JP2605614Y2

JP2605614Y2 - ボールペン

Info

Publication number: JP2605614Y2
Application number: JP1992003676U
Authority: JP
Inventors: 行正桑原
Original assignee: Kotobuki and Co Ltd
Current assignee: Kotobuki and Co Ltd
Priority date: 1992-02-04
Filing date: 1992-02-04
Publication date: 2000-07-31
Anticipated expiration: 2007-02-04
Also published as: JPH0563888U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、操作部を弾性体の弾性
力に抗して押圧することによりレフィールのペン先を外
筒の先端より突出させて突出状態に維持し、操作部を回
動させることによりペン先の突出状態を解除させて弾性
体の弾性力によりレフィールのペン先を外筒の先端より
引っ込めることができるボールペンに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のボールペンとしては、例
えば、実公昭６３−３７２７１号公報に開示のものがあ
る。このボールペンは、外筒内に弾性体で後方に付勢さ
れたレフィールを挿置し、外筒の内面にカム収納筒体を
固着し、このカム収納体内に、レフィールの後部が嵌挿
された回転カムを収納し、この回転カムを摺動させるカ
ム棒をカム収納筒体内に収容してカム収納筒体の段部に
係止し、この段部より突出するカム棒にノック部を嵌着
することにより構成されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】このように構成された
従来のボールペンにあっては、レフィール押出機構の構
成部品数がカム収納筒体，回転カム及びカム棒の三部品
と多いばかりでなく、回転カムの外周面に切換突起が設
けられ、更に回転カムの先端に外向き突部が突設されて
いること、カム棒の外周に突部が突設されていること、
カム収納筒体の内周面に複数の回転付与部が形成され、
各回転付与部は回転カムの切換突起を周方向にすべり傾
斜回転移動させる第１，第２傾斜面と．該傾斜面間に形
成され回転カムの切換突起のすべり傾斜回転移動を一時
停止させる段部と，カム棒の突部が摺動する突部摺動溝
と，回転カムの切換突起が所定時に侵入し軸方向に後退
摺動すると共に切換突起を軸方向へ押圧前進移動させる
カム棒の突部が摺動するカム溝とを有すること、回転カ
ムの外向き突部が回転付与部の先端に係止される構造で
あること、及びカム棒の段部がカム収納筒体の段部に係
止する構造であること等によりカム収納筒体，回転カム
及びカム棒の形状・構造が極めて複雑であるため、ボー
ルペンの構成・組立てが極めて複雑・困難となり、この
ボールペンは極めて高価になるという課題がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案に係るボールペン
は、外筒と、外筒内に配置されたカム筒と、外筒とカム
筒とに設けられて互いに協働してカム筒を外筒の内面に
対して固着するための第一の協働機構と、第一の協働機
構を介して外筒の内面に対して固着されたカム筒内に挿
入され且つ嵌挿穴を備えたカムバーと、カムバーに設け
られて外筒の後端より突出した操作部と、カム筒とカム
バーとに設けられ互いに協働してカム筒に対してカムバ
ーを移動自在に連結するための第二の協働機構と、外筒
内に挿入されカム筒を通って後部がカムバーの嵌挿穴に
嵌入されたレフィールと、外筒内に配置されてレフィー
ルを外筒の後方へ付勢している弾性体とを有し、カムバ
ーに弾性を付与する切込み部をカムバーに設けることに
より構成されている。

【０００５】

【作用】上述の如く構成された本考案に係るボールペン
においては、レフィールの押出し機構が極めて簡単な構
造及び形状のカム筒とカムバーのみにて構成されている
ため、本考案に依れば、従来のボールペンと比較して部
品点数を低減できるようになるばかりでなく、安価なボ
ールペンを提供できるようになる。また、カムバーに弾
性を付与する切込み部がカムバーに設けられているの
で、カム筒に対するカムバーの組込み時にカムバーを撓
み変形させつつカム筒に対して組み込むことができるよ
うになり、組込み作業を簡単且つ能率的に行うことがで
きるようになる。

【０００６】

【実施例】図１は本考案に係るボールペンの一実施例の
構成を示す縦断面図、図２はその構成部品図である。本
考案に係るボールペンは、外筒１と、外筒１内に配置さ
れたカム筒７と、カム筒７内に挿入されたカムバー９
と、外筒１内に挿入されて後部がカム筒７を通ってカム
バー９の嵌挿穴８に嵌入されているレフィール３と、外
筒１の先端部に取り付けられた先具１７と、外筒１とカ
ム筒７とに設けられ互いに協働してカム筒７を外筒１の
内面に固着するための第一の協働機構と、カム筒７とカ
ムバー９とに設けられ互いに協働してカム筒７に対して
カムバー９を移動自在に連結するための第二の協働機構
とを有している。レフィール３のスプリング受け部と先
具１７の段部との間にはバネ２が配置されていて、この
バネ２によりレフィール３は後方へ付勢されている。

【０００７】第一の協働機構は、カム筒７の外周面に設
けられた係止突部１４と、外筒１の後方部内面に設けら
れた環状係止溝１３とを有している。カム筒７を外筒１
内に挿入してカム筒７の係止突部１４を外筒１の環状係
止溝１３に係合させることにより、カム筒７は外筒１の
後方部内面に強固に固着されている。

【０００８】第二の協働機構は、カム筒７の壁部に形成
されたカム孔と、カムバー９の先端部外面に設けられた
突子１０とを有している。カム筒７に設けられたカム孔
は、カム筒７の略軸線方向に沿って延在した軸方向カム
路４と、軸方向カム路４から略側方へ連続して延在した
側方カム路５と、側方カム路５の後部に位置している係
止部６とにより構成されている。第一の協働機構を介し
て外筒１に固着されたカム筒７内にカムバー９の先端部
を挿入して、カムバー９のその先端部に設けられた突子
１０をカム筒７に形成されたカム孔に係合させることに
よりカムバー９はカム筒７に対して移動自在に連結され
ている。上述したように、後部がカムバー９の嵌挿穴８
に嵌入されたレフィール３がバネ２により後方へ付勢さ
れているので、カムバー９の突子１０は通常はカム筒７
の軸方向カム路４の後端縁に押し当てられている。尚、
図示実施例においては、第二の協働機構のカム孔は、カ
ム筒７の壁部の互いに対向する部位に一対設けられてい
る（片側のカム孔のみ図示）。これに対応して、第二の
協働機構の突子１０もカムバー９の先端部の互いに対向
する部位に一対設けられている。このように構成すれ
ば、操作性を向上させることができる。

【０００９】突子１０が設けられたカムバー９の先端部
の対向部位とは別の対向部位には、突子１０を含んだカ
ムバー９の先端部全体に弾力性を持たせる切込み部１２
が設けられている。また、カムバー９の後部には、外筒
１の後端より突出するクリップ１５付き操作部１１が一
体又は別体に設けられている。尚、操作部１１をカムバ
ー９と別体に構成した場合には、カムバー９の後部に操
作部を嵌着等により取り付けるよう構成してもよいこと
は明らかである。また、カムバー９のカム孔に代えてカ
ム溝をカムバーに設けるよう構成してもよい。

【００１０】上述の如く構成された本考案に係るボール
ペンにおいては、カムバー９の後部に設けられた操作部
１１をユーザーがバネ２の弾発力に抗して外筒１の内方
へと押圧すると、カムバー９が前進してカムバー９の嵌
挿孔８内に後部が嵌入されているレフィール３を前方へ
押し遣り、その結果、レフィール３のペン先１６が先具
１７より突出するようになる。より詳述すると、カムバ
ー９の前進に伴って、バネ２の付勢力によってカム孔の
軸方向カム路４の後端縁に押し付けられているカムバー
９の突子１０が軸方向カム路４に沿って案内されつつ側
方カム路５の方向へと移動し、ユーザーが操作部１１に
対する押圧力を解除した時に、カムバー９の突子１０
は、バネ２の弾発力によりカム孔の係止部６に係合し係
止される。これにより、レフィール３のペン先１６が先
具１７より突出した状態に維持され、この状態でユーザ
ーは本ボールペンを筆記に供することができるようにな
る。

【００１１】筆記後にユーザーが操作部１１のクリップ
１５を指で外筒１の周方向へ回動させると、カムバー９
の突子１０がカム孔の係止部６との係合状態を解除さ
れ、バネ２の弾発力によりカム孔の側方カム路５を経て
軸方向カム路４の後端縁方向へと移動し軸方向カム路４
の後端縁に押圧係止されると共に、レフィール３がバネ
２の弾発力により外筒１の後端方向に向かって移動させ
られるようになる。これにより、レフィール３のペン先
１６は先具１７内に引っ込められるようになる。尚、ク
リップ１５は操作部１１に設けても設けなくてもよい
が、上述したように、クリップ１５の操作によりレフィ
ール３のペン先１６を先具１７内に簡単に引っ込めるこ
とができるので、クリップを操作部に設けた場合には、
操作性を向上させることができる。また、従来のボール
ペンにおいては、レフィールのペン先を先具内に引っ込
める場合には、ユーザーはその都度外筒を持ちかえなけ
ればならなかったが、本考案に係るボールペンにおいて
は、ペン先１６を先具１７内に引っ込める場合には、外
筒１を持ちかえることなく筆記時の状態のままで、クリ
ップ１５の先端部を指で軽く外筒１の周方向に回動させ
ることにより、ペン先１６を簡単に先具１７内に引っ込
めることができる。

【００１２】次に、本考案に係るボールペンの組立てに
ついて説明する。先ず、外筒１の後端よりカム筒７を外
筒１内に圧入してカム筒７の係止突部１４を外筒１の環
状係止溝１３に嵌合係止させることにより、カム筒７を
外筒１に対して固着する。次に、外筒１の後端よりカム
バー９を挿入し、切込み部１２が設けられたカムバー９
の先端部を撓み変形させつつ、外筒１に固着されたカム
筒７内に押し込んでカム筒７のカム孔にカムバー９の突
子１０を係合させることにより、カムバー９をカム筒７
に対して移動自在に連結させる。或いは、カム筒７とカ
ムバー９とを先ず連結させた後に、そのカム筒７とカム
バー９との組立て体を外筒１内に挿入してカム筒７の係
止突部１４を外筒１の環状係止溝１３に嵌合係止させる
ことによりカム筒７を外筒１に対して固着するようにし
てもよい。

【００１３】上記従来例では、外筒の内面にカム収納筒
体を強固に固着するのに内外に係止突起と嵌合部を有す
る略円筒状金属製のユニット本体を用いているが、本考
案に係るボールペンにおいては、外筒１とカム筒７に係
合手段を設けただけで、別段特別な係着部品を用いては
いないので、本考案に依れば、その分、構成が簡単で容
易に組み立てることができるばかりでなく、安価なボー
ルペンを提供することができるようになる。また、突子
１０を備えたカムバー９の先端部には切込み部１２が設
けられているので、カムバー９のその先端部は撓み変形
し易く、従って、上述したように、カムバー９の先端部
を撓み変形させつつ、カムバー９をカム筒７内に挿入し
且つカムバー９の突子１０をカム筒７のカム孔に簡単に
係合させることができるから、本考案に係るボールペン
は簡単に組立てることができる。

【００１４】カム筒７及びカムバー９を外筒１内に組み
込んだ後に、バネ２を巻装したレフィール３を外筒１の
前端より外筒１内に挿入してその後部をカムバー９の嵌
挿穴８内に嵌入する。その後、外筒１の先端部に先具１
７を螺着することにより組立てを完了する。

【００１５】

【考案の効果】上述した如く、本考案に係るボールペン
においては、レフィールの押出し機構が極めて簡単な構
造及び形状のカム筒とカムバーのみにて構成されている
ため、本考案に依れば、従来のボールペンと比較して構
造が簡単で部品点数が少なく且つ安価なボールペンを得
ることができる。また、カムバーに弾性を付与する切込
み部がカムバーに設けられているので、カム筒に対する
カムバーの組込み時にカムバーを撓み変形させつつ簡単
にカムバーをカム筒に対して組込み且つカムバーの突子
をカム筒のカム孔に簡単に係合させることができるか
ら、組立て作業能率を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るボールペンの一実施例の構成を示
す縦断面図である。

【図２】図１に示したボールペンの構成部品図である。

【符号の説明】

１外筒２弾性体（バネ）３レフィール４軸方向カム路５側方カム路６係止部７カム筒８嵌挿穴９カムバー１０突子１１操作部１２切込み部１３環状係止溝１４係止突部１５クリップ１６ペン先１７先具

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】外筒（１）と、外筒（１）内に配置されたカム筒（７）と、前記外筒（１）と前記カム筒（７）とに設けられ互いに
協働して前記カム筒（７）を前記外筒（１）の内面に対
して固着するための第一の協働機構と、前記第一の協働機構を介して前記外筒（１）の内面に対
して固着された前記カム筒（７）内に挿入され且つ嵌挿
穴（８）を備えたカムバー（９）と、前記カムバー（９）に設けられて前記外筒（１）の後端
より突出した操作部（１１）と、前記カム筒（７）と前記カムバー（９）とに設けられ互
いに協働して前記カム筒（７）に対して前記カムバー
（９）を移動自在に連結するための第二の協働機構と、前記外筒（１）内に挿入され前記カム筒（７）を通って
後部が前記カムバー（９）の前記嵌挿穴（８）に嵌入さ
れたレフィール（３）と、前記外筒（１）内に配置されて前記レフィール（３）を
前記外筒（１）の後方へ付勢している弾性体（２）とを
有し、前記カムバー（９）に弾性を付与する切込み部（１２）
が前記カムバー（９）に設けられていることを特徴とす
るボールペン。
【請求項２】前記第一の協働機構が、前記外筒（１）
の内面に設けられた環状係止溝（１３）と、前記カム筒
（７）の外面に設けられた係止突部（１４）とを有し、
これら環状係止溝（１３）と係止突部（１４）とを係合
させることにより、前記カム筒（７）が前記外筒（１）
に対して固着されていることを特徴とする、請求項１に
記載のボールペン。
【請求項３】前記第二の協働機構が、前記カム筒
（７）に設けられたカム孔と、前記カムバー（９）の外
面に設けられた突子（１０）とを有し、前記カム孔が、
前記カム筒（７）の略軸線方向に沿って延在した軸方向
カム路（４）と、前記軸方向カム路（４）から略側方へ
連続して延在した側方カム路（５）と、前記側方カム路
（５）の後部に位置している係止部（６）とを有し、前
記カムバー（９）の前記突子（１０）を前記カム孔に係
合させることにより、前記カムバー（９）が前記カム筒
（７）に対して移動自在に連結されていることを特徴と
する、請求項１又は２に記載のボールペン。
【請求項４】前記操作部（１１）がクリップ（１５）
を有し、この操作部（１１）が前記カムバー（９）に一
体又は別体に設けられていることを特徴とする、請求項
１〜３のいずれか一項に記載のボールペン。
【請求項５】前記第二の協働機構の前記カム孔が前記
カム筒（７）の壁部の互いに対向する部位に夫々設けら
れ、前記第二の協働機構の突子（１０）が前記カムバー
（９）の外面の互いに対向する部位に夫々設けられてい
ることを特徴とする、請求項３に記載のボールペン。