JP2619304C - - Google Patents

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JP2619304C
JP2619304C JP2619304C JP 2619304 C JP2619304 C JP 2619304C JP 2619304 C JP2619304 C JP 2619304C
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JP
Japan
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deacetylated chitin
hydroxypropylated
reaction
water
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Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
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Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は特別な圧力容器や触媒を必要とせず、且つ反応媒体として水のみを使
用する、極めて簡便で工業上利用価値の高いヒドロキシプロピル化脱アセチル化
キチンの製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】 ヒドロキシプロピル化多糖は多糖の水溶性誘導体として重要なものの一つであ
り、ヒドロキシプロピル化セルロースが既に広く実用されていることは周知の通
りである。又、例えば、ヒドロキシプロピル化多糖の一種であるヒドロキシプロ
ピル化脱アセチル化キチンは、特公昭64−5601号公報に記載されている様
に化粧品原料等各種用途に有用な水溶性高分子である。 従来、このヒドロキシプロピル化脱アセチル化キチンの製造に当たっては、上
記公報にも記載されている様に水酸化ナトリウム等の強アルカリ触媒を必須成分
とし、加圧下、有機溶媒系でヒドロキシプロピル化を行っていた。 【0003】 【発明が解決しようとしている課題】 しかしながら、言うまでもなく加圧下で反応を行う為には圧力容器が必要であ
り、種々の制約並びに危険を伴うという問題がある。又、有機溶剤の使用につい
ても、火災に対する危険性或は製品への残留等の問題がある。強アルカリ触媒の
使用についても、その除去に多大の労力を必要とするという問題がある。 【0004】 又、ヒドロキシプロピル化脱アセチル化キチンは酵素の活性測定用基剤として
重要なものであるが、このものの製造方法として脱アセチル化キチンのヒドロキ
シプロピル化を常圧下、水を溶媒として行うことが行われている。しかし、この
場合も、触媒として水酸化ナトリウムを使用することが必須であり、同様の問題
を包含している。 従って、本発明の目的は、上記の従来技術の問題点を解決し、常圧下、無触媒
で、且つ有機溶媒系を使用することなくヒドロキシプロピル化脱アセチル化キチ
ンを簡便に製造し得る方法を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】 上記の目的は、下記の本発明により達成される。 即ち、本発明は、脱アセチル化キチンを水を反応媒体とし、常圧下、無触媒で
プロピレンオキサイドを用いてヒドロキシプロピル化するに際し、プロピレンオ
キサイドを少なくとも2段階で反応させることを特徴とするヒドロキシプロピル
化脱アセチル化キチンの製造方法。。 【0006】 【作用】 本発明者らは、簡便なヒドロキシプロピル化多糖の製造方法について鋭意研究
した結果、脱アセチル化キチンを出発物質とすれば、水を反応媒体として、常圧
下、しかも触媒を添加することなく容易に水溶性のヒドロキシプロピル化脱アセ
チル化キチンが得られることを見い出し、本発明を完成した。 【0007】 【好ましい実施態様】 本発明に於いて使用する脱アセチル化キチンとは、カニ、エビ、昆虫等の甲殻
類或は茸等に含まれている天然高分子の一種であり、2−アミノ−2−デオキシ
−D−グルコースを一構成単位とする塩基性脱アセチル化キチン類である。この
様な脱アセチル化キチンそれ自体は既に工業的に生産されており、種々のグレー
ドのものが市場から入手出来る。 これらの公知の脱アセチル化キチンはいずれも本発明で使用することが出来る
。例えば、本発明方法で製造する最終生成物の用途に応じて、増粘剤として使用
するものを製造する場合には比較的高粘度の脱アセチル化キチンを使用し、一方
、コーティング剤として使用するものを製造する場合には比較的低重合度の脱ア
セチル化キチンを出発物質に使用すればよい。 【0008】 又、脱アセチル化度についても特に制限はないが、本発明に於いて好適な脱ア
セチル化度は50〜100%である。 この様な脱アセチル化キチンのヒドロキシプロピル化は、反応当初は分散系で
行う。この際の反応媒体は水のみでよく、分散濃度は特に限定されないが、水媒
体100重量部あたり、約5〜20重量部程度とするのが好ましい。 又、ヒドロキシプロピル化反応に使用するプロピレンオキサイドの量は、脱ア
セチル化キチン100重量部あたり、約100〜800重量部が好ましい。又、
その際の反応時間は反応温度にもよるが、10〜50時間程度とし、この間に徐
々に昇温して、系の沸点程度の温度で反応を行うのが好ましい。 【0009】 次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。 【実施例】 実施例1 先ず、脱アセチル化度82%の脱アセチル化キチン9gをイオン交換水120
g中に分散した。次にこれにプロピレンオキサイド4.5gを加えて、撹拌しな
がら1時間30分かけて85.5℃まで加温した。この状態で反応を3時間続け
た後、液温が94.5℃になったところで一旦室温まで冷却した。これに更にプ
ロピレンオキサイド4.5gを加えた後、更に沸点で2時間反応を行った。 反応終了後、冷却静置し、上澄み液をデカントした。次に、大過剰のイソプロ
ピルアルコールを加えて撹拌し濾過した後、更にイソプロピルアルコールで濾過
物を洗浄した。 これを50℃にて乾燥後、目的のヒドロキシプロピル化脱アセチル化キチン 12gを得た。 このものはそのままでは水に不溶性であるが、少量の酢酸を加えることにより
溶解し、その後は水酸化ナトリウムによって中和しても析出することなく均一な
水溶液の状態を保持した。 【0010】 実施例2 先ず、脱アセチル化度70%の脱アセチル化キチン9gをイオン交換水120
gに分散した。次にこれにプロピレンオキサイド9gを加え、撹拌しながら1時
間30分かけて65.0℃まで加温した。この状態で反応を5時間続けた後、液
温が82℃になったところで一旦室温まで冷却した。これに更にプロピレンオキ
サイド9gを加えた後、更に56℃で4時間反応を行った。 反応終了後、冷却静置し、上澄み液をデカントした。次に、大過剰のイソプロ
ピルアルコールを加えて撹拌し濾過した後、更にイソプロピルアルコールで濾過
物を洗浄した。 これを50℃にて乾燥後、目的のヒドロキシプロピル化脱アセチル化キチン1
3gを得た。 このものはそのままでは水に不溶性であるが、少量の酢酸を加えることによっ
て溶解し、その後は水酸化ナトリウムによって中和しても析出することなく均一
な水溶液の状態を保持した。 【0011】 実施例3 先ず、脱アセチル化度82%の脱アセチル化キチン9gをイオン交換水120
gに分散した。次にこれにプロピレンオキサイド12gを加え、撹拌しながら1
時間30分かけて57℃まで加温した。この状態で反応を5時間続け、液温が8
4℃になったところで一旦室温まで冷却した。これに更にプロピレンオキサイド
12gを加えた後、更に沸点で7時間反応を行った。冷却後、プロピレンオキサ
イドを更に13gを加え、更に沸点で7時間反応を行った。この間に脱アセチル
化キチンが膨潤を始め、反応系の粘度が著しく増大した。 更にプロピレンオキサイド11gを加え、沸点で7時間反応を行ったところ、 大部分のヒドロキシプロピル化脱アセチル化キチンは反応系中に溶解した。反応
液をグラスフィルターにて濾過して少量の不溶解物を除き、目的のヒドロキシプ
ロピル化脱アセチル化キチン水溶液を得た。 【0012】 【発明の効果】 以上の通り本発明によれば、圧力容器、有機溶剤、強アルカリ触媒を必要とせ
ず、火災に対する危険性或は製品への溶剤の残留の問題がなく、又、触媒除去の
多大な労力を要せずに、水を反応媒体とし、常圧下、無触媒下で反応して簡便に
ヒドロキシプロピル化脱アセチル化キチンを製造出来る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 脱アセチル化キチンを水を反応媒体とし、常圧下、無触媒で
    ロピレンオキサイドを用いてヒドロキシプロピル化するに際し、プロピレンオキ
    サイドを少なくとも2段階で反応させることを特徴とするヒドロキシプロピル化
    脱アセチル化キチンの製造方法。

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