JPH0468326B2 - - Google Patents

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JPH0468326B2
JPH0468326B2 JP61191595A JP19159586A JPH0468326B2 JP H0468326 B2 JPH0468326 B2 JP H0468326B2 JP 61191595 A JP61191595 A JP 61191595A JP 19159586 A JP19159586 A JP 19159586A JP H0468326 B2 JPH0468326 B2 JP H0468326B2
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JP
Japan
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styrene
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rubber
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molecular weight
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JP61191595A
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JPS6348317A (ja
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Yasuro Hatsutori
Juichi Kitagawa
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication of JPH0468326B2 publication Critical patent/JPH0468326B2/ja
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  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、半透明性、光沢性等の外観性で著し
く優れる耐衝撃性ポリスチレン系樹脂、およびそ
の製造法に関するものである。 〔従来の技術〕 硬質で脆いポリスチレン系樹脂の耐衝撃性を改
良するために各種未加硫ゴムを強靭化剤として用
いることは従来より良く知られ、特に未加硫ゴム
の存在下にスチレン系単量体等を塊状重合または
塊状懸濁重合して得られる耐衝撃性ポリスチレン
系樹脂は安価で加工性および各種物性に優れ各種
用途に広く使用されてきた。この目的に使用され
る未加硫ゴムとしてはポリブタジエンゴムとスチ
レン−ブタジエン共重合ゴムが一般的である。特
に低温における耐衝撃性を必要とする場合には、
有機リチウム単独又はこれを主成分とするアニオ
ン重合によつて得られるいわゆるローシスポリブ
タジエンゴム、又はスチレン−ブタジエンゴム
が、コバルト、ニツケル、チタン等の遷移金属化
合物を主成分とする配位アニオン触媒によつて得
られるハイシスポリブタジエンゴムと共に好まし
く、用途、目的に合せて強靭化剤として広く用い
られてきた。 しかしながら、最近の耐衝撃性ポリスチレン系
樹脂に対する要求は、耐衝撃性と剛性のバランス
のみならず、光沢等外観性のバランス、更に著し
い場合は半透明性をも要求するものとなり、従来
の未加硫ゴムを用いている限りにおいては、これ
らの要求を完全に満たすことは、種々の提案がな
されているものの、未だ不充分なものであつた。
このため、新規な未加硫ゴムを、この用途に用い
ようとする種々の試みがなされている。 例えば、特開昭56−72010号公報には、1,2
−ビニル結合が10〜25モル%、1,4−シス結合
が25〜45モル%、1,4−トランス結合が、30〜
65モル%であつて30〜60センチストークスの溶液
粘度を有するゴム状弾性体を強靭化剤として使用
し、軟質成分粒子、即ち我々のいうゴム粒子径
が、その平均粒径で0.5〜1.5μである耐衝撃性ポ
リスチレンが、高い光沢を有することが示され
る。また、特開昭57−30713号公報には、1,2
−ビニル結合を60%以上含有するブタジエン系重
合体と、1,2−ビニル結合を30%以下含有する
ブタジエン系重合体の混合ゴム質重合体を、強靭
化剤とする耐衝撃性ポリスチレン系樹脂組成物が
示されており、耐衝撃性、耐候性かつ成形物の表
面光沢に優れた組成物とされる。しかし、これら
の特別なゴムを強靭化剤として用いたポリスチレ
ン系樹脂組成物は、いずれも、表面光沢はある程
度優れたものとなるものの、耐衝撃性、特に実用
的な耐衝撃性が不充分であり、この改良が引続き
要望されるところであつた。 一方、スチレン系樹脂と強い親和性を有する、
スチレン−ブタジエンブロツク共重合体を強靭化
剤として使用する技術も公知である。例えば、特
公昭44−7126号公報には、分岐のない線状構造を
有するB−A型、或いはA−B−A型ブロツク共
重合体を強靭化剤として、ポリスチレンと機械的
にブレンドすることにより、色調がうすいポリス
チレン組成物が得られ、又耐衝撃性も上がること
が述べられている。また、特公昭41−14234号公
報には、B−A型ブロツク共重合体を強靭化剤と
して、スチレンを塊状−懸濁重合して得られる耐
衝撃性ポリスチレン組成物が、改良された色彩及
び低温衝撃に加えて、優れた耐衝撃性を有するこ
とが記載されている。更に、特公昭42−17492号
公報では、B−A型、或いはA−B−A型ブロツ
ク共重合体を各々強靭化剤として、スチレンを塊
状重合して得られる耐衝撃性ポリスチレン組成物
が、表面光沢に優れ、耐衝撃性も良好であること
が記載されている。そして更に、特開昭47−
30750号公報には、特殊な構造を有する、B−A
−B−A型ブロツク共重合体を、強靭化剤として
ポリスチレンと機械混合し、耐熱性に優れ、しか
も耐衝撃性、加工性のバランスがとれた耐衝撃性
ポリスチレン組成物の製造方法も記載されてい
る。特に、上記、特公昭42−17492号公報及び特
開昭47−30750号公報に於いては、得られる耐衝
撃性樹脂の表面光沢についても、優れたものであ
るとの記載がなされている。しかしいずれの場合
も、スチレン−ブタジエンブロツク共重合体の強
靭化剤としての使用は、耐衝撃性ポリスチレン系
樹脂の表面光沢を、ある程度改良はするものの、
耐衝撃性の著しい低下を招く場合が多く、この耐
衝撃性の低下を、いかに減少させるかが課題であ
つた。 本発明者らは、上記のような問題を解決すべ
く、光沢等外観性に優れる長所はあるものの、実
用的な耐衝撃性に劣る欠点を有していたスチレン
−ブタジエンブロツク共重合体ゴムの強靭化剤と
しての使用を鋭意検討した結果、該ゴムが特定さ
れた構造のスチレン−ブタジエンブロツク共重合
体ゴムであつて、更にその特定量を使用してある
特定のゴム粒径を有するポリスチレン系樹脂によ
り、外観性と耐衝撃性とに優れる高度なバランス
を達し、既に特許出願した(特開昭59−264634
号)。 しかし、この技術を用いても、更に高い光沢性
あるいは半透明性の外観を得るのに必要な粒子径
までゴム粒子の分散を微細にすると、十分な耐衝
撃性は得ることができなかつた。 又、薄層で半透明の外観を示す耐衝撃性ポリス
チレン系樹脂を得る方法としては特開昭52−
117990号および公表特許公報昭61−500497号が知
られ、ゴム成分を特定の形状で分散させることに
よつてこれを達成したとしている。ここでは原料
ゴムの好ましいものとして特定構造のスチレン−
ブタジエンブロツク共重合ゴムの使用が推奨され
ている。しかし、いずれも耐衝撃性については十
分なものではなかつた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は上述したように従来は達成されていな
かつた高い光沢性あるいは半透明と耐衝撃性を高
度にバランスさせた耐衝撃性ポリスチレン系樹脂
を得ることを目的とする。 〔問題点を解決するための手段及び作用〕 本発明者らは、上記のような問題を解決すべ
く、特に強靭化剤として使用するスチレン−ブタ
ジエンブロツク共重合体ゴムについて鋭意検討し
た結果、該ゴムが特定された構造であつて、これ
を特定量使用してなる微細なゴム粒径を有するポ
リスチレン樹脂により、半透明性と耐衝撃性との
高度なバランスを達成し、本発明に至つた。 すなわち本発明は、 (1)(a) 数平均分子量()が15000〜60000、分
子量分布(/)が1.3〜3.0であるブロ
ツクスチレン部を少なくとも1個含有し、 (b) 全スチレン量が26〜45重量%、 (c) ブロツクスチレン含量[B]が全スチレン
量の80%以上、 (d) ムーニー粘度が80〜160、 (e) 25℃における5重量%スチレン溶液粘度が
10〜50センチポイズ、 (f) 分子量分布(/)が1.2〜3.0であ
る、 スチレン−ブタジエンブロツク共重合体ゴムを
5〜20重量%強靭化剤として使用し、該樹脂中の
ゴム粒子径[R]が0.05〜1.0ミクロンであり、
且つ次式を満たすことを特徴とする耐衝撃性ポリ
スチレン系樹脂 30≦[B]+10[R]≦45 を提供するものである。 また、本発明は上記の(a)〜(f)で規定されるスチ
レン−ブタジエンブロツク共重合体ゴムを5〜20
重量%、及びスチレン系単量体またはスチレン系
単量体と共重合可能な不飽和化合物との混合物95
〜80重量%とを塊状、もしくは塊状懸濁または溶
液状態でラジカル重合することを特徴とする樹脂
中のゴム粒子径[R]が0.05〜1.0ミクロンであ
り次式を満たす耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の製
造法も提供するものである。 30≦[B]+10[R]≦45 本発明の樹脂は極めて高度な性能、すなわち、
半透明性、光沢性等の外観性と耐衝撃性の高度な
バランスを示すものである。 本発明で強靭化剤として使用されるスチレン−
ブタジエンブロツク共重合体ゴムのブロツクスチ
レン部は、数平均分子量()が15000〜
60000、好ましくは30000〜50000である。これ以
下の分子量では耐衝撃性不充分で、逆にこれ以上
の場合には、後述する0.05〜1.0ミクロンのゴム
粒子径を得るのが困難である。また分子量分布は
GPCで測定し、重量平均分子量()と数平均
分子量の比(/)で表示して1.3〜3.0、好
ましくは1.5〜2.5に制限される。1.3未満では得ら
れる耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の衝撃性が不充
分であり、またゴム自体も粉末状ないしは粉末状
となり易い極めて加工性の劣るものである。一方
逆に3.0をこえると、光沢、半透明性の外観をそ
こなう。本発明のブロツク共重合体ゴムは上述し
たブロツクスチレン部を少なくとも1個好ましく
は1ないし2個含有するものである。 本発明のブロツク共重合ゴムの全スチレン含量
は26〜45重量%、好ましくは、30〜40重量%であ
る。これより少ない場合は本発明の目的とする高
い光沢性、半透明性を得るに十分な微細なゴム粒
径の形成が困難であり、また形成されたとしても
高い衝撃性は得られない。一方、これより多い場
合は耐衝撃性が不充分である。 本発明のブロツク共重合ゴムのブロツクスチレ
ン含量[B]は全スチレン量の80%以上、好まし
くは85%以上である。これ未端の場合は、ゴム成
分としてのガラス転移温度(Tg)が上昇し、低
温での耐衝撃性の低下をきたすばかりか、光沢
性、半透明性も不充分なものとなる。 本発明に於いて、ブロツクスチレン含量〔B〕
とは、ジヤーナル オブ ポリマー サイエンス
第1巻429ページ、(1946年刊)に記載されている
Kolthoffの方法によつて本発明で用いるブロツク
共重合ゴムを分解・採取したポリマーを紫外線分
光光度計で定量して得たブロツクスチレン量をブ
ロツク共重合ゴムに対する重量%で表わしたもの
をいう。 更に本発明に用いるスチレン−ブタジエンブロ
ツク共重合体ゴムの、Lローターを使用し、100
℃で測定されるムーニー粘度は80〜160、好まし
くは100〜140となる場合である。該共重合体ゴム
が、160を越えるムーニー粘度を有するものであ
る場合には、必要な小粒径が得られず、更にゴム
が粉末となり易くゴムとしての取扱いが困難とな
る。逆にムーニー粘度が80未満にあつては十分な
耐衝撃性が得られない。又、該共重合体ゴムの25
℃における5重量%スチレン溶液粘度は、10〜50
センチポイズ、好ましくは20〜40センチポイズで
ある。10センチポイズ未満の溶液粘度は、強靭化
剤としての効果が不充分であつて、耐衝撃性の点
で劣つたものとなる。一方、50センチポイズ以上
の溶液粘度では、耐衝撃性ポリスチレン系樹脂の
生産に当たつての、スチレンへの該共重合体ゴム
の溶解性が低下し、かつ所定の粒子径とするのに
多大の攪拌動力を必要とし、その生産性を悪化さ
せて好ましくない。 該共重合体ゴムの分子量分布(/で表
示する)は1.2〜3.0、好ましくは1.5〜2.5に規定
される。1.2以下の分子量分布であつてはゴムと
しての形態をとらず紛末状となり使用が困難であ
る。逆に3.0を越える場合にはポリスチレン樹脂
中のゴム粒子径の粒径分布が拡大して所定の外観
性が得られない。 本発明の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂は上述し
たスチレン−ブタジエンブロツク共重合体ゴムを
5〜20重量%、好ましくは8〜15重量%含有する
ポリスチレン系樹脂である。この範囲以下のゴム
の使用量では本発明が目的とする耐衝撃性の改良
効果が不充分であり、一方、この範囲以上の使用
では耐衝撃性は向上するものの本来のポリスチレ
ン系樹脂の持つ特性、例えば引張強度・剛性、更
に、光沢等外観性を失わせるものとなり好ましく
ない。又、本発明においては、本発明に用いるス
チレン−ブタジエン共重合体ゴム以外に強靭化剤
として用いることが公知の他の未加硫ゴムを強靭
化剤として少量、例えば1〜10重量%含むもので
あつても良い。この場合、本発明の効果の発現の
ためには、使用する強靭化剤の少なくとも30%は
本発明のゴムであることを必要とする。本発明の
耐衝撃性ポリスチレン系樹脂を得る好適な方法は
スチレン−ブタジエン共重合体ゴムを5〜20重量
%とスチレン系単量体又はスチレン系単量体と共
重合可能な不飽和化合物との混合物95〜80重量%
を塊状重合、塊状懸濁併用重合または溶液重合に
よりラジカル重合させることによる方法である。 本発明で用いられるスチレン系単量体としては
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン
例えばパラメチルスチレン、ビニルエチルベンゼ
ン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン等が例と
して挙げられ、1種又は2種以上の混合物として
用いられる。又、スチレン系単量体と共重合可能
な不飽和化合物としてはアクリロニトリル、メタ
クリル酸メチルなどが挙げられる。本発明で特に
好ましいスチレン系単量体はスチレンであり、こ
の単独使用ないしこれと他の単量体の混合物であ
つて混合物中のスチレンの比率が50重量パーセン
ト以上の場合である。 本発明の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂を得る好
ましい方法の一つである塊状重合は一般に次のよ
うに実施される。まず本発明で特定されたスチレ
ン−ブタジエン共重合体ゴムをスチレンに溶解
し、ラジカル開始剤を用いない無触媒の場合は50
〜250℃の重合温度において加熱重合する。また
ラジカル開始剤を触媒として用いる場合には、ラ
ジカル開始剤の分解温度に合せて20〜200℃、攪
拌数10〜20rpmにおいて重合し、スチレンの反応
率が所望のものとなるまで重合操作が継続され
る。この塊状重合に際しては、しばしば公知の内
部潤滑剤、たとえば流動パラフインが重合体100
重量部に対して0.1ないし5重量部が添加される。
重合終了後、生成ポリマー中に少量、通常は30重
量%以下の未反応スチレンを含有する場合は、か
かるスチレンを公知の方法、たとえば加熱下での
減圧除去あるいは揮発分除去の目的に設計された
押出装置で除去するなどの方法によつて除去する
ことが望ましい。かかる塊状重合中の攪拌は、必
要に応じて行われるが、スチレンの重合体への転
化率、すなわちスチレンの重合率が30%以上にま
で進んだあとは、攪拌は停止するか緩和するのが
望ましい。過度の攪拌は得られる重合体の強度を
低下させることがある。また必要なら少量のトル
エン、エチルベンゼン等の希釈溶剤の存在下で重
合し、重合終了後に未反応スチレンとともにこれ
ら希釈溶剤を加熱除去しても良い。 また、塊状懸濁併用重合も本発明の耐衝撃性ポ
リスチレン系樹脂の製造に有用である。この方法
はまず前半の反応を塊状で行い後半の反応を懸濁
状態で行うものである。すなわち本発明の特定の
スチレン−ブタジエン共重合体ゴムのスチレン溶
液を、先の塊状重合の場合と同様に無触媒下で加
熱重合又は触媒添加重合し、あるいは照射重合し
て、スチレンの通常50%以下、特に好ましくは10
ないし40%までを部分的に重合させる。これが前
半の塊状重合である。ついでこの部分的に重合し
た混合物を懸濁安定剤またはこれと界面活性剤の
両者の存在下に水性媒体中に攪拌下に分散させ、
反応の後半を懸濁重合で完結させ、先の塊状重合
の場合と同様に、洗浄、乾燥し、必要によりペレ
ツトまたは粉末化し、実用に供するものである。 本発明の、こうして得られた耐衝撃性ポリスチ
レン系樹脂はスチレン系重合体の硬い相と軟質成
分、すなわちスチレン等とグラフト共重合したポ
リブタジエン−スチレン共重合体ゴムおよびこれ
に封じ込められたスチレン系重合体の分散粒子
(ゴム粒子)からなつている。 本発明の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂はこの軟
質成分粒子の粒子径[R]がその平均値で表示し
て0.05〜1.0ミクロンであり、好ましい範囲は0.08
〜0.5ミクロン特に好ましい範囲は、0.1〜0.3ミク
ロンである。ここで、平均粒子径とは、樹脂の超
薄切片法による電子顕微鏡写真を撮影し、写真中
の軟質成分粒子200〜500個の粒子径を測定して、
次により重量平均したものである。 重量平均径[R]=〓nD4/〓nD3 ここに、nは粒子径Dの軟質成分粒子の個数で
ある。ゴム粒子径が0.05ミクロン未満の場合に
は、光沢性、半透明性等、外観性状の優れた物性
は得られるものの、耐衝撃性の点で該ゴムを使用
する利点である強靭化効果を得られない。また、
1.0ミクロンを越える場合には、逆に、強靭化効
果は得られるものの、光沢等外観性の点で劣つた
ものとなる。特に半透明性を必要とする場合には
0.3ミクロン以下とすべきである。一般に、光沢
等外観性と耐衝撃性とは逆相関の関係にあり、得
られる耐衝撃性ポリスチレン系樹脂中のゴム粒子
径が、上述の範囲にある場合、これらの高度な物
性バランスの点で、極めて優れたものを得ること
ができる。 更に、本発明では、上述した強靭化剤ゴム中の
ブロツクスチレン含量[B]と、それを使用して
なるポリスチレン系樹脂中のゴム粒子径[R]と
の間に、次式(1)の関係が成立することを必要とす
る。 30≦B+10R≦45 …(1) 上式(1)の値が30以下の場合、ブロツクスチレン
含量に比べて、ゴム粒子径は小さいものとなる為
に、得られるポリスチレン系樹脂の耐衝撃強度
は、劣つたものとなる。逆に上式(1)の値が45以上
である場合には、耐衝撃強度は向上するものの光
沢等外観性の低下が著しく、優れた樹脂を得るこ
とは困難である。耐衝撃性および光沢の点で、極
めて優れた物性バランスを有するポリスチレン系
樹脂脂を得る為に、特に好ましい条件は、上式(1)
が、32〜40の値を有する場合である。 〔実施例〕 以下、若干の実施例により、本発明の具体的実
施態様を示すが、これは本発明の趣旨をより具体
的に説明するためのものであつて、本発明を限定
するものではない。 実施例 1 内容積1のジヤケツト・攪拌機付反応器を2
基直列に連結し、その1基目底部にn−ヘキサン
8.92Kg/hr、ブタジエン1.58Kg/hr、n−ブチル
リチウム1.1g/hrをフイードし、温度を110℃に
て重合を開始せしめ、オーバーフローしたポリマ
ー溶液と更にn−ヘキサン2.03Kg/hr、スチレン
0.68Kg/hrを2基目底部にフイードし温度120℃
にて重合を終了せしめた。このポリマー溶液に安
定剤として2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチ
ルフエノールを添加して溶媒を加熱留去させ、ブ
ロツクポリマーAを得た。得られたポリマーの構
造分析値を第1表に示した。 このゴムを強靭化剤として使用し、以下に示す
塊状重合を行つた。該スチレン−ブタジエン共重
合体ゴム10重量部をスチレン90重量部とエチルベ
ンゼン8重量部に溶解し、更にスチレンに対して
0.05重量部のベンゾイルパーオキサイドと0.10重
量部のα−メチルスチレン2量体を添加し、80℃
で4時間、110℃で4時間、150℃で4時間、攪拌
下に重合を行つた。更に230℃前後で30分間加熱
処理を行い、その後、未反応スチレン及びエチル
ベンゼンの真空除去を行い、ポリスチレン樹脂を
得た。これを粉砕後、押出機にペレツト状とし射
出成形して物性を測定した。結果を第2表に示
す。 実施例2,3、比較例1〜5 第1表に示すスチレン−ブタジエンブロツク共
重合ゴムB〜Hは、いずれもB−A型のブロツク
共重合体であり、ブチルリチウムを触媒とする溶
液重合法で得た。すなわちB〜Fは実施例1のポ
リマーAと同様の連続重合法で、Gはいわゆるバ
ツチ重合法で得たものである。またポリマーHは
市販の溶液重合ゴムBUNA#6533(バイエル社
製)である。これら共重合ゴムを強靭化剤として
用いた他は実施例1と同様にしてポリスチレン樹
脂を得た。このものの性能を第2表に示す。 これらのうち、全スチレン量に対するブロツク
スチレン含量の割合が小さいブロツクポリマーD
及びHを用いた比較例1及び5は低温衝撃強度
(−30℃で測定したアイゾツト衝撃強度)が他の
ものに比べ低かつた。 実施例 4 スチレン−ブタジエン共重合体ゴムAとスチレ
ンの重量のみを各々15重量部、85重量部に変える
以外は実施例1と同様に実施した。得られた結果
を、第2表に示す。 実施例 5 塊状懸濁併用重合によつて耐衝撃性ポリスチレ
ン樹脂を得た。スチレン−ブタジエン共重合体ゴ
ムBの12重量部をスチレン88重量部に溶解し、攪
拌下にスチレン重合率が約30%になるまで約5時
間重合を行い、これを第3リン酸カルシウム3重
量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
0.02重量部を含む水150重量部に懸濁させ、この
懸濁液にベンゾイルパーオキサイド0.3重量部、
ジターシヤリーブチルパーオキサイド0.05重量部
を添加し、80℃で2時間、110℃で2時間、更に
130℃で2時間重合させ重合を完結した。得られ
た懸濁粒子は濾別、乾燥し押出機にてペレツトと
して射出成形して物性を測定した。その結果を第
2表に示す。
【表】
【表】
〔発明の効果〕
本発明の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂は、従来
のスチレンまたはスチレンを主成分とする耐衝撃
性ポリスチレン系樹脂に比べ、光沢性、半透明性
等の外観性で著しく優れ、これを耐衝撃性のバラ
ンスにおいて従来の樹脂に比較してはるかに優れ
る。しかも生産性も十分であり本発明の工業的意
義は極めて大きい。 本発明の耐衝撃性ポリスチレン系樹脂は、射出
成形、押出成形等の加工法で多種多様に実用上有
用な製品として使用でき、更に加工に際し、必要
に応じて、難燃化剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、滑剤、離形剤、充填剤等、更に他の熱可塑性
樹脂例えば一般用ポリスチレン、メタクリル樹脂
等と混合して用いても良い。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a) 数平均分子量()が15000〜60000で
    あり、分子量分布(/)が1.3〜3.0であ
    るブロツクスチレン部を少なくとも1個含有
    し、 (b) 全スチレン量が26〜45重量%、 (c) ブロツクスチレン含量[B]が全スチレン量
    の80%以上、 (d) ムーニー粘度が80〜160、 (e) 25℃における5重量%スチレン溶液粘度が10
    〜50センチポイズ、 (f) 分子量分布(/)が1.2〜3.0である、 スチレン−ブタジエンブロツク共重合体ゴムを
    5〜20重量%強靭化剤として使用し、該樹脂中の
    ゴム粒子径[R]が0.05〜1.0ミクロンであり、
    且つ次式を満たすことを特徴とする耐衝撃性ポリ
    スチレン系樹脂。 30≦[B]+10[R]≦45 2 (a) 数平均分子量()が15000〜60000で
    あり、分子量分布(/)が1.3〜3.0であ
    るブロツクスチレン部を少なくとも1個含有
    し、 (b) 全スチレン量が26〜45重量%、 (c) ブロツクスチレン含量[B]が全スチレン量
    の80%以上、 (d) ムーニー粘度が80〜160、 (e) 25℃における5重量%スチレン溶液粘度が10
    〜50センチポイズ、 (f) 分子量分布(/)が1.2〜3.0である、 スチレン−ブタジエンブロツク共重合体ゴムを
    5〜20重量%、及びスチレン系単量体またはスチ
    レン系単量体と共重合可能な不飽和化合物との混
    合物95〜80重量%とを塊状、もしくは塊状懸濁ま
    たは溶液状態でラジカル重合することを特徴とす
    る樹脂中のゴム粒子径[R]が0.05〜1.0ミクロ
    ンであり、次式を満たす耐衝撃性ポリスチレン系
    樹脂の製造方法。 30≦[B]+10[R]≦45
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