JP2619247B2 - 保香性能に優れた性質を有する積層材 - Google Patents
保香性能に優れた性質を有する積層材Info
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Description
【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、各種の包装袋や容器等の製造に使用される
積層材に関するものである。
積層材に関するものである。
［従来の技術］ 各種液状の飲食品，茶葉，香辛料等を収容する容器の
容器胴部，容器底材，容器蓋材をはじめ包装袋等に使用
される従来の積層材は、該積層材によって得られる包装
体内の内填物と接する側となる内表面層がポリオレフィ
ン系樹脂層で構成されており、これらのポリオレフィン
系樹脂層による熱接着性能を利用して、各種形状の容器
や包装袋に成形されるのが一般的な構造である。
容器胴部，容器底材，容器蓋材をはじめ包装袋等に使用
される従来の積層材は、該積層材によって得られる包装
体内の内填物と接する側となる内表面層がポリオレフィ
ン系樹脂層で構成されており、これらのポリオレフィン
系樹脂層による熱接着性能を利用して、各種形状の容器
や包装袋に成形されるのが一般的な構造である。
［発明が解決しようとする問題点］ ところで、前記従来の内表面層がポリオレフィン系樹
脂層で構成されている積層材を、例えば、容器胴部，容
器底材，容器蓋材等として使用した容器や包装袋は、前
記積層材を得る際のポリオレフィン系樹脂層の形成時や
該積層材による容器や包装袋の成形時に、ポリオレフィ
ン系樹脂が熱分解を受けて脂肪族炭化水素等の揮発性成
分を生成することとなり、この揮発性成分が容器や包装
袋内に収容されている内填物内に移行して内填物に変味
や異臭が発生するという弊害を有するばかりでなく、前
記積層材におけるポリオレフィン系樹脂層が内填物中の
着香成分を吸着し易かったりあるいは透過し易かったり
するため、内填物の風味が変化して損なわれ易いという
欠点をも有する。
脂層で構成されている積層材を、例えば、容器胴部，容
器底材，容器蓋材等として使用した容器や包装袋は、前
記積層材を得る際のポリオレフィン系樹脂層の形成時や
該積層材による容器や包装袋の成形時に、ポリオレフィ
ン系樹脂が熱分解を受けて脂肪族炭化水素等の揮発性成
分を生成することとなり、この揮発性成分が容器や包装
袋内に収容されている内填物内に移行して内填物に変味
や異臭が発生するという弊害を有するばかりでなく、前
記積層材におけるポリオレフィン系樹脂層が内填物中の
着香成分を吸着し易かったりあるいは透過し易かったり
するため、内填物の風味が変化して損なわれ易いという
欠点をも有する。
積層材におけるる前記ポリオレフィン系樹脂層の有す
る前述の欠点を改善するために、揮発性物質の発生が少
なく、しかも保香性能の良好なポリエチレンテレフタレ
ート樹脂層が内面層となるようにして積層されている積
層材が提案されているが、ポリエチレンテレフタレート
樹脂層の単独層では、熱封着強度および衝撃強度が弱
く、実用化が困難であった。
る前述の欠点を改善するために、揮発性物質の発生が少
なく、しかも保香性能の良好なポリエチレンテレフタレ
ート樹脂層が内面層となるようにして積層されている積
層材が提案されているが、ポリエチレンテレフタレート
樹脂層の単独層では、熱封着強度および衝撃強度が弱
く、実用化が困難であった。
また、特開昭60−48344号公報には、ヒートシール層
としてポリオレフィン系樹脂層が積層されているポリエ
ステルフィルムを用いることにより、耐衝撃性が向上す
る旨が記載されているが、ポリオレフィン系樹脂層とポ
リエステルフィルムとの間の接着強度が不十分なため、
十分な効果が得られていないのが実情である。
としてポリオレフィン系樹脂層が積層されているポリエ
ステルフィルムを用いることにより、耐衝撃性が向上す
る旨が記載されているが、ポリオレフィン系樹脂層とポ
リエステルフィルムとの間の接着強度が不十分なため、
十分な効果が得られていないのが実情である。
更にまた本出願人は、先に、40℃以上のガラス転移温
度を有している線状飽和ポリエステル樹脂による第１の
樹脂層と、引っ張り弾性率が10000Kg/cm2以下の線状飽
和ポリエステル樹脂による第２の樹脂層との積層樹脂層
をヒートシール層として積層した積層材を提案したが、
前記ヒートシール層における引っ張り弾性率が10000Kg/
cm2以下の線状飽和ポリエステル樹脂層は、該層を得る
際の製膜原料の滑り性が悪く、製膜時において粘着が発
生したり、得られるフィルムの皺が発生したりするた
め、整然とした状態のヒートシール層が得られないとい
う欠点を有している。
度を有している線状飽和ポリエステル樹脂による第１の
樹脂層と、引っ張り弾性率が10000Kg/cm2以下の線状飽
和ポリエステル樹脂による第２の樹脂層との積層樹脂層
をヒートシール層として積層した積層材を提案したが、
前記ヒートシール層における引っ張り弾性率が10000Kg/
cm2以下の線状飽和ポリエステル樹脂層は、該層を得る
際の製膜原料の滑り性が悪く、製膜時において粘着が発
生したり、得られるフィルムの皺が発生したりするた
め、整然とした状態のヒートシール層が得られないとい
う欠点を有している。
これに対して、本各発明は、前記した各積層材の有す
る欠点を悉く解消するもので、積層材によって得られる
容器や包装袋内の内填物の保香性能が良く、内填物に変
味や異臭が発生するようなことが無く、かつ、従来の前
記積層材に適用される熱圧接着成形と全く同様の成形手
段によって、すなわち積層材中の樹脂層が具備する熱接
着能を利用する成形手段によって、十分な熱接着強度を
有する各種容器や包装袋等に成形され得る性質を有する
積層材を提供するものである。
る欠点を悉く解消するもので、積層材によって得られる
容器や包装袋内の内填物の保香性能が良く、内填物に変
味や異臭が発生するようなことが無く、かつ、従来の前
記積層材に適用される熱圧接着成形と全く同様の成形手
段によって、すなわち積層材中の樹脂層が具備する熱接
着能を利用する成形手段によって、十分な熱接着強度を
有する各種容器や包装袋等に成形され得る性質を有する
積層材を提供するものである。
［問題点を解決するための手段］ 本第１の発明の保香性能に優れた性質を有する積層材
は、40℃以上のガラス転移温度を有している線状飽和ポ
リエステル樹脂による第１の樹脂層と、引っ張り弾性率
が10000Kg/cm2以下の線状飽和ポリエステル樹脂による
第２の樹脂層と、40℃以上のガラス転移温度を有してい
る線状飽和ポリエステル樹脂による第３の樹脂層とが、
前記第２の樹脂層が中芯層となるようにして積層されて
いる３層の共押し出し積層樹脂シートからなるものであ
る。
は、40℃以上のガラス転移温度を有している線状飽和ポ
リエステル樹脂による第１の樹脂層と、引っ張り弾性率
が10000Kg/cm2以下の線状飽和ポリエステル樹脂による
第２の樹脂層と、40℃以上のガラス転移温度を有してい
る線状飽和ポリエステル樹脂による第３の樹脂層とが、
前記第２の樹脂層が中芯層となるようにして積層されて
いる３層の共押し出し積層樹脂シートからなるものであ
る。
また、本第２の発明の保香性能に優れた性質を有する
積層材は、40℃以上のガラス転移温度を有している線状
飽和ポリエステル樹脂による第１の樹脂層と、引っ張り
弾性率が10000Kg/cm2以下の線状飽和ポリエステル樹脂
による第２の樹脂層と、40℃以上のガラス転移温度を有
している線状飽和ポリエステル樹脂による第３の樹脂層
とが、前記第２の樹脂層が中芯層となるようにして積層
されている３層の共押し出し積層樹脂シートと、別製の
包装材用基材との接着，積層シートからなるものであ
る。
積層材は、40℃以上のガラス転移温度を有している線状
飽和ポリエステル樹脂による第１の樹脂層と、引っ張り
弾性率が10000Kg/cm2以下の線状飽和ポリエステル樹脂
による第２の樹脂層と、40℃以上のガラス転移温度を有
している線状飽和ポリエステル樹脂による第３の樹脂層
とが、前記第２の樹脂層が中芯層となるようにして積層
されている３層の共押し出し積層樹脂シートと、別製の
包装材用基材との接着，積層シートからなるものであ
る。
本第１の発明の積層材における両表面層をなす40℃以
上のガラス転移温度を有している線状飽和ポリエステル
樹脂による樹脂層と、本第２の発明の積層材における積
層樹脂層の表面層をなす40℃以上のガラス転移温度を有
している線状飽和ポリエステル樹脂による樹脂層とは、
線状飽和ポリエステル樹脂によって構成される樹脂層
が、該樹脂層を構成している線状飽和ポリエステル樹脂
のガラス転移温度未満の温度で優れた保香性能を具備す
るものであることと、容器内や包装袋内の内填物は通常
40℃未満の温度雰囲気中に置かれるものであることとの
関係から、前記線状飽和ポリエステル樹脂による樹脂層
に優れた保香性能をもたらしめ得るものである。
上のガラス転移温度を有している線状飽和ポリエステル
樹脂による樹脂層と、本第２の発明の積層材における積
層樹脂層の表面層をなす40℃以上のガラス転移温度を有
している線状飽和ポリエステル樹脂による樹脂層とは、
線状飽和ポリエステル樹脂によって構成される樹脂層
が、該樹脂層を構成している線状飽和ポリエステル樹脂
のガラス転移温度未満の温度で優れた保香性能を具備す
るものであることと、容器内や包装袋内の内填物は通常
40℃未満の温度雰囲気中に置かれるものであることとの
関係から、前記線状飽和ポリエステル樹脂による樹脂層
に優れた保香性能をもたらしめ得るものである。
なお、前記40℃以上のガラス転移温度を有している線
状飽和ポリエステル樹脂による樹脂層には、本各発明の
積層材によって得られる容器や包装袋における熱接着部
に優れた熱接着強度が得られるという関係から、できる
だけ低結晶性の樹脂が使用されていることが好ましい。
状飽和ポリエステル樹脂による樹脂層には、本各発明の
積層材によって得られる容器や包装袋における熱接着部
に優れた熱接着強度が得られるという関係から、できる
だけ低結晶性の樹脂が使用されていることが好ましい。
ガラス転移温度が40℃以上の線状飽和ポリエステル樹
脂層は、例えば、エチレングリコール，プロピレングリ
コール,1,4−ブタジオール,1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール等のアルコール成分と、アジピン酸，セバシン酸
等の脂肪族ジカルボン酸や、テレフタル酸，イソフタル
酸，ジフェニルカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸によ
るジカルボン酸成分、具体的には、エチレングリコール
とテレフタル酸，エチレングリコールとイソフタル酸と
テレフタル酸,1,4−シクロヘキサンジメタノールとイソ
フタル酸とテレフタル酸，プロピレングリコールとイソ
フタル酸とテレフタル酸等の共縮合重合体を利用し得る
が、酸成分中の脂肪族ジカルボン酸成分が10重量％以上
になる共縮合重合体の場合には、この共重合体による飽
和ポリエステル樹脂層はその保香性能が低下する傾向を
有しているので好ましくない。
脂層は、例えば、エチレングリコール，プロピレングリ
コール,1,4−ブタジオール,1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール等のアルコール成分と、アジピン酸，セバシン酸
等の脂肪族ジカルボン酸や、テレフタル酸，イソフタル
酸，ジフェニルカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸によ
るジカルボン酸成分、具体的には、エチレングリコール
とテレフタル酸，エチレングリコールとイソフタル酸と
テレフタル酸,1,4−シクロヘキサンジメタノールとイソ
フタル酸とテレフタル酸，プロピレングリコールとイソ
フタル酸とテレフタル酸等の共縮合重合体を利用し得る
が、酸成分中の脂肪族ジカルボン酸成分が10重量％以上
になる共縮合重合体の場合には、この共重合体による飽
和ポリエステル樹脂層はその保香性能が低下する傾向を
有しているので好ましくない。
本各発明の積層材中の引っ張り弾性率が10000Kg/cm2
以下の線状飽和ポリエステル樹脂は、前述の40℃以上の
ガラス転移温度を有している線状飽和ポリエステル樹脂
と同種類の線状飽和ポリエステル樹脂が使用され得る
が、線状飽和ポリエステル樹脂の引っ張り弾性率を低下
させるために、酸成分として樹脂族ジカルボン酸を使用
したり、炭素数の大きいグリコール成分を利用する等し
て得られる引っ張り弾性率が10000Kg/cm2以下の線状飽
和ポリエステル樹脂が使用される。
以下の線状飽和ポリエステル樹脂は、前述の40℃以上の
ガラス転移温度を有している線状飽和ポリエステル樹脂
と同種類の線状飽和ポリエステル樹脂が使用され得る
が、線状飽和ポリエステル樹脂の引っ張り弾性率を低下
させるために、酸成分として樹脂族ジカルボン酸を使用
したり、炭素数の大きいグリコール成分を利用する等し
て得られる引っ張り弾性率が10000Kg/cm2以下の線状飽
和ポリエステル樹脂が使用される。
本第２の発明の積層材においては、前記40℃以上のガ
ラス転移温度を有している線状飽和ポリエステル樹脂に
よる第１の樹脂層と、引っ張り弾性率が10000Kg/cm2以
下の線状飽和ポリエステル樹脂による第２の樹脂層と、
40℃以上のガラス転移温度を有している線状飽和ポリエ
ステル樹脂による第３の樹脂層とが、前記第２の樹脂層
が中芯層となるようにして積層されている共押し出し積
層シートからなる積層樹脂層が、包装材用基材に対して
接着，積層されているものであり、例えば、ポリエチレ
ン樹脂やイソシアネート系接着剤等によって接着される
のが一般的である。なお、前記共押し出し積層シートか
らなる積層樹脂層が積層される包装材用基材は、本第２
の発明の積層材が、例えば、スタンドパウチ等の軟包装
容器用の用材として利用される場合には、一般的に、Al
箔と二軸延伸ポリエステルフィルムと二軸延伸ポリプロ
ピレンフィルム等との積層シートが使用され、また、ゲ
ーベルトップ型紙容器やブリック型紙容器等の容器用積
層材にする場合には、一般的に、Al箔，紙層，ポリオレ
フィン系樹脂層等で構成されている積層シートが利用さ
れる。
ラス転移温度を有している線状飽和ポリエステル樹脂に
よる第１の樹脂層と、引っ張り弾性率が10000Kg/cm2以
下の線状飽和ポリエステル樹脂による第２の樹脂層と、
40℃以上のガラス転移温度を有している線状飽和ポリエ
ステル樹脂による第３の樹脂層とが、前記第２の樹脂層
が中芯層となるようにして積層されている共押し出し積
層シートからなる積層樹脂層が、包装材用基材に対して
接着，積層されているものであり、例えば、ポリエチレ
ン樹脂やイソシアネート系接着剤等によって接着される
のが一般的である。なお、前記共押し出し積層シートか
らなる積層樹脂層が積層される包装材用基材は、本第２
の発明の積層材が、例えば、スタンドパウチ等の軟包装
容器用の用材として利用される場合には、一般的に、Al
箔と二軸延伸ポリエステルフィルムと二軸延伸ポリプロ
ピレンフィルム等との積層シートが使用され、また、ゲ
ーベルトップ型紙容器やブリック型紙容器等の容器用積
層材にする場合には、一般的に、Al箔，紙層，ポリオレ
フィン系樹脂層等で構成されている積層シートが利用さ
れる。
［発明の作用，効果］ 本第１の発明の保香性能に優れた性質を有する積層材
は、40℃以上のガラス転移温度を有している線状飽和ポ
リエステル樹脂による第１の樹脂層と、引っ張り弾性率
が10000Kg/cm2以下の線状飽和ポリエステル樹脂による
第２の樹脂層と、40℃以上のガラス転移温度を有してい
る線状飽和ポリエステル樹脂による第３の樹脂層とで構
成され、前記第２の樹脂層が中芯層となるようにして積
層されている共押し出し積層樹脂シートからなるもので
あり、また、本第２の発明の保香性能に優れた性質を有
する積層材は、40℃以上のガラス転移温度を有している
線状飽和ポリエステル樹脂による第１の樹脂層と、引っ
張り弾性率が10000Kg/cm2以下の線状飽和ポリエステル
樹脂による第２の樹脂層と、40℃以上のガラス転移温度
を有している線状飽和ポリエステル樹脂による第３の樹
脂層とで構成されており、前記第２の樹脂層が中芯層と
なるようにして積層されている共押し出し積層樹脂シー
トが、別製の包装材用基材に接着されている積層シート
からなるものである。
は、40℃以上のガラス転移温度を有している線状飽和ポ
リエステル樹脂による第１の樹脂層と、引っ張り弾性率
が10000Kg/cm2以下の線状飽和ポリエステル樹脂による
第２の樹脂層と、40℃以上のガラス転移温度を有してい
る線状飽和ポリエステル樹脂による第３の樹脂層とで構
成され、前記第２の樹脂層が中芯層となるようにして積
層されている共押し出し積層樹脂シートからなるもので
あり、また、本第２の発明の保香性能に優れた性質を有
する積層材は、40℃以上のガラス転移温度を有している
線状飽和ポリエステル樹脂による第１の樹脂層と、引っ
張り弾性率が10000Kg/cm2以下の線状飽和ポリエステル
樹脂による第２の樹脂層と、40℃以上のガラス転移温度
を有している線状飽和ポリエステル樹脂による第３の樹
脂層とで構成されており、前記第２の樹脂層が中芯層と
なるようにして積層されている共押し出し積層樹脂シー
トが、別製の包装材用基材に接着されている積層シート
からなるものである。
然して前記本各発明の積層シートにおいては、該積層
シートを包装用材とする包装袋や容器において、内填物
と接する面即ち内面層が40℃以上のガラス転移温度を有
している線状飽和ポリエステル樹脂による樹脂層で構成
されるものであるから、内填物が有する芳香が包装用材
に吸収されるようなことがなく、従って、内填物の味や
香りの変化が効果的に阻止され、優れた保香性能が奏さ
れるものである。
シートを包装用材とする包装袋や容器において、内填物
と接する面即ち内面層が40℃以上のガラス転移温度を有
している線状飽和ポリエステル樹脂による樹脂層で構成
されるものであるから、内填物が有する芳香が包装用材
に吸収されるようなことがなく、従って、内填物の味や
香りの変化が効果的に阻止され、優れた保香性能が奏さ
れるものである。
また、本各発明の積層シートにおいては、該積層シー
トを包装用材とする包装袋や容器において、内填物と接
する面即ち内面層を構成している40℃以上のガラス転移
温度を有している線状飽和ポリエステル樹脂による樹脂
層と接して、引っ張り弾性率が10000Kg/cm2以下の線状
飽和ポリエステル樹脂による第２の樹脂層が存在するも
のであるから、該第２の樹脂層の奏する柔軟性によっ
て、前記包装用材に加わる衝撃が効果的に吸収されるた
め、結果的に、耐衝撃性に対して優れた性質を有する熱
溶着部を有する包装袋や容器が得られるものである。
トを包装用材とする包装袋や容器において、内填物と接
する面即ち内面層を構成している40℃以上のガラス転移
温度を有している線状飽和ポリエステル樹脂による樹脂
層と接して、引っ張り弾性率が10000Kg/cm2以下の線状
飽和ポリエステル樹脂による第２の樹脂層が存在するも
のであるから、該第２の樹脂層の奏する柔軟性によっ
て、前記包装用材に加わる衝撃が効果的に吸収されるた
め、結果的に、耐衝撃性に対して優れた性質を有する熱
溶着部を有する包装袋や容器が得られるものである。
更に本各発明の積層シートにおいては、40℃以上のガ
ラス転移温度を有している線状飽和ポリエステル樹脂に
よる第１の樹脂層と、引っ張り弾性率が10000Kg/cm2以
下の線状飽和ポリエステル樹脂による第２の樹脂層と、
40℃以上のガラス転移温度を有している線状飽和ポリエ
ステル樹脂による第３の樹脂層とで構成され、前記第２
の樹脂層が中芯層となるようにして積層されている共押
し出し積層シートを使用するものであるが、前記40℃以
上のガラス転移温度を有している線状飽和ポリエステル
樹脂による樹脂層と、引っ張り弾性率が10000Kg/cm2以
下の線状飽和ポリエステル樹脂による樹脂層とは、相互
の間の接着性能が良く、前述の保香性能と耐衝撃性に対
して優れた性質を有する熱溶着部との作用が相乗して効
果的に奏されるものである。
ラス転移温度を有している線状飽和ポリエステル樹脂に
よる第１の樹脂層と、引っ張り弾性率が10000Kg/cm2以
下の線状飽和ポリエステル樹脂による第２の樹脂層と、
40℃以上のガラス転移温度を有している線状飽和ポリエ
ステル樹脂による第３の樹脂層とで構成され、前記第２
の樹脂層が中芯層となるようにして積層されている共押
し出し積層シートを使用するものであるが、前記40℃以
上のガラス転移温度を有している線状飽和ポリエステル
樹脂による樹脂層と、引っ張り弾性率が10000Kg/cm2以
下の線状飽和ポリエステル樹脂による樹脂層とは、相互
の間の接着性能が良く、前述の保香性能と耐衝撃性に対
して優れた性質を有する熱溶着部との作用が相乗して効
果的に奏されるものである。
また、本各発明の積層シートにおいて利用されている
前記第１の樹脂層と第２の樹脂層と第３の樹脂層とから
なる積層シートは、共押し出し成形による積層シートで
あるから、前記引っ張り弾性率が10000Kg/cm2以下の線
状飽和ポリエステル樹脂を単体シートとして得る際や、
該層が表面に露出している積層シートを得る際等におけ
る、製膜原料の滑り性が悪く、製膜時において粘着が発
生したり、得られるフィルムに皺が発生したり等のこと
が無く、整然とした状態の積層材が得られるものであ
る。
前記第１の樹脂層と第２の樹脂層と第３の樹脂層とから
なる積層シートは、共押し出し成形による積層シートで
あるから、前記引っ張り弾性率が10000Kg/cm2以下の線
状飽和ポリエステル樹脂を単体シートとして得る際や、
該層が表面に露出している積層シートを得る際等におけ
る、製膜原料の滑り性が悪く、製膜時において粘着が発
生したり、得られるフィルムに皺が発生したり等のこと
が無く、整然とした状態の積層材が得られるものであ
る。
［実施例］ 以下、本発明の保香性能に優れた性質を有する積層材
の具体的な構成を図示実施例を以って説明する。
の具体的な構成を図示実施例を以って説明する。
実施例１ 第１図において符号１で表示される本発明の保香性能
に優れた性質を有する積層材の１実施例品は、170mm×1
30mmの４方シールパウチ用の包装用材であり、厚さ12μ
ｍの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム２と
厚さ９μｍのAl箔３との積層体からなる包装材用基材４
と、該包装材用基材４に対してイソシアネート系接着剤
による接着剤層５を介して積層されている積層樹脂シー
ト６とからなるものである。
に優れた性質を有する積層材の１実施例品は、170mm×1
30mmの４方シールパウチ用の包装用材であり、厚さ12μ
ｍの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム２と
厚さ９μｍのAl箔３との積層体からなる包装材用基材４
と、該包装材用基材４に対してイソシアネート系接着剤
による接着剤層５を介して積層されている積層樹脂シー
ト６とからなるものである。
なお、前記積層樹脂シート６は、ガラス転移温度81℃
の線状飽和ポリエステル樹脂［イーストマンコダック
（株）製,PET G 6763］による厚さ10μｍの第１の樹脂
層７と、引っ張り弾性率が2000Kg/cm2の線状飽和ポリエ
ステル樹脂［東洋紡績（株）製，バイロンGM−900］に
よる厚さ60μｍの第２の樹脂層８と、前記第１の樹脂層
７と同一の樹脂による厚さ10μｍの第３の樹脂層９とで
構成されているもので、共押し出しＴダイ成形法によっ
て得られたものである。
の線状飽和ポリエステル樹脂［イーストマンコダック
（株）製,PET G 6763］による厚さ10μｍの第１の樹脂
層７と、引っ張り弾性率が2000Kg/cm2の線状飽和ポリエ
ステル樹脂［東洋紡績（株）製，バイロンGM−900］に
よる厚さ60μｍの第２の樹脂層８と、前記第１の樹脂層
７と同一の樹脂による厚さ10μｍの第３の樹脂層９とで
構成されているもので、共押し出しＴダイ成形法によっ
て得られたものである。
比較例１ 厚さ12μの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム層と厚さ９μのAl箔との積層シートからなる包装材
用基材に対して、該基材のAl箔面に、イソシアネート系
接着剤を利用して、エチレン−ペンテン・１共重合体
［三井石油化学（株）製：ウルトゼックス2021 L］によ
る厚さ70μのポリオレフィン系樹脂層を形成することに
より、比較のための積層材［Ａ］を得た。
ルム層と厚さ９μのAl箔との積層シートからなる包装材
用基材に対して、該基材のAl箔面に、イソシアネート系
接着剤を利用して、エチレン−ペンテン・１共重合体
［三井石油化学（株）製：ウルトゼックス2021 L］によ
る厚さ70μのポリオレフィン系樹脂層を形成することに
より、比較のための積層材［Ａ］を得た。
比較例２ 実施例１で利用した包装材用基材４と同一構成の包装
材用基材に対して、該基材のAl箔面に、イソシアネート
系接着剤を利用して、ガラス転移温度81℃の線状飽和ポ
リエステル樹脂［イーストマンコダック（株）製:PET G
6763］による厚さ70μのポリエステル樹脂層を形成す
ることにより、比較のための積層材［Ｂ］を得た。
材用基材に対して、該基材のAl箔面に、イソシアネート
系接着剤を利用して、ガラス転移温度81℃の線状飽和ポ
リエステル樹脂［イーストマンコダック（株）製:PET G
6763］による厚さ70μのポリエステル樹脂層を形成す
ることにより、比較のための積層材［Ｂ］を得た。
比較例３ 引っ張り弾性率2000Kg/cm2の線状飽和ポリエステル樹
脂による厚さ70μｍの樹脂層と、ガラス転移温度81℃の
線状飽和ポリエステル樹脂による厚さ10μｍの樹脂層と
からなる積層樹脂シートを、共押し出しＴダイ成形法に
よって成形し、これをロールに巻き取ったところ、巻き
取りシートの表面と裏面との間のブロッキング現象が激
しく、前記巻き取りシートの巻き戻しが不可能であっ
た。
脂による厚さ70μｍの樹脂層と、ガラス転移温度81℃の
線状飽和ポリエステル樹脂による厚さ10μｍの樹脂層と
からなる積層樹脂シートを、共押し出しＴダイ成形法に
よって成形し、これをロールに巻き取ったところ、巻き
取りシートの表面と裏面との間のブロッキング現象が激
しく、前記巻き取りシートの巻き戻しが不可能であっ
た。
［実験］ 前記した本発明の積層材の実施例品および比較のため
の積層材［Ａ］，［Ｂ］のそれぞれを使用して、内部に
オレンジジュース200mlが内填されている170mm×130mm
の密封包装袋を、各積層材の包装材用基材面が外側表面
となるようにして作製した。なお、密封包装袋は、袋の
内周面層同士をヒートシールによって接着したもので、
積層材の四周縁辺を前記ヒートシールすることによって
得られたものである。
の積層材［Ａ］，［Ｂ］のそれぞれを使用して、内部に
オレンジジュース200mlが内填されている170mm×130mm
の密封包装袋を、各積層材の包装材用基材面が外側表面
となるようにして作製した。なお、密封包装袋は、袋の
内周面層同士をヒートシールによって接着したもので、
積層材の四周縁辺を前記ヒートシールすることによって
得られたものである。
前記オレンジジュースが内填されている各密封包装袋
を1.2mの高さから床に落下させた際に、該密封袋に発生
する損傷の程度によって、前記密封包装袋の耐衝撃性を
調査し、また、各密封袋を40℃の雰囲気中に１週間放置
した後に開封し、内部のオレンジジュースの風味の官能
テストを実施することにより、内填物であるオレンジジ
ュース中に保持されている揮発性成分の有，無を調査
し、前記各密封包装袋の保香性能を比較した。
を1.2mの高さから床に落下させた際に、該密封袋に発生
する損傷の程度によって、前記密封包装袋の耐衝撃性を
調査し、また、各密封袋を40℃の雰囲気中に１週間放置
した後に開封し、内部のオレンジジュースの風味の官能
テストを実施することにより、内填物であるオレンジジ
ュース中に保持されている揮発性成分の有，無を調査
し、前記各密封包装袋の保香性能を比較した。
結果を第１表に表示する。
図は本発明の保香性能に優れた性質を有する積層材の１
実施例品を模型的に示す断面図である。 1:保香性能に優れた性質を有する積層材、4:包装材用基
材、6:共押し出し積層樹脂シート、7:40℃以上のガラス
転移温度を有している線状飽和ポリエステル樹脂による
第１の樹脂層、8:引っ張り弾性率が10000Kg/cm2以下の
線状飽和ポリエステル樹脂による第２の樹脂層、9:40℃
以上のガラス転移温度を有している線状飽和ポリエステ
ル樹脂による第３の樹脂層。
実施例品を模型的に示す断面図である。 1:保香性能に優れた性質を有する積層材、4:包装材用基
材、6:共押し出し積層樹脂シート、7:40℃以上のガラス
転移温度を有している線状飽和ポリエステル樹脂による
第１の樹脂層、8:引っ張り弾性率が10000Kg/cm2以下の
線状飽和ポリエステル樹脂による第２の樹脂層、9:40℃
以上のガラス転移温度を有している線状飽和ポリエステ
ル樹脂による第３の樹脂層。
Claims (2)
- 【請求項１】40℃以上のガラス転移温度を有している線
状飽和ポリエステル樹脂による第１の樹脂層と、引っ張
り弾性率が10000Kg/cm2以下の線状飽和ポリエステル樹
脂による第２の樹脂層と、40℃以上のガラス転移温度を
有している線状飽和ポリエステル樹脂による第３の樹脂
層とが、前記第２の樹脂層が中芯層となるようにして積
層されている共押し出し積層樹脂シートからなることを
特徴とする保香性能に優れた性質を有する積層材。 - 【請求項２】40℃以上のガラス転移温度を有している線
状飽和ポリエステル樹脂による第１の樹脂層と、引っ張
り弾性率が10000Kg/cm2以下の線状飽和ポリエステル樹
脂による第２の樹脂層と、40℃以上のガラス転移温度を
有している線状飽和ポリエステル樹脂による第３の樹脂
層とが、前記第２の樹脂層が中芯層となるようにして積
層されている共押し出し積層樹脂シートと、包装材用基
材との接着，積層シートからなることを特徴とする保香
性能に優れた性質を有する積層材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62238177A JP2619247B2 (ja) | 1987-09-22 | 1987-09-22 | 保香性能に優れた性質を有する積層材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62238177A JP2619247B2 (ja) | 1987-09-22 | 1987-09-22 | 保香性能に優れた性質を有する積層材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6480528A JPS6480528A (en) | 1989-03-27 |
| JP2619247B2 true JP2619247B2 (ja) | 1997-06-11 |
Family
ID=17026318
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62238177A Expired - Lifetime JP2619247B2 (ja) | 1987-09-22 | 1987-09-22 | 保香性能に優れた性質を有する積層材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2619247B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1993016864A1 (en) * | 1992-02-25 | 1993-09-02 | Toray Industries, Inc. | Biaxially oriented, laminated polyester film |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS4932983A (ja) * | 1972-07-27 | 1974-03-26 | ||
| JPS5782046A (en) * | 1980-11-12 | 1982-05-22 | Toray Industries | Laminated film |
| US4636442A (en) * | 1985-10-11 | 1987-01-13 | Eastman Kodak Company | Laminated structures of polyethylene terephthalate and elastomeric copolyesterethers |
-
1987
- 1987-09-22 JP JP62238177A patent/JP2619247B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6480528A (en) | 1989-03-27 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
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