JP2787676B2 - 飲食品用紙容器 - Google Patents

飲食品用紙容器

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JP2787676B2 JP33601789A JP33601789A JP2787676B2 JP 2787676 B2 JP2787676 B2 JP 2787676B2 JP 33601789 A JP33601789 A JP 33601789A JP 33601789 A JP33601789 A JP 33601789A JP 2787676 B2 JP2787676 B2 JP 2787676B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、飲食品が封入されている紙容器に関するも
のである。
【従来の技術】
各種の飲料や食品が封入されている紙容器は、容器胴
部を形成する紙容器用包装材や蓋体を構成する蓋体用包
装材における熱溶着能によってその封緘部が形成されて
おり、ポリオレフィン系樹脂による熱溶着能が利用され
得るように、ポリオレフィン系樹脂によるヒートシール
用樹脂層を具備する紙容器用包装材や蓋体用包装材が利
用されている。
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記ポリオレフィン系樹脂によるヒートシ
ール用樹脂層を具備する紙容器用包装材や蓋体用包装材
によって得られた紙容器は、その内周面層がポリオレフ
ィン系樹脂によるヒートシール用樹脂層によって形成さ
れるものであり、これらの包装材となる積層シートを得
る際のポリオレフィン系樹脂層の形成時や、該積層シー
トによる紙容器の封緘工程等において、ポリオレフィン
系樹脂が熱分解を受けて脂肪族炭化水素等の揮発性成分
を生成するため、これが紙容器内の内填物に移行し、内
填物に変味や異臭が発生するという欠点を有している。 また、前記内周面層がポリオレフィン系樹脂によるヒ
ートシール用樹脂層で形成されている容器は、ポリオレ
フィン系樹脂によるヒートシール用樹脂層が容器内に収
容されている内填物中の着香成分を吸着し易く、また、
同時に透過させ易いため、着香成分を含む内填物に対す
る保存性能が十分ではない。 これに対して、本発明は、内填物に対する保香性能に
優れた性質を有し、また、シール部における熱接着強度
に優れた所謂コンポジット容器からなる飲食品用紙容器
を提供する。
【課題を解決するための手段】
本第1の発明の飲食品用紙容器は、略矩形状の紙容器
用積層シートの左,右両側端部における端面同士が接当
され、得られた接当部における内周面に第1の封止用テ
ープが貼着され、また、外周面に第2の封止用テープが
貼着されることによって形成されている筒形状の容器胴
部と、該容器胴部の上,下の両開放口部を封緘する蓋体
とからなるものであって、蓋体は、容器胴部の開放口部
に内接する凹状部と該凹状部の外方へフランジ状に張り
出している周設部とからなる蓋体成形体が容器胴部の
上,下の両開放口部に接当され、該蓋体成形体の裏面
と、容器胴部の開放口部近傍の胴部内周面と胴部端縁部
と胴部外周面とが熱圧接着されることによって、容器胴
部に対して成形,接着されている。 そして、本第1の発明の飲食品用紙容器においては、
前記容器胴部が、ガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜
低結晶性の飽和ポリエステル樹脂層からなる内表面層を
具備する紙容器用積層シートによって、該紙容器用積層
シートにおける前記内表面層が容器内周面層となるよう
にして成形されており、また、蓋体成形体が、ガラス転
移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステ
ル樹脂層による内表面層を具備する蓋体用積層シートに
よって、該蓋体用積層シートにおける内表面層が容器内
周面層すなわち蓋体成形体の裏面層となるようにして成
形されている。 さらに、前述の略矩形状の紙容器用積層シートの左,
右両側端部における端面同士が接当され、得られた接当
部における内周面に貼着されている第1の封止用テープ
が、2軸延伸熱可塑性合成樹脂フィルムによる中芯層と
該中芯層の表,裏に積層されているガラス転移温度が40
℃以上の非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂層と
の積層テープからなっており、また、前記接当部におけ
る外周面に貼着されている第2の封止用テープが、2軸
延伸熱可塑性合成樹脂フィルムによる中芯層と該中芯層
の表,裏に積層されているポリオレフィン系樹脂層との
積層テープで形成されている。 本第2の発明の飲食品用紙容器は、前記本第1の発明
の飲食品用紙容器において、ガラス転移温度が40℃以上
の非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂層が、エチ
レングリコールとテレフタル酸とを主成分とし、エチレ
ングリコールと、テレフタル酸と、エチレングリコール
以外のアルコール及び/又はテレフタル酸以外のカルボ
ン酸との共重合体からなる飽和ポリエステル樹脂で形成
されている。 本第3の発明の飲食品用紙容器は、前記本第2の発明
の飲食品用紙容器において、ガラス転移温度が40℃以上
の非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂層が、酸成
分の1部にイソフタル酸成分を含む飽和ポリエステル樹
脂で形成されている。 本第4の発明の飲食品用紙容器は、前記本第2の発明
または第3の発明の飲食品用紙容器において、ガラス転
移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステ
ル樹脂層が、アルコール成分の1部に1,4−シクロヘキ
サンジメタノールを含む飽和ポリエステル樹脂で形成さ
れている。 本第5の発明の飲食品用紙容器は、前記本第2の発
明,第3の発明,あるいは第4の発明の飲食品用紙容器
において、ガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶
性の飽和ポリエステル樹脂層が、酸成分の1部にトリメ
リット酸を含む、あるいは、アルコール成分の1部にト
リメチロールプロパンを含むか、さらには、これらの両
者を含む飽和ポリエステル樹脂で形成されている。 前記構成からなる本各発明の飲食品用紙容器におい
て、ガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性の飽
和ポリエステル樹脂層は、結晶化度10%以下というよう
な非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂で形成され
ており、例えば、エチレングリコール,プロピレングリ
コール,1,4−シクロヘキサンジメタノール等のジアルコ
ール成分と、アジピン酸,セバシン酸等の脂肪族ジカル
ボン酸、テレフタル酸,イソフタル酸,ジフェニルジカ
ルボン酸等の芳香族ジカルボン酸等によるジカルボン酸
成分とによる共縮合重合によって得られるポリエステル
樹脂、具体的には、エチレングリコールとテレフタル
酸,エチレングリコールとイソフタル酸とテレフタル
酸,1,4−シクロヘキサンジメタノールとエチレングリコ
ールとテレフタル酸,プロピレングリコールとイソフタ
ル酸とテレフタル酸等による組み合わせの共縮合重合体
からなるポリエステル樹脂や、前述のテレフタル酸とエ
チレングリコールとをベース原料としてポリエステル樹
脂を重合する際に、酸成分の1部にトリメリット酸のよ
うな3価のカルボン酸を利用したり、あるいは、アルコ
ール成分の1部にトリメチロールプロパン等の3価のア
ルコールを使用したり、さらには、アルコール成分の1
部と酸成分の1部とに、3価のカルボン酸と3価のアル
コールとを利用したりして得られるポリエステル樹脂で
形成される。 なお、前記ポリエステル樹脂が、酸成分中の脂肪族ジ
カルボン酸成分が10重量%以上になっているようなポリ
エステル樹脂の場合には、該樹脂による樹脂層はその保
香性能が十分ではなくなるので好ましくない。 本発明の飲食品用紙容器において、筒形状の容器胴部
に成形される紙容器用積層シートは、紙容器用基材と該
紙容器用基材に積層されているヒートシール用樹脂層と
からなるものであり、また、蓋体成形体に利用される蓋
体用積層シートは、蓋体用基材と該蓋体用基材に積層さ
れているヒートシール用樹脂層とからなるものであり、
これらの各ヒートシール用樹脂層が、ガラス転移温度が
40℃以上の非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂に
よる単独樹脂層で形成されているか、あるいは、ガラス
転移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性の飽和ポリエス
テル樹脂層からなる内表面層を具備する積層樹脂層で形
成されているものである。 なお、前記ヒートシール用樹脂層が、ガラス転移温度
が40℃以上の非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂
層とその他の熱可塑性合成樹脂層との積層樹脂層で形成
されている場合には、該積層樹脂層における前記内表面
層、すなわち、ガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低
結晶性の飽和ポリエステル樹脂層が、紙容器用基材に対
して最外側面側となるようにして積層される。 すなわち、筒形状の容器胴部に成形される紙容器用積
層シートや蓋体成形体に成形される蓋体用積層シートに
おけるヒートシール用樹脂層の全体あるいは該ヒートシ
ール用樹脂層における内表面層が、ガラス転移温度が40
℃以上の非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂によ
って形成されている。 ガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性の飽和
ポリエステル樹脂層が内表面層となるようにして形成さ
れている積層樹脂層からなるヒートシール用樹脂層の具
体例は、例えば、次のような構成である。 1)ポリエチレン樹脂層/ガラス転移温度が40℃以上の
非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂層 2)カルボキシル基で変性されている接着性ポリエステ
ル樹脂層/ガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶
性の飽和ポリエステル樹脂層との共押し出し積層樹脂層 3)非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂層/接着
性ポリエステル樹脂層/ガラス転移温度が40℃以上の非
晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂層 4)非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂層/1,4−
ブタンジオールとテレフタル酸との共重合体からなる結
晶性のポリブチレンテレフタレート樹脂層/ガラス転移
温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル
樹脂層 5)非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂層/ポリ
カーボネート樹脂層/ガラス転移温度が40℃以上の非晶
性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂層 6)1,4−ブタンジオールとテレフタル酸との共重合体
からなる結晶性のポリブチレンテレフタレート樹脂層/
ガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性の飽和ポ
リエステル樹脂層 7)ポリカーボネート樹脂層/ガラス転移温度が40℃以
上の非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂層 8)ポリエチレン樹脂層/カルボキシル基で変性されて
いる接着性ポリエチレン樹脂層/ガラス転移温度が40℃
以上の非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂層 前述のヒートシール用樹脂層が積層樹脂層からなるも
のの場合には、この積層樹脂層は、共押し出し積層樹脂
層であっても、あるいは、各樹脂層間に接着剤を介在さ
せる接着積層樹脂層であっても良い。 また、ヒートシール用樹脂層におけるガラス転移温度
が40℃以上の非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂
層は、その厚さが5μ未満の場合には安定性が悪くな
り、また、60μを超えるようになる場合には該樹脂層が
硬くなるため、紙容器用積層シートの成形特性が悪くな
る傾向を有するので、通常5〜60μ程度の厚さに形成さ
れる。 ガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性の飽和
ポリエステル樹脂層の単独樹脂層あるいは該飽和ポリエ
ステル樹脂層と他の熱可塑性合成樹脂層との積層樹脂層
からなるヒートシール用樹脂層と、紙容器用基材との積
層構成からなる紙容器用積層シートにおいて、紙容器用
基材には、金属箔や金属蒸着フィルム等による金属層,
厚紙,ポリオレフィン系樹脂層等による積層シートが利
用され、通常は、胴部外側表面層に耐水性と熱溶着性と
が得られるように、外表面層がポリオレフィン系樹脂層
で形成されている紙容器用基材が利用される。 また、ガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性
の飽和ポリエステル樹脂層の単独樹脂層あるいは該飽和
ポリエステル樹脂層と他の熱可塑性合成樹脂層との積層
樹脂層からなるヒートシール用樹脂層と、蓋体用基材と
の積層構成からなる蓋体用積層シートにおいて、蓋体用
基材には、金属箔や金属蒸着フィルム等による金属層,
延伸プラスチックフィルム,熱可塑性合成樹脂層等によ
る積層シートが利用され、通常は、蓋体用積層シートに
冷間成形特性が得られるように、外表面層がポリ塩化ビ
ニル樹脂層で形成されている蓋体用基材が利用される。 なお、前述のガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低
結晶性の飽和ポリエステル樹脂層からなる内表面層を具
備する紙容器用積層シートや、ガラス転移温度が40℃以
上の非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂層からな
る内表面層を具備する蓋体用積層シートにおいて、該積
層シート中にAl箔等による金属層を具備する場合には、
金属層とヒートシール用樹脂層との間に、例えば、延伸
ポリエチレンテレフタレートフィルム,延伸ナイロンフ
ィルム,延伸ポリプロピレンフィルム等による介装フィ
ルムを積層するようにすれば、紙容器の成形工程でのヒ
ートシール工程で、ヒートシール用樹脂層の溶融に伴う
金属層の流れが防止され、金属層の割れに起因する液漏
れの心配のない飲食品用紙容器が得られる。 本発明の飲食品用紙容器の容器胴部に利用される第1
の封止用テープ、すなわち、紙容器用積層シートの左,
右両側端部における端面同士が接当され、得られた接当
部における内周面貼着されている第1の封止用テープ
は、2軸延伸熱可塑性合成樹脂フィルムによる中芯層と
該中芯層の表,裏に積層されているガラス転移温度が40
℃以上の非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂層と
の積層構成からなるものであって、胴部内周面層との間
の接着性が良好であり、また、容器内の内填物に対する
保香性に優れた特性を有する。 また、第2の封止用テープ、すなわち、紙容器用積層
シートの左,右両側端部における端面同士が接当され、
得られた接当部における外周面貼着されている第2の封
止用テープは、2軸延伸熱可塑性合成樹脂フィルムによ
る中芯層と該中芯層の表,裏に積層されているポリオレ
フィン系樹脂層との積層テープからなるものであって、
容器胴部の外周面に対する良好な接着性と強靱性とを有
するものである。
【作用】
前記構成からなる本第1〜第5の各発明の飲食品用紙
容器は、該紙容器における全内周面層、すなわち、内填
物と接触する側の全面が、ガラス転移温度が40℃以上の
非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂層で構成され
ているものであって、この内周面層を構成している樹脂
層が、該樹脂層を構成する飽和ポリエステル樹脂のガラ
ス転移温度未満の温度雰囲気中で優れた保香性能を奏す
るものであり、これと関連して、通常の飲食品用紙容器
は40℃未満の温度雰囲気中に置かれるということとの関
係から、本各発明の飲食品用紙容器はおいては、内填物
に対する優れた保香性能が奏される。 また、本第2〜第5の発明の飲食品用紙容器において
は、紙容器の内周面層をなす樹脂層の主成分であるエチ
レングリコールとテレフタル酸との共重合部分で奏され
る優れた保香性能と、エチレングリコール以外のアルコ
ール成分及び/又はテレフタル酸以外のカルボン酸成分
の共重合部分による耐熱性とが兼備されているものであ
り、例えば、容器内への内填物の充填を熱充填によって
行なう際の加熱等を受けた後においても、内周面層とな
る樹脂層には依然として優れた熱接着性能が得られ、熱
充填による内填物の充填後に形成される紙容器の熱シー
ル部にも、優れた接着強度のシール部が得られる。
【実施例】
以下、本発明の飲食品用紙容器の具体的な構成を実施
例をもって説明する。 実施例1 紙容器用積層シート 第2図において、厚さ12μの2軸延伸ポリエチレンテ
レフタレート樹脂フィルム2と厚さ9μのAl箔3とを、
ウレタン系接着剤でドライラミネートし、続いて、表面
が厚さ15μのポリエチレン樹脂によるコート層4で被覆
されている厚紙(秤量315g/m2)5を、前述のAl箔3と
の間に、厚さ20μのポリエチレン系樹脂[エチレン・メ
タクリル酸のランダム共重合体(ニュークレル0910c:三
井デュポンポリケミカル)]の溶融押し出し樹脂層6を
介装させつつ、積層した。 なお、厚紙5に対するポリエチレン樹脂によるコート
層4の積層工程、および、ポリエチレン系樹脂の溶融押
し出し樹脂層6の積層工程においては、いずれも、合成
樹脂層が積層される厚紙面を予めコロナ放電処理に付し
た。 しかる後に、前述の厚さ12μの2軸延伸ポリエチレン
テレフタレート樹脂フィルム2面に、ガラス転移温度が
81℃の非晶性飽和ポリエステル樹脂(イーストマンコダ
ック社製:PETG 6763)による厚さ50μのフィルム7を、
ウレタン系の接着剤によってドライラミネートし、ガラ
ス転移温度が81℃の非晶性の飽和ポリエステル樹脂層か
らなる内表面層7を具備する紙容器用積層シート8を得
た。 蓋体用積層シート 第3図において、厚さ12μの2軸延伸ポリエチレンテ
レフタレート樹脂フィルム9と厚さ30μのAl箔10とを、
ウレタン系接着剤でドライラミネートし、続いて、厚さ
200μのポリ塩化ビニル樹脂シート11を前述のAl箔10の
表面にドライラミネートし、しかる後に、前述の厚さ12
μの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム
9面に、ガラス転移温度が81℃の非晶性飽和ポリエステ
ル樹脂(イーストマンコダック社製:PETG 6763)による
厚さ50μのフィルム12を、ウレタン系の接着剤によって
ドライラミネートし、ガラス転移温度が81℃の非晶性の
飽和ポリエステル樹脂層からなる内表面層12を具備する
蓋体用積層シート13を得た。 第1の封止用テープ 第4図において、厚さ16μの2軸延伸ポリエチレンテ
レフタレート樹脂フィルムからなる中芯層13の表,裏両
面のそれぞれに、ガラス転移温度が81℃の非晶性飽和ポ
リエステル樹脂(イーストマンコダック社製:PETG 676
3)による厚さ25μのフィルム14,15を、ウレタン系の接
着剤によってドライラミネートし、符号16で表示される
第1の封止用テープを得た。 第2の封止用テープ 第5図において、厚さ16μの2軸延伸ポリエチレンテ
レフタレート樹脂フィルムからなる中芯層17の表,裏両
面のそれぞれに、ポリエチレン樹脂による厚さ25μのフ
ィルム18,19を、ウレタン系の接着剤によってドライラ
ミネートし、符号20で表示される第2の封止用テープを
得た。 筒形状の容器胴部 第6図において、前述の紙容器用積層シート8を裁断
して得られた略矩形状のブランク板21の左,右両側端部
における端面22,23同士を接当し、得られた接当部にお
ける内周面に第1の封止用テープ16を貼着し、また、外
周面に第2の封止用テープ20を貼着することによって、
ブランク板21における非晶性の飽和ポリエステル樹脂層
7が内周面層をなしている断面略円の筒体からなる容器
胴部24を得た。 蓋体成形体 第7図において、前述の蓋体用積層シート13を打ち抜
き成形した円板状の積層シートを冷間成形に付し、その
外周面が前述の容器胴部24の開放口部に内接する寸法の
凹状部25と、該凹状部25の上縁から外方へフランジ状に
張り出している周設部26とからなる蓋体成形体27を得
た。 なお、蓋体成形体27の表面は、蓋体用積層シート13に
おけるポリ塩化ビニル樹脂シート11で構成されている。 容器胴部と蓋体成形体との接着 第8図および第9図において、容器胴部24の上方開放
口部に、蓋体成形体27の凹状部25を嵌入,組み付けして
内接させ、次いで、凹状部25の上縁から外方へフランジ
状に張り出している周設部26を、容器胴部24の上端縁部
28で折曲させ、蓋体成形体27の裏面と、容器胴部24の開
放口部近傍の胴部内周面7と上端縁部28と胴部外周層4
とを、熱圧接着することによって、容器上底部をなす蓋
体30を成形,接着させた。 また、容器胴部24の下方開放口部に対して、前述の方
法をさらに繰り返すことによって、容器胴部24の下端縁
部29に熱圧接着されている容器下底部をなす蓋体31を成
形,接着させ、第1図にて符号1で表示される本発明の
1実施例品たる飲食品用紙容器を得た。 実施例2 前記実施例1で利用した紙容器用積層シート、蓋体用
積層シート、および第1の封止用テープのそれぞれにお
けるガラス転移温度が81℃の非晶性飽和ポリエステル樹
脂(イーストマンコダック社製:PETG 6763)層の代り
に、ガラス転移温度が71℃の低結晶性飽和ポリエステル
樹脂(エチレングリコールとテレフタル酸との合計量:1
87重量部,イソフタル酸:13重量部、結晶化度:3%)に
よる低結晶性飽和ポリエステル樹脂層を形成する以外
は、全て前記実施例1の対応する工程と同一の工程によ
って、本発明の1実施例品たる飲食品用紙容器を得た。 実施例3 前記実施例1で利用した紙容器用積層シート、蓋体用
積層シート、および第1の封止用テープのそれぞれにお
けるガラス転移温度が81℃の非晶性飽和ポリエステル樹
脂(イーストマンコダック社製:PETG 6763)層の代り
に、ガラス転移温度が81℃の非晶性飽和ポリエステル樹
脂(エチレングリコールとテレフタル酸との合計量:16
3.5重量部,1,4−シクロヘキサンジメタノール:35重量
部,トリメリット酸:1.5重量部)による低結晶性飽和ポ
リエステル樹脂層を形成する以外は、全て前記実施例1
と対応する工程と同一の工程によって、本発明の1実施
例品たる飲食品用紙容器を得た。
【発明の効果】
本第1〜第5の発明の飲食品用紙容器は、該紙容器の
内周面層の全てが、ガラス転移温度が40℃以上の非晶性
〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂層で形成されている
ものである。 したがって、本各発明の飲食品用紙容器は、容器内の
内填物と接する全ての層が、40℃以上のガラス転移温度
を有している線状飽和ポリエステル樹脂による樹脂層で
構成されるものであるから、内填物が有する芳香が包装
用材に吸収されるようなことがなく、内填物の味や香り
の変化が効果的に阻止されるものであって、優れた保香
性能が奏される。 また、前記した紙容器の内周面層となる樹脂層は、結
晶化度が10%以下というような非晶性〜低結晶性の飽和
ポリエステル樹脂による樹脂層で形成されているので、
該飲食品用紙容器を成形する際には、この非晶性〜低結
晶性の飽和ポリエステル樹脂層の優れた熱接着性能を利
用し得るので、熱接着強度において優れた熱シール部が
得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の飲食品用紙容器の1実施例品を示す
斜面図、第2図、は容器胴部に成形される紙容器用積層
シートの1例を模型的に示す断面図、第3図は、蓋体成
形体に成形される蓋体用積層シートの1例を模型的に示
す断面図、第4図は、紙容器用積層シートの左,右両側
端部における端面同士の接当部における内周面に貼着さ
れる第1の封止用テープの1例を模型的に示す断面図、
第5図は、前記接当部における外周面に貼着される第2
の封止用テープの1例を模型的に示す断面図、第6図、
は紙容器用積層シートによって得られた容器胴部におけ
る積層シートの左,右両側端部における端面同士の接当
部の状態を示す断面図、第7図は、蓋体用積層シートに
よって成形された蓋体成形体の1例を示す斜面図、第8
図は、容器胴部に対する蓋体成形体の組み付け工程を説
明する斜面図、第9図は、容器胴部に対する蓋体成形体
の組み付け・接着状態を示す要部断面図である。 1……飲食品用紙容器、7……ガラス転移温度が40℃以
上の非晶性飽和ポリエステル樹脂による内表面層、8…
…紙容器用積層シート、12……ガラス転移温度が40℃以
上の非晶性飽和和ポリエステル樹脂による内表面層、13
……蓋体用積層シート、16……第1の封止用テープ、20
……第2の封止用テープ、22……紙容器用積層シートの
左側端部における端面、23……紙容器用積層シートの右
側端部における端面、24……筒形状の容器胴部、27……
蓋体成形体、30……上底蓋体、31……下底蓋体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−308624(JP,A) 特開 平1−279042(JP,A) 特開 平1−257030(JP,A) 実開 平1−164121(JP,U)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】略矩形状の紙容器用積層シートの左,右両
    側端部における端面同士が接当され、得られた接当部に
    おける内周面に第1の封止用テープが貼着され、また、
    外周面に第2の封止用テープが貼着されることによって
    形成されている筒形状の容器胴部と、該容器胴部の上,
    下の両開放口部を封緘する蓋体とからなり、前記蓋体
    が、容器胴部の開放口部に内接する凹状部と該凹状部の
    外方へフランジ状に張り出している周設部とからなる蓋
    体成形体が容器胴部の上,下の両開放口部に接当され、
    該蓋体成形体の裏面と、容器胴部の開放口部近傍の胴部
    内周面と胴部端縁部と胴部外周面とが熱圧接着されるこ
    とによって組み付け・成形されている飲食品用紙容器に
    おいて、前記容器胴部が、ガラス転移温度が40℃以上の
    非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂層からなる内
    表面層を具備する紙容器用積層シートによって、該紙容
    器用積層シートにおける前記内表面層が容器内周面層と
    なるようにして成形されており、また、前記蓋体成形体
    が、ガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性の飽
    和ポリエステル樹脂層からなる内表面層を具備する蓋体
    用積層シートによって、該蓋体用積層シートにおける前
    記内表面層が容器内周面層となるようにして成形されて
    おり、しかも、第1の封止用テープが、2軸延伸熱可塑
    性合成樹脂フィルムによる中芯層と該中芯層の表,裏に
    積層されているガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低
    結晶性の飽和ポリエステル樹脂層との積層テープで形成
    されており、また、第2の封止用テープが、2軸延伸熱
    可塑性合成樹脂フィルムによる中芯層と該中芯層の表,
    裏に積層されているポリオレフィン系樹脂層との積層テ
    ープで形成されていることを特徴とする飲食品用紙容
    器。
  2. 【請求項2】ガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結
    晶性の飽和ポリエステル樹脂が、エチレングリコールと
    テレフタル酸とを主成分とし、エチレングリコール以外
    のアルコール及び/又はテレフタル酸以外のカルボン酸
    との共重合体からなる飽和ポリエステル樹脂である特許
    請求の範囲第1項記載の飲食品用紙容器。
  3. 【請求項3】ガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結
    晶性の飽和ポリエステル樹脂が、イソフタル酸成分を含
    む共重合体からなる飽和ポリエステル樹脂である特許請
    求の範囲第2項記載の飲食品用紙容器。
  4. 【請求項4】ガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結
    晶性の飽和ポリエステル樹脂が、1,4−シクロヘキサン
    ジメタノール成分を含む共重合体からなる飽和ポリエス
    テル樹脂である特許請求の範囲第2項または第3項記載
    の飲食品用紙容器。
  5. 【請求項5】ガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結
    晶性の飽和ポリエステル樹脂が、トリメリット酸成分及
    び/又はトリメチロールプロパン成分を含む共重合体か
    らなる飽和ポリエステル樹脂である特許請求の範囲第2
    項,第3項,あるいは第4項記載の飲食品用紙容器。
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