JP2615108B2 - ロータリー式の袋口結束装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、ロータリー式の袋詰め包装機によって製成
される包装製品の袋口を次々と結束する装置に関する。
より詳しく説明すると、円板の周縁に設けた一対一組と
する多数組のクランプアーム先端のクリップで包装袋の
両側縁を挾持すると共に、前記円板の回転でもってクラ
ンプアームに釣り下げた包装袋を円軌道で運搬し、前記
各包装袋を円軌道で運搬中に各袋内に被包装物を充填し
たあと、袋の開口縁を溶封するようにした回転式の袋詰
め包装機に隣接し前記袋詰め包装機から開放される包装
袋の袋口を細く絞り、この細く絞った部分をテープまた
は線材でもって結束する結束装置である。

（従来の技術） 特開昭62−182017号公報には、中心軸の駆動によって
間欠回転する円板の周縁に２個１組とする多数組の挾持
アームをピンを介して揺動自在に支持すると共に、前記
の各挾持アームを前記円板と同芯で不動状態に設けた溝
カムに係合し前記円板が各挾持アームと一体に回転する
とき、カムの溝の折れ曲がりでもって対の挾持アームの
先端を接近させ、上から釣り下げられた包装袋の開口部
をこれら挾持アームで細く絞って運搬し、前記包装袋を
運搬軌道中に設けた結束機構に通過させて袋口をテープ
で結束するものが開示されている。

（発明が解決しようとする問題等） しかし、前記の装置は縦型のピロー包装機で製成され
る袋詰め品を結束するために構成したもので、もし仮に
かかる構成の装置を回転式の袋詰め包装機に隣接し、該
袋詰め包装機から開放される包装袋（袋詰め品）を受け
取って結束しようとしても、それはうまく行かない。な
ぜならば、回転式の袋詰め包装機において袋詰め品は袋
口の両側をクリップで挾持されて釣り下げられており、
この袋口の両側から挾持アームを接近させても袋の中に
は商品が充満しているから、袋口を細く絞ることができ
ないからである。だからといって、挾持アームを接近さ
せながら同時に袋を釣り下げているクリップを開放した
のでは、袋詰め品はその中の商品の重量によって、一
瞬、下方へずり落ちテープでの結束位置が不揃いにな
る。

なお従来、実開昭53−136963号公報及び特開昭59−26
422号公報にもこの種の結束装置が開示されているが、
これらはいずれもコンベアの上に袋詰め品を乗せて運搬
しながら袋口をテープで結束するものであり、例えば不
安定な平袋製の袋詰めをコンベアの上に乗せると、商品
の重量によって袋詰め品の高さが一定せずテープによる
結束位置が不揃いになる。

本発明は上記の点に鑑み、回転式の袋詰め包装機から
開放される袋詰め品の商品の重量に関係なく、個々の袋
詰め品の同じ位置を結束できる装置を提供するものであ
る。（なお、本願は特願昭62−207143号の改良であ
る。） （問題を解決するための手段） 本発明は上記の目的を達成するために、機台に垂直で
回転自在に支持した主軸上端の円板から複数本の流体シ
リンダーを等間隔で放射状に突き出し、該各流体シリン
ダーと各ピストンロッドの先端とにそれぞれ挾持爪を設
ける一方、前記円板を前記各流体シリンダーの設置間隔
と同じピッチで間欠回転するように前記主軸を動力源に
連結し、さらに前記各流体シリンダーの両側において前
記円板に対してそれぞれ対の挾持アームを回転自在に支
持すると共に、前記主軸の周囲に配置するように前記機
台上に固定した溝カムに前記各挾持アームの操作ピンを
係合し、前記円板が一回転する間に各対の挾持アームの
先端が接近するように前記の溝カムの溝を形成する一
方、前記主軸に係合した可動部材と不動部分に支持した
固定部材とでロータリーバルブを形成すると共に、前記
ロータリーバルブを介して流体圧力源と前記各流体シリ
ンダーとを回路連結し、前記各流体シリンダーの一つの
停止箇所で前記各挾持爪が閉鎖するように各流体シリン
ダーに流体圧力が作用するようにする一方、前記の各対
の挾持アームが接近して移動する区域に結束機構を設置
して構成したものである。

（作用） 主軸上端の円板から複数本の流体シリンダーを等間隔
に突き出すと共に、前記主軸の駆動によって前記円板が
前記各流体シリンダーの設置間隔と同じピッチで間欠回
転するようにしている。この各流体シリンダーは常に同
じ位置に停止するように移動する。

一方、前記主軸に係合した可動部材と、不動部分に支
持した固定部材とによってロータリーバルブを形成して
おり、このロータリーバルブは主軸の動きによって可動
部材が固定部分の面にスライドして回転する。そして、
このロータリーバルブを介して流体圧力源と前記流体シ
リンダーとを回路連結し、前記各流体シリンダーの一つ
の停止箇所で前記各挾持爪が閉鎖するようにしているの
で、この流体シリンダーの停止箇所がロータリー式袋詰
め包装機における包装製品の解放位置と一致するように
設置すると、各流体シリンダーは停止すると同時に袋詰
め包装機から解放される包装製品の袋口をキャッチし、
この包装製品をキャッチしたまま運搬する。

また、前記各流体シリンダーのそれぞれの両側におい
て前記円板に対の挾持アームを設け、これら各挾持アー
ムの操作ピンを溝カムに係合し、該溝カムによって対の
アームの先端が接近するようにしているから、前記のよ
うに挾持爪によって支持されて運搬されている各包装製
品は対の挾持アームによって袋口を細く絞られ、これら
各対の挾持アームが接近して移動する区域に設けた結束
機構によって袋口の細く絞られた部分に結束が施される
のである。

（実施例） 第１図において袋詰め包装機（10）は、円形のロータ
ー（11）の周縁に一対一組とする多数組のクランプアー
ム（12）（12）…を等間隔に設け、各クランプアーム先
端のクリップ（13）（13）で包装袋（100）を挾持でき
るように構成している。前記ローター（11）は軸（14）
を中心にして矢印方向に間欠的に回転し、Ａのセクショ
ンで包装袋（100）を真空カップ（15）で支持してクリ
ップ（13）（13）に供給すると、クリップは包装袋を挾
持して矢印の方向に回転しその回転軌道の途中の各セク
ションで包装袋の口を開いて被包装物や味つけ液を充填
したあと、Ｙセクションで一対のシールバー（16）（1
6）で袋口を熱溶着し、さらにＺセクションで包装製品
（100′）を対のクランプアーム（12）（12）から解放
する構成で、こうした構成は一般に公知である。

一方、結束装置は円板（20）の上部から３本の流体シ
リンダー（21）（21）（21）を放射状に突き出し、各流
体シリンダーの両側にそれぞれ対の挾持アーム（22）
（23）…を設置して構成している。より詳しくには、第
２図に示すように機台（24）の上面に立設した軸受け
（25）に円筒状の主軸（26）を回転自在に支持し、該主
軸（26）の上端に固定した円板（20）の上面に前記各流
体シリンダー（21）を支持したもので、これら各流体シ
リンダーはその先端に可動爪（35）をピン（30）を介し
て枢支し、可動爪の操作レバー（31）の一端にピストン
ロッド（32）を連結すると共に、流体シリンダー内に設
けたコイルスプリング（33）の張力で可動爪（35）と流
体シリンダーの一端に設けた固定爪（36）とによって形
成した挾持爪を常に開放するように附勢している。

機台内部において原動機とベベル歯車（41）を介して
連結した原動軸（42）と、該原動軸と平行に設けた従動
軸（43）とをゼネバストップ（44）を介して係合し、前
記従動軸に設けた鎖車（45）と前記主軸の下端に設けた
鎖車（46）とをチェーン（47）を介して連結し、ゼネバ
ストップ（44）の作用でもって主軸（26）を120度角ず
つ間欠回転するようにしている。このため、第１図にお
いて３本の流体シリンダー（21）（21）（21）は、円板
（20）によって各流体シリンダーの取り付け間隔と同じ
ピッチで矢印の方向に間欠回転する。

一方、下端を機台に固定した芯棒（37）を主軸（26）
の中空部内に立設し、該芯棒上端の座板（40）上に円形
の固定部材（39）を固定状に支持すると共にこの固定部
材の上に可動部材（38）を設置し、これら固定部材（3
9）と可動部材（38）とでロータリーバルブ（50）を形
成する。また、前記芯棒（37）の内部に沿って形成した
通路（27）の下端をホース（28）を介して加圧源に連結
すると共に、前記通路（27）の上端を前記固定部材（3
9）の上面に開口する一方、前記可動部材（38）の上下
に３本の穴（29）（29）（29）を開設し、これら各穴
（29）（29）（29）と前記の３本の流体シリンダー（2
1）（21）（21）とをそれぞれチューブ（34）（34）（3
4）を介して連結している。また、前記ロータリーバル
ブの可動部材（38）の周面からＬ形の係合部材（48）を
突き出すと共に、円板（20）の上面に設けたアタッチメ
ント（49）を前記係合部材（48）に引掛けて円板（20）
と可動部材（38）とが一体に連動するようにし、チュー
ブ（34）を介して流体シリンダー（21）に加圧流体が作
用している間だけ流体シリンダーの先端の挾持爪がスプ
リング（33）の張力に抗して閉鎖する如くしている。そ
こで、円板（20）が停止すると同時に挾持爪が閉鎖する
ように設定し、第１図の如くこの挾持爪が閉鎖する位置
を包装機（10）が包装製品（100′）を解放する位置に
合わせると、３本の流体シリンダー（21）は包装機（1
0）で袋詰めされた包装製品を次々と受け取って運搬す
る。

第１図に示すように、流体シリンダー（21）の両側に
おいて円板（20）の下側に対の挾持アーム（22）（23）
をピン（58）（58）を介して枢支すると共に、軸受け
（25）の上端周囲に固定した溝カム（59）、つまり、第
３図に示すような２本のエンドレス状の溝（55）（56）
を溝カムに形成し、対の挾持アーム（22）（23）のそれ
ぞれの操作ピン（53）（54）を前記両溝（55）（56）に
係合している。そこで主軸（26）によって円板（20）が
回転し、該円板に支持された挾持アームの操作ピン（5
3）（54）が溝（55）（56）に沿って走行すると、主軸
（26）が一回転する間に対の挾持アーム（22）（23）の
開放端は接近し、先端の窪み（57）（57）の間に包装製
品（100′）の口を細く絞り込む（第１図の右斜め下の
状態を参照）。前記の挾持アームの先端の走行域には公
知のテープによる結束機構（60）を設けており、この結
束機構（60）に挾持アーム（22）（23）で細く絞った包
装製品（100′）を通過させることによって、第６図の
如く包装製品（100′）の首にテープ（61）による結束
が行われ、対の挾持アーム（22）（23）が開放すること
によって結束された包装製品は下方へ落下する。

なお、第２図のロータリーバルブ（50）は下側が固定
部材で上側が可動部材であるが、第４図の如く主軸（2
6）の上に直接、可動部材（38）を設けると共に、この
可動部材の上に固定部材（39）をステー（51）を介して
不動部分（52）に支持して設けることも可能である。

また、第１図及び第４図のロータリーバルブ（50）は
それ自体が流体を切り換え制御する機能を備えている
が、このロータリーバルブ（50）が単なる流体回路用の
回転ジョイントという考えも成り立つ。このような思考
上での構成は第５図に示すように、円板（20）上に３個
の切り換え弁（70）（71）（72）を設置し、これら各切
り換え弁を介して前記の回転ジョイント（50）における
３個の穴（29）（29）（29）と３本の流体シリンダー
（21）（21）（21）とをチューブ（34）（34）（34）を
介して連結すると共に、前記各切り換え弁におけるスプ
ール（75）（76）（77）の一端を回転ジョイント（50）
の下側の不動状態のカム（80）の周面に接触させる。切
り換え弁（70）内に設置したスプリングの力でスプール
（75）はカム（80）に圧接されており、該スプール（7
5）はカム（80）の周面の膨れた部分で流体圧を遮断
し、カムの周面の低い部分で流体シリンダー（21）に流
体圧を作用させる。そこで、円板（20）が停止すると同
時にスプール（75）がカム（80）の膨れた部分の端から
低い部分に落下するように設定することによって、円板
の停止と同時に挾持爪によって包装機の包装製品をキャ
ッチできる。しかし、第５図はロータリーバルブの制御
機能を３個の切り換え弁（70）（71）（72）で代替させ
たものであり、効果上では格別な差がないから、設計変
更的な見地からすると、この実施例は本願の特許請求の
範囲に属するものである。なお、上記における「カム」
という概念は第５図に示す純機械的なものには限らな
い。例えば規定の位置に光電管を設け、スイッチがこの
光電管のある位置に達すると電磁切り換え弁を作動させ
るようにすることができる。

（効果） 本発明は主軸（26）の上端の円板（20）から複数本の
流体シリンダー（21）…を放射状に突き出し、これら各
流体シリンダーの先端にクランプ用の挾持爪を設け、ロ
ータリーバルブ（50）の制御でもって円板（20）が停止
すると同時に前記の挾持爪が閉鎖するようにしたもので
あるから、この挾持爪が包装製品をクランプする箇所を
回転式の袋詰め包装機が包装製品を開放する箇所に合わ
せて本発明の装置を設置すると、各挾持爪で包装製品を
釣り下げ状に支持して円軌道で運搬することができ、包
装製品を円軌道で運搬する途中で包装製品の口を対の挾
持アームて細く絞り、且つ結束することができる。従っ
て、対の挾持アームで直接、包装製品を挟むように袋詰
め包装機から包装製品を受け渡しするようにした従来の
ものに比べると、袋内部の商品の重量に関係なく各袋の
決められた箇所を一定に結束できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す平面図、第２図は前図に
おけるII−II線断面図、第３図は前図のIII−III線矢視
図、第４図及び第５図は他の実施例の説明図、第６図は
包装製品の説明図である。 （10）……袋詰め包装機，（11）……ローター，（12）
……クランプアーム，（20）……円板，（21）……流体
シリンダー，（22）（23）……挾持アーム，（24）……
機台，（26）……主軸，（27）……通路，（31）……操
作レバー，（33）……コイルスプリング，（34）……チ
ューブ，（35）……可動爪，（36）……固定爪，（38）
……可動部材，（39）……固定部材，（42）……原動
軸，（44）……ゼネバストップ，（48）……係合部材，
（49）……アタッチメント，（50）……ロータリーバル
ブ，（53）……操作ピン，（59）……溝カム，（60）…
…結束機構，

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】機台に垂直で回転自在に支持した主軸上端
   の円板から複数本の流体シリンダーを等間隔で放射状に
   突き出し、該各流体シリンダーと各ピストンロッドの先
   端とにそれぞれ挾持爪を設ける一方、前記円板を前記各
   流体シリンダーの設置間隔と同じピッチで間欠回転する
   ように前記主軸を動力源に連結し、さらに前記各流体シ
   リンダーの両側において前記円板に対してそれぞれ対の
   挾持アームを回転自在に支持すると共に、前記主軸の周
   囲に配置するように前記機台上に固定した溝カムに前記
   各挾持アームの操作ピンを係合し、前記円板が一回転す
   る間に各対の挾持アームの先端が接近するように前記の
   溝カムの溝を形成する一方、前記主軸に係合した可動部
   材と不動部分に支持した固定部材とでロータリーバルブ
   を形成すると共に、前記ロータリーバルブを介して流体
   圧力源と前記各流体シリンダーとを回路連結し、前記各
   流体シリンダーの一つの停止箇所で前記各挾持爪が閉鎖
   するように各流体シリンダーに流体圧力が作用するよう
   にする一方、前記の各対の挾持アームが接近して移動す
   る区域に結束機構を設置してなるロータリー式の袋口結
   束装置。