭53−70397号、特開昭5
8−119609号、特開昭58−130435号、特
開昭59−80901号、特開昭59−16903号、
特開昭59−41453号、特公昭61−37761
号、米国特許4447264号、米国特許479102
1号、米国特許4931198号の公報等に記載されて
いる。
【0016】本発明の磁性層とバック層に使用される結
合剤の樹脂成分としては従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、反応型樹脂、電子線硬化型樹脂、紫外線硬化
型樹脂、可視光線硬化型樹脂やこれらの混合物が使用さ
れる。 熱可塑性樹脂としては軟化温度が150℃以
下、平均分子量が10000〜300000、重合度が
約50〜2000程度のものでより好ましくは200〜
600程度であり、例えば塩化ビニル酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニルビニル
アルコール共重合体、塩化ビニルビニルアルコール共重
合体、塩化ビニル塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル
アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステルアクリ
ロニトリル共重合体、アクリル酸エステル塩化ビニリデ
ン共重合体、アクリル酸エステルスチレン共重合体、メ
タクリル酸エステルアクリロニトリル共重合体、メタク
リル酸エステル塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸
エステルスチレン共重合体,ウレタンエラストマ−、ナ
イロン−シリコン系樹脂、ニトロセルロ−ス−ポリアミ
ド樹脂、ポリフッカビニル、塩化ビニリデンアクリロニ
トリル共重合体、ブタジエンアクリロニトリル共重合
体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラ−ル、セルロ−
ス誘導体(セルロ−スアセテ−トブチレ−ト、セルロ−
スダイアセテ−ト、セルロ−ストリアセテ−ト、セルロ
−スプロピオネ−ト、ニトロセルロ−ス、エチルセルロ
−ス、メチルセルロ−ス、プロピルセルロ−ス、メチル
エチルセルロ−ス、カルボキシメチルセルロ−ス,アセ
チルセルロ−ス等)、スチレンブタジエン共重合体,ポ
リエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、クロロビニル
エーテルアクリル酸エステル共重合体、アミノ樹脂,各
種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂及びこれらの混合物等が
使用される。これらの樹脂の例示は特公昭37−687
7号、特公昭39−12528号、特公昭39−192
82号、特公昭40−5349号、特公昭40−209
07号、特公昭41−9463号、特公昭41−140
59号、特公昭41−16985号、特公昭42−64
28号、特公昭42−11621号、特公昭43−46
23号、特公昭43−15206号、特公昭44−28
89号、特公昭44−17947号、特公昭44−18
232号、特公昭45−14020号、特公昭45−1
4500号、特公昭47−18573号、特公昭47−
22063号、特公昭47−22064号、特公昭47
−22068号、特公昭47−22069号、特公昭4
7−22070号、特公昭47−27886号、特開昭
57−133521、特開昭58−137133、特開
昭58−166533、特開昭58−222433、特
開昭59−58642等、米国特許4571364号、
米国特許4752530号の公報等に記載されている。
【0017】熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては塗
布液の状態では200000以下の分子量であり、塗
布、乾燥後に加熱加湿することにより、縮合、付加等の
反応により分子量は無限大のものとなる。また、これら
の樹脂のなかで、樹脂が熱分解するまでの間に軟化また
は溶融しないものが好ましい。具体的には例えばフェノ
−ル樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタンポリカーボネ
ート樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、
シリコン樹脂、アクリル系反応樹脂(電子線硬化樹
脂)、エポキシ−ポリアミド樹脂、ニトロセルロ−スメ
ラミン樹脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシアネ−
トプレポリマ−の混合物、メタクリル酸塩共重合体とジ
イソシアネ−トプレポリマ−の混合物、ポリエステルポ
リオ−ルとポリイソシアネ−トとの混合物、尿素ホルム
アルデヒド樹脂、低分子量グリコ−ル/高分子量ジオ−
ル/トリフェニルメタントリイソシアネ−トの混合物、
ポリアミン樹脂、ポリイミン樹脂及びこれらの混合物等
である。これらの樹脂の例示は特公昭39−8103
号、特公昭40−9779号、特公昭41−7192
号、特公昭41−8016号、特公昭41−14275
号、特公昭42−18179号、特公昭43−1208
1号、特公昭44−28023号、特公昭45−145
01号、特公昭45−24902号、特公昭46−13
103号、特公昭47−22065号、特公昭47−2
2066号、特公昭47−22067号、特公昭47−
22072号、特公昭47−22073号、特公昭47
−28045号、特公昭47−28048号、特公昭4
7−28922号等の公報に記載されている。これらの
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂は、主たる官
能基以外に官能基としてカルボン酸(COOM)、スル
フィン酸、スルフェン酸、スルホン酸(SO3M)、燐
酸(PO(OM)(OM))、ホスホン酸、硫酸(OS
3M)、及びこれらのエステル基等の酸性基(Mは
H、アルカリ金属、アルカリ土類金属、炭化水素基)、
アミノ酸類;アミノスルホン酸類,アミノアルコ−ルの
硫酸または燐酸エステル類、アルキルベタイン型等の両
性類基、アミノ基、イミノ基、イミド基、アミド基等ま
た、水酸基、アルコキシル基、チオ−ル基、アルキルチ
オ基、ハロゲン基(F、Cl、Br、I)、シリル基、
シロキサン基、エポキシ基、イソシアナト基、シアノ
基、ニトリル基、オキソ基、アクリル基、フォスフィン
基を通常1種以上6種以内含み、各々の官能基は樹脂1
gあたり1×10-6eq〜1×10-2eq含む事が好ま
しい。
【0018】硬化剤としては通常は、ポリイソシアネー
ト化合物が使用される。本発明の磁性層及び或いはバッ
ク層に用いるポリイソシアネ−ト化合物としては、トリ
レンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、キ
シリレンジイソシアネ−ト、ナフチレン−1、5−ジイ
ソシアネ−ト、o−トルイジンジイソシアネ−ト、イソ
ホロンジイソシアネ−ト、トリフェニルメタントリイソ
シアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト等のイソシア
ネ−ト類、また当該イソシアネ−ト類とポリアルコ−ル
との生成物、またイソシアネ−ト類の縮合に依って生成
した2〜10量体のポリイソシアネ−ト、またトリイソ
シアネートとポリウレタンとの生成物で末端官能基がイ
ソシアネートであるもの等を使用することができる。こ
れらポリイソシアネ−ト類の平均分子量は100〜20
000のものが好適である。これらポリイソシアネ−ト
の市販されている商品名としては、コロネ−トL、コロ
ネ−トHL、コロネ−ト2030、コロネ−ト203
1、ミリオネ−トMR、ミリオネ−トMTL(日本ポリ
ウレタン株製)、タケネ−トD−102、タケネ−トD
−110N、タケネ−トD−200、タケネ−トD−2
02、タケネ−ト300S、タケネ−ト500(武田薬
品株製)、スミジュ−ルT−80、スミジュ−ル44
S、スミジュ−ルPF、スミジュ−ルL、スミジュ−ル
N、デスモジュ−ルL、デスモジュ−ルIL、デスモジ
ュ−ルN、デスモジュ−ルHL、デスモジュ−ルT6
5、デスモジュ−ル15、デスモジュ−ルR、デスモジ
ュ−ルRF、デスモジュ−ルSL、デスモジュ−ルZ4
273(住友バイエル社製)等があり、これらを単独若
しくは硬化反応性の差を利用して二つ若しくはそれ以上
の組み合わせによって使用することができる。また、硬
化反応を促進する目的で、水酸基(ブタンジオ−ル、ヘ
キサンジオ−ル、分子量が1000〜10000のポリ
ウレタン、水等)、アミノ基(モノメチルアミン、ジメ
チルアミン、トリメチルアミン等)を有する化合物や金
属酸化物の触媒や鉄アセチルアセトネート等の触媒を併
用する事も出来る。これらの水酸基やアミノ基を有する
化合物は多官能である事が望ましい。これらポリイソシ
アネ−トは磁性層、バック層とも結合剤樹脂とポリイソ
シアネ−トの総量100重量部あたり2〜70重量部で
使用することが好ましく、よりこのましくは5〜50重
量部である。これらの例示は特開昭60−131622
号、特開昭61−74138号等の公報において示され
ている。
【0019】これらの結合剤の単独または組合わされた
ものが使われ、ほかに添加剤が加えられる。磁性層の強
磁性微粉末と結合剤との混合割合は重量比で強磁性微粉
末100重量部に対して結合剤5〜300重量部の範囲
で使用される。バック層の微粉末と結合剤の混合割合は
重量比で微粉末100重量部に対して結合剤8〜400
重量部の範囲で使用される。添加剤としてはカーボンブ
ラック、研磨材、潤滑剤、分散剤・分散助剤、防黴剤、
帯電防止剤、溶剤等が加えられる。
【0020】本発明の磁性層とバック層に使用されるカ
ーボンブラックはゴム用ファ−ネス、ゴム用サ−マル、
カラ−用ブラック、アセチレンブラック等を用いる事が
できる。これらカーボンブラックはテープの帯電防止
剤、遮光剤、摩擦係数調節剤、耐久性向上を目的として
使用される。 これらカ−ボンブラックの米国における
略称の具体例をしめすとSAF、ISAF、IISA
F、T、HAF、SPF、FF、FEF、HMF、GP
F、APF、SRF、MPF、ECF、SCF、CF、
FT、MT、HCC、HCF、MCF、LFF、RCF
等があり、米国のASTM規格のD−1765−82a
に分類されているものを使用することができる。本発明
に使用されるこれらカ−ボンブラックの平均粒子サイズ
は5〜1000ミリミクロン(電子顕微鏡)、窒素吸着
法比表面積は1〜800m2/g、PHは4〜11(J
IS規格K−6221−1982法)、ジブチルフタレ
−ト(DBP)吸油量は10〜800ml/100g
(JIS規格K−6221−1982法)である。本発
明に使用されるカ−ボンブラックのサイズは、塗布膜の
表面電気抵抗を下げる目的で 5〜100nmのカ−ボ
ンブラックを、また塗布膜の強度を制御するときに50
〜1000nmのカ−ボンブラックをもちいる。また塗
布膜の表面粗さを制御する目的でスペ−シングロス減少
のための平滑化のためにより微粒子のカ−ボンブラック
(100nm未満)を、粗面化して摩擦係数を下げる目
的で粗粒子のカ−ボンブラック(100nm以上)を用
いる。このようにカ−ボンブラックの種類と添加量は磁
気記録媒体に要求される目的に応じて使い分けらる。ま
た、これらのカ−ボンブラックを、後述の分散剤などで
表面処理したり,樹脂でグラフト化して使用してもよ
い。また、カ−ボンブラックを製造するときの炉の温度
を2000℃以上で処理して表面の一部をグラファイト
化したものも使用できる。また、特殊なカ−ボンブラッ
クとして中空カ−ボンブラックを使用することもでき
る。これらのカ−ボンブラックは磁性層の場合強磁性微
粉末100重量部に対して0.1〜30重量部で用いる
ことが望ましい。またバック層の場合後述する樹脂10
0重量部に対して20〜400重量部で用いることが望
ましい。本発明に使用出来るカ−ボンブラックは例えば
『カ−ボンブラック便覧』、カ−ボンブラック協会編
(昭和46年発行)を参考にすることが出来る。これら
カ−ボンブラックの例示は米国特許4539257号、
米国特許4614685号、特開昭61−92424
号、特開昭61−99927号の公報等に記載されてい
る。
【0021】本発明の磁性層およびバック層で用いられ
る研磨材は磁気記録媒体の耐久性やVTRのヘッドクリ
ーニング効果を向上させるために用いられ、一般的に研
磨作用若しくは琢磨作用をもつ材料で α−アルミナ、
γ−アルミナ、α,γ−アルミナ 熔融アルミナ、炭化
珪素、酸化クロム、酸化セリウム、コランダム、人造ダ
イヤモンド、ダイヤモンド、α−酸化鉄、ザクロ石,エ
メリ−(主成分:コランダムと磁鉄鉱)、ガ−ネット、
珪石,窒化珪素、窒化硼素、炭化モリブデン、炭化硼
素、炭化タングステン、チタンカ−バイド、トリポリ、
ケイソウ土、ドロマイト等で、主としてモ−ス硬度6以
上、好ましくはモース硬度8以上の材料が1内至4種迄
の組合わせで使用される.これらの研磨材は平均粒子サ
イズが0.005〜5ミクロンの大きさのものが使用さ
れ,特に好ましくは0.01〜2ミクロンである。これ
らの研磨材は磁性層の場合強磁性微粉末100重量部に
対して0.01〜20重量部の範囲で添加される。また
バック層の場合後述する樹脂100重量部に対して0.
01〜5重量部で用いることが望ましい。これらの具体
例としては住友化学(株)製のAKP1、AKP15、
AKP20、AKP30、AKP50、AKP80、H
it50、Hit100等が挙げられる。これらについ
ては特公昭52−28642号、特公昭49−3940
2号,特開昭63−98828号、米国特許36877
25号、米国特許3007807号、米国特許3041
196号、米国特許3293066号、米国特許363
0910号、米国特許3833412号、米国特許41
17190号、英国特許1145349号、***特許8
53211号等に記載されている。
【0022】本発明の磁性層とバック層に使用される粉
末状潤滑剤としては、グラファイト、二硫化モリブデ
ン、窒化硼素、弗化黒鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、酸化珪素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、二硫化
タングステン等の無機微粉末、アクリルスチレン系樹脂
微粉末、ベンゾグアナミン系樹脂微粉末、メラミン系樹
脂微粉末,ポリオレフイン系樹脂微粉末、ポリエステル
系樹脂微粉末、ポリアミド系樹脂微粉末、ポリイミド系
樹脂微粉末、ポリフッカエチレン系樹脂微粉末等の樹脂
微粉末等がある。また有機化合物系潤滑剤としてはシリ
コンオイル(ジアルキルポリシロキサン、ジアルコキシ
ポリシロキサン、フェニルポリシロキサン、フルオロア
ルキルポリシロキサン(信越化学製KF96、KF69
等))、脂肪酸変性シリコンオイル、フッ素アルコ−
ル、ポリオレフィン(ポリエチレンワックス、ポリプロ
ピレン等)、ポリグリコ−ル(エチレングリコール、ポ
リエチレンオキシドワックス等)、テトラフルオロエチ
レンオキシドワックス、ポリテトラフルオログリコ−
ル、パーフルオロアルキルエーテル、パ−フルオロ脂肪
酸、パ−フルオロ脂肪酸エステル、パ−フルオロアルキ
ル硫酸エステル、パ−フルオロアルキルスルホン酸エス
テル、パ−フルオロアルキルベンゼンスルホン酸エステ
ル、パ−フルオロアルキル燐酸エステル等の弗素や珪素
を導入した化合物、アルキル硫酸エステル、アルキルス
ルホン酸エステル、アルキルホスホン酸トリエステル、
アルキルホスホン酸モノエステル、アルキルホスホン酸
ジエステル、アルキル燐酸エステル,琥珀酸エステル等
の有機酸および有機酸エステル化合物、トリアザインド
リジン、テトラアザインデン、ベンゾトリアゾール、ベ
ンゾトリアジン、ベンゾジアゾール、EDTA等の窒素
・硫黄を含む複素(ヘテロ)環化合物、炭素数10〜4
0の一塩基性脂肪酸と炭素数2〜40個の一価のアルコ
−ルもしくは二価のアルコ−ル、三価のアルコ−ル、四
価のアルコ−ル、六価のアルコ−ルのいずれか1つもし
くは2つ以上とから成る脂肪酸エステル類、炭素数10
個以上の一塩基性脂肪酸と該脂肪酸の炭素数と合計して
炭素数が11〜70個と成る一価〜六価のアルコ−ルか
ら成る脂肪酸エステル類、炭素数8〜40の脂肪酸或い
は脂肪酸アミド類,脂肪酸アルキルアミド類、脂肪族ア
ルコ−ル類も使用できる。 これら化合物の具体的な例
としては、カプリル酸ブチル、カプリル酸オクチル、ラ
ウリン酸エチル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸オクチ
ル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸ブチル、ミリス
チ酸オクチル、ミリスチン酸2エチルヘキシル、パルミ
チン酸エチル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸オク
チル,パルミチン酸2エチルヘキシル、ステアリン酸エ
チル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル、
ステアリン酸オクチル、ステアリン酸2エチルヘキシ
ル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソアミル、ス
テアリン酸2エチルペンチル、ステアリン酸2ヘキシル
デシル、ステアリン酸イソトリデシル、ステアリン酸ア
ミド、ステアリン酸アルキルアミド、ステアリン酸ブト
キシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレ−ト、
アンヒドロソルビタンジステアレ−ト、アンヒドロソル
ビタントリステアレ−ト、アンヒドロソルビタンテトラ
ステアレ−ト、オレイルオレ−ト、オレイルアルコ−
ル、ラウリルアルコ−ル、モンタンワックス、カルナウ
バワックス、等が有り単独若しくはくみあわせ使用出来
る。
【0023】また本発明に使用される潤滑剤としては所
謂潤滑油添加剤も単独若しくはくみあわせで使用出来,
防錆剤としてしられている酸化防止剤(アルキルフェノ
−ル、ベンゾトリアジン、テトラアザインデン、スルフ
ァミド、グアニジン、核酸、ピリジン、アミン、ヒドロ
キノン、EDTA等の金属キレート剤 )、錆どめ剤
(ナフテン酸、アルケニルコハク酸、燐酸、ジラウリル
フォスフェ−ト等)、油性剤(ナタネ油、ラウリルアル
コ−ル等)、極圧剤(ジベンジルスルフィド,トリクレ
ジルフォスフェ−ト,トリブチルホスファイト等)、清
浄分散剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、泡どめ剤等
がある。これらの潤滑剤は結合剤100重量部に対して
0.01〜30重量部の範囲で添加される。これらにつ
いては,特公昭43−23889号、特公昭48−24
041号、特公昭48−18482号、特公昭44−1
8221号、特公昭47−28043号、特公昭57−
56132、特開昭59−8136号、特開昭59−8
139号、特開昭61−85621号、米国特許342
3233号、米国特許3470021号、米国特許34
92235号、米国特許3497411号、米国特許3
523086号、米国特許3625760号、米国特許
3630772号、米国特許3634253号、米国特
許3642539号、米国特許3687725号、米国
特許4135031号、米国特許4497864号、米
国特許4552794号、アイビ−エムテクニカル デ
イ スクロジャ−ブリテン(IBM Technical
Disclosure Bulletin)Vol.
9,No7,p779(1966年12月)、エレクト
ロニク(ELEKTRONIK)1961年No12,
p380、化学便覧,応用編,p954−967,19
80年丸善株発行等に記載されている。
【0024】本発明に使用する分散剤、分散助剤として
は、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライ
ジン酸、リノ−ル酸、リノレン酸、ステアロ−ル酸、ベ
ヘン酸、マレイン酸、フタル酸等の炭素数2〜40個の
脂肪酸(R1COOH,R1 は炭素数1〜39個のアル
キル基、フェニル基、アラルキル基)、前記の脂肪酸の
アルカリ金属(Li、Na、K、NH4+等)またはアル
カリ土類金属(Mg、Ca、Ba等)、Cu,Pb等か
ら成る金属石鹸(オレイン酸銅)、脂肪酸アミド;レシ
チン(大豆油レシチン)等が使用される。この他に炭素
数4〜40の高級アルコ−ル、(ブタノ−ル、オクチル
アルコ−ル、ミリスチルアルコ−ル、ステアリルアルコ
−ル)及びこれらの硫酸エステル、スルホン酸、フェニ
ルスルホン酸、アルキルスルホン酸、スルホン酸エステ
ル、燐酸モノエステル、燐酸ジエステル、燐酸トリエス
テル、アルキルホスホン酸、フェニルホスホン酸、アミ
ン化合物等も使用可能である。また,ポリエチレングリ
コール、ポリエチレンオキサイド、スルホ琥珀酸、スル
ホ琥珀酸金属塩、スルホ琥珀酸エステル等も使用可能で
ある。これらの分散剤は通常一種類以上で用いられ,一
種類の分散剤は結合剤100重量部に対して0.005
〜20重量部の範囲で添加される。これら分散剤の使用
方法は、強磁性微粉末や非磁性微粉末の表面に予め被着
させても良く、また分散途中で添加してもよい。このよ
うなものは、例えば特公昭39−28369号、特公昭
44−17945号、特公昭44−18221号、特公
昭48−7441号、特公昭48−15001号、特公
昭48−15002号,特公昭48−16363号、特
公昭49−39402号、米国特許3387993号、
同3470021号等において示されている。
【0025】本発明に用いる防黴剤としては2−(4−
チアゾリル)−ベンズイミダゾール、N−(フルオロジ
クロロメチルチオ)−フタルイミド、10,10’−オ
キシビスフェノキサルシン、2,4,5,6テトラクロ
ロイソフタロニトリル、P−トリルジヨードメチルスル
ホン、トリヨードアリルアルコール、ジヒドロアセト
酸、フェニルオレイン酸水銀、酸化ビス(トリブチル
錫)、サルチルアニライド等がある。 このようなもの
は、例えば「微生物災害と防止技術」1972年工学図
書、「化学と工業」32,904(1979)等に於い
て示されている。
【0026】本発明に用いるカーボンブラック以外の帯
電防止剤としてはグラファイト、変成グラファイト、カ
−ボンブラックグラフトポリマ−、酸化錫−酸化アンチ
モン、酸化錫、酸化チタン−酸化錫−酸化アンチモン、
等の導電性粉末;サポニン等の天然界面活性剤;アルキ
レンオキサイド系、グリセリン系、グリシド−ル系、多
価アルコ−ル、多価アルコ−ルエステル、アルキルフェ
ノ−ルEO付加体等のノニオン界面活性剤;高級アルキ
ルアミン類、環状アミン、ヒダントイン誘導体、アミド
アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ピ
リジンそのほかの複素環類、ホスホニウムまたはスルホ
ニウム類等のカチオン界面活性剤;カルボン酸、スルホ
ン酸、ホスホン酸、燐酸、硫酸エステル基、ホスホン酸
エステル、燐酸エステル基などの酸性基を含むアニオン
界面活性剤;アミノ酸類;アミノスルホン酸類、アミノ
アルコ−ルの硫酸または燐酸エステル類、アルキルベタ
イン型等の両性界面活性剤等が使用される。 これら帯
電防止剤として使用し得る界面活性剤化合物例の一部は
特開昭60−28025号、米国特許2271623
号、同2240472号、同2288226号、同26
76122号、同2676924号、同2676975
号、同2691566号、同2727860号、同27
30498号、同2742379号、同2739891
号、同3068101号、同3158484号、同32
01253号、同3210191号、同3294540
号、同3415649号、同3441413号、同34
42654号、同3475174号、同3545974
号、***特許公開(OLS)1942665号、英国特
許1077317号,同1198450号等をはじめ,
小田良平他著『界面活性剤の合成とその応用』(槙書店
1972年版);A.W.ベイリ著『サ−フエス アク
テイブ エ−ジエンツ』(インタ−サイエンス パブリ
ケ−ション コ−ポレイテッド1985年版);T.
P.シスリ−著『エンサイクロペディア オブ サ−フ
エスアクティブ エ−ジェンツ,第2巻』(ケミカルパ
ブリシュカンパニ−1964年版);『界面活性剤便
覧』第六刷(産業図書株式会社、昭和41年12月20
日);丸茂秀雄著『帯電防止剤』幸書房(1968)等
の成書に記載されている。これらの界面活性剤は単独ま
たは混合して添加しても良い。磁気記録媒体におけるこ
れらの界面活性剤の使用量は強磁性微粉末100重量部
当たり0.01〜10重量部である。またバック層での
使用量は結合剤100重量部当たり0.01〜30重量
部である。これらは帯電防止剤として用いられるもので
あるが、時としてそのほかの目的、例えば分散、磁気特
性の改良、潤滑性の改良、塗布助剤、湿潤剤、硬化促進
剤、分散促進剤として適用される場合もある。
【0027】磁性層の形成は、通常の方法に従って行う
ことができる。例えば、上記強磁性微粉末および樹脂成
分ならびに必要に応じて配合される研磨材および硬化剤
などの磁性層形成成分を溶剤とともに混連分散して磁性
塗料を調整し、この磁性塗料を非磁性支持体上に塗布す
る方法を利用できる。本発明の分散、混練、塗布の際に
使用する有機溶媒としては、任意の比率でアセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン等のケトン
系;メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−
ル、イソブチルアルコ−ル、イソプロピルアルコ−ル、
メチルシクロヘキサノ−ルなどのアルコ−ル系;酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸
イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコ−ルモノエチル
エ−テル等のエステル系;ジエチルエ−テル、テトラヒ
ドロフラン、グリコ−ルジメチルエ−テル、グリコ−ル
モノエチルエ−テル、ジオキサンなどのエ−テル系;ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、クレゾ−ル、クロルベン
ゼン、スチレンなどのタ−ル系(芳香族炭化水素);メ
チレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、
クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベン
ゼン等の塩素化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアル
デヒド、ヘキサン等のものが使用できる。またこれら溶
媒は通常任意の比率で2種以上で用いる。また1重量%
以下の量で微量の不純物(その溶媒自身の重合物、水
分、原料成分等)を含んでもよい。 これらの溶剤は磁
性液もしくはバック液、下塗液の合計固形分100重量
部に対して100〜20000重量部で用いられる。
好ましい磁性液の固形分率は10〜40重量%である。
またバック液の好ましい固形分率は5〜20重量%で
ある。有機溶媒の代わりに水系溶媒(水、アルコール、
アセトン等)を使用することもできる。
【0028】分散、混練の方法には特に制限はなく,ま
た各成分の添加順序(樹脂、粉体、潤滑剤、溶媒等)、
分散・混練中の添加位置、分散温度(0〜80°C)な
どは適宜設定することができる。磁性塗料およびバック
層塗料の調製には通常の混練機,例えば、二本ロ−ルミ
ル、三本ロ−ルミル、ボ−ルミル、ペブルミル、トロン
ミル、サンドグラインダ−、ツエ グバリ(Szegva
ri)アトライタ−、高速インペラ−、分散機、高速ス
ト−ンミル、高速度衝撃ミル、ディスパ−、ニ−ダ−、
高速ミキサ−、リボンブレンダ−、コニ−ダ−、インテ
ンシブミキサ−、タンブラ−、ブレンダ−、ディスパ−
ザ−、ホモジナイザ−、単軸スクリュ−押し出し機、二
軸スクリュ−押し出し機、及び超音波分散機などを用い
ることができる。通常分散・混練にはこれらの分散・混
練機を複数備え、連続的に処理を行う。混練分散に関す
る技術の詳細は、T.C.PATTON著(テ−.シ
−.パットン)“Paint Flow and Pi
gment Dispersion”(ペイント フロ
− アンド ピグメント デイ スパ−ジョン)196
4年John Wiley & Sons社発行(ジョ
ン ウイリ− アンドサンズ))や田中信一著『工業材
料』25巻37(1977)などや当該書籍の引用文献
に記載されている。これら分散、混練の補助材料として
分散・混練を効率よく進めるため、球相当径で10cm
φ〜0.05mmφの径のスチールボール、スチールビ
ーズ、セラミツクビーズ、ガラスビーズ、有機ポリマー
ビーズを用いることが出来る。またこれら材料は球形に
限らない。また,米国特許第2581414号及び同第
2855156号などの明細書にも記載がある。本発明
においても上記の書籍や当該書籍の引用文献などに記載
された方法に準じて混練分散を行い磁性塗料およびバッ
ク層塗料を調製することができる。
【0029】支持体上へ前記の磁気記録層用塗布液なら
びにバック層用塗布液を塗布する方法としては塗布液の
粘度を1〜20000センチストークス(25°C)に
調整し、エア−ドクタ−コ−ト、ブレ−ドコ−ト、エア
ナイフコ−ト、スクイズコ−ト、含浸コ−ト、リバ−ス
ロ−ルコ−ト、トランスファ−ロ−ルコ−ト、グラビア
コ−ト、キスコ−ト、キヤストコ−ト、スプレイコ−
ト、ロッドコ−ト、正回転ロ−ルコ−ト、カ−テンコ−
ト、押出コ−ト、バ−コ−ト等が利用出来,その他の方
法も可能であり,これらの具体的説明は朝倉書店発行の
『コ−テイング工学』253頁〜277頁(昭和46.
3.20.発行)等に詳細に記載されている。これら塗
布液の塗布の順番は任意に選択でき、また所望の液の塗
布の前に下塗り層あるいは支持体との密着力向上のため
にコロナ放電処理等を行っても良い。また磁性層もしく
はバック層を多層で構成したいときは、同時多層塗布、
逐次多層塗布等を行ってもよい。これらは、例えば、特
開昭57−123532号公報,特公昭62−3745
1号公報,特開昭59−142741号公報、特開昭5
9−165239号公報の明細書等にしめされている。
【0030】このような方法により、支持体上に約1〜
200μmほどで塗布された磁性液は必要により層中の
磁性粉末を直ちに20〜130°Cで多段階で乾燥しな
がら500〜5000G程で所望の方向(垂直、長手、
幅、ランダム、斜め等)へ配向させる処理、すなわち磁
場配向処理を施した後、形成した磁性層を0.1〜30
μm厚みに乾燥する。このときの支持体の搬送速度は、
通常10m/分〜900m/分でおこなわれ、複数の乾
燥ゾーンで乾燥温度を20℃〜130℃で制御し塗布膜
の残留溶剤量を0.1〜40mg/m2とする。
【0031】また、このようにして乾燥された後、塗布
層に必要によりカレンダー処理を施し磁性層もしくはバ
ック層の中心線平均表面粗さを0.001〜0.3ミク
ロン(カットオフ0.25mm)とする。カレンダー処
理には、例えばスパーカレンダーロールなどが利用され
る。カレンダー処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の
除去によって生じた空孔が減少し磁性層中の強磁性微粉
末の充填率が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記
録媒体を得ることができる。
【0032】前記のカレンダー処理された段階では、結
合剤の形成成分として硬化剤を使用した場合、磁性層に
含まれる硬化剤のうち、通常90重量%以上が未反応の
状態で磁性層に含有されているので、硬化処理を行っ
て、少なくとも硬化剤の50重量%(特に好ましくは8
0重量%以上)を反応させた後に、その次の処理を行う
ことが望ましい。硬化処理には、加熱硬化処理と電子線
硬化処理とがあり、本発明においては、いずれの方法で
あっても利用することができる。この硬化処理によりカ
レンダー処理された磁性層に含有される未反応の硬化剤
が、例えば塩化ビニル系共重合体およびポリウレタン系
樹脂のような樹脂成分と三次元網状の架橋構造を形成す
るように反応する。加熱処理の工程自体は既に公知であ
り、本発明においてもこれらの方法に準じて加熱処理を
行うことができる。例えば、加熱処理は、加熱時間を通
常40℃以上(好ましくは50〜80℃の範囲内)、加
熱時間を通常20時間以上(好ましくは24時間〜7日
間)に設定して行われる。また、電子線照射による硬化
処理の工程自体も既に公知であり、本発明においてもこ
れらの方法に準じて硬化処理を行うことができる。
【0033】このように作成した磁気記録媒体を所望の
形状に裁断したあとプラスチックや金属のリールに巻き
取る。裁断はスリッター等の通常の裁断機等を使用して
通常の条件で行うことができる。本発明の製法において
は、こうして作成した磁性層の表面、または磁性層の表
面およびバック層の表面を、巻き取る直前ないしはそれ
以前の工程において磁気記録媒体(磁性層、バック層、
エッジ端面、ベース面)を研磨テープによりバーニッシ
ュ処理を行う。ここで、バーニッシュ処理とは大別して
研磨処理と研削処理とを言う。研磨処理とは、研磨テー
プ等を用いて磁性層表面を研磨し、磁性層表面から脱離
しやすい状態の強磁性微粉末等の粉状成分を減少させる
処理であり、研削処理とは、固定式ブレード、ダイヤモ
ンドホィールおよび回転式ブレード等の高硬度の研削具
を用いて磁性層表面を研削することにより、脱離しやす
い状態にある粉状成分あるいは磁性層表面の付着物等を
除去し、磁性層表面からの脱離物の量を低減させる処理
である。
【0034】通常、研磨テープによるバーニッシュ処理
は、積層体の長さ方向に50〜200g/(1/2吋)
の範囲内の張力を付与し、積層体を60〜1200m/
分の範囲内の速度で走行させながら接触させて磁性層表
面をバーニッシュする。この際、研磨テープは、積層体
の送り方向と逆方向に1〜3cm/分の速さで送られ
る。また、この時パッドで研磨テープの裏面から積層体
に研磨テープの研磨面を押しつけ、研磨テープと磁性層
を接触角30度〜120度の範囲内に設定することによ
りバーニッシュ処理を最も有利に行うことができる。
【0035】第1図は、本発明に使用されるバーニッシ
ュ処理および拭き取り処理工程の一例を示す概略図であ
る。第1図に示す様に、送り出しロール1より積層体が
送り出され、研磨テープ2で研磨され、固定ブレード3
でバーニッシュされ、そしてワイピング材4で拭き取ら
れ、さらに巻取りロール5で巻き取られ処理は完了す
る。10は送りロールで積層体の送りを円滑にしてい
る。研磨テープ3は、回転ロール8によって積層体の送
りと反対方向に1〜3cm/分の速さで移動し、パッド
6によって研磨テープ3は押さえられ、磁性層表面と接
触しバーニッシュ処理を行う。
【0036】第1図において、研磨テープによる研磨箇
所は2つ以上あってもよい。また、磁性層の表面だけで
なくバック層表面もバーニッシュ処理を行う場合は反対
側にも同様の研磨テープによる研磨箇所を備え付ける。
バーニッシュ処理用の固定ブレード3は、使用しなくて
も良いし、固定ブレードの代わりにダイヤモンドホィー
ル、回転ブレードを使用することもできる。また、固定
ブレードとダイヤモンドホィール、回転ブレードを必要
に応じて組み合わせて使用しても良い。さらに磁性層の
表面だけでなくバック層表面もバーニッシュ処理を行う
場合は反対側にも固定ブレードおよび/またはダイヤモ
ンドホィール、回転ブレードを備え付ける。
【0037】ワイピング材4は、回転ロール9によって
積層体の送り方向と反対方向に0.5〜10cm/分の
速さで移動し、パッド7によってワイピング材4は押さ
えられ、磁性層表面と接触し拭き取り処理を行う。ま
た、ワイピング材による拭き取り箇所は2つ以上あって
も良いし、磁性層の表面だけでなくバック層表面も拭き
取り処理を行う場合は反対側にも同様のワイピング材に
よる拭き取り箇所を備え付ける。上記バーニッシュ処理
の例示は、例えば、特開昭63−259830号に記載
されている。
【0038】本発明に使用される研磨テープの研磨材の
硬度はモース硬度が5〜10の範囲にあるもので、例え
ばα−Al23、SiO2、Cr23、α−Fe23
ダイヤモンド、ZnO2およびTiO2の群より選ばれる
少なくとも一種以上の研磨材を含んでいる。特に、本発
明においては、磁性層中に含まれる研磨材よりモース硬
度の高い研磨材を少なくとも1種以上含むことが必要で
ある。磁性層中に含まれる研磨材よりモース硬度の高い
研磨材を含まない場合は磁性層に対してバーニッシュ効
果が不足する。
【0039】また、本発明に使用される研磨材の平均粒
径としては、通常、0.05〜10μmの範囲内、好ま
しくは0.1〜5μmの範囲内の平均粒径であるものが
用いられる。0.05μmより小さいと有効に研磨を行
えないことがあり、一方、平均粒径が10μmより大き
いと磁性層表面に傷を付けることがある。さらに、本発
明に使用される、磁性層に含まれる研磨材より硬度の高
い研磨材の、研磨テープに含まれる研磨材全体に対する
割合は0.5重量%〜100重量%の範囲内である。
0.5重量%より少ないと有効に研磨を行えないことが
ある。
【0040】本発明に使用される研磨テープの支持体の
素材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)
等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン類、セルロース誘導体、ビニル系樹脂、ポリカーボネ
ート、ポリアミド等の合成樹脂から成るフィルムもしく
はシート;アルミニウム、銅等の非磁性金属箔;紙、セ
ラミックシート等から選ばれる。また、本発明に使用さ
れる研磨テープの表面粗さ(中心線平均粗さ)Raは
0.07〜0.9μmの範囲内に有ることが好ましい。
研磨テープの表面粗さ(中心線平均粗さ)Raの測定条
件は以下の通りである。中心線平均粗さ測定機サフコム
400B,403B,404Bシステムを使用して、カ
ットオフ値0.8mm、移動速度0.3mm、針圧0.
07g、針径2μR、レンジ20K/0.5の条件で測
定した。
【0041】本発明に使用される研磨テープは、例え
ば、以下のように製造される。上記研磨材が結合剤に分
散され、支持体に塗布され、次いで乾燥後所定の大きさ
に裁断される。結合剤としては熱可塑性樹脂、熱効硬化
性樹脂および反応型樹脂が単独または混合して用いられ
る。研磨材と結合剤との混合割合は、研磨材100重量
部に対して結合剤が10〜200重量部の範囲で使用さ
れる。バーニッシュ処理方法に付いては、例えば、特開
昭62−172532号および特開昭63−98834
5号公報等に開示されている。すなわち使用する研削具
の例としては、固定ブレード、ダイヤモンドホィール、
および回転ブレードを挙げることができる。
【0042】ここで、固定ブレードとは、バーニッシュ
対象の磁性層もしくはバック層の表面に接触する部分が
高硬度の物質からなるブレードである。ブレードのモー
ス硬度は9以上が好ましいが、特に制限はなく突起を除
去できるものであれば良い。通常は、サファイァ、アル
ミナ、サーメット、ジルコニア(酸化ジルコニウム)、
窒化ケイ素、炭化ケイ素、ダイヤモンドおよび超硬合金
などの素材で形成されており、磁気記録媒体表面の突起
部分をそぎおとし平滑にする作用を持つ。通常、固定ブ
レードと磁性層とは通常接触角を30〜120度の範囲
内に設定し、積層体の長さ方向に50〜160g/(1
/2吋)の範囲内の張力を付与し、積層体を60〜12
00m/分の範囲内の速度で走行させながら接触させて
磁性層表面をバーニッシュする。
【0043】また、ダイヤモンドホィールとは、周囲に
ダイヤモンドを焼結した回転する円筒状の研削具を言
う。ダイヤモンドホィールとしては表面の粒度が通常1
200〜5000番の範囲内にあるものを用いる。粒度
が1200番より低いと磁性層表面に傷を付けることが
あり、一方、5000番より高いと有効にバーニッシュ
を行えないことがある。通常、ダイヤモンドホィールと
磁性層とは、ダイヤモンドホィールの周速度を50〜1
500m/分の範囲内、接触角を30度〜270度の範
囲内に設定し、そして積層体の長さ方向に50〜160
g/(1/2吋)の範囲内の張力を付与し、積層体を6
0〜1200m/分の範囲内の速度で走行させながら接
触させて磁性層表面をバーニッシュする。通常、ダイヤ
モンドホィールは、積層体の走行方向に対して逆の方向
に回転させることが好ましい。このように回転させるこ
とによりバーニッシュを最も有利に行うことができる。
【0044】さらに、回転ブレードとは回転体と、この
回転体の回転軸に沿ってこの回転体の外周部に備えられ
た少なくとも一枚のブレードからなる研削具である。通
常、回転ブレードと磁性層とは、回転ブレードの回転数
を300〜6000回転/分の範囲内、接触角を30度
〜270度の範囲内に設定し、そして積層体の長さ方向
に50〜160g/(1/2吋)の範囲内の張力を付与
し、積層体を60〜1200m/分の範囲内の速度で走
行させながら接触させて磁性層表面をバーニッシュす
る。通常、回転ブレードは、積層体の走行方向に対して
逆の方向に回転させることが好ましい。このように回転
させることによりバーニッシュを最も有利に行うことが
できる。
【0045】磁性層と固定ブレード、ダイヤモンドホィ
ールまたは回転ブレードとの接触は、少なくとも一回接
触させる。特に2〜5個の固定ブレード、ダイヤモンド
ホィールまたは回転ブレードを配置し連続的に接触させ
る方法を採ることにより、走行耐久性が非常に向上した
磁気記録媒体を製造することができる。さらに、固定ブ
レード、ダイヤモンドホィールまたは回転ブレードを組
み合わせて連続的に接触させることもできる。
【0046】上記のような研磨テープを用いたバーニッ
シュ処理および固定ブレード、ダイヤモンドホィールま
たは回転ブレード等の研削具を用いたバーニッシュ処理
により磁性層の表面から突出している強磁性粉末あるい
は研磨材の様な粉状成分、さらには磁性層の表面に存在
する未反応の硬化剤、表面の付着物(例えば、磁気記録
媒体を製造する際に表面に付着した空気中の粉塵)など
は、磁性層表面近傍(一般には0.01〜5μmの高
さ)の結合剤と共に削り取られ、磁性層表面が平滑化さ
れる。そして、バック層もバーニッシュ処理した場合
は、バック層をバーニッシュ処理することによって非磁
性粉末などの粉状成分の脱離が少なくなるので、例え
ば、テープ状に裁断した磁気記録媒体を巻いた状態で使
用しても、バック層の表面から脱離した粉状成分が磁性
層表面に付着してドロップアウトあるいは目詰まりの原
因となることが少なくなる。
【0047】また磁気記録媒体の拭き取り処理は、磁気
記録媒体表面の汚れや余分な潤滑剤を除去する目的で磁
気記録媒体表層を不織布などで磁性層面、バック層面、
エッジ端面、バック側のベース面をワイピングすること
により行う。このようなワイピングの材料としては例え
ば日本バイリーン製の各種バイリーンや東レ製のトレシ
ー、エクセーヌやクラレ製のクラレWRPシリーズ、ま
た不織布としてナイロン製不織布、ポリエステル製不織
布、レーヨン製不織布、アクリロニトリル製不織布、混
紡不織布等も使用できる。その他、ティッシュペーパ
ー、キムワイプ等も使用できる。これらは例えば特公昭
46−39309号、特公昭58−46768号、特開
昭56−90429号、特公昭58−46767号、特
開昭63−259830号、特開平1−201824号
等にも記載されている。この拭き取り処理によって、磁
性層および/またはバック層の付着物および有機物質の
除去が完全に行われることになり、ドロップアウトある
いは目詰まり発生頻度が低下する。
【0048】上記のような処理を併用することにより、
研磨テープを用いたバーニッシュ処理の効果を更に高め
ることができる。特に、研磨テープによりバーニッシュ
処理された表面をブレード等の研削具でバーニッシュ処
理した後、ワイピング材による拭き取り処理を行う方が
望ましい。但し、バーニッシュ処理および拭き取り処理
を行う順序は、上記順序に限定するものではない。
【0049】なお、以上は硬化処理が施された積層体を
裁断した後、磁性層の表面または磁性層の表面およびバ
ック層の表面を主に記載したが、本発明は、この順序に
限定されるものではなく、例えば、裁断しながらバーニ
ッシュ処理する方法、あるいは裁断する前にバーニッシ
ュ処理する方法等を利用することができる。更に、硬化
処理を行わなくとも徐々に硬化反応が進行するので、カ
レンダー処理後特に硬化処理を行わなく磁性層の表面ま
たは磁性層およびバック層の表面を研磨テープによるバ
ーニッシュ処理を行うことができる。
【0050】これらの製造方法は粉体の予備処理・表面
処理、混練・分散、塗布・配向・乾燥、カレンダー処
理、硬化処理(熱処理、EB処理)、バーニッシュ処
理、裁断、巻き取りの工程を連続して行うことが望まし
い。これらは、例えば、特公昭40−23625号公
報,特公昭39−28368号公報、特公昭47−38
802号公報、英国特許1191424号、特公昭48
−11336号公報、特開昭49−53631号、特開
昭50−112005号、特開昭51−77303号、
特公昭52−17404号、特開昭60−70532号
公報、特開平2−265672号、米国特許第3473
960号、米国特許第4728569号、米国特許47
46542号明細書等にしめされている。また、特公昭
41−13181号公報にしめされる方法はこの分野に
おける基本的、かつ重要な技術と考えられている。
【0051】本発明に使用される強磁性微粉末または非
磁性粉末、結合剤、添加剤(潤滑剤,分散剤、帯電防止
剤、表面処理剤、カ−ボンブラック、研磨材、遮光剤、
酸化防止剤、防黴剤等)、溶剤及び支持体(下塗層、バ
ック層、バック下塗を有してもよい)或いは磁気記録媒
体の製法等は特公昭56−26890号等に記載されて
いるものも参考にできる。
【0052】なお、以上はカレンダー処理が施された積
層体を裁断した後、磁性層の表面、または磁性層および
バック層の表面を研磨テープによってバーニッシュ処理
を行う方法を主に記載したが、本発明は、この順序に限
定されるものではなく、例えば、裁断しながらバーニッ
シュ処理する方法、あるいは裁断する前にバーニッシュ
処理する方法などを利用することができる。
【0053】さらに、硬化処理を行わなくとも徐々に硬
化反応が進行するので、カレンダー処理後、特に硬化処
理を行うことなく磁性層の表面、または磁性層およびバ
ック層の表面を研磨テープによるバーニッシュ処理を行
うことができる。
【0054】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明する。ここに示す成分、割合、操作順序等は本発明の
精神から逸脱しない範囲において変更しうるものである
ことは本業界に携わるものにとつては容易に理解される
ことである。従って、本発明は下記の実施例に制限され
るべきではない。なを、実施例中の部は重量部をしめ
す。
【0055】実施例1 下記磁性層組成物の(1)をニーダーに入れ充分混練し
た後、(2)を追加投入し充分混練し、塗布前に
(3)、続いて(4)を入れ混合分散して磁性塗料を作
成した。得られた磁性塗料の粘度を調整した後、厚さ1
0μmの非磁性支持体のポリエチレンテレフタレート
(MD方向のヤング率900Kg/mm2、TD方向の
ヤング率700Kg/mm2)上に乾燥膜厚2μmにな
るように塗布した。
【0056】 磁性塗料組成物 (1)強磁性合金粉末 100部 (Fe金属粉末、Al5重量%、 比表面積(S−BET):55m2/g) 燐酸エステル(フェニルスルフォン酸) 2部 オレイン酸 0.1部 塩化ビニル共重合体樹脂 8部 (日本ゼオン(株)製:MR110) ポリウレタン樹脂 2部 (東洋紡社製:UR8600) パルミチン酸2エチルヘキシル 0.6部 シクロヘキサノン 60部 メチルエチルケトン 80部
【0057】 (2)カーボンブラック 1部 (キャボット社製:コンダクテックスSC) ポリウレタン樹脂 1部 (東洋紡社製:UR8600) メチルエチルケトン 10部 以上分散物 研磨材 13部 (住友化学(株)製:HIT55[α−Al23]) 塩化ビニル共重合体樹脂 1部 (日本ゼオン(株)製:MR110) シクロヘキサノン 60部 メチルエチルケトン 40部 以上分散物
【0058】 (3)ポリイソシァネート 2部 (日本ポリウレタン(株)製:コロネート3040) ステアリン酸ジブチルアミド 0.5部 パルミチン酸 0.5部 ステアリン酸ブトキシエチル 0.5部 メチルエチルケトン 50部 トルエン 30部
【0059】磁性塗料を塗布した非磁性支持体を、磁性
塗料が未乾燥の状態で磁場配向処理、乾燥を行い、引き
続き下記のバック塗料組成物(1)に塗布直前に(2)を加え
て磁性塗料が塗布された支持体の裏側面に厚みが0.6
μmに成るように塗布した。
【0060】 バック塗料組成物 (1)カーボンブラック 97部 (キャボット社製:BP800) カーボンブラック 3部 (カンカルブ社製:MTCI) α−Al23 0.1部 (住友化学(株)製:HIT55) 硫酸バリウム 0.1部 (住友化学(株)製:HIT55) ステアリン酸2エチルヘキシル 0.5部 オレイン酸銅 0.1部 塩化ビニル共重合体樹脂 50部 (日本ゼオン(株)製:MR110) ポリウレタン樹脂 40部 (東洋紡社製:UR8300) シクロヘキサノン 200部 メチルエチルケトン 300部
【0061】 (2)ポリイソシァネート 20部 (日本ポリウレタン(株)製:コロネート3040) メチルエチルケトン 3500部 トルエン 200部 シリコーン化合物 0.1部 (信越化学(株)製:KF69)
【0062】さらに、乾燥後、引き続きカレンダー処理
を温度90℃、線圧350Kg/cm、速度200m/
minで5回行い、非磁性支持体と磁性層およびバック
層からなる積層体を作成した。この積層体を60℃で2
4時間加熱処理を行い積層体中に含有されるポリイソシ
アネート化合物を硬化させた後、1/2吋幅にスリット
して、研磨材として平均粒径0.1μm、全研磨材に対
して2.0重量%のダイヤモンド(モース硬度10)を
含む研磨テープ(研磨材:ダイヤモンド/Cr2O3/ベ
ンガラ)で以下のように磁性層表面のバーニッシュ処理
を行った後ワイピング材(クラレ(株)製:WRP73
6)を用いて拭き取り処理を施して1/2吋ビデオテー
プを作成した。
【0063】研磨テ−プ処理条件 研磨テープと磁性層とを接触角80度内に設定し、張力
800g/(1/2吋)にて接触させて、積層体を60
〜1200m/分の範囲内の速度で走行させながら接触
磁性層表面をバーニッシュした。なお、研磨テープは、
回転ロールによって積層体の送り方向と反対方向に1.
5cm/分の速さで移動させ、研磨テープの裏面からパ
ッドによって押しつけた。
【0064】実施例2 実施例1において、研磨材として平均粒径0.5μm、
全研磨材に対して2.0重量%のダイヤモンド(モース
硬度10)を含む研磨テープ(研磨材:ダイヤモンド/
Cr2O3/ベンガラ)でバーニッシュ処理を行った以外
は、実施例1と同様にして1/2吋ビデオテープを製造
した。
【0065】実施例3 実施例1において、研磨材として平均粒径1.0μm、
全研磨材に対して2.0重量%のダイヤモンド(モース
硬度10)を含む研磨テープ(商品名:MA20000
[研磨材:ダイヤモンド/Cr2O3/ベンガラ] 富士
写真フイルム(株)製)でバーニッシュ処理を行った以
外は、実施例1と同様にして1/2吋ビデオテープを製
造した。
【0066】実施例4 実施例1において、研磨材として平均粒径2.0μm、
全研磨材に対して2.0重量%のダイヤモンド(モース
硬度10)を含む研磨テープ(研磨材:ダイヤモンド/
Cr2O3/ベンガラ)でバーニッシュ処理を行った以外
は、実施例1と同様にして1/2吋ビデオテープを製造
した。
【0067】実施例5 実施例1において、研磨材として平均粒径5.0μm、
全研磨材に対して2.0重量%のダイヤモンド(モース
硬度10)を含む研磨テープ(研磨材:ダイヤモンド/
Cr2O3/ベンガラ)でバーニッシュ処理を行った以外
は、実施例1と同様にして1/2吋ビデオテープを製造
した。
【0068】実施例6 実施例1において、研磨材として平均粒径5.0μm、
全研磨材に対して0.5重量%のダイヤモンド(モース
硬度10)を含む研磨テープ(研磨材:ダイヤモンド/
Cr2O3/ベンガラ)でバーニッシュ処理を行った以外
は、実施例1と同様にして1/2吋ビデオテープを製造
した。
【0069】実施例7 実施例1において、研磨材として平均粒径1.0μm、
全研磨材に対して1.0重量%のダイヤモンド(モース
硬度10)を含む研磨テープ(研磨材:ダイヤモンド/
Cr2O3/ベンガラ)でバーニッシュ処理を行った以外
は、実施例1と同様にして1/2吋ビデオテープを製造
した。
【0070】実施例8 実施例1において、研磨材として平均粒径1.0μm、
全研磨材に対して4.0重量%のダイヤモンド(モース
硬度10)を含む研磨テープ(研磨材:ダイヤモンド/
Cr2O3/ベンガラ)でバーニッシュ処理を行った以外
は、実施例1と同様にして1/2吋ビデオテープを製造
した。
【0071】実施例9 実施例1において、研磨材として平均粒径1.0μm、
全研磨材に対して10.0重量%のダイヤモンド(モー
ス硬度10)を含む研磨テープ(研磨材:ダイヤモンド
/Cr2O3/ベンガラ)でバーニッシュ処理を行った以
外は、実施例1と同様にして1/2吋ビデオテープを製
造した。
【0072】実施例10 実施例1において、研磨材として平均粒径1.0μm、
全研磨材に対して50.0重量%のダイヤモンド(モー
ス硬度10)を含む研磨テープ(研磨材:ダイヤモンド
/Cr2O3/ベンガラ)でバーニッシュ処理を行った以
外は、実施例1と同様にして1/2吋ビデオテープを製
造した。
【0073】実施例11 実施例1において、研磨材として平均粒径1.0μm、
全研磨材に対して100.0重量%のダイヤモンド(モ
ース硬度10)を含む研磨テープ(研磨材:ダイヤモン
ド/Cr2O3/ベンガラ)でバーニッシュ処理を行った
以外は、実施例1と同様にして1/2吋ビデオテープを
製造した。
【0074】実施例12 実施例3において、研磨材として平均粒径1.0μm、
全研磨材に対して2.0重量%のダイヤモンド(モース
硬度10)を含む研磨テープ(商品名:MA20000
研磨材:ダイヤモンド/Cr2O3/ベンガラ 富士写
真フイルム(株)製)でバーニッシュ処理を行った後、
下記の方法により磁性層表面をサファイァブレードでバ
ーニッシュ処理を行った以外は、実施例1と同様にして
1/2吋ビデオテープを製造した。
【0075】サファイァブレード処理 サファイァでできている先端の角度が60度のサファイ
ァブレード(幅5mm,長さ35mm:京セラ(株)
製)と磁性層とを接触角度80度、張力80g/(1/
2吋幅)にて接触させて磁性層をバーニッシュした。な
お、磁性層とサファイァブレードとの接触はサファイァ
ブレード4枚を一組として1回行った。
【0076】実施例13 実施例3において、研磨材として平均粒径1.0μm、
全研磨材に対して2.0重量%のダイヤモンド(モース
硬度10)を含む研磨テープ(商品名:MA20000
研磨材:ダイヤモンド/Cr2O3/ベンガラ 富士写
真フイルム(株)製)でバーニッシュ処理を行った後、
下記の方法により磁性層表面をダイヤモンドホィールで
バーニッシュ処理を行った以外は、実施例1と同様にし
て1/2吋ビデオテープを製造した。
【0077】ダイヤモンドホィール処理 鉄製の芯材の周囲に2mmの厚さにダイヤモンドを焼結
させたダイヤモンドホィール(直径70mm、粒度30
00番、オリエンタルダイヤ(株)製)を2000回転
/分で磁性層の走行方向と逆方向に回転させ、テープを
接触角度180度、張力80g/(1/2吋幅)にて接
触させて磁性層表面をバーニッシュした。なお、磁性層
とダイヤモンドホィールとの接触は1回行った。
【0078】実施例14 実施例3において、研磨材として平均粒径1.0μm、
全研磨材に対して2.0重量%のダイヤモンド(モース
硬度10)を含む研磨テープ(商品名:MA20000
研磨材:ダイヤモンド/Cr2O3/ベンガラ 富士写
真フイルム(株)製)でバーニッシュ処理を行った後、
下記の方法により磁性層表面を回転ブレードでバーニッ
シュ処理を行った以外は、実施例1と同様にして1/2
吋ビデオテープを製造した。
【0079】回転ブレード処理 円筒状の金属(長さ:35mm、直径:20mm、空洞
の内径:12mm)の周囲に、長さ35mm、断面形状
が1辺5mmの正三角形の三角柱の形状を有するサファ
イァブレードを1本備えてなる回転ブレード体(ブレー
ドの設置角θ:65度)を1000回転/分で磁性層の
走行方向と逆方向に回転させて、テープを接触角度12
0度、張力80g/(1/2吋)にて接触させて磁性層
の表面をバーニッシュした。
【0080】実施例15 実施例3において、研磨材として平均粒径1.0μm、
全研磨材に対して2.0重量%のダイヤモンド(モース
硬度10)を含む研磨テープ(商品名:MA20000
研磨材:ダイヤモンド/Cr2O3/ベンガラ 富士写
真フイルム(株)製)でバーニッシュ処理を行った後、
下記の方法により磁性層表面を前記の方法により磁性層
表面をダイヤモンドホィールおよびサファイァブレード
でバーニッシュ処理を行った以外は、実施例1と同様に
して1/2吋ビデオテープを製造した。
【0081】実施例16 実施例1において、研磨材として平均粒径1.0μm、
全研磨材に対して2.0重量%のダイヤモンド(モース
硬度10)を含む研磨テープ(研磨材:ダイヤモンド/
Cr2O3)でバーニッシュ処理を行った後、下記の方法
により磁性層表面を前記の方法により磁性層表面をダイ
ヤモンドホィールおよびサファイァブレードでバーニッ
シュ処理を行った以外は、実施例1と同様にして1/2
吋ビデオテープを製造した。
【0082】比較例11〜15 実施例11〜15において、研磨材としてCr23(モ
ース硬度8)およびAl23(モース硬度9)からなる
研磨テープ(商品名:MS20000 研磨材:Cr2
O3/ベンガラ 富士写真フイルム(株)製)でバーニ
ッシュ処理を行った以外は実施例11〜15と同様にし
てテープを製造した。
【0083】(評価方法) 初期ヘッド摩耗特性 得られたテープを加湿条件下(25℃,70%RH)に
おいて松下電器産業製のM2VTRで新品90分長2巻
走行させ、VTRヘッドの摩耗量を求め100時間当た
りに換算した。
【0084】VTR互換出力差 得られたテープを加湿条件下(25℃,70%RH)に
おいて松下電器産業製のM2VTRでヘッドの取り付け
角度の異なるVTRを準備し、1台で記録再生し、その
時の出力と、そのテープを別のVTRで再生したときの
出力差を求めた。
【0085】出力低下 得られたテープを低湿条件下(25℃,10%RH)に
おいて松下電器産業製M2VTRで記録したあと90分
長走行させ再生RF出力低下を測定する。
【0086】 表1 タ゛イヤモント゛ タ゛イヤモント゛ 初期ヘット゛ VTR互換 出力低下 研磨テープ研磨材構成 平均粒径 添加量 摩耗 出力差 μm wt% μm/100H dB dB 実施例1 タ゛イヤモント゛/Cr2O3/ヘ゛ンカ゛ラ 0.1 2.0 7 2 0 2 タ゛イヤモント゛/Cr2O3/ヘ゛ンカ゛ラ 0.5 2.0 6 1 1 3 タ゛イヤモント゛/Cr2O3/ヘ゛ンカ゛ラ 1.0 2.0 5 1 1 4 タ゛イヤモント゛/Cr2O3/ヘ゛ンカ゛ラ 2.0 2.0 4 1 1 5 タ゛イヤモント゛/Cr2O3/ヘ゛ンカ゛ラ 5.0 2.0 4 1 1 6 タ゛イヤモント゛/Cr2O3/ヘ゛ンカ゛ラ 1.0 0.5 9 2 0 7 タ゛イヤモント゛/Cr2O3/ヘ゛ンカ゛ラ 1.0 1.0 7 1 0 8 タ゛イヤモント゛/Cr2O3/ヘ゛ンカ゛ラ 1.0 2.0 5 1 1 9 タ゛イヤモント゛/Cr2O3/ヘ゛ンカ゛ラ 1.0 5.0 4 1 1 10 タ゛イヤモント゛/Cr2O3/ヘ゛ンカ゛ラ 1.0 1.0 4 1 1 11 タ゛イヤモント゛/Cr2O3/ヘ゛ンカ゛ラ 1.0 1.0 3 1 1 12 タ゛イヤモント゛/Cr2O3/ヘ゛ンカ゛ラ 1.0 1.0 4 0 1 13 タ゛イヤモント゛/Cr2O3/ヘ゛ンカ゛ラ 1.0 1.0 4 0 1 14 タ゛イヤモント゛/Cr2O3/ヘ゛ンカ゛ラ 1.0 1.0 4 0 1 15 タ゛イヤモント゛/Cr2O3/ヘ゛ンカ゛ラ 1.0 1.0 5 1 1 16 タ゛イヤモント゛/Cr2O3 1.0 2.0 5 1 1 比較例1 Cr2O3/ヘ゛ンカ゛ラ − 0 30< 6 −6< 2 Cr2O3/ヘ゛ンカ゛ラ − 0 30< 5 −6< 3 Cr2O3/ヘ゛ンカ゛ラ − 0 30< 7 −6< 4 Cr2O3/ヘ゛ンカ゛ラ − 0 30< 8 −6< 5 Cr2O3/ヘ゛ンカ゛ラ − 0 30< 5 −6<
【0087】本発明の磁気記録媒体は、表1の実施例か
ら明らかのようにヘッド摩耗、特にテープ走行初期のヘ
ッド摩耗を減少し、VTR互換出力差が小さく、RF出
力に優れた特性をしめしている。特に磁性層に含まれる
研磨材より硬度の高い研磨材を含む研磨テ−プを用いて
バーニッシュ処理を行った場合は有効にヘッド摩耗を低
減せしめヘッドの寿命を長くすることができる。またこ
の時VTR互換性も良く出力低下も起こさないことから
本発明は従来方法に比べて顕著な効果が認められる。
【0088】
【発明の効果】この様にして本発明は、非磁性支持体上
に強磁性粉末、結合剤、添加剤およびモース硬度8以上
の研磨材を含む磁性層を設けた後、研磨テープによって
磁性層表面をバーニッシュ処理する磁気記録媒体の製造
方法において、磁性層中に含まれる研磨材よりモース硬
度の高い研磨材を少なくとも1種以上含む研磨テープに
より磁性層表面をバーニッシュ処理することによって、
ヘッド摩耗、特にテープ走行初期のヘッド摩耗を減少
し、VTR互換出力差が小さく、RF出力に優れた磁気
記録媒体の製造方法特性を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う研磨処理、研削処理及びふきとり
処理の工程の1例の概略図である。
【符号の説明】
1 送り出しロ−ル 2 研磨テ−プ 3 固定ブレ−ド 4 ワイピング材 5 巻とりロ−ル 6 パッド(研磨テ−プ用) 7 パッド(ワイピング材用) 8 回転ロ−ル(研磨テ−プ用) 9 回転ロ−ル(ワイピング材用) 10 送りロ−ル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−4421(JP,A) 特開 昭63−259830(JP,A) 特開 平1−267836(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に強磁性粉末、結合剤、
    添加剤およびモース硬度8以上の研磨材を含む磁性層を
    設けた後、研磨テープによって磁性層表面をバーニッシ
    ュ処理する磁気記録媒体の製造方法において、前記磁性
    層中に含まれる研磨材よりモース硬度の高い研磨材を少
    なくとも1種以上含む研磨テープにより磁性層表面をバ
    ーニッシュ処理することを特徴とする磁気記録媒体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記研磨テープに含まれる研磨材粒子の
    平均粒径が0.05〜10μmの範囲内にあることを特
    徴とする請求項第1項記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記磁性層中に含まれる研磨材よりモー
    ス硬度の高い研磨材の研磨テープに含まれる研磨材全体
    に対する割合が0.5重量%以上100重量%以下であ
    ることを特徴とする請求項第1項記載の磁気記録媒体の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記磁性層中に含まれる研磨材よりモー
    ス硬度の高い少なくとも1種以上研磨テープに含まれる
    研磨材の1種がダイヤモンドであることを特徴とする請
    求項第1項記載の磁気記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記磁性層の表面を研磨テープによりバ
    ーニッシュ処理を行った後、さらに固定ブレード、ダイ
    ヤモンドホィールまたは回転ブレードによってバーニッ
    シュ処理を行い、次に該磁性層をワイピング材で拭き取
    り処理を行うことを特徴とする請求項第1項記載の磁気
    記録媒体の製造方法。
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