JP2655689B2 - ゴム変性スチレン系樹脂 - Google Patents

ゴム変性スチレン系樹脂

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JP2655689B2 JP63185269A JP18526988A JP2655689B2 JP 2655689 B2 JP2655689 B2 JP 2655689B2 JP 63185269 A JP63185269 A JP 63185269A JP 18526988 A JP18526988 A JP 18526988A JP 2655689 B2 JP2655689 B2 JP 2655689B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、透明性、耐衝撃性および剛性のバランスに
優れた、高光沢、半透明性を有するゴム変性スチレン系
樹脂に関する。
[従来の技術] ゴム状重合体の存在下にスチレン系単量体を重合させ
て得られるゴム変性スチレン系樹脂は、比較的良好な物
性バランスに加え、優れた成形加工性を有しており、ま
たこれらと製造法の異なるスチレン系樹脂であるABS樹
脂に比べ安価であるため、汎用樹脂として、弱電機器分
野、事務機器分野、包装容器分野、雑貨分野等で広く使
用されているが、近年、成形品表面光沢等の外観、さら
には透明性もしくは半透明性の要求される用途への適用
が特に強く望まれている。
一般にゴム変性スチレン系樹脂は、ブタジエン系ゴム
のスチレン系単量体溶液を塊状重合または塊状−懸濁重
合することにより製造されており、要求物性に応じて原
料組成、重合条件等の調整が適宜なされている。しか
し、通常のゴム変性スチレン系樹脂は、白色、不透明で
あり、透明性の要求される用途への適用は困難であっ
た。
ゴム変性スチレン系樹脂は、樹脂中の分散ゴム粒子相
により耐衝撃性を実現させているが、この分散ゴム粒子
が光を散乱し透明性を低下させるため、透明性を向上さ
せる手段として、分散ゴム粒子径を小さくし可視光線の
波長以下にコントロールする方法が従来より検討されて
いる。しかし、満足できる透明性が得られるまで分散ゴ
ム粒子径を小さくすると耐衝撃性の低下が大きく、また
ゴム使用量を増加させると透明性の低下のほか剛性等の
機械的物性の低下をきたすため、単に分散ゴム粒子系を
小さくする方法やゴム使用量を増加させる方法では満足
できる透明性、耐衝撃性および剛性のバランスに優れた
ゴム変性スチレン系樹脂を得ることは困難であった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、剛性の低下を伴わずに耐衝撃性の向
上を計ることにより、透明性、耐衝撃性および剛性のバ
ランスに優れた、高光沢、半透明性を有するゴム変性ス
チレン系樹脂を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、かかる問題点に鑑み鋭意検討した結
果、特定の2種のブタジエン系ゴムを特定の比率で組合
わせて用い、かつゴム粒子相成分とブタジエン成分との
比を大きくすることにより、上記目的が有効に達せら
れ、透明性、耐衝撃性および剛性のバランスに優れたゴ
ム変性スチレン系樹脂が得られることを見出し、本発明
に至った。
即ち、本発明は、ブタジエン系ゴムの存在下にスチレ
ン系単量体を重合して得られるゴム変性スチレン系樹脂
であって、a)ブタジエン系ゴムがスチレン含有量25〜
50重量%のスチレン−ブタジエンブロック共重合体
(A)およびスチレン含有量25重量%未満のブタジエン
系重合体(B)とからなり、かつその重量比が(A)/
(B)=95/5〜60/40であり、b)該樹脂の連続マトリ
ックス相中に分散しているゴム粒子相の長さ平均粒径が
0.1〜0.4μmであり、c)ゴム粒子相成分とブタジエン
成分との重量比が3.3以上である ことを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂に関する。
以下、本発明のゴム変性スチレン系樹脂について詳し
く説明する。
本発明に用いるスチレン−ブタジエンブロック共重合
体(A)は、リチウム系触媒により1,3−ブタジエンを
主成分とする共役ジオレフィンとスチレンを主成分とす
るスチレン系単量体とをブロック共重合することにより
得られる共重合体であり、例えば、一般式(S−B)n,
S(B−S)n,((S−B)mX等(ただし、Bはブ
タジエンを主とするブロック、Sはスチレンを主とする
ブロック、nは1以上の整数、mは3以上の整数、Xは
カップリング剤の残基である。)の配列、好ましくは、
S−BもしくはS−B−Sの配列を有するブロック共重
合体である。また、本発明に用いるスチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体は、一部ランダム部を含有してもよ
いが、スチレンブロック部を構成するスチレン量は全ス
チレン量に対して50モル%以上、好ましくは75モル%以
上であることが望ましい。
また、スチレン−ブタジエンブロック共重合体中のス
チレン含有量は25〜50重量%、好ましくは35〜45重量%
であることが必要である。スチレン含有量が25重量%未
満の場合は透明性が得られず、スチレン含有量が50重量
%を越える場合は耐衝撃性が劣るため好ましくない。
本発明に用いるブタジエン系重合体(B)のスチレン
含有量は、25重量%未満であることが必要である。ブタ
ジエン系重合体(B)のスチレン含有量が25重量%を越
える場合は、耐衝撃性が劣るため好ましくない。また、
本発明に用いるブタジエン系重合体(B)は、ミドルシ
スゴムもしくはハイシスゴムのいずれでもよいが、シス
−1,4結合含量が25〜40モル%、重量平均分子量と数平
均分子量との比が1.1〜1.6、分岐状の高分子鎖の含有率
が50重量%以上であるゴムを用いた場合、透明性の良好
な樹脂が得られやすい。
本発明に用いるブタジエン系重合体(B)は、エチル
リチウム、n−ブチルリチウム、ステアリルリチウム等
の有機リチウム化合物触媒、もしくはコバルトまたはニ
ッケル化合物と有機アルミニウム化合物を含有する触媒
により、1,3−ブタジエンを主成分とする共役ジオレフ
ィンを重合することにより得ることができる。具体的に
はポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体があ
げられる。また、有機リチウム化合物触媒を用いた場
合、多官能の結合剤によるカップリングにより分岐状の
高分子鎖を有するブタジエン重合体を得ることができ
る。
本発明に用いるブタジエン系ゴムは、スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体(A)およびブタジエン系重合
体(B)からなることが必要であり、(A)と(B)の
重量比は(A)/(B)=95/5〜60/40、好ましくは
(A)/(B)=90/10〜70/30である。(A)の割合が
重量比で95を越える場合は、耐衝撃性が不十分であり、
満足できる耐衝撃性と剛性のバランスを得ることが困難
である。また、(A)の割合が重量比で60未満の場合
は、透明性が劣るため、いずれの場合も改良された透明
性、耐衝撃性および剛性のバランスを有するゴム変性ス
チレン系樹脂を得ることはできない。
本発明に用いるスチレン−ブタジエンブロック共重合
体(A)とブタジエン系重合体(B)のそれぞれの溶液
粘度(25℃における5重量%スチレン溶液の粘度)は特
に限定されるものではないが、20〜200cpsの範囲にある
ことが望ましい。
また、本発明のゴム変性スチレン系樹脂におけるブタ
ジエン系ゴムの含有量は特に限定されるものではない
が、得られた樹脂の透明性、耐衝撃性および剛性等の物
性バランスの点で5〜12重量%の範囲にあることが好ま
しい。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂の連続マトリックス
相中に分散したゴム粒子相の長さ平均粒径は0.1〜0.4
μ、好ましくは0.15〜0.3μであることが必要である。
ゴム粒子相の長さ平均粒径が0.4μを越える場合は、得
られるゴム変性スチレン系樹脂の透明性が劣り、また0.
1μ未満では耐衝撃性が劣るため、いずれの場合も透明
性と耐衝撃性を共に満足するゴム変性スチレン系樹脂を
得ることはできない。ここでいうゴム粒子相の長さ平均
粒径とは、ゴム変性スチレン系樹脂の超薄切片法による
透過型電子顕微鏡写真により、200〜1000個のゴム粒子
径を測定し、次式により算出したものである。
長さ平均粒径=ΣNiDi2/ΣNiDi (ここで、Niは粒径Diのゴム粒子の個数であり、粒径Di
はゴム粒子の長径と短径の平均値である。) 本発明のゴム変性スチレン径樹脂中のゴム粒子の形状
は、サラミ構造、コア/シェル構造等の形状をとり得る
が、透明性の点でコア/シェル構造であることが好まし
い。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂中のゴム粒子相成分
とブタジエン成分との比は、重量比で3.3以上、好まし
くは3.5以上であることが必要である。3.3未満では透明
性、耐衝撃性のいずれか、もしくは両方が劣り、透明性
と耐衝撃性のバランスの改良されたゴム変性スチレン系
樹脂を得ることができない。ここでいうゴム粒子相成分
とは、ゴム変性スチレン系樹脂中のメチルエチルケトン
/メタノール(容量比10/1)混合溶剤不溶分であり、ブ
タジエン成分とはゴム変性スチレン系樹脂中の重合時に
添加したブタジエン系ゴムのブタジエン部分である。ゴ
ム変性スチレン系樹脂中のブタジエン成分は、重合時の
ブタジエン系ゴムの添加量から算出する方法、もしくは
一塩化ヨウ素法による二重結合定量から算出する方法、
例えば、高分子分析ハンドブック,日本分析化学会,高
分子分析研究懇談会編(1987),267ページに記載の方法
により求めることができる。
一般に、ゴム変性スチレン系樹脂のゴム粒子相成分と
ゴム成分との比は、ジャーナル・オブ・アプライド・ポ
リマー・サイエンス(Journal of Applied Polymer Sci
ence)Vol.28,(1983)の3259ページに示されている如
く、ゴム粒子径が非常に大きい場合、3.3以上の値をと
り得るが、ゴム粒子径が小さくなるに従って小さくな
り、3.3未満の値となる。また、市販のゴム変性スチレ
ン系樹脂のゴム粒子相成分とゴム成分との比は、通常2
〜3の範囲にあり、例えばポリマー・エンジニアリング
・アンド・サイエンス,ミッド−ジャーナリー(Polyme
r Engneering and Science,Mid/January)1986,Vol.26,
No.1の77ページの値ではゴム粒子径が3.9μで2.6、0.92
μで2.2である。また、ゴム粒子径が0.2〜0.4μにおけ
る、ゴム粒子相成分とゴム成分との比の公知の値は、例
えばジャーナル・オブ・マテリアルス・サイエンス(Jo
urnal of Materials Science)22,(1987)の1342ペー
ジの値ではゴム粒子径が0.2μで2.0、0.3μで2.7、0.4
μで2.6もしくは3.2であり、いずれの場合も3.3未満で
ある。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂における樹脂中のゴ
ム粒子相成分の架橋度を示す指数である樹脂中のトルエ
ン不溶分の膨潤度は特に限定されるものではないが、得
られる樹脂の耐衝撃性、光沢および外観等の物性バラン
スの点で9〜22の範囲にあることが好ましい。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂の重合方法として
は、従来より公知の塊状重合法、塊状−懸濁重合法等が
用いられる。例えば、塊状重合法による場合は、本発明
に用いられるブタジエン系ゴムのスチレン系単量体溶
液、もしくはこれにトルエン、エチルベンゼン等を希釈
剤として加えた溶液を撹拌下に加熱することにより所定
の重合率まで予備重合を行い、さらに所定の重合率まで
塊状重合を実施した後、加熱、減圧条件下で未反応単量
体、希釈剤を除去し、重合を完結させる。
また、塊状−懸濁重合法による場合は、本発明に用い
られるブタジエン系ゴムのスチレン系単量体溶液を予備
重合工程として撹拌下に加熱することにより所定の重合
率まで塊状重合を実施した後、この重合溶液を懸濁剤を
含む水中に懸濁させ、重合開始剤の存在下で懸濁重合を
実施し、重合を完結させる。
これらの重合に際し、連鎖移動剤、重合開始剤、可塑
剤、酸化防止剤等の添加剤を必要に応じて適宜使用する
ことができる。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂中の分散ゴム粒子相
の長さ平均粒径は、用いるブタジエン系ゴムの組成、ブ
タジエン系ゴムの溶液粘度、ブタジエン系ゴム溶液の濃
度、予備重合時の撹拌強度、連鎖移動剤あるいは重合開
始剤の使用法等の変更により調整される。
また、ゴム変性スチレン系樹脂中のゴム粒子相成分と
ブタジエン成分との比は、用いるブタジエン系ゴムの組
成、予備重合時における撹拌条件、転化率、連鎖移動剤
あるいは重合開始剤の使用法、塊状重合法における未反
応単量体除去工程の加熱、減圧条件、塊状−懸濁重合法
における懸濁重合時の重合温度および時間、重合開始剤
の種類および添加量等の変更により調整される。
さらに、ゴム変性スチレン系樹脂中のトルエン不溶分
の膨潤度は、予備重合時における転化率、連鎖移動剤あ
るいは重合開始剤の使用法、もしくは塊状重合法におけ
る未反応単量体除去工程の加熱、減圧条件等の変更、塊
状−懸濁重合法における懸濁重合時の重合温度および時
間、重合開始剤の種類および添加量等の変更により調整
される。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂中の分散ゴム粒子相
の長さ平均粒径は、重合開始の変更により調整される以
外に、2種以上のゴム変性スチレン系樹脂とブレンドに
よっても調整することができる。
また、本発明のゴム変性スチレン系樹脂のブタジエン
系ゴムの含有量は、重合時のブタジエン系ゴムの使用量
の変更による以外に、ブタジエン系ゴムを含有しないス
チレン系樹脂とのブレンドによっても調整することがで
きる。
本発明におけるスチレン系単量体とは、スチレン、α
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレ
ン等であり、これらは単独または混合して使用される。
また、これらのスチレン系単量体と共重合可能なアクリ
ロニトリル、メタクリル酸メチル等の単量体でスチレン
系単量体の一部を置換することができる。
本発明のゴム変性スチレン系樹脂は、他の熱可塑性樹
脂、例えばポリフェニレンエーテル等を混合使用でき
る。
また、本発明のゴム変性スチレン系樹脂は、加工に際
して、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、離型
剤、滑剤、耐衝撃性改良剤、色剤等を添加混合使用でき
る。
[実 施 例] 以下、実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明す
る。
なお、実施例および比較例におけるブタジエン系ゴム
の構造解析は、以下の方法で実施した。
(1)シス−1,4結合含量 赤外吸収スペクトル分光法により算出した。
(2)スチレン含有量 紫外吸収スペクトル分光法により算出した。
(3)溶液粘度(SV) キャノンフェンスケ型粘度計を用いて、25℃にて5重
量%スチレン溶液の粘度を測定した。
(4)重量平均分子量(w)と数平均分子量(n)
との比(w/n)、および分岐状の高分子鎖の含有率
(カップリング率) GPC(東洋曹達製,HLC−802UR)を使用し、屈折計を検
出器として用い、展開溶媒としてテトラヒドロフラン
(THF)を用いて40℃でw/nを測定した。また、分
岐状の高分子鎖と未カップリングの高分子鎖のそれぞれ
の平均分子量に相当するピークの高さの相対比をもっ
て、それぞれの高分子鎖の重量比率とし、分岐状の高分
子鎖の含有率(カップリング率)を算出した。
また、実施例および比較例におけるゴム変性スチレン
系樹脂の物性測定は、以下の方法で実施した。
(1)ゴム粒子相の長さ平均粒径 樹脂の超薄切片法による透過型電子顕微鏡写真によ
り、200〜1000個のゴム粒子径を測定し、次式により算
出した。
長さ平均粒径=ΣNiDi2/ΣNiDi ここで、Niは粒径Diのゴム粒子の個数であり、粒径Di
はゴム粒子の長径と短径の平均値である。
(2)ゴム粒子相成分含量 樹脂をメチルエチルケトン/メタノール(容量比10/
1)混合溶媒に溶解した後、遠心分離、過、減圧乾燥
操作により溶媒不溶分重量を測定し、次式により算出し
た。
ゴム粒子相成分含量 =(溶媒不溶分重量/樹脂重量)×100 (3)トルエン不溶分の膨潤度 樹脂をトルエンに溶解し、常温で24時間放置した後、
遠心分離、デカンテーション操作により膨潤状態のトル
エン不溶分重量(Ws)を測定した。ついで減圧乾燥を行
い、乾燥状態のトルエン不溶分重量(Wd)を測定し、次
式により算出した。
トルエン不溶分膨潤度=Ws/Wd (4)曇価 積分球式光線透過率測定装置により、2mm厚平板の拡
散光線透過率(Td)および全光線透過率(Tt)を測定
し、次式により曇価を算出した。
曇価=(Td/Tt)×100 (5)光沢 射出成形により2mm厚の平板を成形し、JIS K7105によ
り、60度鏡面光沢度を測定した。
(6)アイゾット衝撃値、曲げ弾性率 射出成形により試験片を成形し、JIS K6871により測
定した。
実施例 1 スチレン含有量が40重量%、ブロックスチレン含有量
が30重量%、25℃における5重量%スチレン溶液粘度が
35cpsである、S(スチレン)−B(ブタジエン)配列
を有するスチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム
(A)8.1重量部およびシス−1,4結合含量が34モル%、
重量平均分子量と数平均分子量との比が1.4,25℃におけ
る5重量%スチレン溶液粘度が60cps、分岐状の高分子
鎖の含有率が60数量%であるポリブタジエンゴム(B)
0.9重量部をスチレン99重量部および白色鉱油1重量部
に溶解したゴム溶液を内容積5の撹拌機付オートクレ
ーブに仕込み、n−ドデシルメルカプタン0.1重量部を
加え、115℃で4時間、撹拌機の回転数が220rpmの撹拌
下で塊状重合した後冷却し、予備重合液を得た。次い
で、内容積10の撹拌機付オートクレーブに水100重量
部、第3リン酸カルシウム1重量部、ドデシルベンゼン
スルホン酸ソーダ0.001重量部を仕込み、次に、前記予
備重合液100重量部、重合開始剤としてベンゾイルパー
オキサイド0.28重量部、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート0.15重量部を加え、90℃で4時間、140℃で2時
間、撹拌下で懸濁重合を行った。得られた懸濁重合液に
塩酸を加え、別、水洗、乾燥した後、2,6−ジ−t−
ブチル−p−クレゾール0.1重量%、ジンクステアレー
ト0.1重量%を混合し、押出機によりペレット化するこ
とによりコア/シェル構造のゴム粒子を有するゴム変性
スチレン系樹脂を得た。得られた樹脂の物性を第1表に
示す。
実施例2および3 実施例1において、スチレン−ブタジエンブロック共
重合ゴム(A)とポリブタジエンゴム(B)の使用比率
を第1表に示す如く変更した以外は、実施例1と同様に
してゴム変性スチレン系樹脂を得た。得られた樹脂のゴ
ム粒子はコア/シェル構造であった。得られた樹脂の物
性を第1表に示す。
実施例 4 実施例1において、ポリブタジエンゴム(B)をシス
−1,4結合含量が98モル5、25℃における5重量%スチ
レン溶液粘度が75cpsであるポリブタジエンゴム(B)
に変更した以外は、実施例1と同様にしてゴム変性スチ
レン系樹脂を得た。得られた樹脂のゴム粒子はコマ/シ
ェル構造であった。得られた樹脂の物性を第1表に示
す。
実施例 5 実施例2において、ポリブタジエンゴム(B)をシス
−1,4結合含量が35モル%、重量平均分子量と数平均分
子量との比が2.1、25℃における5重量%スチレン溶液
粘度が80cpsであるポリブタジエンゴム(B)に変更し
た以外は、実施例2と同様にしてゴム変性スチレン系樹
脂を得た。得られた樹脂のゴム粒子はコア/シェル構造
であった。得られた樹脂の物性を第1表に示す。
比較例 1 実施例1で用いたスチレン−ブタジエンブロック共重
合ゴム(A)を単独で14.0重量部使用した以外は、実施
例1と同様にしてゴム変性スチレン系樹脂を得た。得ら
れた樹脂のゴム粒子はコア/シェル構造であった。得ら
れた樹脂の物性を第1表に示す。
比較例 2 実施例2において、懸濁重合時の重合開始剤の使用量
をベンゾイルパーオキサイド0.35重量部、t−ブチルパ
ーオキシベンゾエート0.05重量部に変更した以外は、実
施例2と同様にしてゴム変性スチレン系樹脂を得た。得
られた樹脂のゴム粒子はコア/シェル構造であった。得
られた樹脂の物性を第1表に示す。
比較例3および4 実施例1において、スチレン−ブタジエンブロック共
重合ゴム(A)とポリブタジエンゴム(B)の使用比率
を第1表に示す如く変更し、ゴム粒子径調整のため塊状
重合時の撹拌回転数を変更した以外は、実施例1と同様
にしてゴム変性スチレン系樹脂を得た。得られた樹脂は
サラミ構造もしくはコア/シェル構造のゴム粒子を有し
ていた。得られた樹脂の物性を第1表に示す。
第1表に見られるとおり、実施例1〜5における本発
明のゴム変性スチレン系樹脂は、透明性、耐衝撃性およ
び剛性のバランスに優れ、しかも成形品の光沢も良好で
ある。これに対して、比較例1の如くスチレン−ブタジ
エンブロック共重合ゴム(A)を単独で使用した場合
は、耐衝撃性を得るためにはゴム使用量増加が必要であ
るため耐衝撃性と剛性のバランスが劣り、また比較例3
の如くゴムの使用比率が60/40未満の場合は透明性が劣
るため、いずれの場合も満足できるゴム変性スチレン系
樹脂を得ることはできない。また、比較例2の如く使用
するゴム組成、ゴム粒子径が本発明の範囲内にあって
も、樹脂中のゴム粒子相成分とブタジエン成分との比が
3.3未満の場合は、透明性と耐衝撃性のバランスが劣
る。また、比較例4の如くゴム粒子径が0.4μを越える
場合は透明性は得られない。
これらの結果から、特定のブタジエン系ゴム2種類を
特定の範囲で組合わせて用い、かつ分散ゴム粒子相を特
定の構造にコントロールすることにより、はじめて透明
性、耐衝撃性および剛性を共に満足するゴム変性スチレ
ン系樹脂が得られることがわかる。
[発明の効果] 以上の説明で示したように、本発明の半透明性ゴム変
性スチレン系樹脂は、透明性、耐衝撃性および剛性のバ
ランスに優れ、かつ光沢も優れているため、従来のゴム
変性スチレン系樹脂では不満足であった透明性、外観の
要求される用途に適用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西本 教幸 神奈川県川崎市川崎区千鳥町2番1号 日本ポリスチレン工業株式会社内 (56)参考文献 特公 昭48−20237(JP,B1)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブタジエン系ゴムの存在下にスチレン系単
    量体を重合して得られるゴム変性スチレン系樹脂であっ
    て、 a)ブタジエン系ゴムがスチレン含有量25〜50重量%の
    スチレン−ブタジエンブロック共重合体(A)およびス
    チレン含有量25重量%未満のブタジエン系重合体(B)
    とからなり、かつその重量比が(A)/(B)=95/5〜
    60/40であり、 b)該樹脂の連続マトリックス相中に分散しているゴム
    粒子相の長さ平均粒径が0.1〜0.4μmであり、 c)ゴム粒子相成分とブタジエン成分との重量比が3.3
    以上であることを特徴とするゴム変性スチレン系樹脂。
JP63185269A 1988-07-25 1988-07-25 ゴム変性スチレン系樹脂 Expired - Fee Related JP2655689B2 (ja)

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