JP2622423B2 - 切削インサート - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、例えば、超硬合金の如く、硬質耐摩耗性材
料から形成された切削インサートに関し、そして金属溝
付け、分断、丸削り又は中ぐり作業における使用のため
に意図される。

本発明を要約すれば、平面において位置する前部及び
側部切削縁を有する金属切削インサートであり、前部チ
ップ偏向表面が、切削縁から間隔をあけられ、該平面か
ら突出し、かつ前部切削縁の長さに沿って向けられ、第
１及び第２側部チップ形成溝が側部切削縁の長さに沿っ
てそれぞれ向けられ、各溝が、下降表面と、溝基部と、
上昇チップ偏向表面とを含み、後者は、該平面から突出
し、該下降及び上昇表面が、長さに沿って連続する***
と凹部を形成される。

従来技術及びその課題 そのようなインサートは、一般に、交換可能な種類で
あり、そしてインサート保持器に形成された適切な収容
座において確実に保持されるように設計される。こうし
て、例えば、インサートは、テーパする楔形本体を形成
され、そのためインサート保持器において形成された対
応する楔形スロット内に楔によりクランプされる。代替
的に、インサートは、インサート保持器の一対のあごの
間にクランプされ、これらのあごは、収容スロットを規
定し、あごは、適切な機械的手段によってインサートを
クランプするために偏向される。

金属切削作業は、チップの形式において、（切削され
るワークピースからの）金属の除去に関与することを考
慮すると、切削の安全と効率性の関心は、これらのチッ
プが切削領域から有効に除去されることを必要とする。
この目的のために、チップ破壊及び／又はチップ形成手
段をそのような切削インサートに設けることが、長く公
知であり、チップは、形成の直後、連続切削プロセスに
干渉せず、かつ作業要員を危険にさらすことなしに、作
業領域から容易に除去される如く成型及び／又は破壊さ
れることが保証される。

示された目的のための切削インサートの使用におい
て、一方において分断又は溝付け作業のためのツール
と、他方において横丸削り（例えば、円筒形）作業のた
めのツールとの間の区別を引くことが、長く公知であっ
た。第１の事例において、溝付け又は分断される回転す
るワークピースへツールの放射状移動があるが、第２の
事例において、ツールの横又は横断移動がある。これら
の種々の作業を実施する時、特定作業のために使用され
た切削インサートが、その作業の必要条件のみを満たす
ために設計されることを考慮して、一つの作業から他の
作業に移行する時、保持器と切削インサートの交換が必
要であることが、長く公知であった。

切削作業の性質により切削インサートを交換する必要
性は、明らかに時間を消費し、そして種々の作業に対し
て種々の保持器と切削インサートの容易な有用性を必要
とする。この現存の状況に照らして、出願者は、出願者
の商標CUT−GRIPにより公知な新しいツール切削システ
ムを開発し、この場合同切削インサートは、一方におい
て分断及び溝付け作業の両方のために使用され、そして
また、他方において横丸削り作業のために使用される。
そのようなインサートは、以後、「多方向切削ツール・
インサート」と呼ばれる。

そのような多方向切削ツール・インサートの使用によ
り、放射状に向けられた分断又は溝付け作業から発生し
ても、あるいは横に向けられた丸削り作業から発生して
も、チップの形成を有効に制御する問題が発生する。

このため、新規かつ改良された多方向切削ツール・イ
ンサートに有効なチップ制御手段を設けることが、本発
明の目的である。

課題を解決するための手段 本発明により、頂面と、底面と、前面と、後面と、一
対の側部周囲面とを有する金属切削インサートが設けら
れ、該前部及び側部切削縁は、平面において位置する。
前部切削縁は、頂面と前部周囲面との交差部分において
形成され、第１及び第２側部切削縁が、頂面と２つの側
部周囲面との交差部分においてそれぞれ形成される。チ
ップ形成手段が、切削縁によって規定された領域内の頂
面において位置し、そして切削縁から間隔をあけられ、
該平面から突出し、かつ第１切削縁の長さに沿って向け
られた前部チップ偏向表面を含み、第１及び第２側部チ
ップ形成溝が、該第１及び第２側部切削縁の長さに沿っ
て向けられ、各溝が、下降表面と、溝基部と、上昇チッ
プ偏向表面とを含み、後者は、該平面から突出し、該下
降及び上昇表面が、長さに沿って連続する***と凹部を
形成される。

好ましくは、各溝基部は、該前部切削縁から延びてい
る方向において、該平面の下で幅と深さが増大する。上
昇するチップ偏向表面と共に、前部チップ偏向表面は、
好ましくは、平面に関して上昇したインサート・プラト
ーにおいて終端する。プラトーは、好ましくは、前部切
削縁の方に延びている一対のスパーを形成され、溝から
前部チップ形成手段を分離するために役立つ。

本発明によるそのような切削インサートにより、放射
状に向けられた分断又は溝付け作業において使用された
時、形成されたチップは、実質的に狭い硬直断面を獲得
するために、スパーによって成型される。しかし、横に
向けられた丸削り作業が実施される時、側部チップ偏向
溝の準備は、波形断面のチップを生産する際に有効であ
り、こうして広範囲の作業条件でチップ破壊を保証し、
これにより同一ツールにより、予備及び仕上げの両作業
の実施を許容する。この特定インサートは、ステンレス
鋼又はニッケル・ベース合金の如く、高延性材料で作業
する時、特別に価値がある。

実施例 本発明のより良い理解と、発明が実際に実施される方
法を示すために、添付の図面が参照される。

最初に、図面の第１図が参照され、この場合ツール支
持物において多方向ツール・インサートの取り付けモー
ドが示され、そして放射状に向けられた溝付け作業と横
に向けられた丸削り作業のためのインサートの使用が示
される。図において見られた如く、多方向切削ツール・
インサート１（その詳細な構造は、残りの図を参照して
以下に記載される）は、一対の縦に平行な上方及び下方
表面2aと2bを有し、ツール保持器本体６と一体的に形成
されたあご４と５の対応する平行表面3aと3bの間にクラ
ンプされ、表面3aと3bは、インサート１を収容するため
に設計された収容スロットを規定する。収容スロット
は、後方に向けられたスリット７と連通し、その準備
は、クランプのために必要とされた必要な弾性を許容す
る。インサート１は、締め付けねじ８により収容スロッ
ト内で確実にクランプされ、締められた時、インサート
の対応する表面2aと2bに対して、あご４と５をクランプ
により保持させる。表面2aと2bは、縦に延びているＶ形
状面をそれぞれ形成され、この場合対応するあご表面3a
と3bから形成された対応する凸状Ｖ形リブが嵌合する。
あご４と５のリブと表面2aと2bとの凹状と凸状の嵌合に
より、インサート保持器６に関するインサートの横移動
は、防止される。

図面において見られた如く、ツールは、矢印12の方向
においてワークピース保持器（図示されていない）によ
って回転されるように設計された円筒形ワークピース11
を加工する使用のために設計される。溝付け又は分断作
業を実施することが望ましい時、ツールの移動は、矢印
13の方向に沿っており、即ち、ワークピースに関して放
射状である。しかし、ツールが丸削り作業を行うために
使用された時、ツールは、第1b図に見られた如く、矢印
14で示した横方向において移動する。

今、発明による切削インサートの好ましい実施態様の
詳細に説明のために、第２〜７図が参照される。図面に
おいて見られた如く、切削インサートは、実質的に平行
六面体形状の多角形本体から成る。インサートは、頂面
と底面21aと21b、前部及び後部周囲面22aと22b、側部周
囲面23aと23bを有する。頂面と底面21aと21bは、Ｖ形状
断面の縦に延びている凹状キー溝24aと24bを形成され
る。

インサートは、正反対の角においてそれぞれの切削端
部を形成され、インサートが図面の第１図において示さ
れた如くインサート保持器に取り付けられた時、使用の
ために交互に露呈される。切削端部は、同一構造であ
り、そしてそれらの一つが、今記載される。頂面21aと
周囲面23aと23bの交差部分において、インサート角26a
と26bからインサートに沿った中間位置にそれぞれ延び
ている第１及び第２側部切削縁25aと25bが形成される。
頂面21aと前部周囲面22bの交差部分において、角26aと2
6bの間に延びている前部切削縁27が形成される。

切削縁25a、25bと27は、それぞれのランド表面28a、2
8bと29を形成され、切削縁と共に、共通平面に位置す
る。頂面21aにおいて、切削縁25aと25bに沿って、それ
ぞれのチップ形成溝30aと30bが形成される。溝30aは、
下降表面31aと、溝基部32aと、上昇チップ偏向表面33a
とを含む。同様に、溝30bはまた、下降表面と、溝基部3
2aと、上昇チップ偏向表面とを含む。溝基部32aと32b
は、共通平面の下に位置する。下降表面31aと31bは、連
続する***34aと34bと、凹部35aと35bとを形成される。
同様に、上昇チップ偏向表面33aと33bは、連続する***
34aと34bと、凹部35aと35bとを形成される。溝基部32a
と32bは、切削縁27から離れる方向において幅が延びて
おり、そしてまた、切削縁27から離れる方向において増
大しながら、共通平面に関して下方に延びている。

また、頂面21において、切削縁27の長さに沿って、ラ
ンド表面29から内側かつ下方に湾曲し、それからチップ
偏向表面38を形成するために上方に湾曲する湾曲凹部37
が形成される。チップ偏向表面33a、33bと38は、共通平
面のレベルの上のプラトー39において終端する。プラト
ー39は、凹部37の壁によって構成されたチップ形成手段
を溝30aと30bの壁によって構成されたチップ形成手段か
らそれぞれ分離する一対のスパー40aと40bを形成され
る。

使用において、切削インサートが放射状に向けられた
作業において使用される時、切削縁27によって切削さ
れ、かつ初期的に切削縁の幅に等しい幅であるチップ
は、スパー40aと40bの前壁でその縁において出会い、か
つ通過する。このため、チップの縦縁は、湾曲凹部37の
上で支持されずに、流れるチップの中央部分に関して上
方に偏向される。このため、チップは、狭くかつ比較的
硬直の形状を獲得し、そしてチップ偏向器38との衝突に
より、螺旋形にカールし、かつ容易な処置のために破壊
する。

他方において、インサートが横方向における丸削りの
ために使用される時、側部切削縁25a又は25bによって切
削されたチップは、ランド28aと28bから下降表面31aと3
1bを下に通過し、上昇偏向表面33aと33bによって上方に
偏向される。表面31a、31bと33a、33bの***形状のため
に、チップは、究極的な破壊を容易にする波形断面形状
を獲得する。

図示されたインサートに関して記載された特定のチッ
プ形成手段は、航空産業において特に使用される、例え
ば、ステンレス鋼とニッケル・ベース合金の如く、高延
性材料での使用のために特に有効である。

本発明の主なる特徴及び態様は以下のとおりである。

1.頂面（21a）と、底面（21b）と、前面（22a）と、後
面（22b）と、一対の側部周囲面とを有する金属切削イ
ンサートであり、前部切削縁（27）は、頂面（21a）と
前部及び／又は後部周囲面（22a、22b）との交差部分に
おいて形成され、第１及び第２側部切削縁（25a、25b）
が、該頂面（21a）と２つの側部周囲面（23a、23b）と
の交差部分においてそれぞれ形成され、該前部及び側部
切削縁（27、25a、25b）は平面において位置し、チップ
形成手段が、該切削縁（25a、25b、27）によって規定さ
れた領域内の該頂面（21a）において位置し、かつ該切
削縁（25a、25b、27）から間隔をあけられ、該平面から
突出し、かつ該前部切削縁（27）の長さに沿って向けら
れた前部チップ偏向表面（38）を含み、そして第１及び
第２側部チップ形成溝（30a、30b）が、該第１及び第２
側部切削縁（25a、25b）の長さに沿って向けられ、各溝
（30a、30b）が、下降表面（31a、31b）と、溝基部（32
a、32b）と、上昇チップ偏向表面（33a、33b）とを含
み、後者は、該平面から突出している金属切削インサー
トにおいて、該下降（31a、31b）及び上昇（33a、33b）
表面が、長さに沿って連続する***（35a、35b）と凹部
（36a、36b）を形成されることを特徴とする金属切削イ
ンサート。

2.各溝基部（32a、32b）が、該前部切削縁（27）から延
びている方向において、該平面の下で幅と深さが増大す
ることを特徴とする上記１に記載の切削インサート。

3.該上昇するチップ偏向表面（33a、33b）と共に、該前
部チップ偏向表面（38）が、該平面に関して上昇したイ
ンサート・プラトー（39）において終端することを特徴
とする上記１又は２に記載の切削インサート。

4.該前部チップ偏向表面（38）が、該インサート（１）
に形成された湾曲凹部（32）の湾曲上昇表面によって構
成されることを特徴とする上記３に記載の切削インサー
ト。

5.該プラトー（39）が、該前部切削縁（27）の方に延び
ている一対のスパー（40a、40b）を形成され、該溝（30
a、30b）から該凹部（37）を分離するために役立つこと
を特徴とする上記４に記載の切削インサート。

6.各切削縁（27、25a、25b）が、ランド表面（29、28
a、28b）によって該チップ形成手段から分離されること
を特徴とする先行する上記のいづれか一つに記載の切削
インサート。

7.実質的に添付の図面を参照して実施例により記載され
た切削インサート。

【図面の簡単な説明】

第1a図と第1b図は、ツール保持器においてクランプされ
て示された、発明が適用されたツール切削インサートの
それぞれ側面図と頂面図。 第２図は、本発明による多方向切削ツール・インサート
の斜視図。 第３図、第４図、第５図、第６図と第７図は、線III−I
II、IV−IV、Ｖ−Ｖ、VI−VIとVII−VIIに沿って取られ
た、第２図に示されたインサートのそれぞれの断面図。 21a……頂面 21b……底面 22a……前面 22b……後面 27……前部切削縁 31a、31b……下降表面 33a、33b……上昇表面 35a、35b……*** 36a、36b……凹部 38……前部チップ偏向表面

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】頂面と、底面と、前面と、後面と、一対の
   側部周囲面とを有する金属切削インサートであり、前部
   切削縁は、頂面と前部及び／又は後部周囲面との交差部
   分において形成され、第１及び第２側部切削縁が、該頂
   面と２つの側部周囲面との交差部分においてそれぞれ形
   成され、該前部及び側部切削縁は平面に配置されてお
   り、チップ形成手段が、該切削縁によって規定された領
   域内の該頂面に配置されており、かつ該切削縁から間隔
   をあけられ、該平面から突出し、かつ該前部切削縁の長
   さに沿って向けられた前部チップ偏向表面を含み、そし
   て第１及び第２側部チップ形成溝が、該第１及び第２側
   部切削縁の長さに沿って向けられ、各溝が、下降表面
   と、溝基部と、上昇チップ偏向表面とを含み、後者は、
   該平面から突出している金属切削インサートにおいて、
   該下降及び上昇表面が、長さに沿って連続する***と凹
   部を形成されることを特徴とする金属切削インサート。