JP2616041B2 - 車両の運動特性制御装置 - Google Patents

車両の運動特性制御装置

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JP2616041B2
JP2616041B2 JP1234299A JP23429989A JP2616041B2 JP 2616041 B2 JP2616041 B2 JP 2616041B2 JP 1234299 A JP1234299 A JP 1234299A JP 23429989 A JP23429989 A JP 23429989A JP 2616041 B2 JP2616041 B2 JP 2616041B2
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steering angle
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浩之 池本
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、車両の運動特性を自動的に制御する制御装
置に係り、特に前記制御をマンマシン系の制御手法を用
いて行なうようにした車両の運動特性制御装置に関す
る。
【従来技術】
従来においては、例えば特開昭61-81229号公報に示さ
れるように、運転者の居眠り状態を車両の操舵パターン
から検出する居眠り状態検出手段を備え、当該車両がア
クセルペダルの踏み込みとは無関係に設定車速で定速走
行する定速走行モード中であるときに、前記居眠り状態
が検出されると、前記定速走行モードが解除されて当該
車両をアクセルペダル操作に対応した通常走行モードに
復帰させると同時に、ホーンを作動させるようにしたも
のはある。これによれば、前記定速走行モードが自動解
除されてエンジンブレーキが作動するとともに、警告音
が発音されるので、運転者の注意が喚起される。
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記従来の装置は、居眠り状態にある運転
者の意識を喚起するのみで、居眠り状態にある運転者の
操作に基づく車両の走行状態に対する影響、及び前記喚
起による意識覚醒直後における驚きに起因した運転者の
操作に基づく車両の走行状態に対する影響はなんら考慮
されておらず、運転者と車両とからなるマンマシン系の
制御としては極めて不充分なものである。 本発明は前記マンマシン系の制御を一歩押し進めるべ
くなされたもので、その目的は、運転者の状態と同者の
操作に対する車両の運動特性とをマッチングさせること
により、運転操作に対する最適な車両の運動特性を実現
して、同車両の安全走行を確保したり、同車両の運転し
易さを確保したりすることができる車両の運動特性制御
装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願請求項1に係る発明
の構成上の特徴は、運転者のハンドル操作に対する車両
の旋回特性を変更可能な旋回特性変更装置と、運転者の
状態を検出する運転者状態検出手段と、運転者状態検出
手段により運転者の異常な状態が検出されたとき旋回特
性変更装置を制御して運転者のハンドル操作に対する車
両の旋回特性をアンダステア側に変更する変更制御手段
とを備えたことにある。
【発明の作用効果】
上記のように構成した本願請求項1に係る発明におい
ては、車両走行中に、居眠り状態、疲労状態、緊張状態
などの運転者の異常な状態が運転者状態検出手段により
検出されると、変更制御手段が、旋回特性変更装置を制
御して、運転者のハンドル操作に対する車両の旋回特性
をアンダステア側に変更する。これにより、運転者が異
常な状態に陥っても、運転者のハンドル操作に対する車
両挙動の変化量が減少して車両の安全走行を確保でき
る。
【実施例】
a.第1実施例 本発明を、減衰力を変更可能な懸架装置を備えた車両
に適用した例について図面を用いて説明する。 第1図は、各車輪FW1,FW2,RW1,RW2(ただし、車輪FW
2,RW2は図示されていない)を懸架する各懸架装置内
に、本発明の運動特性変更装置を構成するショックアブ
ソーバ11〜14をそれぞれ備えた車両の全体を概略的に示
している。ショックアブソーバ11〜14は、第1図及び第
2図に示すように、車体BDを各車輪FW1,FW2,RW1,RW2に
対して弾性的に支持するコイルスプリング15〜18を貫通
するようにして、車輪側部材と車体BDとの間に設けられ
ており、その内部には、油路のバルブ開度を3段階に切
り換えることによって減衰力を「高」「中」「低」の3
段階に切り換え制御する電磁アクチュエータ11a〜14aを
それぞれ備えている。 これらの電磁アクチュエータ11a〜14aは運転者の操
作、車両の状態及び運転者の状態に応じて制御されるも
ので、当該車両は前記操作及び各状態を検出するため
に、前輪操舵角センサ19、スロットル開度センサ20、ブ
レーキスイッチ21、車速センサ22、ハンドル圧力センサ
23、受信器24を備えるとともに、該各センサ出力に応じ
て各電磁アクチュエータ11a〜14aを制御するマイクロコ
ンピュータ25を備えている。 前輪操舵角センサ19は操舵ハンドルWHに接続された操
舵角外周上に組み付けられ、同軸の基準位置からの回転
角を検出することにより、前輪FW1,FW2の操舵角θfを
表す検出信号を出力する。スロットル開度センサ20はス
ロットルバルブの回転軸に組み付けられ、同軸の基準位
置からの回転角を検出することにより、アクセルペダル
の踏み込み操作量SLTを表す検出信号を出力する。ブレ
ーキスイッチ21はブレーキペダルと連動するスイッチに
より構成され、ブレーキペダルの踏み込み操作の有無BS
Wを表す検出信号を出力する。車速センサ22は変速機の
出力軸の回転数を検出する回転数センサで構成され、同
回転数に比例する車速Vを表す検出信号を出力する。ハ
ンドル圧力センサ23は操舵ハンドルWHの外周上に同ハン
ドルWHを覆うように設けられ、運転者が操舵ハンドルWH
を握る圧力HGPを表す検出信号を出力する。 受信器24は送信器26から無線送信された運転者の心拍
数を表す送信信号を受信して出力するものである。この
送信器26は同送信器26に接続された心拍数センサ27によ
り検出された運転者の心拍数を表す検出信号を無線送信
するもので、例えば腕時計、腕輪等に内蔵され、心拍数
センサ27と共に運転者の体の一部に装着されるようにな
っている。 マイクロコンピュータ25はバス25aにそれぞれ共通接
続されたROM25b、CPU25c、RAM25d、入力ポート25e及び
出力ポート25fからなる。ROM25bは第3図及び第4図の
フローチャートに対応したプログラムを記憶し、CPU25c
は前記プログラムを実行し、RAM25dは前記プログラムの
実行に必要な変数データを一時的に記憶する。入力ポー
ト25eは前記各センサ19〜24等に接続されて各検出信号
を入力するものである。出力ポート25fは前記電磁アク
チュエータ11a〜14aを制御する制御信号を出力するもの
で、同出力ポートfと同アクチュエータ11a〜14aとの間
には駆動回路28が接続されている。また、出力ポート25
fには運転者に対して警告音を発生するブザー29が接続
されている。 次に、上記のように構成した第1実施例の動作を第3
図のフローチャートを参照しながら説明する。 イグニッションスイッチ(図示しない)が閉成される
と、CPU25cは第3図のステップ100にてプログラムの実
行を開始し、ステップ102にて当該プログラムの実行に
必要な初期化を行なった後、イグニッションスイッチが
閉成されるまで、ステップ104〜124からなる循環処理を
実行し続ける。 かかる循環処理中、ステップ104にて、運転者の操作
信号として、前輪操舵角θf、スロットル開度SLT及び
ブレーキペダルの踏み込み操作の有無BSWを表す各検出
信号が、前輪操舵角センサ19、スロットル開度センサ20
及びブレーキスイッチ21から入力ポート25eを介して読
み込まれ、ステップ106にて、車両の状態信号として、
車速Vを表す検出信号が車速センサ22から入力ポート25
eを介して読み込まれる。次に、ステップ108にて、運転
者の状態信号として、前輪操舵角θf、操舵ハンドルWH
を握る圧力HGP及び心拍数BPNを表す各検出信号が、前輪
操舵角センサ19、ハンドル圧力センサ23及び受信器24か
ら入力ポート25e介して読み込まれる。なお、運転者の
状態信号としての前輪操舵角θfは、前記ステップ104
にて運転者の操作信号として読み込まれた値を利用して
もよい。かかるステップ104〜108においては、読み込ん
だ各データは現在の値だけではなく、過去の一定期間に
渡る複数の値がRAM25dに時系列に記憶される。 かかる各検出信号の入力後、ステップ110にて運転者
状態判別ルーチンの処理が実行される。この運転者状態
判別ルーチンの処理は、運転者が居眠り状態、疲労状
態、緊張状態等の異常状態にあるか、正常状態にあるか
を判別するもので、第4図のフローチャートに詳細に示
されているように、ステップ150にてその実行が開始さ
れ、ステップ152〜156にて運転者の状態判別処理が為さ
れる。 ステップ152においては、過去から現在に渡る一連の
前輪操舵角θfの時間的変化が、特定のパターン(居眠
りパターン)に一致するか否かが判定される。これは、
運転者が居眠り状態に陥ったときには、当該車両が特定
パターンで蛇行することに基づくもので、前記前輪操舵
角θfの時間的変化が特定パターンと一致するとき、運
転者は居眠り状態すなわち異常状態にあると判定され、
それ以外のときには運転者は正常状態にあると判定され
る。 ステップ154においては、過去から現在に渡る所定時
間内の操舵ハンドルWHを握る圧力HGPに基づいて、該圧
力HGPが所定時間連続して所定値未満にあるか否かが判
定される。これは、運転者が居眠り状態に陥ったり、疲
労状態にある場合には、操舵ハンドルWHを握る圧力が低
下することに基づくもので、前記圧力HGPが所定時間連
続して所定値未満であるとき、運転者は居眠り状態又は
疲労状態すなわち異常状態にあると判定され、それ以外
のときには運転者は正常状態にあると判定される。 ステップ156においては、過去から現在に渡る心拍数B
PNに基づいて、心拍数BPNが急変したか否かが判定され
る。これは、運転者が極度の緊張状態に陥った場合に
は、心拍数BPNが急増することに基づくもので、前記心
拍数BPNが急変したとき、運転者は極度の緊張状態すな
わち異常状態にあると判定され、それ以外のときには運
転者は正常状態にあると判定される。 かかるステップ152〜156の処理により、運転者が正常
であるとそれぞれ判定された場合には、ステップ158に
て運転者状態フラグDSFが“0"に設定され、また運転者
が異常であると判定された場合には、ステップ160にて
運転者状態フラグDSFが“1"に設定される。かかるステ
ップ158,160の処理後、ステップ162にて当該運転者状態
判別ルーチンの実行が終了されて、プログラムは第3図
のステップ112へ進められる。 ステップ112においては、前記運転者状態フラグDSFが
“0"であるか否かが判定される。今、運転者の状態が正
常であって同フラグDSFが“0"であれば、ステップ112に
おける「YES」との判定の基に、ステップ114にて運転者
の操作信号θf,SLT,BSW及び車両の状態信号Vに応じて
車両の挙動が判別されるとともに、該判別に応じてショ
ックアブソーバ11〜14の減衰力を設定するための減衰力
フラグADFが次のように設定される。 前輪操舵角θが所定量以上になったときには、当該車
両が旋回を開始すると判別され、減衰力フラグADFが減
衰力の「高」を表す“2"に一定時間設定される。 スロットル開度SLT(アクセルペダルの踏み込み量)
又は同開度SLTの増加速度(アクセルペダルの踏み込み
速度)が所定値以上になったときには、当該車両が増速
を開始すると判別され、減衰力フラグADFが減衰力の
「高」を表す“2"に一定時間設定される。 データBSWがブレーキペダルの踏み込み操作を表すと
きには、当該車両が減速を開始すると判別され、減衰力
フラグADFが減衰力の「高」を表す“2"に一定時間設定
される。 車速Vが所定車速以上のときには、減衰力フラグADF
が減衰力の「中」を表す“1"に設定される。 前記〜以外の場合には、減衰力フラグADFが減衰
力の「低」を表す“0"に設定される。 このステップ114の処理後、ステップ116にて前記設定
減衰力フラグADFの値に応じてプログラムがステップ118
〜122へ進められる。すなわち、減衰力フラグADFが“0"
であれば、プログラムはステップ118へ進められ、同ス
テップ118にて減衰力「低」を表す制御信号が出力ポー
ト25fを介して駆動回路28へ出力される。減衰力フラグA
DFが“1"であれば、プログラムはステップ120へ進めら
れ、同ステップ120にて減衰力「中」を表す制御信号が
出力ポート25fを介して駆動回路28へ出力される。減衰
力フラグADFが“2"であれば、プログラムはステップ122
へ進められ、同ステップ122にて減衰力「高」を表す制
御信号が出力ポート25fを介して駆動回路28へ出力され
る。 駆動回路28は、前記各制御信号に応じて電磁アクチュ
エータ11a〜14aを駆動制御して、ショックアブソーバ11
〜14の減衰力を同各制御信号に対応した「低」「中」
「高」にそれぞれ設定制御する。その結果、当該車両が
高速走行したり、同車両の挙動が変化したりする場合に
は、ショックアブソーバ11〜14の減衰力が高い側に設定
されて、当該車両は姿勢変化量が少なくなる方向に制御
されるので、同車両の操安性が良好に保たれる。また、
当該車両が通常走行している場合には、ショックアブソ
ーバ11〜14の減衰力が低い側に設定されて、当該車両は
姿勢変化に対する乗員への衝撃が緩和される方向へ制御
されるので、同車両の乗り心地が良好になる。 一方、前記ステップ110の運転者状態判別ルーチンの
実行の結果、運転者の状態が異常であると判別される
と、ステップ112における「NO」との判定の基に、プロ
グラムはステップ124へ進められ、同ステップ124にてブ
ザー29を発音させるための制御信号が出力ポート25fを
介してブザー29へ出力される。これにより、ブザー29は
所定時間発音するので、運転者の意識が喚起される。こ
のステップ124の処理後、ステップ122にて、前述のよう
に、ショックアブソーバ11〜14の減衰力が「高」に設定
される。その結果、前記車両の挙動変化とは無関係に、
運転者の異常時には、当該車両は、旋回等の車両の挙動
に対して姿勢変化が減少する方向へ制御される。これに
より、異常状態にある運転者が誤ったハンドル操作をし
ても、該ハンドル操作に対する車両の姿勢変化が少なく
なるので、当該車両は、運転者の異常状態に対処して安
全に走行する方向へ制御されることになる。 b.第2実施例 本発明を、旋回時のステア特性(アンダステア及びオ
ーバステア)を変更可能な懸架装置を備えた車両に適用
した例について図面を用いて説明する。 第5図は、各車輪FW1,FW2,RW1,RW2を懸架する各懸架
装置内に、本発明の運動特性変更装置を構成する油圧シ
リンダ31〜34をそれぞれ備えた車両の全体を概略的に示
している。これらの油圧シリンダ31〜34には圧力制御バ
ルブ31a〜34aがそれぞれ接続されており、同各バルブ31
a〜34aは油圧ポンプ35及びリザーバ36にそれぞれ接続さ
れているとともに、供給制御信号に応じて前記油圧シリ
ンダ31〜34内の油圧を設定制御する。 また、この車両は、前記第1実施例の場合と同様な前
輪操舵角センサ19、車速センサ22、ハンドル圧力センサ
23、受信器24、マイクロコンピュータ25、送信器26、心
拍数センサ27及びブザー29を備えている。ただし、この
マイクロコンピュータ25においては、ROM25bは第4図及
び第6図のフローチャートに対応したプログラムを記憶
しているとともに、第7図の車両旋回時の前後荷重分配
率Kfr0,Kfr1をテーブルの形で記憶している。また、入
力ポート25e及び出力ポート25fは合体されて入出力ポー
ト25gのように表されている。この入出力ポート25gに
は、圧力制御バルブ31a〜34aを駆動制御する駆動回路37
が接続されている。 次に、上記のように構成した第2実施例の動作を第6
図のフローチャートを参照しながら説明する。 この実施例においても、イグニッションスイッチの閉
成により、ステップ200にてプログラムの実行が開始さ
れ、ステップ202の初期化の後、ステップ204〜224から
なる循環処理が実行され続ける。かかる循環処理中、ス
テップ204,206にて、前記第1実施例の場合と同様に、
運転者の操作信号として前輪操舵角θfが読み込まれる
とともに、車両の状態信号として車速Vが読み込まれた
後、ステップ208にて、前輪操舵角θf及び車速Vに基
づき、車両の旋回に伴う荷重移動量ΔMが計算される。
この荷重移動量ΔMは車両旋回時に内側前後車輪から外
側前後車輪に移動する荷重量であって、同ステップ208
においては、まず前記前輪操舵角θf及び車速Vに基づ
いて車体BDに作用する遠心力が推定演算され、該推定演
算結果に基づいて前記荷重移動量ΔMが推定演算され
る。 かかるステップ208の処理後、前記第1実施例の場合
と同様に、ステップ210,212にて運転者の状態信号とし
ての前輪操舵角θf、操舵ハンドルWHを握る圧力HGP及
び運転者の心拍数BPNが読み込まれるとともに、該読み
込みデータに応じて運転者の状態が判別されて運転者状
態フラグDSFが設定される。 今、運転者が正常状態であって運転者状態フラグDSF
が“0"であれば、ステップ214における「YES」との判定
の基に、ステップ216にてROM25b内のテーブルが参照さ
れて前後荷重分配率Kfrが値Kfr0に設定される。かかる
場合、前後荷重分配率Kfr0は、第7図の実線で示すよう
に、低車速にて後輪寄りの値となり、車速Vの増加に従
って前輪寄りの値となるように変化する。なお、ここで
後輪寄り又は前輪寄りの前後荷重分配率について若干説
明を加えておく。例えば、車両旋回時に内側車輪から外
側車輪へ「10」の荷重が移動したとすると、この「10」
の荷重のうちで、「6」の荷重を後輪RW1,RW2が負担
し、かつ「4」の荷重を前輪FW1,FW2が負担する場合
に、前後荷重分配率が後輪寄りと言い、かかる場合、後
輪RW1,RW1の平均コーナリングパワーが前輪FW1,FWの平
均コーナリングパワーより小さくなって、後輪RW1,RW2
が前輪FW1,FW2に比べて滑り易くなり、当該車両はオー
バステア傾向になる。また、荷重移動量「10」のうち
で、「6」の荷重を前輪FW1,FW2が負担し、かつ「4」
の荷重をが後輪RW1,RW2負担する場合に、前後荷重分配
率が前輪寄りと言い、かかる場合、前輪FW1,FWの平均コ
ーナリングパワーが後輪RW1,RW1の平均コーナリングパ
ワーより小さくなって、前輪FW1,FW2が後輪RW1,RW2に比
べて滑り易くなり、当該車両はアンダステア傾向にな
る。 前記ステップ216の処理後、ステップ218にて前記荷重
移動量ΔM及び前後荷重分配率Kfrに基づき、各車輪FW
1,FW2,RW1,RW2の分担荷重に対応した各目標油圧値P1〜P
4が算出され、ステップ218にて該算出された各目標油圧
値P1〜P4をそれぞれ表す各制御信号が入出力ポート25g
を介して駆動回路37へ出力される。これにより、駆動回
路37は前記出力された各制御信号に応じて圧力制御バル
ブ31a〜34aを制御する。その結果、油圧シリンダ31〜34
内の各油圧値は前記各目標油圧値P1〜P4に設定され、同
各シリンダ31〜34は前記各目標油圧値P1〜P4に対応した
荷重を分担して車体BDをそれぞれ支持することになる。
これにより、車両旋回時には、外側前後車輪が前記荷重
移動量ΔMを前記前後荷重分配率Kfrに従って負担する
ことになり、当該車両の低速走行時には、前後荷重分配
率Kfrが後輪寄りであるので、同車両はオーバステア傾
向となって小回り性能が向上する。また、当該車両の高
速走行時には、前後荷重分配率Kfrが前輪寄りになっ
て、同車両はアンダステア傾向となって走行安定性が良
好になる。 一方、前記ステップ212の判別処理の結果、運転者の
状態が異常であって運転者状態フラグDSFが“1"に設定
されると、ステップ214における「NO」との判定の基
に、ステップ222にて前記第1実施例の場合と同様に、
ブザー29の発音が制御されて、運転者の注意が喚起され
る。そして、ステップ224にて、ROM25b内のテーブルが
参照されて、前後荷重分配率Kfrが値Kfr1に設定され
る。かかる場合、前後荷重分配率Kfr1は、第7図の破線
で示すように、前記運転者が正常時に設定される値Kfr0
より正側に大きな値すなわち前輪寄りの値である。 これにより、かかる運転者が異常な状態にあるときに
は、前記ステップ218,220の処理の結果、当該車両は通
常時よりもアンダステア傾向に設定される。このこと
は、運転者が異常状態に陥った場合に、ハンドル操作に
対する車両の姿勢変化量が減少される側に車両を制御す
ることを意味し、当該第2実施例においても、当該車両
は、運転者の異常状態に対処して安全に走行する方向へ
制御されるとともに、ハンドル操作に対する車両旋回応
答性が鈍くなって運転者の疲労時にも当該車両を運転し
易くなる。 c.第3実施例 本発明を、操舵助勢力を変更可能なパワーステアリン
グ装置PSを備えた車両に適用した例について図面を用い
て説明する。 第8図はこのパワーステアリング装置PSを概略的に示
しており、同装置PSはコントロールバルブ41、ベーンポ
ンプ42、分流弁43、電磁バルブ44、リザーバ45等からな
り、操舵ハンドルWHの回動操作に連動してパワーシリン
ダ46に対する作動油の給排を制御して、前記回動操作を
助勢する。また、このパワーステアリング装置PSにおい
ては、コントロールバルブ41に設けた油圧反力室41a内
の油圧を、電磁バルブ44の開度に応じて制御することに
より、運転者の操舵操作に対する反力が変更制御される
ようになっている。かかる場合、電磁バルブ44は、同バ
ルブ44に内蔵されているソレノイド44aへの電流が増加
する従って、そのバルブ開度を大きくするように構成さ
れ、同バルブ開度の増加に従って油圧反力室41a内の油
圧が低下して、操舵反力が減少するようになっている。
そして、該第3実施例においては、ハンドル操作に対す
る車両の姿勢変化量を変更可能な本発明の運動特性変更
装置は、油圧反力室41a及び電磁バルブ44に対応する。 このパワーステアリング装置PSは、電磁バルブ44内の
ソレノイド44aへの通電量を制御するために、前記第1
実施例の場合と同様な前輪操舵角センサ19、車速センサ
22、ハンドル圧力センサ23、受信器24、マイクロコンピ
ュータ25、送信器26、心拍数センサ27及びブザー29を備
えている。ただし、このマイクロコンピュータ25におい
ては、ROM25bは第4図及び第9図のフローチャートに対
応したプログラムを記憶しているとともに、第10図に示
すような車速Vに対するバルブ開度VLVをテーブルの形
で記憶している。また、出力ポート25fには、ソレノイ
ド44aを励磁制御するための励磁回路47が接続されてい
る。 次に、上記のように構成した第3実施例の動作を第9
図のフローチャートを参照しながら説明する。 この実施例においても、イグニッションスイッチの閉
成により、ステップ300にてプログラムの実行が開始さ
れ、ステップ302の初期化の後、ステップ304〜318から
なる循環処理が実行され続ける。かかる循環処理中、ス
テップ304にて、前記各実施例の場合と同様に、車両の
状態信号として車速Vが読み込まれた後、ステップ306
にて前記読み込んだ車速Vに基づいてROM25b内のテーブ
ルが参照されて、第10図の実線で示されるように、車速
Vに応じて変化するバルブ開度VLVが導出される。 かかるステップ306の処理後、前記各実施例の場合と
同様に、ステップ308,310にて運転者の状態信号として
の前輪操舵角θf、操舵ハンドルWHを握る圧力HGP及び
運転者の心拍数BPNが読み込まれるとともに、該読み込
みデータに応じて運転者の状態が判別されて運転者状態
フラグDSFが設定される。 今、運転者が正常状態であって運転者状態フラグDSF
が“0"であれば、ステップ312における「YES」との判定
の基に、ステップ318にて前記導出バルブ開度VLVを表す
制御信号が出力ポート25fを介して励磁回路47へ出力さ
れる。励磁回路47は、前記供給制御信号に基づき、ソレ
ノイド44aの通電量を制御して、電磁バルブ44の開度が
前記導出バルブ開度VLVになるように制御する。かかる
場合、導出バルブ開度VLVは、第10図の実線で示すよう
に、車速Vが増加するに従って減少するようになってい
るので、油圧反力室41a内の油圧は車速Vの増加に従っ
て増加し、当該パワーステアリング装置PSによれば、低
速走行時に軽快なハンドル操作が実現されるとともに、
高速走行時には手応えのあるハンドル操作が実現され
て、操舵フィーリングが良好となる。 一方、前記ステップ310の判別処理の結果、運転者が
異常であって運転者状態フラグDSFが“1"に設定される
と、ステップ312における「NO」との判定の基に、ステ
ップ314にて前記各実施例の場合と同様に、ブザー29の
発音が制御されて、運転者の注意が喚起される。そし
て、ステップ316にて、前記ステップ306の処理により導
出したバルブ開度VLVから所定値ΔVが減算されて、補
正バルブ開度VLV−ΔVが決定され、ステップ318にて前
述のようにして電磁バルブ44のバルブ開度がこの補正バ
ルブ開度VLV−ΔVに設定制御される(第10図の破線参
照)。 これにより、かかる場合には、前記場合よりも、電磁
バルブ44のバルブ開度がΔV分低くなり、油圧反力室41
a内の油圧が高くなるので、かかる運転者が異常な状態
にあるときには、操舵ハンドルWHの操作が通常時よりも
重くなる。このことは、運転者が異常状態に陥った場合
に、ハンドル操作に対する前輪FW1,FW2の操舵助勢力が
減少、すなわちハンドル操作に対する当該車両の姿勢変
化量が減少される側に車両を制御することを意味し、当
該第3実施例においても、当該車両は、運転者の異常状
態に対処して安全に走行する方向へ制御されることにな
る。 d.第4実施例 本発明を、操舵比(ハンドル操舵量/前輪の切れ角)
を変更可能な操舵装置を備えた車両に適用した例につい
て図面を用いて説明する。 第11図はこの操舵装置を概略的に示しており、同操舵
装置は円筒状に形成され車体(図示しない)に軸方向に
変位可能に支持されたハウジング51を備えている。この
ハウジング51内にはラックバー52が軸方向に変位可能に
支持されており、同バー52は、同バー52と噛合するピニ
オン53と、中間軸54a(操舵軸54の若干の屈曲を許容す
る)を含む操舵軸54とを介して操舵ハンドルWHに接続さ
れるとともに、その両端にて左右タイロッド55a,55b及
び左右ナックルアーム56a,56bを介して左右前輪FW1,FW2
を操舵可能に接続している。 ハウジング51内にはラックバー52を駆動するパワーシ
リンダ57が一体的に形成されており、同シリンダ57に対
する作動油の給排が、ハウジング51に設けたコントロー
ルバルブ58により、操舵軸54に作用する操舵トルクに応
じて制御されるようになっている。この制御バルブ58に
は油圧ポンプ59及びリザーバ60が接続されている。 また、ハウジング51には一体的にブラケット61が固着
されており、同ブラケット61は油圧シリンダ62のピスト
ンロッド62aに接続されて、同シリンダ62により車体に
対して変位駆動されるようになっている。油圧シリンダ
62にはサーボバルブ63が接続されており、同バルブ63は
サーボアンプ64により制御されて油圧ポンプ59からの吐
出油を油圧シリンダ62の一方の油室に供給するととも
に、同シリンダ62の他方の油室内の作動油をリザーバ60
へ排出するようになっている。サーボアンプ64の正側入
力(+)にはハウジング51の軸方向の変位量を表す修正
操舵量Δθが供給され、かつ同アンプ64の負側入力
(−)にはピストンロッド62aの変位量を検出する変位
量センサ65が接続され、同アンプ64がサーボバルブ63を
切り換え制御してハウジング21の移動量を前記修正操舵
量Δθ分だけフィードバック制御するようになってい
る。 そして、該第4実施例においては、ラックバー52の軸
方向の変位とともにハウジング51の軸方向の変位によっ
て左右前輪FW1,FW2の操舵角が制御されるようになって
おり、ハンドル操作に対する車両の姿勢変化量を変更可
能な本発明の運動特性変更装置は、ハウジング51、油圧
シリンダ62、サーボバルブ63等に対応する。 また、この車両は、前記修正操舵量Δθを形成出力す
るために、前記各実施例の場合と同様な前輪操舵角セン
サ19、ハンドル圧力センサ23、受信器24、マイクロコン
ピュータ25、送信器26、心拍数センサ27及びブザー29を
備えている。ただし、このマイクロコンピュータ25にお
いては、ROM25bは第4図及び第12図のフローチャートに
対応したプログラムを記憶している。また、入出力ポー
ト25gにはサーボアンプ64の正側入力(+)に接続され
ている。 次に、上記のように構成した第4実施例の動作を第12
図のフローチャートを参照しながら説明する。 この実施例においても、イグニッションスイッチの閉
成により、ステップ400にてプログラムの実行が開始さ
れ、ステップ402の初期化の後、ステップ404〜418から
なる循環処理が実行され続ける。かかる循環処理中、前
記各実施例の場合と同様に、ステップ404にて運転者の
操作信号として前輪操舵角θfが読み込まれた後、ステ
ップ406,408にて運転者の状態信号としての前輪操舵角
θf、操舵ハンドルWHを握る圧力HGP及び運転者の心拍
数BPNが読み込まれるとともに、該読み込みデータに応
じて運転者の状態が判別されて運転者状態フラグDSFが
設定される。 今、運転者が正常状態であって運転者状態フラグDSF
が“0"であれば、ステップ410における「YES」との判定
の基に、ステップ412にて修正操舵量Δθが「0」に設
定され、ステップ414にて前記「0」を表す修正操舵量
Δθが入出力ポート25gを介してサーボアンプ64の正側
入力(+)に供給される。サーボアンプ64は変位量セン
サ65との協働によりサーボバルブ63を介した油圧シリン
ダ62に対する作動油の給排を制御し、同シリンダ62がハ
ウジング51を中立位置に保つ。かかる状態で、運転者に
より操舵ハンドルWHが回動操作されると、該回動は操舵
軸54及びピニオン53を介してラックバー52に伝達され、
同バー52は、パワーシリンダ57により助勢されながら、
前記操舵ハンドルWHの回動量に対応した量だけ軸方向へ
変位して、左右前輪FW1,FW2は前記ラックバー52の変位
量分だけ左右に操舵される。 一方、前記ステップ408の判別処理の結果、運転者が
異常であって運転者状態フラグDSFが“1"に設定される
と、ステップ410における「NO」との判定の基に、ステ
ップ416にて前記各実施例の場合と同様に、ブザー29の
発音が制御されて運転者の注意が喚起される。そして、
ステップ418にて修正操舵量Δθが前輪操舵角θfに負
の定数「−k」を乗算した値−k・θfに設定され、ス
テップ414にて値−k・θfが修正操舵量Δθとしてサ
ーボアンプ64の正側入力(+)に供給される。その結
果、サーボアンプ64、変位量センサ65及びサーボバルブ
63により油圧シリンダ62が制御され、同シリンダ62はハ
ウジング51を軸方向へ前記修正操舵量Δθ(=−k・θ
f)に対応した量だけ変位させる。このハウジング51の
変位方向は操舵ハンドルWHの回動によりラックバー52が
変位する方向とは逆であり、ラックバー52の車体に対す
る軸方向の変位量は前記修正操舵量Δθ分だけ減少され
ることになる。 これにより、運転者が異常な状態にあるときには、操
舵ハンドルWHの回転角に対する左右前輪FW1,FW2の切れ
角(操舵比)が通常時よりも小さくなる。このことは、
運転者が異常状態に陥った場合に、ハンドル操作に対す
る当該車両の旋回特性をアンダステア傾向に制御、すな
わちハンドル操作に対する当該車両の姿勢変化量が減少
される側に車両を制御することを意味し、当該第4実施
例においても、当該車両は、運転者の異常状態に対処し
てハンドル操作に対する旋回応答性が鈍くなる方向へ、
すなわち安全に走行する方向へ制御されることになる。 e.第5実施例 本発明を、操舵比(後輪操舵角/前輪操舵角)を変更
可能な4輪操舵車に適用した例について図面を用いて説
明する。 第13図はこの4輪操舵車を概略的に示しており、同操
舵車においては、前輪の操舵が回転シャフト71を介して
前輪操舵装置から後輪操舵装置へ伝達されるようになっ
ている。 前輪操舵装置は操舵ハンドルWHにピニオン72及び操舵
軸73を介して接続されたラックバー74を備えており、同
バー74の両端には左右タイロッド75a,75b及び左右ナッ
クルアーム76a,76bを介して左右前輪FW1,FW2が操舵可能
に連結されている。また、このラックバー74には回転シ
ャフト71の前端に設けたピニオン77が噛合している。 後輪操舵装置は軸方向の変位により左右後輪RW1,RW2
を操舵するリレーロッド78を備え、同ロッド78はその両
端にて左右タイロッド79a,79b及び左右ナックルアーム8
0a,80bを介して左右後輪RW1,RW2を操舵可能に連結して
いる。 このリレーロッド78と回転シャフト71の後端との間に
は舵角比設定機構81が介装されている。舵角比設定機構
81は回転シャフト71の回転をリレーロッド78の軸方向の
変位に変換することにより左右後輪RW1,RW2を左右前輪F
W1,FW2に連動して操舵するとともに、該回転シャフト71
の回転に対するリレーロッド78の変位方向及び変位量を
可変制御することにより舵角比を設定制御するもので、
例えば特開昭61-163064号公報に示された公知のものを
利用できる。また、舵角比設定機構81には電動モータ82
が組み付けられており、同モータ82は同機構81内の舵角
比変更用部材(図示しない)を駆動制御することによっ
て、前記舵角比が所定の逆相値から所定の同相値へ変更
制御されるようになっている。そして、この第5実施例
においては、舵角比設定機構81及び電動モータ82が車両
の姿勢変化量を変更可能な本発明の運動特性変更装置に
対応する。 この電動モータ82にはサーボアンプ83が接続されてい
る。サーボアンプ83は電動モータ82の回転位置をフィー
ドバック制御するもので、その正側入力(+)には舵角
比Kを表す制御信号が供給され、かつその負側入力
(−)には電動モータ82の回転位置を検出する回転位置
センサ84が接続されている。 また、この前後輪操舵車は舵角比を設定制御するため
に、前記各実施例の場合と同様な前輪操舵角センサ19、
車速センサ22、ハンドル圧力センサ23、受信器24、マイ
クロコンピュータ25、送信器26、心拍数センサ27及びブ
ザー29を備えている。ただし、このマイクロコンピュー
タ25においては、ROM25bは第4図及び第14図のフローチ
ャートに対応したプログラムを記憶しているとともに、
第15図の実線で示すような車速Vに応じて変化する舵角
比Kをテーブルの形で記憶している。また、入出力ポー
ト25gには、前記サーボアンプ83の正側入力(+)が接
続されている。 次に、上記のように構成した第5実施例の動作を第14
図のフローチャートを参照しながら説明する。 この実施例においても、イグニッションスイッチの閉
成により、ステップ500にてプログラムの実行が開始さ
れ、ステップ502の初期化の後、ステップ504〜518から
なる循環処理が実行され続ける。かかる循環処理中、ス
テップ504にて、前記各実施例の場合と同様に、車両の
状態信号として車速Vが読み込まれた後、ステップ506
にて該読み込まれた車速Vに基づいてROM25b内のテーブ
ルが参照されて、第15図の実線で示されるように、車速
Vに応じて変化する舵角比Kが導出される。 かかるステップ506の処理後、前記各実施例の場合と
同様に、ステップ508,510にて運転者の状態信号として
の前輪操舵角θf、操舵ハンドルWHを握る圧力HGP及び
運転者の心拍数BPNが読み込まれるとともに、該読み込
みデータに応じて運転者の状態が判別されて運転者状態
フラグDSFが設定される。 今、運転者が正常状態であって運転者状態フラグDSF
が“0"であれば、ステップ512における「YES」との判定
の基に、ステップ518にて前記導出舵角比Kを表す制御
信号が、入出力ポート25gを介して、サーボアンプ83へ
出力される。サーボアンプ83は回転位置センサ84との協
働により電動モータ82の回転位置を前記舵角比Kに対応
した位置まで回転制御する。その結果、舵角設定機構81
内の舵角比設定用部材が前記電動モータ82により駆動制
御されて、同機構81は設定舵角比を前記導出舵角比Kに
設定制御する。 かかる状態で、操舵ハンドルWHが回動されると、該回
動は操舵軸73及びピニオン72を介してラックバー74に伝
達され、同バー74が前記操舵ハンドルWHの回転角に対応
した量だけ軸方向へ変位し、左右前輪FW1,FW2が操舵ハ
ンドルWHの回動に対応して左右に操舵される。一方、前
記ラックバー74の軸方向の変位により、回転シャフト71
が回転し、該回転は舵角比設定機構81に伝達される。そ
の結果、左右後輪RW1,RW2が左右前輪FW1,FW2の操舵に連
動して操舵されるが、左右後輪RW1,RW2の左右前輪FW1,F
W2に対する舵角比は第15図の実線で示す特性に従って変
化する。すなわち、当該車両が低速走行しているときに
は、舵角比は逆相に設定され、同車両の小回り性能が向
上する。また、当該車両が高速走行しているときには、
舵角比は同相に設定され、同車両の走行安定性が良好と
なる。 また、前記ステップ510の判別処理の結果、運転者が
異常であって運転者状態フラグDSFが“1"に設定される
と、ステップ512における「NO」との判定の基に、ステ
ップ514にて前記各実施例の場合と同様に、ブザー29の
発音が制御されて、運転者の注意が喚起されている。そ
して、ステップ516にて、前記ステップ506の処理により
導出した舵角比Kに所定値ΔKが加算されて補正舵角比
K+ΔKが決定され、ステップ518にて前述のようにし
て舵角比設定機構81における設定舵角比が前記補正舵角
比K+ΔKに設定制御される(第15図の破線参照)。 これにより、かかる場合には、前記場合よりも、舵角
比KがΔK分正側に大きく、すなわち同相側の値に設定
されるので、かかる運転者が異常な状態にあるときに
は、通常時よりも、左右後輪RW1,RW2が左右前輪FW1,FW2
に対して同相側へ操舵される傾向が増し、走行安定性が
良好となる。言い替えると、このことは、運転者が異常
状態に陥った場合に、ハンドル操作に対する当該車両の
旋回特性をアンダステア傾向に制御、すなわちハンドル
操作に対する当該車両の姿勢変化量が減少される側に車
両を制御することを意味し、当該第5実施例において
も、当該車両は、運転者の異常状態に対処してハンドル
操作に対する旋回応答性が鈍くなる方向へ、すなわち安
全に走行する方向へ制御されることになる。 f.その他の変形例 上記各実施例においては、運転者が居眠り状態等の異
常状態に陥った場合には、ブザー29を発音させて運転者
の注意を喚起するようにしたが、かかる場合、特開昭60
-135331号公報、特公昭59-16968号公報等の示されてい
るように、座席を振動させたり、送風機を作動させて運
転者に冷風を当てたり、ラジオ及びカセットテープ装置
を作動させて音楽を発音させたり、窓を自動的に開けた
りして、運転者の注意を喚起させるようにしてもよい。 また、上記各実施例においては、運転者の状態を正常
又は異常の2種に判別し、該判別に応じて運転者の操作
に対する車両の運動特性を2種に切り換え制御するよう
にしたが、運転者の状態、特に疲労などの状態にあって
は、その疲労の程度(ハンドル握力の大きさ)に応じ
て、上記各実施例の各運動特性を連続的に制御するよう
にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例に係る車両を概略的に示す
斜視図、第2図は第1図の懸架装置を制御するための制
御回路図、第3図及び第4図は第2図のマイクロコンピ
ュータにて実行されるプログラムのフローチャート、第
5図は本発明の第2実施例に係る車両の懸架装置の全体
概略図、第6図は第5図のマイクロコンピュータにて実
行されるプログラムのフローチャート、第7図は第5図
の懸架装置における車両旋回時の前後荷重分配率の特性
図、第8図は本発明の第3実施例に係る車両のパワース
テアリング装置の全体概略図、第9図は第8図のマイク
ロコンピュータにて実行されるプログラムのフローチャ
ート、第10図は第8図のパワーステアリング装置におけ
る操舵反力の特性図、第11図は本発明の第4実施例に係
る車両の前輪操舵装置の全体概略図、第12図は第11図の
マイクロコンピュータにて実行されるプログラムのフロ
ーチャート、第13図は本発明の第5実施例に係る4輪操
舵車の全体概略図、第14図は第13図のマイクロコンピュ
ータにて実行されるプログラムのフローチャート、第15
図は第13図の4輪操舵車における舵角比の特性図であ
る。 符号の説明 BD……車体、WH……操舵ハンドル、FW1,FW2……前輪、R
W1,RW2……後輪、PS……パワーステアリング装置、11〜
14……ショックアブソーバ、11a〜14a……電磁アクチュ
エータ、15〜18……コイルスプリング、19……前輪操舵
角センサ、20……スロットル開度センサ、21……ブレー
キスイッチ、22……車速センサ、23……ハンドル圧力セ
ンサ、24……受信器、25……マイクロコンピュータ、26
……送信器、27……心拍数センサ、29……ブザー、31〜
34……油圧シリンダ、31a〜34a……圧力制御バルブ、41
……コントロールバルブ、41a……油圧反力室、42……
油圧ポンプ、44……電磁バルブ、44a……ソレノイド、4
6……パワーシリンダ、51……ハウジング、52……ラッ
クバー、62……油圧シリンダ、63……サーボバルブ、64
……サーボアンプ、71……回転シャフト、74……ラック
バー、78……リレーロッド、81……舵角比設定機構、82
……電動モータ、83……サーボアンプ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】運転者のハンドル操作に対する車両の旋回
    特性を変更可能な旋回特性変更装置と、 運転者の状態を検出する運転者状態検出手段と、 前記運転者状態検出手段により運転者の異常な状態が検
    出されたとき前記旋回特性変更装置を制御して前記運転
    者のハンドル操作に対する車両の旋回特性をアンダステ
    ア側に変更する変更制御手段と を備えたことを特徴とする車両の運動特性制御装置。
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