JP2618430B2 - イソプロペニル基を有するイソブチレン系ポリマーの製法 - Google Patents

イソプロペニル基を有するイソブチレン系ポリマーの製法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は第3級炭素に結合したハロゲン原子(以下、
第3級ハロゲン原子という)を有するイソブチレン系ポ
リマーから、イソプロペニル基を有するイソブチレン系
ポリマーを製造する方法に関する。
[従来の技術・発明が解決しようとする課題] 末端官能性ポリマー、たとえば分子末端にオレフィン
基などを有するポリマーは、光硬化型樹脂、UV硬化型樹
脂、電子線硬化型樹脂、接着剤、改質剤、コーティング
剤、シーリング剤などの原料などとして有用である。
このようなポリマーの一種である末端オルフィン型イ
ソブチレン系ポリマーは、たとえば1,4−ビス(α−ク
ロロイソプロピル)ベンゼン(Cl(CH32C−C6H4−C
(CH32Cl、以下、p−DCCという)を開始剤兼連鎖移
動剤、BCl3を触媒としてイソブチレンをカチオン重合さ
せるイニファー法(米国特許第4276394号明細書)によ
りえられる末端に第3級塩素原子を有するイソブチレン
系ポリマーの脱塩化水素反応(Polymer Bulletin 57
5〜580(1979),Polymer Bulletin 13 435〜439(198
5))により、末端にイソプロペニル基を有するポリマ
ーとして製造されている。
前記脱塩化水素反応は、典型的な炭化水素系ポリマー
の1つで第3級塩素原子を有する親油性の強いイソブチ
レン系ポリマーと、強塩基性物質で親水性が強い水酸化
アルカリ金属やアルカリ金属のアルコラートなどとの反
応であり、従来法ではこれら性質の異なる2つの成分を
それぞれの成分の良溶媒となる溶媒(イソブチレン系ポ
リマーはテトラヒドロフラン(THF)、塩基性物質はTH
F、EtOH、MeOHなど)に溶解させ、これらを混合して実
質的に均一な系で反応させる方法が採用されている。
しかしながらこのような方法では系を実質的に均一に
するのに多量の溶媒を使用する必要があり、反応液量に
比して生成物が少ない、多量の溶媒あるいは混合溶媒を
処理しなければならない、反応溶媒がいずれも親水性で
あるためにイソブチレン系ポリマーと塩基性物質との分
離、精製が複雑であることなどの問題がある。
またそれぞれの成分の良溶媒となる上記のような溶媒
を用い、不均一系でも反応させている例もあるが、脱塩
化水素の反応率が低下したり、反応の選択性がわるいと
いう問題がある。
[課題を解決するための手段] 本発明は前記のごとき従来法における問題を解決する
ためになされたものであり、第1の発明は第3級炭素原
子に結合したハロゲン原子を有するイソブチレン系ポリ
マーと酸吸着能を有する吸着剤とを、親水性溶媒が実質
的に存在しない状態下で不均一系で接触せしめて脱ハロ
ゲン化水素反応を行なわせることを特徴とするイソプロ
ペニル基を有するイソブチレン系ポリマーの製法に関
し、第2の発明は第3級炭素原子に結合したハロゲン原
子を有するイソブチレン系ポリマーと水に実質的に不溶
である酸吸着能を有する吸着剤とを、不均一系で接触せ
しめて脱ハロゲン化水素反応を行なわせることを特徴と
するイソプロペニル基を有するイソブチレン系ポリマー
の製法に関する。
第1の発明および第2の発明を用いると酸吸着能を有
する吸着剤とイソブチレン系ポリマーが均一系で存在し
ないにもかかわらず良好な反応率、反応選択性を保持し
つつ脱ハロゲン化水素反応が進行する。また第1の発明
においては、親水性溶媒が実質的に存在しないのでアル
カリ金属化合物のような水あるいは親水性溶媒に可能な
吸着剤を用いても吸着剤は系内に溶解せず、脱ハロゲン
化水素反応終了後の生成物の分離精製がきわめて容易で
ある。さらに第2の発明においては、水に実質的に不溶
である吸着剤を用いるので親水性溶媒を用いても吸着剤
が溶媒に溶解せず、脱ハロゲン化水素反応終了後の生成
物の分離精製がきわめて容易である。
[実施例] 本発明の第1の発明に用いる第3級炭素原子に結合し
たハロゲン原子(第3級ハロゲン原子)を有するイソブ
チレン系ポリマーとは、イソブチレンを50〜100%(重
量%、以下同様)含有するカチオン重合性モノマーを、
1分子中に炭素原子に結合したハロゲン原子を1個以
上、好ましくは1〜6個、さらに好ましくは1〜4個有
する特定の化合物を開始剤兼連鎖移動剤とし、ルイス酸
を用いて重合溶媒中で重合させることによりえられるハ
ロゲン原子に基づく官能性末端を有するイソブチレン系
ポリマーであって、数平均分子量(n)が500〜20000
0程度、好ましくは500〜50000程度のポリマーである。
前記第3級ハロゲン原子を有するイソブチレン系ポリ
マーの製造方法については、すでに出願済の特願昭61−
148895号、同61−150088号、同62−38778号、同62−387
79号、同62−324932号の各明細書などに記載の方法によ
り製造しうる。
本発明の第1の発明に用いる酸吸着能を有する吸着剤
とは、アルカリ性吸着点を有し、酸、とくにハロゲン化
水素を吸着する能力を有する吸着剤である。
このような酸吸着能を有する吸着剤としては、金属化
合物、たとえば一般式:M−Rn(式中、Mはアルカリ金属
またはアルカリ土類金属、Rは水素原子、水酸基、メル
カプト基、アミノ基、炭素数1〜10の1価のアルコキシ
基またはチオアルコキシ基、nはMがアルカリ金属のと
き1、アルカリ土類金属のとき2となる数)で表わされ
る化合物や、Mg、AlおよびSiの少なくとも1種を主成分
として含有する化合物などがあげられる。
一般式:M−Rnで表わされる化合物の具体例としては、
たとえばCH3ONa、CH3OK、C2H5ONa、C2H5OK、(CH33CO
K、(CH33CONa、C2H5C(CH32ONa、(C2H53COK、
(C2H53CONaなどのアルカリ金属のアルコラート;NaO
H、KOHなどの水酸化アルカリ金属;Ba(OH)、Ca(O
H)、Mg(OH)など水酸化アルカリ土類金属、NaH、
KHなどの水素化アルカリ金属、CaH2などの水酸化アルカ
リ土類金属、CH3SNa、CH3SK、C2H5SNa、C2H5SKなどのア
ルカリ金属のチオラート、NaNH2、KNH2なのアルカリ金
属アミドなどがあげられるが、これらに限定されるもの
ではない。これらのほとんどは水や親水性溶媒に溶解
(反応溶解を含む)する典型的なアルカリ性物質であ
る。
また、Mg、AlおよびSiの少なくとも1種を主成分とし
て含有する化合物の具体例としては、たとえばAl3O3・3
SiO2やAl2O3・9SiO2・xH2Oのごとき組成を有するケイ酸
アルミニウム系吸着剤、Al(OH)やAl(OH)・NaHC
O3のごとき組成を有する水酸化アルミニウム系吸着剤、
2MgO・6SiO2・xH2OやMg2 Si3O8・xH2Oのごとき組成を有
するケイ酸マグネシウム系吸着剤、MgOのごとき組成を
有する酸化マグネシウム系吸着剤、(MgCO34Mg(OH)
・xH2Oのごとき組成を有する炭酸マグネシウム系吸着
剤、Mg6 Al2(OH)16CO3・xH2Oのごとき組成を有する水
酸化アルミニウム・マグネシウム吸着剤、水酸化アルミ
ニウムとアミノアセテートとを組合わせたアルミニウム
・グリシネート系吸着剤などがあげられ、合成品でもよ
く、天然品でもよいが、これらに限定されるわけではな
い。Mg、AlおよびSiの少なくとも1種を主成分として含
有する化合物は水や親水性溶媒に実質的に不溶な吸着剤
である。この水に実質的に不溶である酸吸着能を有する
吸着剤の中には一般に固体酸とよばれ、酸として分類さ
れるばあいがあるものもあるが、このようなものでも本
発明の目的を達成しうる。
前記吸着剤のうちではNaOH、KOHなどのアルカリ金属
水酸化物が入手が容易で安価で脱ハロゲン化水素反応を
行なわせやすいなどの点から好ましく、NaOMe、KOMe、N
aOEt、KOEt、NaOC(Me)2Et、KOC(Me)などのアルカ
リ金属のアルコラートが、比較的入手が容易で、第3級
ハロゲン原子を有するイソブチレン系ポリマーに分散さ
れやすく、ケイ酸アルミニウム系吸着剤、水酸化アルミ
ニウム系吸着剤、炭酸マグネシウム系吸着剤、水酸化ア
ルミニウム・マグネシウム系吸着剤などの水に実質的に
不溶である酸吸着能を有する吸着剤が、第3級ハロゲン
原子を有するイソブチレン系ポリマーと室温で接触させ
るだけというようなマイルドな条件でもほぼ完全に脱ハ
ロゲン化水素反応を行なわせることができるなどの点か
ら好ましい。
前記酸吸着能を有する吸着剤は単独で用いてもよく、
2種以上併用てもよい。
脱ハロゲン化水素反応を行なう際の酸吸着能を有する
吸着剤の使用量は各吸着剤の酸吸着能などによっても異
なるが、通常、第3級ハロゲン原子1当量に対して1当
量以上、好ましくは1〜5当量程度あればほぼ定量的に
脱ハロゲン化水素反応を行なわせることができる。
本発明の第1の発明において、第3級ハロゲン原子を
有するイソブチレン系ポリマーと前記酸吸着能を有する
吸着剤と不均一系で接触させるとは、第3級ハロゲン原
子を有するイソブチレン系ポリマーと固体である酸吸着
能を有する吸着剤(前記イソブチレン系ポリマーと混合
したときに固体になるものを含む)とを混合させ、固−
液系で接触させることを意味し、接触させることにより
脱ハロゲン化水素反応がおこる。それゆえ、効率的に脱
ハロゲン化水素反応を行なわせるためには、充分接触さ
せることが必要であり、したがって酸吸着能を有する吸
着剤は後処理時などに問題が生じないかぎり細かく粉砕
して用いることが好ましく、また反応に際しては撹拌を
充分行なうことが好ましい。それゆえ、酸吸着能を有す
る吸着剤はたとえば0.01〜2000μ程度、さらには1〜50
0μ程度の粒径のものとして用いるのが、第3級ハロゲ
ン原子を有するイソブチレン系ポリマーと接触面積が大
きくなり、一様に分散しやすくなり、脱ハロゲン化水素
反応させやすい、反応の終了後の分離を行ないやすいな
どの点から好ましい。
たとえばアルカリ金属水酸化物のばあい、市販の粒状
やフレーク状などのNaOHやKOHなどはそのまま使用して
もよいが、平均粒径500μ以上程度、さらには50μ以下
程度まで粉砕して使用するのが好ましい。また、たとえ
ば水に実質的に不溶である酸吸着能を有する吸着剤のば
あい、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミ
ニウム、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸
マグネシウム、水酸化マグネシウムなどが、粒径1〜50
0μ程度のものとして協和化学工業(株)などよりキョ
ーワタンマグ、キョーワスイマグ、サナルミン、アルカ
マック、グリシナール、キョーワマグ、キヨワード、DH
T、マグサラット、キスマ、マグサライトなどの商品名
で市販されており、これらをそのまま使用しうる。さら
に細かく粉砕することにより、脱ハロゲン化水素反応が
進行しやすくなる。
また撹拌は、酸吸着能を有する吸着剤がポリマー中ま
たはポリマー溶液中に一様に分散し、かつ流動的に混練
されている状態を保持するかぎり、撹拌速度、撹拌機の
種類、羽根の形、容器の形などにとくに制限はないが、
好ましくはよくまざる状態(たとえば撹拌速度が速い、
撹拌効果が高いなど)を保持しうるように撹拌するのが
好ましい。
脱ハロゲン化水素反応を行なう際の温度としては、第
3級ハロゲン原子を有するイソブチレン系ポリマーが撹
拌しやすい粘度の液状、たとえば500〜1000P程度以下に
なる温度であることが好ましく(ポリマーの分子量、溶
媒の有無などにより一概には規定できないが、通常溶媒
を用いないばあい40℃程度以上)、また該ポリマーが熱
変性をおこしやすくなる温度よりも低い温度、たとえば
250℃程度以下であることが好ましく、40〜150℃程度の
温度であるのがさらに好ましい。酸吸着能を有する吸着
剤がアルカリ金属化合物であるときは比較的高い温度で
ある80〜150℃、とくには90〜120℃が反応率を高める上
で好ましい。
脱ハロゲン化水素反応の終了は、たとえば赤外分光法
(IR法)、核磁気共鳴分析法(H1−NMR法)、元素分析
法(残在ハロゲン量の定量)のごとき方法によって確認
しうる。
前記第3級ハロゲン原子を有するイソブチレン系ポリ
マーと酸吸着能を有する吸着剤とを、親水性溶媒が実質
的に存在しない状態で接触させるに際し、溶媒を全く用
いなくてもよいが、該ポリマーは溶解させるが酸吸着能
を有する吸着剤は実質的に溶解させない溶媒で希釈し、
撹拌や後処理などをしやすくし、粘度を低くするように
してもよい。
前記第3級ハロゲン原子を有するイソブチレン系ポリ
マーは溶解させるが酸吸着能を有する吸着剤は実質的に
溶解させない溶媒の具体例としては、たとえばトルエ
ン、n−ヘキサン、キシレン、ベンゼン、クロロホル
ム、塩化メチレン、四塩化炭素などがあげられるが、こ
れらに限定されるものではない。
本発明の第1の発明では親水性溶媒が実質的に存在し
ない状態下で脱ハロゲン化水素反応を進行させるが、こ
のばあい親水性溶媒とはメタノール、エタノール、テト
ラヒドロフランなど任意の割合で水と溶解する溶媒を意
味する。親水性溶媒を使用すると、酸吸着能を有する吸
着剤が溶媒に接触して系が均一になり、反応終了後吸着
剤の回収が困難になったり溶媒の分離精製など溶媒回収
が困難になるばあいがあるので不利である。分離、精製
などが問題とならない程度の範囲で親水性溶媒を使用す
ることはさしつかえなく、たとえば酸吸着能を有する吸
着剤をポリマー中またはポリマー溶液中に分散させやす
くするため、親水性溶媒を全反応系に対して好ましくは
10%以下、さらに好ましくは5%以下の範囲で使用して
もよい。
前記溶媒の使用量は前記イソブチレン系ポリマーの重
合度、粘度などにより異なり、一概には規定できない
が、通常前記イソブチレン系ポリマー100部に対して1
〜1000程度が好ましく、10〜200部程度がさらに好まし
い。
また溶媒を使用するばあい酸吸着能を有する吸着剤カ
ラムに充填し、たとえばポリマー溶液をカラム内を適当
な流速、温度条件で通過させることによっても脱ハロゲ
ン化水素反応を行なわせることは充分可能である。
以上のごときの方法により、第3級ハロゲン原子の約
90〜100%がハロゲン化水素としてほぼ定量的に脱離し
てイソプロペニル基になったイソブチレン系ポリマーが
えられる。
本発明の第2の発明において用いられる第3級炭素原
子に結合したハロゲン原子を有するイソブチレン系ポリ
マーは前記第1の発明に用いられるものと同じものであ
る。
さらに本発明の第2の発明においては、前記酸吸着能
を有する吸着剤として水に実質的に不溶である吸着剤が
用いられる。
水に実質的に不溶である吸着剤とは、室温における水
に対する溶解度が1.0g/100g水以下、好ましくは0.5g/10
0g水以下、さらに好ましくは0.2g/100g水以下の値を有
する吸着剤をいう。該吸着剤の具体例としては、たとえ
ば前記第1の発明に用いられる吸着剤のうち、Mg、Alお
よびSiの少なくとも1種を主成分として含有する化合物
があげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上
併用してもよい。これらの中ではケイ酸アルミニウム系
吸着剤がとくに好ましい。
本発明の第2発明における、酸吸着能を有する吸着剤
の粒径や使用量、不均一で接触せしめて脱ハロゲン化水
素を行なわせる反応温度、撹拌条件、反応溶媒などの反
応条件は第1の発明のばあいと同じである。
第2の発明においては水溶性のアルカリ金属化合物な
どを用いるばあいに比較し反応温度が低くても反応が進
行するという特徴を有している。また反応溶媒を用いる
ばあい親水性の溶媒を用いても酸吸着能を有する吸着剤
が溶解しないので任意の反応溶媒を用いてもさしつかえ
ないという利点を有する。
つぎに本発明の方法を実施例に基づき説明する。
構造例1 1の耐圧ガラス製オートクレーブに撹拌用羽根、三
方コック、真空ラインを取付けて、真空ラインで真空に
引きながら重合容器を100℃で1時間加熱することによ
り乾燥させ、室温まで冷却後、三方コックを用いてチッ
素で常圧に戻した。
そののち、三方コックの一方からチッ素を流しなが
ら、注射器を用いてオートクレーブに水素化カルシウム
処理により乾燥させた主溶媒である塩化メチレン290ml
を導入した。ついで、塩化カルシウム処理により乾燥さ
せた添加溶媒であるニトロエタン15mlを導入し、さらに
p−DCC(1,4ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼ
ン)10m molを溶解させた10mlの塩化メチレン溶液を添
加した。
つぎに、酸化バリウムおよびモレキュラーシーブスを
充填したカラムを通過させることにより脱水したイソブ
チレンが40g入っているニードルバルブ付耐圧ガラス製
液化ガス採取管を三方コックに接続したのち、容器本体
を−70℃のドライアイス−アセトンバスに浸漬し、重合
容器内部を撹拌しながら1時間冷却した。冷却後、真空
ラインにより内部を減圧にしたのち、ニードルバルブを
開け、イソブチレンを耐圧ガラス製液化ガス採取管から
重合容器に導入した。そののち、三方コックの一方から
チッ素を流すことにより常圧にもどし、さらに撹拌下に
1時間冷却を続け、重合容器内を−60℃まで冷却した。
つぎに、三塩化ホウ素溶液(三塩化ホウ素20m mol含
有)を注射器を用いて三方コックから添加して重合を開
始させ、30分経過した時点であらかじめ−40℃以下に冷
却しておいたメタノールを添加することにより重合を停
止させた。
重合停止後、反応混合物を飽和重曹水500mlの入った
マイヤーフラスコに入れ、室温で30分間撹拌したのち、
水層と有機層とを分離させたのち、再び飽和重曹水500m
l、ついで水500mlで同様の洗浄をくり返し、pHが7〜8
になったことを確認したのち有機層を分離し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥させた。炉過後、重合溶媒を減圧留
去することによりイソブチレン系ポリマーをえた。
えられたポリマーの収量より収率(80%)を算出する
とともに、n(4700)およびw/n(1.6)をGPC法
ポリスチレン換算、移動相:テトラヒドロフランによ
り、また末端構造をH1−NMR(300MHz)法により各構造
に帰属するプロトンの共鳴信号の強度を測定、比較する
ことにより、1分子当り2個の−C(CH32Cl基が存在
することを確認した。
実施例1 製造例1でえられたポリマー(n=4700、w/n
=1.6)2.0g(末端第3級塩素含量0.85mmol)と粉末状
カリウム−t−ブトキシド1.0g(8.9mmol)とを50mlの
ナスフラスコに入れ、密閉下、オイルバスで90℃に加熱
して羽根付き撹拌棒を用いて不均一状態で30時間撹拌し
た。そののち、n−ヘキサン20mlを加えて混合物中のポ
リマーを溶解させ、ついで水20mlで2回洗浄した。n−
ヘキサン層を分離したのち、乾燥、濃縮することにより
目的とする末端にイソプロペニル基を有するイソブチレ
ン系ポリマー1.9gをえた。生成したオレフィンの種類、
量はH1−NMR(300MHz)法により各オレフィン構造に帰
因するプロトンの共鳴信号の強度を測定、比較すること
により求めた。結果を第1表に示す。
実施例2〜10 吸着剤の種類、量を第1表に示すように変更した以外
は実施例1と同様にして不均一系で反応させ、評価し
た。結果を第1表に示す。ただし級着剤は市販のものを
粉末状にして用いた。
実施例11〜12 吸着剤の種類、量および反応溶媒の種類、量を第1表
に示すように変更した以外は実施例1と同様にして不均
一系で反応させ、評価した。結果を第1表に示す。
実施例13 製造例1でえられたポリマー(n=4700、w/n
=1.6)2.0g(末端第3級塩素含量0.85mmol)、水に実
質的に不溶である酸吸着能を有する吸着剤としてケイ酸
アルミニウム(和光純薬工業(株)製、ほぼAl2O3・3Si
O2なる組成を有する)0.4gおよびn−ヘキサン10mlを50
mlのナスフラスコに入れ、23℃で6時間マグネチックス
ターラーで不均一状態で撹拌したのち炉過して吸着剤を
分離し、炉液を濃縮し、目的とする末端にイソプロペニ
ル基を有するイソブチレン系ポリマー1.9gをえた。生成
したオレフィンの種類、量を実施例1と同様にして評価
した。結果を第2表に示す。
実施例14〜23 吸着剤の種類、量、溶媒の種類、反応温度、反応時間
を第2表に示すように変更した以外は実施例13と同様に
して不均一系で反応させ、評価した。結果を第2表に示
す。
なお第2表中のキヨワード400、キヨワード500、キヨ
ワード700、DHT−4A、合成ケイ酸アルミニウムはいずれ
も協和化学工業(株)製の吸着剤である。
[発明の効果] 本発明の方法によると、第3級ハロゲン原子を有する
イソブチレン系ポリマーと酸吸着能を有する吸着剤とを
不均一系で、したがって分離・精製が困難な多量の親水
性溶媒または混合溶媒を使用することなく接触せしめて
反応させるため、容易にイソプロペニル基を有するイソ
ブチレン系ポリマーを製造することができる。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第3級炭素原子に結合したハロゲン原子を
    有するイソブチレン系ポリマーと酸吸着能を有する吸着
    剤とを、親水性溶媒が実質的に存在しない状態下で不均
    一系で接触せしめて脱ハロゲン化水素反応を行なわせる
    ことを特徴とするイソプロペニル基を有するイソブチレ
    ン系ポリマーの製法。
  2. 【請求項2】前記酸吸着能を有する吸着剤が、一般式:M
    −Rn(式中、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金
    属、Rは水素原子、水酸基、メルカプト基、アミノ基、
    炭素数1〜10の1価のアルコキシ基またはチオアルコキ
    シ基、nはMがアルカリ金属のとき1、アルカリ土類金
    属のとき2となる数)で表わされる化合物である請求項
    1記載の製法。
  3. 【請求項3】前記Mがアルカリ金属である請求項2記載
    の製法。
  4. 【請求項4】前記酸吸着能を有する吸着剤が、Mg、Alお
    よびSiの少なくとも1種を主成分として含有する吸着剤
    である請求項1記載の製法。
  5. 【請求項5】前記Mg、AlおよびSiの少なくとも1種を主
    成分として含有する吸着剤が、水酸化アルミニウム系吸
    着剤、ケイ酸アルミニウム系吸着剤、ケイ酸マグネシウ
    ム系吸着剤、酸化マグネシウム系吸着剤、炭酸マグネシ
    ウム系吸着剤、水酸化アルミニウム−マグネシウム系吸
    着剤およびアルミニウム−グリシネート系吸着剤の中か
    ら選ばれた吸着剤である請求項4記載の製法。
  6. 【請求項6】第3級炭素原子に結合したハロゲン原子を
    有するイソブチレン系ポリマーと水に実質的に不溶であ
    る酸吸着能を有する吸着剤とを、不均一系で接触せしめ
    て脱ハロゲン化水素反応を行なわせることを特徴とする
    イソプロペニル基を有するイソブチレン系ポリマーの製
    法。
  7. 【請求項7】前記酸吸着能を有する吸着剤が、Mg、Alお
    よびSiの少なくとも1種を主成分として含有する吸着剤
    である請求項6記載の製法。
  8. 【請求項8】前記Mg、AlおよびSiの少なくとも1種を主
    成分として含有する吸着剤が、水酸化アルミニウム系吸
    着剤、ケイ酸アルミニウム系吸着剤、ケイ酸マグネシウ
    ム系吸着剤、酸化マグネシウム系吸着剤、炭酸マグネシ
    ウム系吸着剤、水酸化アルミニウム−マグネシウム系吸
    着剤およびアルミニウム−グリシネート系吸着剤の中か
    ら選ばれた吸着剤である請求項7記載の製法。
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