JP2663186B2 - 磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダ
ーの製造方法に関する。更に詳細には、特定構造の第三
級アミノ基を含有させたポリウレタン樹脂に有機ハロゲ
ン化物を加えて反応させるという、分散特性、電磁変換
特性等に優れた磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バイン
ダーの製造方法に関する。
〔従来の技術〕
一般に、オーデオ機器、ビデオ機器、コンピューター
等に用いる磁気記録媒体(具体的には、オーデオテー
プ、ビデオテープ、フロッピーディスクおよびコンピュ
ーター用データテープ等にもちいられる)は、ポリエス
テルフイルム等の非磁性の支持体上に磁性粉とバインダ
ー等を含む磁性塗料を塗布、乾燥して磁性層を形成する
ことによって得られる。
このような磁気記録媒体の磁性層を形成するためのバ
インダーとしては、一般に塩化ビニル樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、ニトロセルロース樹脂、エ
ポキシ樹脂等が使われている。
近年、オーデオテープ、ビデオテープ、コンピュータ
ー用のデータテープ等の磁気記録媒体の用途拡大に伴
い、要求性能も多岐に渡っているが、特に磁気記録媒体
の高信頼性への要求が増大している。具体的には鮮明な
音、画像を記録再生するための高密度記録化が求められ
ている。
高密度化の方策として、磁性粉の微粒子化、高磁力化
が図られるとともに、磁性層中における磁性粉の充填密
度、いわゆるパッキングデンシティを増大させる傾向が
強くなっている。このような磁性粉の微粒子化による比
表面積の増大や高磁力化による凝集力の増大に伴い、分
散が困難となり従来のバインダーでは満足のいく分散性
や表面性が得られず、磁性粉のパッキングデンシティを
増大させることも困難なものとなっている。
近年、分散性を改善するために種々の親水性極性基を
導入することが提案されている。例えば、(イ)−SO3M
基、(ロ)−COOM基、(ハ)−P=O(OM′)基、
(ニ)−OH基、(ホ)三級アミノ基(Mは水素あるいは
アルカリ金属、M′は水素、アルカリ金属あるいは炭化
水素基)等が考えられている。しかし、極性基が
(イ)、(ロ)及び(ハ)の場合、これらを導入するに
したがって、溶液重合で得られる樹脂は濁りを生じ、時
間とともに沈澱、分離が発生する。またこれを用いて磁
性粉を分散させた磁性塗料の粘度は、極性基の導入量に
伴って増大し、ひいては磁気記録媒体の製造が困難とな
ることがしばしばあった。又、極性基が(ニ)、(ホ)
の場合は、分散力は低く、導入量を増やしても微粒子化
された磁性粉や高磁化量を有する金属磁性粉のバインダ
ーとしては性能不十分のため、その改善が要望されてい
た。
この他に、第四級アンモニウム塩を導入することが溶
液重合樹脂において考えられているが、導入濃度を多く
するに従って、白濁、沈澱等を生じるので、溶剤を注意
深く選択しなければならない場合が多く、この溶液もま
た経時と共に、樹脂の沈澱、分離を生ずることがあっ
た。
〔発明が解決しようとする課題〕 微粒子化した磁性粉に対して充分な分散性を示すバイ
ンダーは開発されておらず、磁気記録媒体において所定
の磁気特性、電磁変換特性を確保することが要望されて
いた。特に、第四級アンモニウム塩をポリウレタン樹脂
中に導入すると、導入量あるいは導入原料によっては、
白濁、沈澱を生じ、また導入原料が高価であるため、そ
の改良が望まれていた。
本発明者等は、鋭意研究検討を重ねた結果、特定構造
の第三級アミノ基を含有させたポリウレタン樹脂に有機
ハロゲン化物を反応させるという方法によって得られた
磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーが、前記の
課題を解決し、磁性粉の分散性や磁性層の表面性を大幅
に改良した磁気記録媒体が得られることを見出し、本発
明に至った。
〔課題を解決するための手段〕
即ち本発明は、 数平均分子量500〜3000のポリオール、鎖延長剤、式
(I)で示される第三級アミノ基含有ジオール、有機ジ
イソシアネートを反応させて得られる、第三級アミノ基
を0.01〜5.0mmol/g含有しているポリウレタン樹脂に、
有機ハロゲン化物をポリウレタン樹脂中に含有している
第三級アミノ基の当量以下の量を加えて反応させ、か
つ、該ポリウレタン樹脂中に生成する第四級アンモニウ
ム塩の含有量が0.01〜5mmol/gであることを特徴とする
磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダーの製造方法
である。
(式中、Aは炭素数20以下の3価の有機鎖を示す。Rは
炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基を示す。) 本発明に用いる数平均分子量500〜3000のポリオール
としては、ポリエステルポリオール、ポリエステルアミ
ドポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテル
・エステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等
がある。
本発明におけるポリエステルポリオールとしては、例
えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロテレフ
タル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸またはそれらの酸エ
ステル、酸無水物等のジカルボン酸・酸エステル・酸無
水物と、エチレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,
5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メ
チル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジ
エチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオー
ル、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールあるいはビス
フェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオ
キサイド付加物等のグリコール、ヘキサメチレンジアミ
ン、キシレンジアミン、イソホロンジアミン、モノエタ
ノールアミン等のジアミンまたはアミノアルコール等単
独またはこれらの混合物との脱水縮合反応で得られるポ
リエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオー
ル、またはε−カプロラクトン、アルキル置換ε−カプ
ロラクトン、δ−バレロラクトン、アルキル置換δ−バ
レロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの
開環重合して得られるラクトン系ポリエステルポリオー
ル等がある。本発明におけるポリエーテルポリオールと
しては、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ンエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポ
リオール等が挙げられる。本発明におけるポリエーテル
・エステルポリオールとしては、上記のポリエーテルポ
リオールと前記のジカルボン酸又は酸無水物等から製造
されるポリオール類が挙げられる。
本発明におけるポリカーボネートポリオールとして
は、一般には多価アルコールとジエチルカーボネートの
脱エタノール縮合反応、あるいは多価アルコールとジフ
ェニルカーボネートの脱フェノール縮合反応、あるい
は、多価アルコールとエチレンカーボネートの脱エチレ
ングリコール縮合反応等で得られ、この多価アルコール
としては、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコ
ール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,4−ペンタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオー
ル、1,10−デカンジオール等の脂肪族ジオール、あるい
は、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、水添ビスフェノールA等の脂環族ジオ
ール、p−キシレングリコール、ビスフェノールA等が
用いられる。
本発明に用いる鎖延長剤としては、エチレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シ
クロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−
ジメタノールあるいはビスフェノールAのエチレンオキ
サイドまたはプロピレンオキサイド付加物等のグリコー
ル、ヘキサメチレンジアミン、キシレンジアミン、イソ
ホロンジアミン、モノエタノールアミン、N,N′−ジメ
チルエチレンジアミン等のジアミンまたはアミノアルコ
ール等が挙げられ、特に特開昭61−107531号公報に示さ
れるイソシアネート基と反応しウレア結合を生成する
水、尿素も鎖延長剤として使うことができる。これら上
記の化合物は単独または、これらの混合物の形で使うこ
とができる。
本発明に用いる第三級アミノ基を含有するジオールと
しては、以下の式(I)で示されるものである。
式(I)において、Aは炭素数20以下の3価の有機鎖
を示す。Rは炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基を
示す。
本発明における式(I)の化合物の具体例としては、
たとえば、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオー
ル、4−ジメチルアミノ−1,2−ブタンジオール、5−
ジメチルアミノ−1,3−ペンタンジオール、3−ジエチ
ルアミノ−1,2−プロパンジオール、4−ジエチルアミ
ノ−1,2−ブタンジオール、5−ジエチルアミノ−1,3−
ペンタンジオール、4−(3−ヒドロキシ−2−ヒドロ
キシメチル)プロピル−N,N−ジメチルアニリン、4−
(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル)ブチル−N,
N−ジメチルアニリン等のRがメチル基のもの以外に、
エチル基、フェニル基である化合物等が挙げられる。こ
れらはポリウレタン樹脂の側鎖中に導入される。これら
の化合物はこのまま、鎖延長剤の一部として使用できる
が、前述のポリオールのグリコール原料としても使用す
ることができる。例えば、ε−カプロラクトン、アルキ
ル置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、アル
キル置換δ−バレロラクトン等の環状ラクトンモノマー
による開環重合反応、あるいは、公知のジカルボン酸と
の脱水縮合反応、あるいは、前述したポリエステルポリ
オールとのエステル交換反応等により、ポリエステルポ
リオールが、またポリエーテルポリオールの製造時、開
始剤としてこれらの化合物を用いることでポリエーテル
ポリオールが、更にポリカーボネートポリオールの原料
である多価アルコールの一部として用いることによりポ
リカーボネートポリオールがそれぞれ得られる。このよ
うにして得られたポリオールは、第三級アミノ基を含有
する活性水素化合物として使用することができる。
本発明に用いる有機ハロゲン化合物としては、例え
ば、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化イソ
プロピル、塩化ブチル、塩化ヘキシルなどの塩化炭化水
素、およびこれらの化合物で塩素を臭素あるいはよう素
に置換した、臭化炭化水素、ヨウ化炭化水素であり、ま
た、フェニルクロライド、ベンジルクロライド、および
これらの化合物で、塩素を臭素または、よう素に置換し
た臭化物、ヨウ化物等の芳香族ハロゲン化物が挙げられ
る。本発明は、ペンダントタイプの第三級アミノ基を含
有するポリウレタン樹脂を合成した後、有機ハロゲン化
物を添加して、ペンダントの第三級アミノ基を第四級化
させるという製造方法である。有機ハロゲン化物を添加
する前のポリウレタン樹脂における第三級アミノ基の濃
度は、0.01mmol/g〜5.0mmol/g、より好ましくは、0.05m
mol/g〜3.0mmol/gである。また、有機ハロゲン化物の添
加量は、ポリウレタン樹脂中に含有する第三級アミノ基
の当量以下である。なお、第三級アミノ基と有機ハロゲ
ン化物との反応により生成する第四級アンモニウム塩と
しての最低含有量は、0.01mmol/gである。第四級アンモ
ニウム塩が0.01mmol/g未満の場合は、所定の磁気特性、
電磁変換特性が得られない。また、5.0mmol/gを越える
場合は、得られる樹脂の溶液粘度が増大し、ついにはゲ
ル状になり磁気記録媒体用バインダーとして利用できな
くなる。また、有機ハロゲン化物の添加量が第三級アミ
ノ基の当量を越える場合は、ポリウレタン樹脂中に遊離
の有機ハロゲン化物が存在し、ポリウレタン樹脂の耐久
性に悪影響を及ぼすことがある。
本発明に用いる有機ジイソシアネートとしては、2,4
−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシ
アネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリ
レンジイソシアネートとの混合物、キシレン−1,4−ジ
イソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジ
フェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェ
ニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプ
ロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジ
フェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジ
フェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジ
イソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナ
フチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−
ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,
4′−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、
テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添化ト
リレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等の脂
環族ジイソシアネート等を挙げることができる。これら
の有機ジイソシアネートは、芳香族、脂肪族、脂環族、
のいずれでもよいが、希望する樹脂物性に応じて選択さ
れる。
本発明のポリウレタン樹脂中には、他の親水性極性基
を併用してもよい。たとえば、−COOM基、−OH基、−SO
3M基、−P=O(OM′)基(Mは水素またはアルカリ
金属、M′は水素、アルカリ金属または炭化水素基)等
の親水性極性基を含有するジオール、ジアミンまたはア
ミノアルコール等の活性水素化合物等と併用することが
できる。
本発明における−COOM基を有する活性水素化合物の例
としては、−COOM含有グリコールとして、2,2−ジメチ
ロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸
ナトリウム、2,2−ジメチロール酪酸、及び2,2−ジメチ
ロール吉草酸等を挙げることができる。
本発明における−OH基を有する活性水素化合物の例と
しては、1個の2級OH基含有グリコールとして、グリセ
リン、グリセリンのエチレンオキサイド付加物、1,2,6
−ヘキサントリオール及びジエタノールアミンのプロピ
レンオキサイド付加物があり、分子内に3級OH基を有す
るグリコールとして、1,2,3−ヒドロキシ−2−メチル
プロパン、1,3,5−ヒドロキシ−3−メチルペンタン、
1,2,3,6−ヒドロキシ−2,3−ジメチルヘキサン等の単体
もしくは混合物、ジアミンとして、N−ヒドロキシエチ
ルエチレンジアミン、1,3−ジアミノ−2−プロパノー
ル等を挙げることができる。
本発明における−SO3M基を有する活性水素化合物の例
としては、2−ソジウムスルホ−1,4−ブタンジオー
ル、2−ポタシウムスルホ−1,4−ブタンジオール等のS
O3M基含有グリコール、5−ソジウムスルホイソフタル
酸、5−ボタシウムスルホイソフタル酸、ソジウムスル
ホコハク酸及びそのアルキルエステル等のSO3M基含有ジ
カルボン酸及びエステルが挙げられる。
本発明における−P=O(OM′)基を有する活性水
素化合物の例としては、2,3−ジヒドロキシプロピル−
フェニルホスフォン酸ナトリウム、2,3−ジヒドロキシ
プロピル−フェニルホスフォン酸ナトリウム、ビス(2
−ヒドロキシエチル)ホスフォン酸カリウム、ビス(4
−ヒドロキシブチル)ホスフォン酸ナトリウム等が挙げ
られる。
これら親水性極性基を含有するジオール、ジアミンま
たはアミノアルコールは、鎖延長剤の一部として使用で
きるが、前述のポリオールのグリコール原料としても使
用することができる。例えば、ε−カプロラクトン、ア
ルキル置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、
アルキル置換δ−バレロラクトン等の環状ラクトンモノ
マーによる開環重合反応、あるいは公知のジカルボン酸
との脱水縮合反応、あるいは前述したポリエステルポリ
オールとのエステル交換反応等により、ポリエステルポ
リオールが、またポリエーテルポリオールの製造時、開
始剤としてこれらの化合物を用いることでポリエーテル
ポリオールが、更にポリカーボネートポリオールの原料
である多価アルコールとしてこれらの化合物を用いるこ
とでポリカーボネートポリオールがそれぞれ得られる。
このようにして得られたポリオールは、第三級アミノ基
を含有する活性水素化合物以外の他の親水性極性基とし
て使用することができる。
本発明におけるポリオール、鎖延長剤、及び第三級ア
ミノ基含有ジオールの全活性水素基数と、有機ジイソシ
アネートの全イソシアネート基数とのモル比(全イソシ
アネート基/全活性水素基)は、0.80〜1.05、好ましく
は0.85〜1.00である。
このようにして得られるポリウレタン樹脂は、線状で
両末端に水酸基を有し、数平均分子量10000〜130000好
ましくは20000〜60000であるポリウレタン樹脂である。
この場合分子量が10000より小さくなると分散性に優れ
ており有利であるが、樹脂の塗膜形成能が不十分とな
り、耐久性と表面滑性の点で劣るようになる。分子量が
130000より大きくなると分散性が落ちると共に、粘度が
大きくなるので塗料製造上、混合、移送、塗布の工程に
於て作業性が劣るようになる。
本発明の磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダー
の製造方法は、ペンダントタイプの第三級アミノ基を含
有するポリウレタン樹脂を合成し、その後、有機ハロゲ
ン化物を添加して、樹脂中の第三級アミノ基を四級化反
応させる。このペンダントタイプの第三級アミノ基を含
有するポリウレタン樹脂の製造方法としては、例えば、
溶融状態で反応せしめるバルク重合(固形反応)法、メ
チルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(M
IBK)、シクロヘキサノン(アノン)等のケトン系溶
剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ジオ
キサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、セロ
ソルブ、カルビトール等として知られるグリコールエー
テル系、セロソルブアセテート等の酢酸グリコールエー
テル系、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド
等のアミド系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル等のアルコール系溶剤などの単独または混合溶剤中に
前記記載の各成分を溶解せしめた状態で反応させる溶液
重合法等を用いることができる。
また必要に応じて触媒および安定剤を用いることがで
きる。触媒としては例えばトリエチルアミン、トリエチ
レンジアミン等の含窒素化合物、ジブチル錫ジラウレー
ト(DBTDL)、オクチル酸錫、ステアリン酸亜鉛等の有
機金属化合物等が挙げられる。安定剤としては、置換ベ
ンゾトリアゾール類等の紫外線吸収剤、フェノール誘導
体等の酸化防止剤、および加水分解防止剤等を加えるこ
とができる。
本発明によって得られたポリウレタン樹脂バインダー
を磁気記録媒体に用いる場合、必要に応じて磁気記録媒
体のバインダーとして他のポリウレタン樹脂、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル系共重合体、ポリブチルブチラール系樹
脂、繊維素系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂及
びフェノキシ樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重
合体等の熱硬化性樹脂又は反応型樹脂および不飽和プレ
ポリマー、例えばウレタンアクリルタイプ、ポリエステ
ルアクリルタイプ、または多官能モノマーとして、ウレ
タンアクリルタイプ、リン酸エステルアクリルタイプ、
アリールタイプ、等の電子線または紫外線硬化型樹脂を
併用することができる。
このようにして得られたペンダントタイプの第三級ア
ミノ基を含有するポリウレタン樹脂に有機ハロゲン化物
を添加、第四級化反応して、最終的に磁気記録媒体用ポ
リウレタン樹脂バインダーを得る。以下に第四級化反応
の条件等を説明する。
第四級化反応の条件は、有機ハロゲン化物の沸点によ
って異なる。例えば、塩化メチル、塩化エチル、臭化メ
チル等のように沸点が、室温以下の場合、 第三級アミノ基を含有するポリウレタン樹脂の製造
後、反応釜に直接吹き込む方法、あるいは、窒素ガスの
バブリング装置を備え付け、窒素配管途中に、低沸点有
機ハロゲン化物を接続して、窒素ガスとともに吹き込む
方法、等により吹き込みながら、1時間撹拌する。反応
温度は、室温で行うのが望ましい。有機ハロゲン化物の
沸点が室温以上の場合、必要量を、第三級アミノ基を含
有するポリウレタン樹脂溶液中に加え、室温から有機ハ
ロゲン化物の沸点以下の温度で1時間撹拌することによ
って行うことができる。
本発明で用いられる磁性粉としては、例えばγ−Fe2O
3、Co含有γ−Fe2O3、等の酸化鉄磁性粉、CrO2、六方晶
系バリウムフェライト微粒子、及びFe、Ni、Co、Fe−Ni
−Co合金、Fe−Mn−Zn合金等Fe、Ni、Coを主成分とする
メタル磁性粉等各種の強磁性粉が挙げられる。
本発明に係わるポリウレタン樹脂は、磁気記録媒体用
以外に、塗料、接着剤、シーリング剤、防水剤、床材、
人工皮革、繊維処理剤、弾性繊維、クッション材、シー
ト、ベルト、フィルム、ロール、ギヤー、ソリッドタイ
ヤ、防振材、チューブ、パッキング材、靴底(マイクロ
セルラー)等に利用することができる。
〔作 用〕
数平均分子量500〜3000のポリオール、鎖延長剤、ペ
ンダントタイプの第三級アミノ基含有ジオール、有機ジ
イソシアネートを反応させて得られる、第三級アミノ基
を0.01〜5.0mmol/g含有しているポリウレタン樹脂に、
有機ハロゲン化物をポリウレタン樹脂中に含有している
第三級アミノ基の当量以下の量を加えて反応させ、か
つ、ポリウレタン樹脂中に生成する第四級アンモニウム
塩の含有量が0.01〜5.0mmol/gであるという製造方法に
よって得られた磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バイン
ダーの溶液は、白濁、沈殿を発生せず、安価であり、磁
性粉に対する分散性や磁性層の表面性を大幅に改良する
ことができる。
〔実施例〕
次に、本発明について実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明がこれら実施例に限定されるものではな
い。尚、実施例における「部」および「%」は、断わり
のない限り「重量部」および「重量%」である。
実施例1. 温度計、撹拌機、コンデンサーを備えた反応容器に、
数平均分子量1000のポリカプロラクトンジオール1000
部、ネオペンチルグリコール104部、3−ジメチルアミ
ノ−1,2−プロパンジオール1800部、アノン14247部及び
ウレタン化触媒としてDBTDLを0.05部加え50℃で混合し
た後、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート4247
部加え、80℃にて反応させた。時間と共に粘度が上昇す
るので適時MEKにて希釈し、赤外スペクトルで2275cm-1
のイソシアネート基の吸収が消失するのを確認した後、
全MEKを9498部とし、透明な淡黄色液体を得た。更に、
有機ハロゲン化物としてメチルクロライド764部を反応
容器中にバブリングさせながら加え、温度を25℃にて1
時間撹拌した。このポリウレタン樹脂溶液は固形分24.8
%、粘度10300(cP/25℃)で、数平均分子量は、37400
であった。合成したポリウレタン樹脂バインダーの組成
及び特性を表1、2に示す。
実施例2〜4 有機ハロゲン化物を仕込む前の段階まで、実施例1と
同様な合成方法で、表1、2に示す原料、配合比で第三
級アミノ基含有ポリウレタン樹脂を合成した。その後、
表1、2に示すように有機ハロゲン化物の種類、量を変
え、有機ハロゲン化物を反応容器の仕込み口から投入
し、70℃にて1時間撹拌した。合成したポリウレタン樹
脂バインダーの組成及び特性を表1、2に示す。
実施例1〜4で得られたポリウレタン樹脂溶液は全
て、透明で、濁りのない淡黄色液体であった。
比較例1 表1、2に示されるポリオール、鎖延長剤、有機ジイ
ソシアネートでポリウレタン樹脂を合成し、その後、メ
チルヨーダイドを37部加え、70℃にて1時間撹拌した。
合成したポリウレタン樹脂バインダーの組成及び特性を
表1、2に示す。
応用実施例1 実施例1で得たポリウレタン樹脂溶液をもちいて、下
記の磁気記録媒体用配合組成物を卓上サンドグラインド
ミル(五十嵐機械KK製)で8時間分散させ、得られた磁
気塗料を厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上に乾燥後厚さ5μmになるように塗布して乾燥
し、各々の光沢度を見た(第3表)。また8時間分散し
て得た磁気塗料にポリイソシアネートとしてコロネート
−L(日本ポリウレタン工業製)を硬化剤として樹脂分
換算で実施例1で得たポリウレタン樹脂溶液の樹脂分換
算100部に対して、10部加え、更に1時間混合してか
ら、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
上に乾燥後厚さ5μmになるように2000ガウスの磁場を
印加しつつ塗布してから、60℃1日放置し磁気テープを
得た。特性を表3.に示す。
磁気記録媒体用配合組成物 Co−γ−Fe2O3 100部 ポリウレタン樹脂(樹脂分) 25部 トルエン 110部 MEK 110部 シクロヘキサノン 70部 応用実施例2〜4、応用比較例1 応用例1で用いたポリウレタン樹脂溶液の代わりに実
施例2〜4、比較例1で得たポリウレタン樹脂溶液を用
いて、応用例1と同様の処方で分散性、磁気テープ特性
を評価した。結果を表3.に示す。
光沢度:得られた磁気テープの評価を光沢計を用いて入
射角60度反射角60度における反射率を見た。
角型比(Br/Bm):VSM−3型(東英工業株式会社製)を
用いて、飽和磁化、および残留磁化を測定した。
〔発明の効果〕 以上の説明から明らかなように、本発明におけるポリ
ウレタン樹脂は、第三級アミノ基0.01mmol/g〜5.0mmol/
gをポリウレタン樹脂中に含有し、少なくとも、第三級
アミノ基の濃度と同じか、あるいはこれ以下の濃度で有
機ハロゲン化物を加えることにより、白濁、沈澱を発生
せず、安価に製造され、磁性粉に対する分散性を向上さ
せることができ、これを磁性層のバインダーとして用い
ると高密度磁気記録媒体を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−28921(JP,A) 特開 昭62−28926(JP,A) 特開 昭62−92230(JP,A) 特開 昭63−138520(JP,A) 特開 昭63−142518(JP,A) 特開 昭54−153009(JP,A) 特開 昭55−100157(JP,A) 特開 昭54−130699(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】数平均分子量500〜3000のポリオール、鎖
    延長剤、式(I)で示される第三級アミノ基含有ジオー
    ル、有機ジイソシアネートを反応させて得られる、第三
    級アミノ基を0.01〜5.0mmol/g含有しているポリウレタ
    ン樹脂に、有機ハロゲン化物を該ポリウレタン樹脂中に
    含有している第三級アミノ基の当量以下の量を加えて反
    応させ、かつ、ポリウレタン樹脂中に生成する第四級ア
    ンモニウム塩の含有量が0.01〜5.0mmol/gであることを
    特徴とする磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂バインダー
    の製造方法。 (式中、Aは炭素数20以下の3価の有機鎖を示す。Rは
    炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基を示す。)
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