JP2660330B2 - チオフェン誘導体及びその製造方法 - Google Patents
チオフェン誘導体及びその製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2−アセチルチオ
フェン誘導体及びそれらの製造方法に関する。詳しく
は、本発明は、新規な化合物である5−アセチル−2−
チオフェンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩と、一般
式(I) 【0002】 【化3】 【0003】(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を
示し、Eはニトロ基、ハロゲン原子又はスルホン酸基若
しくはそのアルカリ金属塩を示す。)で表わされる2−
(α−アルコキシイミノ)エチルチオフェン誘導体を加
水分解することによる一般式(II) 【0004】 【化4】 【0005】(式中、Eは前記と同じ。)で表わされる
上記5−アセチル−2−チオフェンスルホン酸又はその
アルカリ金属塩を含む2−アセチルチオフェン誘導体の
製造方法に関する。 【0006】本発明による5−アセチル−2−チオフェ
ンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩は、医薬、農薬、
機能性高分子等を製造するための中間原料として有用で
あり、また、本発明による5−アセチル−2−チオフェ
ンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩ほか、5−ニトロ
−又は5−ハロ−2−(α−アルコキシイミノ)エチル
チオフェンは、本発明によれば、対応する2−(α−ア
ルコキシイミノ)エチルチオフェン誘導体の酸加水分解
によって容易に且つ高収率にて得ることができる。 【0007】 【従来の技術】従来、5−ニトロ−2−アセチルチオフ
ェンの製造方法としては、次のような方法が知られてい
る。 (1) 2−アセチルチオフェンを直接ニトロ化し、4−ニ
トロ−2−アセチルチオフェンと5−ニトロ−2−アセ
チルチオフェンとの混合物(53:47)を得た後、シ
リカゲルカラムクロマトグラフイーにより両者を分離す
る(オーストラリアン ジャーナル オブ ケミストリ
ー(Australian Journal of Chemistry)第32巻第2
647〜2658頁(1979年))。 【0008】 【化5】 【0009】(2) 2−アセチルチオフェンをヒドロキシ
ルアミンによりオキシム化し、2−アセチルチオフェン
オキシムとし、これをニトロ化して、4−ニトロ−2−
アセチルチオフェンオキシムと5−ニトロ−2−アセチ
ルチオフェンオキシムとの混合物を得、この混合物をア
ルコールから再結晶して、5−ニトロ−2−アセチルチ
オフェンオキシムを単離し、次いで、これを酸により加
水分解する(ソ連特許第405878号)。 【0010】 【化6】【0011】5−ハロ−2−アセチルチオフェン類は、
2−ハロチオフェンのアセチル化により製造できること
が既に知られている。しかし、5−アセチル−2−チオ
フェンスルホン酸とそのアルカリ金属塩、それらの製造
方法については、従来、知られていない。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】前述した5−ニトロ−
2−アセチルチオフェンの製造方法のうち、(1) の方法
は、ニトロ化物の主生成物が4−ニトロ−2−アセチル
チオフェンであり、目的物との分離が工業上極めて困難
である。前記(2) の方法は、この(1) の方法と比較する
と、4−置換体の生成量は若干減少するものの、目的と
する4−置換体の収率は、満足できるとはいい難い。 【0013】以上のように、2−アセチルチオフェン
は、電子吸引性であるアセチル基のために、チオフェン
環における5位の電子密度が低いので、ニトロ化、ハロ
ゲン化、スルホン化等の求電子置換反応に対して、4位
置換体と5位置換体との混合物を与える。また、主生成
物が4位置換体であるので、目的とする5位置換体は、
低収率で得ることができるにすぎない。 【0014】このように、5−ニトロ−2−アセチルチ
オフェン、5−ハロ−2−アセチルチオフェン及び5−
アセチル−2−チオフェンスルホン酸を工業的に有利に
得る方法については、従来、満足すべき方法が知られて
いない。そこで、本発明者らは、2−アセチルチオフェ
ンのチオフェン環における5位の電子密度を高める誘導
体について鋭意研究した結果、2−アセチルチオフェン
オキシムをO−アルキル化して得られる2−(α−アル
コキシイミノ)エチルチオフェンは、2−アセチルチオ
フェンと比べて、5位の電子密度が高くなっており、ニ
トロ化、ハロゲン化、スルホン化等の求電子置換反応に
対して、高い選択率で5−置換化合物を与えることを見
出した。 【0015】即ち、2−(α−アルコキシイミノ)エチ
ルチオフェンをニトロ化、ハロゲン化又はスルホンする
こと化によって、それぞれ5−ニトロ−2−(α−アル
コキシイミノ)エチルチオフェン、5−ハロ−2−(α
−アルコキシイミノ)エチルチオフェン又は5−(α−
アルコキシイミノ)エチル−2−チオフェンスルホン酸
を選択的に得ることができ、そこで、これらの化合物を
鉱酸で加水分解することによって、それぞれ5−ニトロ
−2−アセチルチオフェン、5−ハロ−2−アセチルチ
オフェン又は5−アセチル−2−チオフェンスルホン酸
を容易に且つ高収率で得ることができる。 【0016】従って、本発明は、新規化合物である5−
アセチル−2−チオフェンスルホン酸又はそのアルカリ
金属塩と、これを含む5−置換−2−アセチルチオフェ
ン誘導体の製造方法、即ち、5−アセチル−2−チオフ
ェンスルホン酸若しくはそのアルカリ金属塩、5−ニト
ロ−2−アセチルチオフェン及び5−ハロ−2−アセチ
ルチオフェンの製造方法を提供することを目的とする。 【0017】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、5−ア
セチル−2−チオフェンスルホン酸又はそのアルカリ金
属塩が提供される。 【0018】更に、本発明によれば、一般式(I) 【0019】 【化7】【0020】(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を
示し、Eはニトロ基、ハロゲン原子又はスルホン酸基若
しくはそのアルカリ金属塩を示す。)で表わされる2−
(α−アルコキシイミノ)エチルチオフェン誘導体を加
水分解することを特徴とする一般式(II) 【0021】 【化8】 【0022】(式中、Eは前記と同じ。)で表わされる
5−置換−2−アセチルチオフェン誘導体の製造方法が
提供される。 【0023】 【発明の実施の形態】先ず、前記一般式(I)で表わさ
れる2−(α−アルコキシイミノ)エチルチオフェン誘
導体及びその製造について説明する。前記一般式(I)
において、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示し、この
アルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。従って、か
かるアルキル基の具体例として、メチル基、エチル基、
n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−
ブチル基等を挙げることができる。また、前記一般式
(I)において、Eはニトロ基、ハロゲン原子又はスル
ホン酸基若しくはそのアルカリ金属塩を示す。 【0024】従って、前記一般式(I)で表わされる2
−(α−アルコキシイミノ)エチルチオフェン誘導体
は、5−ニトロ−2−(α−アルコキシイミノ)エチル
チオフェン、5−ハロ−2−(α−アルコキシイミノ)
エチルチオフェン又は5−(α−アルコキシイミノ)エ
チル−2−チオフェンスルホン酸若しくはそのアルカリ
金属塩を示す。 【0025】上記5−ニトロ−2−(α−アルコキシイ
ミノ)エチルチオフェンの具体例としては、例えば、5
−ニトロ−2−(α−メトキシイミノ)エチルチオフェ
ン、5−ニトロ−2−(α−エトキシイミノ)エチルチ
オフェン、5−ニトロ−2−(α−イソプロポキシイミ
ノ)エチルチオフェン、5−ニトロ−2−(α−n−ブ
トキシイミノ)エチルチオフェン、5−ニトロ−2−
(α−t−ブトキシイミノ)エチルチオフェン等を挙げ
ることができる。 【0026】また、5−ハロ−2−(α−アルコキシイ
ミノ)エチルチオフェンの具体例として、例えば、5−
ブロモ(クロロ)−2−(α−メトキシイミノ)エチル
チオフェン、5−ブロモ(クロロ)−2−(α−エトキ
シイミノ)エチルチオフェン、5−ブロモ(クロロ)−
2−(α−n−プロポキシイミノ)エチルチオフェン、
5−ブロモ(クロロ)−2−(α−イソプロポキシミ
ノ)エチルチオフェン、5−ブロモ(クロロ)−2−
(α−n−ブトキシイミノ)エチルチオフェン、5−ブ
ロモ(クロロ)−2−(α−t−ブトキシイミノ)エチ
ルチオフェン等を挙げることができる。 【0027】更に、5−(α−アルコキシイミノ)エチ
ル−2−チオフェンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩
の具体例として、例えば、5−(α−メトキシイミノ)
エチル−2−チオフェンスルホン酸又はそのアルカリ金
属塩、5−(α−エトキシイミノ)エチル−2−チオフ
ェンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩、5−(α−n
−プロポキシイミノ)エチル−2−チオフェンスルホン
酸又はそのアルカリ金属塩、5−(α−n−ブトキシイ
ミノ)エチル−2−チオフェンスルホン酸又はそのアル
カリ金属塩、5−(α−t−ブトキシイミノ)エチル−
2−チオフェンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩等を
挙げることができる。ここにアルカリ金属としては、ナ
トリウム、カリウムのいずれであってもよいが、工業的
な見地からは、通常、ナトリウムであることが好まし
い。 【0028】上記5−ニトロ−2−(α−アルコキシイ
ミノ)エチルチオフェンは、2−(α−アルコキシイミ
ノ)エチルチオフェンをニトロ化剤にてチオフェン環を
ニトロ化することによって得ることができる。このニト
ロ化剤としては、例えば、混酸や硝酸アセチルが好適で
ある。 【0029】ニトロ化剤の使用量は、特に限定されるも
のではないが、通常、用いる2−(α−アルコキシイミ
ノ)エチルチオフェンに対して、やや過剰の1〜3倍モ
ルの範囲であり、好ましくは、1.5〜2.5倍モルの範囲
である。ニトロ化剤の使用量が少なすぎるときは、目的
とするニトロ化物の収率が低く、反対に多すぎても、特
に有利な効果を得ることができない。 【0030】上記ニトロ化反応の温度は、通常、約−1
0〜15℃の範囲であり、好ましくは、−5〜10℃の
範囲である。反応温度が15℃よりも高いときは、副反
応が起こりやすく、他方、反応温度が約−10℃よりも
低いときは、反応速度が実用上、遅すぎるからである。 【0031】次に、5−ハロ−2−(α−アルコキシイ
ミノ)エチルチオフェンは、2−(α−アルコキシイミ
ノ)エチルチオフェンを触媒の存在下にハロゲン化剤に
てチオフェン環をハロゲン化することによって得ること
ができる。 【0032】上記触媒としては、鉄等の重金属や、塩化
アルミニウム、塩化鉄等のルイス酸を用いることができ
る。ハロゲンの使用量は、2−(α−アルコキシイミ
ノ)エチルチオフェンに対して、通常、1.0〜1.5倍モ
ルの範囲であり、好ましくは、1.0〜1.2倍モルの範囲
である。ハロゲンの使用量が少なすぎるときは、目的と
するハロゲン化物の収率が低く、反対に多すぎても、特
に有利な結果を得ることができない。反応温度は、通
常、20〜80℃の範囲であり、好ましくは、40〜6
0℃の範囲である。反応温度が80℃よりも高いとき
は、副反応が起こりやすく、反対に反応温度が20℃よ
りも低いときは、反応速度が遅い。反応溶剤として、ク
ロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン等のハロ
ゲン化炭化水素を用いることによって、好ましい結果を
得ることができる。 【0033】更に、5−(α−アルコキシイミノ)エチ
ル−2−チオフェンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩
は、2−(α−アルコキシイミノ)エチルチオフェンを
スルホン化剤によってチオフェン環をスルホン化するこ
とにより得ることができる。ここに、上記スルホン化剤
としては、例えば、発煙硫酸やクロロ硫酸が好適であ
る。 【0034】スルホン化剤の使用量は、特に限定される
ものではないが、通常、用いる2−(α−アルコキシイ
ミノ)エチルチオフェンに対して、1〜10倍モルの範
囲であり、好ましくは、1.5〜5倍モルの範囲である。
スルホン化剤の使用量が少なすぎるときは、収率が低
く、反対に多すぎても、特に有利な効果を得ることがで
きない。 【0035】このスルホン化反応には、反応溶剤を必ず
しも用いなくともよいが、取扱い上、反応溶剤を用いる
方が好ましい。このように、反応溶剤の存在下に反応を
行なうときは、反応溶剤としては、例えば、ジクロロエ
タン、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭
化水素や二硫化炭素等を用いることができる。上記スル
ホン化反応の温度は、通常、約10〜60℃の範囲であ
り、好ましくは、約20〜40℃の範囲である。反応温
度が約60℃よりも高いときは、副反応が起こりやす
く、他方、反応温度が約10℃よりも低いときは、反応
速度が実用上、遅すぎるからである。 【0036】本発明によれば、以上のようにして得られ
る5−ニトロ−2−(α−アルコキシイミノ)エチルチ
オフェン、5−ハロ−2−(α−アルコキシイミノ)エ
チルチオフェン又は5−(α−アルコキシイミノ)エチ
ル−2−チオフェンスルホン酸若しくはそのアルカリ金
属塩を酸加水分解することによって、それぞれ5−ニト
ロ−2−アセチルチオフェン、5−ハロ−2−アセチル
チオフェン又は5−アセチル−2−チオフェンスルホン
酸若しくはそのアルカリ金属塩を得ることができる。 【0037】上記それぞれの酸加水分解反応において
は、通常、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸が好
ましく用いられるが、必要に応じて、p−トルエンスル
ホン酸等のような有機酸も用いることができる。かかる
酸は、通常、原料である2−(α−アルコキシイミノ)
エチルチオフェン誘導体に対して5〜50倍モルの範囲
でが用いられるが、特に、原料に対して10〜30倍モ
ルの範囲で用いるとき、比較的短時間にて反応を完結す
ることができる。 【0038】反応温度は、通常、約20〜80℃、好ま
しくは、40〜70℃の範囲である。反応温度が余りに
高いときは、副反応が起こりやすく、他方、余りに低い
ときは、反応速度が遅く、いずれの場合も、目的とする
生成物の収率が低下するからである。 【0039】 【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。 【0040】実施例1 還流冷却機、温度計及び攪拌機を備えた1L容量の四つ
口フラスコに無水酢酸200gと2−(αメトキシイミ
ノ)エチルチオフェン62g(0.40モル)を仕込み、
先に無水酢酸153.0g(1.50モル)と94%硝酸5
3.6g(0.8モル)とから調製しておいた硝酸アセチル
を5℃にて1.5時間で滴下し、その後4時間攪拌した。
反応終了後、得られた反応混合物を10℃まで冷却し、
これにメタノール及び水を加えて過剰の無水酢酸を分解
した後、クロロホルムにて抽出した。 【0041】この抽出液からクロロホルムを留去して、
粗5−ニトロ−2−(α−メトキシイミノ)エチルチオ
フェンと4−ニトロ−2−(α−メトキシイミノ)エチ
ルチオフェンの9:1の混合物を得た。これをエタノー
ルから再結晶して、淡黄色固体として、5−ニトロ−2
−(α−メトキシイミノ)エチルチオフェン60.0gを
得た。収率は、2−(α−メトキシイミノ)エチルチオ
フェンに対して75%であった。 【0042】 融点 117〜118℃ 質量分析 分子量 200 【0043】次に、還流冷却機、温度計及び攪拌機を備
えた1L容量の四つ口フラスコに25%塩酸水溶液80
0g及び5−ニトロ−2−(α−メトキシイミノ)エチ
ルチオフェン60.0g(0.3モル)を仕込み、60℃に
て4時間攪拌した。反応終了後、得られた反応混合物を
室温まで冷却し、クロロホルムにて反応生成物を抽出し
た。 【0044】抽出液からクロロホルムを留去して、5−
ニトロ−2−アセチルチオフェン50.3g(0.294モ
ル)を得た。融点108〜109℃。収率は、5−ニト
ロ−2−(α−メトキシイミノ)エチルチオフェンに対
して98%であった。 【0045】実施例2 還流冷却機、温度計及び攪拌機を備えた500mL容量
の四つ口フラスコにクロロホルム300mL、2−(α
−メトキシイミノ)エチルチオフェン62.0g(0.4モ
ル)及び鉄粉1.0gを仕込み、還流下に臭素64g(0.
4モル)を4時間で滴下し、その後、還流下に5時間攪
拌した。反応終了後、得られた反応混合物からクロロホ
ルムを留去し、析出した結晶をメタノールで溶解し、濾
過して鉄粉を除去した。 【0046】このようにして得たメタノール溶液を濃縮
して、粗5−ブロモ−2−(α−メトキシイミノ)エチ
ルチオフェン96.5gを得た。これをイソプロピルアル
コールから再結晶して、白色固体として、5−ブロモ−
2−(α−メトキシイミノ)エチルチオフェン79.6g
(0.34モル)を得た。収率は、2−(α−メトキシイ
ミノ)エチルチオフェンに対して85%であった。 【0047】 融点 70〜71℃ 質量分析 分子量 234 【0048】次に、還流冷却機、温度計及び攪拌機を備
えた1L容量の四つ口フラスコに25%塩酸水溶液90
6g及び5−ブロモ−2−(α−メトキシイミノ)エチ
ルチオフェン79.6g(0.34モル)を仕込み、60℃
にて3時間攪拌した。反応終了後、得られた反応混合物
を5℃まで冷却し、析出した結晶を濾取して、5−ブロ
ム−2−アセチルチオフェン66.2g(0.323モル)
を得た。収率は、5−ブロモ−2−(α−メトキシイミ
ノ)エチルチオフェンに対して95%であった。融点9
2〜93℃。 【0049】実施例3 還流冷却機、温度計及び攪拌機を備えた300mL容量
の四つ口フラスコに2−(α−メトキシイミノ)エチル
チオフェン62.0g(0.4モル)を仕込み、10℃にて
25%発煙硫酸140gを2時間で滴下した。反応終了
後、得られた反応混合物を5℃にて水中に滴下した。 【0050】このようにして得られた水溶液を40%水
酸化ナトリウム水溶液で中和し、濾過により硫酸ナトリ
ウムを除去し、濾液に塩化ナトリウムを添加して、塩析
により5−(α−メトキシイミノ)エチル−2−チオフ
ェンスルホン酸ナトリウム塩95.6g(0.37モル)を
得た。収率は、2−(α−メトキシイミノ)エチルチオ
フェンに対して93%であった。 【0051】 融点 300℃以上 【0052】次に、還流冷却機、温度計及び攪拌機を備
えた2L容量の四つ口フラスコに25%塩酸水溶液98
7g及び5−(α−メトキシイミノ)エチル−2−チオ
フェンスルホン酸ナトリウム塩95.6g(0.37モル)
を仕込み、60℃にて1時間攪拌した。反応終了後、得
られた反応混合物を室温に冷却した後、40%水酸化ナ
トリウム水溶液にてpH約10とし、次いで、塩化ナト
リウムを添加し、塩析により5−アセチル−2−チオフ
ェンスルホン酸ナトリウム塩80.9g(0.355モル)
を得た。収率は、5−(α−メトキシイミノ)エチル−
2−チオフェンスルホン酸ナトリウム塩に対して96%
であった。 【0053】 融点 300℃以上 【0054】 【発明の効果】本発明によれば、5−アセチル−2−チ
オフェンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩が提供され
る。この化合物は、医薬、農薬、機能性高分子等を製造
するための中間原料として有用である。更に、本発明の
方法によれば、上記5−アセチル−2−チオフェンスル
ホン酸又はそのアルカリ金属塩のほか、5−ニトロ−又
は5−ハロ−2−アセチルチオフェンを対応する5−置
換−2−(α−アルコキシイミノ)エチルチオフェン誘
導体の酸加水分解によって容易に且つ高収率にて得るこ
とができる。
フェン誘導体及びそれらの製造方法に関する。詳しく
は、本発明は、新規な化合物である5−アセチル−2−
チオフェンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩と、一般
式(I) 【0002】 【化3】 【0003】(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を
示し、Eはニトロ基、ハロゲン原子又はスルホン酸基若
しくはそのアルカリ金属塩を示す。)で表わされる2−
(α−アルコキシイミノ)エチルチオフェン誘導体を加
水分解することによる一般式(II) 【0004】 【化4】 【0005】(式中、Eは前記と同じ。)で表わされる
上記5−アセチル−2−チオフェンスルホン酸又はその
アルカリ金属塩を含む2−アセチルチオフェン誘導体の
製造方法に関する。 【0006】本発明による5−アセチル−2−チオフェ
ンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩は、医薬、農薬、
機能性高分子等を製造するための中間原料として有用で
あり、また、本発明による5−アセチル−2−チオフェ
ンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩ほか、5−ニトロ
−又は5−ハロ−2−(α−アルコキシイミノ)エチル
チオフェンは、本発明によれば、対応する2−(α−ア
ルコキシイミノ)エチルチオフェン誘導体の酸加水分解
によって容易に且つ高収率にて得ることができる。 【0007】 【従来の技術】従来、5−ニトロ−2−アセチルチオフ
ェンの製造方法としては、次のような方法が知られてい
る。 (1) 2−アセチルチオフェンを直接ニトロ化し、4−ニ
トロ−2−アセチルチオフェンと5−ニトロ−2−アセ
チルチオフェンとの混合物(53:47)を得た後、シ
リカゲルカラムクロマトグラフイーにより両者を分離す
る(オーストラリアン ジャーナル オブ ケミストリ
ー(Australian Journal of Chemistry)第32巻第2
647〜2658頁(1979年))。 【0008】 【化5】 【0009】(2) 2−アセチルチオフェンをヒドロキシ
ルアミンによりオキシム化し、2−アセチルチオフェン
オキシムとし、これをニトロ化して、4−ニトロ−2−
アセチルチオフェンオキシムと5−ニトロ−2−アセチ
ルチオフェンオキシムとの混合物を得、この混合物をア
ルコールから再結晶して、5−ニトロ−2−アセチルチ
オフェンオキシムを単離し、次いで、これを酸により加
水分解する(ソ連特許第405878号)。 【0010】 【化6】【0011】5−ハロ−2−アセチルチオフェン類は、
2−ハロチオフェンのアセチル化により製造できること
が既に知られている。しかし、5−アセチル−2−チオ
フェンスルホン酸とそのアルカリ金属塩、それらの製造
方法については、従来、知られていない。 【0012】 【発明が解決しようとする課題】前述した5−ニトロ−
2−アセチルチオフェンの製造方法のうち、(1) の方法
は、ニトロ化物の主生成物が4−ニトロ−2−アセチル
チオフェンであり、目的物との分離が工業上極めて困難
である。前記(2) の方法は、この(1) の方法と比較する
と、4−置換体の生成量は若干減少するものの、目的と
する4−置換体の収率は、満足できるとはいい難い。 【0013】以上のように、2−アセチルチオフェン
は、電子吸引性であるアセチル基のために、チオフェン
環における5位の電子密度が低いので、ニトロ化、ハロ
ゲン化、スルホン化等の求電子置換反応に対して、4位
置換体と5位置換体との混合物を与える。また、主生成
物が4位置換体であるので、目的とする5位置換体は、
低収率で得ることができるにすぎない。 【0014】このように、5−ニトロ−2−アセチルチ
オフェン、5−ハロ−2−アセチルチオフェン及び5−
アセチル−2−チオフェンスルホン酸を工業的に有利に
得る方法については、従来、満足すべき方法が知られて
いない。そこで、本発明者らは、2−アセチルチオフェ
ンのチオフェン環における5位の電子密度を高める誘導
体について鋭意研究した結果、2−アセチルチオフェン
オキシムをO−アルキル化して得られる2−(α−アル
コキシイミノ)エチルチオフェンは、2−アセチルチオ
フェンと比べて、5位の電子密度が高くなっており、ニ
トロ化、ハロゲン化、スルホン化等の求電子置換反応に
対して、高い選択率で5−置換化合物を与えることを見
出した。 【0015】即ち、2−(α−アルコキシイミノ)エチ
ルチオフェンをニトロ化、ハロゲン化又はスルホンする
こと化によって、それぞれ5−ニトロ−2−(α−アル
コキシイミノ)エチルチオフェン、5−ハロ−2−(α
−アルコキシイミノ)エチルチオフェン又は5−(α−
アルコキシイミノ)エチル−2−チオフェンスルホン酸
を選択的に得ることができ、そこで、これらの化合物を
鉱酸で加水分解することによって、それぞれ5−ニトロ
−2−アセチルチオフェン、5−ハロ−2−アセチルチ
オフェン又は5−アセチル−2−チオフェンスルホン酸
を容易に且つ高収率で得ることができる。 【0016】従って、本発明は、新規化合物である5−
アセチル−2−チオフェンスルホン酸又はそのアルカリ
金属塩と、これを含む5−置換−2−アセチルチオフェ
ン誘導体の製造方法、即ち、5−アセチル−2−チオフ
ェンスルホン酸若しくはそのアルカリ金属塩、5−ニト
ロ−2−アセチルチオフェン及び5−ハロ−2−アセチ
ルチオフェンの製造方法を提供することを目的とする。 【0017】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、5−ア
セチル−2−チオフェンスルホン酸又はそのアルカリ金
属塩が提供される。 【0018】更に、本発明によれば、一般式(I) 【0019】 【化7】【0020】(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を
示し、Eはニトロ基、ハロゲン原子又はスルホン酸基若
しくはそのアルカリ金属塩を示す。)で表わされる2−
(α−アルコキシイミノ)エチルチオフェン誘導体を加
水分解することを特徴とする一般式(II) 【0021】 【化8】 【0022】(式中、Eは前記と同じ。)で表わされる
5−置換−2−アセチルチオフェン誘導体の製造方法が
提供される。 【0023】 【発明の実施の形態】先ず、前記一般式(I)で表わさ
れる2−(α−アルコキシイミノ)エチルチオフェン誘
導体及びその製造について説明する。前記一般式(I)
において、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示し、この
アルキル基は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。従って、か
かるアルキル基の具体例として、メチル基、エチル基、
n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−
ブチル基等を挙げることができる。また、前記一般式
(I)において、Eはニトロ基、ハロゲン原子又はスル
ホン酸基若しくはそのアルカリ金属塩を示す。 【0024】従って、前記一般式(I)で表わされる2
−(α−アルコキシイミノ)エチルチオフェン誘導体
は、5−ニトロ−2−(α−アルコキシイミノ)エチル
チオフェン、5−ハロ−2−(α−アルコキシイミノ)
エチルチオフェン又は5−(α−アルコキシイミノ)エ
チル−2−チオフェンスルホン酸若しくはそのアルカリ
金属塩を示す。 【0025】上記5−ニトロ−2−(α−アルコキシイ
ミノ)エチルチオフェンの具体例としては、例えば、5
−ニトロ−2−(α−メトキシイミノ)エチルチオフェ
ン、5−ニトロ−2−(α−エトキシイミノ)エチルチ
オフェン、5−ニトロ−2−(α−イソプロポキシイミ
ノ)エチルチオフェン、5−ニトロ−2−(α−n−ブ
トキシイミノ)エチルチオフェン、5−ニトロ−2−
(α−t−ブトキシイミノ)エチルチオフェン等を挙げ
ることができる。 【0026】また、5−ハロ−2−(α−アルコキシイ
ミノ)エチルチオフェンの具体例として、例えば、5−
ブロモ(クロロ)−2−(α−メトキシイミノ)エチル
チオフェン、5−ブロモ(クロロ)−2−(α−エトキ
シイミノ)エチルチオフェン、5−ブロモ(クロロ)−
2−(α−n−プロポキシイミノ)エチルチオフェン、
5−ブロモ(クロロ)−2−(α−イソプロポキシミ
ノ)エチルチオフェン、5−ブロモ(クロロ)−2−
(α−n−ブトキシイミノ)エチルチオフェン、5−ブ
ロモ(クロロ)−2−(α−t−ブトキシイミノ)エチ
ルチオフェン等を挙げることができる。 【0027】更に、5−(α−アルコキシイミノ)エチ
ル−2−チオフェンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩
の具体例として、例えば、5−(α−メトキシイミノ)
エチル−2−チオフェンスルホン酸又はそのアルカリ金
属塩、5−(α−エトキシイミノ)エチル−2−チオフ
ェンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩、5−(α−n
−プロポキシイミノ)エチル−2−チオフェンスルホン
酸又はそのアルカリ金属塩、5−(α−n−ブトキシイ
ミノ)エチル−2−チオフェンスルホン酸又はそのアル
カリ金属塩、5−(α−t−ブトキシイミノ)エチル−
2−チオフェンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩等を
挙げることができる。ここにアルカリ金属としては、ナ
トリウム、カリウムのいずれであってもよいが、工業的
な見地からは、通常、ナトリウムであることが好まし
い。 【0028】上記5−ニトロ−2−(α−アルコキシイ
ミノ)エチルチオフェンは、2−(α−アルコキシイミ
ノ)エチルチオフェンをニトロ化剤にてチオフェン環を
ニトロ化することによって得ることができる。このニト
ロ化剤としては、例えば、混酸や硝酸アセチルが好適で
ある。 【0029】ニトロ化剤の使用量は、特に限定されるも
のではないが、通常、用いる2−(α−アルコキシイミ
ノ)エチルチオフェンに対して、やや過剰の1〜3倍モ
ルの範囲であり、好ましくは、1.5〜2.5倍モルの範囲
である。ニトロ化剤の使用量が少なすぎるときは、目的
とするニトロ化物の収率が低く、反対に多すぎても、特
に有利な効果を得ることができない。 【0030】上記ニトロ化反応の温度は、通常、約−1
0〜15℃の範囲であり、好ましくは、−5〜10℃の
範囲である。反応温度が15℃よりも高いときは、副反
応が起こりやすく、他方、反応温度が約−10℃よりも
低いときは、反応速度が実用上、遅すぎるからである。 【0031】次に、5−ハロ−2−(α−アルコキシイ
ミノ)エチルチオフェンは、2−(α−アルコキシイミ
ノ)エチルチオフェンを触媒の存在下にハロゲン化剤に
てチオフェン環をハロゲン化することによって得ること
ができる。 【0032】上記触媒としては、鉄等の重金属や、塩化
アルミニウム、塩化鉄等のルイス酸を用いることができ
る。ハロゲンの使用量は、2−(α−アルコキシイミ
ノ)エチルチオフェンに対して、通常、1.0〜1.5倍モ
ルの範囲であり、好ましくは、1.0〜1.2倍モルの範囲
である。ハロゲンの使用量が少なすぎるときは、目的と
するハロゲン化物の収率が低く、反対に多すぎても、特
に有利な結果を得ることができない。反応温度は、通
常、20〜80℃の範囲であり、好ましくは、40〜6
0℃の範囲である。反応温度が80℃よりも高いとき
は、副反応が起こりやすく、反対に反応温度が20℃よ
りも低いときは、反応速度が遅い。反応溶剤として、ク
ロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン等のハロ
ゲン化炭化水素を用いることによって、好ましい結果を
得ることができる。 【0033】更に、5−(α−アルコキシイミノ)エチ
ル−2−チオフェンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩
は、2−(α−アルコキシイミノ)エチルチオフェンを
スルホン化剤によってチオフェン環をスルホン化するこ
とにより得ることができる。ここに、上記スルホン化剤
としては、例えば、発煙硫酸やクロロ硫酸が好適であ
る。 【0034】スルホン化剤の使用量は、特に限定される
ものではないが、通常、用いる2−(α−アルコキシイ
ミノ)エチルチオフェンに対して、1〜10倍モルの範
囲であり、好ましくは、1.5〜5倍モルの範囲である。
スルホン化剤の使用量が少なすぎるときは、収率が低
く、反対に多すぎても、特に有利な効果を得ることがで
きない。 【0035】このスルホン化反応には、反応溶剤を必ず
しも用いなくともよいが、取扱い上、反応溶剤を用いる
方が好ましい。このように、反応溶剤の存在下に反応を
行なうときは、反応溶剤としては、例えば、ジクロロエ
タン、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭
化水素や二硫化炭素等を用いることができる。上記スル
ホン化反応の温度は、通常、約10〜60℃の範囲であ
り、好ましくは、約20〜40℃の範囲である。反応温
度が約60℃よりも高いときは、副反応が起こりやす
く、他方、反応温度が約10℃よりも低いときは、反応
速度が実用上、遅すぎるからである。 【0036】本発明によれば、以上のようにして得られ
る5−ニトロ−2−(α−アルコキシイミノ)エチルチ
オフェン、5−ハロ−2−(α−アルコキシイミノ)エ
チルチオフェン又は5−(α−アルコキシイミノ)エチ
ル−2−チオフェンスルホン酸若しくはそのアルカリ金
属塩を酸加水分解することによって、それぞれ5−ニト
ロ−2−アセチルチオフェン、5−ハロ−2−アセチル
チオフェン又は5−アセチル−2−チオフェンスルホン
酸若しくはそのアルカリ金属塩を得ることができる。 【0037】上記それぞれの酸加水分解反応において
は、通常、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸が好
ましく用いられるが、必要に応じて、p−トルエンスル
ホン酸等のような有機酸も用いることができる。かかる
酸は、通常、原料である2−(α−アルコキシイミノ)
エチルチオフェン誘導体に対して5〜50倍モルの範囲
でが用いられるが、特に、原料に対して10〜30倍モ
ルの範囲で用いるとき、比較的短時間にて反応を完結す
ることができる。 【0038】反応温度は、通常、約20〜80℃、好ま
しくは、40〜70℃の範囲である。反応温度が余りに
高いときは、副反応が起こりやすく、他方、余りに低い
ときは、反応速度が遅く、いずれの場合も、目的とする
生成物の収率が低下するからである。 【0039】 【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。 【0040】実施例1 還流冷却機、温度計及び攪拌機を備えた1L容量の四つ
口フラスコに無水酢酸200gと2−(αメトキシイミ
ノ)エチルチオフェン62g(0.40モル)を仕込み、
先に無水酢酸153.0g(1.50モル)と94%硝酸5
3.6g(0.8モル)とから調製しておいた硝酸アセチル
を5℃にて1.5時間で滴下し、その後4時間攪拌した。
反応終了後、得られた反応混合物を10℃まで冷却し、
これにメタノール及び水を加えて過剰の無水酢酸を分解
した後、クロロホルムにて抽出した。 【0041】この抽出液からクロロホルムを留去して、
粗5−ニトロ−2−(α−メトキシイミノ)エチルチオ
フェンと4−ニトロ−2−(α−メトキシイミノ)エチ
ルチオフェンの9:1の混合物を得た。これをエタノー
ルから再結晶して、淡黄色固体として、5−ニトロ−2
−(α−メトキシイミノ)エチルチオフェン60.0gを
得た。収率は、2−(α−メトキシイミノ)エチルチオ
フェンに対して75%であった。 【0042】 融点 117〜118℃ 質量分析 分子量 200 【0043】次に、還流冷却機、温度計及び攪拌機を備
えた1L容量の四つ口フラスコに25%塩酸水溶液80
0g及び5−ニトロ−2−(α−メトキシイミノ)エチ
ルチオフェン60.0g(0.3モル)を仕込み、60℃に
て4時間攪拌した。反応終了後、得られた反応混合物を
室温まで冷却し、クロロホルムにて反応生成物を抽出し
た。 【0044】抽出液からクロロホルムを留去して、5−
ニトロ−2−アセチルチオフェン50.3g(0.294モ
ル)を得た。融点108〜109℃。収率は、5−ニト
ロ−2−(α−メトキシイミノ)エチルチオフェンに対
して98%であった。 【0045】実施例2 還流冷却機、温度計及び攪拌機を備えた500mL容量
の四つ口フラスコにクロロホルム300mL、2−(α
−メトキシイミノ)エチルチオフェン62.0g(0.4モ
ル)及び鉄粉1.0gを仕込み、還流下に臭素64g(0.
4モル)を4時間で滴下し、その後、還流下に5時間攪
拌した。反応終了後、得られた反応混合物からクロロホ
ルムを留去し、析出した結晶をメタノールで溶解し、濾
過して鉄粉を除去した。 【0046】このようにして得たメタノール溶液を濃縮
して、粗5−ブロモ−2−(α−メトキシイミノ)エチ
ルチオフェン96.5gを得た。これをイソプロピルアル
コールから再結晶して、白色固体として、5−ブロモ−
2−(α−メトキシイミノ)エチルチオフェン79.6g
(0.34モル)を得た。収率は、2−(α−メトキシイ
ミノ)エチルチオフェンに対して85%であった。 【0047】 融点 70〜71℃ 質量分析 分子量 234 【0048】次に、還流冷却機、温度計及び攪拌機を備
えた1L容量の四つ口フラスコに25%塩酸水溶液90
6g及び5−ブロモ−2−(α−メトキシイミノ)エチ
ルチオフェン79.6g(0.34モル)を仕込み、60℃
にて3時間攪拌した。反応終了後、得られた反応混合物
を5℃まで冷却し、析出した結晶を濾取して、5−ブロ
ム−2−アセチルチオフェン66.2g(0.323モル)
を得た。収率は、5−ブロモ−2−(α−メトキシイミ
ノ)エチルチオフェンに対して95%であった。融点9
2〜93℃。 【0049】実施例3 還流冷却機、温度計及び攪拌機を備えた300mL容量
の四つ口フラスコに2−(α−メトキシイミノ)エチル
チオフェン62.0g(0.4モル)を仕込み、10℃にて
25%発煙硫酸140gを2時間で滴下した。反応終了
後、得られた反応混合物を5℃にて水中に滴下した。 【0050】このようにして得られた水溶液を40%水
酸化ナトリウム水溶液で中和し、濾過により硫酸ナトリ
ウムを除去し、濾液に塩化ナトリウムを添加して、塩析
により5−(α−メトキシイミノ)エチル−2−チオフ
ェンスルホン酸ナトリウム塩95.6g(0.37モル)を
得た。収率は、2−(α−メトキシイミノ)エチルチオ
フェンに対して93%であった。 【0051】 融点 300℃以上 【0052】次に、還流冷却機、温度計及び攪拌機を備
えた2L容量の四つ口フラスコに25%塩酸水溶液98
7g及び5−(α−メトキシイミノ)エチル−2−チオ
フェンスルホン酸ナトリウム塩95.6g(0.37モル)
を仕込み、60℃にて1時間攪拌した。反応終了後、得
られた反応混合物を室温に冷却した後、40%水酸化ナ
トリウム水溶液にてpH約10とし、次いで、塩化ナト
リウムを添加し、塩析により5−アセチル−2−チオフ
ェンスルホン酸ナトリウム塩80.9g(0.355モル)
を得た。収率は、5−(α−メトキシイミノ)エチル−
2−チオフェンスルホン酸ナトリウム塩に対して96%
であった。 【0053】 融点 300℃以上 【0054】 【発明の効果】本発明によれば、5−アセチル−2−チ
オフェンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩が提供され
る。この化合物は、医薬、農薬、機能性高分子等を製造
するための中間原料として有用である。更に、本発明の
方法によれば、上記5−アセチル−2−チオフェンスル
ホン酸又はそのアルカリ金属塩のほか、5−ニトロ−又
は5−ハロ−2−アセチルチオフェンを対応する5−置
換−2−(α−アルコキシイミノ)エチルチオフェン誘
導体の酸加水分解によって容易に且つ高収率にて得るこ
とができる。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.5−アセチル−2−チオフェンスルホン酸又はその
アルカリ金属塩。 2.アルカリ金属がナトリウムである請求項1に記載の
アルカリ金属塩。 3.一般式(I) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示し、Eはニ
トロ基、ハロゲン原子又はスルホン酸基若しくはそのア
ルカリ金属塩を示す。)で表わされる2−(α−アルコ
キシイミノ)エチルチオフェン誘導体を加水分解するこ
とを特徴とする一般式(II) 【化2】 (式中、Eは前記と同じ。)で表わされる2−アセチル
チオフェン誘導体の製造方法。 4.Eがニトロ基である請求項3に記載の方法。 5.Eが臭素である請求項3に記載の方法。 6.Eがスルホン酸基又はそのアルカリ金属塩である請
求項3に記載の方法。 7.アルカリ金属がナトリウムである請求項6に記載の
方法。 8.鉱酸で加水分解する請求項3に記載の方法。
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---|---|---|---|
JP26112195A JP2660330B2 (ja) | 1995-10-09 | 1995-10-09 | チオフェン誘導体及びその製造方法 |
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JP62019271A Division JP2520246B2 (ja) | 1986-05-13 | 1987-01-28 | 5―(α―アルコキシイミノ)エチル―2―チオフェンスルホン酸及びその製造方法 |
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