JP2646534B2 - 記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、記録紙の給排紙機構に特徴を有する記録装
置に関する。

（従来技術） 給紙カセットと排紙カセットとをプリンタ本体の一側
に重ねて挿着するレイアウトを採用ると、プリンタ本体
そのものを薄く構成することができるばかりでなく、そ
の上面を他の機器の載置面として利用し得る利点を有す
るが、反面においてこのように構成した場合には、給排
紙に無理が生じてジャム等を頻発させ易くなるといった
不都合が生じる。

（発明が解決しようとする課題） 本発明はこのような問題に鑑みてなされたもので、そ
の目的とするところは、記録紙の円滑な給送及び排出を
可能にする新たなカセット積層型のプリンタを提供する
ことにある。

（課題を解決するための手段） すなわち、本発明はかかる課題を達成するために、給
紙方向及び排紙方向に回転する紙送りローラに臨ませる
ようにしてプリンタ本体の一側に排紙カセットと給紙カ
セットを上下に重ねて挿着する形式の記録装置におい
て、紙送りローラの給紙方向の回転に連動させて記録紙
を給紙ローラに圧接すべく給紙カセット内の底板部材を
上向きに変位させるとともに、紙送りローラの排紙方向
の回転に連動させて排紙カセットの記録紙収納側開口部
を開放すべく排紙カセット上の覆板部材を上向きに変位
させるようにしたものである。

（実施例） そこで以下に本発明の実施例について説明する。

第１図は本発明の一実施例をなすプリンタの概要構成
を示した側面図である。

このプリンタ本体の一側には給紙カセット６と、その
上部を覆うようにして排紙カセット８が重ねて配設さ
れ、さらに、この排紙カセット８を覆うようにしてその
上部には、手差し給紙の際の案内と、排出されてきた記
録紙を収納する際の案内をなす覆板部材、つまり、透明
な樹脂材よりなるフロントテーブル10が、その上面を紙
送りローラ10とほぼ同じ高さに、かつ後端を支点10aと
して開閉自在に枢支されている。

この排紙カセット８には、第３図に示したように、ま
たその側面に、リフトレバー26が固定され、さらにこの
リフトレバー26は、二安定状態を作る２枚のリンク片2
7、28を介して給紙カセット６の後端に結合された上、
これらのリンク片27、28に作用するリフトばね29によ
り、両カセット６、８を開放姿勢と積層姿勢のいずれの
姿勢にも安定させるように保持している。

これに対して給紙カセット６にはその前端部一側に、
第５図に示したように、後述するカム歯車に固定したカ
ム23よりなる昇降機構が配設され、カム部を下にしてカ
ム23を回動させた場合は、給紙ばね32に抗して底板31を
押下げて、この上に載置した記録紙９を給紙ローラ５か
ら離間させる一方、カム部を上にして回動させた場合に
は、フロントテーブル10を押上げてその裏面に案内させ
つつ記録済み記録紙９を排紙カセット８内に収納させる
ように構成されている。

つぎに、このプリンタの上方から示した第２図をもと
にこのプリンタの給排紙機構について説明する。

13は、フレームの一側に取付けたモータで、このモー
タ13の軸に固定したモータ歯車14は、一方において紙送
りローラ３と一体の紙送り歯車15に直接噛合い、他方に
おいてこのモータ歯車14は、プランジャ33によって係脱
方向に変位する伝達歯車16を介して給紙歯車17と噛合
い、図示しないばねクラッチを介して紙送り方向にのみ
回転する給紙ローラ軸18上の給紙ローラ５に回転駆動力
を伝達するように構成されている。

この給紙歯車17には、さらに排紙ローラ７と一体の排
紙歯車19が噛合っており、また、この排紙ローラ軸20の
他端に固定した駆動歯車21はカム歯車22を噛合って、フ
ロントテーブル10を上下動させる上記したカム23を左右
に180゜回転させるように構成されている。

クラッチ24、25は、カム歯車22とカム23との間に介在
し、モータ13の正転及び逆転の都度、カム23を正転方向
及び反転方向に180゜回転させるもので、第４図、第５
図に示したようにこのクラッチ24、25は、モータ13の回
転方向に応じてその都度対応する一方の係止部24a、25a
を給紙カセット６上の突起部に突き当てて停止し、それ
ぞれに緊締状態で結合しているクラッチばね30、30を緩
めることによって、カム部が上か下かに位置する点まで
カム23を180゜回転させて停止させるように構成されて
いる。

なお、図中符号１はプラテン、２は記録ヘッド、11は
紙送りローラ３と排紙ローラ７との間に介在させた前紙
案内、12はプラテン１の背後に設けた後紙案内をそれぞ
れ示している。

つぎに、このように構成された装置による給紙及び排
紙の各動作について説明する。

プリンタ本体に記録紙９をセットするには、第３図
（ａ）に示した状態から、リストばね29に抗して排紙カ
セット８を上方へ持上げる。これにより、同時（ｂ）に
示したように排紙カセット８は排紙ローラ軸20を支点と
して給紙カセット６の上部後方を開放すべく押上げられ
てその位置を保持するから、この状態で矢印ハに示した
ように記録紙９を給紙カセット６内に補充する。

つぎに、給紙を行うべくプリンタ本体の図示しないパ
ネル面を押圧操作すると、はじめに、プランジャ33が、
第２図の矢印ロの方向に伝達歯車16を吸引変位させて、
これをモータ歯車14と給紙歯車17に噛合わせる。

そしてこの状態でモータ13を正転動させると、給紙歯
車17に噛合った排紙歯車19は、排紙ローラ軸20他端の駆
動歯車21を介してカム歯車22を回転させ、クラッチ25の
係止部25aが給紙カセット６の突起に衝当って、カム部
が上に位置するまでカム23を180゜回転させ、第５図
（ｂ）に示したように、カム部によって押圧していた底
板31を給紙ばね32の付勢力により押上げて、この上に載
置した記録紙９を給紙ローラ５に圧接させるとともに、
カム部によってフロントテーブル10を押上げて、排紙カ
セット８を記録紙受入れ可能の状態にする。

一方このモータ13の正転動とともに、給紙ローラ５
は、伝達歯車16と噛合う給紙歯車17を介して紙送り方向
の回転を始め、同時に紙送りローラ３はモータ歯車14と
噛合う紙送り歯車15を介して同じく紙送り方向の回転を
始めるから、給紙ローラ５に圧接された給紙カセット６
内の記録紙９は、給紙ローラ５と紙送りローラ３により
プラテン１のもとへ送られる。

そしてこの時点に至ると、プランジャ33は吸引を解除
して、伝達歯車16を第２図の矢印イの方向へ移動させ、
モータ歯車14との噛合いを解いて給紙ローラとカム23へ
の駆動力を断って、これらを第５図（ｂ）の状態に保持
したまま、記録紙を紙送りローラ３によって送りつつ所
要の記録書込みを行う。

このようにして、所要の記録書込みが終了し、記録紙
９が後紙案内12上に送り込まれると、つぎに、逆転に切
換えられたモータとともに反転動を始めた紙送りローラ
３は、記録紙９を前紙案内11の上を通し、さらに、上向
きに開いたフロントテーブル10の下面に案内させてこれ
を排紙カセット８内に送り込む。

そして記録紙９の先端が確実に送り込まれたら、つぎ
に、プランジャ33は、再び伝達歯車16をモータ歯車14と
給紙歯車17に噛合わせ、給紙歯車17と噛合う排紙歯車19
及びこれと一体的に回転する駆動歯車21を介してカム歯
車22をさきと逆に回転させ、クラッチ24を介してカム23
を180゜回転させて、第５図（ａ）に示したように、カ
ム部により底板31を押下げて給紙ローラ５と記録紙９の
接触を解くとともに、フロントテーブル10を排紙カセッ
ト８上に下ろす。

なお、この動作の過程においては、給紙ローラ５への
駆動力は図示しないばね、クラッチにより断たれてい
る。

一方、はがき等を手差しによって給紙する場合には、
フロントテーブル10が排紙カセット８の上にある状態の
もとで、フロントテーブル10上より紙送りローラ３を介
して記録書込み部へ挿入し、その上でプリンタを作動さ
せる。これにより、自動給紙と同様のプロセスを踏んで
手差し紙は記録書込みを受けて排紙カセット８内に排出
される。

（発明の効果） 以上述べたような本発明によれば、本体一側に排紙カ
セットと給紙カセットを上下に重ねて挿着する形式のプ
リンタに、給排紙動作と連動して、記録紙を給紙ローラ
へ押圧する操作と、排紙カセットの記録紙収納部側開口
を開放させる操作手段を設けたので、給排紙カセットを
積層することによって上面を他の機器の載置面とする形
式のプリンタを、より偏平にかつより薄形に形成するこ
とを可能にするばかりでなく、特別な給排紙経路や特別
な機構を設けなくても、カセットを積層させた状態のも
とで、記録書込み部への給紙や、排紙されてきた記録紙
の収納を正しく、かつ確実に行わせて、装置の信頼性を
より高めることができる。

また、さらに排紙カセットを給紙カセット上に上下動
自在に枢支したことにより、記録紙を支障なく補給させ
得るとともに、排紙カセット上の覆板部材を透明にし
て、排紙カセット内へ収納された記録紙面の記録内容の
チェックを可能にすると同時に、この部材を用いた手差
給紙をも行わせることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すプリンタの概要構成
図、第２図は同上プリンタの上面図、第３図（ａ）
（ｂ）は記録紙補給時の操作を示した図、第４図はカム
の駆動系に設けるクラッチ機構を示した分解斜視図、第
５図（ａ）（ｂ）は不作動時及び作動時の動きを示した
図である。 ３……紙送りローラ、５……給紙ローラ ６……給紙カセット、８……排紙カセット 10……フロントテーブル、23……カム 31……底板

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】給紙方向及び排紙方向に回転する紙送りロ
   ーラに臨ませるようにしてプリンタ本体の一側に排紙カ
   セットと給紙カセットを上下に重ねて装着する形式の記
   録装置において、上記紙送りローラの給紙方向の回転に
   連動させて、記録紙を給紙ローラに圧接すべく上記給紙
   カセット内の底板部材を上向きに変位させるとともに、
   上記紙送りローラの排紙方向の回転に連動させて、上記
   排紙カセットの記録紙収納側開口部を開放すべく上記排
   紙カセット上の覆板部材を上向きに変位させる昇降機構
   を配設したことを特徴とする記録装置。
2. 【請求項２】上記給紙カセットの記録紙補給側開口部を
   開放すべく、上記排紙カセットを上記給紙カセット上に
   上下動自在に枢支したことを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の記録装置。
3. 【請求項３】上記覆板部材の上面を手差し給紙用の案内
   部として上記紙送りローラとほぼ同一面上に位置させた
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の記録装
   置。
4. 【請求項４】上記覆板部材を透明材により形成したこと
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の記録装置。