JP2617678B2 - 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム - Google Patents

農業用塩化ビニル系樹脂フィルム

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JP2617678B2
JP2617678B2 JP5179256A JP17925693A JP2617678B2 JP 2617678 B2 JP2617678 B2 JP 2617678B2 JP 5179256 A JP5179256 A JP 5179256A JP 17925693 A JP17925693 A JP 17925693A JP 2617678 B2 JP2617678 B2 JP 2617678B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農業用塩化ビニル系樹
脂フィルムに関するものである。更に詳しくは、紫外線
遮蔽能の持続性に優れた農業用塩化ビニル系樹脂フィル
ムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、植物の生長と照射光、特に紫
外線領域の光線との間には密接な関係があり、光質を利
用した植物の栽培については、種々研究されており、そ
の栽培に用いられる農業用フィルムが多数知られてい
る。また、最近になって、ある種の植物病原菌、例えば
イモチ病菌、ごま葉枯病菌、菌核病菌、ボトリテイス
菌、炭そ病菌、つる枯病菌、黒カビ病菌、斑点病菌等の
カビ類の繁殖と紫外線領域の波長との間に、密接な関係
があることも見出されている。
【0003】例えば、特開昭52−98125号、特開
昭52−117738号、特公昭55−12208号、
特公昭53−47383号、特開昭53−27539
号、特開昭53−136050号、特開昭53−138
844号、特開昭53−138845号、特開昭54−
54843号、特開昭54−54844号、特開昭54
−97233号、特開昭55−23920号等の公報に
記載されている技術があげられる。
【0004】更に、植物の生長促進、品質の向上、収
穫、収量増、また害虫、害鳥の防除等の効果も見だされ
ている。例えば、特開昭52−43637号、特開昭5
3−75039号、特開昭53−98238号、特開昭
53−98242号、特開昭53−107938号、特
公昭55−10203号、特開昭53−127126
号、特開昭53−124556号、特開昭53−127
129号、特開昭53−127130号、特開昭53−
138842号、特開昭53−138843号、特開昭
53−138846号、特開昭54−66295号、特
開昭54−85963号、特開昭54−97273号、
特開昭54−160630号、特開昭55−23919
号、特開昭55−23921号、特開昭55−6173
6号、特開昭55−96039号等の公報に記載されて
いる技術があげられる。
【0005】他方、一般の有用植物を栽培する農業用フ
ィルムには、保温性、耐久性等に優れている塩化ビニル
系樹脂フィルムが広く使用されている。塩化ビニル系樹
脂フィルムは、ポリエチレンフィルムやエチレン−酢酸
ビニル共重合体フィルムに較べて、耐久性がはるかに優
れており、2年程度使用可能である。最近では、配合助
剤を選択組み合せる技術の進歩によって、塩化ビニル系
樹脂フィルムであっても、3〜5年まで耐久性を発揮さ
せうるようになった。
【0006】しかしながら、フィルムの紫外線領域の光
線の遮蔽能の点からみると、現在のところ、未だ持続性
の点で不充分なのが実状である。つまり、基体塩化ビニ
ル系樹脂フィルムに配合されている紫外線吸収剤は、フ
ィルムをハウス又はトンネル被覆資材として使用してい
る間に、流亡、揮散又は変質するために、紫外線吸収能
(吸収効果)を長期間にわたっては持続し得ないのが実
情である。
【0007】基本塩化ビニルフィルムに配合する紫外線
吸収剤の種類、配合量等を選ぶことにより、フィルムの
紫外線遮蔽効果を持続させる方法があるが、その効果は
未だ不充分である。紫外線吸収剤の配合量を多くすれ
ば、フィルムの紫外線遮蔽能は向上するが、同時に紫外
線吸収剤がフィルム表面に滲出するため、使用中に透明
性が大幅に低下する。また、フィルムの紫外線吸収量を
特定の値に維持したい場合には、維持する値に応じて、
紫外線吸収剤の配合量が決まってしまうので、無制限に
多くすることができない。紫外線吸収剤の種類によって
は、紫外線吸収能の持続性に優れたものもあるが、実用
的には未だ不充分である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、かかる
状況に鑑み、紫外線遮蔽能の持続性に優れた農業用塩化
ビニル系樹脂フィルムを提供することを目的として、鋭
意検討した結果、本発明を完成するに至ったものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】しかして本発明の要旨と
するところは、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
(A)次の一般式(I)で表わされるベンゾフェノン系
紫外線吸収剤0.4〜5 重量部と、
【0010】
【化3】
【0011】〔(I)式において、R1 は炭素数1〜1
2のアルコキシ基を示す。〕 (B)原料として、キシレノール、クレゾール及びエチ
ルフェノールを主成分とした混合アルコールであって、
キシレノールとクレゾールとの組成比が2/1〜20/
1の範囲にあり、かつ、混合アルコール中のP−エチル
フェノールの組成比が30重量%以下の混合アルコール
を使って製造された有機リン酸エステル0.5〜10重
量部、 (C)次の一般式
【0012】
【化4】
【0013】〔(II)式において、R2 〜R5 は炭素数
1〜4のアルキル基、R6 は水素又は炭素数1〜4のア
ルキル基を示す。〕で示される構造単位を一分子中に一
個以上含有するヒンダードアミン系化合物0.2〜1.
0重量部をそれぞれ配合し、厚さが0.075〜0.3
mmのフィルム状とし、このフィルムの片面又は両面
に、厚さが0.5〜10ミクロンのアクリル系樹脂被膜
が形成されてなることを特徴とする農業用塩化ビニル系
樹脂フィルムに存する。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて塩化ビニル系樹脂とは、ポリ塩化ビニルのほか、
塩化ビニルを主成分とする共重合体を含む意味である。
塩化ビニルと共重合させることができる単量体として
は、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、アクリロ
ニトリル、酢酸ビニル、マレイン酸、イタコン酸、アク
リル酸、メタクリル酸等があげられるが、例示したもの
に限られるものではない。
【0015】塩化ビニル系樹脂は、懸濁重合法、乳化重
合法、乳化−懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等の
従来から知られている製造法のいずれによって製造して
もよい。本発明に係る塩化ビニル系樹脂フィルムは、上
記塩化ビニル系樹脂に、(A)成分として、次の一般式
(I)で表わされるベンゾフェノン系紫外線吸収剤が配
合されている。
【0016】
【化5】
【0017】〔(I)式において、R1 は炭素数1〜1
2のアルコキシ基を示す。〕 上記一般式(I)であらわされる化合物の具体例として
は、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4
−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン等が
あげられる。
【0018】上記(I)式で表わされる紫外線吸収剤
は、一種配合してもよく、二種以上を組み合せて配合し
てもよい。(A)成分の塩化ビニル系樹脂への配合量
は、紫外線吸収剤の種類によって異なるが、樹脂100
重量部に対して0.4〜5重量部の範囲で選ぶのがよ
い。本発明に係る農業用塩化ビニル系樹脂フィルムは、
(B)成分として、特定組成の有機リン酸エステルが配
合されている。この特性組成の有機リン酸エステルは、
塩化ビニル系樹脂を可塑化する機能、フィルムの耐候性
を向上させる機能のほか、フィルムに配合された紫外線
吸収剤の紫外線吸収能(吸収効果)を持続させる機能を
果す。
【0019】本発明者らの実験によれば、有機リン酸エ
ステルは、原料として、キシレノール、クレゾール及び
エチルフェノールを主成分とした混合アルコールであっ
て、キシレノールとクレゾールとの組成比が2/1〜2
0/1の範囲にあり、かつ、混合アルコール中のP−エ
チルフェノールの組成比が30重量%以下の混合アルコ
ールを使って製造された有機リン酸エステルが、好適で
あることが判った。すなわち、有機リン酸エステルの組
成が上記の要件を満たすと、紫外線吸収剤の紫外線吸収
能(フィルムの紫外線遮蔽能)を持続させる効果が顕著
となることが判った。
【0020】上記有機リン酸エステルは、通常のリン酸
エステルを合成する一般的な方法で製造することができ
る。たとえば、上記要件を満たす混合アルコール計3モ
ルに、塩化アルミニウム触媒を混合アルコール量に対し
て2重量%加え、この混合物へ、攪拌下に30℃でオキ
シ塩化リン1モルを滴下、添加し、徐々に昇温し、発生
する塩化水素を外部のアルカリ吸収管を通すことによっ
て除去しながら、120℃で2時間加熱して反応を終え
る。反応後、冷却し、水を加え、塩化アルミニウム触媒
を分解した上で、油層を分液採取する。
【0021】つぎに、油層に、稀力性ソーダ水溶液を加
えて振とうし、油層を分離し、更に精製のため、油層を
蒸留し、4mmHgの減圧下で200〜270℃の主留
分を得る。主留分は更に、活性炭充填塔を通し、脱色、
脱臭を行ない、目的とする有機リン酸エステルを得るこ
とができる。(B)成分である有機リン酸エステルの塩
化ビニル系樹脂への配合量は、本発明者らの実験によれ
ば、少なすぎると紫外線吸収剤の紫外線吸収能を持続さ
せることができないし、多すぎると逆に効果が少なくな
ることが判った。好ましい配合量は、塩化ビニル系樹脂
100重量部に対して0.5〜10重量部であり、中で
も1〜5重量部の範囲がよいことが判った。この(B)
成分は、上記範囲内で、(A)成分の配合量に比例させ
るのが好ましい。本発明に係る農業用塩化ビニル系樹脂
フィルムは、(C)成分として、次の一般式(II)
【0022】
【化6】
【0023】〔(II)式において、R2 〜R5 は炭素数
1〜4のアルキル基、R6 は水素又は炭素数1〜4のア
ルキル基を示す。〕で示される構造単位を、一分子中に
一個以上含有するヒンダードアミン系化合物が配合され
ている。このヒンダードアミン系化合物は、塩化ビニル
系樹脂フィルムの耐候性を向上させる機能を果す。上記
(II)式で示される構造単位を、一分子中に一個以上含
有するヒンダードアミン系化合物の具体例としては、次
のものを例示することができる。
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】
【化13】
【0031】
【化14】
【0032】
【化15】
【0033】
【化16】
【0034】
【化17】
【0035】
【化18】
【0036】
【化19】
【0037】
【化20】
【0038】
【化21】
【0039】上記(C)成分であるヒンダードアミン系
化合物の、塩化ビニル系樹脂フィルムへの配合量は、余
り少ないとフィルムの耐候性が充分に優れたものとなら
ないので好ましくなく、余り多くしてもフィルムの耐候
性は添加量に比例して向上することがなく、フィルム表
面からの噴き出しの問題がおこる。好ましい配合量は、
塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.2〜1.0
重量部の範囲である。
【0040】本発明に係るフィルムは、以上のとおり、
基体となる塩化ビニル系樹脂に、(A)成分としての紫
外線吸収剤、(B)成分としての有機リン酸エステル及
び(C)成分としてのヒンダードアミン系化合物が配合
添加されたものであるが、フィルム化前に、必要に応
じ、他の樹脂添加物、例えば可塑剤、滑剤、熱安定剤、
酸化防止剤、防曇剤、顔料、染料等を配合することがで
きる。
【0041】使用しうる可塑剤としては、例えばジ−n
−オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレ
ート、ジベンジルフタレート、ジイソデシルフタレー
ト、ジドデシルフタレート、ジウンデシルフタレート等
のフタル酸誘導体;ジイソオクチルイソフタレート等の
イソフタル酸誘導体;ジ−n−ブチルアジペート、ジオ
クチルアジペート等のアジピン酸誘導体;ジ−n−ブチ
ルマレート等のマレイン酸誘導体;トリ−n−ブチルシ
トレート等のクエン酸誘導体;モノブチルイタコネート
等のイタコン酸誘導体;ブチルオレート等のオレイン酸
誘導体;グリセリンモノリシノレート等のリシノール酸
誘導体;その他トリクレジルホスフェート、エポキシ化
大豆油、エポキシ樹脂系可塑剤等があげられる。
【0042】使用しうる滑剤ないし熱安定剤としては、
例えばポリエチレンワックス、流動パラフィン、ステア
リン酸、ステアリン酸亜鉛、脂肪アルコール、ステアリ
ン酸カルシュウム、ステアリン酸バリウム、リシノール
酸バリウム、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズ
マレート等があげられる。使用しうる帯電防止剤ないし
防曇剤としては、主として非イオン系界面活性剤がよ
く、例えばソルビタンモノステアレート、ソルビタンモ
ノパルミテート、ソルビタンモノベンゾエートなどのソ
ルビタン系界面活性剤;グリセリンモノラウレート、ジ
グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレ
ートなどのグリセリン系界面活性剤;ポリエチレングリ
コールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノ
パルミテートなどのポリエチレングリコール系界面活性
剤;アルキルフェノールのアルキレンオキシド付加物;
ソルビタン/グリセリンの縮合物と有機酸とのエステ
ル、等があげられる。これら界面活性剤は、単独で、又
は二種以上を組み合せて用いることができる。
【0043】これら各種の樹脂添加物は通常の配合量、
例えば可塑剤は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
て最高80重量部まで、軟質配合の場合は30〜80重
量部の範囲で、可塑剤を除く添加物は5重量部以下の範
囲で、それぞれ選ぶことができる。基体となる塩化ビニ
ル系樹脂に、(A)成分ないし(C)成分、更に要すれ
ばその他の樹脂添加物を配合するには、通常の配合、混
合技術、例えばリボンブレンダー、バンバリーミキサ
ー、スーパーミキサーその他の配合機、混合機を使用す
る方法を採ることができる。
【0044】本発明に係るフィルムを製造するには、基
体となる塩化ビニル系樹脂に、(A)成分ないし(C)
成分、更に要すれば各種樹脂添加物を配合混合した組成
物を、それ自体公知のフィルム化技術によってフィルム
化する。公知のフィルム化技術としては、カレンダー成
形法、T−ダイ押出法、インフレーション成形法、溶液
流延法などがある。フィルムは、透明フィルム、梨地フ
ィルム、半梨地フィルム等いずれであってもよい。
【0045】本発明に係るフィルムの厚さは、0.07
5〜0.2mmの範囲とする。本発明に係る農業用塩化
ビニル系樹脂フィルムは、基体フィルムの片面又は両面
に、アクリル系樹脂の被膜が形成されている。本発明に
おいてアクリル系樹脂とは、ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレート5〜40重量%、分子内に1個もしく
は2個以上のカルボキシル基を含むα,β−不飽和カル
ボン酸化合物0〜20重量%及びこれら化合物と共重合
可能な他のビニル系化合物とを共重合して得られる重合
体をいう。
【0046】ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
類としては、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキ
シメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒド
ロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタ
クリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−
ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシペン
チルアクリレート、2−ヒドロキシペンチルメタクリレ
ート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒド
ロキシヘキシルメタクリレート等があげられる。
【0047】これらヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レート化合物は、得られるアクリル系樹脂が有機溶媒に
溶け易く、アクリル系樹脂と基体塩化ビニル系樹脂フィ
ルムとの密着性を向上し、更には、フィルム表面にしみ
出してくる可塑剤の移行性を抑制する作用に大きく寄与
する成分である。このヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレート類のアクリル系樹脂中で占める割合が、5重量
%より少ない場合は、有機溶媒との溶解性、基体フィル
ムとの密着性及び可塑剤移行抑制効果を充分に発揮し得
ないので、好ましくない。他方、40重量%より多い場
合には、コスト高となりコスト上昇に較べて得られる効
果は大きくないので好ましくない。
【0048】分子内に1個もしくは2個以上のカルボキ
シル基を含むα,β−不飽和カルボン酸化合物として
は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン
酸、アコニット酸、クロトン酸等があげられる。これら
化合物を、前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
ト類と併用するときは、アクリル樹脂と塩化ビニル系樹
脂フィルムとの密着性を向上し、フィルム同志が付着し
合う(ブロッキングする)性質を抑制する効果を発揮す
る。これら化合物の使用量は、20重量%までである。
これ以上であると、フィルムが水分で潤れているときに
フィルム同志が付着し合う性質(湿潤時のブロッキング
性)が強化されるので、好ましくない。
【0049】前記化合物と共重合可能な他のビニル系化
合物としては、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレ
ート、n−ブチルアクリレート等があげられる。これら
の化合物は、被膜の可撓性、基体塩化ビニル系樹脂との
密着性を向上させる役割を果す。塩化ビニル系樹脂フィ
ルムの片面、又は両面に被膜を形成するためのアクリル
系樹脂は、上記単量体を所定量組み合せて有機溶媒とと
もに重合缶に仕込み、重合開始剤、必要に応じて分子量
調節剤を加えて、攪拌しつつ加熱し、重合することがで
きる。
【0050】塩化ビニル系樹脂フィルムの片面又は両面
に形成するアクリル系樹脂の被膜は、アクリル系樹脂を
有機溶媒に溶解して塗布するのがよい。アクリル系樹脂
を溶解するための有機溶媒としては、アクリル系樹脂の
製造の際に使用する溶媒と同じであってよい。具体的に
は、アルコール類が好適で、例えばメタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタ
ノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、
n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、ter
t−アミルアルコール、n−ヘキシルアルコール、シク
ロヘキサノール等があげられる。上記アルコール類のほ
か、酢酸エチル、メチルエチルケトン、テトラヒドロフ
ラン、ヘキサン、トルエン、キシレン、クロロホルム等
も使用することができる。これらは一種でも、二種以上
を混合したものであってもよい。
【0051】塩化ビニル系樹脂フィルムの片面又は両面
に前記アクリル系樹脂の被膜を形成するには、アクリル
系樹脂を上記有機溶媒に溶解し、スプレイコート法、ロ
ールコート法、グラビアコート法、リバースコート法、
ディップコート法等のほか、スクリーン印刷法、フレキ
ソ印刷法等のそれ自体公知の各種塗布方法によって塗布
し、乾燥するのがよい。利用できる乾燥方法は、例えば
熱風乾燥法、赤外線乾燥法、遠赤外乾燥法などである。
乾燥温度は、前記有機溶媒を飛散させる温度、すなわ
ち、アクリル系樹脂を溶解している有機溶媒の沸点以上
とするのがよい。乾燥時間は、短い方がよい。従って、
有機溶媒の沸点以上の温度で、できるだけ短時間に乾燥
するのがよい。
【0052】基体フィルムの表面に形成するアクリル系
樹脂被膜の厚さは、基体フィルムの厚さにもよるが、
0.5〜10ミクロンの範囲から選ぶ。10ミクロンよ
り厚いときは、基体フィルムと被膜とでは屈曲性に差が
あるために、被膜が基体フィルムから剥離する等の現象
がおこり易く、また、被膜に亀裂が入って基体フィルム
の強度を低下させるという現象がおこり、好ましくな
い。0.5ミクロンより薄いときは、基体フィルムの耐
候性を向上させる効果を発揮しないので、好ましくな
い。被膜の厚さは、上記範囲内で、基体フィルムの厚さ
に比例させるのがよい。
【0053】本発明に係る農業用塩化ビニル系樹脂フィ
ルムを、実際に使用するにあたっては、被膜が片面のみ
に形成されているときは、この被膜の設けられた側をハ
ウス又はトンネルの外側となるようにして展張するのが
よい。
【0054】
【発明の効果】本発明に係る農業用塩化ビニル系樹脂フ
ィルムは、以上のとおりであり、次のように特別に顕著
な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大であ
る。 (1)本発明に係る農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
は、基体フィルムに、(A)成分である紫外線吸収剤、
(B)成分である有機リン酸エステル、(C)成分であ
るヒンダードアミン系化合物が配合されているので、紫
外線吸収剤の紫外線吸収能(フィルムの紫外線遮蔽能)
が長期間持続される。
【0055】(2)本発明に係る農業用塩化ビニル系樹
脂フィルムは、基体フィルムに(A)成分、(B)成分
及び(C)成分が配合され、かつ、その表面にそれ自体
耐候性の優れたアクリル系樹脂の被膜が形成されている
ので、長期間の使用に耐えうる。 (3)本発明に係る農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
は、基体フィルムに配合された(A)成分、(B)成
分、(C)成分、可塑剤その他樹脂添加剤の滲み山しを
抑制することができる。従って、長期間にわたって表面
が汚れないので、フィルムは長期間にわたって可視領域
以上の波長を高率で透過し、農業用ハウス被覆用に好適
である。
【0056】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとづいて詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例
に限定されるものではない。 実施例1〜3、比較例1〜8
【0057】
【表1】 (1)基体フィルムの調製 ポリ塩化ビニル(平均重合度1400) 100重量部 ジオクチルフタレート 45 〃 エポキシ樹脂(商品名「EP−828」) 1 〃 バリウム−亜鉛系複合安定剤 1.5 〃 ステアリン酸バリウム 0.2 〃 ステアリン酸亜鉛 0.4 〃 ソルビタンモノステアレート 1.5 〃 エチレンビスステアロアミド 0.1 〃
【0058】を基本組成とし、さらにこれに、第1表に
示す紫外線吸収剤〔(A)成分〕、有機リン酸エステル
〔(B)成分〕(原料の混合アルコールの組成を、同表
に示した。)及びヒンダードアミン系化合物〔(C)成
分〕を、同表に示す配合割合で配合した。この組成物
を、カレンダー成形機を用い常法によって厚さ0.1m
mのフィルムとした。
【0059】(2)被膜の形成 重合缶に、イソプロピルアルコール150重量部と、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート20重量部、アクリ
ル酸10重量部、メチルメタクリレート40重量部及び
エチルメタクリレート30重量部を加え、ベンゾイルパ
ーオキサイド0.5重量部加えて、窒素ガス気流下、8
0℃で10時間重合反応を行なった。得られた共重合体
溶液に、イソプロピルアルコールを加えて、固形分を2
0重量%に調節して、被覆材とした。前記基体フィルム
の片面に、上記被覆材をグラビアコート法によって塗布
したのち、150℃に温度調節した温風乾燥炉内に10
秒間滞留させ、溶媒を飛散させ、厚さ約2ミクロンの被
膜を形成した。
【0060】各フィルムについて、次の方法に従って、
紫外線遮蔽能の持続性を評価した。結果を、第1表に示
す。 試験方法…南側に面し、平面に対して45度傾斜させて
設置した窓枠状の曝露試験台に(設置場所:愛知県海部
郡)、各フィルムを複数枚宛曝露し、定期的に一部のフ
ィルムを曝露試験台から取りはずし、波長350ナノメ
ーターでの光線透過率を測定したもの((株)日立製作
所製、分光光度計323型による。)。
【0061】第1表より、次のことが明らかとなる。 (1)本発明に係る農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
は、屋外で長期間使用しても、紫外線遮蔽能は変わら
ず、遮蔽能の持続性に優れている。 (2)紫外線吸収剤は、前記(I)式で表わされる化合
物を使用した方が、これ以外の化合物を使用した場合
(比較例1,2,3)に較べて、フィルムの紫外線遮蔽
能の持続性は優れたものとなる。 (3)有機リン酸エステルは、これが製造に使用した混
合アルコールの組成比(キシレノール/クレゾール、及
びP−エチルフェノール成分の量)が特許請求の範囲外
となると(比較例4)、フィルムの紫外線遮蔽能の持続
性は、劣ったものとなる。 (4)紫外線吸収剤、有機リン酸エステル、ヒンダード
アミンの三成分が特許請求の範囲内となっていても、表
面にアクリル系樹脂の被膜がないときは(比較例5)、
フィルムの紫外線遮蔽能の持続性は優れない。
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−187121(JP,A) 特開 昭57−168933(JP,A) 特開 昭58−206652(JP,A) 特開 昭58−168643(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
    て、 (A)次の一般式(I)で表わされるベンゾフェノン系
    紫外線吸収剤0.4〜5重量部と、 【化1】 〔(1)式において、R1 は炭素数1〜12のアルコキ
    シ基を示す。〕 (B)原料として、キシレノール、クレゾール及びエチ
    ルフェノールを主成分とした混合アルコールであって、
    キシレノールとクレゾールとの組成比が2/1〜20/
    1の範囲にあり、かつ、混合アルコール中のP−エチル
    フェノールの組成比が30重量%以下の混合アルコール
    を使って製造された有機リン酸エステル0.5〜10重
    量部、 (C)次の一般式 【化2】 〔(II)式において、R2 〜R5 は炭素数1〜4のアル
    キル基、R6 は水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示
    す。〕で示される構造単位を一分子中に一個以上含有す
    るヒンダードアミン系化合物0.2〜1.0重量部、を
    それぞれ配合し、厚さが0.075〜0.3mmのフィ
    ルム状とし、このフィルムの片面又は両面に、厚さが
    0.5〜10ミクロンのアクリル系樹脂被膜が形成され
    てなることを特徴とする農業用塩化ビニル系樹脂フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 塩化ビニル系樹脂フィルムの表面に形成
    されるアクリル系樹脂被膜が、ヒドロキシアルキル(メ
    タ)アクリレート化合物5〜40重量%及び/又は一個
    もしくは二個以上のカルボキシル基を含むα,β不飽和
    カルボン酸化合物0〜20重量%、ならびにこれら化合
    物と共重合可能な他のビニル系化合物とを共重合して得
    られる重合体よりなることを特徴とする請求項1記載の
    農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
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