JP2634309B2 - トナー用樹脂の製造方法 - Google Patents

トナー用樹脂の製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子写真等において静電荷像を現像するの
に使用されるトナー用樹脂の製造方法に関し、特に、乾
式現像方式に使用されるトナー用樹脂の製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
電子写真等において静電荷像を現像する方式として、
乾式現像方式が多用されている。乾式現像方式では、摩
擦帯電性を有する微粉末現像剤が用いられており、この
微粉末現像剤すなわちトナーは、樹脂にカーボンブラッ
ク等の導電性粒子等を分散させて構成されている。
通常、摩擦により帯電したトナーは、電気的引力によ
り感光体上の静電潜像に付着されてトナー像を形成す
る。次に、このトナー像が用紙上に転写され、さらにト
ナーに対して離形性を有する加熱ローラーにより、転写
されたトナー像が該用紙に定着される。
トナーには、耐オフセット性(加熱ローラーにトナー
が付着しないこと)、定着性(トナーが用紙に強固に付
着されること)及び耐ブロッキング性(トナー粒子が凝
集しないこと)等の諸性能が要求される。また、特に、
広い定着温度範囲に渡って、上記耐オフセット性が優れ
ていることが要求されている。
従来、この種のトナー用樹脂としては、スチレン系単
量体と、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を構成す
る単位とする共重合体からなる樹脂が広く用いられてい
る。また、このような共重合体にカルボキシル基を導入
し、これを多価金属化合物と反応させて、共重合体を金
属イオンで架橋することにより改質した樹脂を使用する
ことも提案されている(例えば、特開昭57−178250号公
報及び特開昭61−110155号公報参照)。
さらに、広い定着温度範囲で使用し得るトナーを得る
ために、トナー用樹脂組成物の分子量分布において複数
の極大値を広い分子量範囲に渡って持たせたり、重量平
均分子量/数平均分子量の値を大きくすることも提案さ
れている(例えば、特開昭50−134652号公報、特開昭56
−16144号公報及び特開昭56−158340号公報参照)。
複数の極大値を広い分子量範囲に持たせたり、重量平
均分子量/数平均分子量の値を大きくしたりするため
に、上記先行技術では以下のような方法によりトナー用
樹脂を製造していた。すなわち、(a)低分子量重合体
成分及び高分子量重合体成分を混合する方法、あるいは
(b)低分子量重合体成分もしくは高分子量重合体成分
の何れか一方の成分を構成する重合体を生成し、該重合
体を他方の成分を構成する重合体を与えるための単量体
に溶解させて二段重合を行う方法等である。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、(a)の低分子量重合体成分と高分子
量重合体成分とを混合する方法ではそれぞれ別個に重合
工程を実施しなければならず、また(b)の二段重合法
では、重合工程を二段階に分けて実施しなければなら
ず、何れにおいても製造工程が煩雑であるという問題が
あった。
よって、本発明の目的は、広範な定着温度範囲に渡っ
て優れた耐オフセット性を示すトナー用樹脂を簡易に製
造し得る、新規なトナー用樹脂の製造方法を提供するこ
とにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明のトナー用樹脂の製造方法は、スチレン系単量
体と、(メタ)アクリル酸エステル系単量体と、酸基を
有するビニル系単量体とを少なくとも構成単位とする共
重合体に、多価金属化合物を反応させて得られた、金属
を介して架橋された重合体を用意する工程と、この金属
を介して架橋された重合体を加熱し、重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)との比の値(Mw/Mn)を増
大させる工程とを備えることを特徴とする。
以下、本発明の各構成を詳細に説明する。
スチレン系単量体 本発明においては、多価金属化合物と反応される共重
合体の構成単位として、スチレン系単量体が用いられ得
る。使用されるスチレン系単量の例としては、スチレ
ン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレ
ン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレ
ン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチ
レン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチ
レン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチ
レン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、
p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン等が挙げ
られる。これらの中でもスチレンが特に好適に用いられ
る。
(メタ)アクリル酸エステル系単量体 また、共重合体の構成単位として使用され得る(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体の例としては、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−
ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アク
リル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アク
リル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メ
タ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリ
ル酸ジエチルアミノエチルまたはα−クロロアクリル酸
メチル等が挙げられる。これらの中でも、メタアクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル及びアクリル
酸2−エチルヘキシルが特に好適に用いられる。
なお、本明細書において(メタ)アクリルなる表現
は、メタアクリル及びアクリルの双方を包含させる意味
で用いられている。
酸基を有するビニル系単量体 共重合体の構成単位として使用される酸基を有するビ
ニル系単量体における酸基としては、カルボン酸、スル
ホン酸、スルフィン酸、ホスホン酸またはホウ酸等を構
成する基の一種または二種以上が挙げられ、特に、酸の
強度及び共重合容易性から、カルボキシル基が好適に用
いられる。
カルボキシル基を有するビニル系単量体の例として
は、(メタ)アクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロ
トン酸、イソクロトン酸、β−メチルクロトン酸、フマ
ル酸、マレイン酸、イタコン酸及び下記の一般式で表さ
れる半エステル化合物等が挙げられる。
(但し、式中、Lは分子鎖中にエステル結合を有する炭
素数3以上の2価の結合基を表し、R1は水素原子または
メチル基を表す)。
上記半エステル化合物は、水酸基を有する(メタ)ア
クリル酸の誘導体と、琥珀酸、マロン酸もしくはグルタ
ル酸等の脂肪族ジカルボン酸またはフタル酸等の芳香族
ジカルボン酸とのエステル化反応により得られる。
なお、上記ジカルボン酸は、ハロゲン原子、低級アル
キル基またはアルコキシ基等により水素原子が置換され
ていてもよく、あるいは酸無水物であってもよい。
上記のような半エステル化合物の例としては、琥珀酸
モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、琥珀
酸モノ(メタ)アクリロイルオキシプロピルエステル、
グルタル酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエス
テル、フタル酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチル
エステルまたはフタル酸モノ(メタ)アクリロイルオキ
シプロピルエステル等が挙げられる。
共重合体を得る工程 上記したスチレン系単量体と、(メタ)アクリル酸エ
ステル系単量体と、酸基を有するビニル系単量体との共
重合体は、溶液重合、懸濁重合、乳化重合及び塊状重合
等の従来から公知の重合方法により得ることができる。
共重合体中の各構成単位の配合割合 本発明においては、上記共重合体中におけるスチレン
系単量体成分の含有率は40〜95重量%、(メタ)アクリ
ル酸エステル系単量体成分の含有率は4〜40重量%、酸
基を有するビニル系単量体の含有率は0.5〜30重量%の
範囲に設定することが好ましい。
スチレン系単量体成分の含有率を40〜95重量%とした
のは、40重量%より少ない場合にはトナーの粉砕性が悪
化するからであり、95重量%を超えると、トナーの定着
性が悪化するからである。
また、(メタ)アクリル酸エステル系単量体成分の含
有率を4〜40重量%としたのは、4重量%よりも少ない
場合にはトナーの定着性が悪化することがあるからであ
り、40重量%を超えて含有させた場合には、トナーの粉
砕性が悪化するからである。
酸基を有するビニル系単量体成分の含有率を0.5〜30
重量%の範囲としたのは、0.5重量%より少なくなると
多価金属化合物との反応が不十分となり、トナーの耐オ
フセット性の改善効果が発現されないからであり、他方
の30重量%よりも多く含有させるとトナーの耐環境特性
が悪化し、例えば高温高湿下における帯電安定性や耐ブ
ロッキング性の低下等が生じるからである。
なお、上記共重合体は、スチレン系単量体と、(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体と、酸基を有するビニ
ル系単量体とを少なくとも構成単位として含むものであ
るため、本発明の後述の作用効果を阻害しない他の成分
が該共重合体中に含まれていてもよい。
多価金属化合物 上記共重合体と反応される多価金属化合物に含まれて
いる金属としては、Cu、Ag、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、
Cd、Al、Ti、Ge、Sn、V、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、Ni等が
挙げられる。特に、これらの金属のうちでもアルカリ土
類金属及び亜鉛族金属が好ましく、その中でもMg及びZn
が特に好ましい。
多価金属化合物としては、上記の様な金属の沸化物、
塩化物、塩素酸塩、臭化物、沃化物、酸化物、水酸化
物、硫化物、亜硫酸塩、硫酸塩、セレン化物、テルル化
物、窒化物、硝酸塩、燐化物、ホスフィン酸塩、燐酸
塩、炭酸塩、オルト珪酸塩、酢酸塩、蓚酸塩またはメチ
ル化物もしくはエチル化物等の低級アルキル金属化合物
等が挙げられる。これらの中でも、酢酸塩及び酸化物が
特に好ましい。
上記多価金属化合物の添加量は、酸基を有するビニル
系単量体成分1モルに対して、0.05〜1モルの範囲とす
ることが好ましい。0.05モルよりも少ない場合には酸基
を有するビニル系単量体成分との反応が不十分となり、
トナーの耐オフセット性改善効果が発現しないことがあ
るからである。他方、1モルよりも多い場合には、トナ
ーの定着性が低下することがあるからである。
多価金属化合物を上述した共重合体に反応させるに
は、好ましくは、共重合体を溶液重合した後に、必要に
応じて有機溶媒中に分散させた多価金属化合物を重合系
内に投入し、適当な温度、例えば100〜200℃に加熱して
反応させる。しかる後、溶剤を留去し、樹脂を製造す
る。
また、場合によっては、共重合体を得るための重合反
応を開始する前に、予め多価金属化合物を有機溶剤と共
に重合系内に分散させておいてもよい。
さらに、共重合体を溶液重合させた後、溶剤を留去し
て得られた共重合体に多価金属化合物を混合し、ロール
ミル、ニーダまたは押出機等を用いて100〜200℃の温度
で溶融混練して樹脂を製造してもよい。
本発明の特徴的加熱工程 上記のようにして金属を介して架橋された重合体(以
下、樹脂(A)と略す)が得られるが、重合加熱反応中
あるいは反応後に、上記した加熱時間を延長したとして
も、加熱時間を延長しなかった場合に得られた樹脂と、
フロー軟化温度、ガラス転移温度及びゲル・パーミエー
ション・クロマトグラフィー(以下、GPC)による分子
量分布の測定において、差は認められなかった。
本発明では、上記のようにして得られた樹脂(A)
を、再度加熱する工程を実施することに特徴を有する。
この加熱は、得られた樹脂(A)を再度、溶剤中に溶
解し、適当な温度で加熱し、しかる後溶剤を留去するこ
とにより、あるいは得られた樹脂(A)をロールマ
ル、ニーダまたは押出機等を用いて適当な温度で溶融混
練することにより行われ、それによって、樹脂(B)が
得られる。この再度の加熱工程における加熱温度は、10
0〜200℃の範囲の温度で行うことが必要である。
本発明により得られるトナー用樹脂(B) 上記のようにして得られた樹脂(B)は、再加熱を行
う前の樹脂(A)に比べて、その分子量及び/または溶
融粘度が増大していることが確かめられた。すなわち、
分子量分布では、分子量100,000〜2,000,000の範囲内に
おいて新規な極大値を有するピークが出現したり、ある
いは上記分子量範囲内の既存のピークの比率が再加熱前
よりも高くなったりすることが確かめられた。また、重
量平均分子量/性平均分子量(Mw/Mn)の値が大きくな
った。さらに、フロー軟化点が上昇することにより、溶
融粘度が高められることも確かめられた。
従って、上記再加熱工程を実施することにより、従来
技術の項において説明した樹脂組成物、すなわち分子量
分布において複数の極大値を広い分子量範囲に持たせた
り、重量平均分子量/数平均分子量の値を大きくしたト
ナー用樹脂の得られることがわかる。よって、本発明に
よれば、低分子量重合体成分と高分子量重合体成分を混
合したり、あるいは二段重合したりするといった煩雑な
製造方法を実施することなく、上記のようなトナー用樹
脂が得られる。
なお、樹脂(B)のガラス転移温度は40℃以上である
のが好ましい。40℃よりも低い場合には、トナーの耐ブ
ロッキング性や流動性が悪化するからである。
〔作用〕
本発明では、スチレン系単量体と、(メタ)アクリル
酸エステル系単量体と、酸基を有するビニル系単量体と
を少なくとも構成単位とし、多価金属化合物により架橋
された重合体が用意され、さらに該重合体が、再度加熱
されることにより、分子量及び/または溶融粘度が該再
加熱工程により高められ、それによって分子量分布にお
いて複数の極大値を広い分子量範囲に有したり、重量平
均分子量/数平均分子量の値の大きなトナー用樹脂組成
物が得られる。
上記のように、重合体を得た後に加熱工程を実施する
ことにより樹脂の分子量及び/または溶融粘度が高めら
れるのは、再加熱前の樹脂では分子内において酸基部分
と多価金属イオンとがイオン架橋しており、これが加熱
により分子間における酸基部分と多価金属イオンとのイ
オン架橋に変わることにより、あるいは共重合体中の酸
基と金属化合物中の金属とが一段の重合では十分イオン
架橋せず、再度加熱することにより過剰の金属と未反応
の酸基とのイオン架橋が進行することによるものと考え
られる。
〔実施例の説明〕
以下、本発明の実施例及び比較例を説明する。
実施例1 スチレン85重量部、アクリル酸n−ブチル10重量部、
琥珀酸メタクリロイルオキシエチルエステル5重量部及
び重合開始剤としての過酸化ベンゾイル3重合部を溶解
した混合物を、トルエン50重量部中還流下で、2.5時間
かけて適下しながら溶融重合を行った。適下終了後、さ
らにトルエンの還流下において攪拌しながら酸化亜鉛粉
末0.5重量部を添加し、その後1時間熟成した。
次に、系の温度を180℃まで徐々に上げながら、減圧
下でトルエンを除去して樹脂(A−1)を得た。得られ
た樹脂の重合平均分子量(Mw)は36820、数平均分子量
(Mn)は8040であり、Mw/Mn=4.58であり、またフロー
軟化点は121℃であった。
この樹脂(A−1)100重量部をトルエン100重量部
中、還流下で2時間攪拌を行い、その後系の温度を180
℃まで徐々に上げながら、減圧下でトルエンを除去して
樹脂(B−1)を得た。
樹脂(B−1)のMwは70333、Mnは9834であり、Mw/Mn
=7.15であり、フロー軟化点は129℃であった。
実施例2 スチレン65重量部、メタクリル酸メチル15重量部、ア
クリル酸n−ブチル17重量部、琥珀酸メタクリロイルオ
キシエチルエステル3重量部及び重合開始剤としての過
酸化ベンゾイル5重量部を溶解した混合物を、酢酸マグ
ネシウム粉末1.8重量部を分散させたトルエン50重量部
中の還流下で、2.5時間かけて適下しながら溶液重合を
行った。適下終了後、トルエンの還流下において攪拌し
ながら1時間熟成した。
その後、系の温度を180℃まで徐々に上げながら、減
圧下でトルエンを除去して樹脂(A−2)を得た。
得られた樹脂(A−2)のMwは12430、Mnは5170であ
り、Mw/Mn=2.40であり、フロー軟化点は111℃であっ
た。
この樹脂(A−2)100重量部をトルエン100重量部
中、還流下で2時間攪拌を行い、その後、系の温度を18
0℃まで徐々に上げながら、減圧下でトルエンを除去し
て樹脂(B−2)を得た。
この樹脂(B−2)のMwは132480、Mnは10350であ
り、Mw/Mn=12.8であり、フロー軟化点は134℃であっ
た。GPCにおいては、500,000付近に新たな極大値が出現
した。
実施例3 スチレン60重量部、メタクリル酸メチル15重量部、メ
タクリル酸n−ブチル15重量部、アクリル酸10重量部及
び重合開始剤としての過酸化ベンゾイル7重量部を溶解
した混合物を、トルエン50重量部中の還流下で、2.5時
間かけて適下しながら溶液重合を行った。適下終了後、
これに酸化マグネシウム粉末0.6重量部を添加し、さら
にトルエンの還流下において攪拌しながら1時間熟成し
た。
その後、系の温度を180℃まで徐々に上げながら、減
圧下でトルエンを除去して樹脂(A−3)を得た。
得られた樹脂(A−3)のMwは7210、Mnは3750、Mw/M
n=1.92であり、フロー軟化点は118℃であった。
樹脂(A−3)100重量部とカーボンブラック(三菱
化成社,ダイヤブラックSH)5重量部とを170℃で10分
間ロール混練し、樹脂(B−3)を得た。
この樹脂(B−3)では、Mwは54300、Mnは4120、Mw/
Mn=13.2であり、フロー軟化点は126℃であった。
比較例1 スチレン85重量部、アクリル酸n−ブチル10重量部、
琥珀酸メタクリロイルオキシエチルエステル5重量部及
び重合開始剤としての過酸化ベンゾイル3重量部を溶解
した混合物を、トルエン50重量部中で還流下において、
2.5時間かけて滴下しながら溶液重合を行った。滴下終
了後、さらにトルエンの還流下において攪拌しながら酸
化亜鉛粉末0.5重量部を添加し、その後3時間熟成し
た。
しかる後、反応系の温度を180℃まで徐々に高めつ
つ、減圧下でトルエンを除去して樹脂A′−1を得た。
上記のようにして得られた樹脂(A′−1)では、Mw
は37750、Mnは10510、及びMw/Mn=3.6であり、フロー軟
化点は122℃であった。
実施例及び比較例の評価 以上のようにして得られた(A−1)、(A−2)、
(A−3)、(B−1)、(B−2)及び(A′−1)
の各樹脂100重量部と、カーボンブラック(ダイヤブラ
ックSH;三菱化成工業社製)5重量部とを170℃で1分間
ロール混練した(なお、B−3の樹脂については、既に
カーボンブラックが含有されているので、この処理は除
いた)。次に、各樹脂をジェットミルで微粉砕し、平均
粒度を13〜15μmとしこれに疎水性シリカ微粉末0.5重
量部を混合して、それぞれの樹脂からトナーを製造し
た。
得られたトナー10gを100mlのビーカーに採り、60℃の
温度の恒温槽中に24時間放置し、粒子の合着の有無によ
り耐ブロッキング性を評価した。
また、上記トナー4重量部を平均粒径50〜80μmの鉄
粉キャリア96重量部と混合し、微粉末現像剤を作製し
た。作製された微粉末現像剤を電子写真複写機(コニカ
社製;U−Bix2500)の改造機に装着し、定着温度範囲を
測定した。なお、定着温度範囲は、定着用の加熱ローラ
の設定温度を変更し、オフセットを起こさずに良好に定
着し得る設定温度を調べ、該設定温度で評価した。
以上の各評価結果を、下記の第1表に示す。
〔発明の効果〕 以上のように、本発明によれば、スチレン系単量体
と、(メタ)アクリル酸エステル系単量体と、酸基を有
するビニル系単量体とを少なくとも構成単位とし多価金
属化合物を介して架橋された重合体を、再度加熱すると
いう、かなり単純な工程により、定着温度範囲が広くか
つ耐ブロッキング性に優れたトナー粒子を製造すること
が可能となる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン系単量体と、(メタ)アクリル酸
    エステル系単量体と、酸基を有するビニル系単量体とを
    少なくとも構成単位とする共重合体に、多価金属化合物
    を反応させて得られた、金属を介して架橋された重合体
    を用意する工程と、 前記金属を介して架橋された重合体を加熱し、重量平均
    分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比の値(Mw/M
    n)を増大させる工程とを備えることを特徴とする、ト
    ナー用樹脂の製造方法。
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