JP2632115B2 - 合成樹脂型内成形用離型剤及び該離型剤を用いる合成樹脂型内成形物への離型性付与方法 - Google Patents

合成樹脂型内成形用離型剤及び該離型剤を用いる合成樹脂型内成形物への離型性付与方法

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JP2632115B2 JP4232773A JP23277392A JP2632115B2 JP 2632115 B2 JP2632115 B2 JP 2632115B2 JP 4232773 A JP4232773 A JP 4232773A JP 23277392 A JP23277392 A JP 23277392A JP 2632115 B2 JP2632115 B2 JP 2632115B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成樹脂型内成形用離型
剤及び該離型剤を用いる合成樹脂型内成形物への離型性
付与方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合成樹脂型内成形用離型剤とし
て、1)モンタンワックス、カルナウバワックス、密ロ
ウ、石油系ワックス等のワックス類及びそれらの変性物
(特開昭54−4742、特開昭60−18846
3)、2)合成エステルワックス類(特開昭55−86
837)、3)高級脂肪酸の金属石ケン類(特公昭54
−4742)、4)ポリジェン−ポリビニルグラフト共
重合体(特開昭63−54462)、5)ポリジメチル
シロキサン、ポリフェニルシロキサン等のシロキサンオ
イル類(特開昭64−69306)、6)ポリフロロエ
チレン等の含フッ素重合体、等が提案されており、これ
らを用いる合成樹脂型内成形物への離型性付与方法とし
て、これらを合成樹脂に混練するか又は型表面に塗布す
ることが行なわれている。
【0003】ところが、前記1)〜4)の離型剤には、
耐熱性が劣るため、合成樹脂と混練する際に熱分解し易
く、それによって発生するガス状物質や炭化物等が型表
面や成形物表面を汚染するという欠点がある。かかる欠
点は高温で溶融成形するポリカーボネート等の所謂エン
ジニアリングプラスチックスの型内成形において顕著と
なる。また前記5)、6)の離型剤には、耐熱性は優れ
ているが、合成樹脂との混練性が悪くて相分離するた
め、各種の障害、例えば溶融物圧送時のスリップ、息付
き現象、成形物の表面汚染等を生じるという欠点があ
る。したがって、その使用方法は型表面塗布に限定され
てしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来の合成樹脂型内成形用離型剤及びこれ
を用いる合成樹脂型内成形物への離型性付与方法では、
耐熱性が劣るために型表面や成形物表面を汚染するか、
又は合成樹脂との混練性が悪くて相分離するために各種
の障害を生じる点である。
【0005】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者らは、
上記課題を解決するべく鋭意研究した結果、ポリシロキ
サンにビニル単量体をビニル重合した、ポリシロキサン
鎖を幹成分とし、ビニル重合体鎖を枝成分とする特定構
造のポリシロキサン−ポリビニルグラフト共重合体が合
成樹脂型内成形用離型剤として好適であり、また該離型
剤を合成樹脂に対し所定割合で含有させて型内成形する
ことが合成樹脂型内成形物への離型性付与方法として好
適であることを見出した。
【0006】すなわち本発明は、その繰り返し単位とし
て下記の式1で示されるシロキサン単位と下記の式2で
示されるシロキサン単位とで形成された、ポリシロキサ
ン鎖を幹成分とし、ビニル重合体鎖を枝成分とするポリ
シロキサン−ポリビニルグラフト共重合体であって、該
ポリシロキサン鎖の分子量が7000〜500000で
あり、且つ該ビニル重合体鎖の占める割合が10〜50
重量%であるポリシロキサン−ポリビニルグラフト共重
合体から成ることを特徴とする合成樹脂型内成形用離型
剤と、かかる離型剤を用いる合成樹脂型内成形物への離
型性付与方法とに係る。
【0007】
【式1】
【0008】
【式2】
【0009】[式1及び式2において、 R1〜R3:ケイ素原子に直接結合した炭素原子を有す
る、同時に同一又は異なる、非置換又は置換のラジカル
重合性をもたない炭化水素基。 A:ケイ素原子に直接結合した炭素原子を有し且つBと
連結した2価の有機基。 B:それぞれフッ素置換基を有する又は有しない芳香族
ビニル炭化水素、カルボン酸ビニル、アルキル(メタ)
アクリレート及びアクリロニトリルから選ばれる1種又
は2種以上のビニル単量体をビニル重合して得られるビ
ニル重合体鎖。]
【0010】式1及び式2において、R1〜R3はケイ素
原子に直接結合した炭素原子を有する、非置換又は置換
の、ラジカル重合性をもたない炭化水素基である。これ
らのうちで非置換炭化水素基としては、アルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、ア
ラルキル基等が挙げられるが、なかでもメチル基、エチ
ル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基又はフェ
ニル基が有利に選択される。また置換炭化水素基として
は、置換基としてハロゲン、エポキシ基、シアノ基、ウ
レイド基等を有する置換炭化水素基が挙げられるが、な
かでもγ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エ
ポキシ)シクロヘキシルエチル基、γ−クロロプロピル
基、トリフルオロプロピル基等が有利に選択される。こ
れらの非置換炭化水素基と置換炭化水素基とは任意の比
率にすることができる。
【0011】式2において、Aはケイ素原子に直接結合
した炭素原子を有し、且つBと連結した2価の有機基で
ある。Aはポリオルガノシロキサンにビニル重合体ブロ
ックを連結する基として重要である。かかるAとして
は、エチレン基、プロピレン基、3−オキソ−4−オキ
サ−1,7−ヘプタンジイル基、2−メチル−3−オキ
ソ−4−オキサ−1,7−ヘプタンジイル基、トリメチ
レンチオキシ基等が挙げられる。
【0012】式2において、Bはビニル単量体をビニル
重合して得られるビニル重合体鎖である。かかるBに
は、フッ素置換基を有しないビニル単量体をビニル重合
して得られるビニル重合体鎖の他に、フッ素置換基を有
するビニル単量体を含有するビニル単量体をビニル重合
して得られるビニル重合体鎖が包含される。そしてここ
に、フッ素置換基を有するビニル単量体を含有するビニ
ル単量体をビニル重合して得られるビニル重合体鎖に
は、フッ素置換基を有するビニル単量体をビニル重合し
て得られるビニル重合体鎖の他に、フッ素置換基を有す
るビニル単量体とフッ素置換基を有しないビニル単量体
とをビニル重合して得られるビニル重合体鎖が包含され
る(以下、これらを単にビニル重合体鎖という)。
【0013】上記のフッ素置換基を有しないビニル単量
体としては、1)メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリ
レート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘ
キシルメタクリレート等のアルキルメタクリレート類、
2)メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチル
アクリレート等のアルキルアクリレート類、3)スチレ
ン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル炭化水素、
4)ビニルベンゾエート、酢酸ビニル等のビニルエステ
ル類、5)アクリロニトリル等が挙げられるが、なかで
も芳香族ビニル炭化水素、アルキル(メタ)アクリレー
ト及びアクリロニトリルから選ばれる1種又は2種以上
のビニル単量体が好ましく、特にスチレン、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートが好ま
しい。
【0014】また上記のフッ素置換基を有するビニル単
量体としては、1)1H,1H,11H−エイコサフル
オロウンデシルアクリレート、1H,1H−ヘプタフル
オロブチルアクリレート、ヘキサフルオロイソプロピル
アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペン
チルアクリレート、1H,1H−ペンタデカフルオロオ
クチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロ
プロピルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチ
ルアクリレート等のフルオロアルキルアクリレート類、
2)1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデシル
メタクリレート、1H,1H−ヘプタフルオロブチルメ
タクリレート、ヘキサフロオロイソプロピルメタクリレ
ート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタ
クリレート、1H,1H−ペンタデカフルオロオクチル
メタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ
プロピルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフル
オロプロピルメタクリレート、2,2,2−トリフルオ
ロエチルメタクリレート等のフルオロアルキルメタクリ
レート類、3)2,2,3,3−テトラフルオロプロピ
ル−2−(トリフルオロメチル)プロペノエート、2,
2,2−トリフルオロエチル−2−(トリフルオロメチ
ル)プロペノエート等のα−フルオロアルキルアクリル
酸エステル類、4)1−(トリフルオロメチル)ビニル
アセテート等のα−フルオロアルキルビニルカルボン酸
エステル類、5)ビニルトリフルオロアセテート等のフ
ルオロカルボン酸ビニルエステル類、6)3−フルオロ
スチレン、4−フルオロスチレン等のフルオロ置換スチ
レン類、7)α−トリフルオロメチルスチレン等のα−
フルオロアルキルスチレン類、等が挙げられるが、なか
でもビニル基の近傍にフッ素置換基やフルオロアルキル
基を有しないものが好ましい。フッ素の電子吸収性やフ
ルオロアルキル基による立体効果の影響が少なく、ビニ
ル重合性に優れているからである。ビニル単量体として
フッ素置換基を有しないビニル単量体とフッ素置換基を
有するビニル単量体とを用いる場合には、それぞれフッ
素置換基を有する、芳香族ビニル炭化水素、カルボン酸
ビニル、アルキル(メタ)アクリレートから選ばれる1
種又は2種以上を2重量%以上含有するものが好まし
い。
【0015】次に本発明におけるポリシロキサン−ポリ
ビニルグラフト共重合体の製造方法について説明する。
先ず、加水分解によってシラノール基を形成し得る化合
物(以下シラノール基形成性化合物という)を水系媒体
中で酸又はアルカリ等の加水分解触媒存在下で加水分解
してシラノール化合物を生成させる。次に、シラノール
化合物を無機酸又は有機酸等の縮重合触媒存在下で縮重
合し、ポリシロキサンの水性エマルジョンを生成させ
る。水性エマルジョンの平均粒子径を小さくして安定な
ポリシロキサンの水性エマルジョンを生成させるため
に、シラノール基形成性化合物の加水分解反応系やシラ
ノール化合物の縮重合反応系に適宜界面活性剤を用いる
ことができる。最後に、ポリシロキサンの水性エマルジ
ョンにビニル単量体及びラジカル重合触媒を加えてビニ
ル重合を行ない、ポリシロキサンにビニル重合体鎖を導
入する。
【0016】シラノール基形成性化合物としては、各種
のアルコキシラン、クロルシラン、ハイドロジェンシラ
ン、アシロキシシラン、シクロシロキサン化合物等が挙
げられる。本発明では、加水分解によってシラノール基
が2個形成されるようなシラノール基形成性化合物を原
料として用いる。また本発明では、前述したようにポリ
シロキサンにビニル重合体鎖を導入するために、シラノ
ール基形成性化合物として、分子中にラジカル重合性基
又はチオール基等の官能基を有するシラノール基形成性
化合物を用いる。
【0017】式1で示されるシロキサン単位を形成する
こととなるシラノール基形成性化合物としては、1)ジ
メチルジメトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、ジ
メチルジハイドロジェンシラン、ジメチルクロルシラノ
ール等のシラン化合物、2)ヘキサメチルジシロキサ
ン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等のシロキサ
ン化合物、3)γ−グリシドキシプロピル・メチル・ジ
メトキシシラン、γ−ウレイドプロピル・メチル・ジメ
トキシシラン、N,N−ジメチルアミノプロピル・メチ
ル・ジメトキシシラン等の極性基で置換された炭化水素
基を有するシラン化合物、等が挙げられる。
【0018】式2で示されるシロキサン単位を形成する
こととなるシラノール基形成性化合物としては、メタク
リロイルオキシプロピル・メチル・ジメトキシシラン、
ビニル・メチル・ジメトキシシラン、アリル・メチル・
ジメトキシシラン、メルカプトプロピル・メチル・ジメ
トキシシラン等のシラン化合物が挙げられる。
【0019】前述したように本発明では、ポリシロキサ
ン−ポリビニルグラフト共重合体を製造するのに、加水
分解によってシラノール基が2個形成されるようなシラ
ノール基形成性化合物を原料として用いるが、シラノー
ル化合物の縮重合によって得られるポリシロキサンの分
子量の調節やポリシロキサンの末端基の構造を制御する
目的で、加水分解によってシラノール基が1個形成され
るようなシラノール基形成性化合物を適宜用いることが
できる。かかるシラノール基形成性化合物の使用割合は
通常、全シラノール基形成性化合物中、シロキサン単位
として2モル%以下、好ましくは1モル%以下である。
【0020】加水分解によってシラノール基が1個形成
されるようなシラノール基形成性化合物としては、1)
トリメチルメトキシシラン、トリメチルクロルシラン、
トリメチルハイドロジェンシラン等のシラン化合物、
2)ヘキサメチルジシロキサン等のシロキサン化合物、
等が挙げられる。
【0021】ポリシロキサン−ポリビニルグラフト共重
合体を製造するには、前述したようにシラノール基形成
性化合物を水系媒体中で加水分解し、生成したシラノー
ル化合物を縮重合して、ポリシロキサンの水性エマルジ
ョンを得る。ここで用いる水系媒体は、水を30重量%
以上、好ましくは90重量%以上含有する均一溶媒であ
る。水以外に併用できる溶媒としては、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、アセトン、テトラヒドロ
フラン等の水溶性溶媒が挙げられる。
【0022】ビニル重合体鎖を形成するためのビニル重
合は、ポリシロキサンの水性エマルジョンにラジカル重
合触媒及びビニル単量体を加え、不活性ガス雰囲気下で
撹拌することによって行なう。この際の反応は室温から
用いたビニル単量体の沸点の温度で実施できる。
【0023】かくしてポリシロキサンにビニル単量体が
ビニル重合した、ポリシロキサン−ポリビニルグラフト
共重合体の水性エマルジョンを得る。該水性エマルジョ
ンからポリシロキサン−ポリビニルグラフト共重合体を
分離する方法について本発明は特に制限するものではな
いが、該水性エマルジョンに、1)塩化ナトリウム、塩
化カリウム、臭化カリウム、硫酸ナトリウム等のアルカ
リ金属塩、2)塩化カルシウム、塩化マグネシウム等の
水溶性アルカリ土類金属塩を加えて、ポリシロキサン−
ポリビニルグラフト共重合体を塩析分離する方法が有利
である。上記1)、2)の塩類はいずれか1種又は2種
以上をそのまま加えてもよいし、濃厚水溶液として加え
てもよい。必要に応じ、塩析分離したものを更に遠心分
離し、濾過分離して、水洗等により塩類の除去を行な
い、乾燥する。
【0024】本発明におけるポリシロキサン−ポリビニ
ルグラフト共重合体は、以上説明したことからも明らか
なように、その繰り返し単位として前記の式1で示され
るシロキサン単位と前記の式2で示されるシロキサン単
位とで形成された、ポリシロキサン鎖を幹成分とし、ビ
ニル重合体鎖を枝成分とするものである。かかる繰り返
し単位のうちで式2で示されるシロキサン単位の全シロ
キサン単位に対する割合について本発明は特に制限する
ものではないが、該割合は通常10モル%以下とし、好
ましくは4モル%以下とする。またポリシロキサン−ポ
リビニルグラフト共重合体におけるポリシロキサン鎖は
その分子量が7000〜500000のものとするが、
20000〜100000のものとするのが好ましい。
そしてポリシロキサン−ポリビニルグラフト共重合体に
おけるビニル重合体鎖の割合は、10〜50重量%とす
る。
【0025】ポリシロキサン−ポリビニルグラフト共重
合体を離型剤として用い、型内成形して得られる成形物
に離型性を付与する合成樹脂には熱硬化性合成樹脂と熱
可塑性合成樹脂とが包含される。熱硬化性合成樹脂とし
ては、1)不飽和ポリエステル樹脂、2)ポリウレタン
樹脂、3)フェノール樹脂、4)エポキシ樹脂、等があ
る。また熱可塑性合成樹脂としては、1)ビニル重合に
よって得られるポリオレフィン、ポリビニル芳香族炭化
水素及びビニル芳香族炭化水素共重合体、ポリアクリロ
ニトリル及びアクリロニトリル共重合体、ポリ(メタ)
アクリル酸エステル及び(メタ)アクリル酸エステル共
重合体、ポリハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニル共
重合体、2)ポリイソプロピリデンビスフェニルカーボ
ネート等のポリカーボネート、3)ポリε−カプロラク
タム、ポリヘキサメチレンアジパミド等のポリアミド、
4)ポリアセタール、5)ポリフェニレンエーテル等が
ある。
【0026】本発明の合成樹脂型内成形用離型剤を用
い、型内成形によって得られる合成樹脂型内成形物へ離
型性を付与するには、該離型剤であるポリシロキサン−
ポリビニルグラフト共重合体を熱硬化性合成樹脂へ適用
する場合には該熱硬化性合成樹脂100重量部に対し
0.1〜6重量部、好ましくは1重量部以上の割合で含
有させ、また該離型剤であるポリシロキサン−ポリビニ
ルグラフト共重合体を熱可塑性合成樹脂へ適用する場合
には該熱可塑性合成樹脂100重量部に対し0.07〜
3重量部、好ましくは0.7重量部以下の割合で含有さ
せる。該離型剤を合成樹脂に含有させる方法について本
発明は特に制限するものではない。かかる方法として
は、1)合成樹脂に離型剤を添加混合し、必要に応じて
溶融混練する方法、2)離型剤を高濃度に含有した合成
樹脂のマスター製品を調製しておき、これを合成樹脂に
加えて所定の含有割合となるように希釈する方法、等が
ある。本発明においては、このようにして上記離型剤を
合成樹脂に配合することにより、離型性の改良された、
型内成形に適した合成樹脂組成物が得られる。
【0027】ポリシロキサン−ポリビニルグラフト共重
合体から成る本発明の合成樹脂型内成形用離型剤を含有
する合成樹脂組成物を調製するには、公知の混練プロセ
スが適用できる。かかる混練プロセスとしては、ミル、
カレンダー、ニーダー、エクストルーダー等を用いるプ
ロセスがある。混練温度は、適用する合成樹脂が熱可塑
性合成樹脂の場合にはその融点以上、一般には160〜
300℃であり、適用する合成樹脂が熱硬化性合成樹脂
の場合には室温〜70℃、好ましくは50℃以下であ
る。熱硬化性合成樹脂に本発明の離型剤を混練する場合
には、硬化前であって硬化触媒を加える前の熱硬化性合
成樹脂に混合し、要すれば加熱下に均一分散又は溶解さ
せるのが好ましい。
【0028】採用する型内成形法について本発明は特に
制限するものではないが、離型剤を適用する合成樹脂が
熱可塑性合成樹脂の場合には、射出成形法が有利であ
る。離型剤を適用する合成樹脂が熱硬化性合成樹脂であ
る場合の型内成形法としては、1)シート状成形材料
(SMC)を用いる圧縮成形法、2)塊状成形材料(B
MC)を用いる射出成形法、3)液状成形材料を用いる
樹脂移送成形法(RTM)や樹脂注入成形法、4)反応
射出成形法(RIM)、5)引抜き成形法、等がある。
【0029】本発明において、型内成形して得られる合
成樹脂成形物に高度の離型性を付与するためには、離型
剤であるポリシロキサン−ポリビニルグラフト共重合体
として、その融解温度が50〜260℃のものを用いる
のが好ましい。また合成樹脂として熱可塑性合成樹脂を
用い、且つ型内成形法として射出成形法を適用し、成形
物を得る場合には、離型剤であるポリシロキサン−ポリ
ビニルグラフト共重合体として、適用する型の温度以上
且つ熱可塑性合成樹脂の融点以下の融解温度を有するも
のを用いるのが好ましい。更に合成樹脂として熱硬化性
合成樹脂を用い、且つ型内成形法として、樹脂移送成形
法、樹脂注入成形法、反応射出成形法、引抜き成形法等
の低圧型内成形法を適用し、成形物を得る場合には、離
型剤であるポリシロキサン−ポリビニルグラフト共重合
体として、適用する型の温度よりも50〜100℃高い
融解温度を有するものを用いるのが好ましい。そして合
成樹脂として熱硬化性合成樹脂を用い、型内成形法とし
て圧縮成形法、射出成形法等の高圧型内成形法を適用
し、成形物を得る場合には、離型剤であるポリシロキサ
ン−ポリビニルグラフト共重合体として、適用する型の
温度±25℃の融解温度を有するものを用いるのが好ま
しい。
【0030】
【実施例】以下本発明の構成及び効果をより具体的にす
るため、試験区分1としてポリシロキサン−ポリビニル
グラフト共重合体の合成例を、試験区分2として型内成
形例を挙げる。尚、各例において部は重量部を、%は重
量%を表わす。また種々の物性値及び特性は次のように
測定又は評価したものである。
【0031】・ポリシロキサン−ポリビニルグラフト共
重合体におけるポリシロキサン鎖の分子量 ビニル単量体をビニル重合する前のポリシロキサンの水
性エマルジョンの一部を取り出し、これにテトラヒドロ
フランを加え、振とう撹拌して、ポリシロキサンを抽出
した。この場合、該水性エマルジョンからのポリシロキ
サンの抽出効果を上げるため、必要に応じて塩化カルシ
ウムを適量添加した。得られたポリシロキサン抽出液か
ら減圧下にテトラヒドロフランを留去し、分子量測定用
のポリシロキサンを得、該ポリシロキサンについて、G
PCを用い、分子量(ポリスチレン換算)を測定した。
【0032】・融解温度 試料を融点測定装置にとり、加熱して該試料が融解し始
めたところから昇温速度を毎分1℃に調節し、該試料の
全体が融解したときの温度を測定して、これを融解温度
とした。
【0033】・射出成形における離型性 肉厚4mm、高さ20mm、底部直径63mmのカップ状成形
品を連続30ショット成形した。突出プレートに装着し
たテンション試験器によって各ショット毎の離型荷重を
測定し、その平均値を求めた。離型荷重が小さい程、離
型性が良い。
【0034】・射出成形における型汚れ 30ショットの終了時点で金型の表面状態を観察し、下
記の基準で評価した。 ○:汚れが殆ど認められない △:汚れが認められる ×:汚れが著しく認められる
【0035】・射出成形における成形物の外観 30ショット目の成形物についてその外観を観察し、下
記の基準で評価した。 ○:表面の汚れや荒れが殆ど認められない △:表面の汚れや荒れが認められる ×:表面の汚れや荒れが著しく認められる
【0036】・圧縮成形又は樹脂移送成形における離型
性 成形物を金型から取出す際の脱型のし易さを下記の基準
で評価した。 ○:容易に脱型できる △:やや脱型し難いが、脱型された成形物には変形、ひ
び割れ、歪み等の形状欠点は認められない ×:脱型が極めて困難であり、脱型された成形物に上記
の形状欠点が認められる
【0037】・圧縮成形又は樹脂移送成形における金型
汚れ 1回の成形毎に金型の表面状態を観察し、下記の基準で
評価した。 ○:汚れが全く認められない △:汚れが認められる ×:汚れが著しく認められる
【0038】・圧縮成形又は樹脂移送成形における成形
物の外観 ○:表面の汚れ、くもり、肌荒れがなく、且つそり、ひ
び割れ、歪み等の形状欠点もない △:表面の汚れ、くもり、肌荒れが認められるが、上記
の形状欠点は認められない ×:表面の汚れ、くもり、肌荒れが認められ、また上記
の形状欠点が認められる
【0039】試験区分1(ポリシロキサン−ポリビニル
グラフト共重合体の合成例) ・合成例1 オクタメチルシクロテトラシロキサン100.6g
(0.34モル)、ヘキサメチルジシロキサン1.6g
(10ミリモル)、γ−メタクリロキシプロピルメチル
ジメトキシシラン2.0g(8.8ミリモル)、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸1.1gをイオン交換水315g
に溶解し、ホモミキサーで分散した。次に、これをホモ
ジナイザーに通して均一乳化し、シラノール化合物の水
性エマルジョン421gを得た。これをフラスコに仕込
み、80℃にて5時間縮重合した。この後、16時間徐
冷して炭酸ナトリウムの飽和水溶液で中和し、濾過して
ポリシロキサンの水性エマルジョンを得た。ここで得た
ポリシロキサンの水性エマルジョンを別のフラスコに仕
込み、過硫酸カリウム1.6g、イオン交換水400g
を加えて70℃に加熱した。反応系を窒素置換した後、
スチレン45g(0.43モル)を2時間かけて滴下し
た。滴下終了後、80℃に加熱して4時間熟成し、40
℃まで徐冷して濾過した。濾液に塩化カルシウム11.
6gを加えて塩析した後、濾過し、温水1000gで洗
浄して、乾燥した。白色粉末(実施例1)を得た。かく
して得た白色粉末のポリシロキサン−ポリビニルグラフ
ト共重合体は、そのポリシロキサン鎖の分子量が約11
000であった。
【0040】・合成例2 オクタメチルシクロテトラシロキサン156.9g
(0.53モル)、ヘキサメチルジシロキサン1.4g
(8.4ミリモル)、γ−メタクリロキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン3.1g(13.5ミリモル)、ド
デシルベンゼンスルホン酸1.7gをイオン交換水49
0gに溶解し、合成例1と同様にしてポリシロキサンの
水性エマルジョンを得た。ここで得たポリシロキサンの
水性エマルジョン、過硫酸カリウム0.53g、イオン
交換水245g、メタクリル酸メチル18.2g(0.
18モル)、及び塩化カルシウムを用い、更に合成例1
と同様にして白色粉末(実施例2)を得た。かくして得
た白色粉末のポリシロキサン−ポリビニルグラフト共重
合体は、そのポリシロキサン鎖の分子量が約20000
であった。
【0041】・合成例3 オクタメチルシクロテトラシロキサン162.8g
(0.55モル)とγ−メタクリロキシプロピルメチル
ジメトキシシラン6.2g(27.0ミリモル)とをド
デシルベンゼンスルホン酸2.8gをイオン交換水23
4gに溶解し、合成例1と同様にしてポリシロキサンの
水性エマルジョンを得た。ここで得たポリシロキサンの
水性エマルジョン、過硫酸カリウム2.5g、イオン交
換水967.5g、メチルメタクリレート82.5g
(0.83モル)、シクロヘキシルメタクリレート8
2.5g(0.49モル)、及び塩化カルシウムを用
い、更に合成例1と同様にして白色粉末(実施例3)を
得た。かくして得た白色粉末のポリシロキサン−ポリビ
ニルグラフト共重合体は、そのポリシロキサン鎖の分子
量が約80000であった。
【0042】・合成例4 合成例1と同様にしてポリシロキサンの水性エマルジョ
ンを得た。ここで得たポリシロキサンの水性エマルジョ
ン、過硫酸カリウム1.6g、イオン交換水735g、
スチレン52.5g(0.5モル)、アクリロニトリル
52.5g(0.99モル)、及び塩化カルシウムを用
い、更に合成例1と同様にして白色粉末(実施例4)を
得た。
【0043】・合成例5 オクタメチルシクロテトラシロキサン97.7g(0.
33モル)、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキ
シシラン4.3g(19.6ミリモル)、γ−メタクリ
ロキシプロピルメチルジメトキシシラン7.6g(3
2.4ミリモル)を混合し、混合シロキサンモノマーを
得た。これをドデシルベンゼンスルホン酸1.0gを溶
解したイオン交換水300gに加え、ホモミキサーにて
分散した後、更にホモジナイザーで均一乳化して、シラ
ノール化合物の水性エマルジョンを得た。次に、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸31gとイオン交換水217gと
をフラスコに仕込み、よく溶解した後、温度を80〜8
5℃に昇温し、上記のシラノール化合物の水性エマルジ
ョンを2時間かけて滴下した。滴下終了後、85℃で1
時間熟成した。熟成後、室温まで冷却し、炭酸ナトリウ
ムで中和して、ポリシロキサンの水性エマルジョンを得
た。ここで得たポリシロキサンの水性エマルジョンにイ
オン交換水483gと過硫酸カリウム1.5gとを溶解
し、別のフラスコに移して、窒素を流しながら70℃ま
で加温した。そしてスチレン100g(0.96モル)
をゆっくり滴下した。滴下終了後、3時間熟成し、塩化
カルシウムを用い、合成例1と同様にして白色粉末(実
施例5)を得た。かくして得た白色粉末のポリシロキサ
ン−ポリビニルグラフト共重合体は、そのポリシロキサ
ン鎖の分子量が約67000であった。
【0044】・合成例6 合成例1で得たポリシロキサンの水性エマルジョンをフ
ラスコに仕込み、過硫酸カリウム1.6g、イオン交換
水400gを加えて70℃に加熱した。フラスコ内を窒
素置換後、ヘキサフルオロイソプロピルアクリレート4
5g(0.20モル)を2時間かけて滴下した。滴下終
了後、80℃に加熱して4時間熟成した。40℃まで徐
冷し、濾過した。濾液に塩化カルシウム11.6gを加
えて塩析した後、濾過し、温水1000gで洗浄して、
乾燥した。白色粉末(実施例6)を得た。
【0045】・合成例7 オクタメチルシクロテトラシロキサン204.2g
(0.69モル)、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
メトキシシラン20.0g(0.091モル)、γ−メ
タクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン4.8g
(20.8ミリモル)を混合し、これをドデシルベンゼ
ンスルホン酸2.5gを溶解したイオン交換水750g
に加え、ホモミキサーで分散した後、更にホモジナイザ
ーで均一乳化して、シラノール化合物の水性エマルジョ
ンを得た。次にフラスコにドデシルベンゼンスルホン酸
77.5g、イオン交換水542.5gを仕込み、よく
溶解した後、温度を80〜85℃に昇温し、これにシラ
ノール化合物の水性エマルジョンを2時間かけて滴下し
た。滴下終了後、85℃で1時間熟成した。熟成終了
後、室温まで冷却し、炭酸ナトリウムで中和して、縮重
合を完結し、ポリシロキサンの水性エマルジョンを得
た。最後に上記で得たポリシロキサンの水性エマルジョ
ンにイオン交換水725g、過硫酸カリウム2.3gを
溶解し、これをフラスコに移して、フラスコ内に窒素を
流しながら70℃まで加温し、ビニルトリフルオロアセ
テート224.9g(1.61モル)をゆっくり滴下し
た。滴下終了後、3時間熟成し、塩化カルシウムを用
い、合成例1と同様にして、白色粉末(実施例7)を得
た。かくして得た白色粉末のポリシロキサン−ポリビニ
ルグラフト共重合体は、そのポリシロキサン鎖の分子量
が約94000であった。
【0046】・合成例8 オクタメチルシクロテトラシロキサン97.7g(0.
33モル)、ヘキサメチルジシロキサン1.8g(1
1.1ミリモル)、γ−メタクリロキシプロピルメチル
ジメトキシシラン3.2g(13.8ミリモル)、ドデ
シルベンゼンスルホン酸2.8gをイオン交換水234
gに溶解し、合成例1の場合と同様にして、ポリシロキ
サンの水性エマルジョンを得た。そして上記で得たポリ
シロキサンの水性エマルジョン、過硫酸カリウム2.5
g、イオン交換水967.5g、メチルメタクリレート
50.0g(0.50モル)、4−フルオロスチレン2
5.0g(0.20モル)及び塩化カルシウムを用い、
合成例1の場合と同様にして、白色粉末(実施例8)を
得た。かくして得た白色粉末のポリシロキサン−ポリビ
ニルグラフト共重合体は、そのポリシロキサン鎖の分子
量が約85000であった。
【0047】・合成例9 合成例1で得たポリシロキサンの水性エマルジョンをフ
ラスコに仕込み、過硫酸カリウム1.6g、イオン交換
水735g、4−フルオロスチレン25.0g(0.2
モル)、アクリロニトリル25.0g(0.47モル)
及び塩化カルシウムを用い、合成例1の場合と同様にし
て、白色粉末(実施例9)を得た。
【0048】・合成例10 合成例5で得たポリシロキサンの水性エマルジョンをフ
ラスコに仕込み、イオン交換水483g、過硫酸カリウ
ム1.5g、トリフルオロエチルメタクリレート100
g(0.59モル)及び塩化カルシウムを用い、合成例
1の場合と同様にして、白色粉末(実施例10)を得
た。
【0049】・合成例11 合成例1で得たポリシロキサンの水性エマルジョンをフ
ラスコに仕込み、過硫酸カリウム1.6g、イオン交換
水400g、スチレン7.5g(0.07モル)を用
い、合成例1の場合と同様にして、粘ちょう液状物(比
較例1)を得た。
【0050】・合成例12 合成例1で得たポリシロキサンの水性エマルジョンをフ
ラスコに仕込み、過硫酸カリウム1.6g、イオン交換
水400g、スチレン104g(1モル)を用い、合成
例1の場合と同様にして、白色粉末(比較例2)を得
た。
【0051】合成例1〜12で得たポリシロキサン−ポ
リビニルグラフト共重合体(実施例1〜10及び比較例
1,2)について、合成原料の仕込み比より、その内容
を算出し、結果を表1に示した。
【0052】
【表1】
【0053】表1において、 *1:式1で示されるシロキサン単位/式2で示される
シロキサン単位 B−1:ポリスチレンブロック B−2:ポリメチルメタクリレートブロック B−3:メチルメタクリレート/シクロヘキシルメタク
リレート=1/1(重量比)の共重合体ブロック B−4:スチレン/アクリロニトリル=1/1(重量
比)の共重合体ブロック B−5:ポリヘキサフルオロイソプロピルアクリレート
ブロック B−6:ポリビニルトリフルオロアセテートブロック B−7:メチルメタクリレート/4−フルオロスチレン
=2/1(重量比)の共重合体ブロック B−8:アクリロニトリル/4−フルオロスチレン=1
/1(重量比)の共重合体ブロック B−9:ポリトリフルオロエチルメタクリレートブロッ
【0054】試験区分2(型内成形例) ・実施例11〜17、比較例3〜11(射出成形例) 表2に記載の離型剤を市販のポリカーボネート樹脂(商
品名L−1250W、帝人化成社製)にタンブラーで充
分ドライブレンドした後、280℃の温度で押し出し、
ペレット化した。このペレットを用い、シリンダー温度
280℃、金型温度100℃の条件で射出成形を行な
い、離型性、型汚れ及び成形物の外観を測定又は評価し
た。結果を表2に示した。
【0055】
【表2】
【0056】表2において、 添加量:ポリカーボネート樹脂100重量部に対する離
型剤の重量部 R−1:モンタン酸エチレングリコールエステル R−2:ポリトリフルオロエチレン R−3:ポリジメチルシロキサン(平均分子量1000
00) R−4:メタクリル酸メチルと片末端がメタクリロキシ
プロピル基である数平均分子量5000のポリジメチル
シロキサンとを、メタクリル酸メチル/該ポリジメチル
シロキサン=50/50(重量比)の割合で共重合して
得られる共重合体であって、幹成分としてビニル重合体
鎖を有し、枝成分としてポリジメチルシロキサン鎖を有
する共重合体 R−5:トリメチルトリオクタフルオロヘキシルシクロ
トリシロキサン/ヘキサメチルシクロトリシロキサン/
ヘキサメチルジシロキサン=49.2/49.2/0.
63(重量比)の縮合重合物である、特開平1−306
428号公報の実施例1に記載の方法で得たフルオロシ
リコーンオイル *:混練できず評価できなかった これらは以下同じ
【0057】・実施例18〜22、比較例12〜18
(射出成形例) 表3に記載の離型剤及び配合剤を市販のポリカプロラク
タム樹脂(商品名UBEナイロン1013−B、宇部興
産社製)にブレンダーで混合した後、押出し機で混練押
出しし、ペレットとした。このペレットを用い、シリン
ダー温度240℃、金型温度85℃の条件で射出成形を
行ない、離型性、型汚れ及び成形物の外観を測定又は評
価した。結果を表3に示した。
【0058】
【表3】
【0059】表3において、 添加量:ポリカプロラクタム樹脂100重量部に対する
離型剤又は配合剤の重量部 配合剤:板状タルク R−6:ステアリン酸カルシウム
【0060】・実施例23,24、比較例19〜24
(圧縮成形例) 表4に記載の離型剤及び配合剤等を不飽和ポリエステル
樹脂にニーダーで混合し、表4に記載の組成(各重量
部)からなる板状成形材料(SMC)を調製した。この
SMCを用い、金型温度145℃、チャージ率40%、
圧力100kg/cm2、加圧時間180秒の条件で圧縮成形
を行ない、500×1000×2(厚さ)mmの寸法を有
するリブ・ボス付平板成形物を得た。離型性、金型汚れ
及び成形物の外観を評価し、結果を表4に示した。
【0061】
【表4】
【0062】表4において、 不飽和ポリエステル樹脂:マレイン酸0.8モル、イソ
フタル酸0.2モル及びプロピレングリコール1.0モ
ルから合成されたもので、スチレンを40重量%含有
し、酸価が18.0、25℃における粘度が1200c
psのもの R−7:ステアリン酸亜鉛 硬化収縮防止剤:クレイトンD−1300/クレイトン
G−1650=1/1(重量比)の混合物(共にシェル
化学社製) 硬化触媒:t−ブチルパーオキシベンゾエート
【0063】・実施例25、比較例25〜30(樹脂移
送成形例) 表5に記載の不飽和ポリエステル樹脂、離型剤及び配合
剤を均一に混合し、表5に記載の組成(各重量部)から
なる熱硬化性樹脂液状組成物を調製した。60℃に加温
したニッケル電鋳平型へガラス含有率25%となるよう
にガラスストランドコンティニュアスマット(ユニフィ
ロマットU−750、日本電気硝子社製)をチャージ
し、2.5kg/cm2で型締めした。そして上記で調製した
熱硬化性樹脂液状組成物及びラジカル開始剤溶液として
ジベンゾイルパーオキシドの50%溶液を、計量ポンプ
を用い、熱硬化性樹脂液状組成物/ラジカル開始剤溶液
=150/2(容量比)となるように別々に定量移送
し、両液をスタティックミキサーを通し均一に混合して
型内へ注入した。注入口の反対側のクリアランスから注
入液が流出し始めた時点で注入を停止した。注入停止し
てから20分後に脱型し、成形物を得た。離型性、金型
汚れ及び成形物の外観を評価し、結果を表5に示した。
【0064】
【表5】
【0065】表5において、 硬化促進剤:ジメチルパラトルイジン **:均一な熱硬化性樹脂液状組成物が得られず、評価
できなかった
【0066】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、型表面や成形物表面を損なうことがない、また
成形操作上の障害を生じることがない優れた離型性を型
内成形物に付与することができるという効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 101/00 51:08) (56)参考文献 特開 平1−306428(JP,A) 特開 平2−180929(JP,A) 特開 平3−95228(JP,A) 特開 昭64−83086(JP,A) 特開 昭63−291925(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その繰り返し単位として下記の式1で示
    されるシロキサン単位と下記の式2で示されるシロキサ
    ン単位とで形成された、ポリシロキサン鎖を幹成分と
    し、ビニル重合体鎖を枝成分とするポリシロキサン−ポ
    リビニルグラフト共重合体であって、該ポリシロキサン
    鎖の分子量が7000〜500000であり、且つ該ビ
    ニル重合体鎖の占める割合が10〜50重量%である
    リシロキサン−ポリビニルグラフト共重合体から成るこ
    とを特徴とする合成樹脂型内成形用離型剤。 【式1】 【式2】 [式1及び式2において、 R1〜R3:ケイ素原子に直接結合した炭素原子を有す
    る、同時に同一又は異なる、非置換又は置換のラジカル
    重合性をもたない炭化水素基。 A:ケイ素原子に直接結合した炭素原子を有し且つBと
    連結した2価の有機基。 B:それぞれフッ素置換基を有する又は有しない芳香族
    ビニル炭化水素、カルボン酸ビニル、アルキル(メタ)
    アクリレート及びアクリロニトリルから選ばれる1種又
    は2種以上のビニル単量体をビニル重合して得られるビ
    ニル重合体鎖。]
  2. 【請求項2】 ポリシロキサン−ポリビニルグラフト共
    重合体が下記の式3で 示されるシロキサン末端基を有す
    るものである請求項1記載の合成樹脂型内成形用離型
    剤。【式3】
  3. 【請求項3】 式2のBが、芳香族ビニル炭化水素、ア
    ルキル(メタ)アクリレート及びアクリロニトリルから
    選ばれる1種又は2種以上のビニル単量体をビニル重合
    して得られるビニル重合体鎖である請求項1又は2記載
    の合成樹脂型内成形用離型剤。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の合成樹脂型内
    成形用離型剤を熱硬化性合成樹脂100重量部に対し
    0.1〜6重量部の割合で含有させて型内成形すること
    を特徴とする合成樹脂型内成形物への離型性付与方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2又は3記載の合成樹脂型内
    成形用離型剤をポリオレフィン、ポリビニル芳香族炭化
    水素ビニル芳香族炭化水素共重合体、ポリアクリロニ
    トリルアクリロニトリル共重合体、ポリ(メタ)アク
    リル酸エステル(メタ)アクリル酸エステル共重合
    体、ポリハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニル共重合
    体から選ばれる熱可塑性合成樹脂100重量部に対し
    0.07〜3重量部の割合で含有させて型内成形するこ
    とを特徴とする合成樹脂型内成形物への離型性付与方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1、2又は3記載の合成樹脂型内
    成形用離型剤をポリカーボネート、ポリアミド、ポリア
    セタール、ポリフェニレンエーテルから選ばれる熱可塑
    性合成樹脂100重量部に対し0.07〜3重量部の割
    合で含有させて型内成形することを特徴とする合成樹脂
    型内成形物への離型性付与方法。
  7. 【請求項7】 型内成形が射出成形である請求項5又は
    6記載の合成樹脂型内成形物への離型性付与方法。
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