JP2632202B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2632202B2
JP2632202B2 JP590289A JP590289A JP2632202B2 JP 2632202 B2 JP2632202 B2 JP 2632202B2 JP 590289 A JP590289 A JP 590289A JP 590289 A JP590289 A JP 590289A JP 2632202 B2 JP2632202 B2 JP 2632202B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、非磁性支持体と磁性層及びバック層よりな
る磁気記録媒体に関し、特に保存適性の優れた磁性記録
媒体に関する。
(従来の技術) 一般にオーディオ用、ビデオ用、コンピューター用
(ディスク、メモリーテープ)等の磁気記録媒体とし
て、強磁性微粉末を結合剤(バインダーともいう)中に
分散させた磁性層を非磁性支持体上に設けた磁気記録媒
体が用いられている。
近年、これらの磁気記録媒体は高密度記録が要求さ
れ、強磁性微粉末の微粒子化、合金粉末化、高充填化な
どや、磁気記録媒体の超平滑表面化などにより信号/雑
音の高信号化や低雑音化が達成されている。しかし業務
用などのように高度に高信号化や低雑音化の要求される
製品ではハード側の対応として書き込み速度や呼び込み
速度を速くし、高速搬送することが行なわれている。こ
の高速搬送適正を向上させるために走行性や帯電特性、
ヘッドクリーニング特性を考慮すべきであり、この目的
のためカーボンブラックやモース硬度が8以上の研磨剤
と称されるフィラーが用いられている。例えば特開昭59
−193533号、同59−186125号、同59−191133号、同58−
189831号、同59−63029号等に開示され、解決が図られ
ている。
(発明が解決しようとする課題) しかしこれらの磁性記録媒体のもう一つの大きな問題
点は、これらの磁気記録媒体が数10年にわたり安定に磁
気記録を保存できるかどうかと言うことである。
磁気記録媒体における安定保存適性の問題は、主につ
ぎの3点に要約される。
即ち、第1に、強磁性微粉末の磁気特性の変化を抑え
る事であり、合金粉末における錆による磁気特性劣化、
Co含有γ−Fe2O3におけるCoやFe++の粒子内存在量分布
の変化による磁気特性劣化等を抑えることである。
第2に、結合剤(バインダー)の劣化を抑えることで
ある。結合剤(バインダー)塗膜は一般的に紫外線や温
度・湿度により劣化することが知られている。(E.F.Cu
ddhy,IEEE Trans.Mag.,Mag 16,4,558(July 1980))。
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂や繊維素系樹脂はポ
リウレタン樹脂より劣化しにくいことが知られ、結合剤
中の10〜60重量%ほどで使用されている。
第3に、磁気記録媒体におけるドロップアウトの増加
を抑えることである。ドロップアウトの増加には磁気記
録媒体自身が原因となる内因性のものと、外界の粉塵に
起因する外因性のものとがある。
内因性のドロップアウトは磁気記録媒体からの異物の
生成であり、これら異物はドロップアウトの原因となっ
たり、ヘッドギャップの目詰まりを誘発しスペーシング
ロスを引き起こしたりして、磁気記録の再生を困難にす
る。この異物の生成には多くの原因が知られ検討されて
きた。例えば、或る種の脂肪酸、或る種の脂肪酸エステ
ル、高分子支持体のオリゴマー、無機塩等である。
外因性のドロップアウトは大気中に存在する粉塵が磁
気記録媒体表層に静電気的な原因で誘引・付着してスペ
ーシングロスを引き起こすものと考えられている。この
うち静電気の生起については、磁気記録媒体の表面電気
抵抗を下げる方法が知られ、磁気記録媒体内の各構成層
内や層外にカーボンブラックや帯電防止剤を含めること
が知られている。
しかしこれらの技術をもってしても外因性の粉塵によ
るドロップアウトの発生を抑えることは極めて困難であ
った。この原因は外因性の粉塵の静電気的誘引を抑えた
としても、磁気記録媒体は大気中の粉塵環境の中に存在
し、粉塵に暴露されざるを得ないためであると考えられ
る。粉塵に暴露されれば、粉塵は磁気記録媒体の巻き取
り時に必然的にテープ間に巻き込まれ、これが原因でド
ロップアウトとなる。
また従来、磁気記録媒体の磁性層もしくはバック層の
ヤング率を規定したものとしては、例えば、特開昭58−
91528号、同59−58629号、同60−66319号、同61−16022
号等が挙げられる。
特開昭58−91528号では、磁性層およびバック層共
に、その弾性率を長手方向と巾方向合わせて1200kg/mm2
以上とすることにより、全厚17μ以下の磁気記録媒体の
機械的強度を改良するものである。又、その実施例中で
は、バック層の長手方向の弾性率が650〜850kg/mm2とか
なり高い値のものであり、外因性の粉塵によるドロップ
アウトの発生を抑えることは極めて困難であった。すな
わちバック層にヤング率がかなり高い値をとっていたた
め、粉塵は磁性層とバック層が重ね合わされた時、界面
に存在してドロップアウトの原因となっていた。
特開昭59−58629号では、弾性率109dyn/cm2をこえる
バック層と支持体との間に弾性率109dyn/cm2以下の下塗
り層を設けることにより、高弾性率のバック層の剥離お
よび粉落ちを防止するものである。しかしながら、この
技術でも、外因性の粉塵によるドロップアウトの発生を
抑えることは極めて困難であった。
特開昭60−66319号では、バック層のヤング率を200〜
1500kg/mm2(好ましくは400〜1500kg/mm2)とすること
によって、バック面が強じんとなるため耐久性を増し、
バック面のもろさによるケズレがなくなるとしている。
しかしながら、この技術でも、外因性の粉塵によるドロ
ップアウトの発生を抑えることは極めて困難であった。
また、特開昭61−16022号では、バック層のヤング率
を5×109dyne/cm2以下とすることにより、バック層の
凹凸が磁性層に転写することによる走行性不良を改良す
るものである。しかしながら、この技術によっても、外
因性の粉塵によるドロップアウトの発生を抑えることは
極めて困難であった。
従って、外因性の粉塵などによるドロップアウトの増
加が抑制され、安定保存適性の優れた磁気記録媒体の開
発が強く望まれていた。
〔発明の目的〕
本発明は磁気記録媒体を構成する各々の層のヤング率
を明確に規定することによって、保存適性に優れた磁気
記録媒体を提供することを目的とする。
更に、本発明は磁気記録媒体を構成する各々の層のヤ
ング率を明確に規定することによって、ビデオ感度、RF
出力の優れた磁気記録媒体を提供することを目的とす
る。
また、特に本発明は、保存適性に関わるドロップアウ
ト増加の抑制に優れた磁気記録媒体を提供することを目
的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、従来知られていなかったドロップアウ
ト発生の機構と大気中の粉塵との因果関係をつかむこと
により保存適性良化の顕著な効果を得ることができ、本
発明を完成するに到った。
即ち、上記諸目的は、強磁性粉末、バインダー及びカ
ーボンブラックを含む磁性層を非磁性支持体上に設け、
バインダー及びカーボンブラックを含むバック層を磁性
層とは反対面の非磁性支持体上に設けてなる磁気記録媒
体において、当該磁性層のヤング率が600〜1100Kg/mm2
で、当該バック層のヤング率が200〜400Kg/mm2である事
を特徴とする磁気記録媒体によって達成された。
本発明の好ましい実施態様は以下のとおりである。
(i)磁性層の表面電気抵抗が5×1010Ω/SQ(スクエ
アー)以下で且つバック層の表面電気抵抗が1×105Ω/
SQ以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
(ii)磁性層の厚みをA、バック層の厚みをBとすると
き、 2.5≦(A/B)≦4.5で且つ 3μm≦(A+B)≦9μm であることを特徴とする磁気記録媒体。
(iii)非磁性支持体の厚みをCとする時、 (A+B)≦C/2 であることを特徴とする磁気記録媒体。
(発明の効果) 本発明の磁気記録媒体は、強磁性微粉末、バインダー
及びカーボンブラックを含む磁性層を非磁性支持体上に
設け、バインダー及びカーボンブラックを含むバック層
を磁性層とは反対面の非磁性支持体上に設けてなる磁気
記録媒体において、当該磁性層のヤング率を600〜1100K
g/mm2に、当該バック層のヤング率を200〜400Kg/mm2
制御し、これによりドロップアウト増加を低減せしめ、
且つビデオ感度、RF出力に優れるものである。
更に本発明の好ましい実施態様として、磁性層の表面
電気抵抗を5×1010Ω/SQ(スクエアー)以下、且つバ
ック層の表面電気抵抗を1×105Ω/SQ以下にすることに
より、ドロップアウト増加を低減せしめ、且つビデオ感
度、RF出力に優れるものである。更に、磁性層の厚みを
A、バック層の厚みをBとする時、2.5≦(A/B)≦4.5
で且つ3μm≦(A+B)≦9μmに制御して、これに
よりヤング率の効果を有効に発現させドロップアウト増
加を低減せしめ、且つビデオ感度、RF出力に優れるもの
である。更にまた、非磁性支持体の厚みをCとする時、
(A+B)≦C/2とすることによりヤング率の効果を有
効に発現させドロップアウト増加を低減せしめ、且つビ
デオ感度、RF出力に優れるものである。
本発明のこのような効果が得られるのは磁気テープが
巻かれたり重ね合わされた時に磁性層とバック層の界面
に存在した粉塵が、バック層が比較的軟らかいため、バ
ック層側にめり込み、磁性層側に粉塵が行かないためで
ある。一方、特開昭58−91528号の如くにバック層のヤ
ング率が、650〜850Kg/mm2と高くかつ磁性層と同じよう
な硬さでは、粉塵はバック層にめり込まず磁性層とバッ
ク層の界面に均等にばらまかれるものである。従ってド
ロップアウトも多いと考えられる。
(発明の詳細な記述) 本発明の磁気記録媒体は強磁性微粉末、バインダー及
びカーボンブラックを含む磁性層を非磁性支持体上に設
け、且つ磁性層を設けた非磁性支持体上の反対側の面に
非磁性粉体とバインダーを含むバック層を設けた基本構
造を有するものである。磁性層には所望により研磨剤と
潤滑剤を含むことができる。
本発明者等は、保存適性に係わるドロップアウト増加
を低減せしめ、且つビデオ感度、RF出力に優れた磁気記
録媒体に関し鋭意検討してきた。その結果、強磁性微粉
末、バインダー及びカーボンブラックを含む磁性層を非
磁性支持体上に設け、バインダー及びカーボンブラック
を含むバック層を磁性層とは反対面の非磁性支持体上に
設けてなる磁気記録媒体において、当該磁性層のヤング
率を600〜1100Kg/mm2、且つ当該バック層のヤング率を2
00〜400Kg/mm2に制御すると、これによりドロップアウ
ト増加を低減せしめ、且つビデオ感度、RF出力に優れた
磁気記録媒体を得ることができることが判明した。
更に、本発明の好ましい態様として、磁性層の表面電
気抵抗が5×1010Ω/SQ(スクエアー)以下で且つバッ
ク層の表面電気抵抗が1×105Ω/SQ以下とすることによ
りドロップアウト増加を低減せしめ、且つビデオ感度、
RF出力に優れた磁気記録媒体を得ることができることが
判明した。
更に、磁性層の厚みをA、バック層の厚みをBとする
時、2.5≦(A/B)≦4.5で且つ3μm≦(A+B)≦9
μmに制御して、これによりヤング率の効果を有効に発
現させドロップアウト増加を低減せしめ、且つビデオ感
度、RF出力に優れた磁気記録媒体を得ることができるこ
とが判明した。
更に、非磁性支持体の厚みをCとするとき、(A+
B)≦C/2とすることによりヤング率の効果を有効に発
現させドロップアウト増加を低減せしめ、且つビデオ感
度、RF出力に優れた磁気記録媒体を得ることができるこ
とが判明した。
本発明は磁気記録媒体において、当該磁性層のヤング
率を600〜1100Kg/mm2、且つ当該バック層のヤング率を2
00〜400Kg/mm2に制御すると、これにより巻かれた状態
で2層の間に介在するドロップアウトの原因となる塵埃
は、ヤング率の小さいバック層に吸収されるため磁性層
側に残存せず、従ってドロップアウトを低減せしめ、且
つビデオ感度、RF出力に優れた磁気記録媒体を得ること
ができと考えられ、特に保存に係わるドロップアウト増
加の抑制に有効である。
更に、磁性層の表面電気抵抗が5×1010Ω/SQ(スク
エアー)以下で且つバック層の表面電気抵抗が1×105
Ω/SQ以下とすることにより、空気中に存在する塵埃の
磁気記録媒体への付着を低減せしめ、前述のヤング率の
効果と組み合わせるとドロップアウト増加の低減に特に
有効で、且つビデオ感度、RF出力に優れた磁気記録媒体
を得ることができる。
更に、ヤング率が600〜1100Kg/mm2である磁性層の厚
みをA、ヤング率が200〜400Kg/mm2であるバック層の厚
みをBとする時、2.5≦(A/B)≦4.5で且つ3μm≦
(A+B)≦9μmに制御すると、ドロップアウト増加
の低減に特に有効である。(A/B)が2.5未満であるとバ
ック層の削れによるドロップアウトが増加し、また(A/
B)が4.5を超えるとバック層の塵埃の吸着効果が劣りド
ロップアウトが増加する。
更に、非磁性支持体の厚みをCとするとき、(A+
B)≦C/2とすることによりヤング率の効果を有効に発
現させる。
非磁性支持体のヤング率は400〜800Kg/mm2が好まし
く、このとき(A+B)>C/2であると、カッピング等
のテープの曲率が大きくなりテープエッジの損傷が発生
し、却ってドロップアウト増加が生じる。
本発明において、ヤング率は応力・歪み曲線のはじめ
の部分の直線の傾きαから E(ヤング率)=tanα(Kg/mm2) で求められる。この時のテープの延伸速度は5〜80mm/
分で、測定条件は23℃、50%RHである。
また、振動型ヤング率測定装置を用いることもでき、
例えばオリエンティック社製レオバイブロン等を利用出
来る。この場合も測定条件は23℃、50%RHで、ヤング率
の値は振動周波数11Hz以下で測定した値である。
これらのヤング率は磁気記録媒体の長手方向もしくは
塗布処理方法の値である。幅方向もしくは塗布処理と垂
直方向の値は、長手方向のヤング率の値の100%〜60%
である。
本発明において、ヤング率600〜1100Kg/mm2の磁性層
は強磁性微粉末、バインダー並びにカーボンブラック、
及び所望により研磨剤と潤滑剤を含んでなる。ここで、
強磁性微粉末/バインダー重量比は100/18〜100/40が好
ましい。また、磁性層に用いるバインダーとしては、
塩化ビニル樹脂及び/或いは塩化ビニル酢酸ビニル共重
合体樹脂とポリウレタン樹脂、及びポリイソシアネ
ートからなることが好ましく、その百分比率(重量)は
20〜50:20〜70:10〜40であることが好ましい。ここで、
磁性層に用いる塩化ビニル樹脂及び/或いは塩化ビニル
酢酸ビニル共重合体樹脂のヤング率は150〜350Kg/mm2
あることが好ましく、ポリウレタン樹脂のヤング率は1
〜70Kg/mm2であることが好ましい。強磁性微粉末を分散
したこれらの素材にポリイソシアネートを加えて、磁性
層塗布膜のヤング率を600〜1100Kg/mm2に調整する。
本発明において、ヤング率が200〜400Kg/mm2であるバ
ック層は、バインダー並びにカーボンブラック、及び所
望によりその他のフィーラーを含んでなる。ここで、カ
ーボンブラックやその他のフィーラーなどの粉末/バイ
ンダー重量比は100/45〜100/100が好ましい。また、バ
ック層に用いるバインダーとしては、フェノキシ樹脂
及び/或いはフェノール樹脂とポリウレタン樹脂及び
/或いはエポキシ樹脂、及びポリイソシアネートから
なることが好ましく、その百分比率(重量)は20〜50:4
0〜70:10〜40であることが好ましい。ここで、バック層
に用いるフェノキシ樹脂及び/或いはフェノール樹脂の
ヤング率は150〜350kg/mm2であることが好ましく、ポリ
ウレタン樹脂及び/或いはエポキシ樹脂のヤング率は1
〜70Kg/mm2であることが好ましい。カーボンブラックな
どの粉末を分散したこれらの素材にポリイソシアネート
を加えて、バック層塗布膜をヤング率を200〜400Kg/mm2
に調整する。
磁性層の表面電気抵抗を5×1010Ω/SQ(スクエア
ー)以下とするためには、磁性層に適量の導電性カーボ
ンブラックを加える(例えば、強磁性微粉末100重量部
に対し0.5〜8重量部の導電性カーボンブラックを加え
る)か、強磁性微粉末が酸化鉄であるならば二価の鉄を
2〜8重量部含ましめる。
バック層の表面電気抵抗を1×105Ω/SQ以下とするた
めには、カーボンブラック100重量部に対しその余のフ
ィラーを30重量部以下とする。
本発明に使用する強磁性微粉末としては、γ−Fe
2O3、Co含有(被着、変成、ドープ)のγ−Fe2O3、Fe3O
4、Co含有(被着、変成、ドープ)のFe3O4、γ−FeOx、
Co含有(被着、変成、ドープ)のγ−FeOx(x=1.33〜
1.50)、CrO2,Co−Ni−P合金、Co−Ni−Fe−B合金、F
e−Ni−Zn合金、Ni−Co合金、Co−Ni−Fe合金など、公
知の強磁性微粉末が使用できる。これら強磁性微粉末の
粒子サイズは約0.005〜1ミクロンの長さで、軸長/軸
幅の比は1/1〜50/1程度である。又、これらの強磁性微
粉末の比表面積は、1〜70m2/g程度である。これらの強
磁性微粉末の表面に、後に述べる分散剤、潤滑剤、帯電
防止剤等をそれぞれの目的の為に分散に先だって溶剤中
で含浸させて、吸着させてもよい。
また本発明に使用する強磁性微粉末としては、板状六
方晶のバリウムフェライトも使用できる。バリウムフェ
ライトの粒子サイズは約0.001〜1ミクロンの直径で厚
みが直径の1/2〜1/20である。バリウムフェライトの比
重は4〜6g/ccで、比表面積は1m2/g〜70m2/gである。こ
れらの強磁性微粉末の表面には後に述べる分散剤、潤滑
剤、帯電防止剤等をそれぞれの目的の為に分散に先立っ
て溶剤中で含浸させて、吸着させてもよい。
本発明は、特に鉄、コバルトあるいはニッケルを含む
強磁性合金粉末であって、その比表面積が35m2/g以上の
強磁性合金粉末を強磁性微粉末として使用する際にその
効果が顕著に現れる。
この強磁性合金粉末の例としては、強磁性合金粉末中
の金属分が75重量%以上であり、そして金属分の80重量
%以上が少なくとも1種類の強磁性金属あるいは合金
(例、Fe、Co、Ni、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Ni−
Fe)であり、該金属分の20重量%以下の範囲内で他の成
分(例、Al、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、
Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、A
u、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、B、P)を含むこと
のある合金や、窒素鉄等を挙げることができる。また、
上記強磁性金属が少量の水、水酸化物または酸化物を含
むものなどであってもよい。これらの強磁性金属粉末の
製造方法は既に公知であり、本発明で用いる強磁性微粉
末の代表例である強磁性合金粉末についてもこれら公知
の方法に従って製造することができる。
すなわち、強磁性合金粉末の製造方法の例としては、
下記の方法を挙げることができる。
(a) 複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)を水素な
どの還元性気体で還元する方法: (b) 酸化鉄を水素などの還元性気体で還元してFeあ
るいはFe−Co粒子などを得る方法: (c) 金属カルボニル化合物を熱分解する方法: (d) 強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウ
ム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元剤を添
加して還元する方法: (e) 水銀陰極を用い強磁性金属粉末を電解析出させ
たのち水銀と分離する方法: (f) 金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末
を得る方法: 強磁性合金粉末を使用する場合に、その形状にとくに
制限はないが通常は針状、粒状、サイコロ状、米粒状お
よび板状のものなどが使用される。この強磁性合金粉末
の比表面積(SBET)は40m2/g以上であることが好まし
く、さらに45m2/g以上のものを使用することが特に好ま
しい。
本発明の磁性層とバック層に使用されるバインダーと
しては従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型
樹脂やこれらの混合物が使用される。
熱可塑性樹脂としては軟化温度が150℃以下、平均分
子量が10,000〜300,000、重合度が約50〜2000程度のも
ので、ヤング率が前述の規定を満たせば良い。例えば塩
化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル共重合体、塩
化ビニル塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニルアクリロ
ニトリル共重合体、アクリル酸エステルアクリロニトリ
ル共重合体、アクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合
体、アクリル酸エステルスチレン共重合体、メタクリル
酸エステルアクリロニトリル共重合体、メタクリル酸エ
ステル塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル
スチレン共重合体、ウレタンエラストマー、ナイロン−
シリコン系樹脂、ニトロセルロース−ポリアミド樹脂、
ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデンアクリロニトリル共重
合体、ブタジエンアクリロニトル共重合体、ポリアミド
樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(セル
ロースアセテートブチレート、セルロースダイアセテー
ト、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネ
ート、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルセ
ルロース、プロピルセルロース、メチルエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、アセチルセルロース
等)、スチレンブタジエン共重合体、ポリエステル樹
脂、クロロビニルエーテルアクリル酸エステル共重合
体、アミノ樹脂、各種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂及び
これらの混合物等が使用される。
熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては塗布液の状態で
は200,000以下の分子量であり、塗布、乾燥後に加熱す
ることにより、縮合、付加等の反応により分子量は無限
大のものとなる。又、これらの樹脂のなかで、樹脂が熱
分解するまでの間に軟化又は溶融しないものが好まし
く、前述のヤング率を満足するものであればよい。具体
的には例えばフェノール樹脂、フェノキシ樹脂、エポキ
シ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン
樹脂、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、アクリル系反応
樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ニトロセルロースメ
ラミン樹脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシアネー
トプレポリマーの混合物、メタクリル酸塩共重合体とジ
イソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポ
リオールとポリイソシアネートとの混合物、尿素ホルム
アルデヒド樹脂、低分子量グリコール/高分子量ジオー
ル/トリフェニルメタントリイソシアネートの混合物、
ポリアミン樹脂、ポリイミン樹脂及びこれらの混合物等
である。
これらの結合剤の単独又は組合わされたものが使わ
れ、ほかに添加剤が加えられる。磁性層の強磁性微粉末
と結合剤との混合割合は重量比で強磁性微粉末100重量
部に対して結合剤18〜40重量部の範囲で使用される。バ
ック層の微粉末と結合剤の混合割合は重量比で微粉末10
0重量部に対して結合剤45〜100重量部の範囲で使用され
る。添加剤は分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤、酸
化防止剤、溶剤等が加えられる。
これらの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂
は、主たる官能基以外に官能基としてカルボン酸、スル
フィン酸、スルホン酸、燐酸、硫酸、硫酸エステル基、
燐酸エステル基、これらのアルキルエステル基等の酸性
基;アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコー
ルの硫酸または燐酸エステル類、アルキルベタイン型等
の両性類基;アミノ基、イミノ基、イミド基、アミド基
等、また水酸基、アルコキシル基、チオール基、ハロゲ
ン基、シリル基、シロキサン基等を通常1種以上6種以
内含み、各々の官能基は樹脂1gあたり1×10-6eq〜1×
10-2eq含むことが好ましい。
本発明に用いるポリイソシアネートとしては、トリレ
ンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシア
ネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート等のイソシアネート
類、又当該イソシアネート類とポリアルコールとの生成
物、又イソシアネートの縮合に依って生成した2〜10量
体のポリイソシアネート等を使用することができる。こ
れらポリイソシアネート類の平均分子量は100〜20,000
のものが好適である。これらポリイソシアネートの市販
されている商品名としては、コロネートL、コロネート
HL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートM
R、ミリオネートMTL(日本ポリウレタン(株)製)、タ
ケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD
−200、タケネートD−202、タケネート300S、タケネー
ト500(武田薬品(株)製)、スミジュールT−80、ス
ミジュール44S、スミジュールPF、スミジュールL、ス
ミジュールN、デスモジュールL、デスモジュールIL、
デスモジュールN、デスモジュールHL、デスモジュール
T65、デスモジュール15、デスモジュールR、デスモジ
ュールRF、デスモジュールSL、デスモジュールZ4273
(住友バイエル社製)等があり、これらを単独若しくは
硬化反応性の差を利用して二つ若しくはそれ以上の組み
合わせによって使用することができる。又、硬化反応を
促進する目的で、水酸基(ブタンジオール、ヘキサンジ
オール等)、アミノ基(モノメチルアミン、ジメチルア
ミン、トリメチルアミン等)を有する化合物や金属酸化
物の触媒を併用する事も出来る。これらの水酸基やアミ
ノ基を有する化合物は多官能である事が望ましい。
本発明の磁性層とバック層に使用されるカーボンブラ
ックはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブ
ラック、アセチレンブラック等を用いる事ができる。こ
れらカーボンブラックの米国における略称の具体例をし
めすとSAF、ISAF、IISAF、T、HAF、SPF、FF、FEF、HM
P、GPF、APF、SRF、MPF、ECF、SCF、CF、FT、MT、HCC、
HCF、MCF、LFF、RCF等があり、米国のASTM規格のD−17
65−82aに分類されているものを使用することができ
る。
本発明に使用されるこれらのカーボンブラックは、一
般に、その平均粒子サイズは5〜1000ミリミクロン(電
子顕微鏡)、窒素吸着法比表面積は1〜800m2/g、pHは
4〜11(JIS規格K−6221−1982法)、ジブチルフタレ
ート(DBP)吸油量は10〜800ml/100g(JIS規格K−6221
−1982法)である。
本発明において、種々のカーボンブラックを使い分け
てもよい。例えば、塗布膜の表面電気抵抗を下げる目的
で5〜100ミリミクロンのカーボンブラックを、また塗
布膜の強度を制御するときに50〜1000ミリミクロンのカ
ーボンブラックを用いる。また塗布膜の表面粗さを制御
する目的でスペーシングロス減少のための平滑化のため
により微粒子のカーボンブラック(100ミリミクロン以
下)を、粗面化して摩擦係数を下げる目的で粗粒子のカ
ーボンブラック(50ミリミクロン以上)を用いる。この
ようにカーボンブラックの種類と添加量は磁気記録媒体
に要求される目的に応じて使い分けられる。
また、これらのカーボンブラックを、後述の分散剤な
どで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても
よい。また、カーボンブラックを製造するときの炉の温
度を2000℃以上で処理して表面の一部をグラファイト化
したものも使用できる。また、特殊なカーボンブラック
として中空カーボンブラックを使用することもできる。
これらのカーボンブラックは磁性層の場合、一般に、
強磁性微粉末100重量部に対して0.1〜20重量部で用いる
ことが望ましい。
本発明に使用出来るカーボンブラックは例えば「カー
ボンブラック便覧」、カーボンブラック協会編、(昭和
46年発行)を参考にすることが出来る。
本発明の磁性層およびバック層で用いられる研磨剤は
一般に用いられる研磨作用若しくは琢磨作用をもつ材料
であり、α−アルミナ、γ−アルミナ、α−γ−アルミ
ナ、熔融アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリ
ウム、コランダム、人造ダイヤモンド、α−酸化鉄、ザ
クロ石、エメリー(主成分:コランダムと磁鉄鉱)、ガ
ーネット、ケイ石、窒化ケイ素、窒化硼素、炭化モリブ
デン、炭化硼素、炭化タングステン、チタンカーバイ
ド、トリポリ、ケイソウ土、ドロマイト等で、主として
モース硬度6以上の材料が1乃至4種迄の組合わせで使
用される。これらの研磨剤は平均粒子サイズが0.005〜
5ミクロンの大きさのものが使用され、特に好ましくは
0.01〜2ミクロンである。これらの研磨剤は結合剤100
重量部に対して0.01〜20重量部の範囲で添加される。
本発明の磁性層とバック層に使用される潤滑剤として
は、二硫化モリブデン、窒化硼素、弗化黒鉛、炭酸カル
シウム、硫酸バリウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化
亜鉛、酸化錫、二硫化タングステン等の無機微粉末、ア
クリルスチレン系樹脂微粉末、ベンゾグアナミン系樹脂
微粉末、メラミン系樹脂微粉末、ポリオレフィン系樹脂
微粉末、ポリエステル系樹脂微粉末、ポリアミド系樹脂
微粉末、ポリイミド系樹脂微粉末、ポリ弗化エチレン系
樹脂微粉末等の樹脂微粉末、シリコンオイル、脂肪酸変
性シリコンオイル、グラファイト、フツ素アルコール、
ポリオレフィン(ポリエチレンワックス等)、ポリグリ
コール(ポリエチレンオキシドワックス等)、テトラフ
ルオロエチレンオキシドワックス、ポリテトラフルオロ
グリコール、パーフルオロ脂肪酸、パーフルオロ脂肪酸
エステル、パーフルオロアルキル硫酸エステル、パーフ
ルオロアルキル燐酸エステル、アルキル燐酸エステル、
ポリフェニルエーテル、炭素数10〜20の一塩基性脂肪酸
と炭素数3〜12個の一価のアルコールもしくは二価のア
ルコール、三価のアルコール、四価のアルコール、六価
のアルコールのいずれか1つもしくは2つ以上とから成
る脂肪酸エステル類、炭素数10個以上の一塩基性脂肪酸
と該脂肪酸の炭素数と合計して炭素数が11〜28個と成る
一価〜六価のアルコールから成る脂肪酸エステル類等の
有機化合物潤滑剤が使用できる。又、炭素数8〜22の脂
肪酸或いは脂肪酸アミド、脂肪族アルコールも使用でき
る。これらの有機化合物潤滑剤の具体的な例としては、
カプリル酸ブチル、カプリル酸オクチル、ラウリン酸エ
チル、ラウリン酸ブチル、ラウリル酸オクチル、ミリス
チン酸エチル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸オク
チル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸ブチル、パル
ミチン酸オクチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸
ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、
アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソ
ルビタンジステアレート、アンヒドロソルビタントリス
テアレート、アンヒドロソルビタンテトラステアレー
ト、オレイルオレート、オレイルアルコール、ラウリル
アルコール等が有り単独若しくは組合せ使用出来る。ま
た本発明に使用される潤滑剤としては所謂潤滑油添加剤
も単独若しくは組合せで使用出来、酸化防止剤(アルキ
ルフェノール等)、錆どめ剤(ナフテン酸、アルケニル
コハク酸、ジラウリルフォスフェート等)、油性剤(ナ
タネ油、ラウリルアルコール等)、極圧剤(ジベンジル
スルフィド、トリクレジルフォスフェート)、トリブチ
ルホスファイト等)、清浄分散剤、粘度指数向上剤、流
動点降下剤、泡どめ剤等がある。これらの潤滑剤は結合
剤100重量部に対して0.05〜20重量部の範囲で添加され
る。
本発明に使用する分散剤としては、カプリル酸、カプ
リン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、
リノレン酸、ステアロール酸等の炭素数10〜22個の脂肪
酸(R1COOH、R1は炭素数9〜21個のアルキル基)、前記
脂肪酸のアルカリ金属(Li、Na、K、NH4 +等)またはア
ルカリ土類金属(Mg、Ca、Ba等)、Cu、Pb等から成る金
属石鹸、脂肪酸アミド、レシチン等が使用される。この
他に炭素数4以上の高級アルコール(ブタノール、オク
チルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルア
ルコール)及びこれらの硫酸エステル、燐酸エステル、
アミン化合物等も使用可能である。また、ポリエチレン
オキサイド、スルホ琥珀酸、スルホ琥珀酸エステル等も
使用可能である。これらの分散剤は通常一種類以上で用
いられ、一種類の分散剤は結合剤100重量部に対して0.0
05〜20重量部の範囲で添加される。これら分散剤の使用
方法は、強磁性微粉末や非磁性微粉末の表面に予め設着
させても良く、分散途中で添加してもよい。
本発明に用いる帯電防止剤としてはグラファイト、カ
ーボンブラック、カーボンブラックグラフトポリマー、
酸化錫−酸化アンチモン、酸化錫、酸化チタン−酸化錫
−酸化アンチモン、等の導電性粉末;サポニン等の天然
界面活性剤;アルキレンオキサイ系、グリセリン系、グ
リシドール系、多価アルコール、多価アルコールエステ
ル、アルキルフェノールEO付加体等のノニオン界面活性
剤;高級アルキルアミン類、環状アミン、ヒダントイン
誘導体、アミドアミン、エステルアミド、第四級アンモ
ニウム塩類、ピリジンそのほかの複素環類、ホスホニウ
ムまたはスルホニウム類、等のカチオン界面活性剤;カ
ルボン酸、スルホン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エ
ステル基などの酸性基を含むアニオン界面活性剤;アミ
ノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸
または燐酸エステル類、アルキルベタイン型等の両性界
面活性剤が使用される。
これらの界面活性剤は単独または混合して添加しても
良い。磁気記録媒体における、これらの界面活性剤の使
用量は、強磁性微粉末100重量部当たり0.01〜10重量部
である。これらは帯電防止剤として用いられるものであ
るが、時としてそのほかの目的、例えば分散、磁気特性
の改良、潤滑性の改良、塗布助剤として適用される場合
もある。
本発明において、分散、混練、塗布の際に使用する有
機溶媒としては、任意の比率で、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、イソホロン、テトラヒドロフラン等のケトン系;メ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イ
ソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチル
シクロヘキサノールなどのアルコール系;酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプ
ロピル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエーテ
ル等のエステル系;ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエ
チルエーテル、ジオキサンなどのエーテル系;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼ
ン、スチレンなどのタール系(芳香族炭化水素);メチ
レンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、ク
ロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼ
ン等の塩素化炭化水素;N,N−ジメチルホルムアルデヒ
ド;ヘキサン等のものが使用できる。
磁気記録層の形成は上記の組成などを任意に組合せて
有機溶媒に溶解し、塗布溶液として支持体上に塗布・乾
燥する。テープとして使用する場合には支持体の厚み2.
5〜100ミクロン程度、好ましくは3〜70ミクロン程度が
良い。
支持体の素材としてはポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテ
ート、セルロースダイアセテート等のセルロース誘導
体、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂類、ポリカーボネ
ート、ポリアミド、ポリスルホン等のプラスチックのほ
かにアルミニウム、銅等の金属、ガラス等のセラミック
ス等も使用出来る。
これらの支持体は塗布に先立って、コロナ放電処理、
プラズマ処理、下塗塗理、熱処理、除塵埃処理、金属蒸
着処理、アルカリ処理をおこなってもよい。
混練の方法には特に制限はなく、また各成分の添加順
序などは適宜設定することができる。磁性塗料およびバ
ック層塗料の調製には通常の混練機、例えば、二本ロー
ルミル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、ト
ロンミル、サンドグラインダー、ツェグバリ(Szegvar
i)アトライター、高速インペラー分散機、高速ストー
ンミル、高速度衝撃ミル、デイスパー、ニーダー、高速
ミキサー、リボンブレンダー、コニーダー、インテンシ
ブミキサー、タンブラー、ブレンダー、ディスパーザ
ー、ホモジナイザー、単軸スクリュー押し出し機、二軸
スクリュー押し出し機、及び超音波分散機などを用いる
ことができる。混練分散に関する技術の詳細は、T.C.PA
TTON著(テー・シー・パットン)“Paint Flow and Pig
ment Dispersion"(ペイント フロー アンド ピグメ
ント ディスパージョン)1964年John Wiley & Sons社
発行(ジョン ウイリー アンド サイズ)や田中信一
著『工業材料』25巻37(1977)などや当該書籍の引用文
献に記載されている。また、米国特許第2,581,414号及
び同2,855,156号などの明細書にも記載がある。本発明
においても上記の書籍や当該書籍の引用文献などに記載
された方法に準じて混練分散を行い磁性塗料およびバッ
ク層塗料を調製することができる。
支持体上へ前記の磁気記録層ならびにバック層を塗布
する方法としてはエアードクターコート、ブレードコー
ト、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、
リバースロールコート、トランスファーロールコート、
グラビアコート、キスコート、キャストコート、スプレ
イコート等が利用出来、その他の方法も可能であり、こ
れらの具体的説明は朝倉書店発行の『コーティング工
学』253頁〜277頁(昭和46年3月20日発行)に詳細に記
載されている。
このような方法により、支持体上に塗布された磁性層
は必要により層中の磁性粉末を直ちに乾燥しながら配向
させる処理を施したのち、形成した磁性層を乾燥する。
このときの支持体の搬送速度は、通常10m/分〜900m/分
でおこなわれ、乾燥温度が20℃〜130℃で制御される。
又必要により表面平滑化加工を施したり、所望の形状に
裁断したりして、本発明の磁気記録媒体を製造する。
本発明に使用される強磁性微粉末又は非磁性粉末,結
合剤、添加剤(潤滑剤、分散剤、帯電防止剤、表面処理
剤、カーボンブラック、研磨剤、遮光剤、酸化防止剤、
防黴剤、等)、溶剤及び支持体(下塗層、バック層、バ
ック下塗層を有してもよい)或いは磁気記録媒体の製法
等は特公昭56−26890号等に記載されているものも参考
にできる。
(実施例) 以下に本発明を実施例により更に具体的に説明する。
ここで示す成分、割合、操作順序等は本発明の精神から
逸脱しない範囲において変更しうるものであることは本
業界に携わるものにとっては容易に理解されることであ
る。従って、本発明は下記の実施例に制限されるべきで
はない。猶、実施例中の部は重量部をしめす。
〔実施例1〕 下記磁性層組成物の〔I〕をニーダーに入れ充分混練
したあと〔II〕を追加投入し充分混練し、塗布前に〔II
I〕を入れ混合分散して磁性塗料を作成した。
磁性層組成物 〔I〕 Co含有γ−Fe2O3粉末(窒素吸着比表面積:45m2/g粉末H
c:900Oe) 300部 塩化ビニル樹脂(SO3H、エポキシ基含有、MR110、日本
ゼオン社製) 40部 ポリウレタン樹脂(クリスボン7209、大日本インキ社
製) 10部 カーボンブラック(バルカンXC72、キャボット社製、平
均粒子サイズ30mμ) 12部 研磨剤:α−Al2O3(住友化学社製、HIT100) 18部 研磨剤:Cr2O3(日本化学工業製、S1、平均粒子サイズ0.
1μm) 3部 オレイン酸 3部 シクロヘキサノン 150部 〔II〕 ポリウレタン樹脂(ニッポランN2304、日本ポリウレタ
ン社製) 8部 酢酸ブチル 850部 ステアリン酸tertブチル 3部 〔III〕 ポリイソシアネート(コロネート3040、バイエル社製) 24部 ステアリン酸 3部 酢酸ブチル 100部 この磁性塗料を粘度調整した後19μmの非磁性支持体
のポリエチレンテレフタレート上に乾燥膜厚5.0μmで
塗布し、その儘3000ガウスの磁石で磁場配向した後乾燥
し、引き続きカレンダーをかけて磁性層を作成した。
引き続き磁性層を設けた非磁性支持体の裏側面に、下
記バック液を乾燥膜厚み2.0μmに塗布してバック層を
設けた。バック液は、下記バック組成物〔I〕をボール
ミルで混練分散し、〔II〕を加えて混合攪拌して調整し
た。
バック層組成物 〔I〕 カーボンブラック(レーベンMTP、キャボット社製、窒
素吸着比表面積:10m2/g、平均粒子サイズ250mμ) 80 部 カーボンブラック(コンダクテックスSC、コロンビアン
社製、窒素吸着比表面積:200m2/g、平均粒子サイズ20m
μ) 20 部 ポリウレタンポリカーボネート樹脂(FJ2、大日精化社
製) 35 部 フェノキシ樹脂(PKHH、ユニオンカーバイド社製) 10 部 オレイン酸銅 0.1部 メチルエチルケトン 700 部 シクロヘキサノン 300 部 〔II〕 ポリイソシアネート(コロネート2061、日本ポリウレタ
ン社製) 5 部 潤滑剤(シリコーン、KF69、信越化学社製) 0.1部 潤滑剤(オレイン酸) 1 部 メチルエチルケトン 100 部 この後、1インチ幅にスリットして、ビデオテープサ
ンプルを製造した。
〔実施例2〕 実施例1において、磁性層のバインダーを第1表のよ
うに変更する以外は、実施例1と同様にしてビデオテー
プサンプルを作成した。
〔実施例3〕 実施例1において、磁性層のバインダーを第1表のよ
うに変更する以外は、実施例1と同様にしてビデオテー
プサンプルを作成した。
〔実施例4〕 実施例2において、バック層のバインダーのポリウレ
タンポリカーボネート樹脂とフェノキシ樹脂の使用量を
それぞれ40部と5部に変更する以外は、実施例2と同様
にしてビデオテープサンプルを作成した。
〔実施例5〕 実施例2において、バック層のバインダーのポリウレ
タンポリカーボネート樹脂とフェノキシ樹脂の使用量を
それぞれ30部と15部に変更する以外は、実施例2と同様
にしてビデオテープサンプルを作成した。
〔比較例1〕 実施例1において、磁性層のポリイソシアネート24部
をポリイソシアネート5部に変更する以外は、実施例1
と同様にしてビデオテープサンプルを作成した。
〔比較例2〕 実施例1において、磁性層の塩化ビニル樹脂(MR11
0)40部とポリウレタン樹脂(クリスボン7209)10部
を、塩化ビニル樹脂(MR110)60部に変更する以外は、
実施例1と同様にしてビデオテープサンプルを作成し
た。
〔比較例3〕 実施例2において、バック層のフェノキシ樹脂(PKH
H)10部を、塩化ビニル樹脂(MR110)20部に変更する以
外は、実施例2と同様にしてビデオテープサンプルを作
成した。
〔比較例4〕 実施例2において、バック層のフェノキシ樹脂(PKH
H)10部を、塩化ビニル樹脂(MR110)40部に変更する以
外は、実施例2と同様にしてビデオテープサンプルを作
成した。
〔比較例5〕 実施例2において、バック層のバインダーのポリウレ
タンポリカーボネート樹脂とフェノキシ樹脂の使用量を
それぞれ45部と0部に変更する以外は、実施例2と同様
にしてビデオテープサンプルを作成した。
〔比較例6〕 特開昭58−91528号の実施例1と同様にして、ビデオ
テープサンプルを作成した。
〔評価方法〕
ドロップアウト(D.O.): 室温(23℃、50%RH)に於いて、ソニー製のBVH500の
VTRでドロップアウトを測定(初期値)した後、繰り返
し走行(100パス)し、ビデオテープを40℃、80%RH
(相対湿度)で1週間保管後室温に戻し、再びドロップ
アウトを測定(経時値)し、1分間あたりのドロップア
ウトの経時値と初期値との差よりドロップアウトの増加
個数を求めた。
RF出力: 上記テスト前後(経時前と経時後)でのRF出力を測定
し、経時前のRF出力に対する経時後のRF出力の変化(相
対値)を求めた。
本発明の磁気記録媒体は、第1表の実施例から明らか
なように、ドロップアウト、RF出力特性が優れた性能を
示している。比較例1〜6の場合は、塗布膜のヤング率
が不適切であると認められる。
〔実施例6〕 実施例1において、磁性層のカーボンブラック(バル
カンXC72)を24部に変更する以外は、実施例1と同様に
してビデオテープサンプルを作成した。
〔実施例7〕 実施例6において、磁性層の強磁性微粉末の二価の鉄
量を三価の鉄量に対して8atom%含有させたものに変更
する以外は、実施例6と同様にしてビデオテープサンプ
ルを作成した。
〔実施例8〕 実施例1において、バック層のカーボンブラック(レ
ーベンMTP)とカーボンブラック(コンダクテックスS
C)の使用量をそれぞれ104部と26部に変更する以外は、
実施例1と同様にしてビデオテープサンプルを作成し
た。
得られたビデオテープサンプルについて、実施例1と
同様の評価方法により、ドロップアウトおよびRF出力を
測定し、結果を第2表に示した。
本発明の磁気記録媒体は、第2表の実施例から明らか
なように、ドロップアウト、RF出力特性が優れた性能を
示している。
〔実施例9〜12〕 実施例1において、磁性層の乾燥膜厚(A)、バック
層の乾燥膜厚(B)、および非磁性支持体の厚み(C)
を第3表のように変更する以外は、実施例1と同様にし
てビデオテープサンプルを作成した。
得られたビデオテープサンプルについて、実施例1と
同様の評価方法により、ドロップアウトおよびRF出力を
測定し、結果を第3表に示した。
本発明の磁気記録媒体は、第3表の実施例から明らか
なように、ドロップアウト、RF出力特性が優れた性能を
示している。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強磁性微粉末、バインダー及びカーボンブ
    ラックを含む磁性層を非磁性支持体上に設け、バインダ
    ー及びカーボンブラックを含むバック層を磁性層とは反
    対面の非磁性支持体上に設けてなる磁気記録媒体におい
    て、当該磁性層のヤング率が600〜1100Kg/mm2で、当該
    バック層のヤング率が200〜400Kg/mm2である事を特徴と
    する磁気記録媒体。
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