JP2651616B2 - 経皮吸収製剤 - Google Patents

経皮吸収製剤

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規な経皮吸収製剤に関するものである。さ
らに詳しくいえば、本発明は、経皮吸収性及び安全性と
もに優れ、所望の薬理活性物質を局所部位、あるいは循
環系を通して全身に速やかに送達させうる各種疾患の治
療に有効な経皮吸収製剤に関するものである。
[従来の技術] 近年、医療分野においては、皮膚を通して全身に所望
の薬理活性物質を送達させ、長時間にわたって治療効果
を発現しうる経皮治療システム(TTS)が開発され、例
えば該薬理活性物質として、狭心症治療用のニトログリ
セリンや硝酸イソソルビド、高血圧症治療用のクロニジ
ン、更年期障害治療用のエストラジオールなどを用いた
経皮治療システムが実用化されている。
しかしながら、このような経皮治療システムにおいて
は、腸・肝での薬理活性物質の代謝回避、副作用の軽
減、薬効持続性の向上など多くの利点があるものの、皮
膚は本来、外からの異物の侵入に対してバリアー機能を
有することから、経皮吸収によって得られる血中濃度が
有効治療域に達するような薬理活性物質はごく限られて
おり、使用しうる薬理活性物質が制限されるのを免れな
いという欠点がある。
したがって、薬理活性物質の経皮吸収性を改善するた
めに、これまで種々の方法が試みられている。例えば薬
理活性物質の修飾によるプロドラッグ化やコンプレック
スの形成、イオン性薬理活性物質においてはイオントホ
レシスなどの方法が試みられているが、これらの方法
は、いずれも個々の薬理活性物質について十分な検討が
必要であって、多くの時間と多大の投資を必要とすると
いった問題を有している。一方、皮膚のバリアー性を低
下させて、薬理活性物質の経皮吸収性を向上させる吸収
促進剤の開発も盛んに行われており、このような吸収促
進剤を用いることによって、薬理活性物質の種類はあま
り限定されず、多くのものを使用しうることが期待され
ている。
該吸収促進剤としては、これまで、例えばジメチルス
ルホキシド、デシルメチルスルホキシド、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミドなどの極性溶媒、アザ
シクロヘプタン−2−オンなどのシクロアルカン類、イ
ソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテートな
どのアルコールとカルボン酸とのエステル類、グリコー
ル類及びラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤、さ
らには皮膚の天然保湿因子である脂肪酸、ピログルタミ
ン酸及び尿素などの誘導体などが挙げられる。しかしな
がら、これらの吸収促進剤は、いずれも経皮吸収促進効
果及び安全性の両方を必ずしも十分に満足させていると
はいえず、かつ多くの薬理活性物質の経皮吸収におい
て、そのラグタイムが大きく、薬理作用発現までに時間
がかかるなどの欠点を有している。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、このような事情のもとで、経皮吸収性及び
安全性ともに優れ、所望の薬理活性物質を局所部位、あ
るいは循環系を通して全身に速やかに送達させうる各種
疾患の治療に有効な経皮吸収製剤を提供することを目的
としてなされたものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、前記の優れた特徴を有する経皮吸収製
剤を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、天然から容易に
得ることのできるリモネンが、薬理活性物質の経皮吸収
を著しく促進させる機能を有し、かつ安全性にも優れて
いることに着目し、このリモネンを、経皮吸収促進剤と
して所定の割合で経皮吸収製剤に含有させることによ
り、その目的を達成しうることを見い出し、この知見に
基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、リモネン及び薬理活性物質を含
有し、かつ該リモネンの含有量が経皮吸収製剤全量に基
づき0.1〜30重量%であることを特徴とする経皮吸収製
剤を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の経皮吸収製剤において、経皮吸収促進剤とし
て、用いられるリモネンには右旋体と左旋体とがあっ
て、右旋体のd−リモネンは、オレンジやレモンなどの
かんきつ類の果皮から得られる精油の主成分であり、一
方左旋体のl−リモネンはシソ油やヘノポジ油中に含ま
れ、さらにdl−リモネンはサンショウ油などに含まれて
いる。これらのリモネンの経皮吸収促進効果については
明確な差異は認められず、本発明においては、経皮吸収
促進剤として、いずれも用いることができるが、それぞ
れ異なった臭を有しており、医薬品添加物として用いる
場合、その臭も評価の対象となり、悪臭を放つものは好
ましくない。このような観点から、前記リモネンの中で
も、レモンやオレンジ臭を有するd−リモネンが特に好
適である。
本発明の経皮吸収製剤における前記リモネンの含有量
は、該製剤の全量に基づき0.1〜30重量%の範囲で選ぶ
ことが必要である。この量が0.1重量%未満では経皮吸
収促進効果が十分に発揮されないし、30重量%を超える
とその量の割には効果の向上は認められない上、皮膚刺
激性が増大する。経皮吸収促進効果及び皮膚刺激性の点
から、該リモネンの含有量は1〜5重量%の範囲にある
ことが好ましいが、皮膚刺激性は基材の組成や溶媒の種
類によって異なるので、それらに応じて適宜選ぶのがよ
い。
該リモネンは脂溶性が高く、水には溶けにくいので、
薬理作用上許容される有機溶剤やピロリドンなどの可溶
化剤、あるいは界面活性剤などを併用することが好まし
く、また乳化剤や分散剤などを用いて懸濁型とすること
もできる。
本発明の経皮吸収製剤において用いられる薬理活性物
質については特に制限はなく、従来公知の薬理活性物質
の中から任意のものを選択して用いることができる。該
薬理活性物質としては、例えばプレドニゾロン、デキサ
メタゾン、ヒドロコルチゾーン、フルオシノロアセトニ
ド、吉草酸ベタメタゾン、ジブロピオン酸ベタメタゾン
などのステロイド系抗炎症剤、インドメタシン、ジクロ
フェナック、イブフェナック、イブプロフェン、ケトプ
ロフェン、フルフェナム酸、メフェナム酸、フェニルブ
タゾン、サリチル酸メチルなどの非ステロイド系抗炎症
剤、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン、プロメ
タジン、トリペレナミンなどの抗ヒスタミン剤、クロル
プロマジン、ニトラゼパム、ジアゼパム、フェノバルビ
タール、レセルピンなどの中枢神経作用剤、インシュリ
ン、テストステロン、メチルテストステロン、プロゲス
テロン、エストラジオールなどのホルモン剤、クロニジ
ン、レセルピン、硫酸グアネチジンなどの抗高圧症剤、
ジギトキシン、ジゴキシンなどの強心剤、塩酸プロプラ
ノール、塩酸プロカインアミド、アジマリン、ピンドロ
ールなどの抗不整脈用剤、ニトログリセリン、硝酸イソ
ソルビド、エリスリトーステトラナイトレート、塩酸パ
パベリン、ニフェジピンなどの冠血管拡強剤、リドカイ
ン、ベンゾカイン、塩酸プロカインなどの局所麻酔剤、
バルビタール、チオペンタール、フェノバルビタール、
シクロバルビタールなどの催眠剤・鎮静剤、モルヒネ、
アスピリン、コデイン、アセトアニリド、アミノピリン
などの鎮痛剤、ペニシリン、テトラサイクリン、エリス
ロマイシン、ストレプトマイシン、ゲンタマイシンなど
の抗生物質、塩化ベルザルコニウム、アセトフェニルア
ミン、ニトロフラゾン、ペンタマイシン、ナフチオメー
トなどの抗真菌剤、5−フルオロウラシル、ブスルファ
ン、アクチノマイシン、ブレオマイシン、マイトマイシ
ンなどの抗悪性腫瘍剤、ヒドロクロロチアジド、ペンフ
ルチド、レセルピンなどの抗圧利尿剤、スコポラミン、
アトロピンなどの副交換神経遮断剤、ニトラゼパム、メ
プロバメートなどの抗てんかん剤、クロルゾキサゾン、
レボドパなどの抗パーキンソン病剤、スルファミン、ス
ルファモノメトキシン、スルファメチゾールなどのサル
ファ剤、さらにはビタミン類、プロスタグランジン類、
抗けいれん剤などが挙げられるが、もちろんこれらに限
定されるものではない。これらの薬理活性物質は1種用
いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の経皮吸収製剤には、所望に応じ、本発明の目
的を損なわない範囲で、薬理上許容される各種添加剤、
例えば安定剤、老化防止剤、酸化防止剤、香料、充填
剤、あるいは他の経皮吸収促進剤などを添加することが
できる。
本発明の経皮吸収製剤の使用様式については特に制限
はなく、従来外用剤として慣用されている剤型、例えば
軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、ローション剤、液剤、ス
プレー剤、パップ剤、テープ剤など、任意の剤型の外用
剤として使用することができる。
該軟膏剤、クリーム剤の基材としては、例えば脂肪
油、ラノリン、ワセリン、パラフィン、プラスチベー
ス、グリコール類、高級脂肪酸、高級アルコールなどが
用いられる。これらの基材には、必要に応じて、安定化
剤、防腐剤、乳化剤、懸濁化剤などが添加される。ロー
ション剤の場合は、基材として例えばエタノール、グリ
セリン、グリコールなどが、液剤の場合は、例えばエタ
ノール、精製水、グリコールなどが用いられる。
また、パップ剤の基材としては、例えばゼラチン、ア
ルギン酸ナトリウム、コーンスターチ、トラガントガ
ム、カゼインなどの天然ポリマー、メチルセルロース、
エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロースなどのセルロース系、デキスト
ラン、カルボキシメチルデンプンなどのデンプン系、ポ
リビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ
ビニルピロリドン、ポリビニルエーテルなどの合成ポリ
マーなどが用いられる。これらの基材には、必要に応じ
て、例えばグリセリン、プロピレングリコールなどの保
湿剤、カオリン、ベントナイト、亜鉛華などの無機充填
剤、粘稠調整剤、pH調整剤、老化防止剤などが配合され
る。
さらに、テープ製剤やパッチ製剤に使用される粘着剤
としては、例えばアクリル系、ゴム系、シリコーン系な
どが挙げられ、また、これらの粘着剤は、その中に薬理
活性物質又はこれと水とを含む水溶性高分子化合物を分
散して、マイクロリザバー型とすることもできるし、逆
にパップ剤にて薬理活性物質を含む粘着剤を分散させる
ことも可能である。
前記アクリル系粘着剤としては、主成分として、例え
ばアクリル酸エステル単独重合体、アクリル酸エステル
単位2種以上を含む共重合体及びアクリル酸エステルと
他の官能性単量体との共重合体の中から選ばれた少なく
とも1種を含有するものが用いられる。該アクリル酸エ
ステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸ブチルエス
テル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)
アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヘプ
チルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、
(メタ)アクリル酸ノニルエステル、(メタ)アクリル
酸デシルエステルなどが挙げられる。また、官能性単量
体としては、例えば(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチ
ルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエ
ステルなどのヒドロキシル基含有単量体、(メタ)アク
リルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミドなどのア
ミド基含有単量体などが挙げられる。
このアクリル系粘着剤は、一般に溶剤型とエマルジョ
ン型に大別され、溶剤型は、通常前記アクリル系ポリマ
ー、溶剤、架橋剤及び所望に応じて用いられる粘着付与
剤などから構成されており、架橋システムとしてはメチ
ロール基縮合、イオン架橋、ウレタン架橋、エポキシ架
橋などが利用されている。一方、エマルジョン型は、通
常前記アクリル系ポリマー、乳化剤、水性溶媒、所望に
応じて用いられる粘着付与剤などから構成されている。
前記ゴム系粘着剤としては、主成分として、例えば天
然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチレン、ポリ
ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロ
ック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
ク共重合体などの中から選ばれた少なくとも1種を含有
するものが用いられる。このゴム系粘着剤には、所望に
応じ、粘着付与剤、可塑剤、老化防止剤、充填剤などを
配合することができる。また、形態としては、通常溶剤
型や前記ゴムのラテックスを用いたエマルジョン型のも
のが、好ましく用いられる。
さらに、シリコーン系粘着剤としては、例えば主成分
としてポリジメチルシロキサンやポリジフェニルシロキ
サンを含有し、さらに所望に応じて粘着付与剤、可塑
剤、充填剤などを含有する溶剤型のものが好ましく用い
られる。
これらの粘着剤に、所望に応じて配合される粘着付与
剤としては、例えばロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂
などの天然樹脂、C5系、C9系、DCPD系石油樹脂、クマロ
ンインデン樹脂、キシレン樹脂などの合成樹脂などが挙
げられる。
該テープ製剤に用いられる基材としては、例えばポリ
エステル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチ
レン、ポリウレタンなどの合成樹脂から成るシートやフ
イルム、合成紙、あるいはセルロース系シートやフイル
ム、さらには種々の材料から成る不織布、織布、編布な
どが挙げられる。
[作用] 外因性物質に対する皮膚のバリアー性は角質層の構造
によるといわれている。その理由の1つとして、例えば
テープなどの剥離によって薬理活性物質の透過性が著し
く増大することが挙げられる。該角質層は偏平化したタ
ンパク質である角質細胞が層状に重なっており、薬理活
性物質の通るルートとしては、この細胞内を透過するト
ランスセリュラー・ルート(Tanscellular route)と細
胞間隙を通るインターセリュラー・ルート(Intercellu
lar route)とに分けることができる。この角質細胞は
ケラチンと脂質から構成され、インターセリュラー・ル
ートは、リン脂質をはじめとする両親媒性物質がラメラ
層を形成しており、親水層と親油層とが層状に重なって
いる。該親水層では水分子が集合したクラスターの形を
とっており、両層ともに他の物質の拡散に対する抵抗が
高く、バリアー性はこれらのタイトな構造によるといわ
れている。
リモネンは特に脂質に対する親和性が高く、この脂質
にゆらぎを与え、流動性を増大させて、拡散抵抗を低下
させ、薬理活性物質の透過性を増大させるものと考えら
れ、また脂質に作用することにより、親水層の水分子の
構造にも少なからず影響を与え、透過性の向上効果をも
たらすものと推測される。
[実施例] 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの例によってなんら限定されるもの
ではない。
実施例1、2、比較例1〜3 体重160〜190gのウイスター系雄ラットを用い薬理活
性物質インドメタシンの経皮吸収実験を行った。
該ラットの腹部の毛をアニマルクリッパーにて除毛
し、内径16mm、高さ10mmの円筒状ガラスセルを生体用接
着剤にて固定した。
次に、第1表に示す組成のゲル軟膏を調製し、その1g
を適用した。適用後、経時にて、頚動脈より採血し、イ
ンドメタシンの血中濃度を高速液体クロマトグラフィー
により定量した。経過時間と該血中濃度との関係を第1
図にグラフで示す。
実施例3、比較例4 薬理活性物質としてケトプロフェンを用い、第2表に
示す組成のゲル軟膏を調製し、前記と同様にして経皮吸
収実験を行った。経過時間と血中ケトプロフェン濃度と
の関係を第2図にグラフで示す。
実施例4、比較例5 薬理活性物質として、ジクロフェナックナトリウムを
用い、第3表に示す組成のゲル軟膏を調製し、前記と同
様にして経皮吸収実験を行った。経過時間と血中ジクロ
フェナックナトリウム濃度との関係を第3図にグラフで
示す。
第1図〜第3図から分かるように、d−リモネンを配
合した本発明のゲル軟膏は、いずれもd−リモネンを配
合しないものに比べて、薬理活性物質の経皮吸収性に優
れている。アゾン2重量%を配合した比較例3では、若
干経皮吸収性の向上効果が認められるが、d−リモネン
2重量%を配合した実施例2に比べ、経皮吸収性ははる
かに劣る。
実施例5 実施例1におけるd−リモネンの代わりに、l−リモ
ネンを用いた以外は、実施例1と全く同様にしてインド
メタシンの経皮吸収実験を行ったところ、d−リモネン
の場合と同様な経皮吸収促進効果が認められた。
なお、d−リモネンはレモンやオレンジ臭の好ましい
臭気を有しているが、l−リモネンはやや不快な臭気を
有している。
参考例1 種々の濃度のd−リモネン及びアゾン(1−ドデシル
アザシクロヘプタン−2−オン)のエタノール溶液をそ
れぞれ調製し、試料とした。
体重約1.5kgの白色家兎の背部の毛をアニマルクリッ
パーにて除毛し、24時間経過したのち、パッチテスト用
絆創膏に前記試料を浸み込ませて適用し、Draize法に準
拠してパッチテストを行い、皮膚一次刺激指数を求め
た。第4図に、d−リモネン又はアゾン濃度と皮膚一次
刺激指数との関係をグラムで示す。
この第4図から、d−リモネンの方が、アゾンと比較
して明らかに低刺激性であり、かつd−リモネン濃度が
5重量%以下では、皮膚に対してほとんど刺激を与えな
いことが分かり、しかも、d−リモネンは1、2重量%
の微量の添加でも著しい経皮吸収促進効果が認められる
ので、経皮吸収促進剤として実用性があるものと判断で
きる。
参考例2 第4表に示す従来経皮吸収剤として公知の化合物とリ
モネンの臭気について、5名のパネラーによる官能テス
トを行い、次の記号に従い評価した。
○:1点 臭気がないか又は好ましい臭気である。
△:2点 臭気が少ないか又はやや好ましい(許せる)臭
気である。
×:3点 やや不快な臭気である。
××:4点 不快な臭気である。
なお、前記点数は、臭気についての評価を1〜4点
(点数は少ない方がよい)の4段階に分けて、各パネラ
ーに点数をつけてもらい、その平均値を四捨五入した値
である。
ジシクロヘキシルはd−リモネンと同様に好ましい臭
気を有しているが、経皮吸収促進効果については、d−
リモネンに比べて劣る。
[発明の効果] 本発明の経皮吸収製剤は、経皮吸収促進剤として、経
皮吸収及び安全性ともに優れたリモネンを配合すること
により、所望の薬理活性物質を局所部位、あるいは循環
系を通して全身に速やかに送達させることができるの
で、各種疾患の治療に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図及び第3図は、それぞれ種々の組成のゲ
ル軟膏の例における適用経過時間と血中薬理活性物質濃
度との関係を示すグラフ、第4図はエタノール溶液中の
d−リモネン又はアゾンの濃度と皮膚一次刺激指数との
関係を示すグラフである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リモネン及び薬理活性物質を含有し、かつ
    該リモネンの含有量が経皮吸収製剤全量に基づき0.1〜3
    0重量%であることを特徴とする経皮吸収製剤。
  2. 【請求項2】リモネンがd−リモネンである請求項1記
    載の経皮吸収製剤。
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