JP2626815B2 - 堅型粉砕機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は回転テーブルと粉砕ローラとの協働により、
セメント原料や石炭，化学品などを粉砕する竪型粉砕機
に関するものである。

［従来の技術］ セメント原料や石炭，化学品などの粒体を細かく粉砕
し粉体とする粉砕機の一種として回転テーブルとローラ
とを備えた竪型粉砕機が広く用いられている。この種の
粉砕機は、円筒状ケーシングの下部におい減速機付きモ
ータで駆動されて低速回転する円盤状の回転テーブル
と、その上面外周部を円周方向へ等分する箇所に油圧等
で圧接されて従動回転する複数個のローラとを備えてい
る。そして回転テーブルの中心部へ供給管で供給された
原料としての粒体は、テーブルの回転によりテーブル半
径方向の遠心力を受けてテーブル上を滑るときにテーブ
ルにより回転方向の力を受け、テーブルとの間で滑って
テーブル回転数よりいくらか遅い回転を行なう。以上２
つの力すなわち半径方向と回転方向の力とが合成され、
粉体はテーブル上を渦巻状の軌跡を描いて回転テーブル
の外周部へ移動する。この外周部にはローラが圧接され
て回転しているので、渦巻線を描いた粒体はローラと回
転テーブルとの間へローラ軸方向とある角度をなす方向
から進入して噛込まれ粉砕される。一方、ケーシングの
基部にはダクトによって熱風が導かれており、この熱風
が回転テーブルの外周面とケーシングの内周面との間の
環状空間部から吹き上がることにより、微粉体は乾燥さ
れながらケーシング内を上昇し、熱風との混合体として
排水口から排出され次の工程へ送られる。

そして、原料供給用の供給管としては、竪型粉砕機の
側方から斜めに取付けた傾斜シュートのタイプも有る
が、特に湿分の多い粉砕原料など付着性の強い場合に
は、シュート内面への付着が激しく、この傾向を緩和す
るため回転式セパレータの中心軸を中空にして、ここに
鉛直に垂下するセンタシュートタイプの供給管をこの中
空穴に通して固定して設けることが行なわれていた。回
転式セパレータはこの固定のセンタシュートと同軸的に
設けられ、回転式セパレータの回転軸を形成する回転筒
の上部は軸受を介してケーシングの上部に軸承され、Ｖ
プーリとベルトにより可変速の駆動ができるようになっ
ている。

［発明が解決しようとする課題］ 以上のように、傾斜シュートでなくセンタシュートを
採用しても、付着性の非常に強い粉砕原料や粉砕後セパ
レータに向かって吹き上げられる微粉に非常に強い付着
性を有する場合には、操業中にセンタシュート内面に、
これらの粉砕原料や微粉が付着し、時間の経過とともに
固結発達して成長し、甚だしい場合にはセンタシュート
を閉塞して、竪型粉砕機への連続安定供給を阻害する不
都合があった。

［課題を解決するための手段］ 以上の課題を解決するため本発明においては、竪型粉
砕機を、回転テーブル駆動用のモータに連結されて鉛直
軸回りに回転する回転テーブルの上面に複数個の粉砕ロ
ーラを圧接し、粉砕ローラの上部のケーシング中央部よ
り粉砕原料供給用のセンタシュートを垂下し、かつ、回
転式セパレータを備えた竪型粉砕機において、セパレー
タの回転部分に固設され、かつ、センタシュート内に挿
入されるように配設した摺擦体を備えた構成とした。

［作用］ 本発明の竪型粉砕機においては、回転式セパレータの
回転部分より固定のセンタシュートの内面に向かって配
設した摺擦体を設けたので、運転中粉砕原料を投入する
センタシュートの内面は、回転式セパレータの回転によ
って常に摺擦体によって掃過されるので、付着した粉砕
原料または下から吹き上がってくる微粉を直ちに擦り落
とすのでセンタシュート内面への付着が防止される。

［実施例］ 以下、図面に基づいて本発明の実施例について詳細に
説明する。

第１図は本発明の実施例に係る竪型粉砕機の縦断図
面、第２図は摺擦体近傍の部分拡大縦断面図である。

図において、全体を符号１で示す粉砕機の中央部に
は、モータ（図示せず）によって所定の回転速度をもっ
て回転される回転テーブル２が配置されている。この回
転テーブル２上には、複数個の粉砕ローラ３が載置さ
れ、この粉砕ローラ３はローラ軸５に回転自在に軸承さ
れている。そして、このローラ軸５を嵌装する回動アー
ム６は粉砕機側に回転自在に軸承された支軸７に固定さ
れる。回動アーム６の他端は回転テーブル２の側方にま
で延在しており、粉砕機の基部に下端を回動自在に軸承
された圧力シリンダ８のロッド９に回動自在に軸承され
ている。そして、この圧力シリンダ８を作動させること
によって粉砕ローラ３を支軸７を中心として回動させ、
回転テーブル２に対する接触圧力を調整している。

また、竪型粉砕機１の上部にはセパレータケーシング
12が上に向かって拡径しており、粉砕機中心軸に向かっ
て上方より固定のセンタシュート13が垂下し、この外側
にセンタシュート13と同軸的に回転式セパレータ14の回
転軸21が上下２段の軸受20,20によりセパレータケーシ
ング12に軸承されている。そして、この回転軸21はＶプ
ーリ17,Vベルト19,電動機18により可変速駆動できるよ
うになっている。

一方、セパレータ14の下端では、セパレータ14の回転
部分、例えば、セパレータ14の底面部14aにボルト締め
された複数本の摺擦体４が取付けられ、摺擦体４の一方
の端部はセンタシュート13の内面を摺擦できる程度に近
接して上方に入り込んでいる。摺擦体４の断面形状は棒
状であっても、板状であっても良い。また、センタシュ
ート13の内面と摺擦体４とのクリアランスは通常5mm〜1
0mmとするが、操業時の相互の摩擦により摩滅を考慮し
て、締付ボルト穴は半径方向に長穴形状としても良い。
摺擦体４の材質は鋼製であっても、ゴム，プラスチック
などの弾性体であっても良い。

以上のように構成された本発明の竪型粉砕機の実施例
における動作について説明する。

被粉砕物は上方のセンタシュート13より投入され、所
定の回転数で回転する回転テーブルのほぼ中央に落下
し、テーブルの回転によるテーブル半径方向の遠心力を
受けてテーブル上を渦巻状に滑動する。そして、駆動モ
ータ（図示せず）により規定の回転数で回転し、かつ、
圧力シリンダ８の作動により回転テーブル２の外周面を
転動する粉砕ローラに、被粉砕物は噛込まれ、圧縮なら
びに剪断作用を受けて粉砕される。

一方、粉砕機のケーシング1aの基部にはダクトによっ
て熱風が導入されており、この熱風が回転テーブル２の
外周端面とケーシング1aの内周面との間の環状空間部15
から吹き上がることにより、微粉体は乾燥されながらケ
ーシング内1aを上昇し、熱風との混合体としてセパレー
タ14に至り、分級作用を受けたのち、排出口16より排出
され次の工程へ送られる。また、比較的粗い粉体粒子は
セパレータではね飛ばされ、回転テーブル上に戻され
る。

一方、センタシュート13内を投入される粉砕原料や下
から吹き上がる微粉が、付着性が強く、センタシュート
13内面に付着しても、セパレータ14の底面14aに取付け
られセンタシュート13内面に沿って挿入される摺擦体４
の回転により、付着物は容易に擦り落とされ、成長発達
されることはない。

したがって、センタシュートの付着閉塞による運転停
止は起こらず、長期連続安定運転が実施できる。

［発明の効果］ 以上述べたように、本発明の竪型粉砕機にはセンタシ
ュート内面に挿入され、かつ、回転する摺擦体によりシ
ュート内面への付着物を剥離落下せしめることにより、
シュート閉塞が防止される。

したがって、シュート閉塞原料投入不能による運転停
止は起こらないから、長期連続安定運転が確保できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す縦断面図、第２図は摺擦
体取付け近傍の部分拡大縦断面図である。 １……竪型粉砕機、２……回転テーブル、 ３……粉砕ローラ、４……摺擦体、 13……センタシュート、14……セパレータ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転テーブル駆動用のモータに連結されて
   鉛直軸回りに回転する回転テーブルの上面に複数個の粉
   砕ローラを圧接し、粉砕ローラの上部のケーシング中央
   部より粉砕原料供給用のセンタシュートを垂下し、か
   つ、回転式セパレータを備えた竪型粉砕機において、セ
   パレータの回転部分に固設され、かつ、センタシュート
   内に挿入されるように配設した摺擦体を備えたことを特
   徴とする竪型粉砕機。