JP2645535B2 - 感熱積層シート及びそれを用いた情報記録体 - Google Patents

感熱積層シート及びそれを用いた情報記録体

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JP2645535B2 JP5183421A JP18342193A JP2645535B2 JP 2645535 B2 JP2645535 B2 JP 2645535B2 JP 5183421 A JP5183421 A JP 5183421A JP 18342193 A JP18342193 A JP 18342193A JP 2645535 B2 JP2645535 B2 JP 2645535B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録材の情報記録面同
士を剥離可能に感熱接着することのできる感熱積層シー
ト及びそれを用いた情報記録体に関し、更に、詳しく
は、葉書と同一の郵送料で、より多くの情報を伝達する
ために用いる感熱積層シート及びそれを用いた情報記録
体に関する。
【0002】
【従来技術】近年、社会保険庁、銀行、証券会社等の請
求書及び支払通知書のような個人のプライバシーに関す
る書類の郵送が激増している。このような通知書は、個
人のプライバシーに関わり、また、宛先人毎に通知内容
が異なるため、発送作業には細心の注意が必要である。
【0003】そこで、最近においては、宛先人毎のデー
タをコンピューターによって管理することにより発送作
業の省力化を図っている。即ち、コンピューターに入力
されたデータは、発送時に宛先人毎に連続してプリント
アウトされる。このとき、連続記録用紙の片面には、宛
先と通信文が同時に印刷され、これを宛先人毎に切り離
し、宛先だけが外から見えるような窓付の封書に入れて
発送している。このようにすることによって、宛先と通
信文の不一致を防ぐことができ、また、宛名書等の作業
を省略することができる。
【0004】しかしながら、封書は葉書に比べて郵送料
が高いことから、最近、内部に情報を隠蔽することので
きる様々な葉書が提案され実用化されている。これ等の
提案例としては、例えば、表面に情報を記録することの
できる感熱接着剤層を紙製支持体の片面に形成せしめた
封緘葉書がある(実開平1−148371号公報)。こ
の封緘葉書は、2つ折りにして葉書サイズとなるもの
で、感熱接着剤の表面に情報を記録した後、これを2つ
折にして感熱接着剤同士を剥離可能な接着強度で熱圧着
するものである。
【0005】しかしながら、前述の封緘葉書は、感熱接
着剤層の表面、即ち剥離面に情報を記録するため、他面
に記録内容が転写されるという欠点があるのみならず、
感熱接着剤層の接着強度の調整が難しいために、剥がし
カールが発生して情報の判読が困難となる等の欠点があ
る。そこで、感熱接着剤層同士の剥離を良好なものとす
るために、熱圧着の温度と圧力を調整する方法が考えら
れるが、この方法による剥離性の調整は極めて難しく、
接着不良により自然剥離を起こす欠点があること、及び
ダイレクトメール等の、情報記録面の全面がインクで覆
われる記録材では感熱接着できず、一体化物を得ること
ができないという欠点がある。
【0006】また、我々は既に、2枚の葉書サイズの記
録材に情報記録した後、各記録材の情報記録面同士を再
剥離可能に感熱接着することのできる、両面接着性を有
する感熱接着シート及びそれを用いた情報記録体を提案
した(特願平2−245381号公報)が、この感熱接
着シートを用いた情報記録体の場合には、感熱接着シー
トを、情報記録した2枚の葉書サイズの記録材の情報記
録面間に挟んで感熱接着させる時、熱溶融した合成樹脂
塗工層が記録体の切り口部からはみ出し、支持体と合成
樹脂塗工層間の剥離界面を樹脂で覆うため開封不良とな
り易いこと、及び、高濃度のインクで覆われた記録材表
面と合成樹脂塗工層との接着性が劣るという点で満足で
きるものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者等は、
上記の欠点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、支持体
の一方の面に、自然剥離することなく、且つ、容易に剥
離可能な、100℃以下の熱で溶融はみ出しを起こすこ
とのない熱可塑性樹脂層を設けてなる形成物の両面に、
接着性が優れ、且つ、100℃以下の熱で記録材と感熱
接着可能な感熱接着剤層を形成させた感熱積層シートを
使用することにより、良好な結果を得ることができるこ
とを見出し本発明に到達した。
【0008】従って本発明の第1の目的は、記録情報を
破壊することなく、より多くの情報を葉書に持たせるこ
とのできる感熱積層シートを提供することにある。本発
明の第2の目的は、シール葉書の破棄、葉書の開封性に
優れると共に、剥がしカールを生ずることなく剥離する
ことができ、より多くの情報を伝達することのできる、
葉書として機能する情報記録体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の諸目的
は、情報記録面(Ea、Eb)を有する1又は2以上の
記録材(E)の情報記録面同士を感熱接着するための感
熱積層シートにおいて、該感熱積層シートが、支持体
(A)の一方の面に、容易に剥離可能ではあるが自然剥
離しないように、ビカット軟化温度が45℃以上の熱可
塑性樹脂層(B)を設けてなる形成物の両面に、ガラス
転移温度が30〜70℃、若しくはビカット軟化温度が
40〜65℃の感熱接着剤層(C、C’)を形成させた
4層構成からなる感熱積層シート(D)であって、前記
支持体(A)と熱可塑性樹脂層(B)との界面の180
度剥離強度が、20℃、65%RHの環境下、剥離速度
500mm/分で10〜150g/50mmであると共
に、前記記録材(E)の情報記録面(Ea、Eb)間に
挿入して感熱接着させた時の、前記各感熱接着剤層
(C,C’)と情報記録面(Ea,Eb)との界面の1
80度剥離強度が、20℃、65%RHの環境下、剥離
速度500mm/分で300g/50mm以上となるこ
とを特徴とする感熱積層シート及びそれを用いた情報記
録体によって達成された。
【0010】以下、本発明の感熱積層シート及びそれを
用いた情報記録体を図面に基づいて詳述するが、本発明
は、これによって限定されるものではない。第1図は、
本発明の感熱積層シートの断面構成図である。第2図
は、第1図の感熱積層シートを用いた場合の、本発明の
情報記録体の断面構成図である。
【0011】図において、符号Aは支持体、Bは熱可塑
性樹脂層、C及びC’は感熱接着剤層、Dは本発明の感
熱積層シート、EはDと共に本発明の記録体を構成する
記録材、Ea及びEbは該記録材の情報記録面を表わ
す。本発明における支持体は、透明若しくは不透明な合
成樹脂フィルム、又は含浸紙等の紙とプラスチックとの
複合体、或いは染料及び/又は顔料で着色した光吸収性
シート等の材料の中から適宜選択して使用することがで
きる。
【0012】支持体(A)の一方の面に設ける熱可塑性
樹脂層(B)は、20℃、65%RHの環境下で、剥離
速度500mm/分での180度剥離強度が、支持体
(A)との界面では10〜150g/50mmであると
共に、支持体(A)の他方の面及び熱可塑性樹脂層
(B)の上に設けられた感熱接着剤層(C、C’)と前
記支持体(A)及び熱可塑性樹脂層(B)との界面は実
質的に剥離せず、前記感熱接着剤層(C、C’)層と情
報記録面E 及びE との界面の剥離強度は、前記の条
件と同じ条件で300g/50mm以上であることが必
要である。尚、上記剥離強度の測定は、JISZ−02
37に準じて行う。
【0013】上記の熱可塑性樹脂層を形成する熱可塑性
樹脂は、ビカット軟化温度が45℃以上の、熱可塑性エ
ラストマー、アイオノマー樹脂、低分子量ポリオレフィ
ン樹脂の中から選択される少なくとも1種の樹脂を使用
することが好ましい。尚、上記のビカット軟化温度は、
ASTM D−1525−70に準じて測定される。
【0014】また、A及びBの表面に設ける感熱接着剤
層(C、C’)に使用する合成樹脂は、ガラス転移温度
が30〜70℃、若しくはビカット軟化温度が40〜6
5℃のエチレン/酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル
樹脂、エチレン/アクリル酸共重合樹脂、エチレン/ア
クリル酸エチル共重合樹脂等の中から選択される少なく
とも1種の樹脂を使用することが好ましい。
【0015】上記の接着剤層には、20重量%以内の範
囲で無機顔料を含有させても良いが、特に3〜15重量
%含有させることが好ましい。上記の如く無機顔料を添
加することによって、記録材の間に本発明の感熱積層シ
ートを挟んで記録体を製造する時に、溶融した樹脂が記
録材の間からはみ出すことを防止することができるのみ
ならず、本発明の積層シート製造時における巻取保存性
を改善することができる。
【0016】例えば、感熱接着に必要な温度以上の熱を
与えてしまった場合においても、無機顔料が添加されて
いれば、接着剤層の溶融粘度が高いので、はみ出しが防
止される。更に、無機顔料の添加によりブロッキングを
防止することができるので、長時間にわたる巻取保存性
を向上させることができる。
【0017】本発明の情報記録体に使用する記録材
(E)は、通常の葉書に使用する紙やコンピューター印
刷用紙等の、公知の材料の中から適宜選択して使用する
ことができる。本発明の情報記録体は、本発明の感熱積
層シート(D)を記録材(E)の情報記録面間に挟み、
100℃以下の温度で感熱接着して葉書大に一体化せし
めたものである。
【0018】また、本発明の情報記録体は、例えば、第
2図の如く2枚の葉書大の記録材(E)の情報記録面同
士を貼着せしめて一体化することも、第3図及び第4図
の如く、コンピューターの印刷用紙に一度に3面を同時
印刷した記録材(E)をS型折り又はZ型折りにして、
相対向する情報記録面同士を一体化することもできる。
従って、後者の場合には、葉書内部に情報記録面を4面
設けることができるので、より多量の情報量を有する葉
書とすることができる。
【0019】以上、本発明の感熱積層シート(D)を葉
書に用いる場合について、詳述したが、本発明の感熱積
層シート(D)は葉書以外の用途にも使用することがで
きるのは当然である。このような用途例としては、例え
ば封書に入れる書類を2つ折にし、その情報記録面間に
本発明の感熱積層シート(D)を挿入して感熱接着すれ
ば、痕跡が残らないように封書を開封しても書類自体に
痕跡が残ることになり、又、外部から封書内の書類内容
を透かして見ることもできないので、従来の封書による
郵送よりも、更にプライバシー防止効果に優れたものと
することができる。
【0020】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明の感熱積層シ
ートは記録材への感熱接着性に優れると共に、剥がしカ
ールを発生させることなく剥離することができる上、記
録情報を他面へ転写させることもないので、情報を記録
した記録材の記録面同士を剥離可能に接着させるのに好
適である。また、本発明の記録体は、特にその大きさを
葉書サイズとすることにより、葉書の郵送料金で従来の
2倍以上の情報量を送ることができる上、プライバシー
保護に優れた情報伝達手段として有用である。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0022】実施例1.厚さ16μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルムの支持体(A)の一方の面に、ビ
カット軟化温度が55℃で、100℃以下の温度では溶
融はみ出しを起こすことのないアイオノマー樹脂からな
る熱可塑性樹脂層(B)を10μmの厚さとなるように
形成し、得られた積層体の両面に、90℃で記録材と感
熱接着させることのできる、ガラス転移温度が35℃の
ポリエステル樹脂と無機顔料を含み、樹脂/無機顔料の
固形分比率を90/10に調整した混合液を、夫々10
μmの厚さとなるように塗布・乾燥し、感熱積層シート
を得た。
【0023】次いで、第3図の如く、コンピューターか
らの情報を印刷せしめた坪量90g/m2 の記録材の情
報記録面(Ea、Eb)同士が当接するように、折線P
で折り返すと共に折線Oで反対側に折り返し、各相対向
する面間に、先に作製した感熱積層シートを挿入し、表
面温度が100〜110℃の熱ロール間に通して感熱接
着させた後充分冷却した。
【0024】上記の如く作製した葉書は、支持体(A)
と熱可塑性樹脂層(B)との界面で自然剥離がないにも
かかわらず、剥がしカールを発生させることなく前記界
面で容易に剥がすことができた。従って、記録情報が破
壊されることは全くなく、良好に判読することができ
た。次に、この記録体の180度剥離強度を20℃、6
5%RHの環境下、500mm/分の剥離速度で測定し
たところ、支持体(A)と熱可塑性樹脂層(B)との界
面の剥離強度は、40g/50mmであり、記録材と各
感熱接着剤層(C、C’)との界面における剥離強度
は、300g/50mm以上であった。
【0025】また、作製した葉書1000枚の開封性試
験を行った結果、記録材への感熱接着性が良好であると
共に、感熱接着時の熱による接着剤の溶融はみ出しもな
く、開封性も良好であった。更に、作製した感熱積層シ
ートを巻き取って40℃の環境下に1カ月間保存した結
果、ブロッキングの発生がなく、長期の保存性に優れる
ことが確認できた。尚、葉書の全重量は郵便法の規格内
であり、郵便葉書として使用できることも確認された。
【0026】実施例2.ガラス転移温度が35℃のポリ
エステル樹脂の代わりに、ビカット軟化温度が58℃の
エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂を感熱接着剤として使
用した他は、実施例1と全く同様にして感熱積層シート
を得た。作製した葉書は実施例1と同様であり、葉書と
しての必要性能を充分備えていた。
【0027】比較例1. 熱可塑性樹脂として、ビカット軟化温度が43℃の熱可
塑性エラストマーを使用した他は、実施例1と全く同様
にして感熱積層シートを作製し、記録材と感熱接着させ
て葉書を得た。得られた葉書について、支持体(A)と
熱可塑性樹脂層(B)との180度剥離強度を20℃、
65%RHの環境下、500mm/分の剥離速度で測定
したところ500g/50mm以上であり、葉書を開封
する際の剥離力が高いため、葉書を開封した時、支持体
と熱可塑性樹脂層間での正規な剥離が困難であった。ま
た、支持体と熱可塑性樹脂層間で正規な剥離が起こった
サンプルでも、葉書を開封する途中で記録材の紙層破壊
が起こり、葉書の開封性が悪かった。更に、正規に剥離
した葉書でもカールがひどく、筒状となってそのままの
状態では情報の判読ができなかった。
【0028】比較例2.熱可塑性樹脂として、ビカット
軟化温度が50℃のエチレン/アクリル酸エチル共重合
樹脂を使用した他は、実施例1と全く同様にして感熱積
層シートを作製し、記録材と感熱接着させて葉書を得
た。得られた葉書について、支持体(A)と熱可塑性樹
脂層(B)との180度剥離強度を20℃、65%RH
の環境下、500mm/分の剥離強度で測定したところ
200g/50mm以上であり、葉書を開封する際の剥
離力が高いため、剥がしカールが発生し、そのままの状
態では記録情報の判読が困難であった。
【0029】比較例3.感熱接着剤層樹脂として、ガラ
ス転移温度が28℃のポリエステル樹脂を使用した他
は、実施例1と全く同様にして感熱積層シートを作製
し、記録材と感熱接着させて葉書を得た。この場合に
は、記録材との感熱接着に際し、感熱接着剤樹脂が溶融
して記録体の切り口部分からはみ出し、溶融樹脂が剥離
界面を覆った結果、葉書の開封が不可能であった。ま
た、感熱積層シートを巻き取り、これを40℃の環境下
に1ヶ月間保存したところ、ブロッキングが発生したた
めに使用することができなかった。
【0030】比較例4.感熱接着剤層樹脂として、ビカ
ット軟化温度が38℃のエチレン/酢酸ビニル共重合樹
脂を使用した他は、実施例1と全く同様にして感熱積層
シートを作製し、記録材と感熱接着させて葉書を得た。
この場合も比較例3の場合と同様であり、記録材との感
熱接着に際し、感熱接着剤樹脂が溶融して、記録体の切
り口部分からはみ出し、溶融樹脂が剥離界面を覆った結
果、葉書の開封が不可能であった。また、感熱積層シー
トを巻き取り、これを40℃の環境下に1ヶ月間保存し
たところ、ブロッキングが発生したために使用すること
ができなかった。
【0031】比較例5.感熱接着剤層樹脂として、ガラ
ス転移温度が75℃のポリエステル樹脂を使用した他
は、実施例1と全く同様にして感熱積層シートを作製
し、記録材と感熱接着させて葉書を得た。この場合に
は、情報記録面が高濃度のインクで覆われている記録材
への感熱接着性が劣り、記録材と感熱接着剤層間及び支
持体と熱可塑性樹脂層間の双方で剥離が同時に起こるた
めに、正常に開封することが容易ではなかった。
【0032】比較例6.感熱接着剤層樹脂として、ビカ
ット軟化温度が66℃のエチレン/アクリル酸エチル共
重合樹脂を使用した他は、実施例1と全く同様にして感
熱積層シートを作製し、記録材と感熱接着させて葉書を
得た。この場合も比較例5の場合と同様であり、情報記
録面が高濃度のインクで覆われている記録材への感熱接
着性が劣り、記録材と感熱接着剤層間及び支持体と熱可
塑性樹脂層間の双方で剥離が同時に起こるために、正常
な開封ができなかった。
【0033】比較例7.感熱接着剤層樹脂として、ガラ
ス転移温度が55℃のアクリル樹脂を使用した他は、実
施例1と全く同様にして感熱積層シートを作製し、記録
材と感熱接着させて葉書を得た。この場合も比較例5の
場合と同様であり、情報記録面が高濃度のインクで覆わ
れている記録材への感熱接着性が劣り、記録材と感熱接
着剤層間及び支持体と熱可塑性樹脂層間の双方で剥離が
同時に起こるために、正常な開封ができなかった。
【0034】比較例8.感熱接着剤層樹脂として、ビカ
ット軟化温度が58℃のアイオノマー樹脂を使用した他
は、実施例1と全く同様にして感熱積層シートを作製
し、記録材と感熱接着させて葉書を得た。この場合も比
較例5の場合と同様であり、情報記録面が高濃度のイン
クで覆われている記録材への感熱接着性が劣り、記録材
と感熱接着剤層間及び支持体と熱可塑性樹脂層間の双方
で剥離が同時に起こるために、正常な開封ができなかっ
た。
【0035】比較例9.感熱接着剤として、ポリエステ
ル樹脂と無機顔料の固形分比率を79/21に調整した
混合液を使用した他は、実施例1と全く同様にして感熱
積層シートを作製し、記録材と感熱接着させて葉書を得
た。この場合には、無機顔料の添加量が多いため、記録
材への感熱接着性が悪く、開封試験により剥がした記録
材の印刷表面がやや白く、情報の判読がやや不良であっ
た。
【0036】実施例1、実施例2及び比較例1〜9で得
た葉書の作製条件の一覧を表1に、また、それらの評価
結果を表2に示す。
【表1】
【0037】
【表2】 尚、表中の記録材への感熱接着性、情報の判読性、剥が
しカール発生度合い、シートの巻取適性、及び葉書開封
率並びに剥離力は次のようにして評価した。
【0038】記録材への感熱接着性 葉書を開封した時、情報記録した記録材表面と感熱接着
剤層との間に入った白斑点(気泡)の混入度合いを、目
視により評価した。 ○:白斑点なし △:白斑点がやや多い ×:白斑
点が非常に多い
【0039】情報の判読性 葉書の開封状態そのままで、記録情報の判読の可否を目
視で判断した。 ○:判読良好 △:やや判読し難い ×:判読不良 (尚、判読不良は、記録情報の他面への転移、紙層破壊
による記録情報の欠落及びカール、接着不良による影響
である。)
【0040】剥がしカール発生度合い 葉書を開封した時に発生したカール度合いを目視で評価
した。 ○:カールがない △:ややカールが強い ×:カールが非常に強い(筒状)シートの保存性 巻取った感熱積層シートを40℃の環境下に保存した
後、巻取のブロッキング発生度合いを目視により評価し
た。 ○:ブロッキングなし △:軽度なブロッキングがある :ブロッキング程度が非常に強い
【0041】隠蔽性 葉書の透明度を測定した。3%以下であれば実用上問題
なし。葉書開封率 葉書1000枚について開封性試験を行い、開封率を下
記の計算式により算出した。 開封率(%)=〔正規に剥がせた葉書枚数/全葉書枚数
(1000)〕×100剥離力 葉書(n=3)を50mm×140mmにサンプリング
し、JIS Z−0237に準じて、20℃、65%R
Hの環境下、500mm/分の剥離速度で剥離抵抗を測
定し、3枚の平均値を剥離力として表示した。
【0042】以上の実施例及び比較例の結果は、熱可塑
性樹脂層(B)として、ビカット軟化温度が45℃以上
の特定範囲の合成樹脂を使用すると共に、感熱接着剤層
(C、C’)として、ガラス転移温度が30〜70℃、
若しくはビカット軟化温度が40〜65℃の特定範囲の
合成樹脂を使用することにより、シール葉書の破棄性、
葉書の開封性及び記録材への感熱接着性に優れ、且つ剥
がしカールを発生することなく剥離することができ、正
常且つ容易に情報を読み取れる葉書を得ることができる
ことを実証するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感熱積層シートの断面構成図である。
【図2】本発明の図1の感熱積層シートを用いた場合の
本発明の情報記録体の断面構成図である。
【図3】S型折りにして本発明の記録体を作製すること
のできる記録材の実施例を示した図である。
【図4】Z型折りにして本発明の記録体を作製すること
のできる記録材の実施例を示した図である。
【図5】図4の記録材を用いた情報記録体の断面構成図
である。
【符号の説明】
A 支持体 B 熱可塑性樹脂層 C 感熱接着剤層 C’ 感熱接着剤層 D 感熱積層シート E 記録 Ea 情報記録面 Eb 情報記録面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 7/02 JJA C09J 7/02 JJA JKF JKF JKP JKP JLE JLE D21H 27/00 D21H 5/00 B

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報記録面(Ea、Eb)を有する1又
    は2以上の記録材(E)の情報記録面同士を感熱接着す
    るための感熱積層シートにおいて、該感熱積層シート
    が、支持体(A)の一方の面に、容易に剥離可能ではあ
    るが自然剥離しないように、ビカット軟化温度が45℃
    以上の熱可塑性樹脂層(B)を設けてなる形成物の両面
    に、ガラス転移温度が30〜70℃、若しくはビカット
    軟化温度が40〜65℃の感熱接着剤層(C、C’)を
    形成させた4層構成からなる感熱積層シート(D)であ
    って、前記支持体(A)と熱可塑性樹脂層(B)との界
    面の180度剥離強度が、20℃、65%RHの環境
    下、剥離速度500mm/分で10〜150g/50m
    mであると共に、前記記録材(E)の情報記録面(E
    a、Eb)間に挿入して感熱接着させた時の、前記各感
    熱接着剤層(C,C’)と情報記録面(Ea,Eb)と
    の界面の180度剥離強度が、20℃、65%RHの環
    境下、剥離速度500mm/分で300g/50mm以
    となることを特徴とする感熱積層シート。
  2. 【請求項2】 感熱積層シートの支持体(A)が透明も
    しくは不透明な合成樹脂フィルム、紙とプラスチックと
    の複合体、染料及び/又は顔料で着色した光吸収性シー
    トの中から選択される何れかである請求項1に記載の感
    熱積層シート。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂層(B)の樹脂が、熱可塑
    性エラストマー、アイオノマー樹脂、低分子量ポリオレ
    フィン樹脂の中から選択された少なくとも1種の樹脂で
    ある請求項1又は2に記載の感熱積層シート。
  4. 【請求項4】 感熱接着剤層(C,C’)の樹脂が、エ
    チレン/酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、エ
    チレン/アクリル酸共重合樹脂、エチレン/アクリル酸
    エチル共重合樹脂の中から選択された少なくとも1種の
    樹脂である請求項1〜3の何れかに記載の感熱積層シー
    ト。
  5. 【請求項5】 少なくとも2面以上の情報記録面を有す
    る1又は2以上の記録材(E)の情報記録面(Ea、E
    b)間に、請求項1に記載の感熱積層シート(D)を挟
    み、100℃以下の温度で一体化せしめたことを特徴と
    する情報記録体。
  6. 【請求項6】 情報記録体が葉書として郵送し得るもの
    である請求項5に記載の情報記録体。
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