JP2616042B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、液晶テレビ等の液晶表示装置に関する。

従来の技術 液晶表示装置は、周知の通り、液晶の配向を制御して
画像を表示させるものである。

液晶に配向性を持たせるためには、配向膜が用いられ
る。この配向膜は、スイッチング素子等を有する電極基
板とカラーフィルターを有する基板の相対向する面に設
けられたポリイミド等の高分子材であり、それを配向方
向に布等で摺擦する方法により配向性を与えている。

発明が解決しようとする課題 従来より、液晶表示装置の製造上の問題として、信号
線や走査線の断線あるいは両者の短絡による画像上の欠
陥、いわゆる点欠陥が存在することは周知の通りであ
る。

一方、これらの原因とは異なると考えられる画像上の
欠陥、すなわち、特に画素周辺部における背面照明光の
洩れや抜け、表示される色の忠実性の低下などの致命的
な欠陥が発生することがあった。

本発明は、この様な、従来の点欠陥とは原因が異なる
画像上の欠陥を解決することを目的とする。

課題を解決するための手段 そして、上記課題を解決するための手段は、後述する
実施例で明らかにされる通り、電極基板の信号線の両側
では配向膜の配向性が不十分な領域が存在するが、それ
らの領域は信号線を境として非対称であると言う新規な
発見に基づきなされたもので、画素をスイッチングする
電極基板の信号線部の幅より、前記電極基板に対向する
対向基板の遮光部の幅を広くし、前記電極基板の信号線
部を、前記対向電極の遮光部の中心に対して、前記電極
基板を布で摺擦する摺擦方向にずらした位置に重ね合わ
せる構成とするものである。

作用 そして、上記手段の作用は以下の通りである。すなわ
ち、対向電極の遮光部を、信号線両側の配向性が不十分
な領域の非対称性に応じた方向にずらして電極基板の信
号線部に対向させることで、遮光部は、前記配向性が不
十分な領域を偏りなく覆い隠すこととなり、従来の課題
が解決されるものである。

実施例 以下、本発明の実施例を図面にもとづいて説明する。

第１図は、本発明の一実施例である液晶表示装置の電
極基板１と対向基板６とを重ね合わせた状態を平面図で
示したものである。

第１図の説明に先立ち、第１図に矢印ｅで示す配向方
向に沿った断面図である第２図に基づき説明を行なう。

第２図において電極基板１は、通常、ガラス基板上
に、信号線部２、スイッチング素子（図示せず）等を形
成した後、更にその上からスクリーン印刷等の技法で、
配向膜５となるポリイミド等の高分子材料を約1000から
1200Å程度の膜厚でガラス基板全面に形成したものであ
る。３は１画素部である。ポリイミドは、布毛４で矢印
ｅ方向に摺擦され、その方向の配向性が付与されるもの
である。

さて、図中にa,bで示す範囲は、配向膜の配向性が不
十分な領域であり、その原因は、画素部３と信号線部２
との部分に生じる段差ｈに基ずく、画素周辺部の配向膜
５の摺擦不良であることを見いだした。すなわち、この
段差ｈによって、信号線の両側に、布で十分には摺擦さ
れないａ部、ｂ部が配向膜上に生じ、その結果、この部
分では液晶の配向が十分に行なわれないために従来の不
都合が発生するのである。

また、布で十分に摺擦されないａ部、ｂ部の幅にちが
いがあり、図示のように信号線部２に関して非対称であ
ることを見いだした。

そして、ｂ部の幅は、布で摺擦する速度を遅くするこ
とで小さくできるが、ａ部は速度に関係なくほぼ一定の
幅で欠陥として残ることがわかった。

以下、「布で十分摺擦されない部分」のａ部とｂ部に
ついて説明する。

４は、配向膜５を摺擦する布毛（繊維）部分である。
この、布４は、電極基板１に設けられた配向膜５に押し
当てられ、配向膜５を、矢印ｅ方向に摺擦しながら進
む。配向膜５は、このように、機械的に摺擦すること
で、その摺擦方向に液晶の配向性を有することになるこ
とは周知の通りである。

さて、この時、布５は、信号線部２に乗り上げること
になる。その結果、信号線部２の高さｈと布４が電極基
板１上の配向膜５に接触する角度θとでなる、ほぼ三角
形の底辺にあたるａ部が「布で十分摺擦されない部分」
となる。

また、前記布４が、信号線部２に乗り上げた後、布で
摺擦する方向ｅにすすむと画素部３に落込み接触する。
この時、布４が布で摺擦する方向ｅにすすむ速度と、布
６が信号線部２から落ち込む距離すなわち信号線部２の
高さｈとの関係で「布で十分摺察されない部分」のｂ部
が発生する。

そして、前記、「布で十分摺察されない部分」ａ部と
ｂ部の幅を比較してみるとａ部はｂ部より広い幅である
ことを見いだした。

更に、ｂ部の幅は、摺擦する速度を遅くすれば小さく
することができるが、ａ部は布が配線部に乗り上げるこ
とによっておきるので摺擦する速度を遅くしてもその幅
は、小さくならなかった。

以上のようなメカニズムでおきる「布で十分摺察され
ない部分」ａ部とｂ部に関して、ａ部はｂ部より幅が広
く、またａ部は電極基板の配線部２に対して布で摺擦す
る方向の反対側におきる事から、第１図に示す様に本実
施例では、遮光部を、信号線両サイドのａ部とｂ部の非
対称性に対応するように、信号線からずらして対向させ
ている。すなわち、信号線が、対向基板６の遮光部７の
中心（ハッチングで示す遮光部の幅の中心）から、電極
基板１の摺擦方向ｅにずらした位置に重ねて貼合わせて
ある。

その結果、電極基板の信号線部の両側に発生する配向
性の不十分なａ部とｂ部の欠陥を、対向基板の遮光部７
で偏る事なく覆い隠すことができるのである。

発明の効果 以上のように、電極基板の信号線部の幅より対向電極
の遮光部の幅を広くすると共に、前記信号線部が前記遮
光部に対して前記遮光部の中心から前記電極基板を摺擦
する摺擦方向にずれた位置で重ね合わされることにより
効果的に欠陥部を覆い隠すことができ、従来の問題を解
決できるもので、優れた品質の液晶表示装置を歩留まり
よく得る事が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の１実施例の平面図、第２図は、第１
図の断面図である。 １……電極基板、２……信号線部、３……画素部、４…
…布、５……配向膜、６……対向電極、７……遮光部、
ｅ……配向方向。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】画素をスイッチングする電極基板の信号線
   部の幅より前記電極基板に対向する対向基板の遮光部の
   幅を広くした液晶表示装置において、前記電極基板の信
   号線部が、前記対向電極の遮光部に対して、前記対向電
   極の遮光部の中心から前記電極基板を摺擦する摺擦方向
   にずれた位置で重ね合わされたことを特徴とする液晶表
   示装置